JP2012236994A - オレフィンブロックポリマーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】可逆的連鎖移動重合によるオレフィンブロックポリマーの合成において、生成ポリマー中のオレフィンブロックポリマーの生成効率が高いポリマーの製造方法を提供すること。
【解決手段】オレフィンブロックポリマーの製造方法であって、
該方法が、重合触媒(A)と、重合触媒(B)と、ホウ素原子およびアルミニウム原子を除く元素周期律表第2族、第12族および、第13族の原子から選ばれる原子を含む有機金属化合物(C)とを用いて、オレフィンを重合することを含み、
重合触媒(A)は、チタニウム原子、マグネシウム原子及びハロゲン原子を有する固体触媒成分(a)、および有機アルミニウム化合物(b)を接触させて形成された触媒であり、
重合触媒(B)は元素周期律表のランタノイドおよびアクチノイドを含む第3〜11族の原子から選ばれる原子を含む遷移金属化合物(d)および活性化剤(e)を接触させて形成された触媒である方法。
【選択図】なし

Description

本発明はオレフィンブロックポリマーの製造方法に関するものである。
性質の異なる2種以上のセグメントが化学的に連結されたブロックポリマーは、優れた物性を発現することが知られている。例えば、非相容系の混合樹脂に対して、その各相に相容なセグメントを有する特定のブロックポリマーを添加した場合、該ブロックポリマーは、相間の界面に作用して分散相のモルフォロジーを制御する相容化剤となり、同時に、混合樹脂の耐衝撃性などの物性を向上させる改質剤として機能する。
特定の遷移金属化合物と、特定の有機金属化合物(有機アルミニウム、有機亜鉛、有機ガリウム化合物など)を用い、適切な条件にてオレフィンの重合を行うことで、触媒活性種である遷移金属化合物と有機金属化合物との間で、ポリマー生長鎖が可逆的に移動する可逆的連鎖移動重合が進行することが報告された。この可逆的連鎖移動重合を応用することでブロックポリマーを合成することが可能となる。
例えば、非特許文献1および特許文献1では、1種の均一系錯体触媒とアルキル亜鉛化合物あるいはアルキルアルミニウム化合物を用いる溶液重合において、モノマー組成が異なる重合槽を直列に連結することにより、ジブロック共重合体を得る方法が開示されている。また、特許文献2では、重合条件を一定に保ちながら、共重合性の異なる2種の均一系錯体触媒を逐次的に添加することにより、ジブロック共重合体を得る方法が開示されている。
WO2007/035485号公報 特開2010−126557号公報 Hustad, P. D.; Kuhlman, R. L.; Arriola, D. J.; Carnahan, E. M.; Wenzel, T. T. Macromolecules 2007, 40, 7061-7064
可逆的連鎖移動重合によるオレフィンブロックポリマーの合成では、生成ポリマー中にブロック化されていないポリマーが副生成物として含まれる。従来の可逆的連鎖移動重合によるオレフィンブロックポリマー合成法では、オレフィンブロックポリマーの生成効率の面において、必ずしも満足できるものではなかった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、可逆的連鎖移動重合によるオレフィンブロックポリマーの合成において、生成ポリマー中のオレフィンブロックポリマーの生成効率が高いポリマーの製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、オレフィンブロックポリマーの製造方法であって、該方法が、重合触媒(A)と、重合触媒(B)と、ホウ素原子およびアルミニウム原子を除く元素周期律表第2族、第12族および、第13族の原子から選ばれる原子を含む有機金属化合物(C)とを用いて、オレフィンを重合することを含み、重合触媒(A)は、チタニウム原子、マグネシウム原子及びハロゲン原子を有する固体触媒成分(a)、および有機アルミニウム化合物(b)を接触させて形成された触媒であり、重合触媒(B)は元素周期律表のランタノイドおよびアクチノイドを含む第3〜11族の原子から選ばれる原子を含む遷移金属化合物(d)および活性化剤(e)を接触させて形成された触媒である方法に関する。
本発明の製造方法によれば、生成ポリマー中のオレフィンブロックポリマーの生成効率が高いポリマーを得ることができる。
さらに、そのようなオレフィンブロックポリマーの生成効率の高いポリマーは、例えば該ポリマーをポリプロピレン系樹脂組成物と混合した際に、樹脂組成物の剛性および耐衝撃性を向上させることができる。
以下、本発明に係るオレフィンブロックポリマーの製造法について具体的に説明する。
まず、本発明で用いられる重合触媒(A)を形成する各成分について説明する。重合触媒(A)は、チタニウム原子、マグネシウム原子及びハロゲン原子を有する固体触媒成分(a)、および有機アルミニウム化合物(b)を接触させて形成される。
固体触媒成分(a)
まず、本発明において用いられる固体触媒成分(a)の調製方法は特に限定されるものではないが、以下(1)または(2)に挙げる製造方法を例示することが出来る。
製造方法(1):チタニウム化合物(a−1)、マグネシウム化合物(a−2)および内部電子供与性化合物(a−3)を接触させる方法
製造方法(2):チタニウム原子とマグネシウム原子を含む固体成分(a−4)、および内部電子供与性化合物(a−3)を接触させる方法
以下、製造方法と各成分について例示する。
チタニウム化合物(a−1)
チタニウム原子を含有した化合物であれば特に制限はないが、チタニウム化合物(a−1)の具体例としては、四塩化チタニウム、四臭化チタニウム、および四ヨウ化チタニウムのようなテトラハロゲン化チタニウム、テトラメトキシチタニウム、テトラエトキシチタニウム、テトラ−n−プロポキシチタニウム、テトライソプロポキシチタニウム、テトラ−n−ブトキシチタニウム、テトライソブトキシチタニウム、テトラシクロヘキシロキシチタニウム、およびテトラフェノキシチタニウムのようなテトラアルコキシチタニウム、メトキシチタニウムトリクロライド、エトキシチタニウムトリクロライド、n−プロポキシチタニウムトリクロライド、n−ブトキシチタニウムトリクロライド、およびエトキシチタニウムトリブロマイドのようなアルコキシチタニウムトリクロライド、ジメトキシチタニウムジクロライド、ジエトキシチタニウムジクロライド、ジイソプロポキシチタニウムジクロライド、ジ−n−プロポキシチタニウムジクロライド、およびジエトキシチタニウムジブロマイドのようなジハロゲン化ジアルコキシチタニウム、トリメトキシチタニウムクロライド、トリエトキシチタニウムクロライド、トリイソプロポキシチタニウムクロライド、トリ−n−プロポキシチタニウムクロライド、およびトリ−n−ブトキシチタニウムクロライドのようなモノハロゲン化トリアルコキシチタニウムなどを挙げられる。チタニウム化合物(a−1)として好ましくはテトラハロゲン化チタニウム、アルコキシチタニウムトリクロライドであり、より好ましくテトラハロゲン化チタニウムであり、更に好ましくは四塩化チタニウムである。これらのチタニウム化合物(a−1)は、それぞれ単独で用いてもよく、また二種以上を組み合わせて用いてもよい。
マグネシウム化合物(a−2)
マグネシウム原子を含有した化合物であれば特に制限はないが、下記一般式(i)または(ii)で表される化合物を例示することが出来る。
MgR50 50 2−a・・・(i)
Mg(OR5151 2−a・・・(ii)
(式中、aは0≦a≦2を満足する整数であり、R50およびR51は炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基を示す。)
上記の一般式(i)におけるR50およびR51としては、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルケニル基等が挙げられ、これらはハロゲン原子、ハイドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホニル基、シリル基等を置換基として有していても良い。R50およびR51のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、およびn−オクチル基のような直鎖状アルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、イソアミル基、および2−エチルヘキシル基のような分岐状アルキル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、およびシクロオクチル基のような環状アルキル基等が挙げられ、好ましくは炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状アルキル基である。R50およびR51のアラルキル基としては、ベンジル基、およびフェネチル基が挙げられ、好ましくは炭素原子数7〜20のアラルキル基である。R50およびR51のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、およびトリル基等が挙げられ、好ましくは炭素原子数6〜20のアリール基である。R50およびR51のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、3−ブテニル基、および5−ヘキセニル基のような直鎖状アルケニル基、イソブテニル基、および4−メチル−3−ペンテニル基のような分岐状アルケニル基、2−シクロヘキセニル基、および3−シクロヘキセニル基のような環状アルケニル基が挙げられ、好ましくは炭素原子数2〜20の直鎖状および分岐状アルケニル基であり、R50同士およびR51同士は同一でも異なってもよい。
上記の一般式(i)におけるX50およびX51はハロゲン原子を示し、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、およびフッ素原子を挙げることができ、好ましくは塩素原子であり、X50同士およびX51同士は同一でも異なっていてもよい。
上記の一般式(i)または(ii)のマグネシウム化合物(a−2)の具体例としては、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジイソプロピルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジオクチルマグネシウム、エチルブチルマグネシウム、ジシクロへキシルマグネシウム、およびブチルオクチルマグネシウムのようなジアルキルマグネシウム化合物、ジメトキシマグネシウム、ジエトキシマグネシウム、ジプロポキシマグネシウム、ジブトキシマグネシウム、ジヘキシロキシマグネシウム、ジオクトキシマグネシウム、およびジシクロヘキシロキシマグネシウムのようなジアルコキシマグネシウム化合物、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムクロライド、イソプロピルマグネシウムクロライド、イソブチルマグネシウムクロライド、t−ブチルマグネシウムクロライド、ヘキシルマグネシウムクロライド、イソブチルマグネシウムクロライド、ベンジルマグネシウムクロライド、メチルマグネシウムブロマイド、エチルマグネシウムブロマイド、イソプロピルマグネシウムブロマイド、イソブチルマグネシウムブロマイド、t−ブチルマグネシウムブロマイド、ヘキシルマグネシウムブロマイド、イソブチルマグネシウムブロマイド、ベンジルマグネシウムブロマイド、メチルマグネシウムイオダイド、エチルマグネシウムイオダイド、イソプロピルマグネシウムイオダイド、イソブチルマグネシウムイオダイド、t−ブチルマグネシウムイオダイド、ヘキシルマグネシウムイオダイド、イソブチルマグネシウムイオダイド、ベンジルマグネシウムイオダイドのようなアルキルマグネシウムハライド化合物、メトキシマグネシウムクロライド、エトキシマグネシウムクロライド、イソプロポキシマグネシウムクロライド、ブトキシマグネシウムクロライド、およびヘキシルオキシマグネシウムクロライドのようなアルコキシマグネシウムクロライド、フェニルマグネシウムのようなアリーロキシマグネシウムクロライド、フッ化マグネシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、およびヨウ化マグネシウムのようなハロゲン化マグネシウム化合物挙げることができる。
マグネシウム化合物(a−2)として、好ましくはハロゲン化マグネシウム化合物(a−2−1)およびジアルコキシマグネシウム化合物(a−2−2)である。ハロゲン化マグネシウム化合物(a−2−1)として好ましくは塩化マグネシウムである。ジアルコキシマグネシウム化合物(a−2−2)として好ましくは炭素原子数1〜20のジアルコキシマグネシウムであり、更に好ましくは炭素原子数1〜10のジアルコキシマグネシウムであり、特に好ましくはジメトキシマグネシウム、ジエトキシマグネシウム、ジプロポキシマグネシウム、ジイソプロポキシマグネシウム、ジブトキシマグネシウムである。これらマグネシウム化合物は、メタノール、エタノール、および2−エチルヘキサノールのようなアルコールまたはトルエン、およびヘキサンのような炭化水素溶媒に該マグネシウム化合物を溶解した溶液、または固体として用いることができる。固体のマグネシウム化合物は、アルコール、エーテル、エステル、二酸化炭素などを含有してもよい。
ジアルコキシマグネシウム化合物(a−2−2)の製造方法としては、例えば、金属マグネシウムとアルコールを触媒の存在下接触させる方法を挙げることができる。アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、およびオクタノールが挙げられる。触媒としては、ヨウ素、塩素、および臭素のようなハロゲン、ヨウ化マグネシウム、および塩化マグネシウムのようなハロゲン化マグネシウムが挙げられ、好ましくはヨウ素である。
マグネシウム化合物(a−2)は、担体物質に担持されていてもよい。担体物質としては、特に制限はないが、例えば、SiO、Al、MgO、TiO、およびZrOのような無機酸化物からなる多孔質の担体、ポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−エチレングリコール−ジメタクリル酸メチル共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、アクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、およびポリプロピレンのような有機ポリマーからなる多孔質の担体が挙げられる。これらのうち好ましくは、無機酸化物からなる多孔質の担体であり、特に好ましくは、SiOからなる多孔質の担体である。
担体として好ましくは、マグネシウム化合物(a−2)を有効に担体に固定化する観点から、細孔半径が20〜200nmである細孔の容量の合計体積が、0.3cm/g以上であり、より好ましくは0.4cm/g以上であり、かつ該体積は、細孔半径が3.5〜7500nmである細孔の容量の合計体積に対して35%以上であり、より好ましくは40%以上である多孔質の担体である。
内部電子供与性化合物(a−3)
内部電子供与性化合物(a−3)として、酸素原子、窒素原子、リン原子または硫黄原子を有する化合物が好ましく、酸素原子または窒素原子を有する化合物がより好ましい。酸素原子を有する化合物として、エーテル類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸または無機酸のエステル類、有機酸または無機酸の酸アミド類、酸ハロゲン化物類、および酸無水物類を例示することができる。窒素原子を有する化合物として、アンモニア類、アミン類、ニトリル類、およびイソシアネート類を例示することができる。中でも、好ましくはフタル酸誘導体、1,3−ジエーテル化合物、ジアルキルエーテル化合物、アルコキシ基を有する脂肪族カルボン酸エステルまたは脂肪族ジカルボン酸ジエステルであり、より好ましくはフタル酸誘導体である。
該フタル酸誘導体として、下記一般式(iii)で表される化合物を例示することができる。

Figure 2012236994
一般式(iii)中のR52〜R55は、それぞれ水素原子またはハイドロカルビル基であり、互いに同一でも異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。X52、X53は、ハロゲン原子もしくは、水素原子、炭素原子、酸素原子およびハロゲン原子から選ばれる複数の原子を任意に組み合わせて形成される置換基であり、互いに同一でも異なっていてもよい。
52〜R55としては、水素原子、または炭素原子数1〜10のハイドロカルビル基が好ましい。X52、X53としては、それぞれ独立に塩素原子、水酸基、または炭素原子数1〜20のアルコキシ基が好ましい。
フタル酸誘導体として、フタル酸、フタル酸モノエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸メチルエチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジノルマルプロピル、フタル酸ジ−iso−プロピル、フタル酸ジノルマルブチル、フタル酸ジ−iso−ブチル、フタル酸ジペンチル、フタル酸ジノルマルヘキシル、フタル酸ジノルマルヘプチル、フタル酸ジ−iso−ヘプチル、フタル酸ジノルマルオクチル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジノルマルデシル、フタル酸ジ−iso−デシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ジフェニル、およびフタル酸ジクロライドを例示することができる。
上式で表わされるフタル酸誘導体の中、X52およびX53が炭素原子数6以下のアルコキシ基であるフタル酸エステルが好ましく、フタル酸ジエチル、フタル酸ジノルマルプロピル、フタル酸ジ−iso−プロピル、フタル酸ジノルマルブチルまたはフタル酸ジ−iso−ブチルがより好ましい。
上記の1,3−ジエーテル化合物として、下式で表される化合物を例示することができる。

Figure 2012236994
一般式(iv)中のR56〜R59は、炭素原子数1〜20の直鎖状、分岐状、脂環式のアルキル基、アリール基またはアラルキル基であり、互いに同一でも異なっていてもよい。
一般式(iv)で表される1,3−ジエーテル化合物として、2,2−(ジ−iso−ブチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−(iso−プロピル)−2−(iso−ペンチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ビス(シクロヘキシルメチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−(iso−プロピル)−2−ジメチルオクチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジ(iso−プロピル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−(iso−プロピル)−2−シクロヘキシルメチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2−(iso−プロピル)−2−(iso−ブチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−(iso−プロピル)−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2−(iso−プロピル)−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、および2−ノルマルヘプチル−2−(iso−ペンチル)−1,3−ジメトキシプロパンを例示することができる。中でも、2−(iso−プロピル)−2−(iso−ブチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−(iso−プロピル)−2−(iso−ペンチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジ(iso−ブチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジ(iso−プロピル)−1,3−ジメトキシプロパン好ましい。
上記のジアルキルエーテル化合物として、下式で表される化合物を例示することができる。
60−O−R61 ・・・(v)
一般式(v)中のR60、R61は、炭素原子数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは脂環式のアルキル基であり、互いに同一でも異なっていてもよい。
一般式(v)で表されるジアルキルエーテル化合物として、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジn−プロピルエーテル、ジiso−プロピルエーテル、ジn−ブチルエーテル、ジiso−ブチルエーテル、ジn−アミルエーテル、ジiso−アミルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルn−ブチルエーテル、およびメチルシクロヘキシルエーテルを例示することができる。中でも、ジn−ブチルエーテルが好ましい。
アルコキシ基を有する脂肪族カルボン酸エステルとしては、3−エトキシ−2−イソプロピルプロピオン酸エチル、3−エトキシ−2−イソブチルプロピオン酸エチル、3−エトキシ−2−sec−ブチルプロピオン酸エチル、3−エトキシ−2−tert−ブチルプロピオン酸エチル、3−エトキシ−2−tert−ペンチルプロピオン酸エチル、3−エトキシ−2−シクロヘキシルプロピオン酸エチル、3−エトキシ−2−シクロペンチルプロピオン酸エチル、3−メトキシ−2−イソプロピルプロピオン酸エチル、3−メトキシ−2−イソブチルプロピオン酸エチル、3−メトキシ−2−tert−ブチルプロピオン酸エチル、3−メトキシ−2−tert−ペンチルプロピオン酸エチル、3−メトキシ−2−シクロヘキシルプロピオン酸エチル、3−メトキシ−2−シクロペンチルプロピオン酸エチル、3−メトキシ−2−アダマンチルプロピオン酸エチル、3−エトキシ−2−イソプロピルプロピオン酸メチル、3−エトキシ−2−イソブチルプロピオン酸メチル、3−エトキシ−2−tert−ブチルプロピオン酸メチル、3−エトキシ−2−tert−ペンチルプロピオン酸メチル、3−エトキシ−2−シクロヘキシルプロピオン酸メチルのようなアルコキシ基を含有するプロピオン酸エステルを挙げることができる。
脂肪族ジカルボン酸ジエステルとしては、ドデカン二酸ジメチル、ドデカン二酸ジエチル、ドデカン二酸ジプロピル、ドデカン二酸ジイソプロピル、ドデカン二酸ジブチル、ドデカン二酸ジイソブチル、ドデカン二酸ジペンチル、ドデカン二酸ジイソペンチル、ドデカン二酸ジヘキシル、ドデカン二酸ジイソヘキシル、ドデカン二酸ジヘプチル、ドデカン二酸ジイソヘプチル、ドデカン二酸ジオクチル、ドデカン二酸ジイソオクチル、ドデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)ようなドデカン二酸ジエステルを挙げることができる。
製造方法(1)におけるチタニウム化合物(a−1)の使用量は、使用されるマグネシウム化合物(a−2)中の総マグネシウム原子1molあたり、通常0.01〜100mol、好ましくは0.03〜50mol、特に好ましくは0.05〜30molである。チタニウム化合物は、一度に、又は任意の複数回に分けて使用される。
製造方法(1)における内部電子供与性化合物(a−3)の使用量は、使用されるマグネシウム化合物(a−2)1gあたり、通常0.01〜10000ml、好ましくは0.03〜5000ml、特に好ましくは0.05〜3000mlである。内部電子供与性化合物(a−3)は、一度に、又は任意の複数回に分けて使用される。
製造方法(1)において、チタニウム化合物(a−1)、マグネシウム化合物(a−2)および内部電子供与性化合物(a−3)を接触させる方法は特に限定されない。該方法として、スラリー法や機械的粉砕法(例えばボールミルによる方法)のような公知の方法を例示することができる。
上記のスラリー法におけるスラリー濃度は、通常0.05〜0.7g固体/ml溶媒、特に好ましくは0.1〜0.5g固体/ml溶媒である。
上記の機械的粉砕法は、得られる固体触媒成分の微粉含有量やその粒度分布の広がりを抑制するために、好ましくは希釈剤の存在下で行われる。希釈剤として、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、およびオクタンのような脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエンおよびキシレンのような芳香族炭化水素;シクロヘキサンおよびシクロペンタンのような脂環式炭化水素;ならびに1,2−ジクロルエタンおよびモノクロルベンゼンのようなハロゲン化炭化水素を例示することができる。中でも、芳香族炭化水素またはハロゲン化炭化水素が特に好ましい。
製造方法(1)において、チタニウム化合物(a−1)とマグネシウム化合物(a−2)と内部電子供与性化合物(a−3)とを接触させる温度は特に限定されず、通常−50〜200℃であり、好ましくは−20〜150℃であり、より好ましくは−20〜130℃の範囲であり、特に好ましくは−20〜120℃の範囲である。
製造方法(1)において、チタニウム化合物(a−1)、マグネシウム化合物(a−2)および内部電子供与性化合物(a−3)を接触させる時間は特に限定されず、通常10分〜12時間であり、好ましくは30分〜10時間であり、特に好ましくは1時間〜8時間の範囲である。
製造方法(1)において、チタニウム化合物(a−1)、マグネシウム化合物(a−2)および内部電子供与性化合物(a−3)を接触させる方法として、これら化合物の全量を一度に接触させる方法や、これら化合物のそれぞれを2以上の部分に分割し、分割された複数の部分の中の任意の部分を任意の順序で接触させる方法を例示することができる。
チタニウム原子とマグネシウム原子を含む固体成分(a−4)
チタニウム原子とマグネシウム原子を含む固体成分(a−4)は、チタニウム原子とマグネシウム原子を含む固体であれば特に制限されない。該固体成分として、チタニウム酸マグネシウム、WO2004/039747号公報に記載のチタニウム酸アルミニウムマグネシウム、ならびに3価のチタニウム原子、マグネシウム原子およびハイドロカルビルオキシ基を含有する固体触媒成分前駆体(以下、単に「前駆体」と言う)が挙げられる。中でも、好ましくは前駆体である。
前駆体のハイドロカルビルオキシ基としては、例えば炭素原子数が1〜20のハイドロカルビルオキシ基が挙げられ、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、ペントキシ基、シクロペントキシ基、シクロヘキソキシ基である。
前駆体は、いかなる調製方法で製造されてもよい。例えば、Si−O結合を有するケイ素化合物(a−4−1)の存在下に、4価のチタニウム原子を含むチタニウム化合物(a−4−2)を、有機マグネシウム化合物(a−4−3)で還元する方法が挙げられる。
Si−O結合を有するケイ素化合物(a−4−1)として、下式(vi)〜(viii)のいずれかで表わされる化合物を例示することができる。
Si(OR62t63 (4-t) (vi)
64(R65 2SiO)uSiR66 3 (vii)
(R67 2SiO)v (viii)
一般式(vi)〜(viii)中の、R62〜R67は、炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基または水素原子であり、tは1〜4の整数であり、uは1〜1000の整数であり、vは2〜1000の整数である。
上記R62〜R67のハイドロカルビル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、およびドデシル基のようなアルキル基、フェニル基、クレジル基、キシリル基、およびナフチル基のようなアリール基、シクロヘキシル基およびシクロペンチル基のようなシクロアルキル基、アリル基のようなアルケニル基、ベンジル基のようなアラルキル基を例示することができる。R62〜R67は好ましくは、炭素原子数2〜18のアルキル基または炭素原子数6〜18のアリール基であり、特に好ましくは炭素原子数2〜18の直鎖状アルキル基である。R62〜R67がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なってもよい。
式(vi)〜(viii)のいずれかで示すケイ素化合物としては、テトラメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリエトキシエチルシラン、ジエトキシジエチルシラン、エトキシトリエチルシラン、テトライソプロポキシシラン、ジイソプロポキシ−ジイソプロピルシラン、テトラプロポキシシラン、ジプロポキシジプロピルシラン、テトラブトキシシラン、ジブトキシジブチルシラン、ジシクロペントキシジエチルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、シクロヘキシロキシトリメチルシラン、フェノキシトリメチルシラン、テトラフェノキシシラン、トリエトキシフェニルシラン、ヘキサメチルジシロヘキサン、ヘキサエチルジシロヘキサン、ヘキサプロピルジシロキサン、オクタエチルトリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルハイドロポリシロキサン、およびフェニルハイドロポリシロキサンを例示することができる。中でも、好ましくは式(vi)におけるtが1≦t≦4を満たす化合物であり、より好ましくは、tが4であるテトラアルコキシシランであり、最も好ましくはテトラエトキシシランである。
上記の4価のチタニウム原子を含むチタニウム化合物(a−4−2)として下式(ix)で表される化合物を例示することができる。

