JP2012242340A - 赤外線フィルター用ポリカーボネート樹脂の良否判定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】赤外線フィルター用ポリカーボネート樹脂における不良品の判定を高い精度で行う方法を提供する。
【解決手段】可視光を吸収する染料を含有するポリカーボネート樹脂の赤外線透過率の良否を判定する方法であって、該ポリカーボネート樹脂を所定形状のペレットに成形し、
A)ペレットをペレット搬送部にペレット同士が重積しない単層状態に載置する工程、
B)ペレットを搬送し、赤外線投光装置及び受光装置からなる赤外線透過式の検査部を通過させる工程、
C)赤外線の透過量を測定しペレットの良否を判定する工程、
D)判定に従って、ペレットを選別する工程
の各工程を有し、
当該判定に用いるペレットの形状を、扁平率0.25〜0.9、短径1〜4mm、長さ2〜4mmとすることを特徴とする赤外線フィルター用ポリカーボネート樹脂の良否判定方法による。
【選択図】図1

Description

本発明は、赤外線フィルター用ポリカーボネート樹脂の良否判定方法に関するものであり、詳しくは、不良品検出率の高い赤外線フィルター用ポリカーボネート樹脂の良否判定方法に関するものである。
ポリカーボネート樹脂は、透明性、耐熱性、機械的物性、電気的特性に優れた樹脂であり、各種の部品製造用材料に幅広く利用され、その一つの例として、赤外領域の波長を選択的に透過せしめる赤外線フィルターがあり、その代表的な例は、各種電化製品等の遠隔制御のために使用される、いわゆるリモコンの受光部であって、可視光は吸収して遮断し所望波長の赤外線を選択的に透過させるフィルターを必要とする。可視光の遮断は、環境光による外乱によって生ずる機器類の誤動作を回避するために不可欠となる。
また、近年、高度道路交通システム(ITS)におけるドライバーの顔向き認知システムや、セキュリティーシステムにおける個人認証手段として、施設や住宅等の入退室に近赤外線を利用した顔向き認証等の高度なシステムに赤外線フィルターが使用されてきており、今後も利用が拡大するものと考えられる。
使用する赤外線としては、波長が800ないし1000nmである近赤外領域が多く採用されている。したがって、可視光領域と接近しており、被制御対象機器の誤動作防止の観点から、特に厳しい赤外線透過特性が要求される。
赤外線フィルターは、ポリカーボネート樹脂等の透明な樹脂に、可視光線を遮蔽するために必要な赤外線吸収剤と染顔料等を添加することで、可視光線を遮蔽し、赤外線を透過する材料からなる。このような赤外線フィルター用ポリカーボネート樹脂グレードは、見た目の色相が黒色であるため、カーボンブラックを用いた汎用の黒グレードとの見分けが付きにくい。このため、ポリカーボネート樹脂ペレット中のヤケや異物、また黒グレードとのコンタミが生じても、目視では判別がほとんど不可能であり、これを用いて成形品としたときに初めて赤外線透過率不良が発覚するというような場合が多い。
このため、ポリカーボネート樹脂ペレットの製造時の工程検査として、ペレット製造工程の初流/中流/終流の各工程、およびアフターブレンド後にペレットを成形し、赤外線透過率のチェックが行われている。しかしこの場合でも全数検査は困難であり、またバッチ式の検査であるため、透過率不良品が製品として出荷される不安が残る。また成形品での検査は製造時とタイムラグがあり、当該ロットが不良品となった場合の損失も大きいといった問題があった。
従来から、樹脂ペレットを光学的に検査して付着異物を検出し、異物付き樹脂ペレットを除去させることが行われている。例えば、特許文献1において、樹脂ペレットの異物検査装置として、無色透明な回転テーブルに溝を設け、樹脂ペレットをランダムに並べてテーブルを回転させながらCCDカメラで撮像し、異物付樹脂ペレットを除去する装置が提案されている。しかし、このような検査装置では、赤外線フィルターグレードの良否検査は難しく、検出精度が安定しない等の問題点がある。
特開平11−218497号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、不良品検出率が高く、透過率異常のペレットを高い検出率で識別し、除去して、不良ペレットの流出を防止することが可能な赤外線フィルター用ポリカーボネート樹脂の良否判定方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、可視光を吸収する染料を含有する赤外線フィルター用ポリカーボネート樹脂を、特定の工程からなる良否判定方法を採用し、その際、判定に用いる該ポリカーボネート樹脂を特定の形状を有するペレットとすることにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、可視光を吸収する染料を含有するポリカーボネート樹脂の赤外線透過率の良否を判定する方法であって、該ポリカーボネート樹脂を所定形状のペレットに成形し、
