JP2012235585A - 駆動装置、レンズモジュール、撮像装置、燃料電池およびイオン交換樹脂 - Google Patents

駆動装置、レンズモジュール、撮像装置、燃料電池およびイオン交換樹脂 Download PDF

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Abstract

【課題】周囲の環境に応じた特性劣化を抑えることが可能な駆動装置等を提供する。
【解決手段】駆動装置は、1または複数のポリマーアクチュエータ素子を備え、このポリマーアクチュエータ素子が、保湿剤を含有するイオン交換樹脂を用いて構成されている。これにより、低湿度や高温等の環境下であっても、イオン交換樹脂におけるイオン伝導度の低下が抑えられる。
【選択図】図3

Description

本開示は、ポリマーアクチュエータ素子を用いた駆動装置、そのような駆動装置を備えたレンズモジュールおよび撮像装置、そのようなポリマーアクチュエータ素子等に好適なイオン交換樹脂、ならびにイオン交換樹脂を用いた燃料電池に関する。
近年、例えば携帯電話やパーソナルコンピュータ(PC)、あるいはPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯型電子機器の高機能化が著しく進んでおり、レンズモジュールを搭載することにより撮像機能を備えたものが一般的となっている。このような携帯型電子機器においては、レンズモジュール内のレンズをその光軸方向へ移動させることにより、フォーカシングやズーミングが行われる。
従来、レンズモジュール内のレンズの移動は、ボイスコイルモータやステッピングモータなどを駆動部として行う方法が一般的であった。一方で、最近では、コンパクト化の観点から、所定のアクチュエータ素子を駆動部として利用したものが開発されている。そのようなアクチュエータ素子としては、例えば、ポリマーアクチュエータ素子(特許文献1,2参照)が挙げられる。ポリマーアクチュエータ素子は、例えば一対の電極間にイオン交換樹脂膜を挟むようにしたものである。このポリマーアクチュエータ素子では、一対の電極間に電位差が生じることにより、イオン交換樹脂膜が膜面に対して直交する方向へ変位するようになっている。
特開2006−293006号公報 特開2006−172635号公報
ところで、このようなポリマーアクチュエータ素子では、周囲の環境によってはその特性が劣化してしまうおそれがあることから、そのような特性劣化を抑えることを可能とする手法の提案が望まれる。なお、このような周囲の環境に応じた特性劣化の問題は、ポリマーアクチュエータ素子には限られず、イオン交換樹脂を用いた他の素子等でも同様に発生し得るものである。
本開示はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、周囲の環境に応じた特性劣化を抑えることが可能な駆動装置、レンズモジュール、撮像装置、燃料電池およびイオン交換樹脂を提供することにある。
本開示の駆動装置は、1または複数のポリマーアクチュエータ素子を備え、このポリマーアクチュエータ素子が、保湿剤を含有するイオン交換樹脂を用いて構成されているものである。
本開示のレンズモジュールは、レンズと、このレンズを駆動する上記本開示の駆動装置とを備えたものである。
本開示の撮像装置は、レンズと、このレンズにより結像されてなる撮像信号を取得する撮像素子と、レンズを駆動する上記本開示の駆動装置とを備えたものである。
本開示の燃料電池は、1または複数の発電部を備えたものである。この発電部は、酸素電極と、燃料電極と、酸素電極および燃料電極の間に挿設された電解質膜とを有し、この電解質膜が、保湿剤を含有するイオン交換樹脂を用いて構成されている。
本開示のイオン交換樹脂は、保湿剤を含有してなるものである。
本開示の駆動装置、レンズモジュール、撮像装置、燃料電池およびイオン交換樹脂では、イオン交換樹脂に保湿剤が含有されていることにより、低湿度や高温等の環境下であっても、イオン交換樹脂におけるイオン伝導度の低下が抑えられる。
本開示の駆動装置、レンズモジュール、撮像装置、燃料電池およびイオン交換樹脂によれば、イオン交換樹脂に保湿剤が含有されているようにしたので、低湿度や高温等の環境下におけるイオン伝導度の低下を抑えることができる。よって、周囲の環境に応じた特性劣化(例えば、低湿度環境下における駆動装置の応答速度低下や、高温環境下での保存後における駆動装置の変位量低下等)を抑えることが可能となる。
本開示の一実施の形態に係る撮像装置を備えた電子機器の構成例を表す斜視図である。 図1に示した電子機器を異なる方向から表した斜視図である。 図2に示した撮像装置の要部構成を表す斜視図である。 図3に示したレンズモジュールを表す分解斜視図である。 図3に示したレンズモジュールの側面構成および平面構成を表す模式図である。 図3に示したポリマーアクチュエータ素子の詳細構成を表す断面図である。 図3に示したポリマーアクチュエータ素子、固定用部材および固定電極の一部分の詳細構成を表す断面図である。 図3に示したポリマーアクチュエータ素子の基本動作について説明するための断面模式図である。 図3に示したレンズモジュールの動作を表す側面模式図である。 実施例1および比較例に係る実験結果を表す図である。 実施例2に係る実験結果を表す図である。 図11に示した実験結果の一部をまとめて表す図である。 実施例3および比較例に係る実験結果を表す図である。 実施例4および比較例に係る実験結果を表す図である。 実施例4に係る他の実験結果を表す図である。 本開示の他の適用例に係る燃料電池の概略構成を表す断面図である。
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(ポリマーアクチュエータ素子を用いた駆動装置等への適用例)
2.変形例(燃料電池への適用例等)
<実施の形態>
[撮像装置を備えた電子機器の概略構成]
図1および図2は、本開示の一実施の形態に係る撮像装置(後述する撮像装置2)を備えた電子機器の一例として、撮像機能付き携帯電話機(携帯電話機8)の概略構成を斜視図で表したものである。この携帯電話機8では、2つの筐体81A,81B同士が、図示しないヒンジ機構を介して折り畳み自在に連結されている。
図1に示したように、筐体81Aの一方側の面には、各種の操作キー82が複数配設されると共に、その下端部にマイクロフォン83が配設されている。操作キー82は使用者(ユーザ)による所定の操作を受け付けて情報を入力するためのものである。マイクロフォン83は、通話時等における使用者の音声を入力するためのものである。
筐体81Bの一方側の面には、図1に示したように、液晶表示パネル等を用いた表示部84が配設されると共に、その上端部には、スピーカー85が配設されている。表示部84には、例えば、電波の受信状況や電池残量、通話相手の電話番号、電話帳として登録されている内容(相手先の電話番号や氏名等)、発信履歴、着信履歴等の各種の情報が表示されるようになっている。スピーカー85は、通話時等における通話相手の音声等を出力するためのものである。