Figure 2012236994
一般式(ix)中の、R68は炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基を表し、X54はハロゲン原子または炭素原子数1〜20のハイドロカルビルオキシ基を表し、複数のX54は同一または異なり、mは1〜20の整数を表す。
上記R68として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、およびn−ドデシル基のようなアルキル基、フェニル基、クレジル基、キシリル基、およびナフチル基のようなアリール基、シクロヘキシル基およびシクロペンチル基のようなシクロアルキル基、アリル基のようなアルケニル基、ならびにベンジル基のようなアラルキル基を例示することができる。R68は好ましくは、炭素原子数2〜18のアルキル基または炭素原子数6〜18のアリール基であり、特に好ましくは炭素原子数2〜18の直鎖状アルキル基である。
上記X54のハロゲン原子として、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を例示することができる。特に好ましくは塩素原子である。
上記X54の炭素原子数1〜20のハイドロカルビルオキシ基は、好ましくは、炭素原子数2〜18のアルコキシ基であり、より好ましくは炭素原子数2〜10のアルコキシ基であり、特に好ましくはエトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基のような炭素原子数2〜6のアルコキシ基である。
一般式(ix)で表されるチタニウム化合物として、テトラメトキシチタニウム、テトラエトキシチタニウム、テトラ−n−プロポキシチタニウム、テトライソプロポキシチタニウム、テトラ−n−ブトキシチタニウム、テトライソブトキシチタニウム、n−ブトキシチタニウムトリクロライド、ジ−n−ブトキシチタニウムジクロライド、トリ−n−ブトキシチタニウムクロライド、ジ−n−テトライソプロピルポリチタネート(m=2〜10の範囲の混合物)、テトラ−n−ブチルポリチタネート(m=2〜10の範囲の混合物)、テトラ−n−ヘキシルポリチタネート(m=2〜10の範囲の混合物)、テトラ−n−オクチルポリチタネート(m=2〜10の範囲の混合物)、およびテトラアルコキシチタニウムに少量の水を反応して得られるテトラアルコキシチタニウムの縮合物、ならびにこれらの2以上の組合せを例示することができる。中でも、好ましくは式(ix)のmが1、2または4であるチタニウム化合物であり、より好ましくは、テトラ−n−ブトキシチタニウム、テトラ−n−ブチルチタニウムダイマーまたはテトラ−n−ブチルチタニウムテトラマーである。
上記の有機マグネシウム化合物(a−4−3)は、マグネシウム原子−炭素原子の結合を有する任意の化合物である。有機マグネシウム化合物として、下式(x)または(xi)で表わされる化合物を例示することができ、良好な形態の重合触媒(A)を得る観点から、式(x)で表されるグリニャール化合物が好ましく、グリニャール化合物のエーテル溶液が特に好ましい:
69MgX55 (x)
7071Mg (xi)
一般式(x)、(xi)式中のR69〜R71は、炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基を表し、X55はハロゲン原子を表わす。
上記のR69〜R71のハイドロカルビル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、およびドデシル基のようなアルキル基、フェニル基、クレジル基、キシリル基、およびナフチル基のようなアリール基、シクロヘキシル基およびシクロペンチル基のようなシクロアルキル基、アリル基のようなアルケニル基、ならびにベンジル基のようなアラルキル基を例示することができる。R69〜R71は好ましくは、炭素原子数2〜18のアルキル基または炭素原子数6〜18のアリール基であり、特に好ましくは炭素原子数2〜18のアルキル基である。
上記のX55として、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を例示することができる。特に好ましくは塩素原子である。
上式で表されるグリニャール化合物の例としては、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムクロライド、n−プロピルマグネシウムクロライド、イソプロピルマグネシウムクロライド、n−ブチルマグネシウムクロライド、イソブチルマグネシウムクロライド、tert−ブチルマグネシウムクロライド、n−ペンチルマグネシウムクロライド、イソペンチルマグネシウムクロライド、シクロペンチルマグネシウムクロライド、n−ヘキシルマグネシウムクロライド、シクロヘキシルマグネシウムクロライド、n−オクチルマグネシウムクロライド、2−エチルヘキシルマグネシウムクロライド、フェニルマグネシウムクロライド、およびベンジルマグネシウムクロライドである。それらの中で、エチルマグネシウムクロライド、n−プロピルマグネシウムクロライド、イソプロピルマグネシウムクロライド、n−ブチルマグネシウムクロライド、およびイソブチルマグネシウムクロライドが好ましく、n−ブチルマグネシウムクロライドが特に好ましい。
これらのグリニャール化合物は、好ましくは、それらのエーテル溶液として用いられる。エーテルの例としては、ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、エチルn−ブチルエーテルおよびジイソペンチルエーテルのようなジアルキルエーテル、ならびにテトラハイドロフランのような環状エーテルである。それらのうち、ジアルキルエーテルが好ましく、ジ−n−ブチルエーテルまたはジイソブチルエーテルが特に好ましい。
Si−O結合を有するケイ素化合物(a−4−1)の存在下に、チタニウム化合物(a−4−2)を、有機マグネシウム化合物(a−4−3)で還元する時に、任意のエステル基を有する化合物(a−4−4)を共存させてもよい。
エステル基を有する化合物(a−4−4)としてはいかなるエステル化合物を用いてもよいが、モノまたは多価のカルボン酸エステルを挙げることができ、より具体的には飽和脂肪族カルボン酸エステル、不飽和脂肪族カルボン酸エステル、脂環式カルボン酸エステル、および芳香族カルボン酸エステルを例示することができる。更に具体的には、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸フェニル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、吉草酸エチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、アニス酸エチル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル、フタル酸モノエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸メチルエチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−プロピル、フタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジペンチル、フタル酸ジ−n−ヘキシル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、およびフタル酸ジフェニルを例示することができる。中でも好ましくは、フタル酸エステルのような芳香族ジカルボン酸ジエステルである。
還元反応は、通常溶媒中で行う。還元反応における溶媒として、ヘキサン、ヘプタン、オクタンおよびデカンのような脂肪族炭化水素化合物、トルエンおよびキシレンのような芳香族炭化水素化合物、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンおよびデカリンのような脂環式炭化水素化合物、ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、エチル−n−ブチルエーテル、およびジイソアミルエーテルようなジアルキルエーテル、テトラハイドロフランなどの環状エーテル、クロロベンゼンおよびジクロロベンゼンのようなハロゲン化芳香族化合物、ならびに、これらの2種以上の組合せを例示することができる。中でも、好ましくは脂肪族炭化水素化合物、芳香族炭化水素化合物、または、脂環式炭化水素化合物であり、より好ましくは脂肪族炭化水素化合物、または、脂環式炭化水素化合物であり、さらに好ましくは脂肪族炭化水素化合物であり、特に好ましくはヘキサン、または、ヘプタンである。
還元反応において、Si−O結合を有するケイ素化合物(a−4−1)の使用量は、使用されるチタニウム化合物(a−4−2)中の総チタニウム原子1モルあたり、ケイ素化合物(a−4−1)に含まれるケイ素原子が通常1〜500モル、好ましくは1〜300モル、特に好ましくは3〜100モルとなる量である。
還元反応において、有機マグネシウム化合物(a−4−3)の使用量は、使用される有機マグネシウム化合物(a−4−3)中の総マグネシウム原子1モルあたり、チタニウム化合物(a−4−2)に含まれるチタニウム原子とケイ素化合物(a−4−1)に含まれるケイ素原子との和が通常0.1〜10モル、好ましくは0.2〜5.0モル、特に好ましくは0.5〜2.0モルとなる量である。
還元反応におけるチタニウム化合物(a−4−2)、Si−O結合を有するケイ素化合物(a−4−1)および有機マグネシウム化合物(a−4−3)の使用量はまた、得られる前駆体中のマグネシウム原子の量が、該前駆体中のチタニウム原子1モルあたり、1〜51モル、好ましくは2〜31モル、特に好ましくは4〜26モルとなるように決定してもよい。
還元反応において、エステル基を有する化合物(a−4−4)の使用量は、使用されるチタニウム化合物中の総チタニウム原子1モルあたり、通常0.05〜100モル、好ましくは0.1〜60モル、特に好ましくは0.2〜30モルである。
還元反応では通常、Si−O結合を有するケイ素化合物(a−4−1)、チタニウム化合物(a−4−2)および溶媒からなる溶液中に有機マグネシウム化合物(a−4−3)を加える。Si−O結合を有するケイ素化合物(a−4−1)、チタニウム化合物(a−4−2)および溶媒からなる溶液中に有機マグネシウム化合物(a−4−3)を加えるときの温度は、通常−50〜100℃であり、好ましくは−30〜70℃であり、特に好ましくは−25〜50℃の範囲である。有機マグネシウム化合物は、通常30分〜6時間程度かけて溶液に加える。良好な形態の触媒を得る観点から、有機マグネシウム化合物は連続的に加えられるのが好ましい。該反応をさらに進めるために、有機マグネシウム化合物を溶液に加えた後に、さらに5〜120℃でこれらを反応させてもよい。
さらに、還元反応時に担体物質を存在させ、前駆体を担体物質に担持させてもよい。担体物質としては、特に制限はないが、例えば、SiO、Al、MgO、TiO、およびZrOのような無機酸化物からなる多孔質担体、ポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−エチレングリコール−ジメタクリル酸メチル共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、アクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、およびポリプロピレンのような有機ポリマーからなる多孔質担体が挙げられる。これらのうち好ましくは、有機ポリマーからなる多孔質担体であり、特に好ましくは、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体からなる多孔質担体である。
担体として好ましくは、前駆体を担体に有効に固定化する観点から、細孔半径が20〜200nmである細孔の容量の合計体積が、0.3cm/g以上であり、より好ましくは0.4cm/g以上であり、かつ該体積は、細孔半径が3.5〜7500nmである細孔の容量の合計体積に対して35%以上であり、より好ましくは40%以上である多孔質の担体である。
Si−O結合を有するケイ素化合物(a−4−1)と、一般式(ix)で表されるチタニウム化合物(a−4−2)と、有機マグネシウム化合物(a−4−3)と、任意にエステル基を有する化合物(a−4−4)とを用いると、有機マグネシウム化合物(a−4−3)によるチタニウム化合物(a−4−2)の還元反応が進行するので、該チタニウム化合物のチタニウム原子は4価から3価に還元される。本発明においては、実質上全ての4価のチタニウム原子が3価に還元されることが好ましい。得られた前駆体は、3価のチタニウム原子、マグネシウム原子およびハイドロカルビルオキシ基を含有し、一般に非晶性または極めて弱い結晶性を有し、好ましくは非晶性である。
得られる前駆体は溶媒で洗浄してもよい。該溶媒の例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンおよびデカンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素、シクロヘキサンおよびシクロペンタンなどの脂環式炭化水素、1,2−ジクロロエタンおよびモノクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素である。これらの中で、脂肪族炭化水素または芳香族炭化水素が好ましく、芳香族炭化水素がより好ましく、トルエンまたはキシレンが特に好ましい。
製造方法(2)において、内部電子供与性化合物(a−3)の使用量は、固体成分(a−4)1gあたり、通常0.1〜1000mmol、好ましくは0.3〜500mmol、特に好ましくは0.5〜300mmolである。内部電子供与性化合物(a−3)は、一度に、又は任意の複数回に分けて使用される。
製造方法(2)において、固体成分(a−4)と内部電子供与性化合物(a−3)を接触させる温度は特に限定されず、通常−50〜200℃であり、好ましくは0〜170℃であり、より好ましくは50〜150℃の範囲であり、特に好ましくは50〜120℃の範囲である。
製造方法(2)において、固体成分(a−4)と内部電子供与性化合物(a−3)を接触させる時間は特に限定されず、通常10分〜12時間であり、好ましくは30〜10時間であり、特に好ましくは1時間〜8時間の範囲である。
ハロゲン化金属化合物(a−5)
固体成分(a−4)と内部電子供与性化合物(a−3)と、任意で下式(xii)で表されるハロゲン化金属化合物(a−5)をさらに接触させてもよい。
5172 m−c56 ・・・(xii)
[式中、M51は第4族、第13族または第14族原子を、R72は炭素原子数が1〜20のハイドロカルビル基または炭素原子数が1〜20のハイドロカルビルオキシ基を、X56はハロゲン原子を、mはM51の原子価を表す。cは0<c≦mを満足する整数を表す。R72、X56がそれぞれ複数存在する場合、複数のR72またはX56は同一でも異なってもよい。]
一般式(xii)中のM51の元素周期律表の第4族元素として、チタニウム原子、ジルコニウム原子およびハフニウム原子を例示することができる。中でも、好ましくはチタニウム原子である。M51の第13族元素として、ホウ素原子、アルミニウム原子、ガリウム原子、インジウム原子、およびタリウム原子を例示することができる。中でも、好ましくはホウ素原子またはアルミニウム原子であり、より好ましくはアルミニウム原子である。M51の第14族元素として、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、および鉛原子を例示することができる。中でも、好ましくはケイ素原子、ゲルマニウム原子またはスズ原子であり、より好ましくはケイ素原子である。
上式(xii)中のR72のハイドロカルビル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、およびドデシル基のような直鎖状または分岐状のアルキル基、シクロヘキシル基およびシクロペンチル基のような環状アルキル基、フェニル基、クレジル基、キシリル基およびナフチル基のようなアリール基が挙げられる。
上式(xii)中のR72のハイドロカルビルオキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、n−ペンチロキシ基、イソアミロキシ基、ヘキシロキシ基、ヘプチロキシ基、オクチロキシ基、デシロキシ基、およびドデシロキシ基のような直鎖状または分岐状のアルコキシ基、シクロヘキシロキシ基およびシクロペンチロキシ基のような環状アルコキシ基、フェノキシ基、キシロキシ基およびナフトキシ基のようなアリーロキシ基を例示することができる。
上式(xii)中のR72として、好ましくは炭素原子数2〜18のアルキル基もしくはアルコキシ基、または炭素原子数6〜18のアリール基もしくはアリーロキシ基である。
上式(xii)中のX56としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が挙げられ、好ましくは塩素原子または臭素原子である。
上式(xii)中のmはM51の原子価であり、M51が第4族元素のときmは4であり、第13族元素のときmは3であり、第14族元素のときmは4である。
上式(xii)におけるcは0<c≦mを満足する整数を表し、M51が第4族元素および第14族元素のときcは0<c≦4を満足する整数を表し、第13族元素のときcは0<c≦3を満足する整数を表す。M51が第4族元素または第14族元素の場合の好ましいcは3または4であり、より好ましくは4である。M51が第13族元素の場合の好ましいcは3である。
上式(xii)で表されるハロゲン化金属化合物(a−5)として、米国特許6,187,883に記載のチタニウム化合物、および米国特許6,903,041に記載の第13族元素のクロロ化化合物や第14族元素のクロロ化化合物を例示することができる。
上式で表されるハロゲン化金属化合物のハロゲン化チタニウム化合物として、好ましくは四塩化チタニウム、四臭化チタニウムおよび四沃化チタニウムのようなテトラハロゲン化チタニウム化合物、またはメトキシチタニウムトリクロライド、エトキシチタニウムトリクロライド、メトキシチタニウムトリクロライド、フェノキシチタニウムトリクロライド、およびエトキシチタニウムトリブロマイドのようなトリハロゲン化アルコキシチタニウム化合物であり、より好ましくはテトラハロゲン化チタニウム化合物であり、特に好ましくは四塩化チタニウムである。
上式で表されるハロゲン化金属化合物(a−5)の第13族元素のクロロ化化合物または第14族元素のクロロ化化合物として、好ましくは、エチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、トリクロロアルミニウム、テトラクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、ノルマルプロピルトリクロロシラン、またはパラトリルトリクロロシランであり、より好ましくは第14族元素のクロロ化化合物であり、特に好ましくはテトラクロロシランおよびフェニルトリクロロシランである。
ハロゲン化金属化合物の使用量は、前駆体1gあたり、通常0.1〜1000mmol、好ましくは0.3〜500mmol、特に好ましくは0.5〜300mmolである。ハロゲン化金属化合物(a−5)は、一度に、又は任意の複数回に分けて使用される。
前駆体と、内部電子供与性化合物(a−3)と、任意のハロゲン化金属化合物(a−5)とを接触させる時間は特に限定されず、通常10分〜12時間であり、好ましくは30〜10時間であり、特に好ましくは1時間〜8時間の範囲である。
前駆体と、内部電子供与性化合物(a−3)と、任意のハロゲン化金属化合物(a−5)とを接触させる方法は特に限定されない。該方法として、スラリー法や機械的粉砕法(例えばボールミルによる方法)のような公知の方法を例示することができる。機械的粉砕法は、得られる固体触媒成分(a)の微粉含有量やその粒度分布の広がりを抑制するために、好ましくは上述の希釈剤の存在下で行われる。
上記のスラリー法におけるスラリー濃度は、通常0.05〜0.7g固体/ml溶媒、特に好ましくは0.1〜0.5g固体/ml溶媒である。接触の温度は、通常30〜150℃、好ましくは45〜135℃、特に好ましくは60〜120℃である。接触の時間は特に制限されず、通常30分から6時間程度が好適である。
固体触媒成分(a)を、公知方法によって有機アルミニウム化合物(b)、および任意に外部電子供与性化合物(c)と反応させることにより、重合触媒(A)が形成される。
有機アルミニウム化合物(b)
本発明で用いられる有機アルミニウム化合物(b)として、米国特許6,903,041に記載された化合物を例示することができる。中でも、好ましくは、トリアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドとの混合物であり、さらに好ましくはトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドとの混合物である。
外部電子供与性化合物(c)
本発明で任意に用いられる外部電子供与性化合物(c)として、米国特許6,903,041に記載された化合物を例示することができる。中でも、好ましくは酸素含有化合物または窒素含有化合物である。酸素含有化合物として、アルコキシケイ素、エーテル、エステル、およびケトンを例示することができる。中でも、好ましくはアルコキシケイ素またはエーテルである。
外部電子供与性化合物(c)としてのアルコキシケイ素は、下式(xiii)で表される化合物が好ましい。
73 Si(OR744−h・・・(xiii)
[式中、R73は炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基、水素原子またはヘテロ原子含有置換基を表し、R74は炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基を表す。hは0≦h<4を満たす整数を表し、R73、R74が複数存在する場合、それぞれのR73、R74は同じか又は異なる。]
外部電子供与性化合物(c)としてのエーテルは、より好ましくは環状エーテル化合物である。環状エーテル化合物とは、環構造内に少なくとも一つの−C−O−C−結合を有する複素環式化合物であり、更に好ましくは環構造内に少なくとも一つの−C−O−C−O−C−結合を有する環状エーテル化合物である。
外部電子供与性化合物(c)は、特に好ましくは、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、tert−ブチルエチルジメトキシシラン、tert−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジシクロブチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、ジエチルアミノトリメトキシシラン、1,3−ジオキソラン、又は1,3−ジオキサンである。
つづいて、本発明で用いられる重合触媒(B)を形成する各成分について説明する。重合触媒(B)は元素周期律表のランタノイドおよびアクチノイドを含む第3〜11族の原子から選ばれる原子を含む遷移金属化合物(d)および活性化剤(e)を接触させて形成される。
遷移金属化合物(d)
遷移金属化合物(d)は、1つまたは複数の遷移金属原子、およびπ電子共役系アニオン性基、非共役系アニオン性基、中性ルイス塩基性配位子から選ばれる1つまたは複数の基及び/又は配位子を含有する化合物である。
遷移金属化合物(d)の例として、メタロセン、ハーフメタロセン、もしくはヘテロ原子を配位元素とする多座キレート型基を有する遷移金属化合物などが含まれる。
遷移金属化合物(d)は、下記一般式(d)で表される。
Figure 2012236994
Mは、元素周期律表のランタノイドおよびアクチノイドを含む第3〜11族の原子を表し、nが2以上の場合、複数のMは互いに同一でも異なっていてもよい。なかでも好ましくは3〜5族、より好ましくは4族から選択される遷移金属原子である。
Lは、水素原子を除いて70個までの原子を含有し、共役系π電子を介してMに結合するπ電子共役系アニオン性基であり、aが2以上の場合、複数のLは互いに同一でも異なっていてもよい。
Xは、水素原子を除いて70個までの原子を含有する非共役系アニオン性基であり、bが2以上の場合、複数のXは互いに同一でも異なっていてもよい。
Eは、1つ以上の非共有電子対を介してMに結合する中性ルイス塩基性配位子であって、水素原子を除いて70個までの原子を含有する配位子であり、cが2以上の場合、複数のEは互いに同一でも異なっていてもよい。
aは0〜6の整数であり、bは0〜8の整数であり、cは0〜9の整数であり、nは1〜4の整数である。また、M、L、Xの価数がそれぞれm、l、xのとき、m、l、xはm=l×a+x×bの式を満たす。また、L、X、Eから選ばれる2個以上の基が互いに連結して環を形成していてもよく、さらにaが2以上の場合、L同士が互いに連結して環を形成していてもよく、bが2以上の場合、X同士が互いに連結して環を形成していてもよく、cが2以上の場合、E同士が互いに連結して環を形成していてもよく、nが2以上の場合、L同士が互いに連結して環を形成していてもよく、X同士が互いに連結して環を形成していてもよく、E同士が互いに連結して環を形成していてもよい。
π電子共役系アニオン性基は共役系π電子を介してMに結合するアニオン性基であればどのようなものであってもよいが、例えば、シクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基、テトラハイドロインデニル基、テトラハイドロフルオレニル基、オクタハイドロフルオレニル基、ペンタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、ジハイドロアントラセニル基、ヘキサハイドロアントラセニル基、デカハイドロアントラセニル基、ホスホール基およびボラタベンジル基に加えて、それらの誘導体、特には、それらのC1-10ハイドロカルビル置換もしくはトリス(C1-10ハイドロカルビル)シリル置換誘導体が含まれる。なかでも好ましくは、シクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルトリメチルシリルシクロペンタジエニル基、インデニル基、テトラハイドロインデニル基、2,3−ジメチルインデニル基、2−メチルインデニル基、2−メチル−4−フェニルインデニル基、フルオレニル基、テトラハイドロフルオレニル基、オクタハイドロフルオレニル基である。
非共役系アニオン性基の例には、水素原子、酸素原子、硫黄原子、ハロゲン原子、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、ガリウム含有基、炭素含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基、窒素含有基、リン含有基、酸素含有基、硫黄含有基、セレン含有基、ハロゲン含有基および複素環式化合物残基などが挙げられる。
ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、好ましくは塩素原子である。
ホウ素含有基は、ホウ素原子を1〜5個含有する基であり、好ましくはハイドロボリル基、またはハイドロボリル基の水素原子の一部もしくは全てが、ハロゲン原子、窒素含有基、酸素含有基、ハイドロカルビル基、または該ハイドロカルビル基の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子、窒素含有基、酸素含有基のいずれか、もしくは複数によって置換された基のいずれか、もしくは複数によって置換されたものが挙げられる。
アルミニウム含有基として好ましくは、前記ホウ素含有基のホウ素原子をアルミニウム原子に置換した基であり、またガリウム含有基として好ましくは、前記ホウ素含有基のホウ素原子をガリウム原子に置換した基である。
炭素含有基としては、ハイドロカルビル基、またはハイドロカルビル基の水素原子の一部もしくは全てが、ハロゲン原子、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、ガリウム含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基、窒素含有基、リン含有基、酸素含有基、硫黄含有基、セレン含有基、ハロゲン含有基、複素環式化合物残基のいずれか、もしくは複数によって置換された基が挙げられる。
ハイドロカルビル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などの炭素原子数3〜30、好ましくは3〜20の環状アルキル基、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニル基、ターフェニル基などの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基などの炭素原子数2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルケニル基、エチニル基、プロパルギル基など炭素原子数2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルキニル基、また、上記ハイドロカルビル基は、水素原子の一部もしくは全てが他のハイドロカルビル基で置換されていてもよく、例えば、ベンジル、クミルなどのアラルキル基、トリル基、イソプロピルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジ−tert−ブチルフェニル基などのアルキル置換アリール基などが挙げられる。
ケイ素含有基は、ケイ素原子を1〜5個含有する基であり、好ましくは、メチルシリル基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、エチルシリル基、ジエチルシリル基、トリエチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジメチル−t−ブチルシリル基、ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリル基などのハイドロカルビル置換シリル基、トリメチルシリルオキシ基などのハイドロカルビル置換シリルオキシ基、トリメチルシリルメチル基などのハイドロカルビル置換シリルアルキル基、トリメチルシリルフェニル基などのハイドロカルビル置換シリルアリール基である。
ゲルマニウム含有基として好ましくは、前記ケイ素含有基のケイ素原子をゲルマニウム原子に置換した基であり、またスズ含有基としては、前記ケイ素含有基のケイ素原子をスズ原子に置換した基である。
窒素含有基は、窒素原子を1〜5個含有する基であり、好ましくは、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ベンジルアミノ基、クミルアミノ基などのアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジナフチルアミノ基、メチルフェニルアミノ基などのアリールアミノ基、ベンジルアミノ基、クミルアミノ基などのアラルキルアミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、イソシアノ基、シアン酸エステル基、アミジノ基、ジアゾ基などである。
リン含有基は、リン原子を1〜5個含有する基であり、好ましくは、ホスフィド基、ホスホリル基、チオホスホリル基、ホスファト基などである。
酸素含有基は、酸素原子を1〜5個含有する基であり、好ましくは、ハイドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基などのアルコキシ基、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、ナフトキシ基などのアリーロキシ基、アシル基、エステル基、カルボキシル基、カルボン酸基、カルボネート基、カルボン酸無水物基、ペルオキシ基などである。
硫黄含有基は、硫黄原子を1〜5個含有する基であり、好ましくは、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオアシル基、チオエステル基、ジチオエステル基、チオエーテル基、チオシアン酸エステル基、イソチオシアン酸エステル基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、スルホ基、スルホニル基、スルフィニル基、スルフェニル基などである。
セレン含有基として好ましくは、前記硫黄含有基の硫黄原子をセレン原子に置換した基である。
ハロゲン含有基として好ましくは、PF、BFなどのフッ素含有基、ClO、SbClなどの塩素含有基、IOなどのヨウ素含有基である。
複素環式化合物残基として好ましくは、ピロール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、トリアジンなどの含窒素化合物、フラン、ピランなどの含酸素化合物、チオフェンなどの含硫黄化合物などの残基、およびこれらの複素環式化合物残基に炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基、アルコキシ基などの基がさらに結合した基などである。
中性ルイス塩基性配位子は、1つ以上の非共有電子対を介してMに結合する中性の配位子であればどのようなものであってもよいが、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラハイドロフラン、ジメトキシエタン、フラン、ジオキサン、ジメチルフラン、アニソール、ジフェニルエーテル、メチル−t−ブチルエーテルなどの鎖状または環状の飽和または不飽和エーテル類、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−トリルアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒドなどの鎖状または環状の飽和または不飽和アルデヒド類、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、n−ブチロフェノン、ベンジルメチルケトンなどの鎖状または環状の飽和または不飽和ケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ベンジル、酢酸フェニル、ギ酸エチル、プロピオン酸エチル、ステアリン酸エチル、安息香酸エチルなどの鎖状または環状の飽和または不飽和エステル類、無水酢酸、無水コハク酸、無水マレイン酸などの鎖状または環状の飽和または不飽和酸無水物類、ホルムアミド、アセトアミド、ベンズアミド、n−バレルアミド、ステアリルアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルプロピオンアミド、N,N−ジメチル−n−ブチルアミドなどの鎖状または環状の飽和または不飽和アミド類、スクシンイミド、フタルイミドなどの鎖状または環状の飽和または不飽和イミド類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリフェニルアミン、ジメチルアミン、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリンなどの鎖状または環状の飽和または不飽和アミン類、メタンイミン、エタンイミン、フェニルメタンイミン、N−メチルメタンイミンなどの鎖状または環状の飽和または不飽和イミン類、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、キノリン、イソキノリン、2−メチルピリジン、ピロール、オキサゾール、イミダゾール、ピラゾール、インドールなどの含窒素複素環式化合物類、ジメチルスルフィド、メチルフェニルスルフィド、ジフェニルスルフィドなどのチオエーテル類、ジメチルスルホキシド、メチルフェニルスルホキシド、ジフェニルスルホキシドなどのスルホキシド類、ジメチルスルホン、メチルフェニルスルホン、ジフェニルスルホンなどのスルホン類、チオフェン、チアゾールなどの含硫黄複素環式化合物類、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどのホスフィン類、トリメチルホスファイト、トリフェニルホスファイトなどのホスファイト類、トリメチルホスフィンオキシド、トリフェニルホスフィンオキシドなどのホスフィンオキシド類、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどの飽和または不飽和ニトリル類、一酸化炭素、二酸化炭素等の無機化合物類、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウムなどの無機塩類、前記有機アルミニウム化合物(b)などの有機金属化合物類である。
遷移金属化合物(d)
前記一般式(d)で表される遷移金属化合物(d)として、好ましくは下記一般式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、または(9)のいずれかで表される遷移金属化合物が挙げられる。
以下、式(1)で表される遷移金属化合物について説明する。
Figure 2012236994
(式中、nは1、2または3であり、
は、チタニウム原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子を表す。
X1〜RX8は、それぞれ独立して、
水素原子、
ハロゲン原子、
炭素原子数1〜20のアルキル基、
環を構成する炭素原子数が3〜10のシクロアルキル基、
炭素原子数2〜20のアルケニル基、
炭素原子数2〜20のアルキニル基、
炭素原子数7〜30のアラルキル基、
炭素原子数6〜30のアリール基、
炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
炭素原子数7〜30のアラルキルオキシ基、
炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、
置換シリル基、または
環を構成する炭素原子数が3〜20のヘテロ環式化合物残基を表す。
X1〜RX8における上記アルキル基、上記シクロアルキル基、上記アルケニル基、上記アルキニル基、上記アラルキル基、上記アリール基、上記アルコキシ基、上記アラルキルオキシ基、上記アリールオキシ基および上記へテロ環式化合物残基はそれぞれ置換基を有していてもよい。
上記RX1〜RX8の定義に関わらず、RX1とRX2、RX2とRX3、RX3とRX4、RX5とRX6、RX6とRX7、RX7とRX8はそれぞれ相互に連結して環を形成してもよく、これらの環は置換基を有していてもよい。
は、それぞれ独立して、
水素原子、
ハロゲン原子、
炭素原子数1〜20のアルキル基、
環を構成する炭素原子数が3〜10のシクロアルキル基、
炭素原子数2〜20のアルケニル基、
炭素原子数7〜30のアラルキル基、
炭素原子数6〜30のアリール基、
炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
炭素原子数7〜30のアラルキルオキシ基、
炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、
置換シリル基、
置換アミノ基、
置換チオラート基、または
炭素原子数1〜20のカルボキシラート基を表す。
における上記アルキル基、上記シクロアルキル基、上記アルケニル基、上記アラルキル基、上記アリール基、上記アルコキシ基、上記アラルキルオキシ基、上記アリールオキシ基および上記カルボキシラート基はそれぞれ置換基を有していてもよい。
同士は、相互に連結して環を形成してもよい。
は中性のルイス塩基を表す。Eが複数ある場合は、複数のEは同一でも異なっていてもよい。xは、0、1、または2である。)
は、チタニウム原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子を表し、好ましくはハフニウム原子である。
nは1、2または3であり、好ましくは2または3であり、より好ましくは3である。
X1およびRX5は、好ましくは、それぞれ独立して
水素原子、
ハロゲン原子、
炭素原子数1〜20のアルキル基、
環を構成する炭素原子数が3〜10のシクロアルキル基、
炭素原子数7〜30のアラルキル基、
炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
炭素原子数7〜30のアラルキルオキシ基、
炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、または
置換シリル基であり、
より好ましくは、それぞれ独立して
ハロゲン原子、
炭素原子数1〜20のアルキル基、
環を構成する炭素原子数が3〜10のシクロアルキル基、
炭素原子数7〜30のアラルキル基、または
置換シリル基であり、
X1とRX5の特に好ましい形態は、RX1とRX5が同一であって、
炭素原子数1〜20のアルキル基、
環を構成する炭素原子数が3〜10のシクロアルキル基、
炭素原子数7〜30のアラルキル基、または
置換シリル基である。
X2〜RX4およびRX6〜RX8は、好ましくは、それぞれ独立して
水素原子、
ハロゲン原子、
炭素原子数1〜20のアルキル基、
環を構成する炭素原子数が3〜10のシクロアルキル基、
炭素原子数7〜30のアラルキル基、
炭素原子数6〜30のアリール基、
炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
炭素原子数7〜30のアラルキルオキシ基、
炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、
置換シリル基、または
環を構成する炭素原子数が3〜20のヘテロ環式化合物残基であり、
より好ましくは、それぞれ独立して
水素原子、
ハロゲン原子
炭素原子数1〜20のアルキル基、
環を構成する炭素原子数が3〜10のシクロアルキル基、
炭素原子数7〜30のアラルキル基、
炭素原子数6〜30のアリール基、または
置換シリル基である。
X2、RX4、RX6およびRX8は、さらに好ましくは、水素原子である。
X3およびRX7はさらに好ましくは、それぞれ独立して
ハロゲン原子、
炭素原子数1〜20のアルキル基
環を構成する炭素原子数が3〜10のシクロアルキル基、
炭素原子数7〜30のアラルキル基、
炭素原子数6〜30のアリール基、または
置換シリル基である。
X3およびRX7は、特に好ましくは、RX3とRX7が同一であって、
炭素原子数1〜20のアルキル基
環を構成する炭素原子数が3〜10のシクロアルキル基、
炭素原子数7〜30のアラルキル基、
炭素原子数6〜30のアリール基、または
置換シリル基であり、
最も好ましくは、
炭素原子数1〜20のアルキル基である。
X1〜RX8における上記アルキル基、上記シクロアルキル基、上記アルケニル基、上記アルキニル基、上記アラルキル基、上記アリール基、上記アルコキシ基、上記アラルキルオキシ基、上記アリールオキシ基および上記へテロ環式化合物残基はそれぞれ置換基を有していてもよい。
X1〜RX8における炭素原子数1〜20の置換基を有していてもよいアルキル基としては、例えば、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロイソプロピル基、パーフルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−sec−ブチル基、パーフルオロイソブチル基、パーフルオロ−tert−ブチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基、パーフルオロイソペンチル基、パーフルオロ−tert−ペンチル基、パーフルオロネオペンチル基、パーフルオロ−n−ヘキシル基、パーフルオロ−n−ヘプチル基、パーフルオロ−n−オクチル基、パーフルオロ−n−デシル基、パーフルオロ−n−ドデシル基、パーフルオロ−n−ペンタデシル基、パーフルオロ−n−エイコシル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、テキシル基、ネオヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ペンタデシル基、n−エイコシル基が挙げられる。
X1、RX5における炭素原子数1〜20の置換基を有していてもよいアルキル基として好ましくは、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、テキシル基、ネオヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基などの炭素原子数4〜10のアルキル基であり、
より好ましくは、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、テキシル基などの炭素原子数4〜6の第3級アルキル基である。
X2〜RX4およびRX6〜RX8における炭素原子数1〜20の置換基を有していてもよいアルキル基として好ましくは、パーフルオロメチル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、テキシル基、ネオヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基などの炭素原子数1〜10のアルキル基であり、
より好ましくは、パーフルオロメチル基、メチル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、テキシル基などの炭素原子数1〜6のアルキル基であり、
さらに好ましくは、パーフルオロメチル基、メチル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基といった炭素原子数1〜4のアルキル基である。
X1〜RX8における環を構成する炭素原子数が3〜10の置換基を有していてもよいシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、1−メチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−フェニルシクロヘキシル基、1−インダニル基、2−インダニル基、ノルボルニル基、ボルニル基、メンチル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基が挙げられ、
好ましくはシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、1−メチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−インダニル基、2−インダニル基、ノルボルニル基、ボルニル基、メンチル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基などの環を構成する炭素原子数が5〜10のシクロアルキル基であり、
より好ましくは、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ノルボルニル基、ボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基などの、環を構成する炭素原子数が6〜10のシクロアルキル基である。さらにこれらのシクロアルキル基は、炭素原子数1〜10のハイドロカルビル基を置換基として有していてもよい。例えば、環を構成する基が1−アダマンチル基であれば、3,5−ジメチルアダマンチル基、3,5,7−トリメチルアダマンチル基、3,5−ジエチルアダマンチル基、3,5,7−トリエチルアダマンチル基、3,5−ジイソプロピルアダマンチル基、3,5,7−トリイソプロピルアダマンチル基、3,5−ジイソブチルアダマンチル基、3,5,7−トリイソブチルアダマンチル基、3,5−ジフェニルアダマンチル基、3,5,7−トリフェニルアダマンチル基、3,5−ジ(p−トルイル)アダマンチル基、3,5,7−トリ(p−トルイル)アダマンチル基、3,5−ジ(3,5−キシリル)アダマンチル基、および3,5,7−トリ(3,5−キシリル)アダマンチル基などが挙げられ、より好ましくは3,5−ジメチルアダマンチル基、3,5−ジエチルアダマンチル基、3,5−ジイソプロピルアダマンチル基、3,5−ジイソブチルアダマンチル基、3,5−ジフェニルアダマンチル基、3,5−ジ(p−トルイル)アダマンチル基、および3,5−ジ(3,5−キシリル)アダマンチル基である。
X1〜RX8における炭素原子数2〜20の置換基を有していてもよいアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、ホモアリル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基などが挙げられ、好ましくは炭素原子数3〜6のアルケニル基であり、より好ましくはアリル基、ホモアリル基である。
X1〜RX8における炭素原子数2〜20の置換基を有していてもよいアルキニル基としては、例えばエチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、3−メチル−1−ブチニル基、3,3−ジメチル−1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−ペンチニル基、4−メチル−1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、4−メチル−1−ペンテニル基、1−ヘキシニル基、1−オクチニル基、フェニルエチニル基が挙げられ、好ましくは炭素原子数3〜8のアルキニル基であり、より好ましくは3−メチル−1−ブチニル基、3,3−ジメチル−1−ブチニル基、4−メチル−1−ペンテニル基またはフェニルエチニル基である。
X1〜RX8における炭素原子数7〜30の置換基を有していてもよいアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(3,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(イソブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基、ジメチル(フェニル)メチル基、ジメチル(4−メチルフェニル)メチル基、ジメチル(1−ナフチル)メチル基、ジメチル(2−ナフチル)メチル基、メチル(ジフェニル)メチル基、メチルビス(4−メチルフェニル)メチル基、トリフェニルメチル基が挙げられ、
好ましくは、ジメチル(フェニル)メチル基、ジメチル(4−メチルフェニル)メチル基、ジメチル(1−ナフチル)メチル基、ジメチル(2−ナフチル)メチル基、メチル(ジフェニル)メチル基、メチルビス(4−メチルフェニル)メチル基、トリフェニルメチル基などの炭素原子数9〜20の第3級アラルキル基である。
X1〜RX8における炭素原子数6〜30の置換基を有していてもよいアリール基としては、例えば、フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、3,5−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、3,5−ジtert−ブチルフェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2,3−ジブロモフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、あるいは2,5−ジブロモフェニル基が挙げられ、
好ましくは、フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、3,5−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、3,5−ジtert−ブチルフェニル基などの炭素原子数6〜20のフェニル基;2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基などのフッ素化フェニル基;2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基などのフッ素化アルキルフェニル基である。
X1〜RX8における置換シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−プロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリイソブチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、メチルジフェニルシリル基、ジメチル(フェニル)シリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基、メチルビス(トリメチルシリル)シリル基、ジメチル(トリメチルシリル)シリル基、トリス(トリメチルシリル)シリル基が挙げられ、
好ましくはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−プロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基などの炭素原子数3〜20のトリアルキルシリル基;メチルビス(トリメチルシリル)シリル基、ジメチル(トリメチルシリル)シリル基、トリス(トリメチルシリル)シリル基などの炭素原子数3〜20のハイドロカルビルシリル基を置換基として有するシリル基が挙げられる。
X1〜RX8における炭素原子数1〜20の置換基を有していてもよいアルコキシ基としては、例えば、パーフルオロメトキシ基、パーフルオロエトキシ基、パーフルオロ−n−プロポキシ基、パーフルオロイソプロポキシ基、パーフルオロ−n−ブトキシ基、パーフルオロ−sec−ブトキシ基、パーフルオロイソブトキシ基、パーフルオロ−n−ペンチルオキシ基、パーフルオロネオペンチルオキシ基、パーフルオロ−n−ヘキシルオキシ基、パーフルオロ−n−ヘプチルオキシ基、パーフルオロ−n−オクチルオキシ基、パーフルオロ−n−デシルオキシ基、パーフルオロ−n−ドデシルオキシ基、パーフルオロ−n−ペンタデシルオキシ基、パーフルオロ−n−エイコシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、イソブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−エイコシルオキシ基が挙げられ、好ましくは炭素原子数1〜4のアルコキシ基であり、より好ましくはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基である。
X1〜RX8における炭素原子数6〜30の置換基を有していてもよいアリールオキシ基としては、例えばフェノキシ基、2,3,4−トリメチルフェノキシ基、2,3,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,6−トリメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,4,5−テトラメチルフェノキシ基、2,3,4,6−テトラメチルフェノキシ基、2,3,5,6−テトラメチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルフェノキシ基、2−フルオロフェノキシ基、3−フルオロフェノキシ基、4−フルオロフェノキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基、2−トリフルオロメチルフェノキシ基、3−トリフルオロメチルフェノキシ基、4−トリフルオロメチルフェノキシ基、2,3−ジフルオロフェノキシ基、2,4−フルオロフェノキシ基、2,5−ジフルオロフェノキシ基、2−クロロフェノキシ基、2,3−ジクロロフェノキシ基、2,4−ジクロロフェノキシ基、2,5−ジクロロフェノキシ基、2−ブロモフェノキシ基、3−ブロモフェノキシ基、4−ブロモフェノキシ基、2,3−ジブロモフェノキシ基、2,4−ジブロモフェノキシ基、あるいは2,5−ジブロモフェノキシ基が挙げられ、好ましくは炭素原子数6〜14のアリールオキシ基であり、より好ましくは2,4,6−トリメチルフェノキシ基、3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルフェノキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基である。
X1〜RX8における炭素原子数7〜30の置換基を有していてもよいアラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ基、(2−メチルフェニル)メトキシ基、(3−メチルフェニル)メトキシ基、(4−メチルフェニル)メトキシ基、(2,3−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,6−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(ペンタメチルフェニル)メトキシ基、(エチルフェニル)メトキシ基、(n−プロピルフェニル)メトキシ基、(イソプロピルフェニル)メトキシ基、(n−ブチルフェニル)メトキシ基、(sec−ブチルフェニル)メトキシ基、(tert−ブチルフェニル)メトキシ基、(n−ヘキシルフェニル)メトキシ基、(n−オクチルフェニル)メトキシ基、(n−デシルフェニル)メトキシ基、(n−テトラデシルフェニル)メトキシ基、ナフチルメトキシ基、アントラセニルメトキシ基が挙げられ、好ましくは炭素原子数7〜12のアラルキルオキシ基であり、より好ましくはベンジルオキシ基である。
X1〜RX8における環を構成する炭素原子数が3〜20の置換基を有していてもよいヘテロ環式化合物残基としては、例えば、チエニル基、フリル基、1−ピロリル基、1−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、2−イソインドリル基、1−インドリル基、キノリル基、ジベンゾ−1H−ピロール−1−イル基、N−カルバゾリル基が挙げられ、好ましくはチエニル基、フリル基、1−ピロリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、2−イソインドリル基、1−インドリル基、キノリル基、ジベンゾ−1H−ピロール−1−イル基、N−カルバゾリル基である。
上記RX1〜RX8の定義に関わらず、RX1とRX2、RX2とRX3、RX3とRX4、RX5とRX6、RX6とRX7、RX7とRX8は、それぞれ相互に連結して環を形成してもよく、該環は置換基を有していてもよく、好ましくは、ベンゼン環上の2つの炭素原子を含む4〜10員環のハイドロカルビル環または複素環であり、該環は置換基を有していてもよい。
該環として具体的には、シクロブテン環、シクロペンテン環、シクロペンタジエン環、シクロヘキセン環、シクロヘプテン環、シクロオクテン環、ベンゼン環またはナフタレン環、フラン環、2,5−ジメチルフラン環、チオフェン環、2,5−ジメチルチオフェン環、ピリジン環などが挙げられ、好ましくは、シクロペンテン環、シクロペンタジエン環、シクロヘキセン環、ベンゼン環またはナフタレン環であり、より好ましくは、RX1とRX2、RX5とRX6、RX2とRX9および/またはRX6とRX10とが連結したシクロペンテン環、シクロヘキセン環、ベンゼン環、ナフタレン環である。
2つのXは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、炭素原子数1〜20のアルキル基、環を構成する炭素原子数が3〜10のシクロアルキル基、炭素原子数2〜20のアルケニル基、炭素原子数7〜30のアラルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数7〜30のアラルキルオキシ基、炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、炭素原子数1〜20の置換シリル基、炭素原子数1〜20の置換アミノ基、炭素原子数1〜20の置換チオラート基、または炭素原子数1〜20のカルボキシラート基を表す。
における炭素原子数1〜20のアルキル基、環を構成する炭素原子数が3〜10のシクロアルキル基、炭素原子数2〜20のアルケニル基、炭素原子数7〜30のアラルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数7〜30のアラルキルオキシ基、炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、炭素原子数1〜20の置換シリル基は、RX2〜RX4およびRX6〜RX8における前記の基と同様である。
における炭素原子数1〜20の置換アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジn−ブチルアミノ基、ジn−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジベンジルアミノ基またはジフェニルアミノ基といった炭素原子数2〜14のハイドロカルビルアミノ基が挙げられ、好ましくは、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジn−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基またはジベンジルアミノ基である。
における炭素原子数1〜20の置換チオラート基としては、例えば、チオフェノキシ基、2,3,4−トリメチルチオフェノキシ基、2,3,5−トリメチルチオフェノキシ基、2,3,6−トリメチルチオフェノキシ基、2,4,6−トリメチルチオフェノキシ基、3,4,5−トリメチルチオフェノキシ基、2,3,4,5−テトラメチルチオフェノキシ基、2,3,4,6−テトラメチルチオフェノキシ基、2,3,5,6−テトラメチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ基、2−フルオロチオフェノキシ基、3−フルオロチオフェノキシ基、4−フルオロフェノキシ基、ペンタフルオロチオフェノキシ基、2−トリフルオロメチルチオフェノキシ基、3−トリフルオロメチルチオフェノキシ基、4−トリフルオロメチルチオフェノキシ基、2,3−ジフルオロチオフェノキシ基、2,4−フルオロチオフェノキシ基、2,5−ジフルオロチオフェノキシ基、2−クロロチオフェノキシ基、2,3−ジクロロチオフェノキシ基、2,4−ジクロロチオフェノキシ基、2,5−ジクロロチオフェノキシ基、2−ブロモチオフェノキシ基、3−ブロモチオフェノキシ基、4−ブロモチオフェノキシ基、2,3−ジブロモチオフェノキシ基、2,4−ジブロモチオフェノキシ基、あるいは2,5−ジブロモチオフェノキシ基といった炭素原子数6〜12のハイドロカルビルチオラート基が挙げられ、好ましくはチオフェノキシ基、2,4,6−トリメチルチオフェノキシ基、3,4,5−トリメチルチオフェノキシ基、2,3,4,5−テトラメチルチオフェノキシ基、2,3,4,6−テトラメチルチオフェノキシ基、2,3,5,6−テトラメチルチオフェノキシ基、ペンタメチルチオフェノキシ基、ペンタフルオロチオフェノキシ基である。
における炭素原子数1〜20のカルボキシラート基としては、例えば、アセテート基、プロピオネート基、ブチレート基、ペンタネート基、ヘキサノエート基、2−エチルヘキサノエート基またはトリフルオロアセテート基が挙げられ、好ましくは炭素原子数2〜10ハイドロカルビルカルボキシラート基であり、より好ましくは、アセテート基、プロピオネート基、2−エチルヘキサノエート基またはトリフルオロアセテート基である。
は、好ましくは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数7〜30のアラルキル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、または炭素原子数1〜20のハイドロカルビルアミノ基であり、より好ましくは、塩素原子、臭素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数7〜10のアラルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、炭素原子数2〜10のハイドロカルビルアミノ基であり、さらに好ましくは、塩素原子、メチル基、エチル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、ベンジル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基であり、特に好ましくは、塩素原子、メチル基、ベンジル基、イソプロポキシ基、フェノキシ基、ジメチルアミノ基であり、最も好ましくは、塩素原子である。
における上記アルキル基、上記シクロアルキル基、上記アルケニル基、上記アラルキル基、上記アリール基、上記アルコキシ基、上記アラルキルオキシ基、上記アリールオキシ基および上記カルボキシラート基はそれぞれ置換基を有していてもよい。
X1〜RX8およびXは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、酸素原子、ケイ素原子、窒素原子、リン原子、硫黄原子を含む置換基を有していてもよい。
は中性のルイス塩基を表す。xは、0、1、または2である。Eが複数ある場合は、複数のEは同一でも異なっていてもよい。
としては、エーテル類、アミン類またはチオエーテル類などが挙げられ具体的には、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサンまたはピリジンが挙げられる。Eとして好ましくは、テトラヒドロフランである。
xは好ましくは1または0であり、さらに好ましくは0である。
式(1)で表される遷移金属化合物の具体例としては下記の化合物が挙げられる。

