JP2012240222A - ガスバリアフィルムおよびそれを用いた太陽電池裏面保護シート - Google Patents

ガスバリアフィルムおよびそれを用いた太陽電池裏面保護シート Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明は、長期間にわたる過酷な自然環境に耐え得る、耐熱性、耐候性、耐加水分解性、防湿性、軽量性等の諸特性に優れ、水蒸気(水分)や酸素等の侵入を防止するガスバリア性を著しく向上させ、高温・高湿環境下でのガスバリア性能を向上させたガスバリアフィルムおよびこのガスバリアフィルムを用いた太陽電池モジュール用裏面保護シートを提供することを目的とする。
【解決手段】
フィルム基材の少なくとも片面に、ウレタン結合を含むアンカーコート層と、無機化合物からなる蒸着層と、水酸基含有高分子化合物と金属アルコキシドとシランカップリング剤及び/またはそれらの加水分解物の少なくとも1種類以上を含む複合被膜層と、耐水性樹脂からなる耐湿層とを、順次積層してなることを特徴とするガスバリアフィルムである。
【選択図】図1

Description

本発明は、水蒸気(水分)や酸素の進入を遮断するガスバリアフィルムおよびそれを用いた太陽電池裏面保護シートに関するものである。
近年、クリーンなエネルギー源である太陽光発電に対する期待が高まっている。太陽光発電を行う太陽電池モジュールは、一般的に太陽光が当たる面をガラスで覆い、太陽電池内の太陽電池モジュールの固定および保護、電気絶縁の目的でエチレン−ビニルアセテート共重合体(EVA)やアイオノマー等の熱可塑性プラスチックからなる充填材で間隙を埋め、さらに太陽電池モジュール裏面を封止用シートで保護された構成からなっている。これらの太陽電池モジュールは、屋外で使用されるため、その構成、材質構造などにおいて、長期間にわたる過酷な自然環境に耐え得る、耐熱性、耐候性、耐加水分解性、防湿性等の耐久性が要求されると共に、裏面保護シートには外部からの水蒸気(水分)や酸素の進入を遮断するためのガスバリア性が要求される。これは水蒸気(水分)の透過により充填材が剥離や、変色、配線の腐蝕を起こした場合、モジュールの出力そのものに影響を及ぼす恐れがあるためである。
太陽電池モジュールは、20〜30年間の製品保証を行う必要があることから、一般には過酷条件下で促進評価試験を行い、その製品の品質を判断する。前記過酷条件は85℃−85%相対湿度下に2000〜3000時間保存や、PCT評価(加圧蒸気による促進試験)で105℃−100%相対湿度下に100時間保存後に性能評価を行うものである。これらの試験後、例えば、太陽電池モジュールを構成する太陽電池裏面封止シートが、デラミネーションに伴う外観不良やガスバリア性能の低下を起こすと、太陽電池モジュールの出力低下が起こる。
この問題を解決するために、特許文献1に記載されるような、太陽電池裏面保護シートにガスバリアフィルムを用いたものが提案されている。
前記提案は、太陽電池モジュールに使用されるセルが単結晶や多結晶シリコンからなる結晶系太陽電池用の太陽電池裏面保護シートとして用いられた場合は、耐湿性が高いために長期間の性能保証が可能である。しかしながら、アモルファスシリコンや微結晶シリコン薄膜からなる薄膜系太陽電池や、化合物系や有機物系などの太陽電池は、モジュールの構造上、水分や酸素の影響を受けやすく、また有機物系太陽電池では、太陽電池を構成する成分の気散を防止するため、裏面保護シートには高いガスバリア性が要求される。そのために前記提案のガスバリアフィルムではバリア性能不十分であり、長期間の性能保証するめの促進評価試験で太陽電池の性能の劣化を引き起こす問題がある。
特開2009−200385号公報
本発明は、長期間にわたる過酷な自然環境に耐え得る、耐熱性、耐候性、耐加水分解性、防湿性、軽量性等の諸特性に優れ、水蒸気(水分)や酸素等の侵入を防止するガスバリア性を著しく向上させ、高温・高湿環境下にも耐えうるガスバリアフィルムであり、およびこのガスバリアフィルムを用いて電力出力特性を長期にわたり維持することが可能な太
陽電池モジュール用裏面保護シートである。
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に係る発明は、フィルム基材の少なくとも片面に、ウレタン結合を含むアンカーコート層と、無機化合物からなる蒸着層と、水酸基含有高分子化合物と金属アルコキシドとシランカップリング剤及び/またはそれらの加水分解物の少なくとも1種類以上を含む複合被膜層と、耐水性樹脂からなる耐湿層とを、順次積層してなることを特徴とするガスバリアフィルムである。