A)ペレットをペレット搬送部にペレット同士が重積しない単層状態に載置する工程、
B)ペレットを搬送し、赤外線投光装置及び受光装置からなる赤外線透過式の検査部を通過させる工程、
C)赤外線の透過量を測定しペレットの良否を判定する工程、
D)判定に従って、ペレットを選別する工程
の各工程を有し、
当該判定に用いるペレットの形状を、扁平率0.25〜0.9、短径1〜4mm、長さ2〜4mmとすることを特徴とする赤外線フィルター用ポリカーボネート樹脂の良否判定方法が提供される。
さらに、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、ペレットを単層状態で搬送部に載置する方法が、振動装置によってなすことを特徴とする赤外線フィルター用ポリカーボネート樹脂の良否判定方法が提供される。
本発明の赤外線フィルター用ポリカーボネート樹脂の良否判定方法によれば、不良品検出率が高く、透過率異常のペレットを高い検出率で識別し、除去して、不良ペレットの流出を防止することが可能となる。
本発明の良否判定方法に使用する検査装置の一実施例の主要構成を示す説明図である。 本発明に方法に使用するポリカーボネート樹脂ペレットの形状を示す斜視図である。
以下、図面も参照しながら、本発明の一実施形態を説明するが、本発明はこの一実施形態に限定して解釈されるものではない。
図1は、本発明の良否判定方法に使用する検査装置の一実施例の主要構成を示す説明図である。
図中、1はコンベア、2はコンベアの搬送路、3はペレットフィーダー、4はポリカーボネート樹脂ペレット、5は赤外線投光装置、6は赤外線受光装置、7は良否判定装置、8は不良品吸引装置、9は良品収容容器である。
先ず、ポリカーボネート樹脂ペレット4は、コンベア1の上流側に設けられたペレットフィーダー3の上部のホッパーに投入され、コンベア1の搬送路2に載置される。搬送路2は、回転ローラ等に支持されたベルト状の部材からなり、透明な、あるいは少なくともペレット4が載置される領域が透明であるベルト状部材からなる。
搬送路2上へのペレット4の供給は、ペレット同士が重積しない単層状態に載置する。本発明では、移動する搬送路2上にペレット4を単層状態に安定して載置するため、判定に供されるペレット4の形状を扁平形状とすることを特徴とし、扁平率が0.25〜0.9、短径が1〜4mm、長さが2〜4mmとする。
図2は使用するペレット4の形状を示す斜視図である。図2において、aは短径、bは長径、Lは長さであり、扁平率は、短径aを長径bで除したa/bで表される。
ペレット4をこのような断面楕円状の円柱形状とすることにより、移動する搬送路2でも安定して単層の載置状態を保つことが出来る。赤外線透過率は、厚さに依存するが、このため、測定位置ではペレットが単層状態で載置されて一定厚さとなるように、扁平率(a/b)が0.25〜0.9、短径aが1〜4mm、長さLが2〜4mmの扁平形状のペレットとする。
ポリカーボネート樹脂ペレット4の扁平率が0.9を超えると搬送路2上に安定して載置させるのが難しく、扁平率が0.25未満ではペレット4同士が重積しやすく誤検知を誘発しやすい。また、ペレット4の短径aが1mm未満では、赤外線の透過距離が短いために良否の差が小さくなることから判別困難となり、4mmを超えるとペレット4の輪郭部にて生ずる赤外光の乱反射の影響が大きくなることから誤検知を誘発しやすくなる。さらに、長さが2mmを下回ると表面が平滑でない切断面が上向きとなるよう載置されるため赤外光の乱反射が大きくなることから誤検知を誘発しやすくなり、4mmを超えるとペレット4同士が重積しやすく誤検知を誘発しやすくなる。
ペレット4の扁平率(a/b)は0.3〜0.9であることが好ましく、0.5〜0.9であることがより好ましく、短径aは、1.2〜3.8mmの範囲にあることが好ましく、また1.5〜3.5mmの範囲にあることがより好ましく、長さLは、2.2〜3.8mmの範囲にあることが好ましく、また2.5〜3.5mmの範囲にあることがより好ましい。
なお、判定に供するペレット4は、その全量が上記範囲にあることが望ましいのは勿論であるが、ペレット4が実質的にそのような範囲にあればよい。ここで「実質的に」とは、ペレットの少なくとも70%以上、より好ましくは80%以上、更には90%以上、特には95%以上がこのような範囲にあることをいう。
なお、ペレット4の長さLが、所定長を超えるようなものが良否判定後にも混入しているような場合には、篩やスクリーンメッシュ等による分別により除去することも可能である。