Figure 2012236994

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Figure 2012236994
上記化合物のチタニウム原子に直接結合しているベンジル基を、塩素原子、メチル基、ジメチルアミノ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基に変更した化合物も遷移金属化合物の例として挙げられる。
上記それぞれの化合物におけるチタニウム原子を、ジルコニウム原子またはハフニウム原子に変更した化合物も遷移金属化合物の例として挙げられる。
上記それぞれの化合物におけるRX3およびRX7に相当する基を水素原子、メチル基に変更した化合物も遷移金属化合物の例として挙げられる。
上記それぞれの化合物の硫黄原子を架橋するシクロオクタン環をシクロへプタン環またはシクロヘキサン環で置換した化合物も遷移金属化合物の例として挙げられる。
式(1)で表される遷移金属化合物は、例えば、Journal of American Chemical Society, 2009, Volume 131,13566-13567に記載の方法により合成できる。具体的には一般式(2)で表される化合物および一般式(3)で表される化合物を出発原料として下記scheme1の方法により式(1)で表される遷移金属化合物を製造できる。

Figure 2012236994
Scheme1
化合物(3)中のMおよびXは、一般式(1)におけるMおよびXと同じである。M としては、例えば、Ti(CHPh),TiCl(CHPh),Ti(CHSiMe),TiF,Ti Cl,TiBr,TiI,Ti(OMe),Ti(OEt),Ti(O−i−Pr),TiCl(O−i−Pr),Ti(O−n−Bu),Ti(O−i−Bu),Ti(O−t−Bu),Ti(OPh),Ti(NMe),TiCl(NMe),Ti(NEt),Zr(CHPh),ZrCl(CHPh),Zr(CHSiMe),ZrF,Zr Cl,ZrBr,ZrI,Zr(OMe),Zr(OEt),Zr(O−i−Pr),ZrCl(O−i−Pr),Zr(O−n−Bu),Zr(O−i−Bu),Zr(O−t−Bu),Zr(OPh),Zr(NMe),ZrCl(NMe),Zr(NEt),Hf(CHPh),HfCl(CHPh),Hf(CHSiMe),HfF,Hf Cl,HfBr,HfI,Hf(OMe),Hf(OEt),Hf(O−i−Pr),HfCl(O−i−Pr),Hf(O−n−Bu),Hf(O−i−Bu),Hf(O−t−Bu),Hf(OPh),Hf(NMe),HfCl(NMe),Hf(NEt)が挙げられる。好ましくは、Ti(CHPh),TiCl(CHPh),Ti(CHSiMe),TiCl,TiBr,Ti(OMe),Ti(OEt),Ti(O−i−Pr),Ti(O−i−Bu),Ti(O−t−Bu),Ti(OPh),Ti(NMe),TiCl(NMe),Ti(NEt),Zr(CHPh),ZrCl(CHPh),Zr(CHSiMe),ZrCl,ZrBr,Zr(OMe),Zr(OEt),Zr(O−i−Pr),Zr(O−i−Bu),Zr(O−t−Bu),Zr(OPh),Zr(NMe),ZrCl(NMe),Zr(NEt),Hf(CHPh),HfCl(CHPh),Hf(CHSiMe),HfCl,HfBr,Hf(OMe),Hf(OEt),Hf(O−i−Pr),Hf(O−i−Bu),Hf(O−t−Bu),Hf(OPh),Hf(NMe),HfCl(NMe),Hf(NEt)である。
遷移金属化合物(1)は、化合物(2)と化合物(3)とをそのまま反応させて形成してもよく、化合物(2)を塩基と反応させた後に化合物(3)を反応させて形成してもよい。これらの反応は、通常溶媒中で行う。用いる塩基としては、例えば有機リチウム試薬、Grignard試薬、および金属水素化物が挙げられ、具体的にはn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラザン、カリウムヘキサメチルジシラザン、水素化ナトリウムまたは水素化カリウムを挙げることができ、好ましくは、n−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムヘキサメチルジシラザン、水素化ナトリウムまたは水素化カリウムである。
化合物(2)と塩基を反応させて得られる化合物、遷移金属化合物(1)および化合物(3)は、通常空気および湿気に対して不安定であるため、反応は脱水脱酸素下で行うことが好ましい。具体的には、乾燥窒素または乾燥アルゴン下である。
化合物(2)の使用量は、化合物(3)に対して1モル当量以上であればよく、好ましくは、1.0〜1.5モル当量である。また、反応の過程で化合物(2)が残存する場合は、反応の途中で化合物(3)を追加してもよい。
化合物(2)と化合物(3)とを反応させる温度は、通常−100℃〜150℃であり、好ましくは−80℃〜50℃である。
化合物(2)と化合物(3)との反応は、生成物の収率が最も高くなる時間まで行えばよく、好ましくは5分間〜48時間であり、より好ましくは10分間〜24時間である。
化合物(2)と塩基とを反応させる温度は、通常−100℃〜150℃であり、好ましくは−80℃〜50℃である。
化合物(2)と塩基とを反応させる時間は、生成物の収率が最も高くなる時間まで行えばよく、5分間〜24時間であり、好ましくは10分間〜12時間、より好ましくは30分間〜3時間である。
化合物(2)と塩基とを反応させて生じた化合物と、化合物(3)とを反応させる温度は、通常−100℃〜150℃であり、好ましくは−80℃〜50℃である。
化合物(2)と塩基とを反応させて生じた化合物と、化合物(3)とを反応させる時間は、生成物の収率が最も高くなる時間まで行えばよく、5分間〜48時間であり、好ましくは10分間〜24時間である。
用いる溶媒は、類似の反応で一般的に用いられる溶媒であれば特に制限されるものではなく、ハイドロカーボン溶媒またはエーテル系溶媒が挙げられる。好ましくは、トルエン、ベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン、ジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランであり、より好ましくは、ジエチルエーテル、トルエン、テトラヒドロフラン、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、またはシクロヘキサンである。
化合物(2)は、例えば、Journal of American Chemical Society, 2009, Volume 131,13566-13567に記載の方法に準じて合成することができる。具体的には下記scheme2に記載の方法より製造することができる。以下、Scheme2に記載の各工程について詳しく説明する。
Figure 2012236994
scheme 2
scheme 2における各化合物中のRX1〜RX8およびnは、式(1)のRX1〜RX8およびnと同じである。
X’はアニオン性脱離基を表し、例えばハロゲン原子、アセテート基、トリフルオロアセテート基、ベンゾエート基、CF3SO3基、CH3SO3基、4−MeC64SO3基またはPhSO3基などであり、好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CF3SO3基、CH3SO3基、4−MeC64SO3基またはPhSO3基である。
[step1]
化合物(4)に1.0〜4.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量の化合物(5)を塩基存在下で反応させ、化合物(6)を合成することができる。
塩基としては、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウムおよび炭酸水素ナトリウム等の無機塩基、ならびにトリエチルアミンおよびトリイソブチルアミン等のアミン塩基が挙げられ、好ましくはアミン塩基である。
本反応は、空気、ヘリウム、アルゴンまたは窒素雰囲気下で行うことができる。好ましくは、ヘリウム、アルゴンまたは窒素雰囲気下、より好ましくは、窒素またはアルゴン雰囲気下である。
反応終了後、化合物(6)を精製してもよい。精製方法としては、例えば、反応溶液に対して塩化アンモニウム水溶液、塩酸水溶液または塩化ナトリウム水溶液を加え、次に酢酸エチルまたはジエチルエーテルを加え、抽出操作を行い、過剰の塩基または塩を除去する方法が挙げられる。さらに蒸留、再結晶またはシリカゲルクロマトグラフィー等の精製操作により、化合物(6)の純度を高めることができる。
[step2]
化合物(6)に1.0〜4.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量の化合物(7)を塩基存在下で反応させ、化合物(2)を合成することができる。
塩基としては、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウムおよび炭酸水素ナトリウム等の無機塩基、ならびにトリエチルアミンおよびトリイソブチルアミン等のアミン塩基が挙げられ、好ましくはアミン塩基である。
本反応は、空気、ヘリウム、アルゴンまたは窒素雰囲気下で行うことができる。好ましくは、ヘリウム、アルゴンまたは窒素雰囲気下、より好ましくは、窒素またはアルゴン雰囲気下である。
反応終了後、化合物(2)を精製してもよい。精製方法としては、例えば、反応溶液に対して塩化アンモニウム水溶液、塩酸水溶液または塩化ナトリウム水溶液を加え、次に酢酸エチルまたはジエチルエーテルを加え、抽出操作を行い、過剰の塩基または塩を除去する方法が挙げられる。さらに蒸留、再結晶またはシリカゲルクロマトグラフィー等の精製操作により、化合物(2)の純度を高めることができる。
[step1]の反応条件を制御することで、反応器内で生成した化合物(6)と化合物(7)とを反応させ、化合物(2)を得ることもできる。
X1がRX5と同じであり、RX2がRX6と同じであり、RX3がRX7と同じであり、かつRX4がRX8と同じである場合、化合物(5)と化合物(7)を合わせて、化合物(4)に対して2.0〜8.0当量、好ましくは2.0〜4.0当量を塩基存在下で反応させることで、化合物(2)を合成することもできる。
式(2)で表される化合物の具体例としては下記の化合物が挙げられる。
Figure 2012236994


Figure 2012236994

Figure 2012236994

Figure 2012236994

Figure 2012236994

Figure 2012236994
上記化合物のRX3およびRX7に相当する基を水素原子、メチル基で置換した化合物も式(2)で表される化合物の例として挙げられる。
これらの化合物の硫黄原子間を架橋するシクロオクタン環をシクロへプタン環またはシクロヘキサン環で置換した化合物も式(2)で表される化合物の例として挙げられる。
化合物(5)および化合物(7)の具体例としては下記の化合物が挙げられる。

Figure 2012236994

Figure 2012236994


Figure 2012236994

Figure 2012236994
上記化合物のRX3またはRX7に相当する基を水素原子、メチル基で置換した化合物も式(2)で表される化合物の例として挙げるられる。
次に式(2)で表される遷移金属化合物を説明する。

Figure 2012236994

一般式(2)において、M、X、bはそれぞれ前記式(d)のM、X、bと同じである。Mとして好ましくは4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタニウム原子またはジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、特に好ましくはハフニウム原子である。
は水素原子以外に1〜30個の原子を含有するハイドロカルビル基を表し、具体的には例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、ドデシル基、アイコシル基などのアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などの炭素原子数が3〜30のシクロアルキル基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基などのアラルキル基、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ジイソプロピルフェニル基、トリイソプロピルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、ジ−tert―ブチルフェニル基、トリ―tert−ブチルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などのアリール基などが挙げられる。また、これらのハイドロカルビル基には、ハロハイドロカルビル基、具体的には炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基の少なくとも一つの水素をハロゲン原子に置換した基も含まれる。
は水素原子以外に1〜40個の原子を含有する二価の架橋基を表し、好ましくは水素以外に1〜20個の原子を含有する架橋基であり、より好ましくはメチレン基またはシリレン基の1つないし2つの水素原子を炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基で置換した基である。具体的には例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、ドデシル基などのアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などの炭素原子数が3〜20のシクロアルキル基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基などのアラルキル基、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ジイソプロピルフェニル基、トリイソプロピルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、ジ−tert−ブチルフェニル基、トリ−tert−ブチルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などのメチレン基またはシリレン基の1つないし2つの水素原子をアリール基で置換した基が挙げられる。これらのうち、メチレン基またはシリレン基の1つの水素原子を炭素原子数6〜20のアリール基で置換した基が好ましく、メチレン基またはシリレン基の1つの水素原子を置換フェニル基または縮合多環式アリール基で置換した基がより好ましい。
はルイス塩基性を有する炭素原子数5〜40の複素環式化合物残基を表し、ピリジン−2−イル基、ピリミジン−2−イル基、キノリン−2−イル基、イソキノリン−2−イル基、イミダゾール−2−イル基、フラン−2−イル基、1,4−ジオキシン−2−イル基、1,4−ジオキサン−2−イル基、ピラン−2−イル基、チオフェン−2−イル基などが挙げられ、好ましくはピリジン−2−イル基、または置換ピリジン−2−イル基、あるいはそれらの二価の誘導体である。
前記一般式(2)で表される遷移金属化合物としては、下記一般式(2a)で表される化合物が好ましい。
Figure 2012236994
一般式(2a)において、M、X、R、T、bはそれぞれ前記一般式(2)のM、X、R、T、bと同じである。Rとして好ましくは、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ジイソプロピルフェニル基、トリイソプロピルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、ジ−tert―ブチルフェニル基、トリ―tert−ブチルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などの炭素原子数6〜20のアリール基である。
〜Rは、水素原子、ハロゲン原子、シリル基、炭素原子数1〜20個のハイドロカルビル基、または該ハイドロカルビル基の水素原子がヘテロ原子含有基で置換された基を表し、好ましくは水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基である。
は、シリル基、炭素原子数1〜20個のハイドロカルビル基、または該ハイドロカルビル基の水素原子がヘテロ原子含有基で置換された基を表し、好ましくは炭素原子数6〜20のアリール基である。また、R〜Rの基は、隣接する基同士が互いに結合することによって、縮合環誘導体を形成してもよい。
さらに、前記一般式(2a)で表される遷移金属化合物としては、下記一般式(2b)で表される化合物がより好ましい。
Figure 2012236994
一般式(2b)において、M、X、R〜R、T、bはそれぞれ前記一般式(2a)のM、X、R〜R、T、bと同じである。Rとして好ましくは、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ジイソプロピルフェニル基、トリイソプロピルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、ジ−tert―ブチルフェニル基、トリ―tert−ブチルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などの炭素原子数6〜20のアリール基である。
2価の架橋基Tとして好ましくは、−CR−、−SiR−であり、さらに好ましくは−CR−である。
およびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭素原子数1〜20のアルキル基もしくはアリール基であり、好ましくは、RおよびRの一方が水素原子であり、かつ他方が炭素原子数6〜20のアリール基である。
aは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜4のアルキル基であり、好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基であり、dは1〜5である。
によって置換されたアリール基として好ましくは、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリエチルフェニル基、2,4,6−トリイソプロピルフェニル基、2,4,6−トリt−ブチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジt−ブチルフェニル基である。
さらに、前記一般式(2b)で表される遷移金属化合物としては、下記一般式(2c)で表される化合物がより好ましい。

Figure 2012236994
一般式(2c)において、Xは前記一般式(2b)のXと同である。Xは好ましくは、ハロゲン原子、N,N−ジメチルアミド基もしくは炭素原子数1〜4のアルキル基であり、さらに好ましくはメチル基である。
およびRは、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基もしくは炭素原子数6〜20のアリール基であり、場合によっては2つの隣接するR同士およびR同士が結合して縮合環誘導体を形成していてもよく、かつeは1〜4、fは1〜5である。
によって置換されたフェニレン基として好ましくは、5−メチルフェニレン基、5−エチルフェニレン基、5−イソプロピルフェニレン基、5−シクロヘキシルフェニレン基であり、またRによって形成された縮合環誘導体として好ましくは、ナフタレニル基、アントリル基、フェナントリル基である。
によって置換されたフェニル基として好ましくは、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリエチルフェニル基、2,4,6−トリイソプロピルフェニル基、2,4,6−トリシクロヘキシルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジシクロヘキシルフェニル基、2−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、2−シクロヘキシルフェニル基であり、またRによって形成された縮合環誘導体として好ましくは、ナフタレニル基、アントリル基、フェナントリル基である。
さらに、前記一般式(2c)で表される遷移金属化合物としては、下記一般式(2d)、(2e)で表される化合物がより好ましい。

Figure 2012236994
一般式(2d)、(2e)において、Xは前記一般式(2c)のXと同じである。Xは、好ましくは、ハロゲン原子、N,N−ジメチルアミド基もしくは炭素原子数1〜4のアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
は炭素原子数1〜6のアルキル基もしくはシクロアルキル基であり、好ましくは、メチル基、イソプロピル基、t−ブチル基もしくはシクロヘキシル基である。
以下に、一般式(2)で表される遷移金属化合物(d)の具体的構造を示す。