本発明の請求項2に係る発明は、前記耐湿層が脂環式エポキシ化合物を有することを特徴とする請求項1に記載のガスバリアフィルムである。
本発明の請求項3に係る発明は、前記脂環式エポキシ化合物がシクロヘキサン骨格および末端エポキシ基を有することを特徴とする請求項2に記載のガスバリアフィルムである。
本発明の請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のガスバリアフィルムを具備してなることを特徴とする太陽電池裏面保護シートである。
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートは高温高湿環境下の促進評価試験条件においてもガスバリア性や密着を保持し、太陽電池としての電気出力特性を維持した。
本発明のガスバリアフィルムの一実施例を示した断面図である。 本発明の太陽電池裏面保護シートの一実施例を示した断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、フィルム基材(1)の片面にアンカーコート層(2)、無機化合物からなる蒸着層(3)、複合被膜層(4)、耐湿層(5)を順次積層したガスバリアフィルムである。
本発明のガスバリアフィルムに用いられるフィルム基材は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、6,6−ナイロン等のポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリイミドフィルム等のエンプラフィルム等が用いられ、延伸、未延伸のどちらでも良く、また機械強度や寸法安定性を有するものが良い。これらをフィルム状に加工して用いられる。特に、これらの中で二軸方向に任意に延伸されたフィルムを用いたフィルムで、価格面、防湿性、充填適性、風合い、廃棄性を考慮すると、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
また、長期間にわたる過酷な自然環境に耐え得るためには、ポリエステル基材は耐加水分解性に優れたものが好ましい。ポリエステルの加水分解は末端カルボキシル基により進むため、耐加水分解性を向上させるには末端カルボキシルキの濃度が減少しているポリエステル組成物からなる必要がある。ポリエステル中の末端カルボキシル基の濃度は、ANALYTICL CHEMISTRY第26巻、1614ページに記載された方法にて測定され、末端カルボキシ基濃度が10当量/106g以下ならば加水分解が起こりにくい。ポリエステルの末端カルボキシル基を減少させるためには、エポキシ化合物やカルボジイミドを混合し、反応させる方法などがある。
また、フィルム基材には、酸化チタン、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、チッ化ケイ素、クレー、タルク、カオリン(kaolin)、ジルコニウム酸などの各種無機粒子や架橋高分子粒子、各種金属粒子などの粒子類のほか、従来公知の抗酸化剤、金属イオン封鎖剤、イオン交換剤、着色防止剤、耐光剤、包接化合物、帯電防止剤、各種着色剤、ワックス類、シリコーンオイル、各種フッ素化合物が添加されていてもよい。
上記のフィルム基材には密着性を向上させるために、例えば、プラズマ処理、コロナ放電処理、オゾン処理、グロー放電処理、その他の前処理を任意に施すことができる。
前記フィルム基材の厚さはとくに制限を受けるものではないが、アンカーコート層、蒸着層、複合被膜層を形成する際の加工性を考慮すると、実用的には3〜200μmの範囲が好ましい。
前記アンカーコート層は、フィルム基材と蒸着層間の密着性を向上させるためのもので、ウレタン結合を含むアンカーコート層が好ましく、特にウレタン結合を含む2液反応複合物からなるアンカーコート層が望ましい。
前記アンカーコート層の形成方法としては、例えば、オフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアコートなどの周知の塗布方式を用いることができる。乾燥条件については、一般的に使用される条件で構わない。また反応を促進させるために、高温のエージング室等に数日放置することも可能である。