図2に示したように、筐体81Aの他方側の面にはカバーガラス86が配設されていると共に、筐体81A内部のカバーバラス86に対応する位置に撮像装置2が設けられている。この撮像装置2は、物体側(カバーガラス86側)に配置されたレンズモジュール4と、像側(筐体81Aの内部側)に配置された撮像素子3とにより構成されている。撮像素子3は、レンズモジュール4内のレンズ(後述するレンズ40)により結像されてなる撮像信号を取得する素子である。この撮像素子3は、例えば電荷結合素子(CCD:Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を搭載したイメージセンサからなる。
[撮像装置2およびレンズモジュール4の構成]
図3は、撮像装置2の要部構成を斜視図で表したものであり、図4は、この撮像装置2におけるレンズモジュール4の構成を分解斜視図で表したものである。また、図5は、このレンズモジュール4の概略構成を、(A)側面図(Z−X側面図)および(B)平面図(X−Y平面図)で模式的に表したものである。
レンズモジュール4は、光軸Z1に沿って像側(撮像素子3側)から物体側へと順に(Z軸上の正方向に沿って)、支持部材11、ポリマーアクチュエータ素子131、レンズ保持部材14およびレンズ40、ポリマーアクチュエータ素子132を備えている。なお、図3では、レンズ40の図示を省略している。このレンズモジュール4はまた、固定用部材12、連結部材151A,151B,152A,152B、固定電極130A,130B、押え部材16およびホール素子17A,17Bを備えている。なお、これらのレンズモジュール4の部材のうちのレンズ40を除いたものが、本開示における「駆動装置(レンズ駆動装置)」の一具体例に対応している。
支持部材11は、レンズモジュール4全体を支持するためのベース部材(基体)であり、例えば液晶ポリマー等の硬質な樹脂材料からなる。
固定用部材12は、ポリマーアクチュエータ素子131,132の一端をそれぞれ固定するための部材であり、例えば液晶ポリマー等の硬質な樹脂材料からなる。この固定用部材12は、像側(図3および図4における下側)から物体側(上側)へと向けて配置された、下部固定用部材12D、中央(中部)固定用部材12Cおよび上部固定用部材12Uの3つの部材からなる。下部固定用部材12Dと中央固定用部材12Cとの間には、ポリマーアクチュエータ素子131の一端および固定電極130A,130Bの一端がそれぞれ、挟み込まれて配置されている。一方、中央固定用部材12Cと上部固定用電極12Uとの間には、ポリマーアクチュエータ素子132の一端および固定電極130A,130Bの他端がそれぞれ、挟み込まれて配置されている。また、これらのうちの中央固定用部材12Cには、レンズ保持部材14の一部(後述する保持部14Bの一部)を部分的に挟み込むための開口12C0が形成されている。これにより、レンズ保持部材14の一部がこの開口12C0内を移動できるようになるため、スペースを有効活用することができ、レンズモジュール4の小型化を図ることが可能となる。
固定電極130A,130Bは、ポリマーアクチュエータ素子131,132における電極膜(前述した電極膜52A,52B)に対して、電圧印加手段(後述する電圧供給部19)からの駆動用電圧Vdを供給するための電極である。これらの固定電極130A,130Bはそれぞれ、例えば金(Au)もしくは金めっきされた金属等からなり、「コ」の字状となっている。これにより、固定電極130A,130Bはそれぞれ、中央固定用部材12Cの上下(Z軸に沿った両側面)を挟み込むようになっており、一対のポリマーアクチュエータ素子131,132に対して少ない配線で並列に同じ電圧を印加することが可能となっている。また、固定電極130A,130Bを金めっきされた金属材料から構成した場合、表面の酸化等による接触抵抗の劣化を防ぐことができる。
レンズ保持部材14は、レンズ40を保持するための部材であり、例えば液晶ポリマー等の硬質な樹脂材料からなる。このレンズ保持部材14は、中心が光軸Z1上になるようにして配置され、レンズ40を保持する環状の保持部14Bと、この保持部14Bを支持すると共に保持部14Bと後述する連結部材151A,151B,152A,152Bとを接続する接続部14Aとからなる。また、保持部14Bは、一対のポリマーアクチュエータ素子131,132における後述する駆動面同士の間に配置されている。
ポリマーアクチュエータ素子131,132はそれぞれ、レンズ40の光軸Z1と直交する駆動面(X−Y平面上の駆動面)を有し、この光軸Z1に沿って駆動面同士が対向するように配置されている。これらのポリマーアクチュエータ素子131,132はそれぞれ、レンズ保持部材14(およびレンズ40)を、後述する連結部材151A,151B,152A,152Bを介して光軸Z1に沿って駆動するためのものである。これらのポリマーアクチュエータ素子131,132はそれぞれ、ここでは図5(B)に示したように、固定用部材12側の幅広部(幅W21)と、可動側(連結部材151A,151B,152A,152B側)の幅狭部(幅W22)とを有している。なお、ポリマーアクチュエータ素子131,132の詳細構成については、後述する(図6,図7)。
連結部材151A,151B,152A,152Bはそれぞれ、ポリマーアクチュエータ素子131,132の各他端と、接続部14Aの端部との間を互いに連結(接続)するための部材である。具体的には、連結部材151A,151Bはそれぞれ、接続部14Aの下端部とポリマーアクチュエータ素子131の他端との間を連結し、連結部材152A,152Bはそれぞれ、接続部14Aの上端部とポリマーアクチュエータ素子132の他端との間を連結するようになっている。これらの連結部材151A,151B,152A,152Bはそれぞれ、例えばポリイミドフィルム等のフレキシブルフィルムからなり、各ポリマーアクチュエータ素子131,132と同等以下(好ましくは同一以下)の剛性(曲げ剛性)を有する柔軟な材料からなることが望ましい。これにより、連結部材151A,151B,152A,152Bがポリマーアクチュエータ素子131,132の湾曲方向とは逆方向に湾曲する自由度が生まれ、ポリマーアクチュエータ131,132と連結部材151A,151B,152A,152Bとからなる片持ち梁における断面形状が、S字状の曲線を描くようになる。その結果、接続部14AがZ軸方向に沿って平行移動することが可能となり、保持部14B(およびレンズ40)が支持部材11に対して平行状態を保ったまま、Z軸方向に駆動されるようになる。なお、上記した剛性(曲げ剛性)としては、例えばバネ定数を用いることができる。
ホール素子17A,17Bはそれぞれ、レンズ保持部材14の移動量(変位量)を検出するために用いられる素子であり、例えばホール素子と磁石とを組み合わせたものが挙げられる。
