JP2012235839A - 立位乗車移動体の運転操作補助装置、立位乗車移動体の運転操作補助方法、及び、立位乗車移動体の運転操作補助用プログラム - Google Patents

立位乗車移動体の運転操作補助装置、立位乗車移動体の運転操作補助方法、及び、立位乗車移動体の運転操作補助用プログラム Download PDF

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昭一 荒木
Yumi Wakita
由実 脇田
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Abstract

【課題】 路面状況に変化があっても姿勢変化による運転操作が意図通りにできる立位乗車移動体の運転操作補助装置及び方法、並びに、運転操作補助用プログラムを提供する。
【解決手段】 背もたれ面圧力センサ121asと座面圧力センサ121bsとで検出される圧力値を用いて、傾き取得部140で立位乗車移動体100の傾き(平地/上り坂/下り坂)を検出し、操作入力部選択部150で移動体100の傾きにより生じる運転者91の自然な姿勢変化に応じて、より操作しやすい操作入力部として背もたれ面操作入力部121aと座面操作入力部121bとを切替える。
【選択図】図4

Description

本発明は、中立位で乗車する移動体における、立位を維持して腰掛けながら姿勢変化により運転操作を行う立位乗車移動体(a single-seat vehicle with a standing position)に関するものであり、特に、立位乗車移動体が走行する上り坂又は下り坂などの路面の状況又は作業など運転以外の動作に応じて複数の操作入力部を切り替える立位乗車移動体の運転操作補助装置、立位乗車移動体の運転操作補助方法、及び、立位乗車移動体の運転操作補助用プログラムに関する。
従来、車両などの移動支援機器では、ステアリングホイール又はアクセル、ブレーキなどの操作手段により運転操作をすることが多い。これに対して、姿勢変化により運転操作を行う移動支援機器として、座席の下部に姿勢センサを設けた電動車椅子が知られている(特許文献1参照)。
特許文献1の技術では、方向転換と、加速と、減速と運転者の運転姿勢をそれぞれ予め対応付けておき、対応付けられた姿勢を取った際に座席に生じる変量を検出し、その変量に基づいて、車両の方向転換、加速、又は、減速を行う。例えば、「体を前に傾けると加速させる」、又は、「体を右に傾けると右旋回させる」などの制御を行う。さらに、車両の方向転換、加速、又は、減速に伴って生じる加速度に起因して発生する、意図しない姿勢変化による座席の変量を計算する。そして、意図する姿勢変化による座席に生じる変量から、意図しない姿勢変化による変量を差し引いた補正変量に基づいて、運転制御を行う。これにより、手足に障害がある運転者でも、意図する運転操作が容易にできる。これに対して、いわゆるジョイスティックで、方向転換、加速、又は、減速制御を行う技術では、手足に障害がある運転者には、きめ細かい制御又は運転操作の習熟が困難であった。
また、車両の運転においては、車両の制御状態又は周囲状況を運転者に適切に伝えることは、安全運転上、重要である。運転者に自分の視覚又は聴覚による周辺確認及び運転操作に集中することができるよう、触覚を通じて車両の制御状態又は周囲状況を伝える技術が知られている。
一例として、特許文献2では、車両の車線維持自動制御において、車線中央からの偏差に基づいて車線を維持するためのアシストトルクを発生させる際に、運転シートの右サイド及び左サイドに設けられた回転機構を、前記アシストトルクの大きさに応じて回転させてドライバーに押圧力を与えることにより、車線維持制御の状態を運転者に伝えることが開示されている。これにより、車線内の車両の位置に対するアシストトルクを直感的に把握でき、車線維持自動制御の状態から再び自らが操舵を開始する際に適切な操作をすることができる。
別の従来技術としては、赤外線センサ又は超音波センサで車両周囲の障害物を検出し、検出した障害物の位置をシートに配置された複数のバイブレータを振動させることにより運転者に通知するものがある(特許文献3参照)。特許文献3では、シートに圧力センサも併設し、運転者の体が接している部分のバイブレータを選択して振動させることにより、運転者の姿勢によらず障害物の位置を通知することができる。
特許第4078889号公報 特開平2006−113815号公報 特開平2006−215900号公報
しかしながら、特許文献1では、車両の方向転換、加速、又は、減速に伴って生じる加速度に起因して発生する、運転者の意図しない(運転操作ではない)姿勢変化を補正することは開示している。しかしながら、上り坂又は下り坂などの路面の状況又は運転者の運転操作以外の作業動作による姿勢変化への対応については、何ら考慮されていない。上り坂又は下り坂などの路面状況の考慮については、例えば、特許文献1の技術では、坂道を上る際、座席の後部に運転者の荷重が移動するように自然に姿勢が変化するため、減速制御に切り替わり、坂をスムースに上れなくなる。逆に、坂道を下る際には、座席の前部に運転者の荷重が移動するため、加速制御となり、下り坂でスピードが出てしまい、安全上、必ずしも好ましいとはいえない。さらに、下り坂で自然に前傾姿勢になる場合に、減速のために座席の後部に運転者の荷重をかけるという動作を行うことは、運転者にとって負担になる。すなわち、運転操作に予め対応付けられた姿勢変化と、上り坂又は下り坂などの路面の状況変化又は手を伸ばして物を手に取る、ドアを開けるなどの作業による運転以外の動作によって自然に起きる姿勢変化とが一致する場合に、車両が、運転者の意図しない動作をするという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、姿勢変化による操作入力部を複数設けておき、上り坂又は下り坂などの路面の状況、又は、手を伸ばして物を手に取る、若しくは、ドアを開けるなどの作業など、運転以外の動作により自然に起きる姿勢変化に応じて、操作入力部を切り替えることにより、姿勢変化による運転操作を容易に行うこと可能とする立位乗車移動体の運転操作補助装置、立位乗車移動体の運転操作補助方法、及び、立位乗車移動体の運転操作補助用プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様によれば、座面を有する座部と、背もたれ面を有する背もたれとを有する立位乗車移動体の運転操作補助装置であって、
運転者による前記座面への圧力を検出する座面圧力センサと、
前記運転者による前記背もたれ面への圧力を検出する背もたれ面圧力センサと、
前記立位乗車移動体の傾き角度値を取得する傾き取得部と、
前記傾き取得部により取得された傾き角度値により、前記座面圧力センサと前記背もたれ面圧力センサとのいずれを操作入力部とするかを決定する操作入力部選択部と、
前記操作入力部選択部により決定された前記操作入力部を前記運転者に通知する操作入力部通知部と、
を備える、立位乗車移動体の運転操作補助装置を提供する。
本構成によって、上り坂、下り坂などの路面の状況変化により生じる自然な姿勢変化に応じて、方向転換操作のための左部と右部との圧力差を容易に生じさせることができる操作入力部に切り替えるため、上り坂又は下り坂などの路面状況によらず、姿勢変化による運転操作を意図通り容易に行うことができる。
本発明の第4態様によれば、座面を有する座部と背もたれ面を有する背もたれと肘掛面を有する肘掛とを有する立位乗車移動体の運転操作補助装置であって、
運転者による前記座面への圧力を検出する座面圧力センサと、
前記運転者による前記背もたれ面への圧力を検出する背もたれ面圧力センサと、
前記運転者による前記肘掛面への圧力を検出する肘掛面圧力センサと、
前記圧力センサの左部と右部との圧力値及び左部と右部との圧力値の差とにより、操作入力の安定度を判定する操作入力安定度判定部と、
前記圧力センサのうち前記安定度がより高い前記圧力センサと対応する操作入力部を前記運転者に通知する操作入力安定度通知部と、
を備えることを特徴とする立位乗車移動体の運転操作補助装置を提供する。
本構成によって、運転者による操作入力部の選択の自由度がより高くなり、より安定かつ楽な姿勢での運転操作が可能となる。
本発明の第6態様によれば、座面を有する座部と背もたれ面を有する背もたれと肘掛面を有する肘掛とを有する立位乗車移動体の運転操作補助装置であって、
運転者による前記座面への圧力を検出する座面圧力センサと、
前記運転者による前記背もたれ面への圧力を検出する背もたれ面圧力センサと、
前記運転者による前記肘掛面への圧力を検出する肘掛面圧力センサと、
前記肘掛面圧力センサの手に近い方の先端部の圧力値と、前記背もたれ面圧力センサの上部の圧力値と、前記座面圧力センサの前方の圧力値により前記運転者の作業動作による姿勢変化を推定する作業姿勢推定部と、
前記作業姿勢推定部で推定された前記作業姿勢により前記肘掛面圧力センサの手に近い方の前記先端部を操作入力部として選択する操作入力部選択部と、
を備えることを特徴とする立位乗車移動体の運転操作補助装置を提供する。
本構成によって、作業動作による意図しない立位乗車移動体の動作を抑制し、かつ作業を補助する移動操作が可能となる。
本発明の第7態様によれば、座面を有する座部と、背もたれ面を有する背もたれとを有する立位乗車移動体の運転操作補助方法であって、
運転者による前記座面への圧力を座面圧力センサで検出し、
前記運転者による前記背もたれ面への圧力を背もたれ面圧力センサで検出し、
前記立位乗車移動体の傾き角度値を傾き取得部で取得し、
前記傾き取得部により取得された傾き角度値により、前記座面圧力センサと前記背もたれ面圧力センサとのいずれを操作入力部とするかを操作入力部選択部で決定し、
前記操作入力部選択部により決定された前記操作入力部を前記運転者に操作入力部通知部で通知する、
立位乗車移動体の運転操作補助方法を提供する。
本構成によって、上り坂、下り坂などの路面の状況変化により生じる自然な姿勢変化に応じて、方向転換操作のための左部と右部との圧力差を容易に生じさせることができる操作入力部に切り替えるため、上り坂又は下り坂などの路面状況によらず、姿勢変化による運転操作を意図通り容易に行うことができる。
本発明の第8態様によれば、座面を有する座部と、背もたれ面を有する背もたれとを有する立位乗車移動体の運転操作補助用プログラムであって、
コンピュータを、
前記立位乗車移動体の傾き角度値を取得する傾き取得部と、
前記傾き取得部により取得された傾き角度値により、運転者による前記座面への圧力を検出する座面圧力センサと前記運転者による前記背もたれ面への圧力を検出する背もたれ面圧力センサとのいずれを操作入力部とするかを決定する操作入力部選択部と、
前記操作入力部選択部により決定された前記操作入力部を前記運転者に通知する操作入力部通知部と、
として機能させるための、立位乗車移動体の運転操作補助用プログラムを提供する。
本構成によって、上り坂、下り坂などの路面の状況変化により生じる自然な姿勢変化に応じて、方向転換操作のための左部と右部との圧力差を容易に生じさせることができる操作入力部に切り替えるため、上り坂又は下り坂などの路面状況によらず、姿勢変化による運転操作を意図通り容易に行うことができる。
本発明である立位乗車移動体の運転操作補助装置、立位乗車移動体の運転操作補助方法、及び、立位乗車移動体の運転操作補助用プログラムによれば、路面の状況変化又は、作業による運転以外の動作により自然に起きる姿勢変化に応じて、少なくとも背もたれ面と座面とに設けた操作入力部を切り替えるので、上り坂又は下り坂などの路面の状況運転以外の動作の影響無く、姿勢変化による運転を容易に行うことができる。また、別の態様において、さらに、肘掛面も追加する場合には、手を伸ばして物を手に取る、又は、ドアを開けるなどの作業による運転以外の動作の影響無く、姿勢変化による運転を容易に行うことができる。
本発明の第1実施形態における立位乗車移動体の構成図 本発明の第1実施形態における立位乗車移動体の概略形状と乗車姿勢の運転者との正面図 本発明の第1実施形態における立位乗車移動体の概略形状と乗車姿勢の運転者との側面図 本発明の第1実施形態における立位乗車移動体の操作入力部の詳細構成図 本発明の第1実施形態における立位乗車移動体の運転操作補助装置の機能ブロック図 本発明の第1実施形態における立位乗車移動体の運転操作補助装置の動作を示すフローチャート 平地における運転者(搭乗者又はユーザ)の着座姿勢を示す側面図(肘掛なし) 平地における運転者の着座姿勢を示す正面図(肘掛なし) 平地での背もたれ面圧力センサの出力の一例を示す図(肘掛なし) 平地での座面圧力センサの出力の一例を示す図(肘掛なし) 平地での圧力センサの出力の一例であって、圧力データと圧力値の例と記号との関係を示す図(肘掛なし) 上り坂における運転者の着座姿勢を示す図(肘掛なし) 上り坂での背もたれ面圧力センサの出力の一例を示す図(肘掛なし) 上り坂での座面圧力センサの出力の一例を示す図(肘掛なし) 上り坂での圧力センサの出力の一例であって、圧力データと圧力値の例と記号との関係を示す図(肘掛なし) 下り坂における運転者の着座姿勢を示す図(肘掛なし) 下り坂での背もたれ面圧力センサの出力の一例を示す図(肘掛なし) 下り坂での座面圧力センサの出力の一例を示す図(肘掛なし) 下り坂での圧力センサの出力の一例であって、圧力データと圧力値の例と記号との関係を示す図(肘掛なし) 背もたれ面圧力センサの出力値と操作入力及び立位乗車移動体の傾きの関係の一例を示す図 本発明の第2実施形態における立位乗車移動体の構成図 本発明の第2実施形態における立位乗車移動体の概略形状と乗車姿勢の運転者との正面図 本発明の第2実施形態における立位乗車移動体の概略形状と乗車姿勢の運転者との側面図 本発明の第2実施形態における立位乗車移動体の操作入力部の詳細構成図 本発明の第2実施形態における立位乗車移動体の運転操作補助装置の機能ブロック図 本発明の第2実施形態における立位乗車移動体の運転操作補助装置の動作を示すフローチャート 本発明の第2実施形態における操作入力の安定度判定及び通知の動作を示すフローチャート 平地における運転者の着座姿勢を示す側面図(肘掛あり) 平地における運転者の着座姿勢を示す正面図(肘掛あり) 平地での背もたれ面圧力センサの出力の一例を示す図(肘掛あり) 平地での座面圧力センサの出力の一例を示す図(肘掛あり) 平地での肘掛面圧力センサの出力の一例を示す図(肘掛あり) 上り坂における運転者の着座姿勢を示す図(肘掛あり) 上り坂での背もたれ面圧力センサの出力の一例を示す図(肘掛あり) 上り坂での座面圧力センサの出力の一例を示す図(肘掛あり) 上り坂での肘掛面圧力センサの出力の一例を示す図(肘掛あり) 下り坂における運転者の着座姿勢を示す図(肘掛あり) 下り坂での背もたれ面圧力センサの出力の一例を示す図(肘掛あり) 下り坂での座面圧力センサの出力の一例を示す図(肘掛あり) 下り坂での肘掛面圧力センサの出力の一例を示す図(肘掛あり) 本発明の第3実施形態における立位乗車移動体の運転操作補助装置の機能ブロック図 本発明の第3実施形態における立位乗車移動体の運転操作補助装置の動作を示すフローチャート 左手を伸ばして物を取ろうとして右の肘掛で体重を支えたときの姿勢変化と運転者の操作入力による肘掛面圧力センサの圧力分布の一例を示す図 図27Aの姿勢を維持したまま立位乗車移動体を右回転させるときの姿勢変化と運転者の操作入力による肘掛面圧力センサの圧力分布の一例を示す図 図27Aの姿勢を維持したまま立位乗車移動体を右回転させるときの姿勢変化と運転者の操作入力による肘掛面圧力センサの圧力分布の一例を示す図
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下、図面を参照して本発明における実施形態を詳細に説明する前に、本発明の種々の態様について説明する。
本発明の第1態様によれば、座面を有する座部と、背もたれ面を有する背もたれとを有する立位乗車移動体の運転操作補助装置であって、
運転者による前記座面への圧力を検出する座面圧力センサと、
前記運転者による前記背もたれ面への圧力を検出する背もたれ面圧力センサと、
前記立位乗車移動体の傾き角度値を取得する傾き取得部と、
前記傾き取得部により取得された傾き角度値により、前記座面圧力センサと前記背もたれ面圧力センサとのいずれを操作入力部とするかを決定する操作入力部選択部と、
前記操作入力部選択部により決定された前記操作入力部を前記運転者に通知する操作入力部通知部と、
を備える、立位乗車移動体の運転操作補助装置を提供する。
本発明の第2態様によれば、前記操作入力部選択部は、前記傾き取得部により取得された前記傾き角度値が前記立位乗車移動体の進行方向に対して第1の角度値以上の上り坂のとき、前記背もたれ面圧力センサを前記操作入力部として選択し、前記立位乗車移動体の進行方向に対して第2の角度値以下の下り坂のとき座面圧力センサを前記操作入力部として選択し、前記立位乗車移動体の進行方向に対して前記第2の角度値を超えかつ前記第1の角度値未満の平地のとき、前記座面圧力センサと前記背もたれ面圧力センサとのうちの左部と右部との圧力値の差が大きい方の圧力センサを前記操作入力部として選択する
ことを特徴とする第1の態様に記載の立位乗車移動体の運転操作補助装置を提供する。
