JP2010007584A - 燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】予混合圧縮自着火燃焼を実施する場合(S304:Yes)、燃料噴射制御装置は、エンジン運転状態に基づいて噴射時期、ノズルニードルのリフト量、噴射期間を演算する(S306、S308、S310)。予混合圧縮自着火燃焼におけるリフト量は、拡散燃焼におけるメイン噴射のリフト量よりも小さい。拡散燃焼においてパイロット噴射を実施する場合(S304:No、S314:Yes)、燃料噴射制御装置は、エンジン運転状態に基づいて噴射時期、ノズルニードルのリフト量、噴射期間を演算する(S316、S318、S320)。パイロット噴射におけるリフト量は、メイン噴射におけるリフト量よりも小さい。
【選択図】図5
Description
本発明の第1実施形態による燃料噴射システムを図1に示す。
(燃料噴射システム10)
燃料噴射システム10は、例えば4気筒のディーゼルエンジン(以下、単に「エンジン」ともいう。)2の各気筒4内に燃料噴射弁12から燃料を噴射するシステムである。エンジン2は、エンジン運転状態に基づいて予混合圧縮自着火燃焼または拡散燃焼のいずれかを実施する。
次に、燃料噴射弁12のノズルニードルのリフト量と、噴孔から噴射される燃料噴霧の貫徹力との関係について説明する。
通常のディーゼルエンジン2では、圧縮上死点近傍でメイン噴射を実施することにより燃料を拡散燃焼させる。ただし、拡散燃焼においては、完全燃焼するとNOxの排出量が増加し、不完全燃焼すると煤の排出量が増加するという相反する排ガスの排出傾向になる。そこで、エンジン2の運転状態によっては、吸入行程初期から圧縮行程中期までの間、例えば圧縮行程初期に燃料を噴射して吸気と混合し、圧縮上死点近傍において自着火する予混合圧縮自着火燃焼を採用することが考えられる。燃料と吸気とを予め混合して均一な希薄混合気を形成し、圧縮上死点近傍で圧縮自着火燃焼させることにより、NOxおよび煤の両方の排出量を低減できる。
圧縮上死点近傍でメイン噴射を実施する拡散燃焼においては、エンジン運転状態に基づいて、メイン噴射の前に微少量の燃料を噴射するパイロット噴射を含む多段噴射が実施される。パイロット噴射は、メイン噴射の前に燃料と吸気とを混合することによりメイン噴射の着火時期を早め、メイン噴射による急激な燃焼を防止する目的で実施される。尚、燃料と吸気とを混合するパイロット噴射だけでなく、メイン噴射の直前で微少量の燃料を噴射して火種を形成することによりメイン噴射の着火時期を早め、メイン噴射による急激な燃焼を防止するパイロット噴射(プレ噴射とも言う。)を実施することもある。
予混合圧縮自着火燃焼は、エンジン2の運転状態によっては、燃料が急激に燃焼する異常燃焼によりノッキングが発生し易くなる。そこで、ECU70は、図3に示すように、エンジン2の運転状態であるエンジン2の回転数と噴射量とのマップに基づいてエンジン2の運転領域を推定し、運転領域に応じて拡散燃焼または予混合圧縮自着火燃焼のいずれかを選択する。
拡散燃焼を実施する場合、ECU70は、エンジン運転状態に基づいてメイン噴射の前にパイロット噴射を実施するかを判定する。
予混合圧縮自着火燃焼における予混合噴射を実施するタイミングは吸入行程初期から圧縮行程中期までの間であるから、上死点よりもピストン6が下降し筒内圧が低下している。この状態で、拡散燃焼と同じ貫徹力で燃料噴射弁12から燃料を噴射すると、燃料噴霧が気筒4の内壁面およびピストン6の上端面に付着し易くなる。
次に、燃料噴射弁12に対する燃料噴射制御について、図5の制御ルーチンに基づいて説明する。図5のルーチンは、1燃焼サイクルに1回実行される。図5において「S」はステップを表している。
上記実施形態では、予混合圧縮自着火燃焼における予混合噴射および拡散燃焼におけるパイロット噴射の両方において、燃料噴射弁12のノズルニードルのリフト量を小さくした。これに対し、予混合圧縮自着火燃焼における予混合噴射または拡散燃焼におけるパイロット噴射の一方だけにおいて、燃料噴射弁12のノズルニードルのリフト量を小さくしてもよい。