電圧供給部19は、図5(A)に示したように、ポリマーアクチュエータ素子131,132に対して駆動用電圧Vdを供給することにより、ポリマーアクチュエータ素子131,132を駆動する(変形させる)ためのものである。このような電圧供給部19は、例えば半導体素子等を用いた電気回路からなる。なお、電圧供給部19によるポリマーアクチュエータ素子131,132の駆動動作の詳細については、後述する(図8)。
[ポリマーアクチュエータ素子131,132の詳細構成]
次に、図6および図7を参照して、ポリマーアクチュエータ素子131,132の詳細構成について説明する。図6は、ポリマーアクチュエータ素子131,132の断面構成(Z−X断面構成)を表したものである。
ポリマーアクチュエータ素子131,132は、イオン導電性高分子化合物膜51(以下、単に高分子化合物膜51という。)の両面に、一対の電極膜52A,52Bが形成された断面構造を有している。換言すると、ポリマーアクチュエータ素子131,132は、一対の電極膜52A,52Bと、これらの電極膜52A,52Bの間に挿設された高分子化合物膜51とを有している。なお、ポリマーアクチュエータ素子131,132および電極膜52A,52Bは、それらの周囲が、高弾性を有する材料(例えばポリウレタンなど)からなる絶縁性の保護膜によって覆われていてもよい。
ここで、図7に断面図(Z−X断面図)で示したように、ポリマーアクチュエータ素子131では、電極膜52Aが、下部固定用部材12D側の固定電極130Bと電気的に接続され、電極膜52Bが、中央固定用部材12C側の固定電極130ABと電気的に接続されている。一方、ポリマーアクチュエータ素子132では、電極膜52Aが、中央固定用部材12C側の固定電極130Aと電気的に接続され、電極膜52Bが、上部固定用部材12U側の固定電極130Bと電気的に接続されている。なお、図7中に図示はしていないが、下部固定用部材12D側の固定電極130Bから上部固定用部材12U側の固定電極130Bまでの各部材・電極はそれぞれ、図4中に示した押え部材46(板ばね)によって一定の圧力で挟み込まれるようにして固定されている。これにより、大きな力を与えてもポリマーアクチュエータ素子131,132を破壊することがなく、これらのポリマーアクチュエータ素子131,132が変形した際も安定して電気的な接続が可能となる。
高分子化合物膜51は、電極膜52A,52Bの間に所定の電位差が生じることにより湾曲を生じるようになっている。この高分子化合物膜51にはイオン物質が含浸されている。ここでの「イオン物質」とは、高分子化合物膜51内を伝導することが可能なイオン全般を指しており、具体的には、水素イオンや金属イオン単体、またはそれら陽イオンおよび/または陰イオンと極性溶媒とを含むもの、あるいはイミダゾリウム塩などのそれ自体が液状である陽イオンおよび/または陰イオンを含むものを意味する。前者としては、例えば、陽イオンおよび/または陰イオンに極性溶媒が溶媒和したものが挙げられ、後者としては、例えばイオン液体が挙げられる。
高分子化合物膜51を構成する材料としては、例えばフッ素樹脂あるいは炭化水素系などを骨格としたイオン交換樹脂が挙げられる。このイオン交換樹脂としては、陽イオン物質が含浸される場合には陽イオン交換樹脂が好ましく、陰イオン物質が含浸される場合には陰イオン交換樹脂が好ましい。
陽イオン交換樹脂としては、例えば、スルホン酸基あるいはカルボキシル基などの酸性基が導入されたものが挙げられる。具体的には、酸性基を有するポリエチレン、酸性基を有するポリスチレンあるいは酸性基を有するフッ素樹脂などである。中でも、陽イオン交換樹脂としては、スルホン酸基あるいはカルボン酸基を有するフッ素樹脂が好ましく、例えばナフィオン(デュポン株式会社製)が挙げられる。
高分子化合物膜51に含浸されている陽イオン物質としては、有機や無機など、その種類を問わない。例えば、金属イオン単体、金属イオンと水とを含むもの、有機陽イオンと水とを含むもの、あるいはイオン液体など種々の形態が応用可能である。金属イオンとしては、例えば、ナトリウムイオン(Na+)、カリウムイオン(K+)、リチウムイオン(Li+)あるいはマグネシウムイオン(Mg2+)などの軽金属イオンが挙げられる。また、有機陽イオンとしては、例えば、アルキルアンモニウムイオンなどが挙げられる。これらの陽イオンは、高分子化合物膜51中において水和物として存在している。よって、陽イオンと水とを含む陽イオン物質が高分子化合物膜51中に含浸されている場合には、ポリマーアクチュエータ素子131,132では、水の揮発を抑制するために全体として封止されていることが好ましい。
イオン液体とは、常温溶融塩とも言われるものであり、燃性および揮発性が低い陽イオンと陰イオンとを含んでいる。イオン液体としては、例えば、イミダゾリウム環系化合物、ピリジニウム環系化合物あるいは脂肪族系化合物などが挙げられる。
中でも、陽イオン物質は、イオン液体であることが好ましい。揮発性が低いため、高温雰囲気中あるいは真空中においても、ポリマーアクチュエータ素子131,132が良好に動作するからである。
高分子化合物膜51を挟んで互いに対向する電極膜52A,52Bは、それぞれ1種あるいは2種以上の導電性材料を含んでいる。電極膜52A,52Bは、導電性材料粉末同士がイオン導電性高分子により結着されたものが好ましい。電極膜52A,52Bの柔軟性が高まるからである。導電性材料粉末としてはカーボン粉末が好ましい。導電性が高く、比表面積が大きいため、より大きい変形量が得られるからである。カーボン粉末としては、ケッチェンブラックが好ましい。イオン導電性高分子としては、上記した高分子化合物膜51の構成材料と同様のもの(ここでは、イオン交換樹脂を含むもの)が好ましい。
電極膜52A,52Bは、例えば、以下のようにして形成される。すなわち、分散媒に導電性材料粉末とイオン導電性高分子とを分散させた塗料を、高分子化合物膜51の両面に塗布したのち、乾燥させる。また、導電性材料粉末とイオン導電性高分子とを含むフィルム状のものを、高分子化合物膜51の両面に圧着するようにしてもよい。
電極膜52A,52Bは、多層構造になっていてもよく、その場合、高分子化合物膜51の側から順に、導電性材料粉末同士がイオン導電性高分子により結着された層と金属層とが積層された構造を有していることが好ましい。これにより、電極膜52A,52Bの面内方向において電位がより均一な値に近づき、より優れた変形性能を得られるからである。金属層を構成する材料としては、金あるいは白金などの貴金属が挙げられる。金属層の厚さは任意であるが、電極膜52A,52Bに電位が均一になるように連続膜となっていることが好ましい。金属層を形成する方法としては、めっき法、蒸着法あるいはスパッタ法などが挙げられる。
高分子化合物膜51の大きさ(幅および長さ)は、駆動対象物(ここではレンズ保持部材43等)の大きさや重量、あるいは高分子化合物膜51において必要とされる変位量(変形量)に応じて、任意に設定可能である。高分子化合物膜51の変位量は、例えば、要求される駆動対象物の変位量(Z軸方向に沿った移動量)に応じて設定されるようになっている。
(イオン交換樹脂の詳細構成)