Figure 2012236994


Figure 2012236994


Figure 2012236994


Figure 2012236994
前記化合物のハフニウム原子をジルコニウム原子またはチタニウム原子に変更した化合物、前記化合物のクロライドをブロマイド、アイオダイド、ハイドライド、メチル、ベンジル、メトキシド、イソプロポキシド、n−ブトキシド、フェノキシド、ベンジロキシド、ジメチルアミドまたはジエチルアミドに変更した化合物も一般式(2)で表される遷移金属化合物(d)の例として挙げられる。
前記一般式(2)で表される遷移金属化合物(d)は、米国特許出願公開第2004/0220050号明細書に記載の方法により製造することができる。
次に一般式(3)で表される遷移金属化合物(d)を説明する。
Figure 2012236994
一般式(3)において、M、X、a、bはそれぞれ前記一般式(d)のM、X、a、bと同じである。Mとして、好ましくは元素周期律表の4族または5族の遷移金属原子であり、より好ましくは4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタニウム原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子であり、特に好ましくはジルコニウム原子およびハフニウム原子である。
Gは酸素原子、硫黄原子、セレン原子または置換基Rを有する窒素含有基(−NR−)であり、好ましくは、酸素原子および硫黄原子であり、さらに好ましくは酸素原子である。また、aが2以上の場合、G同士は互いに同一でも異なっていてもよい。
は窒素原子または置換基Rを有する炭素含有基(−CR=)であり、好ましくは、炭素含有基である。また、aが2以上の場合、T同士は互いに同一でも異なっていてもよい。
〜R11、Gに含まれるR、Tに含まれるRは、前記一般式(d)中のXの例と同じ例が挙げられる。R〜R11、R、Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、aが2以上の場合、R同士、R10同士、R11同士、R同士、R同士は互いに同一でも異なっていてもよい。また、R10、R11、R、Rは、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、aが2以上の場合、R〜R11、R、Rのうちの1個の基と、他の配位子に含まれるR〜R11、R、Rのうちの1個の基とが連結されていてもよい。
〜R11、R、Rとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素含有基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、複素環式化合物残基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基などのハイドロカルビル基、およびこれらのハイドロカルビル基中の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子に置換された、ハロハイドロカルビル基およびパーハロカルビル基、およびトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などのハイドロカルビル置換シリル基である。
前記一般式(3)で表される遷移金属化合物としては、下記一般式(3a)で表される化合物が好ましく用いられる。
Figure 2012236994
一般式(3a)において、M、X、T、Rはそれぞれ前記一般式(3)のM、X、T、Rと同じである。Mとして好ましくは、元素周期律表の4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタニウム原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子であり、特に好ましくはジルコニウム原子およびハフニウム原子である。
Xとして好ましくは、ハロゲン原子、メチル基、ネオペンチル基、ベンジル基、トリアルキルシリルメチル基、アルコキソ基、アリーロキソ基、N,N−ジアルキルアミド基である。
12〜R15は、前記一般式(d)中のXの例と同じ例が挙げられる。R、R12〜R15、Tに含まれるRは、互いに同一でも異なっていてもよく、R同士、R12同士、R13同士、R14同士、R15同士、R同士は互いに同一でも異なっていてもよい。また、R12〜R15、Rは、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、R、R12〜R15、Rのうちの1個の基と、他の配位子に含まれるR、R12〜R15、Rのうちの1個の基とが連結されていてもよい。
、R12〜R15、Rとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素含有基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、複素環式化合物残基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基などのハイドロカルビル基、およびこれらのハイドロカルビル基中の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子に置換された、ハロハイドロカルビル基およびパーハロカルビル基、ならびにトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などのハイドロカルビル置換シリル基である。
前記一般式(3)で表される遷移金属化合物としては、下記一般式(3b)で表される化合物が好ましく用いられる。

Figure 2012236994
一般式(3b)において、M、X、Tはそれぞれ前記一般式(3)のM、X、Tと同じである。Mとして好ましくは、元素周期律表の4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタニウム原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子であり、特に好ましくはジルコニウム原子およびハフニウム原子である。
Xとして好ましくは、ハロゲン原子、メチル基、ネオペンチル基、ベンジル基、トリアルキルシリルメチル基、アルコキソ基、アリーロキソ基、N,N−ジアルキルアミド基である。
は前記一般式(3a)のR同士が互いに連結した2価の架橋基を表し、Tは、−CR −、−SiR −、−NR−、−PR−、−P(O)R−、ーO−、−S−、−S(O)−または−SO−を表し、好ましくは−CR −、−SiR −、さらに好ましくは−CR −である。Tがヘテロ原子を含む場合は、Tのヘテロ原子がMに直接配位結合していてもよい。gは、1〜7の整数であり、好ましくは2〜5である。また、gが2以上の場合、T同士は互いに同一でも異なっていてもよい。
12〜R15は、前記一般式(3a)のR12〜R15と同じである。R12〜R15、Tに含まれるR、Tに含まれるRは互いに同一でも異なっていてもよく、R12同士、R13同士、R14同士、R15同士、R同士は互いに同一でも異なっていてもよく、Rが複数の場合、R同士は互いに同一でも異なっていてもよい。また、R12〜R15、R、Rは、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、Rが複数の場合、2個以上のR同士が互いに連結して環を形成していてもよい。
12〜R15、R、Rとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素含有基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、複素環式化合物残基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基などのハイドロカルビル基、およびこれらのハイドロカルビル基中の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子に置換された、ハロハイドロカルビル基およびパーハロカルビル基、ならびにトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などのハイドロカルビル置換シリル基である。
以下に、一般式(3)で表される遷移金属化合物(d)の具体的構造の例を示すが、これらに限定されるものではない。

Figure 2012236994


Figure 2012236994


Figure 2012236994
前記化合物のジルコニウム原子をハフニウム原子またはチタニウム原子に変更した化合物、前記化合物のクロライドをブロマイド、アイオダイド、ハイドライド、メチル、ベンジル、メトキシド、イソプロポキシド、n−ブトキシド、フェノキシド、ベンジロキシド、ジメチルアミドまたはジエチルアミドに変更した化合物も同様に挙げられる。
前記一般式(3)で表される遷移金属化合物(d)は、、「J.Am.Chem.Soc.」 Vol.123、6847(2001)に記載の方法により製造することができる。
式(4)で表される遷移金属化合物(d)を説明する。
Figure 2012236994
一般式(4)において、M、X、G、R10、R11、a、bはそれぞれ前記一般式(3)のM、X、G、R10、R11、a、bと同じである。Mとして、好ましくは元素周期律表の4族または5族の遷移金属原子であり、より好ましくは4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタニウム原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子であり、特に好ましくはジルコニウム原子およびハフニウム原子である。
は、−CR −、−C −、−SiR −、−NR−、−PR−、−P(O)R−、−S−、−S(O)−または−SO−を表し、好ましくは−CR −、−C −、−SiR −、さらに好ましくは−CR −である。Tがヘテロ原子を含む場合は、Tのヘテロ原子がMに直接配位結合していてもよい。
10、R11、R16、Gに含まれるR、Tに含まれるRは、前記一般式(d)中のXの例と同じ例が挙げられる。R10、R11、R16、R、Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、R16同士は互いに同一でも異なっていてもよく、aが2以上の場合、R10同士、R11同士、R同士、R同士は互いに同一でも異なっていてもよい。また、R10、R11、R、Rは、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、aが2以上の場合、R10、R11、R16、R、Rのうちの1個の基と、他の配位子に含まれるR10、R11、R16、R、Rのうちの1個の基とが連結されていてもよい。
10、R11、R16、R、Rとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素含有基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、複素環式化合物残基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基などのハイドロカルビル基、およびこれらのハイドロカルビル基中の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子に置換された、ハロハイドロカルビル基およびパーハロカルビル基、ならびにトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などのハイドロカルビル置換シリル基である。
前記一般式(4)で表される遷移金属化合物としては、下記一般式(4a)で表される化合物が好ましく用いられる。

Figure 2012236994
一般式(4a)において、M、X、T、R16はそれぞれ前記一般式(4)のM、X、T、R16と同じである。Mとして好ましくは、元素周期律表の4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタニウム原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子であり、特に好ましくはジルコニウム原子およびハフニウム原子である。
Xとして好ましくは、ハロゲン原子、メチル基、ネオペンチル基、ベンジル基、トリアルキルシリルメチル基、アルコキソ基、アリーロキソ基、N,N−ジアルキルアミド基である。
12〜R15は、前記一般式(3a)のR12〜R15と同じである。R12〜R15、R16、Tに含まれるRは、互いに同一でも異なっていてもよく、R12同士、R13同士、R14同士、R15同士、R16同士、R同士は互いに同一でも異なっていてもよい。また、R12〜R15、Rは、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、R12〜R15、R16、Rのうちの1個の基と、他の配位子に含まれるR12〜R15、R16、Rのうちの1個の基とが連結されていてもよい。
12〜R15、R15、Rとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素含有基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、複素環式化合物残基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基などのハイドロカルビル基、およびこれらのハイドロカルビル基中の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子に置換された、ハロハイドロカルビル基およびパーハロカルビル基、ならびにトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などのハイドロカルビル置換シリル基である。
前記一般式(4)で表される遷移金属化合物としては、下記一般式(4b)で表される化合物が好ましく用いられる。

Figure 2012236994
一般式(4b)において、M、X、T、R16はそれぞれ前記一般式(4)と同様のものを表し、T、gは前記一般式(3b)と同様のものを表す。Mとして好ましくは、元素周期律表の4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタニウム原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子であり、特に好ましくはジルコニウム原子およびハフニウム原子である。
Xとして好ましくは、ハロゲン原子、メチル基、ネオペンチル基、ベンジル基、トリアルキルシリルメチル基、アルコキソ基、アリーロキソ基、N,N−ジアルキルアミド基である。
12〜R15は、前記一般式(4a)と同様のものを表す。R12〜R15、R16、Tに含まれるR、Tに含まれるRは互いに同一でも異なっていてもよく、R12同士、R13同士、R14同士、R15同士、R16同士、R同士、は互いに同一でも異なっていてもよく、Rが複数の場合、R同士は互いに同一でも異なっていてもよい。また、R12〜R15、R16、R、Rは、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、Rが複数の場合、2個以上のR同士が互いに連結して環を形成していてもよい。
12〜R15、R16、R、Rとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素含有基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、複素環式化合物残基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基などのハイドロカルビル基、およびこれらのハイドロカルビル基中の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子に置換された、ハロハイドロカルビル基およびパーハロカルビル基、ならびにトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などのハイドロカルビル置換シリル基である。
以下に、一般式(4)で表される遷移金属化合物(d)の具体的構造の例を示すが、これらに限定されるものではない。

Figure 2012236994

Figure 2012236994

Figure 2012236994
前記化合物のジルコニウム原子をハフニウム原子またはチタニウム原子に変更した化合物、前記化合物のクロライドをブロマイド、アイオダイド、ハイドライド、メチル、ベンジル、メトキシド、イソプロポキシド、n−ブトキシド、フェノキシド、ベンジロキシド、ジメチルアミドまたはジエチルアミドに変更した化合物も一般式(4)で表される遷移金属化合物(d)の例として挙げられる。
前記一般式(4)で表される遷移金属化合物(d)は、「Organometallics」、Vol.28、1391(2009)、「Macromolecules」、Vol.43、1689(2010)に記載の方法により製造することができる。
Figure 2012236994
一般式(5)において、M、X、R12〜R15はそれぞれ前記一般式(3)と同様のものを表し、T、gはそれぞれ前記一般式(3b)と同様のものを表す。Mとして好ましくは、元素周期律表の4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタニウム原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子であり、特に好ましくはジルコニウム原子およびハフニウム原子である。また、gが2以上の場合、T同士は互いに同一でも異なっていてもよい。
は、−CR −、−C −、−SiR −、−NR−、−PR−、−P(O)R−、−S−、−S(O)−または−SO−を表し、好ましくは−CR −、−C −、−SiR −、さらに好ましくは−C −である。Tがヘテロ原子を含む場合は、Tのヘテロ原子がMに直接配位結合していてもよい。また、T同士は互いに同一でも異なっていてもよい。
12〜R15は、前記一般式(3a)と同様のものを表す。R12〜R15、Tに含まれるR、Tに含まれるRは互いに同一でも異なっていてもよく、R12同士、R13同士、R14同士、R15同士、R同士は互いに同一でも異なっていてもよく、gが2以上の場合、R同士は互いに同一でも異なっていてもよい。また、R12〜R15、R、R、は、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、gが2以上の場合、2個以上のR同士が互いに連結して環を形成していてもよい。
12〜R15、R、Rとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素含有基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、複素環式化合物残基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基などのハイドロカルビル基、およびこれらのハイドロカルビル基中の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子に置換された、ハロハイドロカルビル基およびパーハロカルビル基、ならびにトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などのハイドロカルビル置換シリル基、ならびにピロリジル基、ピロリル基、ピペリジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、インドリル基、カルバゾリル基などの2〜30、好ましくは2〜20の複素環式化合物残基、およびこれらの複素環式化合物残基中の水素原子の一部もしくは全てがハイドロカルビル基に置換された基である。
前記一般式(5)で表される遷移金属化合物としては、下記一般式(5a)で表される化合物が好ましく用いられる。

Figure 2012236994
一般式(5a)において、M、X、T、gはそれぞれ前記一般式(5)のM、X、T、gと同じである。Mとして好ましくは、元素周期律表の4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタニウム原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子であり、特に好ましくはジルコニウム原子およびハフニウム原子である。gが2以上の場合、T同士は互いに同一でも異なっていてもよい。
Xとして好ましくは、ハロゲン原子、メチル基、ネオペンチル基、ベンジル基、トリアルキルシリルメチル基、アルコキソ基、アリーロキソ基、N,N−ジアルキルアミド基である。
12〜R15は、前記一般式(5)のR12〜R15と同じであり、R17〜R20もまた、前記一般式(5)のR12〜R15と同じである。R12〜R15、R17〜R20、Tに含まれるRは互いに同一でも異なっていてもよく、R12同士、R13同士、R14同士、R15同士、R17同士、R18同士、R19同士、R20同士は互いに同一でも異なっていてもよく、gが2以上の場合、R同士は互いに同一でも異なっていてもよい。また、R12〜R15、R17〜R20、Rは、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、gが2以上の場合、2個以上のR同士が互いに連結して環を形成していてもよい。
12〜R15、R17〜R20、Rとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素含有基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、複素環式化合物残基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基などのハイドロカルビル基、およびこれらのハイドロカルビル基中の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子に置換された、ハロハイドロカルビル基およびパーハロカルビル基、ならびにトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などのハイドロカルビル置換シリル基、ならびにピロリジル基、ピロリル基、ピペリジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、インドリル基、カルバゾリル基などの2〜30、好ましくは2〜20の複素環式化合物残基、およびこれらの複素環式化合物残基中の水素原子の一部もしくは全てがハイドロカルビル基に置換された基である。
前記一般式(5a)で表される遷移金属化合物としては、下記一般式(5b)で表される化合物が好ましく用いられる。

Figure 2012236994
一般式(5b)において、M、X、T、gはそれぞれ前記一般式(5a)のM、X、T、gと同じである。Mとして好ましくは、元素周期律表の4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタニウム原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子であり、特に好ましくはジルコニウム原子およびハフニウム原子である。gが2以上の場合、T同士は互いに同一でも異なっていてもよい。
Xとして好ましくは、ハロゲン原子、メチル基、ネオペンチル基、ベンジル基、トリアルキルシリルメチル基、アルコキソ基、アリーロキソ基、N,N−ジアルキルアミド基である。
13、R15、R18は、前記一般式(5a)のR13、R15、R18と同じである。R13、R15、R18、Tに含まれるRは互いに同一でも異なっていてもよく、R13同士、R15同士、R18同士は互いに同一でも異なっていてもよく、gが2以上の場合、R同士は互いに同一でも異なっていてもよい。また、R13、R15、R18、Rは、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、gが2以上の場合、2個以上のR同士が互いに連結して環を形成していてもよい。
13、R15、R18、Rとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素含有基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、複素環式化合物残基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基などのハイドロカルビル基、およびこれらのハイドロカルビル基中の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子に置換された、ハロハイドロカルビル基およびパーハロカルビル基、ならびにトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などのハイドロカルビル置換シリル基、ならびにピロリジル基、ピロリル基、ピペリジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、インドリル基、カルバゾリル基などの2〜30、好ましくは2〜20の複素環式化合物残基、およびこれらの複素環式化合物残基中の水素原子の一部もしくは全てがハイドロカルビル基に置換された基である。
前記一般式(5b)で表される遷移金属化合物としては、下記一般式(5c)で表される化合物が好ましく用いられる。

Figure 2012236994
一般式(5c)において、Xはそれぞれ前記一般式(5b)のXと同じである。Xとして好ましくは、ハロゲン原子、メチル基、ネオペンチル基、ベンジル基、トリアルキルシリルメチル基、アルコキソ基、アリーロキソ基、N,N−ジアルキルアミド基である。
21は、前記一般式(d)中のXの例と同じ例が挙げられる。R21は互いに同一でも異なっていてもよく、また、R21同士が互いに連結して環を形成していてもよい。
21として好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素含有基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、複素環式化合物残基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基などのハイドロカルビル基、およびこれらのハイドロカルビル基中の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子に置換された、ハロハイドロカルビル基およびパーハロカルビル基、ならびにトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などのハイドロカルビル置換シリル基である。
以下に、一般式(5)で表される遷移金属化合物(d)の具体的構造の例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2012236994

Figure 2012236994

Figure 2012236994
前記化合物のハフニウム原子をジルコニウム原子またはチタニウム原子に変更した化合物、前記化合物のクロライドをブロマイド、アイオダイド、ハイドライド、メチル、ベンジル、メトキシド、イソプロポキシド、n−ブトキシド、フェノキシド、ベンジロキシド、ジメチルアミドまたはジエチルアミドに変更した化合物も同様に挙げられる。
前記一般式(5)で表される遷移金属化合物(d)は、米国特許第7,241,714号明細書に記載の方法により製造することができる。
一般式(6)で表される遷移金属化合物(d)を説明する。
Figure 2012236994
一般式(6)において、M、Xはそれぞれ前記一般式(d)のM、Xと同じである。R22は前記一般式(d)中のXの例と同じ例が挙げられる。
Mとして好ましくは、元素周期律表の4族または5族の遷移金属原子であり、より好ましくは4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタニウム原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子であり、特に好ましくはチタニウム原子およびジルコニウム原子である。
Xとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基、リン含有基、ハイドロカルビル基、またはケイ素含有基であり、これらの基は水素以外の20個までの原子を含有する基であり、該ハイドロカルビル基の水素原子の一部もしくは全てが、ハロゲン原子、酸素含有基、窒素含有基のいずれか、もしくは複数によって置換されていてもよい。
bは1〜4の整数である。またbが2以上の場合、X同士は互いに同一でも異なっていてもよく、2つ以上のX同士が互いに連結して環を形成していてもよい。
22として好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基、リン含有基、ハイドロカルビル基、またはケイ素含有基であり、これらの基は水素以外の20個までの原子を含有する基であり、該ハイドロカルビル基の水素原子の一部もしくは全てが、ハロゲン原子、酸素含有基、窒素含有基のいずれか、もしくは複数によって置換されていてもよい。また、R22はそれぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、隣接する2つのR22同士が互いに連結して環を形成していてもよい。さらに、R22はXと互いに連結して環を形成していてもよい。
シクロペンタジエニル環上の置換基R22同士の結合により形成される縮合環は、芳香族環、脂肪族環または複素環などいかなる環を含んでもよいが、好ましくは、インデニル環、フルオレニル環、アズレニル環などであり、それらの環上の水素原子の一部もしくは全てが、さらにR22によって置換されていてもよい。
前記一般式(6)で表される遷移金属化合物としては、下記一般式(6a)で表される化合物が好ましく用いられる。
Figure 2012236994
一般式(6a)において、M、X、R22はそれぞれ前記一般式(6)のM、X、R22と同じである。
Mとして好ましくは、元素周期律表第4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタニウム原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子であり、特に好ましくはチタニウム原子およびジルコニウム原子である。
Xとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、酸素含有基、窒素含有基、ハイドロカルビル基、またはケイ素含有基であり、これらの基は水素以外の20個までの原子を含有する基であり、該ハイドロカルビル基の水素原子の一部もしくは全てが、ハロゲン原子、酸素含有基、窒素含有基のいずれか、もしくは複数によって置換されていてもよい。
bは1〜2の整数である。またbが2の場合、X同士は互いに同一でも異なっていてもよく、2つ以上のX同士が互いに連結して環を形成していてもよい。
Qは、MとTとを連結する2価の架橋基であり、−O−、−S−、−NR−、−PR−、下記式(i)〜(iv)で表される基を表す。また、Qに含まれる原子のうちMと結合を形成する原子は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子である。なかでも好ましくは、−NR−および下記式(i)で表される基である。

Figure 2012236994
Qに含まれるR、Rは前記一般式(d)中のXの例と同じ例が挙げられる。Rとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、ハイドロカルビル基、またはケイ素含有基であり、これらの基は水素以外の20個までの原子を含有する基であり、該ハイドロカルビル基の水素原子の一部もしくは全てが、ハロゲン原子によって置換されていてもよく、より好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ノルボルニル基、ベンジル基、フェニル基などの炭素原子数1〜10のハイドロカルビル基である。
として好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、酸素含有基、窒素含有基、ハイドロカルビル基、またはケイ素含有基であり、これらの基は水素以外の20個までの原子を含有する基であり、該ハイドロカルビル基の水素原子の一部もしくは全てが、ハロゲン原子、酸素含有基、窒素含有基のいずれか、もしくは複数によって置換されていてもよい。また、Rはそれぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、隣接する2つのR同士が互いに連結して環を形成していてもよい。
は、Qとシクロペンタジエニル基とを連結する2価の架橋基であり、−SiR −、−CR −、−SiR SiR −、−CR CR −、−CR=CR−、−CR SiR −が挙げられる。なかでも好ましくは、−SiR −、−CR −、−CR CR −である。
に含まれるRは、前記一般式(d)中のXの例と同じ例が挙げられる。Rとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、ハイドロカルビル基、またはケイ素含有基であり、これらの基は水素以外の20個までの原子を含有する基であり、該ハイドロカルビル基の水素原子の一部もしくは全てが、ハロゲン原子によって置換されていてもよく、より好ましくは、水素原子もしくは炭素原子数1〜10のハイドロカルビル基である。また、Rが複数の場合は、R同士が互いに同一でも異なっていてもよく、2つ以上のR同士が互いに連結して環を形成していてもよい。
前記一般式(6a)で表される化合物の例を以下に挙げる。
メチレン(tert−ブチルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、メチレン(シクロヘキシルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、メチレン(フェニルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、メチレン(ベンジルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、メチレン(tert−ブチルフォスファイド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、メチレン(シクロヘキシルフォスファイド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、メチレン(フェニルフォスファイド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、メチレン(ベンジルフォスファイド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、
イソプロピリデン(tert−ブチルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロヘキシルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(フェニルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(ベンジルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(tert−ブチルフォスファイド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロヘキシルフォスファイド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(フェニルフォスファイド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(ベンジルフォスファイド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、
ジフェニルメチレン(tert−ブチルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロヘキシルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(フェニルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(ベンジルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(tert−ブチルフォスファイド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロヘキシルフォスファイド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(フェニルフォスファイド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(ベンジルフォスファイド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、
1,2−エチレン(tert−ブチルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、1,2−エチレン(シクロヘキシルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、1,2−エチレン(フェニルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、1,2−エチレン(ベンジルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、1,2−エチレン(tert−ブチルフォスファイド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、1,2−エチレン(シクロヘキシルフォスファイド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、1,2−エチレン(フェニルフォスファイド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、1,2−エチレン(ベンジルフォスファイド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、
ジメチルシリレン(tert−ブチルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロヘキシルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(フェニルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(ベンジルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルフォスファイド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロヘキシルフォスファイド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(フェニルフォスファイド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(ベンジルフォスファイド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、
ジフェニルシリレン(tert−ブチルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシリレン(シクロヘキシルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシリレン(フェニルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシリレン(ベンジルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシリレン(tert−ブチルフォスファイド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシリレン(シクロヘキシルフォスファイド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシリレン(フェニルフォスファイド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシリレン(ベンジルフォスファイド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、
1,2−テトラメチルジシリレン(tert−ブチルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、1,2−テトラメチルジシリレン(シクロヘキシルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、1,2−テトラメチルジシリレン(フェニルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、1,2−テトラメチルジシリレン(ベンジルアミド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、1,2−テトラメチルジシリレン(tert−ブチルフォスファイド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、1,2−テトラメチルジシリレン(シクロヘキシルフォスファイド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、1,2−テトラメチルジシリレン(フェニルフォスファイド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、1,2−テトラメチルジシリレン(ベンジルフォスファイド)(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライドである。
前記化合物のチタニウム原子をジルコニウム原子またはハフニウム原子に変更した化合物、前記化合物のシクロペンタジエニルをメチルシクロペンタジエニル、n−ブチルシクロペンタジエニル、t−ブチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシクロペンタジエニル、インデニルまたはフルオレニルに変更した化合物、前記化合物のt−ブチルアミドを酸素原子または硫黄原子に変更した化合物、前記化合物のクロライドをブロマイド、アイオダイド、ハイドライド、メチル、フェニル、ベンジル、メトキシド、n−ブトキシド、イソプロポキシド、フェノキシド、ベンジロキシド、ジメチルアミドまたはジエチルアミドに変更した化合物も、一般式(6a)で表される化合物の例として挙げられる。
前記一般式(6a)で表される遷移金属化合物としては、下記一般式(6b)で表される化合物が好ましく用いられる。

