JP2012241640A - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エミッションの排出量を低減することの可能な燃料噴射制御装置を提供する。
【解決手段】ディーゼルエンジンの気筒内にメイン噴射に先立ってパイロット噴射を行う燃料噴射弁を駆動制御する燃料噴射制御装置は、燃焼位置検出手段と噴射制御手段とを備える。燃焼位置検出手段は、パイロット噴霧の燃焼位置を検出する(S4)。噴射制御手段は、パイロット噴霧の燃焼位置がメイン噴霧の燃焼効率が高い適正位置にない場合(S5:NO)、パイロット噴霧の燃焼位置が適正位置となるようにパイロット噴射の噴射時期を制御する(S6)。これにより、パイロット噴霧によってできた火種に、メイン噴霧と空気とが十分に混合された状態で着火される。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
従来より、ディーゼルエンジンは、吸気通路から気筒内に導入した空気をピストンによって圧縮し、高温、高圧にする。その空気に燃料噴射弁から燃料を噴射し、燃料を自己着火させ、燃焼させている。
ディーゼルエンジンにおける燃焼過程は、噴射された燃料が可燃混合気となって自己着火する予混合燃焼期間と、その予混合燃焼期間で着火した燃料が継続して燃焼する拡散燃焼期間とに大別される。
予混合燃焼期間では、燃焼が急激に進行するため、圧力の上昇率が大きい。このため、予混合燃焼期間に噴射される燃料量が増加すると、燃焼騒音が大きくなる。
そこで、ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置は、内燃機関の1燃焼サイクル中にパイロット噴射により少量の燃料を噴射した後、メイン噴射により主燃料を噴射している。これにより、パイロット噴射によってできた火種が、メイン噴射の燃料を着火する。このため、メイン噴射で燃料が噴射されてからその燃料が着火するまでの時間(以下「着火遅れ時間」という)が短縮され、メイン噴射の予混合燃焼期間が減少する。したがって、燃焼騒音が抑制される。
特許文献1に記載の燃料噴射制御装置は、内燃機関の運転状態に基づいて設定されたメイン噴射の基準着火遅れ時間よりも、実際のメイン噴射の着火遅れ時間が長い場合、メイン噴射の噴射時期を遅角している。一方、メイン噴射の基準着火遅れ時間よりも実際のメイン噴射の着火遅れ時間が短い場合、パイロット噴射の噴射量を増量、またはパイロット噴射の噴射圧を高めている。これにより、メイン噴射の基準着火遅れ時間に実際のメイン噴射の着火遅れ時間を近づけている。
特開2010−190119号公報
しかしながら、特許文献1では、メイン噴射の噴射時期を遅角すると、メイン噴射の燃料は噴射直後に着火する。この場合、メイン噴射の液相燃料から蒸発した燃料と空気との混合が不十分なまま燃焼が進行するため、排ガスにスモークが増加するおそれがある。
一方、パイロット噴射の噴射量を増量し、またはパイロット噴射の噴射圧を高めると、パイロット噴射による燃料噴霧(以下、「パイロット噴霧」という)の燃焼位置が気筒の内壁の近傍になる。この場合、メイン噴射による燃料噴霧(以下、「メイン噴霧」という)が気筒の内壁に衝突し、冷却されることで、噴射燃料に対する完全燃焼した燃焼の割合(以下、「燃焼割合」という)が低下し、排ガスにHCが増加するおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、エミッションの排出量を低減することの可能な燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明によると、内燃機関の気筒内にメイン噴射に先立つパイロット噴射を行う燃料噴射弁を駆動制御する燃料噴射制御装置は、燃焼位置検出手段と噴射制御手段とを備える。
燃焼位置検出手段は、パイロット噴霧の燃焼位置を検出する。
噴射制御手段は、パイロット噴霧の燃焼位置がメイン噴霧の燃焼効率が高い適正位置となるようにパイロット噴射の噴射時期を制御する。
これにより、メイン噴霧の着火位置が燃料噴射弁の噴射ノズルから離れた位置となるので、パイロット噴霧の燃焼によってできた火種に、メイン噴射された液相燃料から蒸発した燃料と空気とが十分に混合された状態で燃焼する。このため、スモークの排出量が低減される。また、メイン噴霧が気筒の内壁または燃焼室の内壁に衝突する前に燃焼する。このため、燃料が冷却されることなく、HCの排出量が低減される。したがって、燃料噴射制御装置は、エミッションの排出量を低減することができる。
請求項2に記載の発明によると、メイン噴霧の燃焼効率が高い適正位置は、メイン噴射による液相燃料の到達位置と、気筒内を往復移動するピストンに設けられた燃焼室の内壁または気筒の内壁との間の領域である。