本発明の第3態様によれば、前記傾き取得部は、前記背もたれ面の上部と下部との圧力差と前記座面の前部と後部との圧力差とに基づいて、前記立位乗車移動体が進行方向に対して上り坂、下り坂、又は、平地のいずれの状態にあるかを検出し、
前記操作入力部選択部は、前記傾き取得部の検出結果が上り坂のときには前記背もたれ面圧力センサを操作入力部として選択し、下り坂のときには前記座面圧力センサを操作入力部として選択し、平地のときには左部と右部との圧力値の差が大きい方の圧力センサを操作入力部として選択する
ことを特徴とする第1の態様に記載の立位乗車移動体の運転操作補助装置を提供する。
本発明の第4態様によれば、座面を有する座部と背もたれ面を有する背もたれと肘掛面を有する肘掛とを有する立位乗車移動体の運転操作補助装置であって、
運転者による前記座面への圧力を検出する座面圧力センサと、
前記運転者による前記背もたれ面への圧力を検出する背もたれ面圧力センサと、
前記運転者による前記肘掛面への圧力を検出する肘掛面圧力センサと、
前記圧力センサの左部と右部との圧力値及び左部と右部との圧力値の差とにより、操作入力の安定度を判定する操作入力安定度判定部と、
前記圧力センサのうち前記安定度がより高い前記圧力センサと対応する操作入力部を前記運転者に通知する操作入力安定度通知部と、
を備えることを特徴とする立位乗車移動体の運転操作補助装置を提供する。
本発明の第5態様によれば、前記操作入力安定度判定部は、前記圧力センサの左部と右部との圧力値が共に第1の閾値未満の操作入力部、前記圧力センサの前記左部と前記右部との前記圧力値が共に前記第1の閾値以上の操作入力部、及び、前記圧力センサの前記左部と前記右部との前記圧力値が共に前記第1の閾値以上でかつ前記左部と前記右部との前記圧力値の差が第2の閾値以上の操作入力部を、この順序で安定度が高いと判定し、
前記操作入力安定度通知部は、前記安定度が異なる毎に異なる触覚刺激により、前記操作入力部への操作入力の安定度を運転者に通知する
ことを特徴とする第4の態様に記載の立位乗車移動体の運転操作補助装置を提供する。
本発明の第6態様によれば、座面を有する座部と背もたれ面を有する背もたれと肘掛面を有する肘掛とを有する立位乗車移動体の運転操作補助装置であって、
運転者による前記座面への圧力を検出する座面圧力センサと、
前記運転者による前記背もたれ面への圧力を検出する背もたれ面圧力センサと、
前記運転者による前記肘掛面への圧力を検出する肘掛面圧力センサと、
前記肘掛面圧力センサの手に近い方の先端部の圧力値と、前記背もたれ面圧力センサの上部の圧力値と、前記座面圧力センサの前方の圧力値により前記運転者の作業動作による姿勢変化を推定する作業姿勢推定部と、
前記作業姿勢推定部で推定された前記作業姿勢により前記肘掛面圧力センサの手に近い方の前記先端部を操作入力部として選択する操作入力部選択部と、
を備えることを特徴とする立位乗車移動体の運転操作補助装置を提供する。
本発明の第7態様によれば、座面を有する座部と、背もたれ面を有する背もたれとを有する立位乗車移動体の運転操作補助方法であって、
運転者による前記座面への圧力を座面圧力センサで検出し、
前記運転者による前記背もたれ面への圧力を背もたれ面圧力センサで検出し、
前記立位乗車移動体の傾き角度値を傾き取得部で取得し、
前記傾き取得部により取得された傾き角度値により、前記座面圧力センサと前記背もたれ面圧力センサとのいずれを操作入力部とするかを操作入力部選択部で決定し、
前記操作入力部選択部により決定された前記操作入力部を前記運転者に操作入力部通知部で通知する、
立位乗車移動体の運転操作補助方法を提供する。
本発明の第8態様によれば、座面を有する座部と、背もたれ面を有する背もたれとを有する立位乗車移動体の運転操作補助用プログラムであって、
コンピュータを、
前記立位乗車移動体の傾き角度値を取得する傾き取得部と、
前記傾き取得部により取得された傾き角度値により、運転者による前記座面への圧力を検出する座面圧力センサと前記運転者による前記背もたれ面への圧力を検出する背もたれ面圧力センサとのいずれを操作入力部とするかを決定する操作入力部選択部と、
前記操作入力部選択部により決定された前記操作入力部を前記運転者に通知する操作入力部通知部と、
として機能させるための、立位乗車移動体の運転操作補助用プログラムを提供する。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態は、運転者(搭乗者又はユーザ)91の姿勢変化により運転操作を行う立位乗車移動体100に関し、姿勢変化による操作入力部121を複数設けておき、上り坂又は下り坂など路面92の状況変化により自然に起きる姿勢変化に応じて操作入力部121を切り替えることにより、上り坂又は下り坂などの路面状況によらず、姿勢変化による運転操作を容易に行えるよう考慮したものである。
ここでは、第1実施形態にかかる立位乗車移動体100の運転操作補助装置95を図1に示す立位乗車移動体100に搭載した例で説明する。ここで、運転操作補助装置95は、操作入力部121と、制御装置130とを備えて構成されている。
図1は、第1実施形態における立位乗車移動体100の構成図(斜視図)である。図2A及び図2Bは、図1に示した立位乗車移動体100に運転者91が乗車し、座席90に着座した状態の正面図と側面図である。
図1に示す立位乗車移動体100は、少なくとも立位乗車移動体100に乗車した運転者91の腰から背中を支持する背もたれ面PS1を有する背もたれ101及び立位乗車移動体100に乗車した運転者91の臀部と坐骨を支持する座面PS3を有する座部102を含む座席90と、立位乗車移動体100に乗車した運転者91の足裏を支持する足置き面PS2を有する板状の足置き103とを少なくとも備える。より詳しくは、立位乗車移動体100は、移動体本体100Bと、座席90と、足置き103とを有して、移動体本体100Bは、その後部に制御装置格納部109が配置され、移動体本体100Bの下部にバッテリ及びモータ格納部110が配置されている。座席90は、立位乗車移動体100の上部側に、移動体本体100Bの下部から1本の座席用支柱105を介して上下方向に位置調整可能に配置され、足置き103は、移動体本体100Bの下部の前部側に固定されている。移動体本体100Bの下部には、例えば、その両側面に、合計4個の車輪108,108,107,107をそれぞれ回転可能に配置して、4個の車輪108,108,107,107で立位乗車移動体100が前後移動可能及び旋回可能としている。座席90の座部102は、移動体本体100Bの下部から座席用支柱105を介して上下方向に位置調整可能に配置されており、座席90の上方には、一対の背もたれ用支柱106を介して背もたれ101が固定配置されている。
図2A及び図2Bに示すように、運転者91が足置き103に両足を乗せ、背もたれ101に背中を持たせかけ、座面座部102の座面PS3に臀部を乗せて、立位と同等の頭部位置を維持する姿勢で運転者91の身体を支える状態を「中立位による乗車」とする。このときの運転者91の姿勢を「中立位」とする。また、背もたれ101への接触の有無に関わらず、座面座部102の座面PS3に運転者91の臀部を乗せることを、「座面座部102への着座」とする。
背もたれ101は、運転者91の腰から背中を支持するものである。また、座部102は運転者の臀部と坐骨を支持するものであり、足置き103は運転者の足裏を支持するものである。背もたれ101は、着座時に楽な姿勢で中立位を保ち、かつ、首の負荷なしに頭部を鉛直に立てて保つことのできる、もたれ角度として、座面座部102の座面PS3及び足置き103の足置き面PS2に対して、背もたれ101のうち背中心で胸椎を中心とした脊椎上部を支える平面である背もたれ中心部101Aが垂直から約10度後方に傾斜している。これにより、運転者91の着座時の脊椎から骨盤への重心線が約10度後方に傾斜する。
背もたれ101と座部102は、運転者91が背もたれ101にもたれて座部102に着座した際に、運転者91の脊椎から骨盤への重心線と大腿骨の中心線とで成す角度が約135度となる位置に、支柱105と106とで移動体本体100Bの上部に配置されている。さらに、運転者91の脊椎から骨盤への重心線と足裏を通る直線とのなす角度が約90度となるように、移動体本体100Bの下部の前面側に、前方に向かってやや斜め上向きに固定的に、足置き103が配置されている。足置き103は、垂直から約80度後方へ傾斜している。すなわち、立位乗車移動体100が接する水平面から10度後傾しており、踵位置からつま先位置への平面は、水平面からつま先が約10度高くなっている。これにより、着座時の運転者91の足首が約90度をとなる。背もたれ101と座部102とは、立位乗車移動体100の座席90を構成している。
サイドガード104は、座部102の両側面から垂直方向にそれぞれ立ち上がるもので、運転者91が座席90に着座した際に横方向へ着座位置がずれることを防ぐものである。
座席用支柱105は、立位乗車移動体100の上部側に、移動体本体100Bの下部から鉛直方向に延びて座席全体を支持する1本の支柱である。支柱105は、公知の位置調整機構でもって、座席90を上下方向に位置調整可能に支持している。背もたれ用支柱106は、一対平行に配置され、座部102と背もたれ101を接続して、座部102と背もたれ101の成す角度を維持して、背もたれ101を支持する支柱である。
移動体本体100Bの下部の両側の後部には、一対の後輪107が正逆回転可能に配置されている。一対の後輪107は立位乗車移動体100の駆動輪であり、左右対を成している。左右一対の後輪107の左右の車軸は、駆動装置の一例として機能しかつ後述するそれぞれ別々のモータ137L,137Rに接続しており、モータ制御部136で左右独立して回転が制御される。
移動体本体100Bの下部の両側の前部には、後輪107よりも小径の前輪108が正逆回転自在に配置されている。前輪108は、立位乗車移動体100の前輪であり、左右対を成している。各前輪108は、車輪を自在軸受けで回転自在に支えるキャスタと同様の構造である。左右の前輪108は、それぞれに自在軸受けにより、360度どちらにも向きを変えるため、一対の後輪107の駆動に従って全方向に進行可能である。
制御装置格納部109には、後述する、立位乗車移動体100の動作決定を行う運転操作補助装置95の制御装置130、具体的には、制御用コンピュータ及びメモリを格納している。
制御装置130のモータ制御部136は、左右のモータ137L,137Rを、それぞれ独立して駆動制御し、左右の後輪107の車軸を正逆回転させる。具体的には、モータ制御部136により、立位乗車移動体100の前進、後退、左右の旋廻、及び、停止といった動作を、運転者91の指示入力に従って決定し、駆動輪である一対の後輪107の回転方向(前回転、後回転、左右で逆回転、及び、回転停止)と回転速度を制御する。
移動体本体100Bの下部に配置されたバッテリー及びモータ格納部110には、立位乗車移動体100の動作に必要な電力を供給するバッテリー(図示せず)と、前記左右の後輪107の車軸にそれぞれ接続されて駆動する、左右のモータ137L,137Rとを格納している。バッテリは、前記制御装置格納部109に格納された制御装置130と、バッテリ及びモータ格納部110に格納されかつ左右の後輪107を回転させる左右のモータ137L,137Rと、操作入力部121、進退用操作入力部111とに、それぞれ、動作に必要な電力を供給する。
足置き103の前端部には、一対のフットスイッチ111が配置されている。この一対のフットスイッチ111は、運転者91が立位乗車移動体100の操作を行うための進退用操作入力部の例である。第1実施形態の例では、フットスイッチ111は左右対に配置されており、例えば、右側のフットスイッチ111(111R)は、スイッチの踏み込みにより、前進の指示を入力するスイッチであり、左側のフットスイッチ111(111L)は、スイッチの踏み込みにより、後退の指示を入力するスイッチである。
座席90には、図3に示すように、運転者91の姿勢による操作入力を受け付けるための、背もたれ101の背もたれ面PS1に配置された背もたれ面操作入力部121aと、座部102の座面PS3に配置された座面操作入力部121bとの2種類の操作入力部121を備えている。なお、操作入力部を総称して説明するときは、参照符号121を使用し、個々の操作入力部の説明するときは、121a,121bのように互いに区別する参照符号を使用して説明する。
第1実施形態では、上り坂又は下り坂など路面92の状況変化により自然に起きる姿勢変化に応じて操作入力部121を切り替える立位乗車移動体100の運転操作補助装置について説明する。
図3は、第1実施形態における操作入力部121の詳細構成図である。図3において、背もたれ面操作入力部121aは、一例として、背もたれ面PS1の圧力を検出する背もたれ面圧力センサ121asで構成されている。背もたれ面圧力センサ121asは、一例として、背もたれ101の中央部101Aを除く、背もたれ101の背もたれ面PS1の右側部に配置されて、背もたれ面PS1の右側部の圧力を検出する背もたれ面圧力センサ右部121asRと、背もたれ101の中央部101Aを除く、背もたれ101の背もたれ面PS1の左側部に配置されて、背もたれ面PS1の左側部の圧力を検出する背もたれ面圧力センサ左部121asLとで構成されている。
座面操作入力部121bは、一例として、座面PS3の圧力を検出する座面圧力センサ121bsで構成されている。座面圧力センサ121bsは、一例として、座部102の座面PS3の中央部から右側に配置されて、中央部から右側の部分の圧力を検出する座面圧力センサ右部121bsRと、座部102の座面PS3の中央部から左側に配置されて、中央部から左側の部分の圧力を検出する座面圧力センサ左部121bsLとで構成されている。
また、これら圧力センサ121asR,121asL,121bsR,121bsLには、触覚刺激部180の一例としての、背もたれ面右触覚刺激部180aRと、背もたれ面左触覚刺激部180aLと、座面右触覚刺激部180bRと、座面左触覚刺激部180bLとをそれぞれの中央部付近に併設してあり、それぞれ、一対の後輪107の駆動に用いている操作入力部121a,121bを運転者91に通知する機能を持っている。
上記のように構成された第1実施形態の立位乗車移動体100の操作方法について図4及び図5に基づいて説明する。図4は第1実施形態における立位乗車移動体100の運転操作補助装置95の機能ブロック図である。図5は第1実施形態における立位乗車移動体100の運転操作補助装置95の動作を示すフローチャートである。図5には、運転操作補助装置95の動作と関連する運転者91の動作も、参考のため、運転操作補助装置95の動作フローの左側に示している。
第1実施形態では、背もたれ面操作入力部121aと座面操作入力部121bとにそれぞれ備えられた背もたれ面圧力センサ121asと座面圧力センサ121bsとで検出される圧力センサの値に基づいて、左右の方向転換を行い、左右のフットスイッチ111L及び111Rの入力により前進と後退を行う。フットスイッチ111(111L,111R)及び圧力センサ121as,121bsとからの操作入力の検出と、入力の統合判定と、それに基づく制御とは、一例として制御用コンピュータとメモリによって構成される、運転操作補助装置95の制御装置130で実施される。
制御装置130は、フットスイッチ押し下げ検出部131と、圧力検出部132と、初期値保存部133と、傾き取得部の一例として傾き検出部140と、操作入力部選択部150と、操作入力部通知部170と、操作圧力決定部160と、統合部135と、モータ制御部136とを備えている。
フットスイッチ押し下げ検出部131は、フットスイッチ111(111R,111L)が押し下がられたことを検出して、フットスイッチ111(111L及び111R)から統合部135に入力されるON/OFFのデータ及び押し下げ量のデータを出力する。
圧力検出部132は、背もたれ面圧力センサ121as及び座面圧力センサ121bsに加わった圧力を検出する。
初期値保存部133は、運転者91の体型又は体重により異なるセンサ出力値の統計値を記憶するものである。より具体的には、立位乗車移動体100が走行する平地、上り坂、又は、下り坂などの様々な条件で運転操作をした際の背もたれ面圧力センサ121as及び座面圧力センサ121bsの出力値の統計値又は統計モデル(確率密度関数など)を予め記憶する。統計値又は統計モデルを予め記憶させておく方法としては、運転者91が実際に運転した際の圧力データから例えば正規分布のような分布を傾き検出部140により仮定して決定したものを利用する。なお、様々な体型や体重の運転者が様々な条件で運転操作をした際の統計値や統計モデルを標準モデルとして予め複数種類記憶しておき、実際に運転する運転者91の体型又は体重に対応する統計値又は統計モデルを利用するようにしてもよい。さらには、体型又は体重に対応した標準モデルを選択したのち、実際の運転者の体型や体重との違いを調整するために、運転者91が実際に運転する際に圧力値データを蓄積しておき、所定のデータ量が蓄積された際に、統計モデルを更新するようにしてもよい。
傾き検出部140は、背もたれ面圧力センサ121asと、座面圧力センサ121bsとで検出して算出される圧力値又は荷重値に基づいて、立位乗車移動体100の傾きを推定する(すなわち、立位乗車移動体100が走行する路面92の傾きが、平地、上り坂、下り坂のいずれであるかを推定する)。言い換えれば、立位乗車移動体100が、平地、上り坂、又は、下り坂のうち、どの路面92の状態を走行しているかを推定する。