Figure 2012236994
一般式(6b)において、M、X、T、R22はそれぞれ前記一般式(6a)におけるM、X、T、R22と同じである。
Mとして好ましくは、元素周期律表の4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタニウム原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子であり、特に好ましくはチタニウム原子である。
Xとして好ましくは、塩素原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、ジアルキルアミド基、アルキル基、アラルキル基であり、これらの基は水素以外の10個までの原子を含有する。
bは1〜2の整数である。またbが2の場合、X同士は互いに同一でも異なっていてもよく、2つ以上のX同士が互いに連結して環を形成していてもよい。
として好ましくは、−SiR −、−CR −、−CR CR −であり、より好ましくは、−SiR −、−CR −である。
として好ましくは、水素原子もしくは炭素原子数1〜10のハイドロカルビル基であり、さらに好ましくは、炭素原子数1〜6のアルキル基である。また、Rが複数の場合は、R同士が互いに同一でも異なっていてもよく、2つ以上のR同士が互いに連結して環を形成していてもよい。
12〜R15は、前記一般式(3a)中のXの例と同じ例が挙げられる。R12〜R15、R22、Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、R22同士は互いに同一でも異なっていてもよい。また、Rが複数の場合、R同士は互いに同一でも異なっていてもよい。また、R12〜R15、R22、Rは、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、R22同士は互いに連結して環を形成していてもよく、Rが複数の場合、R同士は互いに連結して環を形成していてもよい。
12〜R15として好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素含有基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、複素環式化合物残基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基などのハイドロカルビル基、およびこれらのハイドロカルビル基中の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子に置換された、ハロハイドロカルビル基およびパーハロカルビル基、およびトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などのハイドロカルビル置換シリル基である。
として好ましくは、水素原子もしくは炭素原子数1〜10のハイドロカルビル基であり、さらに好ましくは、炭素原子数1〜6のアルキル基である。
22として好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、酸素含有基、窒素含有基、ハイドロカルビル基、またはケイ素含有基であり、これらの基は水素以外の20個までの原子を含有する基であり、該ハイドロカルビル基の水素原子の一部もしくは全てが、ハロゲン原子、酸素含有基、窒素含有基のいずれか、もしくは複数によって置換されていてもよい。
シクロペンタジエニル環上の置換基R22同士の結合により形成される縮合環は、芳香族環、脂肪族環または複素環などいかなる環を含んでもよいが、好ましくは、インデニル環、フルオレニル環、アズレニル環などであり、それらの環上の水素原子の一部もしくは全てが、さらにR22によって置換されていてもよい。
前記一般式(6b)で表される化合物の例を以下に挙げる。
メチレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
メチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
メチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
メチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
メチレン(フルオレニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(フルオレニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(フルオレニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(フルオレニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
イソプロピリデン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
イソプロピリデン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
イソプロピリデン(フルオレニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(フルオレニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(フルオレニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(フルオレニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
ジフェニルメチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
ジフェニルメチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
ジフェニルメチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
ジフェニルメチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
ジフェニルメチレン(フルオレニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(フルオレニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(フルオレニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(フルオレニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライドが挙げられる。
前記化合物のチタニウム原子をジルコニウム原子またはハフニウム原子に変更した化合物、前記化合物のクロライドをブロマイド、アイオダイド、ハイドライド、メチル、フェニル、ベンジル、メトキシド、n−ブトキシド、イソプロポキシド、フェノキシド、ベンジロキシド、ジメチルアミドまたはジエチルアミドに変更した化合物、前記化合物の(シクロペンタジエニル)を(ジメチルシクロペンタジエニル)、(トリメチルシクロペンタジエニル)、(n−ブチルシクロペンタジエニル)、(tert−ブチルジメチルシリルシクロペンタジエニル)または(インデニル)に変更した化合物、前記化合物の3,5−ジメチル−2−フェノキシを2−フェノキシ、3−メチル−2−フェノキシ、3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ、3−フェニル−5−メチル−2−フェノキシ、3−tert−ブチルジメチルシリル−2−フェノキシ又は3−トリメチルシリル−2−フェノキシに変更した化合物、前記化合物のメチレンをジエチルメチレンに変更した化合物も、一般式(6a)で表される化合物の例として挙げられる。
ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
ジメチルシリレン(インデニル)(2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
ジメチルシリレン(フルオレニル)(2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(1−ナフトキシ−2−イル)チタニウムジクロライド
前記化合物の(シクロペンタジエニル)を(ジメチルシクロペンタジエニル)、(トリメチルシクロペンタジエニル)、(エチルシクロペンタジエニル)、(n−プロピルシクロペンタジエニル)、(イソプロピルシクロペンタジエニル)、(sec−ブチルシクロペンタジエニル)、(イソブチルシクロペンタジエニル)、(tert−ブチルジメチルシリルシクロペンタジエニル)、(フェニルシクロペンタジエニル)、(メチルインデニル)又は(フェニルインデニル)に変更した化合物、前記化合物の2−フェノキシを3−フェニル2−フェノキシ、3−トリメチルシリル−2−フェノキシ又は3−tert−ブチルジメチルシリル−2−フェノキシに変更した化合物、前記化合物のジメチルシリレンをジエチルシリレン、ジフェニルシリレン又はジメトキシシリレンに変更した化合物、前記化合物のチタニウム原子をジルコニウム原子またはハフニウム原子に変更した化合物、前記化合物のクロライドをブロマイド、アイオダイド、ハイドライド、メチル、フェニル、ベンジル、メトキシド、n−ブトキシド、イソプロポキシド、フェノキシド、ベンジロキシド、ジメチルアミドまたはジエチルアミドに変更した化合物も、一般式(6a)で表される化合物の例として挙げられる。
一般式(7)で表される遷移金属化合物(d)を説明する。
Figure 2012236994
一般式(7)において、M、X、R22はそれぞれ前記一般式(6)におけるM、X、R22と同じである。
Mとして好ましくは、元素周期律表第4族または第5族の遷移金属原子であり、より好ましくは第4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタニウム原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子であり、特に好ましくはジルコニウム原子およびハフニウム原子である。
Xとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基、リン含有基、ハイドロカルビル基、またはケイ素含有基であり、これらの基は水素以外の20個までの原子を含有する基であり、該ハイドロカルビル基の水素原子の一部もしくは全てが、ハロゲン原子、酸素含有基、窒素含有基のいずれか、もしくは複数によって置換されていてもよい。
bは1〜3の整数である。またbが2以上の場合、X同士は互いに同一でも異なっていてもよく、2つ以上のX同士が互いに連結して環を形成していてもよい。
22として好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、酸素含有基、窒素含有基、ハイドロカルビル基、またはケイ素含有基であり、これらの基は水素以外の20個までの原子を含有する基であり、該ハイドロカルビル基の水素原子の一部もしくは全てが、ハロゲン原子、酸素含有基、窒素含有基のいずれか、もしくは複数によって置換されていてもよい。また、R22はそれぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、隣接する2つのR22同士が互いに連結して環を形成していてもよい。さらに、一方のシクロペンタジエニル基上の置換基R22と、他方のシクロペンタジエニル基上の置換基R22とが互いに連結されていてもよい。
シクロペンタジエニル環上の置換基R22同士の結合により形成される縮合環は、芳香族環、脂肪族環または複素環などいかなる環を含んでもよいが、好ましくは、インデニル環、フルオレニル環、アズレニル環などであり、それらの環上の水素原子の一部もしくは全てが、さらにR22によって置換されていてもよい。
前記一般式(7)で表される化合物の例を以下に挙げる。
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(t−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(シクロペンタジエニル)(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(シクロペンタジエニル)(t−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(シクロペンタジエニル)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロライド、(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライドが挙げられる。
前記化合物のジルコニウム原子をチタニウム原子またはハフニウム原子に変更した化合物、前記化合物のシクロペンタジエニルをメチルシクロペンタジエニル、n−ブチルシクロペンタジエニル、t−ブチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシクロペンタジエニル、インデニルまたはフルオレニルに変更した化合物、前記化合物のクロライドをブロマイド、アイオダイド、ハイドライド、メチル、フェニル、ベンジル、メトキシド、n−ブトキシド、イソプロポキシド、フェノキシド、ベンジロキシド、ジメチルアミドまたはジエチルアミドに変更した化合物も、一般式(7)であらわされる化合物の例として挙げられる。
以下の一般式(7a)で表される化合物が、一般式(7)であらわされる化合物として好ましい。
Figure 2012236994
一般式(7a)において、M、X、R22はそれぞれ前記一般式(7)のM、X、R22と同じである。Tは、前記一般式(6a)のTと同じである。
Mとして好ましくは、元素周期律表第4族または第5族の遷移金属原子であり、より好ましくは第4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタニウム原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子であり、特に好ましくはジルコニウム原子およびハフニウム原子であり、さらに好ましくはジルコニウム原子である。
Xとして好ましくは、塩素原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、ジアルキルアミド基、アルキル基、アラルキル基であり、これらの基は水素以外の10個までの原子を含有する。
bは1〜2の整数である。またbが2の場合、X同士は互いに同一でも異なっていてもよく、2つ以上のX同士が互いに連結して環を形成していてもよい。
として好ましくは、−SiR −、−CR −、−SiR SiR −、−CR CR −、−CR=CR−、−CR SiR −であり、より好ましくは、−SiR −、−CR −、−CR CR −である。
として好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、ハイドロカルビル基、またはケイ素含有基であり、これらの基は水素以外の20個までの原子を含有する基であり、該ハイドロカルビル基の水素原子の一部もしくは全てが、ハロゲン原子によって置換されていてもよく、より好ましくは、水素原子もしくは炭素原子数1〜10のハイドロカルビル基である。また、Rが複数の場合は、R同士が互いに同一でも異なっていてもよく、2つ以上のR同士が互いに連結して環を形成していてもよい。
22として好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、酸素含有基、窒素含有基、ハイドロカルビル基、またはケイ素含有基であり、これらの基は水素以外の20個までの原子を含有する基であり、該ハイドロカルビル基の水素原子の一部もしくは全てが、ハロゲン原子、酸素含有基、窒素含有基のいずれか、もしくは複数によって置換されていてもよい。また、R22はそれぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、隣接する2つのR22同士が互いに連結して環を形成していてもよい。さらに、一方のシクロペンタジエニル基上の置換基R22と、他方のシクロペンタジエニル基上の置換基R22とが互いに連結されていてもよい。
シクロペンタジエニル環上の置換基R22同士の結合により形成される縮合環は、芳香族環、脂肪族環または複素環などいかなる環を含んでもよいが、好ましくは、インデニル環、フルオレニル環、アズレニル環などであり、それらの環上の水素原子の一部もしくは全てが、さらにR22によって置換されていてもよい。
前記一般式(7a)で表される化合物の例を以下に挙げる。
メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、1,2−エチレン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、1,2−テトラメチルジシリレン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
メチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、1,2−エチレン−ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、1,2−テトラメチルジシリレン−ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
メチレンビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデンビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレンビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、1,2−エチレン−ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリレンビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、1,2−テトラメチルジシリレン−ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
メチレンビス(tert−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデンビス(tert−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレンビス(tert−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、1,2−エチレン−ビス(tert−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(tert−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリレンビス(tert−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、1,2−テトラメチルジシリレン−ビス(tert−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
メチレンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、1,2−エチレン−ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリレンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、1,2−テトラメチルジシリレン−ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
メチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、1,2−エチレン−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、1,2−テトラメチルジシリレン−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、
メチレンビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデンビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレンビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、1,2−エチレン−ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリレンビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、1,2−テトラメチルジシリレン−ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
メチレンビス(アズレニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデンビス(アズレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレンビス(アズレニル)ジルコニウムジクロライド、1,2−エチレン−ビス(アズレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(アズレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリレンビス(アズレニル)ジルコニウムジクロライド、1,2−テトラメチルジシリレン−ビス(アズレニル)ジルコニウムジクロライド、
メチレンビス[2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデンビス[2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレンビス[2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]ジルコニウムジクロライド、1,2−エチレンビス[2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス[2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリレンビス[2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]ジルコニウムジクロライド、1,2−テトラメチルジシリレンビス[2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]ジルコニウムジクロライド、
メチレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、1,2−エチレン−(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、1,2−テトラメチルジシリレン−(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
メチレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロライド、1,2−エチレン−(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロライド、1,2−テトラメチルジシリレン−(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロライド、
メチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、1,2−エチレン−(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、1,2−テトラメチルジシリレン−(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
メチレン(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、1,2−エチレン−(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリレン(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、1,2−テトラメチルジシリレン−(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライドが挙げられる。
前記化合物のジルコニウム原子をハフニウム原子またはチタニウム原子に変更した化合物、前記化合物のシクロペンタジエニルをメチルシクロペンタジエニル、n−ブチルシクロペンタジエニル、t−ブチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシクロペンタジエニル、インデニルまたはフルオレニルに変更した化合物、前記化合物のクロライドをブロマイド、アイオダイド、ハイドライド、メチル、フェニル、ベンジル、メトキシド、n−ブトキシド、イソプロポキシド、フェノキシド、ベンジロキシド、ジメチルアミドまたはジエチルアミドに変更した化合物も、一般式(7a)で表される化合物の例として挙げられる。
前記一般式(6)または(7)で表される遷移金属化合物(d)は、特開平3−163088号公報、特開平3−188092号公報、特開平4−268307号公報、特開平6−206890号公報、特開平9−87313号公報に記載の方法により製造することができる。
一般式(8)で表される遷移金属化合物(d)を説明する。
Figure 2012236994
一般式(8)において、M、X、bはそれぞれ前記一般式(d)のM、X、bと同じである。Mとして、好ましくは元素周期律表の8族または9族の遷移金属原子であり、より好ましくは鉄原子およびコバルト原子であり、さらに好ましくは鉄原子である。
Zは窒素原子、リン原子、酸素原子、硫黄原子、置換基Rを有する窒素含有基(−NR−)または、置換基Rを有するリン含有基(−PR−)であり、好ましくは、窒素原子、酸素原子および硫黄原子であり、さらに好ましくは窒素原子である。
23〜R25、Zに含まれるRは、前記一般式(d)中のXの例と同じ例が挙げられる。R23〜R25、Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、R23同士、R24同士、R25同士は互いに同一でも異なっていてもよい。また、R23、R24、R25、Rから選ばれる2個以上の基が互いに連結して環を形成していてもよい。
以下に、一般式(8)で表される遷移金属化合物(d)の具体的構造の例を示す。

Figure 2012236994

Figure 2012236994

Figure 2012236994
前記化合物の鉄原子をルテニウム原子、オスミウム原子、コバルト原子に変更した化合物、前記化合物のクロライドをブロマイド、アイオダイド、ハイドライド、メチル、フェニル、ベンジル、メトキシド、n−ブトキシド、イソプロポキシド、フェノキシド、ベンジロキシド、ジメチルアミド、ジエチルアミド、スルホネート、ヘキサフルオロホスフェートに変更した化合物も、一般式(8)で表される化合物の例として挙げられる。
前記一般式(8)で表される遷移金属化合物(d)は、Small, B. L.; Brookhart, M.; Bennett, A. M. A. J. Am. Chem. Soc. 1998, 120, 4049-4050.に記載の方法により製造することができる。
一般式(9)で表される遷移金属化合物(d)を説明する。
Figure 2012236994
一般式(9)において、M、X、bはそれぞれ前記一般式(d)のM、X、bと同じである。Mとして、好ましくは元素周期律表の10族の遷移金属原子であり、より好ましくはニッケル原子、パラジウム原子であり、さらに好ましくはニッケル原子である。
26、R27は、前記一般式(d)中のXの例と同じ例が挙げられる。R26、R27は、互いに同一でも異なっていてもよい。また、R26、R27は、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
以下に、一般式(9)で表される遷移金属化合物(d)の具体的構造の例を示す。
Figure 2012236994