噴射ノズルから見て、メイン噴射による液相燃料の到達位置よりも遠い領域は、液相燃料から蒸発した燃料が存在する。また、噴射ノズルから見て、ピストンに設けられた燃焼室の内壁または気筒の内壁よりも近い領域は、メイン噴射の燃料が冷却されない。したがって、この領域がメイン噴霧の燃焼効率が高い適正位置である。
請求項3に記載の発明によると、噴射制御手段は、パイロット噴霧の燃焼位置が燃料噴射弁の噴射ノズルから見て適正位置よりも遠いとき、パイロット噴射の噴射時期を内燃機関の燃焼サイクルの遅角側に補正する。一方、噴射制御手段は、パイロット噴霧の燃焼位置が適正位置よりも燃料噴射弁の噴射ノズルに近いとき、パイロット噴射の噴射時期を内燃機関の燃焼サイクルの進角側に補正する。
パイロット噴射の噴射時期を遅角側に補正すると、ピストンが上死点に近づいたときにパイロット噴射がされることになる。このため、パイロット噴射されてから、気筒内の温度が燃料噴霧の着火可能な温度になるまでの時間が短くなるので、パイロット噴霧の燃焼位置が燃料噴射弁の噴射ノズルに近くなる。
パイロット噴射の噴射時期を進角側に補正すると、ピストンが上死点から遠いときにパイロット噴射がされることになる。このため、パイロット噴射されてから、気筒内の温度が燃料噴霧の着火可能な温度になるまでの時間が長くなるので、パイロット噴霧の燃焼位置が噴射ノズルから遠くなる。
請求項4に記載の発明によると、噴射制御手段は、パイロット噴射の噴射時期を内燃機関の燃焼サイクルの進角側に補正する場合、パイロット噴霧の燃焼割合が所定値以上になるように、パイロット噴射の噴射圧を下げることで噴霧の拡散を抑制する。
パイロット噴射の噴射時期を進角側に補正すると、パイロット噴射されてから気筒内の温度が燃料噴霧の着火可能な温度になるまでの時間が長くなる。このため、パイロット噴射の燃料の拡散、蒸発が進行し、混合気が薄くなることで、パイロット噴霧の燃焼割合が低下することが懸念される。
そこで、噴射制御手段は、パイロット噴霧の燃焼割合が所定値以上になるように、パイロット噴射の噴射圧を下げることで噴霧の拡散を抑制する。これにより、パイロット噴射の混合気が薄くなることなく、パイロット噴射の燃焼割合を高めることができる。
なお、所定値は、パイロット噴霧の必要燃焼割合として、例えば、パイロット噴射の燃焼割合の低減によって、メイン噴射の燃焼が悪化しエミッションの排出量が増加する値に設定される。
請求項5に記載の発明によると、燃料噴射制御装置は、先端位置検出手段と着火時刻検出手段とを備える。
先端位置検出手段は、パイロット噴霧の先端位置を検出する。
着火時刻検出手段は、パイロット噴霧の着火時刻を検出する。
燃焼位置検出手段は、パイロット噴霧の先端位置及び着火時刻からパイロット噴霧の燃焼位置を算出する。
パイロット噴霧の先端位置は、パイロット噴射がされた後、一定の推移で変位する。
パイロット噴霧の着火時刻は、電子制御装置に格納された噴射時刻と着火遅れ時間との関係を示すマップ、または気筒内に設置した圧力センサなどから検出される。着火時刻における燃料噴霧の先端位置を算出することで、その位置を燃料噴霧の燃焼位置として代表させることができる。
請求項6に記載の発明によると、先端位置検出手段は、パイロット噴霧の先端位置を、下記に示すパイロット噴射期間中の燃料噴霧の先端位置の予測式と、パイロット噴射終了後の燃料噴霧の先端位置の予測式とから算出する。
(1)パイロット噴射期間中の燃料噴霧の先端位置の予測式:
S=V・t/C0
(2)パイロット噴射終了後の燃料噴霧の先端位置の予測式:
S=(C1+C2loga(C3(t−Ti+1)))/C0
但し、S:パイロット噴霧の先端位置、V:パイロット噴霧の噴射初期速度、t:パイロット噴射開始後の経過時間、Ti:パイロット噴射時間、C0、C1、C2、C3、a:定数
パイロット噴射期間中の燃料噴霧の先端位置は、燃料噴霧の噴射初期速度とパイロット噴射開始後の経過時間に比例する。
パイロット噴射終了後の燃料噴霧の先端位置は、所定の対数関数として表される。
パイロット噴射の噴射期間中と噴射終了後とで予測式を切り替えることで、パイロット噴霧の先端位置を精度よく予測することができる。
請求項7に記載の発明によると、噴射期間中の予測式及び噴射終了後の予測式において、パイロット噴霧の噴射初期速度V、定数C0、C2、C3、C1及びaは、下記の通り設定される。
パイロット噴霧の噴射初期速度Vは、パイロット噴射時の気筒内の圧力とパイロット噴射圧力との差の平方根に比例した値とする。
定数C0は、パイロット噴射時刻の気筒内の空気密度に比例した値とする。
定数C2は、パイロット噴射圧力が高いほど小さくする。
定数C3は、パイロット噴射圧力が高いほど大きくする。