操作入力部選択部150は、背もたれ面圧力センサ121asと座面圧力センサ121bsとでそれぞれ検出して算出される圧力値又は荷重値と、傾き検出部140で推定された立位乗車移動体100の傾き(傾き角度値)とに基づいて、背もたれ面操作入力部121aと座面操作入力部121bとの少なくとも1つの操作入力部121を、姿勢による操作入力部121として選択する。
操作入力部通知部170は、操作入力部選択部150により選択された操作入力部121に併設された触覚刺激部180を駆動して、触覚刺激部180により、運転者91に、操作入力部選択部150により選択された操作入力部121を通知する。
操作圧力決定部160は、操作入力部選択部150により決定された操作入力部121の圧力値と、左右一対である操作入力部121の圧力値の差と、初期値保持部133に記憶された初期値とに基づいて、方向転換のためのモータ137R,137Lの駆動電圧(モータ制御量)を決定する。
統合部135は、フットスイッチ押し下げ検出部131から出力された左右のフットスイッチ111L,111Rの押し下げ情報と、操作圧力決定部160から出力された姿勢変化の情報(モータ制御量)とを統合し、進行方向を決定する。
モータ制御部136は、統合部135で決定された進行方向へ移動するための左右のモータの回転方向と回転速度をそれぞれ決定し、モータ137Lとモータ137Rへそれぞれ出力する。モータ137L,137Rがそれぞれ回転して一対の後輪107を駆動する。
上記のように構成された立位乗車移動体100の運転操作補助装置95の動作の一例を図5のフローチャートを用いて説明する。ここでは、運転者91の動作フロー(ステップD501〜ステップD504)と立位乗車移動体100の運転操作補助装置95の動作フロー(ステップV501〜ステップV507)を対応付けて説明する。運転者91の動作ステップD501〜D504は組み合わせて同時並行して行われる。具体的には、運転者91はステップD501で進行方向を常に維持又は修正しながら、ステップD502のフットスイッチ操作、ステップD503の姿勢変化操作、ステップD504の操作入力部確認を組み合わせて同時並行で行う。ここでは、上り坂又は下り坂などの路面状況に変化により起こる立位乗車移動体100の傾きに応じて運転者91にとって操作が容易な操作入力部121を選択する例を、図6〜図12を用いて説明する。なお、運転操作補助装置95の動作フローは、制御プログラム(運転操作補助用プログラム)として制御装置130の内蔵メモリに記憶されている。
(ステップD501:運転者91:進行方向決定)
ステップD501において、運転者91は、立位乗車移動体100の進行方向(前進、後退、右旋回、左旋回)を決定する。運転者91は、ステップD502のフットスイッチ操作による前進・後退、ステップD503の姿勢変化操作による右旋回・左旋回、ステップD504の操作入力部確認を組み合わせて同時並行して行うことにより、決定した進行方向へ立位乗車移動体100を移動させる。進行方向が前進又は後退の場合にはステップD502に進む。一方、進行方向が右旋回又は左旋回の場合にはステップD503に進む。どの操作入力部121が使用されているかを確認する場合にはステップD504に進む。これらは組み合わせて同時並行して行われる。
(ステップD502:運転者91:フットスイッチ操作)
ステップD502において、ステップD501で決定した進行方向である前進又は後退に基づいて、運転者91は左又は右フットスイッチ111(111L又は111R)を操作する。立位乗車移動体100を前進させる場合は、運転者91が右フットスイッチ111Rを押し下げ操作し、立位乗車移動体100を後退させる場合は、運転者91が左フットスイッチ111Lを押し下げ操作する。その後、ステップD501で決定した進行方向が変わらない限り、同じ押し下げ操作を続行する。ステップD501で決定した進行方向を変えたい場合には、ステップD501に戻る。
このステップD502において、運転者91がフットスイッチ111R又は111Lを押し下げ操作することにより、以下のように、運転操作補助装置95ではステップV501が実行される。
(ステップV501:運転操作補助装置95:フットスイッチデータ読込)
運転者91が左又は右フットスイッチ111(111L又は111R)を操作すると、左又は右フットスイッチ111(111L又は111R)からの信号が制御装置130内のフットスイッチ押し下げ検出部131に入力されて、以下の動作を行う。
すなわち、ステップV501において、フットスイッチ押し下げ検出部131は、フットスイッチ111(111L及び111R)から制御装置130に送信されるON/OFFのデータ及び押し下げ量のデータをそれぞれ読み込み、ステップD502で運転者91により操作されたフットスイッチ111(111L及び111R)の状態を検出する。次いで、運転操作補助装置95の動作フローは、ステップV502に進む。
(ステップV502:運転操作補助装置95:フットスイッチ分モータ制御量決定)
ステップV502において、制御装置130内の統合部135は、フットスイッチ押し下げ検出部131で検出されたフットスイッチ111L又は111RのON/OFFのデータ及び押し下げ量のデータに基づき、一対の後輪107を駆動する一対のモータ137L,137Rの回転方向と回転速度とに対応するモータ駆動電圧(フットスイッチ分モータ制御量)をそれぞれ決定する。具体的には、フットスイッチ111L及び111RがOFFの場合、統合部135は、フットスイッチ111L,111Rからの入力に基づくモータ駆動電圧を左右のモータ137L,137R共に0に設定する。右フットスイッチ111RのみがONで左フットスイッチ111LがOFFの場合(すなわち前進の場合)、一対の後輪107が前進方向に同期して一体的に回転するよう、統合部135は、右フットスイッチ111Rの押し下げ量に比例したモータ駆動電圧をモータ137L及び137Rに設定する。左フットスイッチ111LのみがONで右フットスイッチ111RがOFFの場合(すなわち後退の場合)、一対の後輪107が前進方向に同期して一体的に回転するよう、統合部135は、左フットスイッチ111Lの押し下げ量に比例したモータ駆動電圧をモータ137L及び137Rに設定する。次いで、運転操作補助装置95の動作フローは、ステップV503に進む。
(ステップD503:運転者91:姿勢変化操作)
ステップD503において、運転者91は、ステップD501で決定した右旋回又は左旋回の旋回方向に応じて、姿勢を変化させる。ここでは、右旋回の場合は、運転者91が体を右方向に傾け、左旋回の場合は、運転者91が左方向に傾ける。
ステップD503において、運転者91が姿勢を変化させることにより、運転操作補助装置95ではステップV503が実行される。
(ステップV503:運転操作補助装置95:圧力センサデータ読込)
ステップV503において、圧力検出部132は、背もたれ面圧力センサ121asと座面圧力センサ121bsとから圧力データをそれぞれ読み込む。
もし、一定時間、圧力データが読み込めなかった場合、操作入力部通知170は、ステップV506へ進み、すべての触覚刺激部180を駆動して、圧力データが正しく読み込めない異常状態であることを、所定の振動パターンにより運転者91に通知する。また同時に、ステップV505へ進み、操作圧力決定部160は、モータ駆動電圧を徐々に0に近づけ、モータ制御部136は、左右のモータ137L,137Rを安全に停止する。
圧力検出部132は、背もたれ面圧力センサ121asと座面圧力センサ121bsとから圧力データをそれぞれ読み込めた場合には、以下の動作を行う。
図6A及び図6Bは平地の路面92における運転者91の着座姿勢をそれぞれ表し、図7A及び図7Bは平地時の圧力センサの出力の一例である。図8は傾斜角(α_up)の上り坂の路面92における運転者91の着座姿勢を表し、図9A及び図9Bは上り坂での圧力センサの出力の一例である。図10は傾斜角(α_down)の下り坂の路面92における運転者91の着座姿勢を表し、図11A及び図11Bは下り坂での圧力センサの出力の一例である。ただし、立位乗車移動体100の傾きαは、α<−(α_down)である。
第1実施形態では、各圧力センサの一例として、図7A及び図7Bに示すような所定の大きさの(図7A及び図7Bでは一例として四角形の)圧力検知ブロック94ごとに圧力値を検出できるセンサを用いる。このような圧力センサとしては、例えば導電フィルムを用いたものがあり、各圧力検知ブロック94ごとに8ビット(0〜255)のデータを出力するものが知られている。図7A及び図7B、図9A及び図9B、図11A及び図11Bでは、圧力検知ブロック94ごとに、8ビットの圧力データ(出力値)を「空白」、「△」(三角形)、「○」(円形)、「▲」(中を黒く塗りつぶした三角形)、「●」(中を黒く塗りつぶした円形)の記号で表示しており、この順に圧力が高いことを表している(図7C,図9C,図11C参照)。これらのセンサの出力値に基づいて、背もたれ面圧力センサ右部121asRと、背もたれ面圧力センサ左部121asLと、座面圧力センサ右部121bsRと、座面圧力センサ左部121bsLとのそれぞれについて、平均圧力値(P_121asR、P_121asL、P_121bsR、P_121bsL)及び荷重値(W_121asR、W_121asL、W_121bsR、W_121bsL)を圧力検出部132で算出する。圧力検知ブロック94にかかる荷重値は、圧力検知ブロック94の圧力値に圧力検知ブロック94の面積を圧力検出部132で乗算することで求めることができる。また、背もたれ面圧力センサ右部121asRと、背もたれ面圧力センサ左部121asLと、座面圧力センサ右部121bsRと、座面圧力センサ左部121bsLとのそれぞれにかかる荷重は、圧力検知ブロック94ごとの荷重値の総和により圧力検出部132で求められる。同様にして、背もたれ101にかかる荷重と、座部102にかかる荷重も圧力検出部132で算出できる。
次いで、運転操作補助装置95の動作フローは、ステップV504に進む。以後、これらの算出値に基づいて、ステップV504で立位乗車移動体100の傾きを推定し、ステップV505で運転者91の姿勢変化による操作入力を選択し、立位乗車移動体100の移動方向を制御するための左右のモータ137L,137Rの制御量(姿勢変化分モータ制御量)を決定する。
(ステップV504:運転操作補助装置95:立位乗車移動体100の傾き推定)
ステップV504において、傾き検出部140により、ステップV503で圧力検出部132により算出された各圧力センサにおける平均圧力値及び荷重値を用いて立位乗車移動体100が走行する路面92の傾きを推定する。ここでは、立位乗車移動体100が走行する路面92の傾きを三段階(平地、上り坂、下り坂)で傾き検出部140により推定する例を図6A〜図12を用いて説明する。傾き検出部140は、この三段階(平地、上り坂、下り坂)の判定を行うことにより、いずれかの段階であるかを判定する。簡単に言えば、傾き検出部140により、立位乗車移動体100の傾きαが立位乗車移動体100の進行方向に対して第1の角度値以上ならば、上り坂と判定し、立位乗車移動体100の進行方向に対して第2の角度値以下ならば、下り坂と判定し、立位乗車移動体100の進行方向に対して第2の角度値を超えかつ第1の角度値以下未満ならば、平地と判定するものである。以下に詳細に説明する。
なお、具体的な判定を行うとき、毎回、三段階(平地、上り坂、下り坂)の判定をすべて行う場合と、三段階(平地、上り坂、下り坂)の判定のうち、いずれかであることが判定されたとき、残りの段階の判定を中止する場合とが考えられる。これらの判定が行われたのち、運転操作補助装置95の動作フローは、ステップV505に進む。
また、立位乗車移動体100の傾き(傾き角度値)を推定するためにジャイロスコープを用い、ジャイロスコープで検出された傾き角度値により操作入力部121を選択してもよい。しかしながら、ここでは、圧力センサ以外のセンサを用いず、運転者91の姿勢による圧力センサの出力値のみを基に立位乗車移動体100の傾きを傾き検出部140により推定する例で説明する。
(平地の場合)
図6A及び図6Bは平地の路面92における運転者91の着座姿勢をそれぞれ示しており、図7A及び図7Bは平地時の圧力センサの出力の一例である。
ここでは、路面92の小さな凹凸などを立位乗車移動体100が乗り越える際などの、進行方向に対する立位乗車移動体100の傾き(傾き角度値)α{ただし、α>(α_up)}が、(−第2の角度値<α<第1の角度値)、すなわち、(−α_flat1<α<α_flat2)を満たすときを平地とする。例えば、第2の角度値α_flat1、第1の角度値α_flat2は、それぞれ、一例として、3度程度の値である。
図7A及び図7Bにおいて、平地の路面92においては、背もたれ面圧力センサ121asと座面圧力センサ121bsとのそれぞれの圧力分布に大きな偏りがない(ほぼ「△」と「○」とで表される圧力値からなっている)。より具体的には、背もたれ面圧力センサ右部121asRと背もたれ面圧力センサ左部121asLのそれぞれの出力に大きな偏りがない。また、背もたれ面圧力センサ右上部121asRUと背もたれ面圧力センサ右下部121asRLのそれぞれの出力にも大きな偏りがない。また、背もたれ面圧力センサ左上部121asLUと背もたれ面圧力センサ左下部121asRLのそれぞれの出力にも大きな偏りがない。座面圧力センサ121bsについても同様である。
図12は、背もたれ面圧力センサ121asの出力値と操作入力及び立位乗車移動体100の傾きの関係の一例である。
図12において、P(背、右、平地、直進)は、平地かつ直進時の背もたれ面圧力センサ右部121asRのセンサ出力(平均圧力値又は荷重値)の確率密度関数を表す。この関数は、運転者91が実際に運転した際の圧力データから例えば正規分布のような分布を傾き検出部140により仮定して決定し、初期値保存部133に予め記憶しておく。P(背、右、平地、直進)に見られる圧力データのばらつきは、路面92の小さな凹凸又は運転者自身の自然な体動による変化である。
P(背、右、平地、右旋回)は、平地かつ右旋回時の背もたれ面圧力センサ右部121asRのセンサ出力の確率密度関数を表す。
P(背、右、平地、左旋回)は、平地かつ左旋回時の背もたれ面圧力センサ右部121asRのセンサ出力の確率密度関数を表す。
背もたれ面圧力センサ右部121asRの平均圧力値P_121asRの変化が、路面92の小さな凹凸又は運転者自身の自然な体動による変化であるのか、あるいは運転者91による意図的な右旋回(左旋回)の操作であるのかは、それぞれの確率密度関数から算出できる確率値から、傾き検出部140により判定することができる。
すなわち、傾き検出部140は、次のようにして、立位乗車移動体100の傾き(路面92)が平地であることを判定する。
まず、図12に示すような確率密度関数を、運転者91が搭乗した立位乗車移動体100が様々な傾きの路面92を実際に旋回しながら移動した際の圧力データから、傾き検出部140により、予め求めておき、初期値保存部133に記憶しておく。また、背もたれ圧力センサ右部平均圧力値P_121asR及び背もたれ圧力センサ左部平均圧力値P_121asLのそれぞれの平地における上限値P_121as_flat_maxは、背もたれ圧力センサ右部平均圧力値上で定義される右旋回操作入力の確率密度関数と背もたれ圧力センサ左部平均圧力値上で定義される左旋回操作入力の確率密度関数に対する3シグマの値の大きい方などで傾き検出部140により決定した値とする。同様に、背もたれ圧力センサ右部平均圧力値P_121asR及び背もたれ圧力センサ左部平均圧力値P_121asLのそれぞれの平地における下限値P_121as_flat_minは、背もたれ圧力センサ右部平均圧力値上で定義される左旋回操作入力の確率密度関数と背もたれ圧力センサ左部平均圧力値上で定義される右旋回操作入力の確率密度関数に対する3シグマの値の小さい方などで傾き検出部140により決定した値とする。また同様に、座面圧力センサ右前部平均圧力値P_121bsR及び座面圧力センサ左前部平均圧力値P_121bsRのそれぞれの平地における上限値P_121bs_flat_max及び下限値P_121bs_flat_maxも傾き検出部140により決定される。圧力センサ右部平均圧力値P_121asR及び圧力センサ左部平均圧力値P_121asLが、共にその上限値P_121as_flat_maxと下限値P_121as_flat_minとの間の場合に、傾き検出部140は、立位乗車移動体100の傾き(路面92)が平地であると判定する。これが、進行方向に対する立位乗車移動体100の傾きαが、(−α_flat1<α<α_flat2)を満たすことと対応している。この条件以外の場合には、傾き検出部140は、立位乗車移動体100の傾き(路面92)が平地ではないと判定する。
次に、傾き検出部140は、立位乗車移動体100の傾き(路面92)が上り坂であるか否か、判定する。
(上り坂の場合)
図8は上り坂の路面92における運転者91の着座姿勢を示しており、図9A及び図9Bは上り坂での圧力センサの出力の一例である。
上り坂では、座面後部と背もたれ上部とに運転者91の荷重が自然に移動する。
