JP2012232815A - フォークリフトの油圧制御装置、及びフォークリフト - Google Patents
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Abstract
【解決手段】マストの前傾動作時に作動油を排出するティルトシリンダ19のロッド室19rと油圧ポンプモータ36が接続される回路構成とする。そして、マストの前傾動作時には、ティルトシリンダ19のロッド室19rから排出される作動油を油圧ポンプモータ36が油圧モータとして駆動するための駆動力とする。これにより、油圧ポンプモータ36に回生動作を行わせる。
【選択図】図1
Description
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載のフォークリフトの油圧制御装置において、前記油圧ポンプモータには、前記前傾動作時、常に前記油圧ポンプモータを迂回して作動油を前記第1油室から油タンクへ排出する第1油室排出用油路を開状態とするとともに、前記第2油室へ前記油圧ポンプモータからの作動油を供給する第2油室供給用油路を開状態とするティルト用切換弁を接続し、前記第1油室排出用油路には、前記第2油室側の圧力をパイロット圧として逆流を許容するパイロットチェック弁を備えることを要旨とする。
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1及び図2にしたがって説明する。
図2に示すように、バッテリ式のフォークリフト11の車体フレーム12にはその前部にマスト13が設けられている。マスト13は車体フレーム12に対して傾動可能に支持された左右一対のマストとしてのアウタマスト13aと、その内側に昇降可能に装備されたインナマスト13bとからなる。両アウタマスト13aの後側には荷役用油圧シリンダとしてのリフトシリンダ14がアウタマスト13aと平行に固定されるとともに、リフトシリンダ14のピストンロッド14aの先端がインナマスト13bの上部に連結されている。
リフトシリンダ14のボトム室14bに接続される油路としての配管K1には、油圧ポンプ及び油圧モータとして機能する油圧ポンプモータ30が接続されている。油圧ポンプモータ30には、電動機及び発電機として機能するリフト用モータ(回転電機)31が接続されている。リフト用モータ31は、図示しないステータのコイルへの通電によってロータを回転させることで電動機として機能する一方で、ロータが回転することによってステータのコイルに電力を生じさせることで発電機として機能する。本実施形態においてリフト用モータ31は、油圧ポンプモータ30を油圧ポンプとして作動させる場合に電動機となり、油圧ポンプモータ30を油圧モータとして作動させる場合に発電機となる。また、油圧ポンプモータ30は、配管K1を介して作動油を貯留する油タンクT1に接続されている。
ティルトシリンダ19の第2油室としてのボトム室19bと第1油室としてのロッド室19rは、油路としての配管K2によって接続されている。配管K2には、ロッド室19rからボトム室19bへ向かう方向に沿って順に、ストップ弁35と、油圧ポンプ及び油圧モータとして機能する油圧ポンプモータ36が接続されている。
制御部Sには、リフトレバー22の操作量を検出するポテンショメータ22aとティルトレバー23の操作量を検出するポテンショメータ23aとが電気的に接続されている。そして、制御部Sは、リフトレバー22の操作量に基づくポテンショメータ22aからの検出信号をもとに、リフト用モータ31の回転数を制御するとともに、リフト用電磁切換弁32の切換えを制御する。また、制御部Sは、ティルトレバー23の操作量に基づくポテンショメータ23aからの検出信号をもとに、ティルト用モータ37の回転数を制御するとともに、ストップ弁35の切換えを制御する。
最初に、マスト13の前傾動作について説明する。
マスト13を前傾動作させる場合は、ティルトシリンダ19のボトム室19bに作動油を供給する一方で、ロッド室19rの作動油を排出する(図中の実線矢印)。このため、制御部Sは、ティルトレバー23の操作量に応じた指示速度で動作させるように油圧ポンプモータ36及びティルト用モータ37の回転数と回転方向を制御する。また、制御部Sは、ストップ弁35を第1位置35aとする。これにより、ロッド室19rの作動油は、ストップ弁35、及び油圧ポンプモータ36を通じて、ボトム室19bに供給される。その結果、ティルトシリンダ19の伸長によってマスト13が前傾動作する。