Figure 2012236994


Figure 2012236994
前記化合物のニッケル原子をパラジウム原子、白金原子に変更した化合物、前記化合物のクロライドをブロマイド、アイオダイド、ハイドライド、メチル、フェニル、ベンジル、メトキシド、n−ブトキシド、イソプロポキシド、フェノキシド、ベンジロキシド、ジメチルアミド、ジエチルアミド、スルホネート、ヘキサフルオロホスフェートに変更した化合物も、一般式(9)で表される化合物の例として挙げられる。
前記一般式(9)で表される遷移金属化合物(d)は、Ittel, S. D.; Johnson, L. K.; Brookhart, M. Chem. Rev. 2000, 100, 1169-1204.に記載の方法により製造することができる。
活性化剤(e)
本発明において用いられる活性化剤(e)としては、以下に挙げる有機アルミニウムオキシ化合物(e−1)、有機ホウ素化合物(e−2)、亜鉛助触媒成分(e−3)およびイオン交換性層状化合物(e−4)から選ばれる1種類以上の化合物が挙げられる。
有機アルミニウムオキシ化合物(e−1)
有機アルミニウムオキシ化合物(e−1)は、下記の(e−1−1)および(e−1−2)から選ばれる1種類以上の化合物が挙げられる。
(e−1−1):一般式 Re1{−Al(Re1)−O−}e1AlRe1 で表される鎖状アルミノキサン
(e−1−2):一般式{−Al(Re2)−O−}e2で表される環状アルミノキサン
e1およびRe2は炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基を表し、Re1同士およびRe2同士は同一でも異なっていてもよい。e1およびe2は2以上の整数を表す。
e1およびRe2として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数が1〜20、好ましくは1〜10の直鎖状または分岐状のアルキル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などの炭素原子数3〜20、好ましくは3〜10の環状アルキル基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基などの炭素原子数2〜20、好ましくは2〜10の直鎖状または分岐状のアルケニル基、エチニル基、プロパルギル基など炭素原子数2〜20、好ましくは2〜10の直鎖状または分岐状のアルキニル基などが挙げられ、より好ましくは、メチル基またはイソブチル基である。
有機アルミニウムオキシ化合物(e−1)は、例えば下記のような方法によって製造することができ、通常、ハイドロカルビル溶媒の溶液として得られる。
(1)吸着水を含有する化合物または結晶水を含有する塩類、例えば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などのハイドロカルビル懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して、吸着水または結晶水と有機アルミニウム化合物とを反応させる方法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラハイドロフランなどの溶媒中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に水、氷または水蒸気を反応させる方法。
(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの溶媒中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
なお該有機アルミニウムオキシ化合物(e−1)は、少量の有機アルミニウム成分を含有してもよい。また該有機アルミニウムオキシ化合物の溶液から、溶媒または未反応有機アルミニウム化合物を蒸留して除去した後、アルミノキサンを溶媒に再溶解またはアルミノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。
有機ホウ素化合物(e−2)
有機ホウ素化合物(e−2)は、下記の(e−2−1)、(e−2−2)、および(e−2−3)から選ばれる1種類以上の化合物が挙げられる。
(e−2−1):一般式 BRe3 で表されるボラン化合物
(e−2−2):一般式 Qe+BRe4 で表されるボレート化合物
(e−2−3):一般式 EBRe5 で表されるボレート化合物
e+は無機または有機のカチオンを表し、無機のカチオンとして好ましくは、リチウムカチオン、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン、銀カチオン、フェロセニウムカチオンおよび置換フェロセニウムカチオンなどがあげられ、有機のカチオンとして好ましくは、トリフェニルメチルカチオンが挙げられる。
はブレンステッド酸を表し、好ましくは、トリアルキル置換アンモニウム、N,N−ジアルキルアニリニウム、ジアルキルアンモニウム、トリアリールホスホニウムなどが挙げられる。
e3、Re4およびRe5は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基、炭素原子数1〜20のハロハイドロカルビル基、炭素原子数1〜20のハイドロカルビルシリル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基または炭素原子数2〜20のハイドロカルビルアミノ基を表し、好ましくは、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基または炭素原子数1〜20のハロハイドロカルビル基である。またRe3同士、Re4同士およびRe5同士は同一でも異なっていてもよい。
BRe4 およびBRe5 はボレートアニオンを表し、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,4−トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、フェニルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−トなどが挙げられる。
一般式 BRe3 で表されるボラン化合物(e−2−1)としては、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4−トリフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボラン、フェニルビス(ペンタフルオロフェニル)ボランなどが挙げられる。
一般式 Qe+BRe4 で表されるボレート化合物(e−2−2)としては、ナトリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、銀テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1,1’−ビス−トリメチルシリルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルメチルテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレートなどが挙げられる。
一般式 EBRe5 で表されるボレート化合物(e−2−3)としては、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(ノルマルブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(ノルマルブチル)アンモニウムテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N−ビス−トリメチルシリルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ビス−トリメチルシリルアニリニウムテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジイソプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(ビス−トリメチルシリルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。
前記のような有機ホウ素化合物(e−2)は、2種類以上組み合せて用いてもよく、また、前記有機アルミニウムオキシ化合物(e−1)と併用してもよい。
亜鉛助触媒成分(e−3)
亜鉛助触媒成分(e−3)としては、下記の化合物(e−3a)および化合物(e−3b)を接触させて得られる亜鉛助触媒成分(e−3−1)または下記の化合物(e−3a)〜(e−3c)を接触させて得られる亜鉛助触媒成分(e−3−2)を挙げることができる。
(e−3a):一般式 ZnRe6 で表される化合物
(e−3b):一般式 Re7 e3−1e1H で表される化合物
(e−3c):一般式 Re8 e4−1e2 で表される化合物
(上記化合物(e−3a)〜(e−3c)においてそれぞれ、Re6は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロカルビル基またはハロゲン化ヒドロカルビル基を表し、Re6同士は同一でも異なっていてもよい。Re7およびRe8はそれぞれ独立にヒドロカルビル基、ハロゲン化ヒドロカルビル基、電子求引性基または電子求引性基を含有する基を表し、Re7同士およびRe8同士は同一でも異なっていてもよい。Te1およびTe2はそれぞれ独立に周期律表第15族または第16族の原子を表し、e3はTe1の、e4はTe2の原子価を表す)
化合物(e−3a)の例としては、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジプロピル亜鉛、ジノルマルブチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ジノルマルヘキシル亜鉛、ジアリル亜鉛、ビス(シクロペンタジエニル)亜鉛等のジアルキル亜鉛、ジフェニル亜鉛、ジナフチル亜鉛、ビス(ペンタフルオロフェニル)亜鉛等のジアリール亜鉛、塩化メチル亜鉛、塩化エチル亜鉛、塩化プロピル亜鉛、塩化ノルマルブチル亜鉛、塩化イソブチル亜鉛、塩化ノルマルヘキシル亜鉛、臭化メチル亜鉛、臭化エチル亜鉛、臭化プロピル亜鉛、臭化ノルマルブチル亜鉛、臭化イソブチル亜鉛、臭化ノルマルヘキシル亜鉛、よう化メチル亜鉛、よう化エチル亜鉛、よう化プロピル亜鉛、よう化ノルマルブチル亜鉛、よう化イソブチル亜鉛、よう化ノルマルヘキシル亜鉛等のハロゲン化アルキル亜鉛、ふっ化亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、よう化亜鉛等が挙げられる。
化合物(e−3b)のアミン類としては、ジ(フルオロメチル)アミン、ジ(クロロメチル)アミン、ジ(ブロモメチル)アミン、ジ(ヨードメチル)アミン、ビス(ジフルオロメチル)アミン、ビス(ジクロロメチル)アミン、ビス(ジブロモメチル)アミン、ビス(ジヨードメチル)アミン、ビス(トリフルオロメチル)アミン、ビス(トリクロロメチル)アミン、ビス(トリブロモメチル)アミン、ビス(トリヨードメチル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリクロロエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリブロモエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリヨードエチル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタクロロプロピル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタブロモプロピル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタヨードプロピル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリブロモ−1−トリブロモメチルエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリヨード−1−トリヨードメチルエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリブロモメチル)−2,2,2−トリブロモエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリヨードメチル)−2,2,2−トリヨードエチル)アミン、ビス(2−フルオロフェニル)アミン、ビス(3−フルオロフェニル)アミン、ビス(4−フルオロフェニル)アミン、ビス(2−クロロフェニル)アミン、ビス(3−クロロフェニル)アミン、ビス(4−クロロフェニル)アミン、ビス(2−ブロモフェニル)アミン、ビス(3−ブロモフェニル)アミン、ビス(4−ブロモフェニル)アミン、ビス(2−ヨードフェニル)アミン、ビス(3−ヨードフェニル)アミン、ビス(4−ヨードフェニル)アミン、ビス(2,6−ジフルオロフェニル)アミン、ビス(3,5−ジフルオロフェニル)アミン、ビス(2,6−ジクロロフェニル)アミン、ビス(3,5−ジクロロフェニル)アミン、ビス(2,6−ジブロモフェニル)アミン、ビス(3,5−ジブロモフェニル)アミン、ビス(2,6−ジヨードフェニル)アミン、ビス(3,5−ジヨードフェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリヨードフェニル)アミン、ビス(ペンタフルオロフェニル)アミン、ビス(ペンタクロロフェニル)アミン、ビス(ペンタブロモフェニル)アミン、ビス(ペンタヨードフェニル)アミン、ビス(2−(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(4−(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(2,6−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリ(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(2−シアノフェニル)アミン、(3−シアノフェニル)アミン、ビス(4−シアノフェニル)アミン、ビス(2−ニトロフェニル)アミン、ビス(3−ニトロフェニル)アミン、ビス(4−ニトロフェニル)アミン等が挙げられる。また、前記化合物中の窒素原子がリン原子に置換されたホスフィン化合物も、化合物(e−3b)の例として挙げられる。それらホスフィン化合物は、上述の具体例のアミンをホスフィンに書き換えることによって表される化合物等である。
化合物(e−3b)のアルコール類の例としては、フルオロメタノール、クロロメタノール、ブロモメタノール、ヨードメタノール、ジフルオロメタノール、ジクロロメタノール、ジブロモメタノール、ジヨードメタノール、トリフルオロメタノール、トリクロロメタノール、トリブロモメタノール、トリヨードメタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,2−トリクロロエタノール、2,2,2−トリブロモエタノール、2,2,2−トリヨードエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール、2,2,3,3,3−ペンタクロロプロパノール、2,2,3,3,3−ペンタブロモプロパノール、2,2,3,3,3−ペンタヨードプロパノール、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエタノール、2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエタノール、2,2,2−トリブロモ−1−トリブロモメチルエタノール、2,2,2−トリヨード−1−トリヨードメチルエタノール、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエタノール、1,1−ビス(トリブロモメチル)−2,2,2−トリブロモエタノール、1,1−ビス(トリヨードメチル)−2,2,2−トリヨードエタノール等が挙げられる。また、上記化合物中の酸素原子が硫黄原子に置換されたチオール化合物も、化合物(e−3b)の例として挙げられる。それらチオール化合物は、上述の具体例のメタノールをメタンチオールに、エタノールをエタンチオールに、プロパノールをプロパンチオールに書き換えることによって表される化合物等である。
化合物(e−3b)のフェノール類の例としては、2−フルオロフェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェノール、2−クロロフェノール、3−クロロフェノール、4−クロロフェノール、2−ブロモフェノール、3−ブロモフェノール、4−ブロモフェノール、2−ヨードフェノール、3−ヨードフェノール、4−ヨードフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、3,5−ジフルオロフェノール、2,6−ジクロロフェノール、3,5−ジクロロフェノール、2,6−ジブロモフェノール、3,5−ジブロモフェノール、2,6−ジヨードフェノール、3,5−ジヨードフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、2,4,6−トリクロロフェノール、2,4,6−トリブロモフェノール、2,4,6−トリヨードフェノール、ペンタフルオロフェノール、ペンタクロロフェノール、ペンタブロモフェノール、ペンタヨードフェノール、2−(トリフルオロメチル)フェノール、3−(トリフルオロメチル)フェノール、4−(トリフルオロメチル)フェノール、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェノール、2−シアノフェノール、3−シアノフェノール、4−シアノフェノール、2−ニトロフェノール、3−ニトロフェノール、4−ニトロフェノール等が挙げられる。また、上記化合物中の酸素原子が硫黄原子に置換されたチオフェノール化合物も、化合物(e−3b)の例として挙げられる。それらチオフェノール化合物は、上述の具体例のフェノールをチオフェノールに書き換えることによって表される化合物等である。
化合物(e−3b)のカルボン酸類の例としては、2−フルオロ安息香酸、3−フルオロ安息香酸、4−フルオロ安息香酸、2,3−ジフルオロ安息香酸、2,4−ジフルオロ安息香酸、2,5−ジフルオロ安息香酸、2,6−ジフルオロ安息香酸、2,3,4−トリフルオロ安息香酸、2,3,5−トリフルオロ安息香酸、2,3,6−トリフルオロ安息香酸、2,4,5−トリフルオロ安息香酸、2,4,6−トリフルオロ安息香酸、2,3,4,5−テトラフルオロ安息香酸、2,3,4,6−テトラフルオロ安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、フルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ペンタフルオロプロパノイック酸、ヘプタフルオロブタノイック酸、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノイック酸等が挙げられる。
化合物(e−3b)のスルホン酸類の例としては、フルオロメタンスルホン酸、ジフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタンスルホン酸等が挙げられる。
化合物(e−3b)として好ましくは、アミン類としては、ビス(トリフルオロメチル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、またはビス(ペンタフルオロフェニル)アミンであり、アルコール類としては、トリフルオロメタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエタノール、または1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノールであり、フェノール類としては、2−フルオロフェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、3,5−ジフルオロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール、2−(トリフルオロメチル)フェノール、3−(トリフルオロメチル)フェノール、4−(トリフルオロメチル)フェノール、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、または2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェノールであり、カルボン酸類としては、ペンタフルオロ安息香酸、またはトリフルオロ酢酸、スルホン酸類としては、トリフルオロメタンスルホン酸である。
化合物(e−3a)および(e−3b)を接触させる際の化合物(e−3a)および(e−3b)の使用量は、化合物(e−3a)1モルに対して、好ましくは、化合物(e−3b)が0モルより大きく100モル以下であり、より好ましくは、化合物(e−3b)が0モルより大きく20モル以下であり、更に好ましくは、化合物(e−3b)が0モルより大きく10モル以下であり、特に好ましくは、化合物(e−3b)が0モルより大きく5モル以下であり、最も好ましくは、化合物(e−3b)が0モルより大きく4モル以下である。
亜鉛助触媒成分(e−3−1)の製造方法の具体例を、化合物(e−3a)がジエチル亜鉛であり、化合物(e−3b)がハロゲン化アルコールである場合についてさらに詳細に以下に示す。
トルエン溶媒に、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液を加え、0℃に冷却し、そこへジエチル亜鉛に対して2モル〜4モル量のハロゲン化アルコールを滴下した後に、90℃〜120℃で10分間〜24時間攪拌する。減圧下、揮発性物質を留去した後に、残渣を室温で減圧下1〜20時間乾燥する。これによって成分(e−3−1)を製造できる。
化合物(e−3c)として好ましくは、水、硫化水素、アルキルアミン、アリールアミン、アラルキルアミン、ハロゲン化アルキルアミン、ハロゲン化アリールアミン、(ハロゲン化アルキル)アリールアミンであり、さらに好ましくは、水、硫化水素、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、イソブチルアミン、n−ペンチルアミン、ネオペンチルアミン、アミルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−エイコシルアミン、アリルアミン、シクロペンタジエニルアミン、アニリン、2−トリルアミン、3−トリルアミン、4−トリルアミン、2,3−キシリルアミン、2,4−キシリルアミン、2,5−キシリルアミン、2,6−キシリルアミン、3,4−キシリルアミン、3,5−キシリルアミン、2,3,4−トリメチルアニリン、2,3,5−トリメチルアニリン、2,3,6−トリメチルアニリン、2,4,6−トリメチルアニリン、3,4,5−トリメチルアニリン、2,3,4,5−テトラメチルアニリン、2,3,4,6−テトラメチルアニリン、2,3,5,6−テトラメチルアニリン、ペンタメチルアニリン、エチルアニリン、n−プロピルアニリン、イソプロピルアニリン、n−ブチルアニリン、sec−ブチルアニリン、tert−ブチルアニリン、n−ペンチルアニリン、ネオペンチルアニリン、n−ヘキシルアニリン、n−オクチルアニリン、n−デシルアニリン、n−ドデシルアニリン、n−テトラデシルアニリン、ナフチルアミン、アントラセニルアミン、
ベンジルアミン、(2−メチルフェニル)メチルアミン、(3−メチルフェニル)メチルアミン、(4−メチルフェニル)メチルアミン、(2,3−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,4−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,5−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,6−ジメチルフェニル)メチルアミン、(3,4−ジメチルフェニル)メチルアミン、(3,5−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチルアミン、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチルアミン、(ペンタメチルフェニル)メチルアミン、(エチルフェニル)メチルアミン、(n−プロピルフェニル)メチルアミン、(イソプロピルフェニル)メチルアミン、(n−ブチルフェニル)メチルアミン、(sec−ブチルフェニル)メチルアミン、(tert−ブチルフェニル)メチルアミン、(n−ペンチルフェニル)メチルアミン、(ネオペンチルフェニル)メチルアミン、(n−ヘキシルフェニル)メチルアミン、(n−オクチルフェニル)メチルアミン、(n−デシルフェニル)メチルアミン、(n−テトラデシルフェニル)メチルアミン、ナフチルメチルアミン、アントラセニルメチルアミン、フルオロメチルアミン、クロロメチルアミン、ブロモメチルアミン、ヨードメチルアミン、ジフルオロメチルアミン、ジクロロメチルアミン、ジブロモメチルアミン、ジヨードメチルアミン、トリフルオロメチルアミン、トリクロロメチルアミン、トリブロモメチルアミン、トリヨードメチルアミン、2,2,2−トリフルオロエチルアミン、2,2,2−トリクロロエチルアミン、2,2,2−トリブロモエチルアミン、2,2,2−トリヨードエチルアミン、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアミン、2,2,3,3,3−ペンタクロロプロピルアミン、2,2,3,3,3−ペンタブロモプロピルアミン、2,2,3,3,3−ペンタヨードプロピルアミン、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチルアミン、2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエチルアミン、2,2,2−トリブロモ−1−トリブロモメチルエチルアミン、2,2,2−トリヨード−1−トリヨードメチルエチルアミン、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチルアミン 、1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエチルアミン、1,1−ビス(トリブロモメチル)−2,2,2−トリブロモエチルアミン、1,1−ビス(トリヨードメチル)−2,2,2−トリヨードエチルアミン、
2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2−クロロアニリン、3−クロロアニリン、4−クロロアニリン、2−ブロモアニリン、3−ブロモアニリン、4−ブロモアニリン、2−ヨードアニリン、3−ヨードアニリン、4−ヨードアニリン、2,6−ジフルオロアニリン、3,5−ジフルオロアニリン、2,6−ジクロロアニリン、3,5−ジクロロアニリン、2,6−ジブロモアニリン、3,5−ジブロモアニリン、2,6−ジヨードアニリン、3,5−ジヨードアニリン、2,4,6−トリフルオロアニリン、2,4,6−トリクロロアニリン、2,4,6−トリブロモアニリン、2,4,6−トリヨードアニリン、ペンタフルオロアニリン、ペンタクロロアニリン、ペンタブロモアニリン、ペンタヨードアニリン、2−(トリフルオロメチル)アニリン、3−(トリフルオロメチル)アニリン、4−(トリフルオロメチル)アニリン、2,6−ジ(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ジ(トリフルオロメチル)アニリン、または2,4,6−トリ(トリフルオロメチル)アニリンである。
成分(e−3−2)は、化合物(e−3a)、(e−3b)および(e−3c)を接触させて得られる成分である。(e−3a)、(e−3b)および(e−3c)を接触させる順序としては特に限定されることはないが、例えば以下に挙げる順序を採用することが出来る。
(1)(e−3a)と(e−3b)を接触させた後に(e−3c)を接触させる方法。
(2)(e−3a)と(e−3c)を接触させた後に(e−3b)を接触させる方法。
(3)(e−3b)と(e−3c)を接触させた後に(e−3a)を接触させる方法。
接触順序として好ましくは(1)または(2)であり、より好ましくは(1)である。即ち成分(e−3−2)として好ましくは、(e−3a)と(e−3b)とを接触させて得られた接触物と(e−3c)とを接触させて得られる成分、または(e−3a)と(e−3c)とを接触させて得られた接触物と(e−3b)とを接触させて得られる化合物であり、より好ましくは(e−3a)と(e−3b)とを接触させて得られた接触物と(e−3c)とを接触させて得られる成分である。
各化合物の使用量は特に制限はないが、各化合物の使用量のモル比率を、(e−3a):(e−3b):(e−3c)=1:y:zとすると、yおよびzが下記式[e1]〜[e3]を満足することが好ましい。
|2−y−2z|≦1 [e1]
0<y<2 [e2]
0<z [e3]
上記式[e1]および[e2]におけるyとしてより好ましくは0.20〜1.80の数であり、特に好ましくは0.25〜1.50の数であり、最も好ましくは0.50〜1.00の数である。
イオン交換性層状珪酸塩(e−4)
本発明において、原料として使用するイオン交換性層状珪酸塩(以下、単に珪酸塩と略記する)は、イオン結合などによって構成される面が互いに結合力で平行に積み重なった結晶構造を有し、かつ、含有されるイオンが交換可能である珪酸塩化合物をいう。大部分の珪酸塩は、天然には主に粘土鉱物の主成分として産出されるため、イオン交換性層状珪酸塩以外の夾雑物(石英、クリストバライト等)が含まれることが多いが、それらを含んでもよい。珪酸塩の具体例としては、例えば、白水春雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1995年)に記載されている次のような層状珪酸塩が挙げられる。
すなわち、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト等のスメクタイト族、バーミキュライト等のバーミキュライト族、雲母、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母族、アタパルジャイト、セピオライト、パリゴルスカイト、ベントナイト、パイロフィライト、タルク、緑泥石群等である。
本発明で原料として使用する珪酸塩は、主成分の珪酸塩が2:1型構造を有する珪酸塩であることが好ましく、スメクタイト族であることが更に好ましく、モンモリロナイトが特に好ましい。層間カチオンの種類は、工業原料として比較的容易に且つ安価に入手し得る観点から、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属を層間カチオンの主成分とする珪酸塩が好ましい。
本発明で使用する珪酸塩は、特に処理を行うことなくそのまま用いることができるが、
化学処理を施すことが好ましい。ここで化学処理とは、表面に付着している不純物を除去する表面処理と粘土の構造に影響を与える処理のいずれをも用いることができる。本発明における化学処理としては、具体的には、次に述べるa)酸処理、b)塩類処理、c)アルカリ処理、d)有機物処理、等が挙げられる。
a)酸処理
酸処理は珪酸塩の表面の不純物を取り除くほか、結晶構造のAl、Fe、Mg、等の陽イオンの一部または全部を溶出させることができる。
酸処理で用いられる酸は、好ましくは塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、シュウ酸から選択される。処理に用いる酸は、2種以上であってもよい。酸により珪酸塩を処理する条件は、通常、酸濃度は、0.1〜50重量%、処理温度は室温〜沸点、処理時間は、5分〜24時間である。酸は、一般的には水溶液で用いられる。
b)塩類処理
本発明においては、塩類で処理される前の、珪酸塩の含有する交換可能な1族金属の陽イオンの40%以上、好ましくは60%以上を、下記に示す塩類より解離した陽イオンと、イオン交換することが好ましい。
このようなイオン交換を目的とした塩類処理で用いられる塩類は、1〜14族原子から成る群より選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオンと、ハロゲン原子、無機酸および有機酸から成る群より選ばれた少なくとも一種の陰イオンとから成る化合物であり、更に好ましくは、2〜14族原子から成る群より選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオンとCl、Br、I、F、PO、SO、NO、CO、C、ClO、OOCCH、CHCOCHCOCH、OCl、O(NO、O(ClO、O(SO)、OH、OCl、OCl、OOCH、OOCCHCH、CおよびCから成る群から選ばれる少なくとも一種の陰イオンとから成る化合物である。
具体的には、LiF、LiCl、LiBr、LiI、LiSO、Li(CHCOO)、LiCO、Li(C)、LiCHO、LiC、LiClO、LiPO、CaCl、CaSO、CaC、Ca(NO、Ca(C6H5O7)、MgCl、MgBr、MgSO、Mg(PO、Mg(ClO、MgC、Mg(NO、Mg(OOCCH、MgC等や、Ti(OOCCH、Ti(CO、Ti(NO、Ti(SO、TiF、TiCl、Zr(OOCCH、Zr(CO、Zr(NO、Zr(SO、ZrF、ZrCl、ZrOCl、ZrO(NO、ZrO(ClO、ZrO(SO)、HF(OOCCH、HF(CO、HF(NO、HF(SO、HFOCl、HFF、HFCl、V(CHCOCHCOCH、VOSO、VOCl、VCl、VCl、VBr等や、Cr(CHCOCHCOCH、Cr(OOCCHOH、Cr(NO、Cr(ClO、CrPO、Cr(SO、CrOCl、CrF、CrCl、CrBr、CrI、Mn(OOCCH、Mn(CHCOCHCOCH、MnCO、Mn(NO、MnO、Mn(ClO、MnF、MnCl、Fe(OOCCH、Fe(CHCOCHCOCH、FeCO、Fe(NO、Fe(ClO、FePO、FeSO、Fe(SO、FeF、FeCl、FeC等や、Co(OOCCH、Co(CHCOCHCOCH、CoCO、Co(NO、CoC、Co(ClO、Co(PO、CoSO、CoF、CoCl、NiCO、Ni(NO、NiC、Ni(ClO、NiSO、NiCl、NiBr等や、Zn(OOCCH、Zn(CHCOCHCOCH、ZnCO、Zn(NO、Zn(ClO、Zn(PO、ZnSO、ZnF、ZnCl、AlF、AlCl、AlBr、AlI、Al(SO、Al(C、Al(CHCOCHCOCH、Al(NO、AlPO、GeCl、GeBr、GeIが挙げられる。
c)アルカリ処理
アルカリ処理で用いられる処理剤としては、LiOH、NaOH、KOH、Mg(OH)、Ca(OH)、Sr(OH)、Ba(OH)が例示される。
d)有機物処理
有機物処理に用いられる有機物は、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、N,N−ジメチルアニリニウム、トリフェニルホスホニウム、等が挙げられる。
有機物処理剤を構成する陰イオンとしては、塩類処理剤を構成する陰イオンとして例示した陰イオンや、ヘキサフルオロフォスフェート、テトラフルオロボレート、テトラフェニルボレートが例示される。
これら珪酸塩には、通常吸着水および層間水が含まれる。本発明においては、これらの吸着水および層間水を除去して使用することが好ましい。
珪酸塩の吸着水および層間水は、珪酸塩を加熱して除去できるが、層間水が残存しないように、また構造破壊を生じないよう加熱条件を選ぶことが必要である。加熱時間は0.5時間以上、好ましくは1時間以上である。温度200℃、圧力1mmHgの条件下で2時間珪酸塩を脱水して得られた珪酸塩の水分含有率を0重量%とした時、珪酸塩の水分含有率が3重量%以下、好ましくは1重量%以下、となるように、珪酸塩を加熱することが好ましい。
以上のように、本発明において、珪酸塩(e−4)として、特に好ましいものは、塩類処理および/または酸処理を行って得られた、水分含有率が3重量%以下の、珪酸塩である。
珪酸塩は、触媒の原料または触媒として使用する前に、前述の有機アルミニウム化合物(b)または後述する有機金属化合物(C)で処理を行うことが好ましい。珪酸塩1gに対する有機アルミニウム化合物(b)または有機金属化合物(C)の使用量は、通常20mmol以下、好ましくは0.5mmol以上、10mmol以下である。処理温度は、通常0℃以上70℃以下であり、処理時間は10分以上3時間以下である。処理後に珪酸塩を洗浄することが好ましい。洗浄に用いる溶媒は後述する予備重合やスラリー重合で使用する溶媒と同様の炭化水素溶媒を使用する。
珪酸塩(e−4)は、平均粒径が5μm以上の球状粒子を用いることが好ましい。粒子の形状が球状であれば天然物あるいは市販品をそのまま使用してもよいし、造粒、分粒、分別等により粒子の形状および粒径を制御した珪酸塩を用いてもよい。
造粒法は、例えば攪拌造粒法、噴霧造粒法が挙げられる。
造粒の際に有機物、無機溶媒、無機塩、各種バインダ−を用いてもよい。
上記のようにして得られた球状粒子は、重合工程での破砕や微粉の生成を抑制するためには0.2MPa以上、特に好ましくは0.5MPa以上の圧縮破壊強度を有することが望ましい。このような強度の粒子を用いると、特に予備重合を行う場合に、ポリマー粒子性状改良効果が有効に発揮される。
本発明において、有機アルミニウムオキシ化合物(e−1)、有機ホウ素化合物(e−2)、亜鉛助触媒成分(e−3)、あるいは、珪酸塩(e−4)は、それぞれ単独に活性化剤(e)として使用される他、これらの4成分を適宜組み合わせて使用することができる。
担体(f)
本発明において、担体(f)は遷移金属化合物(d)および/または活性化剤(e)を担持する目的で必要に応じて使用される。
担体(f)としては、例えば無機酸化物粒子、無機ハロゲン化物粒子、有機ポリマー粒子などが挙げられるが、それらの中で、好ましくは、粒径の整った多孔質の粒子である。得られるポリマーの粒径分布の観点から、その粒径の体積基準の幾何標準偏差が好ましくは2.5以下、より好ましくは2.0以下、さらに好ましくは1.7以下である担体(f)が用いられる。
無機酸化物粒子としては、どのような無機酸化物を用いてもよく、複数の無機物質を混合して用いてもよい。無機酸化物としては、例えば、SiO2、Al23、MgO、ZrO2、TiO2、B23、CaO、ZnO、BaO、およびThO2、ならびにこれらの混合物、SiO2−MgO、SiO2−Al23、SiO2−TiO2、SiO2−V25、SiO2−Cr23、およびSiO2−TiO2−MgOが挙げられる。これらの無機酸化物として好ましくは、SiO2および/またはAl23であり、特に好ましくはSiO2である。上記無機酸化物は、少量のNa2CO3、K2CO3、CaCO3、MgCO3、Na2SO4、Al2(SO43、BaSO4、KNO3、Mg(NO32、Al(NO33、Na2O、K2O、Li2O等の炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有していてもよい。
無機酸化物は、乾燥され、実質的に水分が除去されていることが好ましく、乾燥方法として好ましくは加熱乾燥である。乾燥温度は、通常100〜1500℃であり、好ましくは100〜1000℃であり、更に好ましくは200〜800℃である。乾燥時間は、好ましくは10分間〜50時間、より好ましくは1時間〜30時間である。加熱乾燥の方法としては、例えば、無機酸化物を加熱しながら乾燥した不活性ガス(例えば、窒素またはアルゴン等)を一定の流速で流通させて乾燥する方法、または、減圧下で無機酸化物を加熱乾燥する方法等が挙げられる。
無機酸化物には通常、表面にハイドロキシ基が生成し存在しているが、無機酸化物として、表面ハイドロキシ基の活性水素を種々の置換基で置換した、改質無機酸化物を使用してもよい。改質無機酸化物としては、例えば、トリメチルクロロシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン等のトリアルキルクロロシラン、トリフェニルクロロシラン等のトリアリールクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等のジアルキルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン等のジアリールジクロロシラン、メチルトリクロロシラン等のアルキルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン等のアリールトリクロロシラン、トリメチルメトキシシラン等のトリアルキルアルコキシシラン、トリフェニルメトキシシラン等のトリアリールアルコシキシランおよびジメチルジメトキシシラン等のジアルキルジアルコキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のジアリールジアルコキシシラン、メチルトリメトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等のアリールトリアルコキシシラン、テトラメトキシシラン等のテトラアルコキシシラン、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン等のアルキルジシラザン、テトラクロロシラン、メタノールおよびエタノール等のアルコール、フェノール、ジブチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウム、ブチルオクチルマグネシウム等のジアルキルマグネシウム、ブチルリチウム等のアルキルリチウムで接触処理された無機酸化物が挙げられる。
更に、トリアルキルアルミニウムと接触後、ジエチルアミン、ジフェニルアミン等のジアルキルアミン、メタノール、エタノール等のアルコール、フェノールで接触処理された無機酸化物が挙げられる。
無機酸化物はハイドロキシ基同士が水素結合することにより無機酸化物自体の強度が高まっていることがある。その場合、仮に表面ハイドロキシ基の活性水素すべてについて種々の置換基で置換してしまうと、粒子強度の低下等をまねく場合がある。よって、無機酸化物の表面ハイドロキシ基の活性水素は必ずしもすべて置換する必要はなく、表面ハイドロキシ基の置換率は適宜決めればよい。表面ハイドロキシ基の置換率は、例えば、接触処理に使用する化合物の使用量によって変えられる。
無機酸化物粒子の平均粒子径は特に限定されないが、通常1〜5000μmであり、好ましくは5〜1000μmであり、より好ましくは10〜500μmであり、更に好ましくは10〜100μmである。無機酸化物粒子の細孔容量は好ましくは、0.1ml/g以上であり、より好ましくは0.3〜10ml/gである。無機酸化物粒子の比表面積は好ましくは、10〜1000m2/gであり、より好ましくは100〜500m2/gである。
無機ハロゲン化物としては、MgCl、MgBr、MnCl、MnBr等が用いられる。無機ハロゲン化物は、そのまま用いてもよいし、ボールミル、振動ミルにより粉砕した後に用いてもよい。また、アルコールなどの溶媒に無機ハロゲン化物を溶解させた後、析出剤によってこれらを微粒子状に析出させた無機ハロゲン化物を用いることもできる。
有機ポリマー粒子は、どのような有機ポリマーを用いてもよく、また複数種の有機ポリマーの混合物を用いてもよい。有機ポリマーとして好ましくは、活性水素を有する官能基または非プロトン供与性のルイス塩基性官能基を有する重合体である。
活性水素を有する官能基としては、活性水素を有していれば特に限定されない。その官能基としては、例えば、1級アミノ基、2級アミノ基、イミノ基、アミド基、ヒドラジド基、アミジノ基、ハイドロキシ基、ハイドロペルオキシ基、カルボキシル基、ホルミル基、カルバモイル基、スルホン酸基、スルフィン酸基、スルフェン酸基、チオール基、チオホルミル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピペリジル基、インダゾリル基、およびカルバゾリル基が挙げられる。好ましくは、1級アミノ基、2級アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ハイドロキシ基、ホルミル基、カルボキシル基、スルホン酸基またはチオール基であり、特に好ましくは、1級アミノ基、2級アミノ基、アミド基またはハイドロキシ基である。これらの基はハロゲン原子や炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基で置換されていてもよい。
非プロトン供与性のルイス塩基性官能基としては、活性水素原子を有さず、かつルイス塩基部分を有する官能基であれば特に限定されない。その官能基としては、例えば、ピリジル基、N−置換イミダゾリル基、N−置換インダゾリル基、ニトリル基、アジド基、N−置換イミノ基、N,N−置換アミノ基、N,N−置換アミノオキシ基、N,N,N−置換ヒドラジノ基、ニトロソ基、ニトロ基、ニトロオキシ基、フリル基、カルボニル基、チオカルボニル基、アルコキシ基、アルキルオキシカルボニル基、N,N−置換カルバモイル基、チオアルコキシ基、置換スルフィニル基、置換スルホニル基、および置換スルホン酸基が挙げられる。好ましくは複素環基であり、更に好ましくは、酸素原子および/または窒素原子を環内に有する芳香族複素環基である。特に好ましくは、ピリジル基、N−置換イミダゾリル基、N−置換インダゾリル基であり、最も好ましくはピリジル基である。これらの基はハロゲン原子や炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基で置換されていてもよい。
有機ポリマー中の活性水素を有する官能基または非プロトン供与性のルイス塩基性官能基の含有量は特に限定されない。その含有量は、好ましくは、重合体の単位グラム当りの官能基のモル量として0.01〜50mmol/gであり、より好ましくは0.1〜20mmol/gである。