定数C1は、V・Tiとする。
定数aは、内燃機関の運転状態及びメイン噴射の条件で変更することなく、燃料噴射弁の仕様により設定する。
これにより、所定の対数関数として表されるパイロット噴射終了後の燃料噴霧の先端位置を、正確に算出することができる。
請求項8に記載の発明によると、燃料噴射制御装置は、気筒内にパイロット噴射の噴射方向に並べられ、気筒内の燃料の燃焼に基づく信号を出力する複数の燃焼検出センサを備える。
燃焼位置検出手段は、複数の燃焼検出センサから出力される信号に基づきパイロット噴霧の燃焼位置を検出する。
これにより、予測式を用いることなく、燃料噴霧の燃焼位置を検出することができる。
請求項9に記載の発明によると、燃焼検出センサは、圧力センサ、光センサまたはイオンプローブセンサである。
燃焼位置検出手段は、複数の燃焼検出センサから出力された信号の強度を比較することでパイロット噴霧の燃焼位置を検出する。
これにより、予測式を用いることなく、燃料噴霧の燃焼位置を検出することができる。
請求項10に記載の発明によると、燃焼検出センサは、圧力センサまたはイオンプローブセンサである。
燃焼位置検出手段は、複数の燃焼検出センサから信号が出力された時刻を比較することでパイロット噴霧の燃焼位置を検出する。
これにより、燃料噴霧の燃焼位置を検出することができる。
本発明の第1実施形態による燃料噴射制御装置が適用されたディーゼルエンジンの構成図である。 本発明の第1実施形態による燃料噴射制御装置の電子制御装置のブロック図である。 本発明の第1実施形態による燃料噴射制御装置の制御方法を示すフローチャートである。 パイロット噴射の噴射時期と気筒内の空気密度との関係を示すグラフである。 パイロット噴射の噴射時期と着火遅れ時間との関係を示すグラフである。 気筒内の空気密度と燃料噴霧の先端位置との関係を示すグラフである。 燃料噴霧の先端位置の予測式の精度を検証実験した結果を示すグラフである。 燃料噴霧の先端位置の予測式の精度の検証実験した結果を示すグラフである。 パイロット噴霧の燃焼位置とエミッション排出量との関係を示すグラフである。 メイン噴射による燃料噴霧を示す摸式図である。 パイロット噴射の噴射時期と燃料噴霧の先端位置との関係を示すグラフである。 パイロット噴射の噴射圧と燃焼割合との関係を示すグラフである。 本発明の第2実施形態による燃料噴射制御装置を適用したディーゼルエンジンの平面図である。 図13のXIV−XIV線の断面図である。 燃焼検出センサの出力を示すグラフである。 本発明の第3実施形態による燃料噴射制御装置を適用したディーゼルエンジンの平面図である。 図16のXVII−XVII線の断面図である。 燃焼検出センサの出力を示すグラフである。
以下、本発明の複数の実施形態による燃料噴射制御装置を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による燃料噴射制御装置が用いられる内燃機関としてのディーゼルエンジン1の構成を図1に示す。エンジン1は、複数の気筒2を有するシリンダブロック3と、シリンダヘッド4とを備える。気筒内には、ピストン5が往復移動可能に収容されている。ピストン5は、コネクティングロッド6を経由してエンジン1の出力軸である図示しないクランクシャフトに連結されている。
気筒2の内壁、シリンダヘッド4の気筒側の壁面、及びピストン5のシリンダヘッド側の壁面により燃焼室7が形成されている。燃焼室7には、吸気通路8および排気通路9が連通している。吸気通路8には、吸気量を調節するスロットル弁10が設けられている。
シリンダヘッド4には、燃焼室7に燃料を噴射する燃料噴射弁11が取り付けられている。燃料噴射弁11は、蓄圧配管としてのコモンレール12に接続されている。コモンレール12には、燃料配管13を通じてサプライポンプ14から高圧燃料が供給される。
燃料噴射弁11は、燃焼室7に露出する噴射ノズル15に設けられた噴孔を開閉するニードル16、及びそのニードル16を駆動するアクチュエータ17を備えている。アクチュエータ17への通電を電子制御装置(ECU)18が制御することで、燃料噴射弁11の燃料噴射が駆動制御される。
ECU18には、アクセル開度センサ19、吸入空気量センサ20、クランク角センサ21、コモンレール圧センサ22、吸気温センサ23、水温センサ24、インテークマニホールド内圧センサ25および気筒内圧力センサなどから信号が入力される。ECU18は、これらの信号からエンジン1の運転状態を検出し、燃料噴射弁11を駆動制御する。
図2に示すように、ECU18は、制御ブロックとして、先端位置検出手段27、着火時刻検出手段28、燃焼位置検出手段29、噴射制御手段30などを備えている。これらの機能については後述する。