ここで、本実施の形態のポリマーアクチュエータ素子131,132は、保湿剤を含有するイオン交換樹脂を用いて構成されている。具体的には、上記した電極膜52A,52Bおよび高分子化合物膜51のうちの少なくとも一層、望ましくは、電極膜52A,52Bおよび高分子化合物膜51の各層(全ての層)に、そのような保湿剤を含有するイオン交換樹脂が用いられている。詳細には、ポリマーアクチュエータ素子131,132が、(導電性材料とイオン交換樹脂との混合層からなる電極膜52A)/(イオン交換樹脂を含む高分子化合物膜51)/(導電性材料とイオン交換樹脂との混合層からなる電極膜52B)の3層構造である場合において、これらの3層のうちの少なくとも1層、望ましくは3層全てに、保湿剤を含有するイオン交換樹脂が用いられている。
また、そのような保湿剤を含有するイオン交換樹脂が、上記した電極膜52A,52Bおよび高分子化合物膜51のうちの高分子化合物膜51において選択的に用いられているようにするのが好ましい。あるいは、保湿剤を含有するイオン交換樹脂がこれらの3層全てに用いられている場合において、高分子化合物膜51における保湿剤の含有量が、電極膜52A,52Bにおける保湿剤の含有量よりも多くなっているようにするのが好ましい。詳細は後述するが、逆に、そのようなイオン交換樹脂が電極膜52A,52Bにおいて選択的に用いられたり、電極膜52A,52Bにおける保湿剤の含有量が高分子化合物膜51おける保湿剤の含有量よりも多くなっている場合と比べ、低湿度や高温等の環境下におけるイオン伝導度の低下が、より効果的に抑えられるからである。
ここで、そのような保湿剤は、例えば、物理的吸着もしくは化学的吸着、またはそれら双方の吸着作用によって水分子を吸着することが可能な水分子吸着剤からなる。また、この水分子吸着剤としては、例えば、表面や内部に多数の細孔(0.3nm程度以上の直径からなる細孔)を有する多孔質微粒子を用いて構成することが可能である。そのような多孔質部粒子では、その細孔内に水分子(固体、液体もしくは気体の状態、またはそれらのうちの2つ以上の混合状態からなる水分子)が充填されている。詳細には、多孔質微粒子に対してそのような状態の水分子を接触させることにより、多孔質微粒子の細孔内が、例えば飽和水分量まで水分子で満たされた状態となっている。このような多孔質微粒子としては、例えば、ゼオライト、シリカ(二酸化ケイ素)および炭素のうちの少なくとも1種を含んで構成されたものが挙げられる。これらのうち、イオン交換樹脂におけるゼオライトの含有量が、0.25重量%(wt%)以上かつ1.00重量%以下であることが望ましく、イオン交換樹脂におけるゼオライトの含有量が0.50重量%であることが更に望ましい。詳細は後述するが、低湿度や高温等の環境下におけるイオン伝導度の低下が、より効果的に抑えられるからである。
また、保湿剤を構成する水分子吸着剤としては、上記した多孔質微粒子の他、例えば、親水性有機化合物や潮解性物質などを用いたものが挙げられる。親水性有機化合物を用いた水分子吸着剤としては、例えば、ソルビトール、高吸水性ポリマーまたはハイドロゲルなどが挙げられる。また、潮解性物質を用いた水分子吸着剤としては、例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、クエン酸または炭酸カリウムなどが挙げられる。
ここで、このようなイオン交換樹脂における水分子吸着剤の含有量をW、水分子吸着剤における含水率をAとすると、以下の(1)式を満たすように設定されているのが望ましい。詳細は後述するが、低湿度や高温等の環境下におけるイオン伝導度の低下が、より効果的に抑えられるからである。なお、ここでの水分子吸着剤の含有量Wとしては、例えば、湿度(相対湿度)=30%におけるイオン交換樹脂の重量を1としたときの、含有(添加)された水分子吸着剤の乾燥重量により規定される。また、ここでの含水率Aとしては、例えば、相対湿度=30%における水分子吸着剤の重量をM、水分子吸着剤の乾燥重量をmとすると、以下の(2)式により規定される。
W>(0.0005/A) ……(1)
A=(M−m)/m ……(2)
また、本実施の形態では、このような保湿剤を含有するイオン交換樹脂におけるイオン交換当量質量(EW(Equivalent Weight)値)が、800[g/eq]以下となっていることが望ましい。詳細は後述するが、低湿度や高温等の環境下におけるイオン伝導度の低下が、より効果的に抑えられるからである。
[撮像装置2の作用・効果]
続いて、本実施の形態の撮像装置2の作用および効果について説明する。
(1.ポリマーアクチュエータ素子131,132の動作)
最初に、図8を参照して、ポリマーアクチュエータ素子131,132の動作について説明する。図8は、これらのポリマーアクチュエータ素子131,132の動作を、断面図を用いて模式的に表したものである。
まず、陽イオン物質として、陽イオンと極性溶媒とを含むものを用いた場合について説明する。
この場合、電圧無印加状態におけるポリマーアクチュエータ素子131,132は、陽イオン物質が高分子化合物膜51中にほぼ均一に分散することから、湾曲することなく平面状となる(図8(A))。ここで、図8(B)中に示した電圧供給部19によって電圧印加状態とする(駆動用電圧Vdの印加を開始する)と、ポリマーアクチュエータ素子131,132は以下のような挙動を示す。すなわち、例えば電極膜52Aがマイナスの電位、電極膜52Bがプラスの電位となるように電極膜52A,52Bの間に所定の駆動用電圧Vdを印加すると、陽イオンが極性溶媒と溶媒和した状態で電極膜52A側に移動する。この際、高分子化合物膜51中では陰イオンがほとんど移動できないため、高分子化合物膜51では、電極膜52A側が膨潤し、電極膜52B側が収縮する。これにより、ポリマーアクチュエータ素子131,132は全体として、図8(B)に示したように電極膜52B側に湾曲する。こののち、電極膜52A,52Bの間の電位差を無くして電圧無印加状態とする(駆動用電圧Vdの印加を停止する)と、高分子化合物膜51中において電極膜52A側に偏っていた陽イオン物質(陽イオンおよび極性溶媒)が拡散し、図8(A)に示した状態に戻る。また、図8(A)に示した電圧無印加状態から、電極膜52Aがプラスの電位、電極膜52Bがマイナスの電位となるように、電極膜52A,52Bの間に所定の駆動電圧Vdを印加すると、陽イオンが極性溶媒と溶媒和した状態で電極膜52B側に移動する。この場合、高分子化合物膜51では、電極膜52A側が収縮し電極膜52B側が膨潤するので、ポリマーアクチュエータ素子131,132は全体として、電極膜52A側に湾曲する。
次に、陽イオン物質として、液状の陽イオンを含むものであるイオン液体を用いた場合について説明する。