マスト13を後傾動作させる場合は、ティルトシリンダ19のロッド室19rに作動油を供給する一方で、ボトム室19bの作動油を排出する(図中の破線矢印)。このため、制御部Sは、ティルトレバー23の操作量に応じた指示速度で動作させるように油圧ポンプモータ36及びティルト用モータ37の回転数と回転方向を制御する。また、制御部Sは、ストップ弁35を第2位置35bとする。これにより、ボトム室19bの作動油は、油圧ポンプモータ36及びストップ弁35を通じて、ロッド室19rに供給される。その結果、ティルトシリンダ19の収縮によってマスト13が後傾動作する。なお、後傾動作時の油圧ポンプモータ36は、油圧ポンプとして作動する。つまり、回生動作は行われない。
フォーク16を上昇動作させる場合は、リフトシリンダ14のボトム室14bに作動油を供給する。このため、制御部Sは、リフトレバー22の操作量に応じた指示速度で動作させるように油圧ポンプモータ30及びリフト用モータ31の回転数を制御する。また、制御部Sは、リフト用電磁切換弁32を第1位置32aとする。これにより、油圧ポンプモータ30によって汲み上げられた油タンクT1の作動油は、リフト用電磁切換弁32を通じてボトム室14bに供給される。その結果、リフトシリンダ14の伸長によってフォーク16が上昇動作する。なお、上昇動作時の油圧ポンプモータ30は、油圧ポンプとして作動する。なお、制御部Sは、上昇動作を終了させる場合、リフト用電磁切換弁32を第2位置32bとする。
(1)マスト13の前傾動作時には、ティルトシリンダ19から排出される作動油を駆動力として油圧ポンプモータ36を油圧モータとして駆動させることで、回生動作を行わせる。このため、マスト13が前傾動作する際の位置エネルギを利用して電気エネルギが得られるので、その電気エネルギを油圧ポンプモータ36などの電気エネルギを必要とする部材に使用することができる。したがって、マスト13を傾動動作させるためのティルトシリンダ19を効率良く動作させることができる。
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を図3及び図4にしたがって説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、既に説明した実施形態と同一構成について同一符号を付すなどしてその重複する説明を省略又は簡略する。
なお、マスト13の前傾動作と後傾動作に係る作用(制御内容)、及びフォーク16の上昇動作と下降動作に係る作用(制御内容)は、第1の実施形態と同一であるため、その重複する説明は省略する。
具体的に言えば、制御部Sは、ティルトレバー23の操作量に応じた指示速度が予め定めた所定速度以下(図中の指示速度A)の場合、第1,第2電磁比例弁47,48の開度を小さく調整し、配管K2を流通する作動油の流量を制御する。一方、制御部Sは、ティルトレバー23の操作量に応じた指示速度が所定速度を超える場合は、第1,第2電磁比例弁47,48の開度を全開に調整し、配管K2を流通する作動油の流量を制御する。例えば、所定速度とは、油圧ポンプモータ36及びティルト用モータ37の回転数が400回転/分程度となる低速運転に相当する速度である。
(7)通常、油圧ポンプは、低速運転において流量の制御が難しい。このため、荷重が大きい場合や、ポンプ回転数の下限に制限がある時などは、動作が不安定になる可能性がある。このため、図4に示すように、低速運転時には、ポンプ回転数を下限制限値で一定流量運転をするとともに、第1,第2電磁比例弁47,48の開度調整を行ってティルトシリンダ19へ供給する作動油の流量を制御することで、動作を安定させることができる。一方、第1,第2電磁比例弁47,48の開度調整を行っている場合は圧力損失が大きくなる。このため、所定速度Aを超える場合には、第1,第2電磁比例弁47,48の開度を全開とすることで、指示速度に応じた回転数でポンプを作動させることができる。
次に、本発明を具体化した第3の実施形態を図5〜図7にしたがって説明する。
本実施形態の油圧制御装置は、図5に示すように、単一の油圧ポンプと油圧ポンプを駆動するモータにより、リフトシリンダ14及びティルトシリンダ19を動作させる機構(油圧回路)を構成している。