吸気通路8からスロットル弁10を通過し、気筒内に導入された空気は、ピストン5によって圧縮され、高温、高圧となる。その空気に燃料噴射弁11から燃料が噴射されると、燃料は自己着火し、燃焼する。
ECU18は、燃料噴射弁11のアクチュエータ17への通電を制御する。燃料噴射弁11は、エンジンの1燃焼サイクルで、燃料噴射弁11からパイロット噴射により少量の燃料を噴射した後、メイン噴射により主燃料を噴射する。これにより、パイロット噴射でできた火種が、メイン噴射で噴射された燃料を着火する。このため、メイン噴射で燃料が噴射されてからその燃料が着火するまでの着火遅れ時間が短縮される。したがって、メイン噴射の予混合燃焼期間が減少し、燃焼騒音が抑制される。
なお、本実施形態の燃料噴射弁11には、パイロット噴射の噴射量及び噴射圧と、メイン噴射の噴射量及び噴射圧とをそれぞれ独立して制御可能な圧力可変システムが採用されている。
次に、本実施形態の燃料噴射制御装置がパイロット噴射の噴射時期及び噴射圧を制御する方法を図3のフローチャートおよび図4〜図12のグラフなどに基づいて説明する。
燃料噴射制御装置は、エンジン1の始動と共に制御を開始する。
ステップ1で、ECU18は、エンジン1に設置された各センサ19〜25から入力された信号からエンジン1の運転状態を検出する。そして、エンジン1の運転状態に基づき、気筒内への吸入空気量、並びにパイロット噴射の噴射時期、噴射圧及び噴射量を決定する。
ステップ2で、ECU18は、パイロット噴射時刻の気筒内の空気密度を算出する。図4に示すように、噴射時刻が進角側から遅角側になるに従い気筒内の空気密度は高くなり、ピストン5の上死点(TDC)で最高値となる。これに基づき、ECU18は、パイロット噴射時刻の気筒内の空気密度を算出することが可能である。
ステップ3で、着火時刻検出手段28は、パイロット噴霧の着火時刻を検出する。図5に示すように、噴射時刻が進角側から遅角側になるに従い、気筒内の空気密度及びそれに伴う気筒内の温度が高くなるので、着火遅れ時間が短くなる。これに基づき、着火時刻検出手段28は、燃料噴霧の着火時刻を検出することが可能である。なお、着火時刻検出手段28は、気筒内に設置した圧力センサ、光センサまたはイオンプローブセンサ、若しくはエンジン1の運転状態などにより、燃料噴霧の着火時刻を検出してもよい。
ステップ4で、燃焼位置検出手段29は、ステップ3で算出された着火時刻と、パイロット噴霧の先端位置とから、燃料噴霧の燃焼位置を算出する。着火時刻における燃料噴霧の先端位置は、燃料噴霧の燃焼位置として近似させることができる。
先端位置検出手段27は、パイロット噴霧の先端位置を下記の予測式によって算出する。
(1)パイロット噴射期間中の燃料噴霧の先端位置の予測式
S=V・t/C0・・・(式1)
(2)パイロット噴射終了後の燃料噴霧の先端位置の予測式
S=(C1+C2loga(C3(t−Ti+1)))/C0・・・(式2)
但し、S:パイロット噴霧の先端位置、V:パイロット噴霧の噴射初期速度、t:パイロット噴射開始後の経過時間、Ti:パイロット噴射時間、C0、C1、C2、C3、a:定数
式1において、パイロット噴射期間中の燃料噴霧の先端位置は、燃料噴霧の噴射初期速度とパイロット噴射開始後の経過時間に比例する。
式2において、パイロット噴射終了後の燃料噴霧の先端位置は、所定の対数関数として表される。
上述した式1、式2において、パイロット噴霧の噴射初期速度Vは、パイロット噴射時のエンジン1の気筒内の圧力とパイロット噴射圧力との差の平方根に比例した値とする。
定数C0は、パイロット噴射時刻のエンジン1の気筒内の空気密度が高いほど大きくする。図6に示すように、気筒内の空気密度と、噴射開始から一定時間経過後の燃料噴霧の先端位置とは、比例の関係にある。これに基づき、定数C0は設定される。
定数C2はパイロット噴射圧力が高いほど小さくし、定数C3はパイロット噴射圧力が高いほど大きくする。噴射圧力が高いときは燃料噴霧の移動速度の減衰が速く、噴射圧力が低いときは燃料噴霧の移動速度の減衰が遅いからである。
定数C1は、パイロット噴射終了時(t=Ti時)の式(1)と式(2)の値が一致するようC1=V・Tiとする。
定数aは、エンジン1の運転状態及びメイン噴射の条件で変更することなく、噴射ノズル15の噴孔径またはニードル16の開弁速度など燃料噴射弁11の仕様により設定する。燃料噴射弁11の仕様に対応するためである。
これにより、所定の対数関数として表されるパイロット噴射終了後の燃料噴霧の先端位置を正確に算出することができる。
上述した予測式の精度を検証した実験結果を図7および図8に示す。