次に、無機化合物からなる蒸着層(3)について詳しく説明する。前記蒸着層は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、あるいはそれらの混合物などの無機化合物からなり、透明性を有しかつ酸素、水蒸気等のガスバリア性を有する層であればよい。特に耐水性に優れる酸化珪素を用いることがより好ましい。
無機化合物からなる前記蒸着層の厚さは、用いられる無機化合物の種類・構成により最適条件が異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましく、その値は適宜選択される。ただし膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合がある。また膜厚が300nmを越える場合は薄膜にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じるおそれがあるので問題がある。生産性を加味するとより好ましいのは10nmから200nmである。
前記蒸着層をフィルム基材上に形成する方法としては種々在り、通常の真空蒸着法により形成することができる。また、その他の薄膜形成方法であるスパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを用いることも可能である。但し、生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれかの方式を用いても良いが、蒸発材料の選択性の幅広さを考慮すると電子線加熱方式を用いることがより好ましい。
次いで、蒸着層の上に設ける複合被膜層(4)を説明する。複合性被膜層は、水酸基含有高分子化合物と金属アルコキシドとシランカップリング剤及び/またはそれらの加水分解物の少なくとも1種類以上を含む必要がある。
前記複合被膜層は、水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシドとシランカップリング
剤及び/またはそれらの加水分解物を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を用いて形成される。例えば、水溶性高分子を水系(水或いは水/アルコール混合)溶媒で溶解させたものに金属アルコキシドとシランカップリング剤を直接、或いは予め加水分解させるなど処理を行ったものを混合した溶液とする。
前記複合被膜層に用いられる水溶性高分子は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。特にポリビニルアルコール(以下、PVAと略す)は単体でのガスバリア性が最も優れるので好ましい。ここでいうPVAは、一般にポリ酢酸ビニルを鹸化して得られるものである。PVAとしては例えば、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分鹸化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全PVA等用いることができ、これ以外のものを用いてもよい。
また、金属アルコキシドは、一般式、M(OR)n(M:Si,Ti,Al,Zr等の金属、R:CH,C等のアルキル基)で表せる化合物である。具体的にはテトラエトキシシラン〔Si(OC〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−2’−C〕などがあげられ、中でもテトラエトキシシランが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。テトラエトキシシランと水溶性高分子と混合する際に、一部または全部を加水分解して混合する。加水分解は一般的には酸またはアルカリの触媒を用いて、水/アルコール混合溶媒中で行うが限定されるものではない。
また、シランカップリング剤は一般式、RSi(OR)n(R:有機官能基、R:CH,C等のアルキル基)で表せる化合物である。具体的には、エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメトキシシラン、1,3,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート等のシランカップリング剤などである。選定するシランカップリング剤の種類によって、金属アルコキシドと同時に加水分解しても良いし、シランカップリング剤のみで加水分解を行っても良いし、また加水分解を行わなくても良い。