すなわち、上り坂の場合の背もたれ面圧力センサ121asの上部の平均圧力値及び単位面積あたりの接触点数が、平地の場合と比較して、大きくなる。平地の場合の図7A及び図7Bと比較して、図9A及び図9Bでは圧力値がより高くなっていることが分かる(圧力検知ブロック94において「▲」と「●」とで表される高い圧力値が増えている。)。
座面圧力センサ121bsについては、座面圧力センサ右前部121bsRFより座面圧力センサ右後部121bsRBの圧力値及び単位面積あたりの接触点数が大きくなり、座面圧力センサ左前部121bsLFと座面圧力センサ左後部121bsLBとについても同様である。
したがって、傾き検出部140は、次のようにして、立位乗車移動体100の傾き(路面92)が上り坂であると判定する。
まず、立位乗車移動体100が前進で坂を上っていく場合、座面PS3にかかっていた運転者91の荷重が座面PS3から背もたれ面PS1に徐々に移動する。すると、圧力センサ右部平均圧力値P_121asR及び圧力センサ左部平均圧力値P_121asLが、それぞれ、平地で右(あるいは左)旋回の操作入力をした場合の背もたれ面圧力センサ右部(あるいは左部)121asRあるいは121asLの上限値(最大圧力値)P_121as_flat_maxを超える。かつ、背もたれ面PS1の上部と座面PS3の後部に同時に運転者91の荷重がかかっていく。この場合、具体的には、背もたれ面圧力センサ121asの上部と下部との圧力差が下記の(式1)を満たし、かつ、座面圧力センサ121bsの前部と後部との圧力差が下記の(式2)を満たすとき、傾き検出部140は、上り坂であると判定する。この条件以外の場合には、傾き検出部140は、上り坂ではないと判定する。
但し、(式1)及び(式2)において、P_121asRU、P_121asRL、P_121asLU、 P_121asLLは、それぞれ、背もたれ面圧力センサ右上部121asRUの平均圧力値、背もたれ面圧力センサ右下部121asRLの平均圧力値、背もたれ面圧力センサ左上部121asLUの平均圧力値、背もたれ面圧力センサ左下部121asLLの平均圧力値である。また、(式1)及び(式2)において、P_121bsRF、P_121bsRB、P_121bsLF、P_121bsLBは、それぞれ、座面圧力センサ右前部121bsRFの平均圧力値、座面圧力センサ右後部121bsRBの平均圧力値、座面圧力センサ左前部121bsLFの平均圧力値、座面圧力センサ左後部121bsLBの平均圧力値である。また、SL_UP_121asR、SL_UP_121asL、SL_UP_121bsR、SL_UP_121bsLは、それぞれ、背もたれ面圧力センサ右部121asRの平均圧力値の差を判定する閾値、背もたれ面圧力センサ左部121asLの平均圧力値の差を判定する閾値、座面圧力センサ右部121bsRの平均圧力値の差を判定する閾値、座面圧力センサ左部121bsLの平均圧力値の差を判定する閾値である。
ここで、(式1)の上側の式の左辺は、上り坂で、常に、背もたれ面PS1の上部が下部よりも大きな荷重がかかっているため、
(背もたれ面圧力センサ右上部121asRUの平均圧力値P_121asRU)−(背もたれ面圧力センサ右下部121asRLの平均圧力値P_121asRL)>0
と考えて、背もたれ面圧力センサ右部121asRの平均圧力値の差と、背もたれ面圧力センサ右部121asRの平均圧力値の差を判定する閾値SL_UP_121asRとを比較している。また、(式1)の下側の式の左辺は、上り坂で、常に、背もたれ面PS1の上部が下部よりも大きな荷重がかかっているため、
(背もたれ面圧力センサ左上部121asLUの平均圧力値P_121asLU)−(背もたれ面圧力センサ左下部121asLLの平均圧力値P_121asLL)>0
と考えて、背もたれ面圧力センサ左部121asLの平均圧力値の差と、背もたれ面圧力センサ左部121asLの平均圧力値の差を判定する閾値SL_UP_121asLとを比較している。
同様に、(式2)の上側の式の左辺は、上り坂で、常に、座面PS1の後部が前部よりも大きな荷重がかかっているため、
(座面圧力センサ右後部121bsRBの平均圧力値P_121bsRB)−(座面圧力センサ右前部121bsRFの平均圧力値P_121bsRF)>0
と考えて、座面圧力センサ右部121bsRの平均圧力値の差と、座面圧力センサ右部121bsRの平均圧力値の差を判定する閾値SL_UP_121bsRとを比較している。また、(式2)の下側の式の左辺は、上り坂で、常に、座面PS1の後部が前部よりも大きな荷重がかかっているため、
(座面圧力センサ左後部121bsLBの平均圧力値P_121bsLB)−(座面圧力センサ左前部121bsLFの平均圧力値P_121bsLF)>0
と考えて、座面圧力センサ左部121bsLの平均圧力値の差と、座面圧力センサ左部121bsLの平均圧力値の差を判定する閾値SL_UP_121bsLとを比較している。
なお、ここでは、平均圧力値の差により上り坂の判定を傾き検出部140で行う例で説明したが、ステップV503で算出される荷重値の差を用いて傾き検出部140で判定しても良い。
Figure 2012235839
Figure 2012235839
次に、傾き検出部140は、立位乗車移動体100の傾き(路面92)が下り坂であるか否か、判定する。
(下り坂の場合)
図10は下り坂の路面92における運転者91の着座姿勢を示しており、図11A及び図11Bは下り坂での圧力センサの出力の一例である。
下り坂では、背もたれ101から運転者91の背中が自然に離れて、背もたれ101にかかる荷重が小さくなるとともに、自然に座面前方に、より荷重がかかる。
すなわち、下り坂での場合の背もたれ面圧力センサ121asの上部の圧力値及び単位面積あたりの接触点数が、平地の場合と比較して、小さくなる(圧力検知ブロック94において「空白」又は「△」とで表される低い圧力値となっている。)。また、さらに下りの勾配が大きい場合には、運転者91の背中が背もたれ101から完全に離れ、背もたれ圧力センサ121asからの出力が0に近くなる(圧力検知ブロック94において「空白」で表される圧力値となっている。)。
座面圧力センサ121bsについては、座面圧力センサ右前部121bsRFの方が、座面圧力センサ右後部121bsRBよりも平均圧力値及び単位面積あたりの接触点数が大きくなり、座面圧力センサ左前部121bsLFと座面圧力センサ左後部121bsLBとについても同様である。
したがって、傾き検出部140は、次のようにして、立位乗車移動体100の傾き(路面92)が下り坂であると判定する。
まず、立位乗車移動体100が前進で坂を下っていく場合、背もたれ101の下部と座部102の前部とに同時に運転者91の荷重がかかっていく。この場合、具体的には、背もたれ面圧力センサ121asの上部と下部との圧力差が(式3)を満たし、かつ、座面圧力センサ121bsの前後の圧力差が(式4)を満たすとき、傾き検出部140は、立位乗車移動体100の傾き(路面92)が下り坂であると傾き検出部140で判定する。この条件以外の場合には、傾き検出部140は、立位乗車移動体100の傾き(路面92)が下り坂ではないと判定する。
但し、(式3)及び(式4)において、SL_DOWN_121asR、SL_DOWN_121asL、SL_DOWN_121bsR、SL_DOWN_121bsLは、それぞれ、背もたれ面圧力センサ右部121asRの平均圧力値の差を判定する閾値、背もたれ面圧力センサ左部121asLの平均圧力値の差を判定する閾値、座面圧力センサ右部121bsRの平均圧力値の差を判定する閾値、座面圧力センサ左部121bsLの平均圧力値の差を判定する閾値である。
ここで、(式3)の上側の式の左辺は、下り坂で、常に、背もたれ面PS1の下部が上部よりも大きな荷重がかかっているため、
(背もたれ面圧力センサ右下部121asRLの平均圧力値P_121asRL) > (背もたれ面圧力センサ右上部121asRUの平均圧力値P_121asRU)
と考えて、背もたれ面圧力センサ右部121asRの平均圧力値の差と、背もたれ面圧力センサ右部121asRの平均圧力値の差を判定する閾値SL_DOWN_121asRとを比較している。また、(式3)の下側の式の左辺は、下り坂で、常に、背もたれ面PS1の下部が上部よりも大きな荷重がかかっているため、
(背もたれ面圧力センサ左下部121asLLの平均圧力値P_121asLL) > (背もたれ面圧力センサ左上部121asLUの平均圧力値P_121asLU)
と考えて、背もたれ面圧力センサ左部121asLの平均圧力値の差と、背もたれ面圧力センサ左部121asLの平均圧力値の差を判定する閾値SL_DOWN_121asLとを比較している。
同様に、(式4)の上側の式の左辺は、下り坂で、常に、座面PS1の前部が後部よりも大きな荷重がかかっているため、
(座面圧力センサ右前部121bsRFの平均圧力値P_121bsRF) > (座面圧力センサ右後部121bsRBの平均圧力値P_121bsRB)
と考えて、座面圧力センサ右部121bsRの平均圧力値の差と、座面圧力センサ右部121bsRの平均圧力値の差を判定する閾値SL_DOWN_121bsRとを比較している。また、(式4)の下側の式の左辺は、下り坂で、常に、座面PS1の前部が後部よりも大きな荷重がかかっているため、
(座面圧力センサ左前部121bsLFの平均圧力値P_121bsLF) − (座面圧力センサ左後部121bsLBの平均圧力値P_121bsLB)>0
と考えて、座面圧力センサ左部121bsLの平均圧力値の差と、座面圧力センサ左部121bsLの平均圧力値の差を判定する閾値SL_DOWN_121bsLとを比較している。
なお、ここでは、平均圧力値の差により下り坂の判定を傾き検出部140で行う例で説明したが、ステップV503で算出される荷重値の差を用いて傾き検出部140で判定しても良い。
Figure 2012235839
Figure 2012235839
次に、運転操作補助装置95の動作フローは、ステップV505に進む。
(ステップV505:運転操作補助装置95:操作入力部121・姿勢変化分モータ制御量決定)
ステップV505において、操作入力部選択部150により、ステップV504で傾き検出部140により推定された立位乗車移動体100の傾き(路面92の傾き)に応じて、運転者91が姿勢による操作を入力する操作入力部121を選択する。
図8に示すように、立位乗車移動体100の傾き(路面92)が上り坂であると傾き検出部140で判定された場合、座面PS3にかかっていた荷重が、重力に従って自然に、座面PS3から背もたれ面PS1に移動する。このため、座面PS3で左部と右部との圧力差を生じさせるより、背もたれ面PS1の方が圧力の左部と右部との差を生じさせやすくなる。よって、操作入力部選択部150により、背もたれ面操作入力部121aを操作入力部121として選択する。
また、図10に示すように、立位乗車移動体100の傾き(路面92)が下り坂であると傾き検出部140で判定された場合、背もたれ面PS1から運転者91の背中が離れて背もたれ面PS1にかかる荷重が小さくなり、その分、座面PS3の前方に荷重がかかることになる。このため、上り坂の場合と異なり、背もたれ面PS1で左部と右部との圧力差を生じさせることが、重力に逆らった姿勢を運転者91に強要することになり、負担である。このため、操作入力部選択部150により、座面操作入力部121bを操作入力部121として選択する。
また、図6A及び図6Bに示すように、立位乗車移動体100の傾き(路面92)が平地であると傾き検出部140で判定された場合には、操作入力部選択部150により、背もたれ面操作入力部121aと座面操作入力部121bとのうちのいずれかの操作入力部を操作入力部121として選択する。例えば、操作入力部選択部150により、背もたれ面操作入力部121aと座面操作入力部121bとのうち、左部と右部との圧力差が大きい方の操作入力部121を選択すればよい。あるいは、操作入力部選択部150により、背もたれ面操作入力部121aと座面操作入力部121bとの両方を選択して、背もたれ面操作入力部121aの圧力差と座面操作入力部121bの圧力差の平均値を用いてモータ制御量(モータ駆動電圧)を操作圧力決定部160で決定するなどしてもよい。
(右旋回、左旋回の判定)
次に、右旋回、左旋回は、以下の手順で操作圧力決定部160で判定する。
ここで、TR_121as、TL_121as、TR_121bs、TL_121bsは、それぞれ、背もたれ面圧力センサ右部の所定の閾値、背もたれ面圧力センサ左部の所定の閾値、座面圧力センサ右部の所定の閾値、座面圧力センサ左部の所定の閾値である。
操作入力部選択部150により背もたれ面圧力センサ121asを操作入力部121とした場合は、平均圧力値の左部と右部との差に基づき、以下のように、右旋回か、左旋回かの判定を操作圧力決定部160で行う。
Figure 2012235839
すなわち、背もたれ面圧力センサ右部121asRの平均圧力値P_121asRと背もたれ面圧力センサ左部121asLの平均圧力値P_121asLとの差が背もたれ面圧力センサ右部の所定の閾値TR_121asより大きければ、右旋回であると操作圧力決定部160で判定する。また、背もたれ面圧力センサ右部121asRの平均圧力値P_121asRと背もたれ面圧力センサ左部121asLの平均圧力値P_121asLとの差が背もたれ面圧力センサ左部の所定の閾値TL_121asより小さければ、左旋回であると操作圧力決定部160で判定する。これらの条件以外の場合には、右旋回でも左旋回でもないと、操作圧力決定部160で判定する。この場合は、旋回用のモータ駆動電圧(姿勢変化分モータ制御量)は0となる。
操作入力部選択部150により座面圧力センサ121bsを操作入力部121とした場合は、平均圧力値の左部と右部との差に基づき、以下のように、右旋回か、左旋回かの判定を操作圧力決定部160で行う。
Figure 2012235839
すなわち、座面圧力センサ右部121bsRの平均圧力値P_121bsRと座面圧力センサ左部121bsLの平均圧力値P_121bsLとの差が座面圧力センサ右部の所定の閾値TR_121bsより大きければ、右旋回であると操作圧力決定部160で判定する。また、座面圧力センサ右部121bsRの平均圧力値P_121bsRと座面圧力センサ左部121bsLの平均圧力値P_121bsLとの差が座面圧力センサ左部の所定の閾値TL_121bsより小さければ、左旋回であると操作圧力決定部160で判定する。これらの条件以外の場合には、右旋回でも左旋回でもないと、操作圧力決定部160で判定する。この場合は、旋回用のモータ駆動電圧(姿勢変化分モータ制御量)は0となる。
また、右旋回又は左旋回の場合、操作圧力決定部160により、姿勢変化分モータ制御量は、操作入力部選択部150により選択された圧力センサ121as又は121bsの左部(の平均圧力値)と右部(の平均圧力値)との差に比例したモータ駆動電圧(姿勢変化分モータ制御量)で、左右の後輪107を互いに逆方向に回転させるように決定される。ここで、図8及び図10に示すように、平地よりも上り坂及び下り坂のほうが、運転者91は背もたれ面や座面に荷重をかけやすくなるため、背もたれ面圧力センサ121asの右部と左部との圧力値の差、座面圧力センサ121bsの右部と左部との圧力値の差は、平地のときよりも大きくなる傾向がある。このため、運転者91は、平地のときと同様に圧力センサに荷重をかけているつもりでも、上り坂及び下り坂の場合は、自然により大きな圧力差が生じるため、運転者91が意図した以上に大きな旋回動作となりうる。したがって、上り坂及び下り坂における姿勢変化分モータ制御量は、実際に生じている圧力値の差の絶対値から、傾き推定部104により推定された傾きに比例した所定の数値を減算して圧力値の差の絶対値を補正し、補正後の値に比例したモータ駆動電圧で左右の後輪107を駆動するように、操作圧力決定部160により決定される。あるいは、所定の数値を減算するかわりに、圧力値の差の絶対値に0以上1未満の値の係数をかけて補正してもよい。その後、後述するステップV507において、決定されたモータ駆動電圧が操作圧力決定部160から統合部135を経てモータ制御部136に入力されて、モータ制御部136で、左右のモータ137L及び137Rを駆動する。例えば右旋回の場合は、右後輪107を後退方向に回転し、左後輪107を前進方向に回転する。左旋回の場合は、それぞれそれらの逆の回転とする。次いで、運転操作補助装置95の動作フローはステップV506へ進む。
(ステップV506:運転操作補助装置95:操作入力部通知)
ステップV506において、操作入力部通知部170は、運転者91が操作のための姿勢変化を行いやすくするため、ステップV505で操作入力部選択部150により選択された操作入力部121に併設されている触覚刺激部180を駆動し、ステップV505で選択された操作入力部121を運転者91に通知する。通知された運転者91は、ステップD504の動作を行う。触覚刺激部180としては、例えば、モータ又は圧電アクチュエータなどを用いて振動を発生させ、振動パターンなどにより、選択した入力操作部121を運転者91に通知すればよい。