この場合においても、電圧無印加状態では、イオン液体が高分子化合物膜51中にほぼ均一に分散しているので、ポリマーアクチュエータ素子131,132が図8(A)に示した平面状となる。ここで、電圧供給部19によって電圧印加状態とする(駆動用電圧Vdの印加を開始する)と、ポリマーアクチュエータ素子131,132は以下のような挙動を示す。すなわち、例えば電極膜52Aがマイナスの電位、電極膜52Bがプラスの電位となるように電極膜52A,52Bの間に所定の駆動電圧Vdを印加すると、イオン液体のうちの陽イオンが電極膜52A側に移動し、陰イオンは陽イオン交換膜である高分子化合物膜51中を移動できない。このため高分子化合物膜51では、その電極膜52A側が膨潤し、電極膜52B側が収縮する。これにより、ポリマーアクチュエータ素子131,132は全体として、図8(B)に示したように電極膜52B側に湾曲する。こののち、電極膜52A,52Bの間の電位差を無くして電圧無印加状態とする(駆動用電圧Vdの印加を停止する)と、高分子化合物膜51中において電極膜52A側に偏っていた陽イオンが拡散し、図8(A)に示した状態に戻る。また、図8(A)に示した電圧無印加状態から、電極膜52Aがプラスの電位、電極膜52Bがマイナスの電位となるように、電極膜52A,52Bの間に所定の駆動電圧Vdを印加すると、イオン液体のうちの陽イオンが電極膜52B側に移動する。この場合、高分子化合物膜51では、電極膜52A側が収縮し電極膜52B側が膨潤するので、ポリマーアクチュエータ素子131,132は全体として、電極膜52A側に湾曲する。
(2.レンズモジュール4の動作)
続いて、図9を参照して撮像装置2(レンズモジュール4)全体の動作について説明する。図9は、撮像装置2におけるレンズモジュール4の動作を側面図(Z−X側面図)で表したものであり、(A)は動作前の状態を、(B)は動作後の状態をそれぞれ示す。
このレンズモジュール4では、図9(A),(B)に示したように(図中の矢印)、一対のポリマーアクチュエータ素子131,132によってレンズ保持部材14が駆動されることにより、レンズ40がその光軸Z1に沿って移動可能となる。このようにしてレンズモジュール4では、ポリマーアクチュエータ素子131,132を用いた駆動装置(レンズ駆動装置)によって、レンズ40がその光軸Z1に沿って駆動される。
(3.イオン交換樹脂の作用)
ところで、上記したように、イオン導電性樹脂(イオン交換樹脂)中のイオンの移動現象を利用して動作を行うポリマーアクチュエータ素子では、一般に、周囲の環境によってはその特性が劣化してしまうおそれがある。
ここで、そのような特例劣化としては、具体的には、まず、低湿度環境下(乾燥した環境下)における応答速度の低下が挙げられる。これは、イオン交換樹脂におけるイオン伝導度が、低湿度環境下において低下してしまうことに起因する。この対策としては、イオン交換樹脂の乾燥を防ぐために、ポリマーアクチュエータ素子全体を不透湿フィルムでラミネートしたり、ポリマーアクチュエータ素子を水溶液中で使用する手法などが考えられる。ただし、そのような手法では、ポリマーアクチュエータ素子の動作が阻害されたり、使用環境が制限されたりする問題がある。また、周囲の環境に応じたポリマーアクチュエータ素子の特例劣化としては、その他には、高温環境下での保存後における変位量(変形量)の低下が挙げられる。これは、イオン交換樹脂内にある官能基の脱水反応による変性であると考えられている(Shigeaki Morita and Kuniyuki Kitagawa, "Temperature-dependent structure changes in Nafion ionomer studied by PCMW2D IR correlation spectroscopy", Journal of Molecular Structure, 974(2010), pp56−59参照)。
そこで、本実施の形態のポリマーアクチュエータ素子131,132は、前述したように、保湿剤を含有するイオン交換樹脂を用いて構成されている。具体的には、電極膜52A,52Bおよび高分子化合物膜51のうちの少なくとも一層、望ましくは、電極膜52A,52Bおよび高分子化合物膜51の各層(全ての層)に、そのような保湿剤を含有するイオン交換樹脂が用いられている。これにより、上記した低湿度や高温等の環境下であっても、イオン交換樹脂におけるイオン伝導度の低下が抑えられる。その結果、本実施の形態のポリマーアクチュエータ素子131,132では、周囲の環境に応じた特性劣化(例えば、上記したように、低湿度環境下における応答速度低下や、高温環境下での保存後における変位量低下等)が抑えられる。
(4.実施例)
ここで、このようなポリマーアクチュエータ素子131,132に関する具体的な実施例(実施例1〜4)について、比較例(上記した保湿剤が含有されていないイオン交換樹脂を用いた例)と比較しつつ説明する。
(実施例1)
図10(A),(B)はそれぞれ、実施例1および比較例に係る実験結果を表したものである。具体的には、図10(A)では、上記した比較例および各実施例(保湿剤として、主に化学吸着または物理吸着の作用を有する水分子吸着剤を用いた実施例)における、保湿剤の種類、材料名、保湿剤の添加量(含有量)、およびポリマーアクチュエータ素子の平均応答速度(比較例を基準(100%)としたときの相対値)を、それぞれ示している。また、図10(B)では、比較例(保湿剤なし)および実施例(保湿剤として、添加量0.5重量%のゼオライトを用いた例)の各々について、相対速度と最大速度(所速度)との関係を示している。なお、ここでは、平均応答速度および最大速度としては、相対湿度=30%の環境下において、ポリマーアクチュエータ素子に対して1Vの電圧を印加したときの、0.5秒間における平均応答速度および初速度を用いた。なお、この実施例1では、電極膜52A,52Bおよび高分子化合物膜51のうちの電極膜52A,52Bにおいて、選択的に保湿剤(水分子吸着剤)を用いた。
図10(A)により、保湿剤を構成する水分子吸着剤として、主に化学吸着の作用を有するソルビトール(添加量=5重量%)および塩化カルシウム(添加量=5重量%)を用いた実施例、主に物理吸着の作用を有する吸水性ポリマー(添加量=10重量%)、ゼオライト(添加量=0.5重量%)およびシリカ(添加量=5重量%)を用いた実施例、のいずれにおいても、比較例と比べ、平均応答速度が向上(7〜60%程度の向上)していることが分かる。したがって、保湿剤を含有するイオン交換樹脂を用いることにより、低湿度環境下におけるポリマーアクチュエータ素子の応答速度低下が抑えられることが確認された。
また、保湿剤を構成する水分子吸着剤として、ゼオライト(添加量=0.5重量%)を用いた場合には、少ない添加量ながらも、平均応答速度の特に大きな向上が得られることから、保湿剤としてゼオライトを用いるのが特に望ましいことも分かった。更に、図10(B)により、このゼオライト(添加量=0.5重量%)を用いた実施例では、相対湿度=30〜95%の全ての湿度範囲内において、比較例と比べて最大速度(初速度)が向上する(1.0〜1.5[mm/s]程度の向上)ことが分かった。
(実施例2)