活性水素を有する官能基または非プロトン供与性のルイス塩基性官能基を有する有機ポリマーの製造方法としては、例えば、活性水素を有する官能基もしくは非プロトン供与性のルイス塩基性官能基と、1個以上の重合性不飽和基とを有するモノマーを単独重合させる方法、またはそのモノマーと重合性不飽和基を有する他のモノマーとを共重合させる方法が挙げられる。このとき更に2個以上の重合性不飽和基を有する架橋重合性モノマーをも一緒に共重合することが好ましい。
重合性不飽和基としては、例えば、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、エチン基等のアルキニル基が挙げられる。活性水素を有する官能基と1個以上の重合性不飽和基を有するモノマーとしては、例えば、ビニル基含有1級アミン、ビニル基含有2級アミン、ビニル基含有アミド化合物、およびビニル基含有ハイドロキシ化合物が挙げられる。そのモノマーとしては、例えば、N−(1−エテニル)アミン、N−(2−プロペニル)アミン、N−(1−エテニル)−N−メチルアミン、N−(2−プロペニル)−N−メチルアミン、1−エテニルアミド、2−プロペニルアミド、N−メチル−(1−エテニル)アミド、N−メチル−(2−プロペニル)アミド、ビニルアルコール、2−プロペン−1−オール、3−ブテン−1−オールが挙げられる。活性水素原子を有さず、かつルイス塩基部分を有する官能基と1個以上の重合性不飽和基を有するモノマーとしては、例えば、ビニルピリジン、ビニル(N−置換)イミダゾール、およびビニル(N−置換)インダゾールが挙げられる。
重合性不飽和基を有する他のモノマーとしては、例えば、エチレン、α−オレフィン、芳香族ビニル化合物および環状オレフィン化合物を挙げることができる。そのモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、スチレン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエンが挙げられる。好ましくはエチレンまたはスチレンである。これらのモノマーは2種類以上を用いてもよい。上記2個以上の重合性不飽和基を有する架橋重合性モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン等を挙げることができる。
有機ポリマー粒子の平均粒子径は特に限定されないが、通常1〜5000μmであり、好ましくは5〜1000μmであり、より好ましくは10〜500μmである。有機ポリマー粒子の細孔容量は、好ましくは0.1ml/g以上であり、より好ましくは0.3〜10ml/gである。有機ポリマー粒子の比表面積は、好ましくは10〜1000m2/gであり、より好ましくは50〜500m2/gである。
これらの有機ポリマー粒子は、乾燥され、実質的に水分が除去されていることが好ましく、加熱乾燥により乾燥されたものが好ましい。乾燥温度は通常30〜400℃であり、好ましくは50〜200℃であり、更に好ましくは70〜150℃である。加熱時間は、好ましくは10分間〜50時間であり、より好ましくは1時間〜30時間である。加熱乾燥の方法としては、例えば、有機ポリマー粒子を加熱しながら乾燥した不活性ガス(例えば、窒素またはアルゴン等)を一定の流速で流通させて乾燥する方法、または、減圧下で有機ポリマー粒子を加熱乾燥する方法等が挙げられる。
有機ポリマー粒子としては、粒径が10〜300μmの範囲にある顆粒状ないしは微粒子状固体が挙げられる。有機ポリマー粒子を形成するポリマーとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素原子数が2〜14のα−オレフィンを主成分として生成される(共)重合体またはビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される(共)重合体、およびそれらの変成体が挙げられる。
有機金属化合物(C)
本発明に用いる有機金属化合物(C)は、ホウ素原子およびアルミニウム原子を除く元素周期律表第2、12、13族から選ばれる元素を含む化合物であって、活性化剤(e)とは異なる化合物であればよい。下式で表される1種類以上の化合物が好ましく用いられる。
C1 (NRC2 (ORC3
はホウ素原子およびアルミニウム原子を除く元素周期律表第2、12、または13族原子である。RC1、RC2およびRC3は、水素原子もしくは炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基である。Xは、ハロゲン原子である。
は、ホウ素原子およびアルミニウム原子を除く元素周期律表第2、12、または13族原子を表し、ベリリウム原子、マグネシウム原子、カルシウム原子、ストロンチウム原子、バリウム原子、亜鉛原子、カドミウム原子、水銀原子、ガリウム原子、インジウム原子、タリウム原子などが挙げられ、好ましくはマグネシウム原子、カルシウム原子、亜鉛原子、ガリウム原子であり、より好ましくは亜鉛原子である。
C1、RC2およびRC3は、水素原子もしくは炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基を表し、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルケニル基などが挙げられ、これらはハロゲン原子、ハイドロカルビルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、スルホニル基、シリル基などを置換基として有していてもよい。また、複数のR同士は互いに同一でも異なっていてもよい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、およびn−オクチル基のような直鎖状アルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、イソアミル基、および2−エチルヘキシル基のような分岐状アルキル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、およびシクロオクチル基のような環状アルキル基等が挙げられ、好ましくは炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状アルキル基である。
アラルキル基としては、ベンジル基、およびフェネチル基が挙げられ、好ましくは炭素原子数7〜20のアラルキル基である。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、およびトリル基等が挙げられ、好ましくは炭素原子数6〜20のアリール基である。
アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、3−ブテニル基、および5−ヘキセニル基のような直鎖状アルケニル基、イソブテニル基、および4−メチル−3−ペンテニル基のような分岐状アルケニル基、2−シクロヘキセニル基、および3−シクロヘキセニル基のような環状アルケニル基が挙げられ、好ましくは炭素原子数2〜20の直鎖状および分岐状アルケニル基である。また、RC1同士、RC2同士およびRC3同士は同一でも異なっていてもよい。
は、ハロゲン原子を表し、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、およびフッ素原子などが挙げられ、好ましくは塩素原子である。また、複数のX同士は同一でも異なっていてもよい。
p、q、r、sは、0〜3のいずれかの整数である。Mが元素周期律表第2、または12族原子であるときはp+q+r+s=2であり、Mがホウ素原子およびアルミニウム原子を除く元素周期律表第13族原子であるときはp+q+r+s=3である。
本発明において、有機金属化合物(C)として用いられる有機亜鉛化合物としては、例えば、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジn−プロピル亜鉛、ジn−ブチル亜鉛、ジn−ペンチル亜鉛、ジn−ヘキシル亜鉛、ジn−オクチル亜鉛、ジn−デシル亜鉛などのジn−アルキル亜鉛、
ジイソプロピル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ジsec−ブチル亜鉛、ジtert−ブチル亜鉛、ジ2−メチルブチル亜鉛、ジ3−メチルブチル亜鉛、ジ2−メチルペンチル亜鉛、ジ3−メチルペンチル亜鉛、ジ4−メチルペンチル亜鉛、ジ2−メチルヘキシル亜鉛、ジ3−メチルヘキシル亜鉛、ジ2−エチルヘキシル亜鉛などのジ分岐鎖アルキル亜鉛、
ジシクロヘキシル亜鉛、ジシクロオクチル亜鉛などのジシクロアルキル亜鉛、
ジフェニル亜鉛などのジアリール亜鉛、
エチル亜鉛ブロマイド、n−プロピル亜鉛ブロマイド、n−ブチル亜鉛ブロマイド、n−ペンチル亜鉛ブロマイド、n−ヘキシル亜鉛ブロマイド、エチル亜鉛クロライド、n−プロピル亜鉛クロライド、n−ブチル亜鉛クロライド、n−ペンチル亜鉛クロライド、n−ヘキシル亜鉛クロライドなどのn−アルキル亜鉛ハライド、
イソプロピル亜鉛ブロマイド、イソブチル亜鉛ブロマイド、sec−ブチル亜鉛ブロマイド、tert−ブチル亜鉛ブロマイド、2−メチルブチル亜鉛ブロマイド、3−メチルブチル亜鉛ブロマイド、2−メチルペンチル亜鉛ブロマイド、3−メチルペンチル亜鉛ブロマイド、4−メチルペンチル亜鉛ブロマイド、2−メチルヘキシル亜鉛ブロマイド、3−メチルヘキシル亜鉛ブロマイド、2−エチルヘキシル亜鉛ブロマイド、イソプロピル亜鉛クロライド、イソブチル亜鉛クロライド、sec−ブチル亜鉛クロライド、tert−ブチル亜鉛クロライド、2−メチルブチル亜鉛クロライド、3−メチルブチル亜鉛クロライド、2−メチルペンチル亜鉛クロライド、3−メチルペンチル亜鉛クロライド、4−メチルペンチル亜鉛クロライド、2−メチルヘキシル亜鉛クロライド、3−メチルヘキシル亜鉛クロライド、2−エチルヘキシル亜鉛クロライドなどの分岐鎖アルキル亜鉛ハライド、
フェニル亜鉛ブロマイド、メチルフェニル亜鉛ブロマイド、エチルフェニル亜鉛ブロマイド、ブロモフェニル亜鉛ブロマイド、クロロフェニル亜鉛ブロマイド、フルオロフェニル亜鉛ブロマイド、シアノフェニル亜鉛ブロマイド、フェニル亜鉛クロライド、メチルフェニル亜鉛クロライド、エチルフェニル亜鉛クロライド、ブロモフェニル亜鉛クロライド、クロロフェニル亜鉛クロライド、フルオロフェニル亜鉛クロライド、シアノフェニル亜鉛クロライドなどのアリール(aryl)亜鉛ハライドなどが挙げられ、
好ましくは、炭素原子数2〜16の有機亜鉛化合物であり、より好ましくは、炭素原子数2〜16のジn−アルキル亜鉛、ジ分岐鎖アルキル亜鉛、ジアリール亜鉛であり、さらに好ましくは、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ジオクチル亜鉛であり、最も好ましくは、ジエチル亜鉛である。
有機化合物(D)
本発明において、有機化合物(D)は重合性能および生成ポリマーの物性を向上させる目的で必要に応じて使用される。有機化合物(D)としては、例えばアルコール類、フェノール類、カルボン酸類、アミン類、リン化合物およびスルホン酸およびその塩が挙げられる。
アルコール類およびフェノール類は、一般式RD1OHで表され、RD1は炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基または炭素原子数1〜20のハロハイドロカルビル基を表し、好ましくは炭素原子数1〜10のハロハイドロカルビル基である。
カルボン酸類は、一般式RD2COOHで表され、RD2は炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基または炭素原子数1〜20のハロハイドロカルビル基を表し、好ましくは炭素原子数1〜10のハロハイドロカルビル基である。
アミン類は、一般式NRD3 で表され、RD3は水素原子、炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基または炭素原子数1〜20のハロハイドロカルビル基を表し、少なくとも1つのRD3はハイドロカルビル基またはハロハイドロカルビル基であり、好ましくは炭素原子数1〜10のハロハイドロカルビル基である。
リン化合物としては、一般式PRD4 で表されるホスフィン類、一般式P(ORD4で表される亜リン酸エステル類、一般式O=PRD4 で表されるホスフィンオキシド類、一般式O=P(ORD4で表されるリン酸エステル類が挙げられ、RD4は水素原子、炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基または炭素原子数1〜20のハロハイドロカルビル基を表し、少なくとも1つのRD4はハイドロカルビル基またはハロハイドロカルビル基であり、好ましくは炭素原子数1〜10のハロハイドロカルビル基である。
スルホン酸およびその塩は、一般式RD5SOHおよび(RD6SO で表され、Mは周期表第1〜14族の元素である。
D5およびRD6は炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基または炭素原子数1〜20のハロハイドロカルビル基である。
t、uは、1〜4のいずれかの整数であり、Mの原子価をvとするとき、t=u×vを満たす。
重合触媒(A)の形成
重合触媒(A)を形成する方法としては、特に限定されるものではないが、固体触媒成分(a)と、有機アルミニウム化合物(b)と、任意成分として外部電子供与性化合物(c)とを接触させる方法が挙げられる。接触は溶媒の存在下または非存在下で行われる。これらの接触混合物を重合槽に供給してもよいし、これらを別々に重合槽に供給して重合槽中で接触させてもよいし、任意の二成分の接触混合物と残りの成分とを別々に重合槽に供給してもよい。重合前の各成分の接触は、不活性ガス雰囲気下であってもよいし、オレフィン雰囲気下であってもよい。
各成分の使用量は、反応容積1リットル当り、固体触媒成分(a)をチタニウム原子に換算して約0.0001〜約1.0ミリモル、有機アルミニウム化合物(b)を固体触媒成分(a)中のチタニウム原子1モルに対し、有機アルミニウム化合物(b)中のアルミニウム原子が約1〜約2000モル、好ましくは約5〜約500モル、さらに好ましくは約10〜約200モルとなるように、また外部電子供与性化合物(c)を、有機アルミニウム化合物(b)中のアルミニウム原子1モル当り、約0.001〜約10モル、好ましくは約0.01〜約2モル、とくに好ましくは約0.04〜約1モルとなるようにするのが好ましい。
重合触媒(B)の形成
重合触媒(B)を形成する方法としては、特に限定されるものではないが、遷移金属化合物(d)、活性化剤(e)、任意成分として担体(f)を接触させる方法が挙げられる。接触は溶媒の存在下または非存在下で行われ、これらの接触混合物を重合槽に添加してもよいし、これらを別々に任意の順序で重合槽に添加して重合槽中で接触させてもよいし、任意の二成分の接触混合物と残りの成分とを別々に重合槽に添加してもよい。
重合触媒(B)を形成する際、各成分の添加法、添加順序および添加量は任意に選ばれるが、以下のような方法が例示される。
(1)遷移金属化合物(d)および活性化剤(e)の接触混合物を重合槽に添加する方法。
(2)遷移金属化合物(d)、活性化剤(e)および担体(f)の接触混合物を重合槽に添加する方法。
(3)遷移金属化合物(d)を担体(f)に担持した触媒成分と、活性化剤(e)との接触混合物を重合槽に添加する方法。
(4)活性化剤(e)を担体(f)に担持した触媒成分と、遷移金属化合物(d)との接触混合物を重合槽に添加する方法。
(5)遷移金属化合物(d)および活性化剤(e)を任意の順序で重合槽に添加する方法。
(6)遷移金属化合物(d)、活性化剤(e)および担体(f)を任意の順序で重合槽に添加する方法。
(7)遷移金属化合物(d)を担体(f)に担持した触媒成分と、活性化剤(e)とを任意の順序で重合槽に添加する方法。
(8)活性化剤(e)を担体(f)に担持した触媒成分と、遷移金属化合物(d)とを任意の順序で重合槽に添加する方法。
(9)遷移金属化合物(d)および活性化剤(e)を担体(f)に担持した触媒成分を重合槽に添加する方法。
前記(1)〜(9)の各方法においては、重合槽中の微量の水分、酸素およびその他触媒毒となる成分のスカベンジャー、もしくは遷移金属化合物(d)のアルキル化剤として使用する目的で、必要に応じて、前記有機アルミニウム化合物(b)から選ばれる1種類以上の化合物を、任意の順序で重合槽に添加することができる。
遷移金属化合物(d)が担体に担持されている前記(3)、(7)および(9)の各方法においては、担持された触媒成分は、オレフィンが予備重合されていてもよく、予備重合された触媒成分上に、さらに、遷移金属化合物(d)が担持されていてもよい。この場合、遷移金属化合物(d)は、互いに同一でも異なっていてもよい。
活性化剤(e)が担持されている前記(4)、(8)および(9)の各方法においては、必要に応じて担持されていない活性化剤(e)を、任意の順序で重合槽に添加してもよい。この場合、活性化剤(e)は、互いに同一でも異なっていてもよい。
遷移金属化合物(d)は、反応容積1リットル当り、通常10-12〜10-2モル、好ましくは10-10〜10-3モルになるような量で用いられる。
活性化剤(e)として有機アルミニウムオキシ化合物(e−1)が用いられる場合は、有機アルミニウムオキシ化合物(e−1)中のアルミニウム原子と、遷移金属化合物(d)とのモル比〔Al/(d)〕が、通常10〜500000、好ましくは20〜100000となるような量で用いられる。有機ホウ素化合物(e−2)が用いられる場合は、有機ホウ素化合物(e−2)中のホウ素原子と、遷移金属化合物(d)とのモル比〔B/(d)〕が、通常1〜1000、好ましくは1〜100となるような量で用いられる。
前記(1)〜(9)の各方法において、なかでも好ましくは、各成分を任意の順序で重合槽に添加する前記(5)、(6)、(7)、(8)の方法であり、さらに好ましくは前記(5)の方法である。
本発明におけるオレフィンブロックポリマーの製造方法では、重合触媒(B)を構成する上記各成分、遷移金属化合物(d)、活性化剤(e)、有機金属化合物(C)および担体(f)のうち少なくとも1種類が異なるようにして形成した互いに異なる複数の重合触媒(B)を用いてもよい。
オレフィン
本発明で用いるオレフィンとしては、炭素原子数が2〜20のオレフィンが好ましく、例えば、エチレン、α−オレフィン、ジエン化合物、環状オレフィン、極性オレフィンが挙げられる。
α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等が挙げられ、
ジエン化合物としては、例えば、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,4−ペンタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、ノルボルナジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、1,5−シクロオクタジエン、5,8−エンドメチレンヘキサハイドロナフタレン、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,3−シクロオクタジエン、1,3−シクロヘキサジエン等が挙げられ、
環状オレフィンとしては、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロノネン、シクロデセン、ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−ブチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン、テトラシクロドデセン、トリシクロデセン、トリシクロウンデセン、ペンタシクロペンタデセン、ペンタシクロヘキサデセン、8−メチルテトラシクロドデセン、8−エチルテトラシクロドデセン、5−アセチルノルボルネン、5−アセチルオキシノルボルネン、5−メトキシカルボニルノルボルネン、5−エトキシカルボニルノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニルノルボルネン、5−シアノノルボルネン、8−メトキシカルボニルテトラシクロドデセン、8−メチル−8−テトラシクロドデセン、8−シアノテトラシクロドデセン等が挙げられ、
アルケニル脂環式化合物としては、例えば、ビニルシクロヘキサン等が挙げられ、
アルケニル芳香族炭化水素としては、例えば、スチレン、2−フェニルプロピレン、2−フェニルブテン、3−フェニルプロピレン等のアルケニルベンゼン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−エチルスチレン、m−エチルスチレン、o−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,4−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、3−メチル−5−エチルスチレン、p−第3級ブチルスチレン、p−第2級ブチルスチレンなどのアルキルスチレン、ジビニルベンゼン等のビスアルケニルベンゼン、1−ビニルナフタレン等のアルケニルナフタレン等が挙げられ、
極性オレフィンとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸等のα,β−不飽和カルボン酸、およびそのナトリウム、カリウム、リチウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウム等の金属塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル等のα,β−不飽和カルボン酸エステル、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステル等の不飽和カルボン酸グリシジルエステルなどが挙げられる。
上記のオレフィンとして好ましくは、エチレン、炭素原子数が3〜20のα−オレフィン、炭素原子数が4〜20のジエン化合物、炭素原子数が3〜20の環状オレフィン、炭素原子数が5〜20のアルケニル脂環式化合物、および炭素原子数が8〜20のアルケニル芳香族炭化水素であり、より好ましくは、エチレン、炭素原子数が3〜20のα−オレフィン、炭素原子数が4〜20のジエン化合物、および炭素原子数が8〜20のアルケニル芳香族炭化水素であり、さらに好ましくは、エチレンおよび炭素原子数が3〜20のα−オレフィンであり、なおさらに好ましくは、エチレンおよび炭素原子数が3〜10のα−オレフィンであり、最も好ましくは、エチレンおよびプロピレンである。
2種類以上のオレフィンを用いる場合には、その添加方法は同時であっても逐次的であってもよく、そのオレフィンの組み合わせや使用割合についても特に制限されない。
オレフィンの重合条件
本発明では、オレフィンの重合法は溶媒重合法、懸濁重合法などの液相重合法または気相重合法のいずれでもよい。
液相重合法において用いられる不活性ハイドロカルビル媒体として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族ハイドロカルビル、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環式ハイドロカルビル、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族ハイドロカルビル、エチレンクロライド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロハイドロカルビルまたはこれらの混合物などを挙げることができ、オレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
本発明のオレフィンブロックポリマーの製造方法は、重合触媒(A)と重合触媒(B)および有機金属化合物(C)とを用いてオレフィンを重合する限り制限されるものではないが、以下の重合方法を挙げることができる。
単段重合法(1)
1つの方法は、1種類以上の重合触媒(A)、1種類以上の重合触媒(B)、1種類以上の有機金属化合物(C)、1種類以上のオレフィン、さらに必要に応じて有機化合物(D)を用いて、単一の工程からなる単段重合を行うオレフィンブロックポリマーの製造方法である。
該単段重合法(1)において、重合触媒(A)および重合触媒(B)の形成は、それぞれ、前記重合触媒の形成方法に従い、ほぼ同時に行われることが好ましい。
該単段重合法(1)において、オレフィンは、重合触媒(A)および重合触媒(B)が重合槽内で形成される前に、もしくは重合槽外で形成された重合触媒(A)および重合触媒(B)が重合槽内に添加される前に、あらかじめ重合槽内に添加されることが好ましい。また1種類のオレフィンを用いる場合には重合槽内のオレフィン濃度が、2種以上のオレフィンを用いる場合には重合槽内の各オレフィン濃度および組成比が、重合中一定に保たれるように、オレフィンを重合槽に連続的に添加してもよい。
多段重合法(2)
他の方法は、1種類以上の重合触媒(A)、1種類以上の重合触媒(B)、1種類以上の有機金属化合物(C)、1種類以上のオレフィン、さらに必要に応じて有機化合物(D)を用いて、2つ以上の工程からなる多段重合を行うオレフィンブロックポリマーの製造方法である。
多段重合法(2)は、重合触媒(A)の存在下、オレフィンを重合する工程<工程A>と、重合触媒(B)の存在下、オレフィンを重合する工程<工程B>を含む。
該多段重合法(2)における任意の連続する2つの工程は、1種類以上の重合触媒(A)が重合槽内で形成される、もしくは重合槽外で形成された1種類以上の重合触媒(A)を重合槽に添加する〈工程A〉と、1種類以上の重合触媒(B)が重合槽内で形成される、もしくは重合槽外で形成された1種類以上の重合触媒(B)を添加する〈工程B〉である。
該多段重合法(2)において、〈工程A〉で用いるオレフィン[A]は、重合触媒(A)が重合槽内で形成される前に、もしくは重合槽外で形成された重合触媒(A)が重合槽内に添加される前に、あらかじめ重合槽内に添加されることが好ましく、〈工程B〉で用いるオレフィン[B]は、重合触媒(B)が重合槽内で形成される前に、もしくは重合槽外で形成された重合触媒(B)が重合槽内に添加される前に、あらかじめ重合槽内に添加されることが好ましい。またオレフィン[A]および/またはオレフィン[B]が1種類のオレフィンである場合には重合槽内のオレフィン濃度が、2種以上のオレフィンである場合には重合槽内の各オレフィン濃度および組成比が、重合中一定に保たれるように、オレフィンを重合槽に連続的に添加してもよい。
また各工程では1つ前の工程までに得られた重合体の存在下でオレフィンの重合が行われる。2番目以降の工程では、その一つ前の工程で製造された重合体の存在下でオレフィンを重合する。
単段重合法(1)および多段重合法(2)のいずれにおいても、有機金属化合物(C)および任意の有機化合物(D)は、反応の任意の時点で重合槽に添加すればよい。重合の最中に、有機金属化合物(C)および有機化合物(D)を重合槽に添加してもよい。重合開始前すなわち、重合触媒(A)および重合触媒(B)が形成される前に重合槽内に有機金属化合物(C)および有機化合物(D)を添加することが好ましい。有機金属化合物(C)および有機化合物(D)の添加方法としては、例えば攪拌下に該有機金属化合物(C)および有機化合物(D)を重合槽に添加する方法が好ましい。この場合、該有機金属化合物(C)および有機化合物(D)を直接添加してもよいし、例えばn−ヘキサンなどの有機溶媒にこれらを溶解した溶液を添加してもよい。また、必要に応じこれらを任意の回数に分割して添加してもよい。
本発明における前記重合方法(1)および(2)では、それぞれ化学的または物理的性質の異なるポリマーセグメント(A)およびポリマーセグメント(B)が形成されるように、重合触媒(A)、重合触媒(B)、オレフィン、重合温度・重合時間などの重合条件を選択する。
本発明のオレフィンブロックポリマーの製造方法として前記単段重合法(1)および多段重合法(2)が挙げられるが、好ましくは多段重合法(2)である。
以下、多段重合法(2)における〈工程A〉および〈工程B〉について説明する。
〈工程A〉
〈工程A〉では、重合触媒(A)の存在下にオレフィン[A]を重合する。
〈工程A〉で有機金属化合物(C)を用いる場合には、有機金属化合物(C)は、重合触媒(A)中のチタニウム原子に対する有機金属化合物(C)のモル比〔C/Ti〕が、通常1〜1000000、好ましくは10〜10000となるような量で用いられる。さらに有機化合物(D)を用いる場合は、有機金属化合物(C)に対する有機化合物(D)のモル比〔D/C〕が、通常0.001〜10、好ましくは0.005〜2となるような量で用いられる。また、〈工程B〉に引き続いて〈工程A〉を実施する場合には、〈工程A〉で有機金属化合物(C)を追加しなくともよい。
〈工程A〉で重合するオレフィン[A]は、炭素原子数が2〜20のオレフィンから、1種以上を選択して用いる。用いるオレフィンの種類や、2種以上用いる場合の量比については特に制限は無いが、プロピレンを用いることが好ましい。オレフィン[A]として、より好ましくは、プロピレン単独、プロピレンとエチレンまたはプロピレンと炭素原子数4〜20のα−オレフィンとの組み合わせであり、もっとも好ましくは、プロピレン単独である。
〈工程A〉におけるオレフィンの重合反応温度は、通常−40〜200℃、好ましくは0〜150℃、さらに好ましくは40〜130℃である。また、反応圧力は、通常常圧〜10MPa、好ましくは常圧〜5MPaである。また、反応時間は、通常5分〜48時間、好ましくは5分〜12時間である。
〈工程B〉
〈工程B〉では、重合触媒(B)の存在下にオレフィン[B]を重合する。
〈工程B〉で有機金属化合物(C)を用いる場合には、重合触媒(B)中の遷移金属原子(M)に対する有機金属化合物(C)のモル比〔C/M〕が、通常1〜1000000、好ましくは10〜10000となるような量で有機金属化合物(C)は用いられる。さらに有機化合物(D)を用いる場合は、有機金属化合物(C)に対する有機化合物(D)のモル比〔D/C〕が、通常0.001〜10、好ましくは0.005〜2となるような量で有機化合物(D)が用いられる。また、〈工程A〉に引き続いて〈工程B〉を実施する場合には、〈工程B〉で有機金属化合物(C)を追加しなくともよい。
〈工程B〉で重合するオレフィン[B]は、〈工程A〉で重合するオレフィン[A]と同様に選択され、用いるオレフィンの種類や、2種以上用いる場合の量比については特に制限は無い。オレフィン[A]とオレフィン[B]は種類または組成が同じであってもよいし、異なっていてもよい。オレフィン[B]として、プロピレンを用いることが好ましい。オレフィン[B]として、より好ましくは、プロピレン単独、プロピレンとエチレンまたはプロピレンと炭素原子数4〜20のα−オレフィンとの組み合わせであり、もっとも好ましくは、プロピレンとエチレンとの組み合わせである。<工程B>は、エチレンとプロピレンをランダム共重合する工程であることが好ましい。
〈工程B〉におけるオレフィンの重合反応温度は、通常−40〜200℃、好ましくは0〜150℃、さらに好ましくは40〜130℃である。また、反応圧力は、通常常圧〜10MPa、好ましくは常圧〜5MPaである。また、反応時間は、通常5分〜48時間、好ましくは5分〜12時間である。
多段重合法(2)における工程数として好ましくは2〜5段であり、さらに好ましくは2および3段であり、最も好ましくは2段である。
〈工程A〉と〈工程B〉は交互に行われればいずれの工程が最初の工程であってもよい。好ましくは〈工程A〉が最初の工程である多段重合法(2)である。
本発明の方法は、重合槽に有機金属化合物(C)を添加した後、重合触媒(A)を重合槽中で形成し、重合触媒(A)の存在下でプロピレンを単独重合する<工程A>と、<工程A>に続く工程であって、重合触媒(B)を重合槽中で形成し、重合触媒(B)の存在下でエチレンとプロピレンをランダム共重合する<工程B>を有する方法であることが好ましい。
全重合工程が完了した後に重合反応を停止することで、オレフィンブロックポリマーが得られる。
重合反応を停止する方法としては、(1)重合触媒(A)および重合触媒(B)の活性を低下させる特定の物質を添加する方法、もしくは(2)加熱処理、もしくは(3)オレフィンの除去であり、好ましくは(1)の方法である。
オレフィンブロックポリマー
本発明の方法で製造するオレフィンブロックポリマーは、炭素原子数2〜20のオレフィンから選ばれる1種類以上のオレフィンが重合触媒(A)により重合して形成されるポリマーセグメント(A)と、炭素原子数2〜20のオレフィンから選ばれる1種類以上のオレフィンが重合触媒(B)により重合して形成され、かつ、前記ポリマーセグメント(A)とは化学的または物理的性質の異なるポリマーセグメント(B)とを、それぞれ1つ以上含むオレフィンブロックポリマーである。
なお、該オレフィンブロックポリマーは、前記ポリマーセグメント(A)およびポリマーセグメント(B)に加えてさらに、前記ポリマーセグメント(A)およびポリマーセグメント(B)のいずれとも化学的または物理的性質の異なるポリマーセグメント(C)を1つ以上有していてもよい。
オレフィンブロックポリマー中のポリマーセグメントを足し合わせた数は2以上である。単段重合法で得られるオレフィンブロックポリマー中の平均のポリマーセグメント数として好ましくは、3以上であり、より好ましくは、5以上であり、さらに好ましくは、7以上であり、最も好ましくは、10以上である。多段重合法で得られるオレフィンブロックポリマー中のポリマーセグメント数は実施される多段重合に含まれる工程数と一致するか、もしくはそれ以下であるが、好ましくは、2〜5であり、より好ましくは、2〜4であり、さらに好ましくは、2および3であり、最も好ましくは、2である。
各ポリマーセグメントは、炭素原子数2〜20のオレフィンから選ばれる1種類のオレフィンの単独重合体セグメントであってもよく、炭素原子数2〜20のオレフィンから選ばれる2種類以上のオレフィンの共重合体セグメントであってもよい。
ポリマーセグメントが2種類以上のオレフィンから得られる共重合体セグメントである場合には、ポリマーセグメントの中でオレフィン組成が一定の比率であるランダム共重合体セグメント、オレフィン組成が連続的に変化していくテーパードポリマーセグメント、または2種類のオレフィンが交互に重合した交互共重合体セグメントであってもよい。
ポリマーセグメント(A)、(B)および(C)として好ましい単独重合体セグメントは、エチレン、炭素原子数が3〜20のα−オレフィン、炭素原子数が4〜20のジエン化合物、炭素原子数が3〜20の環状オレフィン、炭素原子数が5〜20のアルケニル脂環式化合物、および炭素原子数が8〜20のアルケニル芳香族炭化水素の単独重合体セグメントであり、より好ましくはエチレン、炭素原子数が3〜20のα−オレフィン、炭素原子数が4〜20のジエン化合物、および炭素原子数が8〜20のアルケニル芳香族炭化水素の単独重合体セグメントであり、さらに好ましくはエチレンおよび炭素原子数が3〜20のα−オレフィンの単独重合体セグメントであり、なおさらに好ましくは、エチレンおよび炭素原子数が3〜10のα−オレフィンの単独重合体セグメントであり、最も好ましくは、エチレンおよびプロピレンの単独重合体セグメントである。
エチレンの単独重合体セグメントとしては、直鎖ポリエチレンセグメント、短鎖分岐ポリエチレンセグメント、長鎖分岐ポリエチレンセグメント、ハイパーブランチポリエチレンセグメントであってもよいが、好ましくは直鎖ポリエチレンセグメントおよびハイパーブランチポリエチレンセグメントである。
プロピレンの単独重合体セグメントとしては、アイソタクチックポリプロピレンセグメント、アタクチックポリプロピレンセグメント、シンジオタクチックポリプロピレンセグメントであってもよいが、好ましくはアイソタクチックポリプロピレンセグメントおよびアタクチックポリプロピレンセグメントである。
ブタジエンの単独重合体セグメントとしては、1,2−ポリブタジエンセグメント、cis−1,4−ポリブタジエンセグメント、trans−1,4−ポリブタジエンセグメントであってもよいが、好ましくは1,2−ポリブタジエンセグメント、cis−1,4−ポリブタジエンセグメントである。
イソプレンの単独重合体セグメントとしては、cis−1,4−ポリイソプレンセグメント、trans−1,4−ポリブタジエンセグメント、3,4−ポリイソプレンセグメントであってもよいが、好ましくはcis−1,4−ポリイソプレンセグメント、3,4−ポリイソプレンセグメントである。
スチレンの単独重合体セグメントとしては、アイソタクチックポリスチレンセグメント、アタクチックポリスチレンセグメント、シンジオタクチックポリスチレンセグメントであってもよいが、好ましくはシンジオタクチックポリスチレンセグメントおよびアタクチックポリスチレンセグメントである。
一方好ましい共重合体セグメントとしては、
エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体セグメント、具体的にはエチレンと、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンなどとの共重合体セグメント、
プロピレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体セグメント、具体的にはプロピレンと1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンなどとの共重合体セグメント、
エチレンもしくはプロピレンと炭素数4〜20のジエン化合物との共重合体セグメント、具体的にはブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどとの共重合体セグメント、
エチレンもしくはプロピレンと炭素数5〜20の環状オレフィンとの共重合体セグメント、具体的にはテトラシクロドデセン、ノルボルネン、メチルノルボルネンなどとの共重合体セグメント、
エチレンもしくはプロピレンと炭素数8〜20のアルケニル脂環式化合物との共重合体セグメント、具体的にはビニルシクロヘキサンなどとの共重合体セグメント、
エチレンもしくはプロピレンと炭素数8〜20のアルケニル芳香族炭化水素との共重合体セグメント、具体的にはスチレンなどとの共重合体セグメント、
ブタジエンと炭素数4〜20のジエン化合物との共重合体セグメント、具体的にはイソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどとの共重合体セグメント、
ブタジエンと炭素数8〜20のアルケニル芳香族炭化水素との共重合体セグメント、具体的にはスチレンなどとの共重合体セグメントなどが挙げられる。
これらのなかでは、ポリエチレンセグメント、ポリプロピレンセグメント、ポリブテンセグメント、ポリヘキセンセグメント、ポリオクテンセグメント、エチレン/プロピレン共重合体セグメント、エチレン/ブテン共重合体セグメント、エチレン/ヘキセン共重合体セグメント、エチレン/オクテン共重合体セグメント、プロピレン/ブテン共重合体セグメント、プロピレン/ヘキセン共重合体セグメント、プロピレン/オクテン共重合体セグメントがより好ましく、なかでもポリエチレンセグメント、ポリプロピレンセグメント、エチレン/プロピレン共重合体セグメントがさらに好ましい。
本発明の方法で製造するオレフィンブロックポリマーとして好ましくは、
直鎖ポリエチレンセグメントと分岐ポリエチレンセグメントとを有するブロックポリマー、ポリエチレンセグメントとポリプロピレンセグメントとを有するブロックポリマー、ポリエチレンセグメントとポリブテンセグメントとを有するブロックポリマー、ポリエチレンセグメントとポリヘキセンセグメントとを有するブロックポリマー、ポリエチレンセグメントとポリオクテンセグメントとを有するブロックポリマー、ポリエチレンセグメントとポリブタジエンセグメントとを有するブロックポリマー、ポリエチレンセグメントとポリイソプレンセグメントとを有するブロックポリマー、ポリエチレンセグメントとポリ1,4−ペンタジエンセグメントとを有するブロックポリマー、ポリエチレンセグメントとポリ1,5−ヘキサジエンセグメントとを有するブロックポリマー、ポリエチレンセグメントとポリ1,7−オクタジエンセグメントとを有するブロックポリマー、ポリエチレンセグメントとポリスチレンセグメントとを有するブロックポリマー、
アイソタクチックポリプロピレンセグメントとシンジオタクチックポリプロピレンセグメントとを有するブロックポリマー、アイソタクチックポリプロピレンセグメントとアタクチックポリプロピレンセグメントとを有するブロックポリマー、アタクチックポリプロピレンセグメントとシンジオタクチックポリプロピレンセグメントとを有するブロックポリマー、ポリプロピレンセグメントとポリブテンセグメントとを有するブロックポリマー、ポリプロピレンセグメントとポリヘキセンセグメントとを有するブロックポリマー、ポリプロピレンセグメントとポリオクテンセグメントとを有するブロックポリマー、ポリプロピレンセグメントとポリブタジエンセグメントとを有するブロックポリマー、ポリプロピレンセグメントとポリイソプレンセグメントとを有するブロックポリマー、ポリプロピレンセグメントとポリ1,4−ペンタジエンセグメントとを有するブロックポリマー、ポリプロピレンセグメントとポリ1,5−ヘキサジエンセグメントとを有するブロックポリマー、ポリプロピレンセグメントとポリ1,7−オクタジエンセグメントとを有するブロックポリマー、ポリプロピレンセグメントとポリスチレンセグメントとを有するブロックポリマー、
ポリエチレンセグメントとエチレン/プロピレン共重合体セグメントとを有するブロックポリマー、ポリエチレンセグメントとエチレン/ブテン共重合体セグメントとを有するブロックポリマー、ポリエチレンセグメントとエチレン/ヘキセン共重合体セグメントとを有するブロックポリマー、ポリエチレンセグメントとエチレン/オクテン共重合体セグメントとを有するブロックポリマー、
ポリプロピレンセグメントとエチレン/プロピレン共重合体セグメントとを有するブロックポリマー、ポリプロピレンセグメントとプロピレン/ブテン共重合体セグメントとを有するブロックポリマー、ポリプロピレンセグメントとプロピレン/ヘキセン共重合体セグメントとを有するブロックポリマー、ポリプロピレンセグメントとプロピレン/オクテン共重合体セグメントとを有するブロックポリマーなどが挙げられ、
より好ましくは、ポリエチレンセグメントとポリプロピレンセグメントとを有するブロックポリマー、ポリエチレンセグメントとエチレン/プロピレン共重合体セグメントとを有するブロックポリマー、ポリプロピレンセグメントとエチレン/プロピレン共重合体セグメントとを有するブロックポリマーなどが挙げられ、
さらに好ましくは、ポリエチレンセグメントとエチレン/プロピレン共重合体セグメントとを有するブロックポリマー、ポリプロピレンセグメントとエチレン/プロピレン共重合体セグメントとを有するブロックポリマーである。
以下、実施例及び比較例により本発明を説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
[参考例]
(1)固体触媒成分(a)の合成
窒素置換した撹拌機を備えた反応器に、ヘキサン800l、フタル酸ジイソブチル(内部電子供与性化合物(a−3))6.8kg、テトラエトキシシラン(ケイ素化合物(a−4−1))350kgおよびテトラブトキシチタニウム(チタニウム化合物(a−4−2))38.8kgを投入し、撹拌した。次に、前記攪拌混合物に、ブチルマグネシウムクロリド(有機マグネシウム化合物(a−4−3))のジブチルエーテル溶液(濃度2.1mol/l)900lを反応器の温度を7℃に保ちながら5時間かけて滴下した。滴下終了後、20℃で1時間混合物を撹拌したあと濾過し、固体を得た。得られた固体をトルエン1100lでの洗浄を3回繰り返し、得られるスラリーの全体積が625lとなるようにトルエンを加えた。その後、得られたスラリーを、攪拌下70℃で1時間加熱処理し、室温まで冷却し、固体物質のスラリーを得た。
該スラリーの一部を減圧乾燥して得た乾燥固体物質(チタニウム原子とマグネシウム原子を含む固体成分(a−4))の組成分析を行ったところ固体物質中にはチタニウム原子が2.1重量%、エトキシ基が38.9重量%、ブトキシ基が3.4重量%含有されていた(乾燥固体物質を100重量%とする)。また、この固体物質中のチタニウム原子の原子価は3価であった。
撹拌機、滴下ロート、温度計を備えた100mlのフラスコを窒素で置換したのち、上記で得た固体物質(チタニウム原子とマグネシウム原子を含む固体成分(a−4))のスラリーを、乾燥固体物質8gを含む量を投入し、スラリーの全体積が26.5mlとなるように上澄み液を抜き取った。40℃で四塩化チタニウム(ハロゲン化金属化合物(a−5))16.0ml、ジブチルエーテル(内部電子供与性化合物(a−3))0.8mlの混合物を投入し、さらにフタル酸クロライド(内部電子供与性化合物(a−3))2.0mlとトルエン2.0mlの混合物を5分間で滴下した。滴下終了後、反応混合物を115℃で4時間攪拌した。その後、同温度で固液分離し、固体成分を得た。
該固体成分を115℃でトルエン40mlで3回洗浄を行った。
該洗浄された固体成分に、スラリーの体積が26.5mlとなるようにトルエンを加えた。そこへジブチルエーテル(内部電子供与性化合物(a−3))0.8ml、フタル酸ジイソブチル(内部電子供与性化合物(a−3))0.45mlと、四塩化チタニウム(ハロゲン化金属化合物(a−5))6.4mlの混合物を投入し、105℃で1時間攪拌した。その後、同温度で固液分離し、固体成分を得た。
該固体成分を105℃でトルエン40mlで2回洗浄を行った
該洗浄された固体成分に、スラリーの体積が26.5mlとなるようにトルエンを加え105℃とした。そこへジブチルエーテル(内部電子供与性化合物(a−3))0.8ml、四塩化チタニウム(ハロゲン化金属化合物(a−5))6.4mlの混合物を投入し、105℃で1時間攪拌した。その後、同温度で固液分離し、固体成分を得た。
該固体成分を105℃でトルエン40mlで2回洗浄を行った。
該洗浄された固体成分に、スラリーの体積が26.5mlとなるようにトルエンを加え105℃とした。そこへジブチルエーテル(内部電子供与性化合物(a−3))0.8ml、四塩化チタニウム(ハロゲン化金属化合物(a−5))6.4mlの混合物を投入し、105℃で1時間攪拌した。その後、同温度で固液分離し、固体成分を得た。
該固体成分を105℃でトルエン40mlで6回洗浄し、室温でヘキサン40mlで3回洗浄を行った。これを減圧乾燥して固体触媒成分を得た。
(2)遷移金属化合物(d)の合成
(2−1)
本実施例および比較例において用いた下記に示される遷移金属化合物(d−1)は、米国特許出願公開第2004/0220050号明細書に記載の方法により合成した。