例えば、上り坂で、操作入力部選択部150により背もたれ面操作入力部121aが選択されるときであって、かつ、前進又は後退時には、背もたれ面右触覚刺激部180aRと背もたれ面左触覚刺激部180aLとの両方を操作入力部通知部170で駆動する。また、上り坂で、操作入力部選択部150により背もたれ面操作入力部121aが選択されるときであって、かつ、右旋回のときは、背もたれ面右触覚刺激部180aRを操作入力部通知部170で駆動する。また、上り坂で、操作入力部選択部150により背もたれ面操作入力部121aが選択されるときであって、かつ、左旋回のときは、背もたれ面左触覚刺激部180aLを操作入力部通知部170で駆動する。
また、下り坂で、操作入力部選択部150により座面操作入力部121bが選択されるときであって、かつ、前進又は後退時には、座面右触覚刺激部180bRと座面左触覚刺激部180bLとの両方を操作入力部通知部170で駆動する。また、下り坂で、操作入力部選択部150により座面操作入力部121bが選択されるときであって、かつ、右旋回のときは、座面右触覚刺激部180bRを操作入力部通知部170で駆動する。また、下り坂で、操作入力部選択部150により座面操作入力部121bが選択されるときであって、かつ、左旋回のときは、座面左触覚刺激部180bLを操作入力部通知部170で駆動する。
また、平地の場合、操作入力部選択部150により背もたれ面操作入力部121aと座面操作入力部121bとのうちの左部と右部との圧力差が大きい方の操作入力部121が選択されて、その選択された操作入力部121の触覚刺激部180を操作入力部通知部170で駆動する。
ステップV506において、操作入力部通知部170で触覚刺激部180を駆動して、ステップV505で選択された操作入力部121を運転者91に通知することにより、下記のように、ステップD504において、運転者91が操作入力部121を確認する。次いで、運転操作補助装置95の動作フローはステップV507へ進む。
(ステップD504:運転者91:操作入力部確認)
ステップD504において、ステップV506での触覚刺激部180による操作入力部通知を受け、運転者91は、現在、操作入力部121として選択されている部位を触覚刺激部180の駆動で知る。そして、必要に応じて、ステップD503に戻り、運転者91は、姿勢を維持又は変化させて操作を行う。あるいは、ステップD501に戻り、ステップD501〜D503により、運転者91は、必要に応じて、進行方向を再び決定し、フットスイッチ操作又は姿勢変化操作を行う。
(ステップV507:運転操作補助装置95:モータ制御)
ステップV507において、統合部135は、ステップV502でフットスイッチ押し下げ検出部131により決定されたフットスイッチ分モータ制御量とステップV505で決定された姿勢変化分モータ制御量とを統合する。具体的には、それぞれで決定されたモータ駆動電圧値を統合部135で加算する。モータ制御部136は、統合部135で統合されたモータ駆動電圧に基づいて、左右のモータ137L及び137Rを制御して左右の後輪107を駆動することにより、前進、後退、右旋回、又は、左旋回を行う。
上記の構成と動作により、背もたれ面圧力センサ121asと座面圧力センサ121bsとで検出される圧力センサの値を用いて、上り坂又は下り坂などの路面状況の変化により生じる立位乗車移動体100の傾き(平地/上り坂/下り坂)を傾き検出部140により検出する。この結果、操作入力部選択部150により、立位乗車移動体100の傾きにより生じる運転者91の自然な姿勢変化に応じて、より操作しやすい操作入力部121として、背もたれ面操作入力部121aと座面操作入力部121bとを切り替えることができる。よって、運転者91は、上り坂又は下り坂などの路面状況によらず、姿勢変化による運転操作を容易に行うことができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態は、立位乗車移動体100に肘掛112を追加して肘掛部分にも操作入力部121を設け、さらに背もたれ101と座部102と肘掛112との3つの操作入力部121a,121b,121cへの入力の安定度を運転者91に通知することで、運転姿勢又は操作入力部121a,121b,121cの切替の自由度をより高く、また、より安定した姿勢で運転操作ができるよう考慮したものである。
図13は、第2実施形態における立位乗車移動体100の構成図(斜視図)である。第1実施形態の構成図を表す図1との相違点は、背もたれ用支柱106に支持された一対の肘掛112をさらに追加したことである。なお、肘掛112は必ずしも一対必要ではなく、いずれか一方のみでもよい。
図14A及び図14Bは、図13に示した立位乗車移動体100に運転者91が乗車し、座席90に着座した状態の正面図と側面図である。第1実施形態における立位乗車移動体100における乗車姿勢正面及び側面図である図2A及び図2Bとの相違点は、第2実施形態では、一対の肘掛112、及び、各肘掛112の肘掛面PS4に配置された肘掛面操作入力部121cをさらに追加したことである。すなわち、第2実施形態は、運転者91の姿勢による操作入力を受け付けるための、背もたれ面操作入力部121aと、座面操作入力部121bと、肘掛面操作入力部121cとの3種類の操作入力部121を備えている。
図15は、第2実施形態における操作入力部121の詳細構成図である。
図15において、背もたれ面操作入力部121aは、一例として、背もたれ面PS1の圧力を検出する背もたれ面圧力センサ121asで構成されている。背もたれ面圧力センサ121asは、一例として、背もたれ101の中央部101Aを除く、背もたれ101の背もたれ面PS1の右側部に配置されて、背もたれ面PS1の右側部の圧力を検出する背もたれ面圧力センサ右部121asRと、背もたれ101の中央部101Aを除く、背もたれ101の背もたれ面PS1の左側部に配置されて、背もたれ面PS1の左側部の圧力を検出する背もたれ面圧力センサ左部121asLとで構成されている。背もたれ面圧力センサ右部121asRは、一例として、背もたれ面PS1の右側上部の圧力を検出する背もたれ面圧力センサ右上部121asRUと、背もたれ面PS1の右側下部の圧力を検出する背もたれ面圧力センサ右下部121asRLとで構成されている。背もたれ面圧力センサ左部121asLは、一例として、背もたれ面PS1の左側上部の圧力を検出する背もたれ面圧力センサ左上部121asLUと、背もたれ面PS1の左側下部の圧力を検出する背もたれ面圧力センサ左下部121asRLとで構成されている。
座面操作入力部121bは、一例として、座面PS3の圧力を検出する座面圧力センサ121bsで構成されている。座面圧力センサ121bsは、一例として、座部102の座面PS3の中央部から右側に配置されて、中央部から右側の部分の圧力を検出する座面圧力センサ右部121bsRと、座部102の座面PS3の中央部から左側に配置されて、中央部から左側の部分の圧力を検出する座面圧力センサ左部121bsLとで構成されている。座面圧力センサ右部121bsRは、一例として、中央部から右側でかつ前部の部分の圧力を検出する座面圧力センサ右前部121bsRFと、中央部から右側でかつ後部の部分の圧力を検出する座面圧力センサ右後部121bsRBとで構成されている。座面圧力センサ左部121bsLは、一例として、中央部から左側でかつ前部の部分の圧力を検出する座面圧力センサ左前部121bsLFと、中央部から左側でかつ後部の部分の圧力を検出する座面圧力センサ左後部121bsLBとで構成されている。
肘掛面操作入力部121cは、一例として、肘掛面PS4の圧力を検出する肘掛面圧力センサ121csで構成されている。肘掛面圧力センサ121csは、一例として、一対の肘掛112のうちの右側の肘掛112の肘掛面PS4の圧力を検出する肘掛面圧力センサ右部121csRと、一対の肘掛112のうちの左側の肘掛112の肘掛面PS4の圧力を検出する肘掛面圧力センサ左部121csLとで構成されている。肘掛面圧力センサ右部121csRは、一例として、右側の肘掛112の肘掛面PS4の前部の圧力を検出する肘掛面圧力センサ右前部121csRFと、右側の肘掛112の肘掛面PS4の後部の圧力を検出する肘掛面圧力センサ右後部121csRBとで構成されている。肘掛面圧力センサ左部121csLは、一例として、左側の肘掛112の肘掛面PS4の前部の圧力を検出する肘掛面圧力センサ左前部121csLFと、左側の肘掛112の肘掛面PS4の後部の圧力を検出する肘掛面圧力センサ左後部121csLBとで構成されている。
また、これらの各圧力センサには、例えば、その中央部に触覚刺激部180を併設してあり、振動発生などにより、操作入力部121の状態を運転者91に通知する。
上記のように構成された第2実施形態の立位乗車移動体100の操作方法について図16〜図18に基づいて説明する。
図16は、本発明の第2実施形態における立位乗車移動体100の運転操作補助装置95の機能ブロック図である。第1実施形態の機能ブロック図を表す図4との相違点は、肘掛面操作入力部121cとして、肘掛面圧力センサ121csを追加したこと、操作入力部選択部150を、操作入力部121への操作入力の安定度を判定する操作入力安定度判定部190で置き換えたこと、さらに、操作入力部通知部170を、前記操作入力の安定度を運転者91に通知する操作入力安定度通知部200で置き換えたことである。
上記のように構成された立位乗車移動体100の運転操作補助装置95の動作の一例を図17及び図18のフローチャートを用いて説明する。図18には、運転操作補助装置95の動作と関連する運転者91の動作も、参考のため、運転操作補助装置95の動作フローの左側に示している。ここでは、運転者91の動作フロー(ステップD1701〜ステップD1704)と立位乗車移動体100の運転操作補助装置95の動作フロー(ステップV1701〜ステップV1707)を対応付けて説明する。運転者91の動作ステップD1701〜D1704は組み合わせて同時並行して行われる。具体的には、運転者91はステップD1701で進行方向を常に維持又は修正しながら、ステップD1702のフットスイッチ操作、ステップD1703の姿勢変化操作、ステップD1704の操作入力の安定度確認を組み合わせて同時並行で行う。ここでは、各肘掛112にも肘掛面操作入力部121cを設け、さらに背もたれ101と、座部102と、肘掛112との3つの操作入力部121への入力の安定度を運転者91に通知することで、立位乗車移動体100の傾きによって運転者91にとって操作が容易な操作入力部121を選択する際に、複数の操作入力部121から運転者91が安定度を考慮して選ぶことができる。このため、より操作と運転姿勢の自由度が高く、また、より安定した姿勢で運転操作ができることを、図19A〜図24Cを用いて説明する。なお、運転操作補助装置95の動作フローは、制御プログラム(運転操作補助用プログラム)として制御装置130の内蔵メモリに記憶されている。
(ステップD1701:運転者91:進行方向決定)
ステップD1701において、運転者91は、立位乗車移動体100の進行方向(前進、後退、右旋回、左旋回)を決定する。運転者91は、ステップD1702のフットスイッチ操作による前進・後退、ステップD1703の姿勢変化操作による右旋回・左旋回、ステップD1704の操作入力の安定度確認を組み合わせて同時並行して行うことにより、決定した進行方向へ立位乗車移動体100を移動させる。進行方向が前進又は後退の場合にはステップD1702に進む。一方、進行方向が右旋回又は左旋回の場合にはステップD1703に進む。操作入力部121の安定度を確認する場合にはステップD1704に進む。これらは組み合わせて同時並行して行われる。
(ステップD1702:運転者91:フットスイッチ操作)
ステップD1702において、ステップD1701で決定した進行方向である前進又は後退に基づいて、運転者91は左又は右フットスイッチ111(111L又は111R)を操作する。立位乗車移動体100を前進させる場合は、運転者91が右フットスイッチ111Rを押し下げ操作し、立位乗車移動体100を後退させる場合は、運転者91が左フットスイッチ111Lを押し下げ操作する。その後、ステップD1701で決定した進行方向が変わらない限り、同じ押し下げ操作を続行する。ステップD1701で決定した進行方向を変えたい場合には、ステップD1701に戻る。
このステップD1702において、運転者91がフットスイッチ111R又は111Lを押し下げ操作することにより、以下のように、運転操作補助装置95ではステップV1701が実行される。
(ステップV1701:運転操作補助装置95:フットスイッチデータ読込)
運転者91が左又は右フットスイッチ111(111L又は111R)を操作すると、左又は右フットスイッチ111(111L又は111R)からの信号が制御装置130内のフットスイッチ押し下げ検出部131に入力されて、以下の動作を行う。
すなわち、ステップV1701において、フットスイッチ押し下げ検出部131は、フットスイッチ111(111L及び111R)から制御装置130に送信されるON/OFFのデータ及び押し下げ量のデータをそれぞれ読み込み、ステップD1702で運転者91により操作されたフットスイッチ111(111L及び111R)の状態を検出する。次いで、運転操作補助装置95の動作フローは、ステップV1702に進む。
(ステップV1702:運転操作補助装置95:フットスイッチ分モータ制御量決定)
ステップV1702において、制御装置130内の統合部135は、フットスイッチ押し下げ検出部131で検出されたフットスイッチ111L又は111RのON/OFFのデータ及び押し下げ量のデータに基づき、一対の後輪107を駆動する一対のモータ137L,137Rの回転方向と回転速度とに対応するモータ駆動電圧をそれぞれ決定する。具体的には、フットスイッチ111L及び111RがOFFの場合、統合部135は、フットスイッチ111L,111Rからの入力に基づくモータ駆動電圧を左右のモータ137L,137R共に0に設定する。右フットスイッチ111RのみがONで左フットスイッチ111LがOFFの場合(すなわち前進の場合)、一対の後輪107が前進方向に同期して一体的に回転するよう、統合部135は、右フットスイッチ111Rの押し下げ量に比例したモータ駆動電圧をモータ137L及び137Rに設定する。左フットスイッチ111LのみがONで右フットスイッチ111RがOFFの場合(すなわち後退の場合)、一対の後輪107が前進方向に同期して一体的に回転するよう、統合部135は、左フットスイッチ111Lの押し下げ量に比例したモータ駆動電圧をモータ137L及び137Rに設定する。次いで、運転操作補助装置95の動作フローは、ステップV1703に進む。
(ステップD1703:運転者:姿勢変化操作)
ステップD1703において、運転者91は、ステップD1701で決定した右旋回又は左旋回の旋回方向に応じて、姿勢を変化させる。ここでは、右旋回の場合は、運転者91が体を右方向に傾け、左旋回の場合は、運転者91が左方向に傾ける。
ステップD1703において、運転者91が姿勢を変化させることにより、運転操作補助装置95ではステップV1703が実行される。
(ステップV1703:運転操作補助装置95:圧力センサデータ読込)
ステップV1703において、圧力検出部132は、背もたれ面圧力センサ121asと座面圧力センサ121bsと肘掛面圧力センサ121csとから圧力データをそれぞれ読み込む。もし、一定時間、圧力データが読み込めなかった場合、操作入力安定度通知部200は、ステップV1705へ進み、すべての触覚刺激部180を駆動して、圧力データが正しく読み込めない異常状態であることを、所定の振動パターンにより運転者91に通知する。また同時に、ステップV1707へ進み、モータ制御部136は、左右のモータ137L、137Rを安全に停止する。
圧力検出部132は、背もたれ面圧力センサ121asと座面圧力センサ121bsと肘掛面圧力センサ121csとから圧力データをそれぞれ読み込めた場合には、以下の動作を行う。
図19A及び図19Bは平地の路面92における運転者91の着座姿勢をそれぞれ表し、図20A〜図20Cは平地時の圧力センサの出力の一例である。図21は傾斜角(α_up)の上り坂の路面92における運転者91の着座姿勢を表し、図22A〜図22Cは上り坂での圧力センサの出力の一例である。図23は傾斜角(α_down)の下り坂における運転者91の着座姿勢を表し、図24A〜図24Cは下り坂での圧力センサの出力の一例である。ただし、立位乗車移動体100の傾きαは、α<−(α_down)である。