Claims (9)
- ノズルニードルのリフト量を調整できる燃料噴射弁から内燃機関の各気筒に噴射する燃料噴射を制御する燃料噴射制御装置において、
吸入行程初期から圧縮行程中期までの間に燃料を噴射し圧縮上死点近傍で自着火燃焼させる予混合圧縮自着火燃焼、あるいは圧縮上死点近傍で燃料を噴射して燃焼させる拡散燃焼のいずれを実施するかを前記内燃機関の運転状態に基づいて選択する燃焼選択手段と、
前記燃焼選択手段が前記予混合圧縮自着火燃焼を選択する場合、前記ノズルニードルのリフト量を前記拡散燃焼におけるリフト量よりも小さくするリフト制御手段と、
を備えることを特徴とする燃料噴射制御装置。 - 前記燃焼選択手段が前記予混合圧縮自着火燃焼を選択する場合、前記リフト制御手段は、前記ノズルニードルのリフト量を小さくすることにより、前記噴孔の燃料上流側で前記ノズルニードルとノズルボディとが形成する流路の流路面積を前記燃料噴射弁の噴孔の流路面積よりも小さくすることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射制御装置。
- 前記燃焼選択手段が前記予混合圧縮自着火燃焼を選択する場合、前記リフト制御手段は、噴射時期が上死点から離れるにしたがい前記ノズルニードルのリフト量を小さくすることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料噴射制御装置。
- 前記燃焼選択手段が前記予混合圧縮自着火燃焼を選択する場合、前記リフト制御手段は、前記気筒内の密度が低くなるにしたがい前記ノズルニードルのリフト量を小さくすることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の燃料噴射制御装置。
- 前記燃焼選択手段が前記予混合圧縮自着火燃焼を選択する場合、前記リフト量制御手段は、水温が低くなるにしたがい前記ノズルニードルのリフト量を小さくすることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の燃料噴射制御装置。
- 前記燃焼選択手段が前記拡散燃焼を選択する場合、前記拡散燃焼においてメイン噴射の前にパイロット噴射を実施するかを前記内燃機関の運転状態に基づいて判定する噴射判定手段と、
前記パイロット噴射を実施すると前記噴射判定手段が判定する場合、前記リフト制御手段は、前記パイロット噴射における前記ノズルニードルのリフト量を前記メイン噴射におけるリフト量よりも小さくすることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の燃料噴射制御装置。 - ノズルニードルのリフト量を調整できる燃料噴射弁から内燃機関の各気筒に噴射する燃料噴射を制御する燃料噴射制御装置において、
メイン噴射の前にパイロット噴射を実施するかを前記内燃機関の運転状態に基づいて判定する噴射判定手段と、
前記パイロット噴射を実施すると前記噴射判定手段が判定する場合、前記パイロット噴射における前記ノズルニードルのリフト量を前記メイン噴射におけるリフト量よりも小さくするリフト制御手段と、
を備えることを特徴とする燃料噴射制御装置。 - 前記メイン噴射の前に複数の前記パイロット噴射を実施すると前記噴射判定手段が判定する場合、前記リフト制御手段は、前記メイン噴射から最も離れている前記パイロット噴射における前記ノズルニードルのリフト量を前記メイン噴射におけるリフト量よりも小さくすることを特徴とする請求項6または7に記載の燃料噴射制御装置。
- 前記燃料噴射弁は、ノズルボディの円錐状内壁面に前記ノズルニードルが着座して燃料噴射を遮断するときに前記ノズルニードルが前記噴孔を覆うVCO(Valve Covered Orifice)型であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の燃料噴射制御装置。
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