最初に、単独操作にてフォーク16を上昇動作、又は下降動作させる場合について図5をもとに説明する。単独操作とは、フォーク16を動作させる時にはマスト13を動作させず、マスト13を動作させる時にはフォーク16を動作させないことである。なお、同時操作とは、フォーク16とマスト13を同時に動作させることである。フォーク16を上昇動作、又は下降動作させる場合、回生用切換弁63は第2位置63bとなっている。
単独操作にてマスト13を前傾動作させる場合は、ティルトシリンダ19のロッド室19rから作動油を排出する一方で、ボトム室19bに作動油を供給する。そして、本実施形態の油圧制御装置では、マスト13の前傾動作時に回生動作を行わせる場合と行わせない場合とで、作動油の給排経路を異ならせる。このため、制御部Sは、前傾動作時に回生動作の実行条件が成立するか否かの回生判定を行う。この回生判定において制御部Sは、マスト13の傾動角度が垂直を越える角度の場合には前記回生判定を肯定判定する一方で、マスト13の傾動角度が垂直を越えない角度の場合には前記回生判定を否定判定する。垂直を越える角度とは、図2に示すように、マスト13が垂直位置から前傾方向に傾動している時の角度を示す。一方、垂直を越えない角度とは、図2に示すように、マスト13が垂直位置から後傾方向に傾動している時の角度を示す。制御部Sは、ティルト側検出センサSE2の検出結果をもとにマスト13の角度を検出する。
回生動作を行わせる場合、制御部Sは、ティルトレバー23の操作量に応じた指示速度で動作させるように油圧ポンプモータ50及びモータ51の回転数を制御する。また、制御部Sは、回生用切換弁63を第1位置63aとするとともに、リフト上昇用電磁比例弁56を第2位置56bとし、さらにティルト用電磁比例弁58を第1位置58aとする。これにより、ティルトシリンダ19に対する作動油の給排経路は、破線矢印で示す経路とされる。
回生動作を行わせない場合、制御部Sは、ティルトレバー23の操作量に応じた指示速度で動作させるように油圧ポンプモータ50及びモータ51の回転数を制御する。また、制御部Sは、回生用切換弁63を第2位置63bとするとともに、ティルト用電磁比例弁58を前記指示速度に対応する開度の第3位置58cで開く。これにより、ティルトシリンダ19に対する作動油の給排経路は、一点鎖線矢印で示す経路とされる。
本実施形態の油圧制御装置では、同時操作を行う場合、リフトシリンダ14のボトム室14bから排出される作動油を、ティルトシリンダ19を傾動動作させるための駆動力の全部又は一部とする構成とされている。
(8)マスト13の前傾動作時には、ティルトシリンダ19から排出される作動油を駆動力として油圧ポンプモータ50を油圧モータとして駆動させることで、回生動作を行わせる。このため、マスト13が前傾動作する際の位置エネルギを利用して電気エネルギが得られるので、その電気エネルギを油圧ポンプモータ50などの電気エネルギを必要とする部材に使用することができる。したがって、マスト13を傾動動作させるためのティルトシリンダ19を効率良く動作させることができる。
次に、本発明を具体化した第4の実施形態を図8にしたがって説明する。
本実施形態の油圧制御装置は、配管K16に、パイロットチェック弁65が接続されている。パイロットチェック弁65は、ティルト用電磁比例弁58からの作動油を許容する一方で、常にはその逆方向からの作動油を流通させないように接続されている。そして、パイロットチェック弁65は、配管K15側(第2油室としてのボトム室19b側)の圧力をパイロット圧として作動した場合、逆方向からの作動油の流通を許容する。
(13)前傾動作時には、回生動作の実行条件が成立した場合及び成立していない場合の何れでも、ティルト用電磁比例弁58によって配管K15,K16を開状態としておく。このため、回生動作の実行条件が成立した場合には回生用切換弁63によって回生用の油路を開状態とし、回生動作の実行条件が成立していない場合には回生用切換弁63によって回生用の油路を閉状態とするだけで、回生動作を行わせるか否かを容易に切換えることができる。
○ 第3,第4の実施形態において、回生動作を行うことができる場合には、回生判定を肯定判定するための角度を、垂直位置よりも後傾位置よりに設定しても良い。
Claims (9)
- リフトシリンダへの作動油の給排によってフォークを昇降動作させるとともに、ティルトシリンダの第1油室からの作動油の排出及び第2油室への作動油の供給によって前記フォークが装着されるマストを前傾動作させるとともに、前記第1油室への作動油の供給及び前記第2油室からの作動油の排出によって前記マストを後傾動作させるフォークリフトの油圧制御装置において、