ペレット4を重積させず単層状態で搬送路2に載置するには、搬送路2の下方に振動装置10を設けて作動させて搬送路2に振動を与えることにより、上記で規定した扁平形状のペレット4は容易に単層状態を形成することが出来る。
なお、ペレット4の載置は、ペレット同士の重なりが皆無であることが理想的であるが、実用上はその重なりが、重なり率として10%以下、より好ましくは5%以下であればよい。
搬送路2上のペレット4は、赤外線投光装置5と赤外線受光装置6からなる赤外線透過式検査部に至る。赤外線投光装置5が搬送路2の下方に、赤外線受光装置6が上方に配置されて、赤外線投光装置5からの赤外線は透明な搬送路2を通過し、ペレット4を透過した光が赤外線受光装置6に受光される。
赤外線投光装置5と赤外線受光装置6の配置は、赤外線投光装置5が搬送路2の上方に、赤外線受光装置6が下方に配置されてもよいし、また、両方ともペレット4側にし、搬送路2を反射性のものにし、ペレット4上部から赤外光を投光し、往復の透過光で判定することも可能である。
赤外線受光装置6は、具体的には光量計でもよいが、好ましくは赤外光カメラを使用するのが好ましい。光量計あるいは赤外光カメラは、上面からペレット4からの赤外光を受光または撮影し、その得られた透過量あるいは画像データを良否判定装置7に出力する。
良否判定装置7は、入力された透過量あるいは画像データに基づいて良否判定を行う。良否判定は、赤外線フィルターとしての設計スペックに従って、合格品と不合格品とに選別する赤外線透過率の下限値を先ず設定する。例えば波長900nmにおける透過率が80%以上を下限値とした場合、80%未満の透過率のペレットを不良ペレットとして検知する。不良ペレットの信号は、良否判定装置7から下流にある不良品吸引装置8に送られ、不良品と判定されたペレットは、不良品吸引装置8の直下に搬送されると、不良品吸引装置8が作動して吸引し、不良品として回収される。
画像データに基づいて画像解析により良否判定を行う場合は、ペレット4の透過光によるカメラ画像の明暗(輝度)やムラの有無等により判定がされる。
不良品ペレットが除去された後は、良品ペレットは、コンベア1の下流側終端部下方に設けられた良品収容容器9に収容される。
上記説明では、ペレット4を搬送する搬送部はベルト状のコンベア1を使用したが、これをターンテーブル等の他の搬送手段も採用することができるのは勿論である。
また、良否判定は、全数検査を行わずに、赤外線フィルター用ポリカーボネート樹脂組成物ペレット製造時に、その一部、例えばペレット製造量の1〜20%の率で、連続的にサンプリングをし、これを良否判定することも好ましい。良否判定の結果は、ペレット製造工程にフィードバックして、製造工程の調製・変更・切り替え・停止等を行うことで、製造と検査のタイムラグが無くなり、不良ロット発生の防止を図ることが可能である。
良否判定方法に使用するポリカーボネート樹脂ペレット4は、ポリカーボネート樹脂に可視光を吸収する染料、必要により他の添加剤を配合した後、スクリュー型押出機等で溶融混練した後、先端にある、所定の0.25〜0.9の扁平率でその短径が1〜4mmの楕円断面形状の吐出ダイスから、ストランドと呼ばれるヒモ状に押出した後、冷却水槽等に導入して冷却したのち、ペレタイザー等の切断手段にて所定寸法に裁断することにより得ることができる。
本発明に使用するポリカーボネート樹脂としては、芳香族ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリカーボネート樹脂、芳香族−脂肪族ポリカーボネート樹脂が挙げられるが、好ましくは、芳香族ポリカーボネート樹脂であり、具体的には、芳香族ジヒドロキシ化合物をホスゲン又は炭酸のジエステルと反応させることによって得られる熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体又は共重合体が用いられる。
芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(所謂、ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルなどが挙げられる。
本発明で用いるポリカーボネート樹脂の好ましい例としては、ジヒドロキシ化合物として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、又は2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とを併用したポリカーボネート樹脂が挙げられる。また、ポリカーボネート樹脂は、2種以上のポリカーボネート樹脂を併用しても良い。