コーティング剤の塗布方法としては、通常用いられるディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法、グラビア印刷法などの従来公知の方法を用いることが可能である。
前記複合被膜層の厚さは、コーティング剤の種類や加工機や加工条件によって最適条件が異なり特に限定しない。但し、乾燥後の厚さが、0.01μm以下の場合は、均一な塗膜が得られなく十分なガスバリア性を得られない場合があるので好ましくない。また厚さが50μmを超える場合は膜にクラックが生じ易くなるため問題となる場合がある。好ましくは0.01〜50μmの範囲にあり、より好ましくは0.1〜10μmの範囲にあることである。
また、よりガスバリア性を要する用途には、前記複合性被膜層の上に、さらに蒸着層と複合性被膜層を順次積層させることでバリア性をより向上させて対応することもできる。
本発明に係る前記耐湿層としては、脂環式エポキシ化合物を有することが望ましい。脂環式エポキシ化合物とは、エポキシ基と芳香属を含まない環状炭化水素部位を含む化合物である。環状炭化水素は特に3員環以上の環状化合物の全てを含むが、なかでも6員環で
あるシクロヘキシルが、化合物として安定であり容易に合成できるので望ましい。エポキシ基はシクロヘキサン骨格中に存在するのが望ましい。例えばエポキシシクロヘキサン−4−ビニルシクロヘキサン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物などがあげられるが、これらは工業的にも生産されており、比較的安価で安定供給が可能なため本発明に使用することが望ましい。複合性皮膜層に含まれる金属アルコキシドとシランカップリング剤及び/またはそれらの加水分解物と、耐湿層に含まれる脂環式エポキシ化合物のエポキシは反応性が高く、複合性被膜層との密着性が良好である。さらにシクロヘキサン骨格は耐湿性に優れるため複合性被膜層の物性を損なうことなく耐湿性を向上させることができる。
耐湿層を形成するために脂環式エポキシ化合物と他の樹脂を混合してもよい。特にイソシアネート化合物は耐湿層の膜を強靭にするため、混合することが好ましい。イソシアネート化合物としては、芳香族系のトリレンジイソシアネート(TDI)やジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、脂肪族系のキシレンジイソシアネート(XDI)やヘキサレンジイソシアネート(HMDI)などのモノマー類とこれらの重合体、誘導体が用いられ、脂環式エポキシ化合物1に対しイソシアネート化合物を重量比で0.1倍から1倍の範囲で混合することが望ましい。
前記耐湿層の厚さは、コーティング剤の種類や加工機や加工条件によって最適条件が異なり特に限定しない。但し、乾燥後の厚さが、0.01μm以下の場合は、均一な塗膜が得られなく十分なガスバリア性を得られない場合があるので好ましくない。また厚さが50μmを超える場合は膜にクラックが生じ易くなりガスバリア性の低下を招く。好ましくは0.01〜50μmの範囲にあり、より好ましくは0.1〜10μmの範囲にあることである。
図2は、本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートの一実施例の断面図を示す。耐候性フィルム(6)、ガスバリアフィルム(I)、着色フィルム(7)を順次積層し、太陽電池モジュール用裏面保護シートが形成される。
前記耐候性フィルム(6)とは、耐加水分解性に優れたポリエチレンテレフタレートフィルム、もしくはフッ素樹脂フィルムである。フッ素樹脂フィルムは、フッ化ビニル樹脂(PVF)フィルム、フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)フィルム、三フッ化塩化エチレン樹脂(PCTFE)フィルム、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)フィルム、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)フィルムから選ばれるフッ素系基材が上げられる。また反射率を上げるために、酸化チタンなどの白色顔料をフィルム中に分散させ白色化してもよい。