図11(A)〜(C)はそれぞれ、実施例2に係る実験結果を表したものである。具体的には、図11(A)では、保湿剤を構成する水分子吸着剤としてソルビトールを用いた場合における、添加量(含有量)とポリマーアクチュエータ素子の応答速度との関係を示している。図11(B)では、保湿剤を構成する水分子吸着剤としてシリカを用いた場合における、添加量とポリマーアクチュエータ素子の応答速度との関係を示している。図11(C)では、保湿剤を構成する水分子吸着剤としてゼオライトを用いた場合における、添加量とポリマーアクチュエータ素子の応答速度との関係を示している。なお、図中に示した「V30」,「V50」,「(V30/V50)」はそれぞれ、相対湿度=30%,50%での応答速度、これらのV30とV50との相対比、を意味している。
これらの図11(A)〜(C)により、上記した応答速度の各パラメータ(V30,V50,(V30/V50))とも、水分子吸着剤の添加量が変化するのに応じて値がある程度変化し、応答速度の向上効果に関して特に望ましい添加量の範囲が存在することが分かる。具体的には、図11(C)に示したゼオライトの例では、前述したように、添加量=0.25重量%以上かつ1.00重量%以下であることが望ましく、添加量=0.50重量%であることが更に望ましいことが分かる。なお、図12には、ソルビトール(添加量=5重量%)、シリカ(添加量=3重量%)、ゼオライト(添加量=0.5重量%)の各実施例について、V30,V50,(V30/V50)の各パラメータをまとめて示した。
また、ある湿度の環境下において、保湿剤によってポリマーアクチュエータ素子内に保持される水分子の割合をT(ポリマーアクチュエータ素子の重量を1としたときの水分子の重量)は、前述したイオン交換樹脂における水分子吸着剤の含有量W、水分子吸着剤における含水率Aを用いて、以下の(3)式により規定される。
T=A×W ……(3)
ここで、ゼオライトは、相対湿度=30%の環境下において、約20重量%の水分子を吸着する。また、この実施例2により、ゼオライトの添加量が0.25重量%以上のときに、比較例と比べ、応答速度(相対湿度=30%のときの応答速度:V30)に改善効果が得られることが分かった。したがって、相対湿度=30%の環境下において、保湿剤(添加量=0.25重量%のゼオライト)によってポリマーアクチュエータ素子内に保持される水分子の割合T=0.2×0.0025=0.0005となる。
同様に、シリカは、相対湿度=30%の環境下において、約5重量%の水分子を吸着する。また、この実施例2により、シリカの添加量が1重量%以上のときに、比較例と比べ、応答速度(V30)に改善効果が得られることが分かった。したがって、相対湿度=30%の環境下において、保湿剤(添加量=1重量%のシリカ)によってポリマーアクチュエータ素子内に保持される水分子の割合T=0.05×0.001=0.0005となる。
これらの結果から、保湿剤による応答速度の改善効果を得るには、重量=1のポリマーアクチュエータ中に、保湿剤によって重量=0.0005以上の水分子を保持すればよいこと(T=A×W≧0.0005)が分かる。このことは、換言すると、前述の(1)式を満たすように設定することが望ましいということである。
(実施例3)
図13(A),(B)はそれぞれ、実施例3および比較例に係る実験結果を表したものである。具体的には、図13(A)では、サンプル番号=1(比較例),2,4,5(実施例)における、前述したEW値、電極膜52A,52Bへの保湿剤の添加量(含有量)、高分子化合粒膜51への保湿剤の添加量、および、高温(85℃)保存時におけるポリマーアクチュエータ素子の変位量が20%低下するまでの経過日数を、それぞれ示している。また、図13(B)では、上記した各サンプル番号の例について、上記した経過日数を示している。なお、この実施例3では、保湿剤(水分子吸着剤)としてゼオライトを用いた。
これらの図13(A),(B)により、保湿剤を含有するイオン交換樹脂が、電極膜52A,52Bに加えて高分子化合物膜51にも用いられている(サンプル番号=5の例)ほうが、電極膜52A,52Bにおいて選択的に用いられている(サンプル番号=2,4の例)と比べ、特に高温保持後の経過日数が多いことが分かる。このことから、高分子化合物膜51に含有されている保湿剤は、他の部位に添加されている保湿剤に比べて遥かに高い効果を示すことが確認された。したがって、保湿剤を含有するイオン交換樹脂が、高分子化合物膜51において選択的に用いられたり、高分子化合物膜51における保湿剤の含有量が電極膜52A,52Bにおける保湿剤の含有量よりも多くなっているようにするのが、高温環境下での保存後における特性維持の観点からは望ましいことが容易に推測される。
(実施例4)
図14(A),(B)および図15はそれぞれ、実施例4および比較例に係る実験結果を表したものである。具体的には、図14(A),(B)では、上記したサンプル番号=1(比較例),2〜5(実施例)における、EW値、電極膜52A,52Bへの保湿剤の添加量(含有量)、高分子化合粒膜51への保湿剤の添加量、および、高温(85℃,相対湿度=50%)の環境下での保存(1000時間)後におけるポリマーアクチュエータ素子の変位量(高温保存前の変位量=100%とする相対値)を、それぞれ示している。また、図15では、サンプル番号=3(EW値=1050[g/eq]),5(EW値=780[g/eq])の各実施例における、高温保存の経過時間と高温保存後の変位量との関係を示している。なお、この実施例4においても、保湿剤(水分子吸着剤)としてゼオライトを用いた。
これらの図14および図15により、高温保存後の変位量が50%以上となるには、少なくとも電極膜52A,52B(望ましくは電極膜52A,52Bおよび高分子化合物膜51の各層)において保湿剤を含有させると共に、EW値=800[g/eq]程度(ここでは780[g/eq])以下のイオン交換樹脂を用いる必要があることが分かった。すなわち、高温環境下での保存後における変位量低下の抑制の観点からは、前述したように、保湿剤を含有するイオン交換樹脂におけるイオン交換当量質量(EW値)が、800[g/eq]以下となっていることが望ましいことが確認された。
以上のように本実施の形態では、ポリマーアクチュエータ素子131,132が保湿剤を含有するイオン交換樹脂を用いて構成されているようにしたので、低湿度や高温等の環境下におけるイオン交換樹脂でのイオン伝導度の低下を抑えることができる。よって、周囲の環境に応じた特性劣化(例えば、低湿度環境下における応答速度低下や、高温環境下での保存後における変位量低下等)を抑えることが可能となり、信頼性も向上させることも可能となる。
<変形例>
以上、実施の形態および実施例を挙げて本開示の技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等に限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態等で説明した接続部14Aおよび連結部材151A,151B,152A,152Bはそれぞれ、場合によっては設けないようにしてもよい。また、上記実施の形態等では、ポリマーアクチュエータ素子131,132の一端側が固定用部材12によって直接固定されている場合について説明したが、この場合には限られない。すなわち、ポリマーアクチュエータ素子の一端側が、固定用部材によって間接的に(固定電極等を介して)固定されているようにしてもよい。