各圧力センサの一例として、図20A〜図20C、図22A〜図22C、図24A〜図24Cでは、圧力検知ブロック94ごとに、8ビット(0〜255)の圧力データ(出力値)を「空白」、「△」(三角形)、「○」(円形)、「▲」(中を黒く塗りつぶした三角形)、「●」(中を黒く塗りつぶした円形)の記号で表示しており、この順に圧力が高いことを表している(それぞれ、記号の意味は、第1実施形態の図7C,図9C,図11Cを参照)。これらのセンサ出力値に基づいて、背もたれ面圧力センサ右部121asRと、背もたれ面圧力センサ右上部121asRUと、背もたれ面圧力センサ右下部121asRLと、背もたれ面圧力センサ左部121asLと、背もたれ面圧力センサ左上部121asLUと、背もたれ面圧力センサ左下部121asRLと、座面圧力センサ右部121bsRと、座面圧力センサ右前部121bsRFと、座面圧力センサ右後部121bsRBと、座面圧力センサ左部121bsLと、座面圧力センサ左前部121bsLFと、座面圧力センサ左後部121bsLBと、肘掛面圧力センサ右部121csRと、肘掛面圧力センサ右前部121csRFと、肘掛面圧力センサ右後部121csRBと、肘掛面圧力センサ左部121csLと、肘掛面圧力センサ左前部121csLFと、肘掛面圧力センサ左後部121csLBとのそれぞれについて、平均圧力値(P_121asR、P_121asRU、P_121asRL、P_121asL、P_121asLU、P_121asRL、P_121bsR、P_121bsRF、P_121bsRB、P_121bsL、P_121bsLF、P_121bsLB、P_121csR、P_121csRF、P_121csRB、P_121csL、P_121csLF、P_121csLB)及び荷重値(W_121asR、W_121asRU、W_121asRL、W_121asL、W_121asLU、W_121asRL、W_121bsR、W_121bsRF、W_121bsRB、W_121bsL、W_121bsLF、W_121bsLB、W_121csR、W_121csRF、W_121csRB、W_121csL、W_121csLF、W_121csLB)を圧力検出部132で算出する。圧力検知ブロック94にかかる荷重値は、圧力検知ブロック94の圧力値に圧力検知ブロック94の面積を圧力検出部132で乗算することで求めることができる。また、背もたれ面圧力センサ右部121asRと、背もたれ面圧力センサ左部121asLと、座面圧力センサ右部121bsRと、座面圧力センサ左部121bsLと、肘掛面圧力センサ右部121csRと、肘掛面圧力センサ左部121csLとのそれぞれにかかる荷重は、圧力検知ブロック94ごとの荷重値の総和により圧力検出部132で求められる。同様にして、背もたれ101にかかる荷重と、座部102にかかる荷重と、肘掛112にかかる荷重も圧力検出部132で算出できる。
次いで、運転操作補助装置95の動作フローは、ステップV1704に進む。以後、これらの算出値に基づいて、ステップV1704で立位乗車移動体100の傾きを推定し、ステップV1705で運転者91の姿勢変化による操作入力を選択し、立位乗車移動体100の移動方向を制御するための左右のモータ137L,137Rの制御量を決定する。
(ステップV1704:運転操作補助装置95:立位乗車移動体100の傾き推定)
ステップV1704において、傾き取得部の別の例として傾き推定部140Aにより、ステップV1703で圧力検出部132により算出された各圧力センサにおける平均圧力値及び荷重値を用いて立位乗車移動体100が走行する路面92の傾きを推定する。ここでは、立位乗車移動体100が走行する路面92の傾きを三段階(平地、上り坂、下り坂)で傾き推定部140Aにより推定する例を図19A〜図24Cを用いて説明する。傾き推定部140Aは、この三段階(平地、上り坂、下り坂)の判定(推定)を行うことにより、いずれかの段階であるかを推定する。具体的な判定を行うとき、毎回、三段階(平地、上り坂、下り坂)の推定をすべて行う場合と、三段階(平地、上り坂、下り坂)の判定のうち、いずれかであることが判定されたとき、残りの段階の判定を中止する場合とが考えられる。これらの判定が行われたのち、運転操作補助装置95の動作フローは、ステップV1705に進む。
なお、立位乗車移動体100の傾きを推定するためにジャイロスコープを用い、ジャイロスコープで検出された傾き(傾き角度値)により操作入力部121を選択してもよい。しかしながら、ここでは、圧力センサ以外のセンサを用いず、運転者91の姿勢による圧力センサの出力値のみを基に立位乗車移動体100の傾きを傾き推定部140Aにより推定する例で説明する。
(平地の場合)
図19A及び図19Bは平地の路面92における運転者91の着座姿勢をそれぞれ示しており、図20A〜図20Cは平地時の圧力センサ出力の一例である。
ここでは、第1実施形態と同様に、路面92の小さな凹凸などを立位乗車移動体100が乗り越える際などの、進行方向に対する立位乗車移動体100の傾きα{ただし、α>(α_up)}が、(−第2の角度値<α<第1の角度値)、すなわち、(−α_flat1<α<α_flat2)を満たすときを平地とする。例えば、第2の角度値α_flat1、第1の角度値α_flat2は、それぞれ、一例として、3度程度の値である。
図20A〜図20Cにおいて、平地の路面92の場合、肘掛112に運転者91の腕を置いていれば、背もたれ面圧力センサ121asと座面圧力センサ121bsと同様、肘掛112の肘掛面PS4の前後で圧力値に偏りがない(ほぼ「△」と「○」とで表される圧力値からなっている)。ただし、肘掛112の肘掛面PS4に腕を置く場合と、肘掛112の肘掛面PS4に腕を置かない場合というように運転者91の姿勢に自由度があるため、傾き推定部140Aは肘掛面圧力センサ121csの圧力値は用いず、平地の判定は第1実施形態のステップV504と同様に行う。
傾き推定部140Aにより、立位乗車移動体100の傾き(路面92)が平地であるか否かの判定が終了したのち、傾き推定部140Aは、立位乗車移動体100の傾き(路面92)が上り坂であるか否か、判定する。
(上り坂の場合)
図21は上り坂の路面92における運転者91の着座姿勢を示しており、図22A〜図22Cは上り坂での圧力センサの出力の一例である。
上り坂では、肘掛112の肘掛面PS4に運転者91の腕を置いていれば、肘掛面圧力センサ121csについては、座面圧力センサ121bsと同様、肘掛面PS4の後部に荷重がかかる。ただし、肘掛112の肘掛面PS4に腕を置く場合と、肘掛112の肘掛面PS4に腕を置かない場合というように運転者91の姿勢に自由度があるため、傾き推定部140Aは、上り坂の判定では肘掛面圧力センサ121csの圧力値は用いず、第1実施形態のステップV504の傾き検出部140と同様に行う。
傾き推定部140Aにより、立位乗車移動体100の傾き(路面92)が上り坂であるか否かの判定が終了したのち、傾き推定部140Aは、立位乗車移動体100の傾き(路面92)が下り坂であるか否か、判定する。
(下り坂の場合)
図23は下り坂の路面92における運転者91の着座姿勢を示しており、図24A〜図24Cは下り坂での圧力センサの出力の一例である。
下り坂では、肘掛の肘掛面PS4に運転者91の腕を置いていれば、肘掛面圧力センサ121csについては、座面圧力センサ121bsと同様、肘掛面PS4の前部に荷重がかかる。ただし、肘掛112の肘掛面PS4に腕を置く場合と、肘掛112の肘掛面PS4に腕を置かない場合というように運転者91の姿勢に自由度があるため、傾き推定部140Aは、下り坂の判定では肘掛面圧力センサ121csの圧力値は用いず、第1実施形態のステップV504と同様に行う。
傾き推定部140Aにより、立位乗車移動体100の傾き(路面92)が下り坂であるか否かの判定が終了したのち、運転操作補助装置95の動作フローは、ステップV1705に進む。
(ステップV1705:運転操作補助装置95:操作入力の安定度判定及び通知)
ステップV1705において、ステップV1704で推定された立位乗車移動体100の傾きに応じて、操作入力安定度判定部190により、操作入力部121への操作入力の安定度を判定し、操作入力安定度通知部200により前記安定度を運転者91に通知する。通知された運転者91は、ステップD1704の動作を行う。
ここで、操作入力の安定度とは、坂又は平地において、運転者91が旋回等の操作入力を運転者91の姿勢変化により行う際に、運転者91の姿勢が安定した状態で運転者91が操作できるかどうかを判定する指標であり、各操作入力部121a,121b,121cにかかる圧力分布に基づいて操作入力安定度判定部190により判定する。具体的には、背もたれ面圧力センサ121asと、座面圧力センサ121bsと、肘掛面圧力センサ121csとの左部と右部との圧力値と、圧力値の左部と右部との差とにより、操作入力安定度判定部190で判定する。
また、操作入力安定度通知部200により前記安定度を運転者91に通知する方法としては、操作入力安定度通知部200により触覚刺激部180を少なくとも2種類の触覚刺激により駆動し、2種類の触覚刺激のうちの一方の触覚刺激により安定度が高いことを運転者91に通知し、他方の触覚刺激により安定度が低いことを運転者91に通知するようにしてもよい。触覚刺激部180の例としては、モータ又は圧電アクチュエータを用いて振動を発生させ、この発生した振動により運転者91に操作入力部121の状態を通知することができる。第2実施形態では、一例として、操作入力安定度通知部200により触覚刺激部180を3種類の触覚刺激で駆動する。3種類の触覚刺激のうちの第1の触覚刺激は、例えば100Hzの正弦波信号によりモータを駆動して、当該触覚刺激部180に近い入力部位は、現在、安定した姿勢で操作入力を入力しずらいことを運転者91に通知する。第2の触覚刺激は、例えば第1の触覚刺激とは異なる50Hzの正弦波信号によりモータを駆動して、当該触覚刺激部180に近い入力部位は、現在、安定した姿勢で操作入力がしやすいことを運転者に通知する。第3の触覚刺激は、例えば、第1、第2の触覚刺激とは異なる10Hzの制正弦波信号によりモータを駆動して、当該触覚刺激部180に近い入力部位は、安定して旋回操作の入力がなされていると判定された操作入力部であって、当該入力部位が操作入力として使用される又は使用中であることを運転者91に通知する。
図23〜図24Cのように下り坂の場合、背もたれ面PS1から運転者91の背中が離れて背もたれ面PS1にかかる荷重が小さくなり、その分、座面PS3と肘掛面PS4に荷重がかかることになる。下り坂が急な場合に安全に方向転換するためには、肘掛面PS4に両腕を置いた状態で運転する方が運転者91の姿勢が安定する。操作入力安定度判定部190では、より安定した姿勢での運転操作の選択が可能になる状態を、予め定義しておく。そのような状態とは、例えば、安定した姿勢で運転者91に操舵入力をさせるため、両方の肘掛112の肘掛面PS4に所定の値以上の圧力がかかった上で、左部と右部との差が生じた場合にのみ、制御装置130は、立位乗車移動体100を左又は右に旋回することを許容する。また、逆に、一対の肘掛112の肘掛面PS4の片方の肘掛面PS4のみに偏って圧力がかかっている場合、あるいは、肘掛112の肘掛面PS4に腕が置かれていない場合は、旋回時に運転者91の姿勢が不安定になるのを防ぐため、制御装置130は、立位乗車移動体100を左又は右に旋回させない、などと規制する。このように動作させることにより、運転者91は、より安定した姿勢での運転操作の選択が可能になる。
図21〜図22Cに示すように上り坂の場合、座面PS3にかかっていた運転者91の荷重が重力に従って自然に背もたれ面PS1に移動するため、座面PS3で左部と右部との圧力差を生じさせるより、背もたれ面PS1の方が圧力の左部と右部との差を安定して楽に生じさせやすくなる。また、腕は立位乗車移動体100の傾きによらず自由に動かせるので、肘掛面操作入力部121cは状況に応じて自由に選択することができる。運転者91にとっては、同じ姿勢を長い間とり続けることは負担になりうるが、安定度を運転者91に操作入力安定度通知部200で通知することで、背もたれ面PS1と肘掛面PS4を操作入力部121a,121cとして交互にスムーズに運転者91が選択でき、操作入力部121の選択の自由度が高いので、運転者91は、立位乗車移動体100を長い時間楽に運転することが可能になる。
以下、本ステップV1705のより詳細な動作(ステップV1705_1〜ステップV1705_5)を図18のフローチャートを用いて説明する。
(ステップV1705_1)
まず、ステップV1705_1において、背もたれ面圧力センサ121asと座面圧力センサ121bsと肘掛面圧力センサ121csとのそれぞれにおいて、左部と右部との圧力値がそれぞれ所定の閾値以上かどうかを操作入力安定度判定部190で判定する。例えば、所定の閾値は、運転者91の背中と、臀部と、腕とに力を入れずに、背もたれ面PS1と、座面PS3と、肘掛面PS4とに自然に置いた状態での坂の角度に応じた圧力値を用いればよい。各圧力センサの左部と右部との少なくとも一方の圧力値が所定の閾値未満であるということは、背中の一部が背もたれ面PS1から離れている、又は、肘掛面PS4に一方の腕が置かれていないなど、坂道での旋回操作時などにおいて、安定した姿勢を維持できない状態にあることを示している。よって、各圧力センサ毎に、以下の動作フローが適用される。すなわち、圧力センサのうちの左部と右部との少なくとも一方の圧力値が所定の閾値未満の場合には、運転操作補助装置95の動作フローはステップV1705_2へ進む。圧力センサのうちの左部と右部との両方の圧力値が所定の閾値以上の場合には、運転操作補助装置95の動作フローはステップV1705_3へ進む。
(ステップV1705_2)
圧力センサの左部と右部との少なくとも一方で圧力値が所定の閾値未満である場合、閾値未満の操作入力部121に併設された触覚刺激部180を、操作入力安定度通知部200により、第1の触覚刺激で駆動する。この結果、その入力部位は、現在、安定した姿勢で操作入力を入力しずらいことを操作入力安定度通知部200で運転者91に通知することができる。触覚刺激部180の例としては、前記したように、モータ又は圧電アクチュエータを用いて振動を発生させ、この発生した振動により運転者91に操作入力部121の状態を通知することができる。第1の触覚刺激としては、例えば100Hzの正弦波信号によりモータを駆動する。
すべての操作入力部121について安定でないときは、運転操作補助装置95の動作フローはステップV1703に戻る。
いずれか1つの操作入力部121について安定であるときは、当該その1つの操作入力部121について、ステップV1705_3に進む。
(ステップV1705_3)
ステップV1705_3において、圧力センサの左部と右部との圧力値が共に所定の閾値以上の場合、操作入力安定度通知部200で、閾値以上の操作入力部121に併設された触覚刺激部180を第2の触覚刺激により駆動して、その入力部位は現在安定した姿勢で操作入力がしやすいことを運転者91に通知する。この状態は、例えば、背中が背もたれ面PS1に偏りなく接しているか、又は、肘掛面PS4に両腕が置かれているなど、坂道での旋回操作時などにおいて、安定した姿勢を維持できる状態にあることを示している。第2の触覚刺激としては、例えば第1の触覚刺激とは異なる50Hzの正弦波信号を用いて、安定度が異なることを運転者91に通知する。その後、運転操作補助装置95の動作フローは、ステップV1705_4に進む。
(ステップV1705_4)
ステップV1705_4において、ステップV1705_1で圧力センサの左部と右部との圧力値が共に第1の閾値以上であると操作入力安定度判定部190で判定された圧力センサにおいて、さらに、その左部と右部との圧力値の差の絶対値が第2の閾値以上であるか否かを操作入力安定度通知部200で判定する。圧力センサの左部と右部との圧力値が共に第1の閾値以上であり、かつ、圧力センサの左部と右部との圧力値の差の絶対値が第2の閾値以上であると操作入力安定度通知部200で判定するとき、安定して旋回操作の入力がなされていると操作入力安定度通知部200で判定し、運転操作補助装置95の動作フローは、ステップV1705_5へ進む。
圧力値の左部と右部との差が出ていないと操作入力安定度通知部200で判定した圧力センサに対応する操作入力部121については、第2の触覚刺激を維持したまま、運転操作補助装置95の動作フローはステップV1703に戻る。
(ステップV1705_5)
ステップV1705_5において、ステップV1705_4で安定して旋回操作の入力がなされていると操作入力安定度通知部200で判定された操作入力部121に対して、併設された触覚刺激部180を第3の触覚刺激により駆動して、運転者91に操作入力安定度通知部200により通知する。その後、運転操作補助装置95の動作フローはステップV1706に進み、姿勢変化によるモータ制御量を操作圧力決定部160で決定する。ここで、第3の触覚刺激としては、例えば、第1、第2の触覚刺激とは異なる10Hzの制正弦波信号を用いて、操作入力として使用される又は使用中の操作入力部121を運転者91に通知する。
以上、(ステップV1705_1)から(ステップV1705_5)の手順によれば、ステップV1704で推定された立位乗車移動体100の傾きに応じて、操作入力安定度判定部190により操作入力部121への操作入力の安定度を判定し、操作入力安定度通知部200により触覚刺激部180を駆動して、前記安定度を運転者91に通知することにより、運転者91による操作入力部121の選択の自由度がより高くなり、運転者91は、より安定かつ楽な姿勢での運転操作が可能となる。
(ステップD1704:運転者91:操作入力部121の安定度確認)
ステップD1704において、ステップV1705での通知を確認した運転者91は、触覚刺激部180による安定度の通知を考慮して、任意の操作入力部121をステップD1703の姿勢変化操作により選択する。あるいは、運転者91は、必要に応じてステップD1701に戻り、ステップD1701により進行方向を決定し、ステップD1702又はステップD1703により、左又は右のフットスイッチ111L又は111R、又は、運転者91の姿勢を変化させて運転操作を行う。