また、前記着色フィルム(7)は、太陽電池モジュールの光利用効率を向上させ発電効率を向上させる機能があり、特に白色は反射率が高く好ましい。白色フィルムとしては、ポリエステルフィルムやエチレン−酢酸ビニル(EVA)フィルムに白色顔料をフィルム表面に塗布する方法や、フィルム成形時に練り込む方法、フィルム樹脂中に発泡気泡を有することにより白色性を発現させるものなどがあり、どれを用いても良い。また意匠性の点から黒色フィルムを用いてもかまわない。
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートを作製する方法としては、例えば、ドライラミネ−ション方式を用いることができる。ドライラミネ−ション用接着剤としては、接着強度が長期間の屋外使用で劣化によるデラミネーションなどを生じないこと、さらに接着剤が黄変しないことなどが必要であり、高耐熱性、耐湿熱性等に対応するために、接
着剤を構成するビヒクルの主成分としての樹脂等が、架橋ないし硬化して三次元網目状の架橋構造等を形成し得るものを使用することが望ましい。例えば、2液硬化型ポリウレタン系接着剤等脂肪族系・脂環系イソシアネ−ト、あるいは、芳香族系イソシアネ−ト等のイソシアネ−ト系の硬化剤または架橋剤の存在下、熱、または光からなる反応エネルギーによりラミネ−ト用接着剤が架橋構造を形成するものが良い。
上記で得られる本発明の太陽電池モジュ−ル用裏面保護シートを用いてなる、太陽電池モジュールは、長期間にわたる過酷な自然環境に耐え得る、耐熱性、耐候性、耐加水分解性、防湿性、軽量性等の諸特性に優れており、特に水蒸気(水分)や酸素等の侵入を防止するガスバリア性が著しく向上し且つ長期間維持されるため、太陽電池としての電気出力特性を長期にわたり保持することが可能である。
以下、実施例を挙げて具体的に本発明を説明する。まず、下記の方法にて、アンカーコート層組成物(液1)、複合被膜層組成物(液2)および耐湿層組成物(液3)を調製した。
[アンカーコート層組成物]
アクリルポリオールとトリイジルイソシアネートをアクリルポリオールのOH基に対し、NCO基が等量となるように加え、全固形分が5重量%になるよう酢酸エチルで希釈してアンカーコート層組成物(液1)を調製した。
[複合被膜層組成物]
テトラエトキシシラン10.4gに塩酸(0.1N(規定濃度))89.6gを加え、30分間撹拌し加水分解させた固形分3重量%(SiO2換算)の加水分解溶液(A液)。
ポリビニルアルコールの3重量%水/イソプロピルアルコール溶液(水:イソプロピルアルコール重量比で90:10)(B液)。
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを0.1N(規定濃度)塩酸/イソプロピルアルコール溶液の混合溶液(0.1N(規定濃度)塩酸:イソプロピルアルコール重量比で1:1)で3重量%に希釈した液(C液)。
A液、B液、C液を配合比(重量%)で70/20/10に混合して複合被膜層組成物(液2)を調製した。
[耐湿層組成物]
脂環式エポキシ樹脂(ダイセル製セロキサイドP2021P)とトリイジルイソシアネートを重量比で等量になるように混合し、全固形分が5重量%になるよう酢酸エチルで希釈して耐湿層組成物(液3)を調製した。
<実施例1>
<ガスバリアフィルムの作製>
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製 ルミラーP60、片面コロナ放電処理グレード)を基材として、その片面上に、アンカーコート層として液1をグラビアコート法により厚さ0.2μm(乾燥状態)形成した。次いで、電子線加熱方式による真空蒸着装置により、酸化ケイ素からなる膜厚30nmの蒸着層を形成した。次に、上記蒸着面上に液2をグラビアコーターで塗布し、乾燥機で100℃、1分間乾燥させ、厚さ0.3μm(乾燥状態)の複合被膜層を形成した。さらに、前記複合被膜層の上面に、耐湿層として液3をグラビアコート法により厚さ0.2μm(乾燥状態)で形成してガスバリアフィルムを作製した。
<太陽電池裏面保護シートの作製>
耐加水分解性に優れた厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製 X10S)と、前記ガスバリアフィルム、厚さ50μmの白色ポリエステルフィルム(東レ社製 E20)を、ウレタン系接着剤(塗布量10g/m2)を介して、順次積層して太陽電池裏面保護シートを作製した。なお、前記ガスバリアフィルムの耐湿層側に白色ポリエステルフィルムを積層した。