図7では、燃料噴射弁11の噴射圧をP1としたときに予測式により算出した噴霧先端位置を実線A,Bで示す。また、気筒2と略同じ条件で形成された容器内で燃料噴射弁11から噴射圧P1で燃料を噴射したときの噴霧先端位置をカメラ撮影した噴霧先端位置を破線C,Dで示す。
実線Aおよび破線Cは、燃料噴射弁11の開弁時間がQ1の場合を示すものである。実線Aにおいて、燃料噴射開始から噴射終了となる時刻t1までは、式1により噴霧先端位置を算出した。時刻t1以降は、式2により噴霧先端位置を算出した。
実線Bおよび破線Dは、燃料噴射弁11の開弁時間がQ2の場合を示すものである。実線Bにおいて、燃料噴射開始から噴射終了となる時刻t2までは、式1により噴霧先端位置を算出した。時刻t2以降は、式2により噴霧先端位置を算出した。
図8では、燃料噴射弁11の噴射圧をP2としたときに予測式により算出した噴霧先端位置を実線E,Fで示す。また、気筒2と略同じ条件で形成された容器内で燃料噴射弁11から噴射圧P2で燃料を噴射したときの噴霧先端位置をカメラ撮影した噴霧先端位置を破線G,Hで示す。
実線Eおよび破線Gは、燃料噴射弁11の開弁時間がQ1の場合を示すものである。実線Eにおいて、燃料噴射開始から噴射終了となる時刻t3までは、式1により噴霧先端位置を算出した。時刻t3以降は、式2により噴霧先端位置を算出した。
実線Fおよび破線Hは、燃料噴射弁11の開弁時間がQ2の場合を示すものである。実線Fにおいて、燃料噴射開始から噴射終了となる時刻t4までは、式1により噴霧先端位置を算出した。時刻t4以降は、式2により噴霧先端位置を算出した。
図7および図8に示すように、燃料噴射弁11の噴射圧及び開弁時間が異なる場合において、上述した予測式の精度の高さが確認された。
次に、ステップ5で、パイロット噴霧の燃焼位置が、メイン噴霧の燃焼効率が高い適正位置の範囲内にあるか否か判定される。図9の実線Iに示すように、パイロット噴霧の燃焼位置が、適正位置αよりも燃料噴射弁11の噴射ノズル15に近い場合、メイン噴射の燃料が燃焼したときに発生するスモークが多くなる。一方、図9の実線Jに示すように、パイロット噴霧の燃焼位置が、噴射ノズル15からみて適正位置αよりも遠い場合、メイン噴射の燃料が燃焼したときに発生するHCが多くなる。これに基づき、適正位置αは設定される。
パイロット噴霧の燃焼位置が適正位置αの外側にある場合にスモーク又はHCが増加する理由を図10を参照して説明する。図10は、メイン噴霧を摸式的に示したものである。
メイン噴射による燃料は、液相31として噴射された燃料が蒸発した噴霧32となり空気と混合する。パイロット噴霧の燃焼位置がメイン噴射の液相到達距離よりも噴射ノズル15に近い場合、メイン噴射の燃料は蒸発した燃料と空気とが十分に混合されていない状態で燃焼するので、スモークが増加する。
一方、パイロット噴霧の燃焼位置がピストン5に設けられた燃焼室7の内壁(ピストン5の凹部)または気筒2の内壁(シリンダブロック3の内周)に隣接する場合、メイン噴射の燃料は燃焼室7の内壁または気筒2の内壁に衝突し、冷却されることで燃焼割合が低下する。このため、HCが増加する。
したがって、パイロット噴射およびメイン噴射の噴射時刻が早いためにシリンダヘッド4とピストン5とが離れている場合、燃料噴霧の燃焼効率が高い適正位置αは、メイン噴射の液相到達位置と気筒2の内壁との間の領域α1である。
一方、パイロット噴射およびメイン噴射の噴射時刻が遅いためにシリンダヘッド4とピストン5とが近い場合、燃料噴霧の燃焼効率が高い適正位置αは、メイン噴射の液相到達位置とピストン5の燃焼室7の内壁との間の領域α2である。
パイロット噴霧の燃焼位置が適正位置αにある場合(S5:YES)、処理はステップ1に戻る。燃料噴射制御装置は、ステップ1で決定したパイロット噴射の噴射時期、噴射圧及び噴射量に基づき、燃料噴射弁11のアクチュエータ17への通電を制御する。
これに対し、パイロット噴霧の燃焼位置が適正位置αにない場合(S5:NO)、処理はステップ6に移行する。
ステップ6からステップ10では、ステップ1で決定したパイロット噴射の噴射時期、噴射圧の補正が行われる。
ステップ6では、パイロット噴霧の燃焼位置が適正位置αよりも噴射ノズル15に近いとき、その燃焼位置が適正位置αに収まるようにパイロット噴射の噴射時期を進角側に補正するための進角量が噴射制御手段30によって算出される。
一方、パイロット噴霧の燃焼位置が噴射ノズル15から見て適正位置αよりも遠いとき、その燃焼位置が適正位置αに収まるようにパイロット噴射の噴射時期を遅角側に補正するための遅角量が噴射制御手段30によって算出される。
図11では、気筒内の空気密度がρ1の場合のパイロット噴霧の先端位置を実線Kに示す。気筒内の空気密度がρ2の場合のパイロット噴霧の先端位置を実線Lに示す。図11において、気筒内の空気密度は、ρ1>ρ2である。