また、上記実施の形態等では、一対のポリマーアクチュエータ素子を設けた場合について説明したが、必ずしも一対ではなくてもよく、1つあるいは3つ以上のポリマーアクチュエータ素子を設けるようにしてもよい。
更に、ポリマーアクチュエータ素子の形状については、上記実施の形態等に示したものには限定されず、またその積層構造についても、上記実施の形態等で説明したものに限定されず、適宜変更可能である。また、レンズモジュール(駆動装置)における各部材の形状や材料等についても、上記実施の形態等で説明したものには限られない。
加えて、上記実施の形態等では、本開示の駆動装置の一例として、レンズをその光軸に沿って駆動するレンズ駆動装置を挙げて説明したが、その場合には限られず、例えば、レンズ駆動装置がレンズをその光軸と直交する方向に沿って駆動するようにしてもよい。また、本開示の駆動装置は、そのようなレンズ駆動装置以外にも、例えば絞り(特開2008−259381号公報等参照)などを駆動する駆動装置等にも適用することが可能である。更に、本開示の駆動装置、レンズモジュールおよび撮像装置は、上記実施の形態等で説明した携帯電話機以外にも、種々の電子機器に適用することが可能である。
(燃料電池等への適用例)
また、上記実施の形態等では、本開示のイオン交換樹脂の適用例として、ポリマーアクチュエータ素子を備えた駆動装置(レンズ駆動装置)、レンズモジュールおよび撮像装置を挙げて説明したが、これには限られない。すなわち、本開示のイオン交換樹脂は、ポリマーアクチュエータ素子以外の他のデバイス(例えば、燃料電池等)にも適用することが可能である。
図16は、本開示の他の適用例に係る燃料電池(燃料電池6)の概略構成を断面図で表わしたものである。この燃料電池6は、1または複数の発電部(ここでは、1つの発電部60)と、図示しない燃料ポンプ(燃料供給部)および燃料タンクとを含んで構成されている。発電部60は、例えば、メタノールと酸化剤ガス(例えば、酸素)との反応により発電を行う直接メタノール型の発電部であり、カソード電極61(酸素電極)およびアノード電極62(燃料電極)を有する複数の単位セルが連結したものである。燃料タンクは、発電に必要な液体燃料(例えば、メタノールまたはメタノール水溶液)を貯蔵するものである。燃料ポンプは、燃料タンクに貯蔵された液体燃料を汲み上げて、発電部60側へ供給(輸送)するためのポンプであり、圧電体等により構成されている。この燃料ポンプの動作(液体燃料の供給動作)は、図示しない制御部によって制御されるようになっている。
この燃料電池6では、発電部60は、カソード電極61およびアノード電極62の間に電解質膜63を挟んで構成されている。このような発電部60よりなる単位セルは、面内方向に例えば6個(3行×2列)設けられており、それぞれが図示しない接続部材により電気的に直列に接続されている。発電部60のカソード電極61の側にはカソード側板状部材610、アノード電極62の側にはアノード側板状部材620がそれぞれ設けられている。
カソード電極61およびアノード電極62は、例えば、四辺形であり、カーボンペーパーなどよりなる集電体に、微細多孔質層(MPL;Micro Porous Layer)と、白金(Pt)あるいはルテニウム(Ru)などの触媒を含む触媒層とが形成された構成を有している。触媒層は、例えば、触媒を担持させたカーボンブラックなどの担持体をポリパーフルオロアルキルスルホン酸系プロトン伝導材料などに分散させたものにより構成されている。集電体と微細多孔質層との間(微細多孔質層の外側)には、必要に応じて、ガス拡散層(GDL;Gas Diffusion Layer )が設けられていてもよい。なお、カソード電極61には図示しない空気供給ポンプが接続されていてもよいし、接続部材(図示せず)に設けられた開口(図示せず)を介して外部と連通し、自然換気により空気すなわち酸素が供給されるようになっていてもよい。
電解質膜63は、例えば、スルホン酸基(−SO3 H)を有するプロトン伝導材料により構成されている。プロトン伝導材料としては、ポリパーフルオロアルキルスルホン酸系プロトン伝導材料(例えば、デュポン社製「Nafion(登録商標)」)、ポリイミドスルホン酸などの炭化水素系プロトン伝導材料、またはフラーレン系プロトン伝導材料などが挙げられる。ここでは、この電解質膜63は、上記実施の形態等で説明したイオン交換樹脂(保湿剤を含有するイオン交換樹脂)を用いて構成されている。
アノード側板状部材620およびカソード側板状部材610はそれぞれ、例えば厚み1mm程度のアルミニウム板またはステンレス鋼板により構成されている。発電部60とカソード側板状部材610との間には、湿分保持のため、例えば、ポリエチレン等の多孔質膜613が設けられている。発電部60とアノード側板状部材620との間には、例えば、多孔質フッ素樹脂およびポリエステルよりなる気液分離膜623が設けられている。アノード側板状部材620は、燃料F(液体燃料)を流通させるための貫通孔621と、ガス排出部としての溝622とを有している。この貫通孔621は、アノード電極62に対向する面から反対側の面に達し、燃料気化室65に連通している。アノード側板状部材20の外側には、各単位セルに対応して燃料供給孔64が設けられており、燃料ポンプの供給動作によって燃料タンクから輸送された燃料F(液体燃料)が、この燃料供給孔64を通じて発電部60側へ注入されるようになっている。この燃料供給孔64およびアノード側板状部材620の間には、燃料Fを気化させるための燃料気化室42(燃料気化部)が設けられている。また、カソード側板状部材610は、酸化剤としての空気(酸素)を通過させるため、カソード電極61に対向する面から反対側の面に達する貫通孔611を有している。
このような構成の燃料電池6では、電解質膜63が、上記実施の形態等で説明したイオン交換樹脂(保湿剤を含有するイオン交換樹脂)を用いて構成されているため、低湿度や高温等の環境下におけるイオン伝導度の低下を抑えることができる。よって、周囲の環境に応じた燃料電池6の特性劣化(例えば、発電能力の低下等)を抑えることが可能となる。
なお、本技術は以下のような構成を取ることも可能である。
(1)
1または複数のポリマーアクチュエータ素子を備え、
前記ポリマーアクチュエータ素子が、保湿剤を含有するイオン交換樹脂を用いて構成されている
駆動装置。
(2)
前記ポリマーアクチュエータ素子は、
一対の電極膜と、
前記一対の電極膜の間に挿設された高分子膜と
を有し、
前記一対の電極膜および前記高分子膜のうちの少なくとも一層に、前記イオン交換樹脂が用いられている
上記(1)に記載の駆動装置。
(3)
前記一対の電極膜および前記高分子膜の各層に、前記イオン交換樹脂が用いられている
上記(2)に記載の駆動装置。
(4)