平地の場合、運転者91は3つの操作入力部121a,121b,121cのうち、任意の操舵入力部121を選択できる。運転姿勢の安定性から、上り坂の場合には、背もたれ面操作入力部121aと肘掛面操作入力部121cとを切り替える。下り坂の場合には、座面操作入力部121bと肘掛面操作入力部121cとを切り替える。また、運転者91にとって常に同じ姿勢で長い時間操作を続けるのは負担となりうるが、第2実施形態によれば、運転者91は、複数の姿勢を交互にとりながら、より楽に運転操作をすることができる。
(ステップV1706:運転操作補助装置95:姿勢変化分モータ制御量決定)
ステップV1706においては、操作圧力決定部160は、ステップD1704で運転者91により選択された操作入力部121の圧力値に基づき、右旋回か左旋回かを判定し、モータ制御量(駆動電圧)を決定する。ここで、以下の式中、T_121as、T_121bs、T_121cs、TRL_121as、TRL_121bs、TRL_121csは、それぞれ、背もたれ面圧力センサの第1の閾値、座面圧力センサの第1の閾値、肘掛面圧力センサの第1の閾値、背もたれ面圧力センサ右部と左部との圧力値の差の絶対値に対する第2の閾値、座面圧力センサ右部と左部との圧力値の差の絶対値に対する第2の閾値、肘掛面圧力センサ右部と左部との圧力値の差の絶対値に対する第2の閾値である。
(右旋回、左旋回の判定)
ステップV1706において、背もたれ面圧力センサ121asを操作入力部121とした場合の背もたれ面圧力センサ左部121asLの平均圧力値P_121asLと背もたれ面圧力センサ右部121asRの平均圧力値P_121asRとの差については、以下の式が成立すれば、右旋回又は左旋回の操作であると操作圧力決定部160で判定する。以下の式が成立しない場合は、右旋回も左旋回も行わない。
Figure 2012235839
座面圧力センサ121bsを操作入力部121とした場合の左部と右部との差については、以下の式が成立すれば、右旋回又は左旋回の操作であると操作圧力決定部160で判定する。以下の式が成立しない場合は、右旋回も左旋回も行わない。
Figure 2012235839
肘掛面圧力センサ121csを操作入力部121とした場合の左部と右部との差については、以下の式が成立すれば、右旋回又は左旋回の操作であると操作圧力決定部160で判定する。以下の式が成立しない場合は、右旋回も左旋回も行わない。
Figure 2012235839
姿勢変化分モータ制御量は、操作圧力決定部160で右旋回又は左旋回であると決定された圧力センサ121as又は121bs又は121csの左部(の平均圧力値)と右部(の平均圧力値)との差に比例したモータ駆動電圧で、左右の後輪107を互いに逆方向に回転させるように操作圧力決定部160で決定される。ここで、図21及び図23に示すように、平地よりも上り坂及び下り坂のほうが、運転者91は背もたれ面、座面、肘掛面に荷重をかけやすくなるため、背もたれ面圧力センサ121asの右部と左部との圧力値の差、座面圧力センサ121bsの右部と左部との圧力値の差、肘掛面圧力センサ121csの右部と左部との圧力値の差は、平地のときよりも大きくなる傾向がある。このため、運転者91は、平地のときと同様に圧力センサに荷重をかけているつもりでも、上り坂及び下り坂の場合は、自然により大きな圧力差が生じるため、運転者91が意図した以上に大きな旋回動作となりうる。したがって、上り坂及び下り坂における姿勢変化分モータ制御量は、実際に生じている圧力値の差の絶対値から、傾き推定部104により推定された傾きに比例した所定の数値を減算して圧力値の差の絶対値を補正し、補正後の値に比例したモータ駆動電圧で左右の後輪107を駆動するように、操作圧力決定部160により決定される。あるいは、所定の数値を減算するかわりに、圧力値の差の絶対値に0以上1未満の値の係数をかけて補正してもよい。その後、下記のステップV1707において、決定されたモータ駆動電圧が操作圧力決定部160から統合部135を経てモータ制御部136に入力されて、モータ制御部136で、左右のモータ137L及び137Rを駆動する。例えば右旋回の場合は、右後輪107を後退方向に回転し、左後輪107を前進方向に回転する。左旋回の場合は、それぞれそれらの逆の回転とする。次いで、運転操作補助装置95の動作フローはステップV1707へ進む。
(ステップV1707:運転操作補助装置95:モータ制御)
ステップV1707において、統合部135は、ステップV1702で統合部135により決定されたフットスイッチ分モータ制御量とステップV1706で操作圧力決定部160により決定された姿勢変化分モータ制御量とを統合する。具体的には、それぞれで決定されたモータ駆動電圧値を統合部135で加算する。次いで、モータ制御部136は、統合部135で統合されたモータ駆動電圧に基づいて、左右のモータ137L及び137Rを制御して左右の後輪107を駆動することにより、前進、後退、右旋回、又は、左旋回を行う。
上記の構成と動作により、背もたれ面圧力センサ121asと座面圧力センサ121bsと肘掛面圧力センサ121csとで検出される圧力センサの値を用い、さらに背もたれ面PS1、座面PS3、肘掛面PS4の3つの操作入力部121への入力の安定度を運転者91に通知することで、運転者91は、運転姿勢又は操作入力部121の切替の自由度が高くなり、より安定した姿勢で楽に運転操作ができる
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態は、運転者91の作業動作による姿勢変化を推定して操作入力部121を選択し、かつ圧力センサの局所的な圧力差を操作入力として用いることにより、運転者91が物を手に取る、又は、ドアを開けるなど運転操作以外の動作時にも、立位乗車移動体100が意図しない動作をすることなく、運転者91の作業動作を補助するための立位乗車移動体100の移動操作ができるよう考慮したものである。
図25は、本発明の第3実施形態における立位乗車移動体100の運転操作補助装置95の機能ブロック図である。第1実施形態の機能ブロック図を表す図25との相違点は、肘掛面操作入力部121cとして肘掛面圧力センサ121csを追加したこと、及び、圧力センサのデータを入力として運転者91の作業動作による姿勢変化を推定する作業姿勢推定部210を追加したことである。
作業姿勢推定部210は、圧力検出部132からの入力情報を基に、背もたれ面圧力センサ121asと座面圧力センサ121bsと肘掛面圧力センサ121csとの圧力値の関係から作業姿勢を推定(判定)して、推定した結果情報(推定された作業姿勢の情報)を操作入力部選択部150に出力する。
上記のように構成された立位乗車移動体100の運転操作補助装置95の動作の一例を図26のフローチャートを用いて説明する。図26には、運転操作補助装置95の動作と関連する運転者91の動作も、参考のため、運転操作補助装置95の動作フローの左側に示している。ここでは、運転者91の動作フロー(ステップD2601〜ステップD2605)と立位乗車移動体100の運転操作補助装置95の動作フロー(ステップV2601〜ステップV2608)を対応付けて説明する。運転者91の動作ステップD2601〜D2605は組み合わせて同時並行して行われる。具体的には、運転者91はステップD2601で進行方向を常に維持又は修正及び/又は作業動作を決定しながら、ステップD2602のフットスイッチ操作、ステップD2603の姿勢変化操作、ステップD2604の作業時姿勢変化/作業時補助移動操作、ステップD2605の操作入力部確認を組み合わせて同時並行で行う。なお、運転操作補助装置95の動作フローは、制御プログラム(運転操作補助用プログラム)として制御装置130の内蔵メモリに記憶されている。
ここでは、立位乗車移動体100に搭乗している運転者91が、前方にある物を手を伸ばして取る、又は、手を前方に伸ばしてドアを開けるなどの動作による姿勢変化を推定して操作入力部121を切替えることにより、立位乗車移動体100が作業時の姿勢変化により運転者91が意図しない動作をすることを抑制し、かつ作業動作を補助するための移動操作を行う例で、図27A〜図27Cも用いて説明する。
(ステップD2601:運転者91:進行方向決定/作業動作決定)
ステップD2601において、運転者91は、立位乗車移動体100の進行方向(前進、後退、右旋回、左旋回)及び/又は作業動作(物を手を伸ばして取る、又は、ドアをあけるなど)を決定する。運転者91は、ステップD2602のフットスイッチ操作による前進・後退、ステップD2603の姿勢変化操作による右旋回・左旋回、ステップD2604の作業時姿勢変化/作業時補助移動操作、ステップD2605の操作入力部確認を組み合わせて同時並行して行うことにより、決定した進行方向へ立位乗車移動体100を移動させる及び/又は作業動作を行う。進行方向が前進又は後退の場合にはステップD2602に進む。一方、進行方向が右旋回又は左旋回の場合にはステップD2603に進む。また、作業動作を行う場合はステップD2604に進み、操作入力の確認を行う場合はステップD2605に進む。これらは組み合わせて同時並行して行われる。
(ステップD2602:運転者91:フットスイッチ操作)
ステップD2602において、ステップD2601で決定した進行方向である前進又は後退に基づいて、運転者91は左又は右フットスイッチ111(111L又は111R)を操作する。立位乗車移動体100を前進させる場合は、運転者91が右フットスイッチ111Rを押し下げ操作し、立位乗車移動体100を後退させる場合は、運転者91が左フットスイッチ111Lを押し下げ操作する。その後、ステップD2601で決定した進行方向が変わらない限り、同じ押し下げ操作を続行する。ステップD2601で決定した進行方向を変えたい場合には、ステップD2601に戻る。
ステップD2602において、ここでは、運転者91が取りたい物又はドアに近づくようにフットスイッチ111R又は111Lを押し下げ操作する。この押し下げ操作により、以下のように、運転操作補助装置95ではステップV2601が実行される。
(ステップV2601:運転操作補助装置95:フットスイッチデータ読込)
運転者91が左又は右フットスイッチ111(111L又は111R)を操作すると、左又は右フットスイッチ111(111L又は111R)からの信号が制御装置130内のフットスイッチ押し下げ検出部131に入力されて、以下の動作を行う。
すなわち、ステップV2601において、フットスイッチ押し下げ検出部131は、フットスイッチ111(111L及び111R)から制御装置130に送信されるON/OFFのデータ及び押し下げ量のデータをそれぞれ読み込み、ステップD2602で運転者91により操作されたフットスイッチ111(111L及び111R)の状態を検出する。次いで、運転操作補助装置95の動作フローは、ステップV2602に進む。
(ステップV2602:運転操作補助装置95:フットスイッチ分モータ制御量決定)
本ステップV2602は、第1実施形態のステップV502と同様に、統合部135が、フットスイッチ押し下げ検出部131で検出された左又は右のフットスイッチ111L又は111Rの押し下げ量のデータに比例したモータ駆動電圧(フットスイッチ分モータ制御量)を左右のモータ137L及び137Rにそれぞれ設定する。次いで、運転操作補助装置95の動作フローは、ステップV2603に進む。
(ステップD2603:運転者91:姿勢変化操作)
ステップD2603において、運転者91は、ステップD2601で決定した右旋回又は左旋回の旋回方向に応じて、姿勢を変化させる。ここでは、右旋回の場合は、運転者91が体を右方向に傾け、左旋回の場合は、運転者91が左方向に傾ける。ここでは、取りたい物又はドアに近づくように運転者91が操作する。次いで、ステップD2604に進む。
ステップD2603において、運転者91が姿勢を変化させることにより、運転操作補助装置95ではステップV2603が実行される。
(ステップD2604:運転者91:作業時姿勢変化/作業時補助移動操作)
ステップD2604において、立位乗車移動体100に搭乗している運転者91は、立位乗車移動体100に搭乗したまま、手を伸ばして物を取る、又は、ドアを開けるなどの作業動作を行う。これに伴って、運転者91の姿勢変化が起こる。例えば、運転者91が、手を伸ばして前方にある物を取る、又は、前方にあるドアを開けるなどの作業を行う際には、運転者91の作業を行わない腕を使って、運転者91の姿勢が安定するように体を支えるのが好ましい。
以下、作業を行わない腕で肘掛112をつかむなどして、姿勢を安定させながら、運転者91が作業を行う例で本第3実施形態の動作を説明する。
(ステップV2603:運転操作補助装置95:圧力センサデータ読込)
ステップV2603において、圧力検出部132は、ステップD2603及びステップD2604のそれぞれにより運転者91に生じた姿勢変化に対する圧力センサのデータを、背もたれ面圧力センサ121asと座面圧力センサ121bsと肘掛面圧力センサ121csとからそれぞれ読み込む。もし、一定時間、圧力データが読み込めなかった場合、操作入力部通知170は、ステップV2606へ進み、すべての触覚刺激部180を駆動して、圧力データが正しく読み込めない異常状態であることを、所定の振動パターンにより運転者91に通知する。また同時に、ステップV2608へ進み、モータ制御部136は、左右のモータ137L,137Rを安全に停止する。
圧力検出部132は、背もたれ面圧力センサ121asと座面圧力センサ121bsと肘掛面圧力センサ121csとから圧力データをそれぞれ読み込めた場合には、ステップV1703と同様の動作を行う。
次いで、運転操作補助装置95の動作フローは、ステップV2604に進む。以後、これらの算出値に基づいて、ステップV2604で立位乗車移動体100の傾きを推定し、ステップV2605で運転者91の姿勢変化による操作入力を選択し、立位乗車移動体100の移動方向を制御するための左右のモータ137L,137Rの制御量を決定する。
(ステップV2604:運転操作補助装置95:立位乗車移動体100の傾き推定)
ステップV2604において、傾き推定部140Aにより、ステップV1703で圧力検出部132により算出された各圧力センサにおける平均圧力値及び荷重値を用いて立位乗車移動体100が走行する路面92の傾きを推定する。本ステップV2604は、第2実施形態のステップV1704と同様に行う。これらの判定が行われたのち、運転操作補助装置95の動作フローは、ステップV2605に進む。
(ステップV2605:運転操作補助装置95:作業姿勢推定)
ここでは、作業姿勢推定部210により、ステップV2603で読み込んだ、ステップD2604の動作に基づく、背もたれ面圧力センサ121asと座面圧力センサ121bsと肘掛面圧力センサ121csとの圧力値の関係から、運転者91の作業姿勢を推定する。
作業姿勢推定部210は、まず、運転者の姿勢変化が、前かがみで手を伸ばして物を取る作業姿勢であるのか、前かがみで手を伸ばして物を取る作業を伴わない旋回動作であるのかを区別する。
手を伸ばして物を取る作業動作の場合には、伸ばす方の手がある肘掛面圧力センサ121csの圧力値は小さくなり、かつ、前かがみになるときに姿勢を安定させようとして、逆の方の手で、逆の方の手がある肘掛面圧力センサ121csの先端部で体重を支えるため、圧力値は大きくなる。すなわち、肘掛面圧力センサ121csの左部と右部のいずれか一方の肘掛面圧力センサ121csの圧力値が第1の閾値未満であり、かつ、他方の肘掛面圧力センサ121csの先端部の圧力値が第3の閾値(第1の閾値より大きい値)以上であるとき、前かがみで手を伸ばして物を取る作業姿勢であると判定する。
一方、第2実施形態でも述べているように、旋回動作をさせるときは、安定した姿勢を保てるように、背もたれ面PS1の左部と右部の両方、あるいは、座面PS3の左部と右部の両方、あるいは、両方の肘掛112の肘掛面PS4に所定の値以上の圧力がかかった上で、左部と右部との差が生じた場合に、立位乗車移動体100を左又は右に旋回することを許容する。したがって、この条件の場合に、作業を伴わない旋回動作と判定する。
図27A〜図27Cは、運転者91の前方にある物を取る際の姿勢変化と運転者91の操作入力による肘掛面圧力センサの圧力分布の一例である。図27A〜図27Cでは、圧力検知ブロックごとに、8ビットの圧力データを「空白」、「△」(三角形)、「○」(円形)、「▲」(中を黒く塗りつぶした三角形)、「●」(中を黒く塗りつぶした円形)の記号で表示しており、この順に圧力が高いことを表している(それぞれ、記号の意味は、第1実施形態の図7C,図9C,図11Cを参照)。
図27Aは、運転者91が左手を伸ばして前方にある物を取ろうとして、右の肘掛112で運転者91の体重を支えたときの圧力分布の一例である。前方に左手を伸ばして物を取ろうとするとき、背中は背もたれ101から自然に離れ、背もたれ面圧力センサ121asの上部の圧力は小さくなる。同時に、肘掛面圧力センサ右前部121csRFを右手でつかむなどして姿勢を安定させながら、右前かがみになる。このとき、肘掛面圧力センサ左前部121csLFには圧力がかかっておらず、一方、肘掛面圧力センサ右前部121csRFには体を支えるために所定の圧力がかかった状態で、かつ座面圧力センサ121bsの左部と右部とで圧力差が生じる。背もたれ面圧力センサ121asと座面圧力センサ121bsと肘掛面圧力センサ121csとの圧力値がこのような関係にあるとき、前方に手を伸ばして物を取る、又は、ドアをあけるなど、前かがみの姿勢での作業であると、作業姿勢推定部210により推定(判定)する。この状態にあるときは、座面圧力に左部と右部との差があっても、旋回動作をさせないことで、作業動作による運転者91が意図しない立位乗車移動体100の動作を抑制する。具体的には、肘掛面圧力センサ121csの先端部に所定の閾値以上の圧力がかかった時点で、座面PS3及び背もたれ面PS1の圧力左部と右部との差による旋回操作を停止し、前かがみの作業姿勢の判定は、上述した圧力値の関係により作業姿勢推定部210で推定(判定)する。なお、肘掛面圧力センサ121csの先端部に所定の閾値以上の圧力がかかった時点か否かの判定は、作業姿勢推定部210により行う。
