JP2012236008A5 - - Google Patents

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すなわち、本発明は、次の(1)〜(8)に存する。
(1) 内溶液を吐出または塗布する機構を備えた塗布部と、内溶液が充填されている貯蔵体と、内溶液を塗布部へ押出す機構を備えた押出装置とを備え、前記塗布部と貯蔵体には連通された流路が設けられ、前記貯蔵体内の内溶液を押出装置より押出すことで内溶液は塗布部と貯蔵部に連通された流路をとおり塗布部より吐出される塗布具であって、
前記塗布部は、略円錐状に形成された円錐部を有し、該円錐部の同心円上に薄板円盤部を複数枚設置され、該薄板円盤部が塗布先端から後方にむけて、外径が円錐状に設けられると共に、薄板円盤部の略中心部は、略円錐又は略円筒で連結され、塗布部前後方向に複数の溝が設けられており、前記略円錐又は略円筒には内部に流路と連通する液流通路が設けられ、かつ、略円錐又は略円筒の外側には前記液流通路と前記溝とを連通するスリットが設けられていることを特徴とする塗布具。
(2) 内溶液を吐出または塗布する機構を備えた塗布部と、内溶液が充填されている貯蔵体と、内溶液を塗布部へ押出す機構を備えた押出装置とを備え、前記塗布部と貯蔵体には連通された流路が設けられ、前記貯蔵体内の内溶液を押出装置より押出すことで内溶液は塗布部と貯蔵部に連通された流路をとおり塗布部より吐出される塗布具であって、
前記塗布部は、略円錐状に形成された円錐部を有し、前記略円錐又は略円筒には内部に流路と連通する液流通路が設けられ、かつ、略円錐又は略円筒の外側には前記液流通路と連通するスリットが設けられていることを特徴とする塗布具。
(3) 前記塗布部の表面には、静電植毛処理がなされていることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の塗布具。
(4) 前記塗布部が、ゴムまたはエラストマーからなるゴム弾性を有する材料であることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の塗布具。
(5) 前記複数の溝は、幅0.1〜1mm、深さ0.05〜2mmの溝が設けられていることを特徴とする上記(1)に記載の塗布具。
(6) 前記塗布部の表面には、静電植毛処理がなされ、繊維径0.05〜0.7mm、繊維長さ0.05〜1mmの繊維を接着したことを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか一つに記載の塗布具。
(7) 先軸に塗布具を装着したとき、塗布具のスリットが先軸の外側に形成されることを特徴とする(1)〜(6)の何れか一つに記載の塗布具。
(8) 前記スリット1箇所あたりの開口面積は0.5〜2.0mm であることを特徴とする(1)〜(7)の何れか一つに記載の塗布具。
以下に、本発明の実施形態において図面を参照しながら、詳述する。
本発明の第1の実施形態に係る塗布具は、液押圧機構となる押出装置が回転式繰出タイプとなる塗布具であり、図1に示すように、内溶液(本実施形態では、「液体化粧料」、以下同様)を吐出または塗布する機構を備えた塗布部30と、内溶液が充填されている貯蔵体(「貯留体」とも称する)11と、内溶液を塗布部30へ押出す機構を備えた押出装置10とを備え、前記塗布部30と貯蔵体11には連通された流路21が設けられており、前記貯蔵体11内の内溶液を押出装置10より押出すことで内溶液は塗布部30と貯蔵11に連通された流路21をとおり塗布部30より吐出されるものである。
押出装置10は、軸本体12後端部に配設された繰り出し部材13を軸本体12に対して周方向に相対回転させることにより容器(貯体)11内の内溶液を繰り出すことにより塗布部30に供給される構成となっている。
この塗布具の押出装置10は、軸本体12の後端に回転可能に嵌合された繰り出し部材13と、使用者による繰り出し部材13の回転の力をネジ棒14に伝える駆動筒15と、軸本体12に固定してネジ棒14が螺合するネジ体16と、先端にピストン体17が回転可能に係合したネジ棒14と、軸本体12の貯体11内を摺動するピストン体17とを有する。前記駆動筒15を介して繰り出し部材13の回転をネジ棒14に伝え、該ネジ棒14の回転によってナット状のネジ体16の雌ネジを介して該ネジ棒14及びピストン体17が前進して貯体11内から前記内溶液を塗布部30へ繰出す構造になっている。
繰り出し部材13は、図1に示すように、後端に天冠13aが嵌入することによって閉じられた筒状を呈する操作部が軸本体12後端部に回動可能に嵌め込まれかつ露出しているものである。駆動筒15が繰り出し部材13内に嵌入して回転方向に固定されており、この駆動筒15内に回転方向固定かつ軸方向への相対移動可能(ネジ体は動かない)にネジ体16が装着されている。13bは、スプリング部材であり、回転体となる繰り出し部材13を後方に付勢するものである(図1の矢印10の下にあるカム体と呼ばれるものを前方付勢するものである)。