気筒内の空気密度がρ1のときの所定時刻に噴射されたパイロット噴霧の噴射から一定時間経過後の先端位置がMにあるとする。そのパイロット噴射の噴射時期を進角側に制御する場合、気筒内の空気密度が低くなるので、実線Kのグラフから実線Lのグラフによって噴霧先端位置を検出することになる。
さらに、進角側に制御することで、気筒内の温度が低くなるので、噴射開始から着火までの着火遅れ時間が矢印Nに示すように長くなる。これにより、噴霧先端位置はOとなる。
一方、気筒内の空気密度がρ2のときの所定時刻で噴射されたパイロット噴霧の噴射から一定時間経過後の先端位置がOにあるとする。そのパイロット噴射の噴射時期を遅角側に制御する場合、気筒内の空気密度が高くなるので、実線Lのグラフから実線Kのグラフによって噴霧先端位置を検出することになる。さらに、遅角側に制御することで、気筒内の温度が高くなるので、着火遅れ時間が短くなる。これにより、噴霧先端位置はMとなる。
続くステップ7では、パイロット噴射の噴射時期を進角側に補正する場合、その補正による燃焼割合(燃焼量)の低下が算出される。
図12では、パイロット噴射の噴射圧がP1とP2の場合における噴射時刻と燃焼割合との関係を示す。噴射圧P1の場合における噴射時刻と燃焼割合との関係を実線Pに示し、噴射圧P2の場合における噴射時刻と燃焼割合との関係を実線Qに示す。パイロット噴射の噴射圧は、P1>P2である。
噴射圧P1の場合に噴射時刻T1で噴射されたパイロット噴霧の燃焼割合をRとする。そのパイロット噴射の噴射時刻をT1からT2へ進角側へ補正する場合、気筒内の温度が低下することで、着火遅れ時間が長くなる。このため、パイロット噴射の燃料の拡散、蒸発が進行し、混合気が薄くなる。したがって、パイロット噴霧の燃焼割合が矢印Uに示すように低下し、燃焼割合がVとなる。
ステップ8では、パイロット噴霧の燃焼割合が所定値以上か否かが判定される。この所定値は、パイロット噴霧の必要燃焼割合として、例えば、パイロット噴霧の燃焼割合の低減によってメイン噴射の燃焼が悪化しエミッションの排出量が増加する値に設定される。
パイロット噴霧の燃焼割合が所定値未満のとき(S8:NO)、処理はステップ9に移行する。パイロット噴霧の燃焼割合が所定値以上のとき(S8:YES)、処理はステップ10に移行する。
ステップ9では、パイロット噴射の噴射圧の補正値が算出される。パイロット噴射の噴射圧をP1からP2に下げると、噴霧の拡散が抑制されることで、パイロット噴射の混合気が薄くなることが抑制される。これにより、図12の実線Qに示すように、パイロット噴霧の燃焼割合が高くなる。これに基づき、噴射制御手段30は、パイロット噴射の噴射圧を、噴射時刻T2において燃焼割合が所定位置以上となる噴射圧P2に設定する。これにより、燃焼割合がRに維持される。
ステップ10では、ステップ1で決定したパイロット噴射の噴射時期、噴射圧が補正される。補正後の噴射時期、噴射圧に基づき、燃料噴射制御装置は、燃料噴射弁11のアクチュエータ17への通電を制御する。なお、本実施形態の燃料噴射弁11は圧力可変システムが採用されているので、パイロット噴射の噴射圧を低下しても、メイン噴射の噴射圧に影響はない。
本実施形態では、以下の作用効果を奏する。
(1)本実施形態では、パイロット噴霧の燃焼位置が適正位置αとなるようにパイロット噴射の噴射時期を制御する。その適正位置αは、メイン噴射の液相到達位置と気筒2の内壁との間の領域α1、または、メイン噴射の液相到達位置とピストン5に設けられた燃焼室7の内壁との間の領域α2である。これにより、メイン噴射による液相燃料から蒸発した燃料と空気とが十分に混合された状態で燃焼が進行するので、スモークの排出量が低減される。また、メイン噴射の燃料は燃焼室7の内壁または気筒2の内壁に衝突する前に燃焼するので、燃料が冷却されることなく、HCの排出量が低減される。
(2)本実施形態では、パイロット噴霧の燃焼位置が噴射ノズル15から見て適正位置αよりも遠いとき、パイロット噴射の噴射時期を遅角側に補正する。これにより、パイロット噴霧の着火遅れ時間が短くなるので、パイロット噴霧の燃焼位置が燃料噴射弁11の噴射ノズル15に近くなる。
一方、パイロット噴霧の燃焼位置が適正位置αよりも噴射ノズル15に近いとき、パイロット噴射の噴射時期を進角側に補正する。これにより、パイロット噴霧の着火遅れ時間が長くなるので、パイロット噴霧の燃焼位置が噴射ノズル15から遠くなる。
(3)本実施形態では、パイロット噴射の噴射時期を進角側に補正したとき、パイロット噴霧の燃焼割合が所定値未満になると、パイロット噴射の噴射圧を下げることで噴霧の拡散を抑制する。これにより、着火遅れ時間の延長に起因してパイロット噴射の混合気の濃度が薄くなることが抑制される。したがって、パイロット噴霧の燃焼割合を高めることができる。