前記高分子膜における前記保湿剤の含有量が、前記電極膜における前記保湿剤の含有量よりも多くなっている
上記(3)に記載の駆動装置。
(5)
前記イオン交換樹脂が、前記高分子膜において選択的に用いられている
上記(3)に記載の駆動装置。
(6)
前記保湿剤が、水分子吸着剤からなる
上記(1)ないし(5)のいずれか1項に記載の駆動装置。
(7)
前記水分子吸着剤が、多孔質微粒子を用いて構成されている
上記(6)に記載の駆動装置。
(8)
前記多孔質微粒子が、ゼオライト、シリカおよび炭素のうちの少なくとも1種を含んで構成されている
上記(7)に記載の駆動装置。
(9)
前記イオン交換樹脂における前記ゼオライトの含有量が、0.2重量%以上かつ1.0重量%以下である
上記(8)に記載の駆動装置。
(10)
前記イオン交換樹脂における前記ゼオライトの含有量が、0.5重量%である
上記(9)に記載の駆動装置。
(11)
前記多孔質部粒子では、細孔内に水分子が充填されている
上記(7)ないし(10)のいずれか1項に記載の駆動装置。
(12)
前記イオン交換樹脂における前記水分子吸着剤の含有量をW、前記水分子吸着剤における含水率をAとしたとき、W>(0.0005/A)を満たす
上記(6)ないし(11)のいずれか1項に記載の駆動装置。
(13)
前記イオン交換樹脂におけるイオン交換当量質量(EW値)が、800[g/eq]以下である
上記(6)ないし(12)のいずれか1項に記載の駆動装置。
(14)
前記水分子吸着剤が、親水性有機化合物からなる
上記(6)ないし(13)のいずれか1項に記載の駆動装置。
(15)
前記水分子吸着剤が、潮解性物質からなる
上記(6)ないし(13)のいずれか1項に記載の駆動装置。
(16)
レンズを駆動するレンズ駆動装置として構成されている
上記(1)ないし(15)のいずれか1項に記載の駆動装置。
(17)
レンズと、
前記レンズを駆動する駆動装置と
を備え、
前記駆動装置は、1または複数のポリマーアクチュエータ素子を有し、
前記ポリマーアクチュエータ素子が、保湿剤を含有するイオン交換樹脂を用いて構成されている
レンズモジュール。
(18)
レンズと、
前記レンズにより結像されてなる撮像信号を取得する撮像素子と、
前記レンズを駆動する駆動装置と
を備え、
前記駆動装置は、1または複数のポリマーアクチュエータ素子を有し、
前記ポリマーアクチュエータ素子が、保湿剤を含有するイオン交換樹脂を用いて構成されている
撮像装置。
(19)
1または複数の発電部を備え、
前記発電部は、酸素電極と、燃料電極と、前記酸素電極および前記燃料電極の間に挿設された電解質膜とを有し、
前記電解質膜が、保湿剤を含有するイオン交換樹脂を用いて構成されている
燃料電池。
(20)
保湿剤を含有してなる
イオン交換樹脂。
11…支持部材、12…固定用部材、131,132…ポリマーアクチュエータ素子、14…レンズ保持部材、14A…接続部、14B…保持部、151A,151B,152A,152B…連結部材、16…押え部材、17A,17B…ホール素子、19…電圧供給部、2…撮像装置、3…撮像素子、4…レンズモジュール、40…レンズ、51…高分子化合物膜、52A,52B…電極膜、6…燃料電池、60…発電部、61…カソード電極(酸素電極)、62…アノード電極(燃料電極)、63…電解質膜、8…携帯電話機、Z1…光軸、F…燃料。

Claims (20)

  1. 1または複数のポリマーアクチュエータ素子を備え、
    前記ポリマーアクチュエータ素子が、保湿剤を含有するイオン交換樹脂を用いて構成されている
    駆動装置。
  2. 前記ポリマーアクチュエータ素子は、
    一対の電極膜と、
    前記一対の電極膜の間に挿設された高分子膜と
    を有し、
    前記一対の電極膜および前記高分子膜のうちの少なくとも一層に、前記イオン交換樹脂が用いられている
    請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記一対の電極膜および前記高分子膜の各層に、前記イオン交換樹脂が用いられている
    請求項2に記載の駆動装置。
  4. 前記高分子膜における前記保湿剤の含有量が、前記電極膜における前記保湿剤の含有量よりも多くなっている
    請求項3に記載の駆動装置。
  5. 前記イオン交換樹脂が、前記高分子膜において選択的に用いられている
    請求項3に記載の駆動装置。
  6. 前記保湿剤が、水分子吸着剤からなる
    請求項1に記載の駆動装置。
  7. 前記水分子吸着剤が、多孔質微粒子を用いて構成されている
    請求項6に記載の駆動装置。
  8. 前記多孔質微粒子が、ゼオライト、シリカおよび炭素のうちの少なくとも1種を含んで構成されている
    請求項7に記載の駆動装置。
  9. 前記イオン交換樹脂における前記ゼオライトの含有量が、0.25重量%以上かつ1.00重量%以下である
    請求項8に記載の駆動装置。
  10. 前記イオン交換樹脂における前記ゼオライトの含有量が、0.50重量%である
    請求項9に記載の駆動装置。
  11. 前記多孔質部粒子では、細孔内に水分子が充填されている
    請求項7に記載の駆動装置。
  12. 前記イオン交換樹脂における前記水分子吸着剤の含有量をW、前記水分子吸着剤における含水率をAとしたとき、W>(0.0005/A)を満たす
    請求項6に記載の駆動装置。
  13. 前記イオン交換樹脂におけるイオン交換当量質量(EW値)が、800[g/eq]以下である
    請求項6に記載の駆動装置。
  14. 前記水分子吸着剤が、親水性有機化合物からなる
    請求項6に記載の駆動装置。
  15. 前記水分子吸着剤が、潮解性物質からなる
    請求項6に記載の駆動装置。
  16. レンズを駆動するレンズ駆動装置として構成されている
    請求項1に記載の駆動装置。
  17. レンズと、
    前記レンズを駆動する駆動装置と
    を備え、
    前記駆動装置は、1または複数のポリマーアクチュエータ素子を有し、
    前記ポリマーアクチュエータ素子が、保湿剤を含有するイオン交換樹脂を用いて構成されている
    レンズモジュール。
  18. レンズと、
    前記レンズにより結像されてなる撮像信号を取得する撮像素子と、
    前記レンズを駆動する駆動装置と
    を備え、
    前記駆動装置は、1または複数のポリマーアクチュエータ素子を有し、
    前記ポリマーアクチュエータ素子が、保湿剤を含有するイオン交換樹脂を用いて構成されている
    撮像装置。
  19. 1または複数の発電部を備え、
    前記発電部は、酸素電極と、燃料電極と、前記酸素電極および前記燃料電極の間に挿設された電解質膜とを有し、
    前記電解質膜が、保湿剤を含有するイオン交換樹脂を用いて構成されている
    燃料電池。
  20. 保湿剤を含有してなる
    イオン交換樹脂。
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