<比較例1>
ガスバリアフィルムの代わりに、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製 ルミラーP60、片面コロナ放電処理グレード)を用いた以外は実施例1と同様にして、太陽電池裏面保護シートを作製した。
<水蒸気ガスバリア性の評価>
実施例1および比較例1で得られた太陽電池裏面保護シートの水蒸気ガスバリア性を、水蒸気透過度測定装置(商品名:パーマトラン モコン社製)により40℃90%RH雰囲気下で測定した。次にガラス板からなる太陽電池モジュ−ル用表面保護板、200μmのEVAシートからなる充填材シート、その上に10cm×10cmのPETフィルム(50μm)を配し、さらにその上に本発明で得られた太陽電池裏面保護シートの白色ポリエステルフィルム側を充填材層に向けて配置した。真空吸引等により一体化して150℃、20分間熱プレスにより加熱圧着成形により一体成形体した。これを85℃85%RH環境下に2000h保存して促進評価試験を実施した。試験後、10cm×10cmのPETフィルムを挟んだ部分を切り出して、太陽電池裏面保護シートのみを取り出し、水蒸気透過度を測定した。結果を以下の表1に記す。
<アモルファスシリコン太陽電池モジュールの出力評価>
10cm×10cmサイズのガラス板からなる太陽電池モジュ−ル用表面保護板に、化学気相蒸着によりアモルファスシリコン層を形成し、200μmのEVAシートからなる充填材シート、絶縁フィルム、リード線、200μmのEVAシートからなる充填材シートを配し、さらにその上に本発明で得られた太陽電池裏面保護シートの白色ポリエステルフィルム側を充填材層に向けて配置した。真空吸引等により一体化して150℃、20分間熱プレスにより加熱圧着成形により一体成形体した。これを85℃85%RH環境下に2000h保存して促進評価試験を実施した。試験後、アモルファスシリコン太陽電池の出力を測定し保存前の出力と比較して出力の低下の有無を確認した。結果を以下の表1に記す。
Figure 2012240222
<比較結果>
実験結果より、比較例1はバリア性も低く、保存試験後にバリアの低下が見られるのに対し、実施例1はバリア性も高く85℃85%RH環境下に2000h保存しても高いバリア性を保持した。また、アモルファスシリコン太陽電池モジュールの出力評価では、比較例1が、85℃85%RH環境下2000h保存後に使用に耐えないほど出力が低下したのに対し、実施例1は、出力の低下が見られず、発電効率の性能を保持できた。
以上の結果から、実施例1の本発明品は、一般に湿度に対して敏感で、水やガスの影響により発電効率が低下しやすいとされる、薄膜系太陽電池や、化合物系太陽電池、有機太陽電池においても、期間にわたる過酷な自然環境に耐えて、太陽電池のジュールの電力出力特性を維持することが可能な結果を示した。
1・・・フィルム基材
2・・・アンカーコート層
3・・・蒸着層
4・・・複合被膜層
5・・・耐湿層
6・・・耐候性フィルム
7・・・着色フィルム
I・・・ガスバリアフィルム

Claims (4)

  1. フィルム基材の少なくとも片面に、ウレタン結合を含むアンカーコート層と、無機化合物からなる蒸着層と、水酸基含有高分子化合物と金属アルコキシドとシランカップリング剤及び/またはそれらの加水分解物の少なくとも1種類以上を含む複合被膜層と、耐水性樹脂からなる耐湿層とを、順次積層してなることを特徴とするガスバリアフィルム。
  2. 前記耐湿層が脂環式エポキシ化合物を有することを特徴とする請求項1に記載のガスバリアフィルム。
  3. 前記脂環式エポキシ化合物がシクロヘキサン骨格および末端エポキシ基を有することを特徴とする請求項2に記載のガスバリアフィルム。
  4. 請求項1〜3のずれかに記載のガスバリアフィルムを具備してなることを特徴とする太陽電池裏面保護シート。
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WO2015115314A1 (ja) * 2014-01-29 2015-08-06 東レ株式会社 ガスバリア性フィルム
JP2016078372A (ja) * 2014-10-20 2016-05-16 凸版印刷株式会社 透明ガスバリアフィルム

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