ここで、前かがみ姿勢における圧力センサ値の関係は、ステップV2604で傾き推定部140Aにより推定された立位乗車移動体100の傾きによらない。ただし、上り坂と下り坂とで圧力値の絶対値は異なるため、判定の閾値は上り坂と下り坂とにより異なった値を設定する。次いで、運転操作補助装置95の動作フローはステップV2606へ進む。
(ステップV2606:運転操作補助装置95:操作入力部選択・通知)
ステップV2606において、操作入力部選択部150により、ステップ2605で作業姿勢推定部210により推定された作業姿勢に基づいて、操作入力部121を選択する。図27A〜図27Cのように前かがみの作業姿勢であると作業姿勢推定部210により判定された場合、肘掛面圧力センサ右前部121csRFの先端部を操作入力部121として操作入力部選択部150により選択し、その先端部の圧力の局所的な左部と右部との差で、立位乗車移動体100の左右旋回の制御を行う。これは、物を取る際又はドアを開ける際の補助移動操作(左右への細かな移動など)であり、肘掛112の先端部に体を支えるための所定の圧力かかり、安定した姿勢の場合に許容する。
具体的には、肘掛面圧力センサ右前部121csRFの先端部をつかんだ状態で、手のひらの左右の押し込みの強さを変えることで、圧力の左部と右部との差を生じさせる。
図27Aは、前記したように、運転者91が左手を伸ばして前方にある物を取ろうとして、右の肘掛112で運転者91の体重を支えたときの圧力分布の一例である。ここでは、右側の肘掛面PS4の肘掛面圧力センサ右前部121csRFの先端部において、左側の複数の圧力検知ブロック94と右側の複数の圧力検知ブロック94とが同じ圧力値(記号「▲」(中を黒く塗りつぶした三角形)に示す圧力値0.062〜0.077kg/cm)を示している。
図27Bは、図27Aの姿勢を維持したまま立位乗車移動体100を右回転させる際の圧力分布の一例である。ここでは、肘掛面圧力センサ右前部121csRFの先端部において、左側の複数の圧力検知ブロック94と右側の複数の圧力検知ブロック94とが異なる圧力値を示している(左側は「●」(中を黒く塗りつぶした円形)の記号で示す圧力値を示し、右側は「▲」(中を黒く塗りつぶした三角形)の記号で示す圧力値を示す。)。すなわち、右手のひらの左側の押し込みを右側よりも強くして、圧力の左部と右部との差を生じさせている。
図27Cは、図27Aの姿勢を維持したまま立位乗車移動体100を右回転させる際の圧力分布の一例である。ここでは、肘掛面圧力センサ右前部121csRFの先端部において、左側の複数の圧力検知ブロック94と右側の複数の圧力検知ブロック94とが異なる圧力値を示している(左側は「▲」(中を黒く塗りつぶした三角形)の記号で示す圧力値を示し、右側は「●」(中を黒く塗りつぶした円形)の記号で示す圧力値を示す。)。すなわち、右手のひらの右側の押し込みを左側よりも強くして、圧力の左部と右部との差を生じさせている。
操作入力部通知部170は、操作入力部選択部150で選択された操作入力部121に併設されている触覚刺激部180を駆動して、選択された部位と、圧力データの左部と右部との差を運転者91に通知する。通知された運転者91は、ステップD2605の動作を行う。触覚刺激部180の駆動としては、例えば、部位が選択されたことは300Hzの振動刺激を行い、圧力データが右に偏っていることは100Hzの振動刺激を行い、左に偏っていることは50Hzの振動刺激を行うなど、触覚刺激部180の駆動信号を変化させて通知する。次いで、運転操作補助装置95の動作フローは、ステップV2607へ進む。
(ステップD2605:操作入力部確認)
ステップD2605において、ステップV2606での操作入力部通知部170及び触覚刺激部180による通知を確認し、運転者91は、触覚刺激部180による操作入力部121が肘掛面圧力センサ右前部121csRFに切り替わったことを確認する。また、現在の圧力の左部と右部との差の状態を運転者91が確認する。必要に応じて、運転者91は、ステップD2604に戻り、ステップD2604において、肘掛面圧力センサ右前部121csRFの先端部に左部と右部との圧力差を生じさせ、物を取る際又はドアを開ける際の補助移動操作(左右への細かな移動など)を行う。あるいは、ステップD2601に戻り、ステップD2601〜D2604により、運転者91は、必要に応じて、進行方向を再び決定し、フットスイッチ操作又は姿勢変化操作又は作業時姿勢変化/作業時補助移動操作を行う。
(ステップV2607:運転操作補助装置95:肘掛面圧力分モータ制御量決定)
ステップV2607において、操作圧力決定部160は、ステップV2606で操作入力部選択部150により選択された操作入力部121に対し(ここでは、肘掛面圧力センサ右前部121csRF)、ステップD2605で運転者91により入力された肘掛面圧力センサ右前部121csRFの先端部の圧力値の左部と右部との差に基づき、右旋回又は左旋回を判定し、モータ制御量を決定する。
肘掛面圧力分モータ制御量は、圧力センサの左部と右部との差に比例したモータ駆動電圧(姿勢変化分モータ制御量)で、左右の後輪107を互いに逆方向に回転させるように操作圧力決定部160で決定される。その後、後述するステップV2608において、決定されたモータ駆動電圧が操作圧力決定部160から統合部135を経てモータ制御部136に入力されて、モータ制御部136で、左及び右のモータ137L及び137Rを駆動する。例えば右旋回の場合は、右後輪107を後退方向に回転し、左後輪107を前進方向に回転する。左旋回の場合は、それぞれそれらの逆の回転とする。次いで、運転操作補助装置95の動作フローはステップV2608へ進む。
(ステップV2608:運転操作補助装置95:モータ制御)
統合部135は、ステップV1702で統合部135により決定されたフットスイッチ分モータ制御量とステップV1706で操作圧力決定部160により決定された姿勢変化分モータ制御量とを統合する。本ステップV2608は、第1実施形態のステップV507又は第2実施形態のステップV1707と同様に行う。
上記の構成と動作により、前記肘掛面圧力センサの手に近い方の先端部の圧力値と、前記背もたれ面圧力センサの上部の圧力値と、前記座面圧力センサの前方の圧力値とにより運転者91の作業動作による姿勢変化を推定し、推定された前記作業姿勢により肘掛面圧力センサの手に近い方の先端部を操作入力部121として選択して、その局所的な圧力の左部と右部との差により、立位乗車移動体100を制御する。このため、作業動作による意図しない立位乗車移動体100の動作を抑制し、かつ作業を補助する移動操作が可能となる。
なお、第1〜3実施形態においては、立位乗車移動体100の傾き、操作入力の安定度、作業動作による姿勢変化に応じて、複数の操作入力部121を切り替える例で説明したが、例えば、図13に示すように、任意の操作入力部121をON/OFFする操作入力部切替スイッチ300を備え、運転者91が、状況に応じて操作入力部切替スイッチ300を切り替えるようにしてもよい。切替スイッチ300の例としては、例えば、圧力センサを用い、肘掛112の先端部の内側側面に配置する。これにより、肘掛面圧力センサ121csによる操作入力の検知とは独立して、任意の操作入力部に容易に切り替えることができる。切替手順の例としては、肘掛112の先端部を親指の腹を操作入力部切替スイッチ300にあてるように握り、親指で所定の圧力を加えるごとに、操作入力部121が、背中→座面→肘掛→背中→座面→肘掛→・・・と順に切り替わり、切り替わったことを触覚刺激部180により通知してもよい。この構成と動作により、必要に応じて、座面又は背もたれ面などに操作入力部121を固定することで、その他の体の部分は自由な姿勢を採ることができ、立位乗車移動体100が意図しない動作をすることなく、リラックスした姿勢をしたり、所望の作業を実施することができる。
なお、上記様々な実施形態又は変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明にかかる立位乗車移動体の運転操作補助装置、立位乗車移動体の運転操作補助方法、及び、立位乗車移動体の運転操作補助用プログラムは、ジョイスティック等によらず、路面状況に変化があっても運転者の姿勢変化により運転できるので、電動車椅子の運転操作補助装置として有用である。また自動車又は作業用椅子等の用途にも応用できる。
90 座席
91 運転者
92 路面
94 圧力検知ブロック
95 運転操作補助装置
100 立位乗車移動体
100B 移動体本体
101 背もたれ
102 座部
103 足置き
104 サイドガード
105、106 支柱
107 後輪
107L 左後輪
107R 右後輪
108 前輪
109 制御装置格納部
110 バッテリー及びモータ格納部
111 フットスイッチ
111L 左フットスイッチ
111R 右フットスイッチ
112 肘掛
121 操作入力部
121a 背もたれ面操作入力部
121b 座面操作入力部
121c 肘掛面操作入力部
121as 背もたれ面圧力センサ
121asL 背もたれ面圧力センサ左部
121asLU 背もたれ面圧力センサ左上部
121asRL 背もたれ面圧力センサ左下部
121asR 背もたれ面圧力センサ右部
121asRU 背もたれ面圧力センサ右上部
121asRL 背もたれ面圧力センサ右下部
121bs 座面圧力センサ
121bsL 座面圧力センサ左部
121bsLF 座面圧力センサ左前部
121bsLB 座面圧力センサ左後部
121bsR 座面圧力センサ右部
121bsRF 座面圧力センサ右前部
121bsRB 座面圧力センサ右後部
121cs 肘掛面圧力センサ
121csL 肘掛面圧力センサ左部
121csLF 肘掛面圧力センサ左前部
121csLB 肘掛面圧力センサ左後部
121csR 肘掛面圧力センサ右部
121csRF 肘掛面圧力センサ右前部
121csRB 肘掛面圧力センサ右後部
130 制御装置
131 フットスイッチ押し下げ検出部
132 圧力検出部
133 初期値保持部
135 統合部
136 モータ制御部
137 モータ
137L 左モータ
137R 右モータ
140 傾き検出部
140A 傾き推定部
150 操作入力部選択部
160 操作圧力決定部
170 操作入力部通知部
180 触覚刺激部
180aR 背もたれ面右触覚刺激部
180aL 背もたれ面左触覚刺激部
180bR 座面右触覚刺激部
180bL 座面左触覚刺激部
190 操作入力安定度判定部
200 操作入力安定度通知部
210 作業姿勢推定部
300 操作入力部切替スイッチ
PS1 背もたれ面
PS2 足置き面
PS3 座面

Claims (8)

  1. 座面を有する座部と、背もたれ面を有する背もたれとを有する立位乗車移動体の運転操作補助装置であって、
    運転者による前記座面への圧力を検出する座面圧力センサと、
    前記運転者による前記背もたれ面への圧力を検出する背もたれ面圧力センサと、
    前記立位乗車移動体の傾き角度値を取得する傾き取得部と、
    前記傾き取得部により取得された傾き角度値により、前記座面圧力センサと前記背もたれ面圧力センサとのいずれを操作入力部とするかを決定する操作入力部選択部と、
    前記操作入力部選択部により決定された前記操作入力部を前記運転者に通知する操作入力部通知部と、
    を備える、立位乗車移動体の運転操作補助装置。
  2. 前記操作入力部選択部は、前記傾き取得部により取得された前記傾き角度値が前記立位乗車移動体の進行方向に対して第1の角度値以上の上り坂のとき、前記背もたれ面圧力センサを前記操作入力部として選択し、前記立位乗車移動体の進行方向に対して第2の角度値以下の下り坂のとき座面圧力センサを前記操作入力部として選択し、前記立位乗車移動体の進行方向に対して前記第2の角度値を超えかつ前記第1の角度値未満の平地のとき、前記座面圧力センサと前記背もたれ面圧力センサとのうちの左部と右部との圧力値の差が大きい方の圧力センサを前記操作入力部として選択する
    ことを特徴とする請求項1に記載の立位乗車移動体の運転操作補助装置。
  3. 前記傾き取得部は、前記背もたれ面の上部と下部との圧力差と前記座面の前部と後部との圧力差とに基づいて、前記立位乗車移動体が進行方向に対して上り坂、下り坂、又は、平地のいずれの状態にあるかを検出し、
    前記操作入力部選択部は、前記傾き取得部の検出結果が上り坂のときには前記背もたれ面圧力センサを操作入力部として選択し、下り坂のときには前記座面圧力センサを操作入力部として選択し、平地のときには左部と右部との圧力値の差が大きい方の圧力センサを操作入力部として選択する
    ことを特徴とする請求項1に記載の立位乗車移動体の運転操作補助装置。
  4. 座面を有する座部と背もたれ面を有する背もたれと肘掛面を有する肘掛とを有する立位乗車移動体の運転操作補助装置であって、
    運転者による前記座面への圧力を検出する座面圧力センサと、
    前記運転者による前記背もたれ面への圧力を検出する背もたれ面圧力センサと、
    前記運転者による前記肘掛面への圧力を検出する肘掛面圧力センサと、
    前記圧力センサの左部と右部との圧力値及び左部と右部との圧力値の差とにより、操作入力の安定度を判定する操作入力安定度判定部と、
    前記圧力センサのうち前記安定度がより高い前記圧力センサと対応する操作入力部を前記運転者に通知する操作入力安定度通知部と、
    を備えることを特徴とする立位乗車移動体の運転操作補助装置。
  5. 前記操作入力安定度判定部は、前記圧力センサの左部と右部との圧力値が共に第1の閾値未満の操作入力部、前記圧力センサの前記左部と前記右部との前記圧力値が共に前記第1の閾値以上の操作入力部、及び、前記圧力センサの前記左部と前記右部との前記圧力値が共に前記第1の閾値以上でかつ前記左部と前記右部との前記圧力値の差が第2の閾値以上の操作入力部を、この順序で安定度が高いと判定し、
    前記操作入力安定度通知部は、前記安定度が異なる毎に異なる触覚刺激により、前記操作入力部への操作入力の安定度を運転者に通知する
    ことを特徴とする請求項4に記載の立位乗車移動体の運転操作補助装置。
  6. 座面を有する座部と背もたれ面を有する背もたれと肘掛面を有する肘掛とを有する立位乗車移動体の運転操作補助装置であって、
    運転者による前記座面への圧力を検出する座面圧力センサと、
    前記運転者による前記背もたれ面への圧力を検出する背もたれ面圧力センサと、
    前記運転者による前記肘掛面への圧力を検出する肘掛面圧力センサと、
    前記肘掛面圧力センサの手に近い方の先端部の圧力値と、前記背もたれ面圧力センサの上部の圧力値と、前記座面圧力センサの前方の圧力値により前記運転者の作業動作による姿勢変化を推定する作業姿勢推定部と、
    前記作業姿勢推定部で推定された前記作業姿勢により前記肘掛面圧力センサの手に近い方の前記先端部を操作入力部として選択する操作入力部選択部と、
    を備えることを特徴とする立位乗車移動体の運転操作補助装置。
  7. 座面を有する座部と、背もたれ面を有する背もたれとを有する立位乗車移動体の運転操作補助方法であって、
    運転者による前記座面への圧力を座面圧力センサで検出し、
    前記運転者による前記背もたれ面への圧力を背もたれ面圧力センサで検出し、
    前記立位乗車移動体の傾き角度値を傾き取得部で取得し、
    前記傾き取得部により取得された傾き角度値により、前記座面圧力センサと前記背もたれ面圧力センサとのいずれを操作入力部とするかを操作入力部選択部で決定し、
    前記操作入力部選択部により決定された前記操作入力部を前記運転者に操作入力部通知部で通知する、
    立位乗車移動体の運転操作補助方法。
  8. 座面を有する座部と、背もたれ面を有する背もたれとを有する立位乗車移動体の運転操作補助用プログラムであって、
    コンピュータを、
    前記立位乗車移動体の傾き角度値を取得する傾き取得部と、
    前記傾き取得部により取得された傾き角度値により、運転者による前記座面への圧力を検出する座面圧力センサと前記運転者による前記背もたれ面への圧力を検出する背もたれ面圧力センサとのいずれを操作入力部とするかを決定する操作入力部選択部と、
    前記操作入力部選択部により決定された前記操作入力部を前記運転者に通知する操作入力部通知部と、
    として機能させるための、立位乗車移動体の運転操作補助用プログラム。
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