Figure 2012236994
(2−2)
本実施例および比較例において用いた下記に示される遷移金属化合物(d−2)は、以下の方法により合成した。

Figure 2012236994
(i)4-tert-ブチル-2-(3, 5-ジメチル-1-アダマンチル)フェノールの合成
窒素置換した50 mLシュレンクに、4-tert-ブチルフェノール3.3 g(22 mmol)、3,5-ジメチル-1-アダマンタノール 4.0 g(22 mmol)およびジクロロメタン20 mLを加え、氷浴で0℃まで冷却した。ここに硫酸 1.2 mL(22 mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応溶液を炭酸水素ナトリウム水溶液に注いだ。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で揮発成分を留去した。得られた白色固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル:ヘキサン=1:10)で精製することで4-tert-ブチル-2-(3, 5-ジメチル-1-アダマンチル)フェノール 4.0 g(収率 59%)を白色固体として得た。1H-NMR (400 MHz,δ, ppm, CDCl3)
0.874 (s, 6H), 1.20 (s, 2H), 1.29 (s, 9H), 1.35〜1.45 (m, 4H), 1.70〜1.78 (m, 4H), 1.95 (m,2H), 2.17 (m, 1H), 4.56 (s, 1H), 6.56 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.06 (dd, J = 2 Hz, 8 Hz, 1H), 7.2〜7.3 (5H), 7.24 (d, J = 2 Hz, 1H).
(ii)4-tert-ブチル-6-(3, 5-ジメチル-1-アダマンチル)-2-ヒドロキシメチルフェノールの合成
窒素置換した100 mL二口フラスコに、4-tert-ブチル-2-(3, 5-ジメチル-1-アダマンチル)フェノール4.0 g(13 mmol)、塩化マグネシウム4.8 g(50 mmol)、パラホルムアルデヒド2.1 g(70 mmol)およびテトラヒドロフラン50 mLを加えた。ここにトリエチルアミン6.7 mL(48 mmol)を加え、3時間加熱還流した。反応溶液を室温まで放冷した後、不溶物を濾過した。濾液から減圧下で揮発成分を留去した後、残渣に酢酸エチルおよび水を加えた。有機層を1 M HCl、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。減圧下で溶媒を留去することで、5-tert-ブチル-3-(3, 5-ジメチル-1-アダマンチル)サリチルアルデヒド(収率96%)を含む混合物4.2 gを得た。
1H-NMR (400 MHz,δ, ppm, CDCl3)
0.874 (s, 6H), 1.2〜2.2 (m, 22H), 7.32 (d, J = 2 Hz, 1H), 7.53 (d, J = 2 Hz, 1H), 9.85 (s, 1H), 11.7 (s, 1H).
窒素置換した100 mLフラスコに、上記混合物 4.2 gとテトラヒドロフラン20 mLおよびメタノール20 mLとを加え、氷冷した。ここに水素化ホウ素ナトリウム 490 mg(13 mmol)をゆっくり加え、室温まで昇温後、1時間撹拌した。反応溶液から減圧下で揮発成分を留去した後、水および酢酸エチルを加えた。有機層を1 M HCl、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた無色オイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル:へキサン=1:10〜1:5)で精製することで4-tert-ブチル-6-(3, 5-ジメチル-1-アダマンチル)-2-ヒドロキシメチルフェノール3.4 g(収率81%)を白色固体として得た。
1H-NMR (400 MHz,δ, ppm, CDCl3)
0.875 (s, 6H), 1.2〜2.2 (m, 23H), 4.85 (d, J = 5 Hz, 2H), 6.88 (d, J = 2 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 2 Hz, 1H), 7.55 (s, 1H).
(iii)臭化 5-tert-ブチル-3-(3, 5-ジメチル-1-アダマンチル)-2-ヒドロキシベンジルの合成 窒素置換した200 mLフラスコに、4-tert-ブチル-6-(3, 5-ジメチル-1-アダマンチル)-2-ヒドロキシメチルフェノール3.4 g(9.9 mmol)とジクロロメタン20 mLを加えた。ここに、三臭化リン6.6 mL(1.0 M ジクロロメタン溶液, 6.6 mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応溶液に水を加え、有機層をさらに水で2回洗浄した後、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で揮発成分を留去することで、臭化 5-tert-ブチル-3-(3, 5-ジメチル-1-アダマンチル)-2-ヒドロキシベンジル3.95 g(収率98%)を白色固体として得た。
1H-NMR (400 MHz,δ, ppm, CDCl3)
0.882 (s, 6H), 1.22 (s, 2H), 1.28 (s, 9H), 1.35〜1.45 (m, 4H), 1.70〜1.78 (m, 4H), 1.96 (m,2H), 2.19 (m, 1H), 4.57 (s, 1H), 7.08 (d, J = 2 Hz, 1H), 7.27 (d, J = 2 Hz, 1H).
(iv)trans-1,2-ビス[5-tert-ブチル-3-(3, 5-ジメチル-1-アダマンチル)-2-ヒドロキシベンジルスルファニル]シクロオクタンの合成 窒素置換した50 mLシュレンクに、臭化 5-tert-ブチル-3-(3, 5-ジメチル-1-アダマンチル)-2-ヒドロキシベンジル1.0 g(2.5 mmol)、trans-シクロオクタン-1,2-ジチオール 0.18 g(1.0 mmol)およびテトラヒドロフラン 7 mLを加え、氷冷した。ここに、トリエチルアミン 0.7 mL(5.0 mmol)を加え、0℃で1時間、室温で2時間撹拌した。さらに臭化 5-tert-ブチル-3-(3, 5-ジメチル-1-アダマンチル)-2-ヒドロキシベンジル0.05 g(0.013 mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応溶液から減圧下で揮発成分を留去した後、酢酸エチルおよび塩化アンモニウム水溶液を加えた。有機層を水、飽和食塩水の順で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル:へキサン=1:10)で精製することで、trans-1,2-ビス[5-tert-ブチル-3-(3, 5-ジメチル-1-アダマンチル)-2-ヒドロキシベンジルスルファニル]シクロオクタン1.0 g(収率>99%)を白色固体として得た。
1H-NMR (400 MHz,δ, ppm, CDCl3)
0.88 (s, 12H), 1.2〜2.2 (m, 56H), 2.59 (m, 2H), 3.77 (d, J = 14 Hz, 2H), 3.87 (d, J = 14 Hz, 2H), 6.89 (d, J = 2 Hz, 2H), 7.19 (d, J = 2 Hz, 2H).
(v){シクロオクタンジイル−trans-1,2-ビス[5-tert-ブチル-3- (3, 5-ジメチル-1-アダマンチル) -2-ヒドロキシベンジルスルファニル]}ジクロロハフニウムの合成
窒素雰囲気下のグローブボックス中、50 mLシュレンク管でtrans-1,2-ビス(5-tert-ブチル-3-(3, 5-ジメチル-1-アダマンチル)-2-ヒドロキシベンジルスルファニル)シクロオクタン 83 mg(0.10 mmol)のトルエン(1 mL)溶液に、ジクロロ{1,1’-オキシビス[エタン][ビス(フェニルメチル)ハフニウム]}51 mg(0.10 mmol)のトルエン(1 mL)溶液を室温で滴下した。1.5時間後、減圧下で揮発成分を留去した。得られた残渣をペンタンで洗浄し、減圧下で乾燥することで、{シクロオクタンジイル−trans-1,2-ビス[5-tert-ブチル-3- (3, 5-ジメチル-1-アダマンチル) -2-ヒドロキシベンジルスルファニル]}ジクロロハフニウム 55 mg (収率51%)を白色粉末として得た。
1H-NMR (400 MHz,δ, ppm, CDCl3)
0.901 (s, 12H), 1.0〜2.4 (m, 56H), 2.58 (brs, 2H), 3.88 (d, J = 14 Hz, 2H), 4.54 (d, J = 14 Hz, 2H), 6.85 (d, J = 2 Hz, 2H), 7.37 (d, J = 2 Hz, 2H).
本実施例で示す物性値は以下の方法で求めた。
(3)極限粘度[単位:dl/g]
ウベローデ型粘度計を用いて、テトラリン溶媒及び温度135℃の条件で、濃度0.1、0.2、及び0.5g/dlの3点について還元粘度を測定した。次に、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版会社刊)第491頁に記載の計算法に従い、還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって極限粘度を求めた。
(4)平均分子量および分子量分布[単位:g/mol]
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、下記の条件で測定した。検量線は標準ポリスチレンを用いて作成した。分子量分布は重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で表した。
機種: ミリポアウオーターズ社製 150C型
カラム: TSK−GEL GMH−HT 7.5×600×2本
測定温度:140℃,152℃
溶媒: オルトジクロロベンゼン、
測定濃度:5mg/5mL
(5)ガラス転移温度(T)、結晶化温度(T)、融解温度(T)[単位:℃]、および融解熱量(ΔH)[単位:J/g]
熱分析装置 示差走査熱量計(TA Instruments社製 Q100)を用い下記の方法で測定した。
1)等温保持 220℃ 5分間
2)測定 220℃〜−90℃(10℃/分)・・・(T
3)測定 −90℃〜220℃(10℃/分)・・・(T)、(ΔH)
4)冷却 220℃〜−90℃(10℃/分)
5)等温保持 −90℃ 5分間
6)測定 −90℃〜60℃(2℃/分)・・・(T
(変調振幅±0.16℃、変調周期30秒)
(6)ポリマー中のエチレン由来の構成単位含量[単位:wt%]
赤外分光光度計(日本分光(JASCO) FT−IR−470)を用いて、赤外分光法により求めた。
または核磁気共鳴分光器(NMR)を用い、以下の測定条件の13C−NMRスペクトルから求めた。
装置 :Bruker社製 AVANCE600 10mmクライオプローブ
測定溶媒:1,2−ジクロロベンゼン/1,2−ジクロロベンゼン−d=75/25(容積比)の混合液
測定温度:130℃
測定方法:プロトンデカップリング法
パルス幅:45度
パルス繰り返し時間:4秒
化学シフト値基準:テトラメチルシラン
(7)オレフィンブロックポリマーの解析
化学的または物理的性質の異なるセグメント(A)とセグメント(B)が化学的に結合したオレフィンブロックポリマーは、該ブロックポリマーの溶媒抽出時における抽出成分量もしくは残留成分量が、該セグメントと同じ組成の重合体の溶媒抽出時における抽出成分量もしくは残留成分量とは異なる。これを利用して、ブロックポリマーの生成を確認することができる。
例えば、プロピレンのみを重合して形成された、結晶性のアイソタクチック構造を有するプロピレンセグメント(以下、PPセグメント)と、エチレンおよびプロピレンをランダム共重合して形成された、非晶性のエチレンプロピレンセグメント(以下、EPセグメント)の2つのセグメントを含むブロックポリマーについて説明する。本来、エチレンおよびプロピレンをランダム共重合して形成された、非晶性のエチレンプロピレン共重合体は、ほぼすべてキシレン可溶成分(以下、CXS)として抽出される。しかし前記ブロックポリマーでは、EPセグメントに対して化学的に連結したPPセグメントの性質によって、EPセグメントの一部がキシレン不溶成分(以下、CXIS)として残留成分に存在する。
したがって、オレフィンブロックポリマーに含まれるEPセグメントの平均分子量、分子量分布、組成、PPセグメントに対する割合などを揃えることで、CXIS成分のEPセグメント含量をもって、ブロックポリマーの生成量を相対的に評価できる。
[実施例1]
(1)プロピレン(前段)とエチレン/プロピレン(後段)の多段重合
前段〈工程A〉:内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブを十分乾燥した後、これを真空にした。トルエン800mL、プロピレン100gを加えた後、80℃に昇温した。次いで、オートクレーブの加圧投入器からトリエチルアルミニウム(有機アルミニウム化合物(b))1.00mmolをオートクレーブに加え、次いでジエチル亜鉛(有機金属化合物(C))1.00mmolをオートクレーブに加え、次いで、トリエチルアルミニウム(有機アルミニウム化合物(b))1.00mmol、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン(外部電子供与性化合物(c))0.20mmol、および参考例(1)で合成した固体触媒成分(a)8.9mgを加圧投入器内で接触させた後にオートクレーブに加え、80℃で30分重合を行った。重合反応終了後、未反応モノマーをパージし、アルゴン2.0MPaを加え、再びパージする操作を2回繰り返した。
後段〈工程B〉:オートクレーブ内をアルゴン雰囲気に保ったまま室温に冷却した後、再びプロピレン100gを加え50℃に昇温し、さらにエチレンを分圧で0.2MPa分加えた。次いで、加圧投入器から遷移金属化合物(d−1)のトルエン溶液1.50mL(1.0mM、1.5μmol)をオートクレーブに加え、次いで、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(活性化剤(e))のトルエン溶液0.75mL(4.0mM、3.0μmol)をオートクレーブに加え、50℃で30分重合を行った。少量のエタノールを加えて反応を停止させ、未反応モノマーをパージして、オートクレーブを開放した後、大量のエタノールを加えて析出した固体を十分に減圧乾燥し、塊状のポリマーを46.0g得た。
(2)プロピレンの単段重合
前段〈工程A〉において、重合反応終了後にアルゴン置換を行わず、少量のエタノールを加えて反応を停止させ、未反応モノマーをパージして、オートクレーブを開放した後、大量のエタノールを加えて析出した固体を十分に減圧乾燥し、後段〈工程B〉は実施しなかったこと以外は実施例1(1)と同様に行い、塊状のポリマーを18.0g得た。
(3)ポリマーの溶媒分別
内容積1リットルのナス型フラスコに実施例1(1)で得たポリマー2.00gと、キシレン1.00Lを加え、還流管を取り付けた後、オイルバス中140℃で3時間攪拌した。得られた均一溶液を氷冷した後、室温で2時間攪拌した。次いで、析出物を濾過、濾液を濃縮乾固した後に、各々減圧乾燥することで、CXIS成分を1.26g、CXS成分を0.56g得た。
(4)各ポリマーの構造解析
実施例1(1)で得られたポリマー(表ではWholeと記載した)、実施例1(2)で得られたポリマー(表ではPPと記載した)、実施例1(3)で得られたポリマーのCXS成分(表ではCXSと記載した)およびポリマーのCXIS成分(表ではCXISと記載した)について、それぞれ極限粘度[η]、Mn、Mw、Mw/Mn、Tm、Tc、Tg、ΔH、エチレン由来の構成単位含量、EPセグメント含量を表1にまとめた。
Figure 2012236994
※CXS成分のEPセグメント含量:CXS成分が全てEPセグメント成分と近似した。
※CXIS成分のEPセグメント含量:CXSおよびCXIS両成分中のEPセグメント組成が同一と近似して下記式(X)で算出した。
CXIS成分のエチレン由来の構成単位含量/CXS成分のエチレン由来の構成単位含量=CXIS成分のEPセグメント含量 (X)
[比較例1]
(1)プロピレン(前段)とエチレン/プロピレン(後段)の多段重合
ジエチル亜鉛(有機金属化合物(C))を添加しなかったこと以外は、実施例1(1)と同様に行い、塊状のポリマーを36.4g得た。
(2)プロピレンの単段重合
前段〈工程A〉において、重合反応終了後にアルゴン置換を行わず、少量のエタノールを加えて反応を停止させ、未反応モノマーをパージして、オートクレーブを開放した後、大量のエタノールを加えて析出した固体を十分に減圧乾燥し、後段〈工程B〉は実施しなかったこと以外は比較例1(1)と同様に行い、塊状のポリマーを19.0g得た。
(3)ポリマーの溶媒分別
比較例1(1)で得たポリマーを用いたこと以外は、実施例1(3)と同様に行い、CXIS成分を1.48g、CXS成分を0.52g得た。
(4)各ポリマーの構造解析
比較例1(1)で得られたポリマー(表ではWholeと記載した)、比較例1(2)で得られたポリマー(表ではPPと記載した)、比較例1(3)で得られたポリマーのCXS成分(表ではCXSと記載した)およびポリマーのCXIS成分(表ではCXISと記載した)について、それぞれ極限粘度[η]、Mn、Mw、Mw/Mn、Tm、Tc、Tg、ΔH、エチレン由来の構成単位含量、EPセグメント含量を表2にまとめた。
Figure 2012236994
※CXS成分のEPセグメント含量:CXS成分が全てEPセグメント成分と近似した。
※CXIS成分のEPセグメント含量:CXSおよびCXIS両成分中のEPセグメント組成が同一と近似して下記式(X)で算出した。
CXIS成分のエチレン由来の構成単位含量/CXS成分のエチレン由来の構成単位含量=CXIS成分のEPセグメント含量 (X)
[比較例2]
(1)プロピレン(前段)とエチレン/プロピレン(後段)の多段重合
前段〈工程B〉:内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブを十分乾燥した後、これを真空にした。トルエン800mL、プロピレン100gを加えた後、50℃に昇温した。次いで、オートクレーブの加圧投入器からトリイソブチルアルミニウム(有機アルミニウム化合物(b))0.75mmolをオートクレーブに加え、次いでジエチル亜鉛(有機金属化合物(C))0.15mmolをオートクレーブに加え、次いで、遷移金属化合物(d−1)のトルエン溶液1.50mL(1.0mM、1.5μmol)をオートクレーブに加え、次いで、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(活性化剤(e))のトルエン溶液0.75mL(4.0mM、3.0μmol)をオートクレーブに加え、50℃で30分重合を行った。重合反応終了後、未反応モノマーをパージし、アルゴン2.0MPaを加え、再びパージする操作を2回繰り返した。
後段〈工程B〉:実施例1(1)の〈工程B〉と同様に行い、塊状のポリマーを153g得た。
(2)プロピレンの単段重合
前段の〈工程B〉において、重合反応終了後にアルゴン置換を行わず、少量のエタノールを加えて反応を停止させ、未反応モノマーをパージして、オートクレーブを開放した後、大量のエタノールを加えて析出した固体を十分に減圧乾燥し、後段の〈工程B〉は実施しなかったこと以外は比較例2(1)と同様に行い、塊状のポリマーを49.0g得た。
(3)ポリマーの溶媒分別
比較例2(1)で得られたポリマーを用いたこと以外は、実施例1(3)と同様に行い、CXIS成分を1.66g、CXS成分を0.20g得た。
(4)各ポリマーの構造解析
比較例2(1)で得られたポリマー(表ではWholeと記載した)、比較例2(2)で得られたポリマー(表ではPPと記載した)、比較例2(3)で得られたポリマーのCXS成分(表ではCXSと記載した)およびポリマーのCXIS成分(表ではCXISと記載した)について、それぞれ極限粘度[η]、Mn、Mw、Mw/Mn、Tm、Tc、Tg、ΔH、エチレン由来の構成単位含量、EPセグメント含量を表3にまとめた。
Figure 2012236994
※CXS成分のEPセグメント含量:CXS成分が全てEPセグメント成分と近似した。
※CXIS成分のEPセグメント含量:CXSおよびCXIS両成分中のEPセグメント組成が同一と近似して下記式(X)で算出した。
CXIS成分のエチレン由来の構成単位含量/CXS成分のエチレン由来の構成単位含量=CXIS成分のEPセグメント含量 (X)
[実施例2]
(1)プロピレン(前段)とエチレン/プロピレン(後段)の多段重合
前段〈工程A〉:内容積0.4リットルの撹拌機付きオートクレーブを十分乾燥した後、トルエン160mL、プロピレン20gを加えた後、80℃に昇温した。次いで、オートクレーブの加圧投入器からトリエチルアルミニウム(有機アルミニウム化合物(b))0.20mmolをオートクレーブに加え、次いでジエチル亜鉛(有機金属化合物(C))0.10mmolをオートクレーブに加え、次いで、トリエチルアルミニウム(有機アルミニウム化合物(b))0.20mmol、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン(外部電子供与性化合物(c))0.10mmol、および参考例(1)で合成した固体触媒成分(a)1.8mgを加圧投入器内で接触させた後にオートクレーブに加え、80℃で30分重合を行った。重合反応終了後、未反応モノマーをパージし、アルゴン2.0MPaを加え、再びパージする操作を2回繰り返した。
後段〈工程B〉:オートクレーブ内をアルゴン雰囲気に保ったまま室温に冷却した後、再びプロピレン20gを加え50℃に昇温し、さらにエチレンを分圧で0.8MPa分加えた。次いで、加圧投入器から遷移金属化合物(d−2)のトルエン溶液5.00mL(1.0mM、5.0μmol)をオートクレーブに加え、次いで、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(活性化剤(e))のトルエン溶液2.50mL(4.0mM、10.0μmol)をオートクレーブに加え、50℃で15分重合を行った。少量のエタノールを加えて反応を停止させ、未反応モノマーをパージして、オートクレーブを開放した後、大量のエタノールを加えて析出した固体を十分に減圧乾燥し、塊状のポリマーを18.8g得た。
(2)プロピレンの単段重合
前段〈工程A〉において、重合反応終了後にアルゴン置換を行わず、少量のエタノールを加えて反応を停止させ、未反応モノマーをパージして、オートクレーブを開放した後、大量のエタノールを加えて析出した固体を十分に減圧乾燥し、後段〈工程B〉は実施しなかったこと以外は実施例2(1)と同様に行い、塊状のポリマーを4.3g得た。
(3)ポリマーの溶媒分別
実施例2(1)で重合したポリマーを用いたこと以外は、実施例1(3)と同様に行い、CXIS成分を0.93g、CXS成分を1.07g得た。
(4)各ポリマーの構造解析
実施例2(1)で得られたポリマー(表ではWholeと記載した)、実施例2(2)で得られたポリマー(表ではPPと記載した)、実施例2(3)で得られたポリマーのCXS成分(表ではCXSと記載した)およびポリマーのCXIS成分(表ではCXISと記載した)について、それぞれ極限粘度[η]、Mn、Mw、Mw/Mn、Tm、Tc、Tg、ΔH、エチレン由来の構成単位含量、EPセグメント含量を表4にまとめた。
Figure 2012236994
※CXS成分のEPセグメント含量:CXS成分が全てEPセグメント成分と近似した。
※CXIS成分のEPセグメント含量:CXSおよびCXIS両成分中のEPセグメント組成が同一と近似して下記式(X)で算出した。
CXIS成分のエチレン由来の構成単位含量/CXS成分のエチレン由来の構成単位含量=CXIS成分のEPセグメント含量 (X)
[比較例3]
(1)プロピレン(前段)とエチレン/プロピレン(後段)の多段重合
遷移金属化合物(d−2)および活性化剤(e)を加えなかったこと以外は実施例2(1)と同様に行い、塊状のポリマーを8.6g得た。
(2)プロピレンの単段重合
前段〈工程A〉において、重合反応終了後にアルゴン置換を行わず、少量のエタノールを加えて反応を停止させ、未反応モノマーをパージして、オートクレーブを開放した後、大量のエタノールを加えて析出した固体を十分に減圧乾燥し、後段〈工程B〉は実施しなかったこと以外は実施例2(1)と同様に行い、塊状のポリマーを4.3g得た。
(3)多段重合ポリマーの溶媒分別
比較例3(1)で得られたポリマーを用いたこと以外は、実施例1(3)と同様に行い、CXIS成分を1.23g、CXS成分を0.77g得た。
(4)各ポリマーの構造解析
比較例3(1)で得られたポリマー(表ではWholeと記載した)、比較例3(2)で得られたポリマー(表ではPPと記載した)、比較例3(3)で得られたポリマーのCXS成分(表ではCXSと記載した)およびポリマーのCXIS成分(表ではCXISと記載した)について、それぞれ極限粘度[η]、Mn、Mw、Mw/Mn、Tm、Tc、Tg、ΔH、エチレン由来の構成単位含量、EPセグメント含量を表5にまとめた。
Figure 2012236994
※CXS成分のEPセグメント含量:CXS成分が全てEPセグメント成分と近似した。
※CXIS成分のEPセグメント含量:CXSおよびCXIS両成分中のEPセグメント組成が同一と近似して下記式(X)で算出した。
CXIS成分のエチレン由来の構成単位含量/CXS成分のエチレン由来の構成単位含量=CXIS成分のEPセグメント含量 (X)
実施例1(1)で得られたポリマーは、比較例1(1)、比較例2(1)で得られたポリマーに対して、そのCXIS成分中のEPセグメント含量が約2倍である。また実施例2(1)で得られたポリマーは、比較例3(1)で得られたポリマーに対して、そのCXIS成分中のEPセグメント含量が増加している。これは、本来CXS成分として抽出されるべき非晶性のEPセグメントが、該EPセグメントと化学的に連結した結晶性のPPセグメントの性質によって、不溶成分としてCXIS成分中により多く存在していることを表す。すなわち、実施例1(1)で得られたポリマーは、比較例1(1)、比較例2(1)で得られたポリマーに比べて、オレフィンブロックポリマーの生成効率が高いことを示している。また実施例2(1)で得られたポリマーは、比較例3(1)で得られたポリマーに比べて、オレフィンブロックポリマーの生成効率が高いことを示している。
本発明に係るオレフィンブロックポリマーの製造方法によれば、高い生産性でオレフィンブロックポリマーを製造することができるので、この方法は工業的に極めて価値が高い。

Claims (14)

  1. オレフィンブロックポリマーの製造方法であって、該方法が、重合触媒(A)と、重合触媒(B)と、ホウ素原子およびアルミニウム原子を除く元素周期律表第2族、第12族および、第13族の原子から選ばれる原子を含む有機金属化合物(C)とを用いて、オレフィンを重合することを含み、重合触媒(A)は、チタニウム原子、マグネシウム原子及びハロゲン原子を有する固体触媒成分(a)、および有機アルミニウム化合物(b)を接触させて形成された触媒であり、重合触媒(B)は元素周期律表のランタノイドおよびアクチノイドを含む第3〜11族の原子から選ばれる原子を含む遷移金属化合物(d)および活性化剤(e)を接触させて形成された触媒である方法。
  2. 遷移金属化合物(d)として式(d)で表される化合物を用いる請求項1に記載の方法。
    Figure 2012236994
    Mは、元素周期律表のランタノイドおよびアクチノイドを含む第3〜11族の遷移金属原子を表し、
    Lは、水素原子を除いて70個までの原子を含有し、共役系π電子を介してMに結合するπ電子共役系アニオン性基であり、
    Xは、水素原子を除いて70個までの原子を含有する非共役系アニオン性基であり、
    Eは、1つ以上の非共有電子対を介してMに結合する中性ルイス塩基性配位子であって、水素原子を除いて70個までの原子を含有する配位子であり、
    aは0〜6の整数であり、bは0〜8の整数であり、cは0〜9の整数であり、nは1〜4の整数であり、nが2以上の場合、複数のMは互いに同一でも異なっていてもよく、aが2以上の場合、複数のLは互いに同一でも異なっていてもよく、bが2以上の場合、複数のXは互いに同一でも異なっていてもよく、cが2以上の場合、複数のEは互いに同一でも異なっていてもよく、M、L、Xの価数がそれぞれm、l、xのとき、m、l、xはm=l×a+x×bの式を満たし、L、X、Eから選ばれる2個以上の基が互いに連結して環を形成していてもよく、aが2以上の場合、L同士が互いに連結して環を形成していてもよく、bが2以上の場合、X同士が互いに連結して環を形成していてもよく、cが2以上の場合、E同士が互いに連結して環を形成していてもよく、nが2以上の場合、L同士が互いに連結して環を形成していてもよく、X同士が互いに連結して環を形成していてもよく、E同士が互いに連結して環を形成していてもよい。
  3. 遷移金属化合物(d)として式(1)に示す化合物を用いる請求項2に記載の方法。
    Figure 2012236994

    (式中、nは1、2または3であり、
    は、チタニウム原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子を表す。
    X1〜RX8は、それぞれ独立して、
    水素原子、
    ハロゲン原子、
    炭素原子数1〜20のアルキル基、
    環を構成する炭素原子数が3〜10のシクロアルキル基、
    炭素原子数2〜20のアルケニル基、
    炭素原子数2〜20のアルキニル基、
    炭素原子数7〜30のアラルキル基、
    炭素原子数6〜30のアリール基、
    炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
    炭素原子数7〜30のアラルキルオキシ基、
    炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、
    置換シリル基、または
    環を構成する炭素原子数が3〜20のヘテロ環式化合物残基を表す。
    X1〜RX8における上記アルキル基、上記シクロアルキル基、上記アルケニル基、上記アルキニル基、上記アラルキル基、上記アリール基、上記アルコキシ基、上記アラルキルオキシ基、上記アリールオキシ基および上記へテロ環式化合物残基はそれぞれ置換基を有していてもよい。
    上記RX1〜RX8の定義に関わらず、RX1とRX2、RX2とRX3、RX3とRX4、RX5とRX6、RX6とRX7、RX7とRX8はそれぞれ相互に連結して環を形成してもよく、これらの環は置換基を有していてもよい。
    は、それぞれ独立して、
    水素原子、
    ハロゲン原子、
    炭素原子数1〜20のアルキル基、
    環を構成する炭素原子数が3〜10のシクロアルキル基、
    炭素原子数2〜20のアルケニル基、
    炭素原子数7〜30のアラルキル基、
    炭素原子数6〜30のアリール基、
    炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
    炭素原子数7〜30のアラルキルオキシ基、
    炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、
    置換シリル基、
    置換アミノ基、
    置換チオラート基、または
    炭素原子数1〜20のカルボキシラート基を表す。
    における上記アルキル基、上記シクロアルキル基、上記アルケニル基、上記アラルキル基、上記アリール基、上記アルコキシ基、上記アラルキルオキシ基、上記アリールオキシ基および上記カルボキシラート基はそれぞれ置換基を有していてもよい。
    同士は、相互に連結して環を形成してもよい。
    は中性のルイス塩基を表す。Eが複数ある場合は、複数のEは同一でも異なっていてもよい。xは、0、1、または2である。
  4. 遷移金属化合物(d)として式(2)に示す化合物を用いる請求項2に記載の方法。
    Figure 2012236994

    (式中、M、X、bはそれぞれ前記と同じである。
    は水素原子以外に1〜30個の原子を含有するハイドロカルビル基を表す。
    は水素原子以外に1〜40個の原子を含有する二価の架橋基を表す。
    はルイス塩基性を有する炭素原子数5〜40の複素環式化合物残基を表す。)
  5. 有機金属化合物(C)が有機亜鉛化合物である、請求項1に記載の方法。
  6. 有機亜鉛化合物がジエチル亜鉛である、請求項5に記載の方法。
  7. オレフィンが、エチレンおよび炭素原子数3〜30のα−オレフィンから選ばれる請求項1に記載の方法。
  8. オレフィンが、プロピレンを含む請求項7に記載の方法。
  9. オレフィンが、エチレンとプロピレンを含む請求項7に記載の方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の方法であって、
    重合触媒(A)の存在下、オレフィンを重合する工程〈工程A〉と、重合触媒(B)の存在下、オレフィンを重合する工程〈工程B〉を含む多段重合法であって、〈工程A〉および〈工程B〉から選ばれる1つ以上の工程において、その選ばれた工程の前または最中に有機金属化合物(C)を添加すること、ならびに2番目以降の工程において、その一つ前の工程で製造された重合体の存在下でオレフィンを重合する方法。
  11. 多段重合法が2段重合法である請求項10に記載の方法。
  12. 請求項11に記載の方法であって、プロピレンを単独で重合する工程、およびエチレンとプロピレンとをランダム共重合する工程からなる方法。
  13. 請求項11に記載の方法であって、〈工程A〉においてプロピレン単独重合を行い、〈工程B〉においてエチレンとプロピレンとのランダム共重合を行う方法。
  14. 2段重合の前段が〈工程A〉であり、後段が〈工程B〉である、請求項13に記載の方法。
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