前記第1油室から排出される作動油を油圧ポンプモータが油圧モータとして駆動するための駆動力とすることにより、前記油圧ポンプモータに回生動作を行わせることを特徴とするフォークリフトの油圧制御装置。 - 前記油圧ポンプモータは双方向回転可能な構成であって、
前記ティルトシリンダへの作動油の給排経路は、前記第1油室と前記第2油室との間で作動油を給排させる閉回路で構成されており、
前記油圧ポンプモータの回転方向を切換えることによって前記マストの前傾動作と後傾動作を切換えることを特徴とする請求項1に記載のフォークリフトの油圧制御装置。 - 前記リフトシリンダには、前記ティルトシリンダに接続される前記油圧ポンプモータとは別に、油圧ポンプモータが接続されていることを特徴とする請求項2に記載のフォークリフトの油圧制御装置。
- 前記第2油室と前記油圧ポンプモータとを接続する管路には、前記マストの前傾動作時に前記第2油室の容積拡大に伴う不足分の作動油を供給するチェック弁と前記第2油室から排出された作動油のうち余剰分の作動油を油タンクへ排出する流量制御弁とが接続されており、
前記流量制御弁を、前記チェック弁よりも前記油圧ポンプモータの吸込口側に配置したことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のフォークリフトの油圧制御装置。 - 前記油圧ポンプモータは、前記リフトシリンダに作動油を給排する油圧ポンプモータとしても兼用されており、
前記ティルトシリンダの第1油室には、前記第1油室から排出される作動油を前記油圧ポンプモータへ流通させる回生用油路が接続されているとともに、前記回生用油路には当該回生用油路の開閉状態を切換える回生用切換弁が接続されており、
前記前傾動作時に、回生動作を行わせる場合には前記回生用油路を開状態とする一方で、回生動作を行わせない場合には前記回生用油路を閉状態とするように前記回生用切換弁を制御する制御部を備えたことを特徴とする請求項1に記載のフォークリフトの油圧制御装置。 - 前記油圧ポンプモータには、前記回生動作を行わせない場合、前記油圧ポンプモータを迂回して作動油を前記第1油室から油タンクへ排出する第1油室排出用油路を開状態とするとともに、前記第2油室へ前記油圧ポンプモータからの作動油を供給する第2油室供給用油路を開状態とするティルト用切換弁を接続することを特徴とする請求項5に記載のフォークリフトの油圧制御装置。
- 前記油圧ポンプモータには、前記前傾動作時、常に前記油圧ポンプモータを迂回して作動油を前記第1油室から油タンクへ排出する第1油室排出用油路を開状態とするとともに、前記第2油室へ前記油圧ポンプモータからの作動油を供給する第2油室供給用油路を開状態とするティルト用切換弁を接続し、
前記第1油室排出用油路には、前記第2油室側の圧力をパイロット圧として逆流を許容するパイロットチェック弁を備えることを特徴とする請求項5に記載のフォークリフトの油圧制御装置。 - 前記油圧ポンプモータは、前記フォークの下降動作時に前記作動油を排出する前記リフトシリンダの油室にリフト用排出油路を介して接続されており、
前記リフト用排出油路には、当該リフト用排出油路の開閉状態を切換えるリフト用切換弁が接続されており、
前記制御部は、
前記下降動作と後傾動作を同時に行わせる場合、前記リフト用排出油路を開状態とするように前記リフト用切換弁を制御するとともに、前記第1油室へ作動油を供給する第1油室供給用油路を開状態とし、かつ前記第2油室から油タンクへ作動油を排出する第2油室排出用油路を開状態とするように前記ティルト用切換弁を制御する一方で、
前記下降動作と前記前傾動作を同時に行わせる場合、前記リフト用排出油路を開状態とするように前記リフト用切換弁を制御するとともに、前記第1油室排出用油路として開状態とし、かつ前記第2油室供給用油路を開状態とするように前記ティルト用切換弁を制御することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のフォークリフトの油圧制御装置。 - フォークを昇降動作させるリフトシリンダと、前記フォークが装着されるマストを傾動動作させるティルトシリンダと、を備えたフォークリフトにおいて、
請求項1〜請求項8のうち何れか一項に記載のフォークリフトの油圧制御装置を備えたフォークリフト。
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