(4)本実施形態では、パイロット噴霧の先端位置と着火時刻からパイロット噴霧の燃焼位置を算出する。着火時刻における燃料噴霧の先端位置を算出することで、その位置を燃料噴霧の燃焼位置として近似させることができる。
(5)本実施形態では、パイロット噴霧の先端位置を噴射期間中の予測式(式1)及び噴射終了後の予測式(式2)から算出する。
パイロット噴射の噴射期間中と噴射終了後とで予測式を切り替えることで、パイロット噴霧の先端位置を精度よく予測することができる。また、パイロット噴射の噴射圧力に基づいて定数C2およびC3を調整することで、噴射終了後の燃料噴霧の先端位置を正確に算出することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による燃料噴射制御装置が用いられるエンジンを図13及び図14に示す。以下、複数の実施形態において、上述した第1実施形態と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、シリンダヘッド4の燃焼室側の壁面に複数の燃焼検出センサ41〜45が設けられている。複数の燃焼検出センサ41〜45は、図14の矢印Xで示すパイロット噴射の噴射方向に並べて配置されている。燃焼検出センサ41〜45は、例えば圧力センサ、光センサまたはイオンプローブセンサである。
燃焼検出センサ41〜45は、気筒内の燃料の燃焼に基づく信号を出力する。燃焼検出センサ41〜45から出力される信号は、ECU18に伝送される。燃焼検出センサ41〜45から出力された信号を図15に例示する。図15に示す41〜45の符号は、図13及び図14の燃焼検出センサ41〜45から出力された信号に相当する。
ECU18の燃焼位置検出手段29は、複数の燃焼検出センサ41〜45から出力された信号の強度を比較する。図15では、燃焼検出センサ43の出力が最大である。したがって、燃焼位置検出手段29は、燃焼検出センサ43の直下またはその近傍がパイロット噴霧の燃焼位置であることを検出する。
噴射制御手段30は、パイロット噴霧の燃焼位置が適正位置αか否かを判定する。噴射制御手段30は、パイロット噴霧の燃焼位置が適正位置αでない場合、適正位置αとなるようにパイロット噴射の噴射時期および噴射圧を制御する。
本実施形態では、予測式を用いることなく、パイロット噴霧の燃焼位置を正確に検出することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態による燃料噴射制御装置が用いられるエンジンを図16及び図17に示す。本実施形態では、シリンダヘッド4に設けられた複数の燃焼検出センサ46〜48は、例えば圧力センサまたはイオンプローブセンサである。
燃焼検出センサ46〜48から出力された信号を図18に例示する。図18に示す46〜48の符号は、図16及び図17の燃焼検出センサ46〜48から出力された信号に相当する。
ECU18の燃焼位置検出手段29は、複数の燃焼検出センサ46〜48から出力された信号の強度を比較する。図18では、燃焼検出センサ47、46、48の順に信号が出力されている。時刻S2と時刻S1との差が燃焼検出センサ47に対する燃焼検出センサ46の検出遅れ時間Yであり、時刻S3と時刻S1との差が燃焼検出センサ47に対する燃焼検出センサ48の検出遅れ時間Zである。
燃焼位置検出手段29は、燃焼検出センサ46〜48の検出時間の差を検出し、気筒内の空気密度と温度から算出した圧力伝播速度を基にパイロット噴霧の燃焼位置を検出する。
本実施形態では、予測式を用いることなく、パイロット噴霧の燃焼位置を正確に検出することができる。
(他の実施形態)
上述した実施形態では、噴射制御手段は、パイロット噴霧の燃焼位置が適正位置となるようにパイロット噴射の噴射時期を制御した。これに対し、他の実施形態では、吸気通路に設けられた過給機の過給圧を変更することでパイロット噴霧の移動速度を変え、燃焼位置を制御してもよい。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
1 ・・・ディーゼルエンジン(内燃機関)
2 ・・・気筒
5 ・・・ピストン
7 ・・・燃焼室
11・・・燃料噴射弁
18・・・ECU(燃料噴射制御装置)
27・・・先端位置検出手段
28・・・着火時刻検出手段
29・・・燃焼位置検出手段
30・・・噴射制御手段

Claims (10)

  1. 内燃機関の気筒内にメイン噴射に先立つパイロット噴射を行う燃料噴射弁を駆動制御する燃料噴射制御装置であって、
    前記パイロット噴射による燃料噴霧の燃焼位置を検出する燃焼位置検出手段と、