ポリカーボネート樹脂の分子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度25℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量で、通常10,000〜50,000、好ましくは11,000〜40,000であり、特に好ましくは12,000〜30,000の範囲のものである。粘度平均分子量がこのような範囲であると、成形性が良く、また機械的強度の大きい赤外線フィルターを与える樹脂ペレットを得ることができる。
ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、ホスゲン法(界面重合法)及び溶融法(エステル交換法)のいずれの方法で製造したポリカーボネート樹脂も使用することができる。また、溶融法で製造したポリカーボネート樹脂に、末端のOH基量を調整する後処理を施したポリカーボネート樹脂を使用するのも好ましい。
可視光を吸収する染料としては、可視光線を吸収し、赤外線を透過する機能を付与させるために配合するものであり、アントラキノン系染料、ペリノン系染料、ペリレン系染料、キノリン系染料、キナクリドン系染料、ベンズイミダゾロン系染料、アゾ系染料、イソインドリノン系染料、イソインドリン系染料、ジオキサジン系染料、フタロシアニン系着色剤等が挙げられ、これらを単独または複数組み合わせて所望の分光光線透過率のものとする。
可視光吸収染料の配合量は、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、通常0.01〜5質量部、好ましくは0.05〜1質量部、より好ましくは0.1〜0.5質量部である。
可視光線吸収と赤外線透過の境界の設定は、各赤外線フィルターの設計スペックによっても異なるが、可視光吸収染料を含有する赤外線フィルター用ポリカーボネート樹脂の好ましい設定としては、以下の分光光線透過率のものが挙げられる。
・分光光線透過率(2mm厚の場合で)が、波長300〜700nmの範囲で3%未満、850nm以上では80%以上
・分光光線透過率(2mm厚の場合で)が、波長300〜750nmの範囲で3%未満、900nm以上では80%以上
本発明で良品と判定されたポリカーボネート樹脂材料は、赤外線透過フィルターに使用され、各種防犯センサー、携帯電話の赤外通信フィルター、VICS交通情報受給センサー、居眠り運転防止用センサー等の赤外線フィルターとして、特に好適に使用することができる。
(実施例1)
[樹脂ペレットの製造]
ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製商品名「ユーピロンS−3000」、粘度平均分子量22,000)100質量部に、ソルベントグリーン3を0.2質量部、ソルベントレッド135を0.1質量部となるように配合し、タンブラーにて20分混合した後、1ベントを備えたいすず化工機社製単軸押出機(VS−40)に供給し、スクリュー回転数70rpm、吐出量10kg/時間、バレル温度280℃の条件で混練し、断面形状が扁平率0.6、短径3mmの押出ノズル先端から、ストランド状に押出し、これを水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてカットしてペレット化し、赤外線フィルター用ポリカーボネート樹脂のペレット(「OKペレット」という。)を得た。
この「OKペレット」のペレット形状は、扁平率0.6±0.1、短径(a)3±0.5mm、長さ(L)3±0.5mmであった。
また、このOKペレットの900nmでの透過率は84%である。
また、可視光吸収色素の代わりにカーボンブラックを0.2%配合した以外は、上記と同様に成形し、同一ペレット形状のポリカーボネート樹脂の黒色ペレット(「NGペレット」という。)を用意した。
また、このNGペレットの900nmでの透過率は0%である。
上記OKペレット2500個に、NGペレットを10個混合したものを、ペレットフィーダー3に投入し、ポリエチレンテレフタレート製透明コンベア1の振動装置10を作動させながら、ペレットを搬送路2にフィードして搬送し、900nmの赤外レーザーを投光装置5から照射しペレット4の透過光を、受光装置6で受光して良否判定を行った。
その結果、NGペレットは10個ともNGとして判定され、検出率は100%であった。また、OKペレットは、3個だけNGと判定され、誤検出率は0.12%(3/2500)と問題のないレベルであった。
(実施例2)
ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製商品名「ユーピロンS−3000」、粘度平均分子量22,000)100質量部に、ソルベントグリーン3を0.2質量部、ソルベントレッド135を0.1質量部となるように配合し、タンブラーにて20分混合した後、1ベントを備えたいすず化工機社製単軸押出機(VS−40)に供給し、スクリュー回転数70rpm、吐出量10kg/時間、バレル温度280℃の条件で混練し、断面形状が扁平率0.8、短径3mmの押出ノズル先端から、ストランド状に押出し、これを水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてカットしてペレット化し、赤外線フィルター用ポリカーボネート樹脂のペレット(「OKペレット」という。)を得た。