この塗布具において、軸本体12の前端部12aには、シール部18、継手部材19、先軸20、塗布部30が嵌入により取り付けられる。軸本体12の貯体11には、内溶液が収容され、その貯体11から繰出された内溶液は継手部材19内の流路21をとおり塗布部30に吐出されて塗布可能になる。また、使用後にキャップ40を塗布部30及び先軸20を覆うように先軸20に装着(嵌着)できるよう形成されている。
また、図1において、図示符号22は、貯蔵体11内の塗布液を往復動によって攪拌する攪拌ボールである。また、41はキャップ40内のインナーキャップ、42はインナーキャップ後方付勢用のスプリングである。
更に、図示符号23は、未使用時における塗布部30に向かう塗布液の流通路を閉鎖する位置にシール部18、継手部材19、先軸20、塗布部30を位置させるため、前記先軸20後端と軸本体12前端部12aの段状箇所前面との間にリング状部が装着されたストッパーである。このストッパー23は、リング状部の一部が切り離され、その切り離された箇所の反対側に摘み片が一体形成され、摘み片を引くことによって、リング状部が切り離し箇所から拡径して前記先軸20後端と軸本体12の前端部12aとの間から取り外せるものになっている。
図1に示すように、未使用時では図示されないシールボールがシールボール受け部となるシール部18の内径部に嵌入して密封しており塗布部30側に内溶液が流れ込まないようになっている。一方、使用時は、ユーザーがストッパー23を軸本体12から引き抜き、先軸20を後端側に押し込むことにより、継手部材19の後端細径部が図示されないシールボールに突き当たってシールボールがシール部18の内径部から外されて前記貯体11内に入り込み、当該貯体11内の内溶液が継手部材19の内径部から塗布部30の液流路34内に流入して、塗布部30にその内部から供給されて、対象部に塗布可能になる。
本発明の塗布具の貯蔵体11内に収容する内溶液としては、塗布具の形態により各種の内溶液を用いることができ、液体化粧料の他、筆記具用のインクなどを用いることができ、その組成等などは特に限定されるものでない。
本実施形態では、内溶液として、少なくとも、カーボンブラックと、水と、皮膜形成性樹脂からなる分散剤0.5〜5質量%と、皮膜形成剤2〜15質量%(固形分換算)と、界面活性剤0.5重量%以下とを含有し、かつ、ELD型粘度計による温度25℃、ずり速度3.83S−1での粘度が2〜8mPa・sの範囲となる液体化粧料を用いるものである。
このように構成される本実施形態の塗布具は、押出装置10にて貯体11内から押出された内溶液となる液体化粧料等は継手部材19内部の流路21を通過し、塗布部30の液流通路34へ進入し、塗布部30のスリット35から溝33に吐出されるものとなる。
その後、内溶液は毛細管力の働きにより、先端部31a,各薄板円盤部32a、32b…32i間の隙間へ保持されることとなる。これと同時に、保持された内溶液は毛細管力の働きにより、連通した外側面に設置された溝33に進入し、塗布部30において先端部31aに設けた溝33の先端まで到達する。この結果、先端に到達した内溶液を被塗布面に塗布することで塗布が可能となり、更に塗布し続けることで、薄円盤部32a、32b…32i間等に貯蔵された内溶液が毛細管力の働きにより塗布具先端に移動し、一動作にて満足できる塗布距離を達成することとなる。また、この塗布部は筆の持つしなやかさと、肌への塗布に好適であり、しかも、描線の細さや自由度、液体化粧料等の内溶液の保持作用に優れ、薄円盤部32a、32b…32i間等に内溶液を十分に保持できるので、従来に較べ満足のいく塗布距離とすることができると共に、一体成形できるので、ペン芯と同様に安価に製造することができる塗布具が得られるものとなる。
また、塗布部の材料に、上記ゴムやエラストマー等の軟質プラスチック材料を採用することで、塗布時のタワミにて毛細管力を促すこととなる。更に、円錐部31の外径、薄円盤部32a、32b…32i間の個数、大きさ、溝の幅、深さ、個数、スリット幅を適宜調整することにより、吐出量、保持する内溶液量、塗布距離、塗布量及びその塗布幅などを好適に調整することができるものとなる。
図6及び図7は、第2の実施形態の塗布部30Aを示したものである。第1の実施形態の塗布部との差異は、先方側の円錐部31Aに薄板円板部が形成されておらず全体の外周面に繊維毛70が静電植毛加工によって形成され、また、外周面から内部の液流通路に向けてスリット35Aが貫通して、塗布部30A先端の円錐部31Aが形成されていることである。また、塗布部30Aの後部が先軸20で覆われているが、円錐部31Aにスリット35Aが先軸20よりも先方外側に形成されている。その他は図1〜図5に示す第1の実施形態の塗布具に用いた塗布部30と同様であり、同様部分に同一の符号を付している。
この第2の実施形態に係る塗布部30Aにおいて、第1の実施形態に係る塗布部30のような薄板円板部が形成されていなくとも、図7に示す塗布部30Aのように繊維毛70が静電植毛加工されている。したがって、塗布部30A表面の繊維毛70に塗布液を効果的に保持できるので円錐部31Aが塗布液で湿潤して塗りやすくなり、十分な塗布液を対象箇所に塗出・塗布することができる。