    前記パイロット噴射による燃料噴霧の燃焼位置が前記メイン噴射による燃料噴霧の燃焼効率が高い適正位置となるように前記パイロット噴射の噴射時期を制御する噴射制御手段とを備えることを特徴とする燃料噴射制御装置。
  2. 前記適正位置は、前記メイン噴射による液相燃料の到達位置と、前記気筒内を往復移動するピストンに設けられた燃焼室の内壁または前記気筒の内壁との間の領域であることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射制御装置。
  3. 前記噴射制御手段は、
    前記パイロット噴射による燃料噴霧の燃焼位置が前記燃料噴射弁の噴射ノズルから見て前記適正位置よりも遠いとき、前記パイロット噴射の噴射時期を前記内燃機関の燃焼サイクルの遅角側に補正し、
    前記パイロット噴射による燃料噴霧の燃焼位置が前記適正位置よりも前記燃料噴射弁の前記噴射ノズルに近いとき、前記パイロット噴射の噴射時期を前記内燃機関の燃焼サイクルの進角側に補正することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料噴射制御装置。
  4. 前記噴射制御手段は、前記パイロット噴射の噴射時期を前記内燃機関の燃焼サイクルの進角側に補正する場合、前記パイロット噴射による燃料噴霧の燃焼割合が所定値以上になるように、前記パイロット噴射の噴射圧を下げることで噴霧の拡散を抑制することを特徴とする請求項3に記載の燃料噴射制御装置。
  5. 前記パイロット噴射による燃料噴霧の先端位置を検出する先端位置検出手段と、
    前記パイロット噴射による燃料噴霧の着火時刻を検出する着火時刻検出手段と、を備え、
    前記燃焼位置検出手段は、前記パイロット噴射による燃料噴霧の先端位置及び着火時刻から前記パイロット噴射による燃料噴霧の燃焼位置を算出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料噴射制御装置。
  6. 前記先端位置検出手段は、前記パイロット噴射による燃料噴霧の先端位置を、下記に示すパイロット噴射期間中の燃料噴霧の先端位置の予測式と、パイロット噴射終了後の燃料噴霧の先端位置の予測式とから算出することを特徴とする請求項5に記載の燃料噴射制御装置。
    (1)パイロット噴射期間中の燃料噴霧の先端位置の予測式:
    S=V・t/C0
    (2)パイロット噴射終了後の燃料噴霧の先端位置の予測式:
    S=(C1+C2loga(C3(t−Ti+1)))/C0
    但し、S:パイロット噴射による燃料噴霧の先端位置、V:パイロット噴射による燃料噴霧の噴射初期速度、t:パイロット噴射開始後の経過時間、Ti:パイロット噴射時間、C0、C1、C2、C3、a:定数
  7. 前記パイロット噴射期間中の燃料噴霧の先端位置の予測式、及び前記パイロット噴射終了後の燃料噴霧の先端位置の予測式において、
    前記パイロット噴射による燃料噴霧の噴射初期速度Vは、前記パイロット噴射時の前記気筒内の圧力とパイロット噴射圧力との差の平方根に比例した値とし、
    定数C0は、パイロット噴射時刻の気筒内の空気密度に比例した値とし、
    定数C2は、パイロット噴射圧力が高いほど小さくし、
    定数C3は、パイロット噴射圧力が高いほど大きくし、
    定数C1は、V・Tiとし、
    定数aは、前記内燃機関の運転状態及びメイン噴射の条件で変更することなく、燃料噴射弁の仕様により設定すること
    を特徴とする請求項6に記載の燃料噴射制御装置。
  8. 前記気筒内に前記パイロット噴射の噴射方向に並べられ、前記気筒内の燃料の燃焼に基づく信号を出力する複数の燃焼検出センサを備え、
    前記燃焼位置検出手段は、複数の前記燃焼検出センサから出力される信号に基づき前記パイロット噴射による燃料噴霧の燃焼位置を検出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料噴射制御装置。
  9. 前記燃焼検出センサは、圧力センサ、光センサまたはイオンプローブセンサであり、
    前記燃焼位置検出手段は、複数の前記燃焼検出センサから出力された信号の強度を比較することで前記パイロット噴射による燃料噴霧の燃焼位置を検出することを特徴とする請求項8に記載の燃料噴射制御装置。
  10. 前記燃焼検出センサは、圧力センサまたはイオンプローブセンサであり、
    前記燃焼位置検出手段は、複数の前記燃焼検出センサから信号が出力された時刻を比較することで前記パイロット噴射による燃料噴霧の燃焼位置を検出することを特徴とする請求項8に記載の燃料噴射制御装置。
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