この「OKペレット」のペレット形状は、扁平率0.8±0.1、短径(a)3±0.5mm、長さ(L)3±0.5mmであった。
また、このOKペレットの900nmでの透過率は84%である。
また、可視光吸収色素の代わりにカーボンブラックを0.2%配合した以外は、上記と同様に成形し、同一ペレット形状のポリカーボネート樹脂の黒色ペレット(「NGペレット」という。)を用意した。
また、このNGペレットの900nmでの透過率は0%である。
上記OKペレット2500個に、NGペレットを10個混合したものを、ペレットフィーダー3に投入し、ポリエチレンテレフタレート製透明コンベア1の振動装置10を作動させながら、ペレットを搬送路2にフィードして搬送し、900nmの赤外レーザーを投光装置5から照射しペレット4の透過光を、受光装置6で受光して良否判定を行った。
その結果、NGペレットは10個ともNGとして判定され、検出率は100%であった。また、OKペレットは、4個だけNGと判定され、誤検出率は0.16%(4/2500)と問題のないレベルであった。
(実施例3)
ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製商品名「ユーピロンS−3000」、粘度平均分子量22,000)100質量部に、ソルベントグリーン3を0.2質量部、ソルベントレッド135を0.1質量部となるように配合し、タンブラーにて20分混合した後、1ベントを備えたいすず化工機社製単軸押出機(VS−40)に供給し、スクリュー回転数70rpm、吐出量10kg/時間、バレル温度280℃の条件で混練し、断面形状が扁平率0.4、短径3mmの押出ノズル先端から、ストランド状に押出し、これを水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてカットしてペレット化し、赤外線フィルター用ポリカーボネート樹脂のペレット(「OKペレット」という。)を得た。
この「OKペレット」のペレット形状は、扁平率0.4±0.1、短径(a)3±0.5mm、長さ(L)3±0.5mmであった。
また、このOKペレットの900nmでの透過率は84%である。
また、可視光吸収色素の代わりにカーボンブラックを0.2%配合した以外は、上記と同様に成形し、同一ペレット形状のポリカーボネート樹脂の黒色ペレット(「NGペレット」という。)を用意した。
また、このNGペレットの900nmでの透過率は0%である。
上記OKペレット2500個に、NGペレットを10個混合したものを、ペレットフィーダー3に投入し、ポリエチレンテレフタレート製透明コンベア1の振動装置10を作動させながら、ペレットを搬送路2にフィードして搬送し、900nmの赤外レーザーを投光装置5から照射しペレット4の透過光を、受光装置6で受光して良否判定を行った。
その結果、NGペレットは10個ともNGとして判定され、検出率は100%であった。また、OKペレットは、3個だけNGと判定され、誤検出率は0.12%(3/2500)と問題のないレベルであった。
本発明の良否判定方法は、検査の難しい赤外線フィルター用ポリカーボネート樹脂材料の良否判定を高精度で行うことができるので、製造工程におけるロスの削減や不良品出荷の問題が解決され、産業上の利用性は非常に高い。

Claims (2)

  1. 可視光を吸収する染料を含有するポリカーボネート樹脂の赤外線透過率の良否を判定する方法であって、該ポリカーボネート樹脂を所定形状のペレットに成形し、
    A)ペレットをペレット搬送部にペレット同士が重積しない単層状態に載置する工程、
    B)ペレットを搬送し、赤外線投光装置及び受光装置からなる赤外線透過式の検査部を通過させる工程、
    C)赤外線の透過量を測定しペレットの良否を判定する工程、
    D)判定に従って、ペレットを選別する工程
    の各工程を有し、
    当該判定に用いるペレットの形状を、扁平率0.25〜0.9、短径1〜4mm、長さ2〜4mmとすることを特徴とする赤外線フィルター用ポリカーボネート樹脂の良否判定方法。
  2. ペレットを単層状態で搬送部に載置する方法が、振動装置によってなすことを特徴とする請求項1に記載の赤外線フィルター用ポリカーボネート樹脂の良否判定方法。
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