また円錐部31Aにはスリット35Aが対向方向に2箇所形成されている。このスリット35Aの数は特に指定しないが、径方向に均等に配設していることが望ましい。スリット35Aの1箇所あたりの開口部の面積は0.5〜2.0mm2が好ましい。開口部の面積が0.5mm 2 を下回ると十分な塗布液が塗出せず2.0mm 2 を上回ると不必要に塗布液を流出させてしまうので好ましくない。
本発明の塗布具は、上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
本発明の塗布具は、塗布部30の形状、構造等に特徴を有するものであるので、これ以外の構成については適宜他の形態を採用することができるものである。
例えば、上記実施形態では、塗布具としてリキッドアイライナーおよびリキッドアイシャドの塗布具を例にして説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、眉毛にラインを描くアイブロー塗布具、肌、唇にラインを描くことにも適用することができる他、塗布液を筆記具用インクとし、細いラインを描くことができる筆記具としてもよいものである。
また、上記実施形態の塗布具の液押圧機構となる押出装置として、図1に示す、回転式繰出タイプとなる塗布具を用いたが、例えば、図8に示す、ノック式繰出タイプとなる塗布具を用いても良いものである。
図8は、ノック式繰出タイプの塗布具の説明図である。なお、図8中、上記実施形態と同様の箇所には、同一の符号を付してその説明を省略する。
この実施形態に係るノック式繰出タイプの塗布具は、図8に示すように、軸本体12後端部に配設されたノック部材50を軸方向前方に押圧することにより貯体11内の内溶液を繰り出すことができるものであって、使用者のノック操作によるノック部材50の押圧の力をカム機構により回転の力に変換するノック機構部60と、軸本体12に固定したネジ体61と、ネジ体61に螺合させたネジ棒62とを有し、そのノック機構部60が変換した回転の力でネジ棒62を回転させることによってネジ体61を介して該ネジ棒62を前進させて前記塗布液を繰出すものである。また、ノック部材50の押圧による力を回転の力に変換するノック機構部60は、第1及び第2のカム面を有する回転体63と、第1の固定カム面を有するネジ体61、第2の固定カム面を有するカム体65とを主な構成要素とするものである。
このノック式繰出タイプの塗布具は、ノック部材50を軸線方向に押圧してノックを開始すると、ノック部材50と回転体63はバネ部材64を圧縮させながら一体的に前方へ移動を開始し、さらにノックを続けると、回転体63が所定方向に回転しながら前方へ移動する。この時、回転体63はノック部材50に対して回転可能に取り付けられているためノック部材50自体は回転しない。このノック時の回転体63の回転に伴い、回転体63と回転方向に規制され軸線方向に移動自由に設けたネジ棒62が回転体63と一体的に回転する。ネジ棒62はネジ体61と螺合していることによりピストン体66と共に前進し貯体11の内溶液を繰り出すものとなる。この状態からノックを解除する。ネジ体61内部に配設されたバネ部材64が回転体63を押上げることでノックを解除して行くが、この時、回転体63は所定回転方向に回転及び後方へ移動を開始する。さらにノック解除を続けると、バネ部材64の押上げ力で回転体63も回転しながら後退する。この回転時も上記の通りネジ棒62を回転させピストン体66と共に前進し、塗布液を繰り出すものとなる。上記のノック動作を繰り返すことにより、軸線方向のノック動作及び解除動作が回転の力に変換され、ネジ棒62を回転させ、ピストン体66を押し出すことで内液を定量的に繰出すことが可能となる。
更に、図1及び図8の各実施形態の塗布具において、継手部材19を密封するのに、シールボール受け部となるシール部18に図示されないシールボールを使用して行ったが、例えば、図9に示すように、内部に密封部材となる環状薄膜18aをシール部18に一体的に設けてシールボールの代わりにすることができる。
この形態では、未使用時では環状薄膜18aがシール部18の内部に液流路21を密封しており、塗布体30側に塗布液が流れ込まないようになっている。一方、使用時は、上記実施形態と同様に、ユーザーがストッパー23を軸本体12から引き抜き、先軸20を後端側に押し込むことにより、継手部材19の後端細径部が環状薄膜18aに突き当たって環状薄膜18aの外周状に形成した切り欠き溝(断面V字溝)18bにより環状薄膜18aがシールボール受け部18の内径部から一部外れて、当該貯蔵体11内の塗布液が継手部材19の内径部から塗布体30の液流路34内に流入して、塗布部30にその内部から供給されて、上記実施形態の態様で対象部に塗布可能になるものである。
リキッドアイライナー、リキッドアイシャドなどの塗布具に好適に用いることができる。
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