JP2012232460A - 樹脂成形品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電部材と樹脂成形部との密着性が良好で、超音波振動の振動エネルギが、導電部材と樹脂成形部との間に発生した剥離部分に吸収されることを抑制した樹脂成形品及びその製造方法を提供する。
【解決手段】接続用端子部1Aの裏面1bに複数の溝1eを形成する。複数の溝1eは、超音波溶接により接続用導電線材4を表面1aに溶接する際に接続用導電線材4を介して表面1aに加えられる超音波の往復振動方向と交差する方向に延び且つ往復振動方向に間隔をあけるようにして接続用端子部1Aの裏面に形成されている。複数の溝1eの横断面形状は、全体的に見ると裏面1bから表面1aに向かうに従って曲がりながら幅寸法が小さくなり、部分的に拡大して見ると接続用端子部1Aの裏面側から表面側に向かって、内壁部に凹凸が繰り返し現れる形状を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂成形品、特に、その表面に超音波振動によるテープボンディング又はワイヤーボンディングが行なわれる導電部材がインサート成形されてなる樹脂成形品及びその製造方法に関するものである。
例えば、パワートランジスタ等のパワー素子を実装した配線基板を収容するために、接続用端子部を含む複数の導電部材を樹脂成形部にインサート成形して構成された樹脂成形品が用いられている。このような樹脂成形品では、樹脂成形部から露出した導電部材の接続用端子部の表面に、配線基板あるいはその実装部品から導出された接続用導電線材が接続される。
導電部材にはアルミニウム板やニッケルメッキを施した銅板が用いられ、接続用導電線材にはアルミニウム線材(テープ状や断面円形の線材)が用いられ、接続用導電線材を導電部材の接続用端子部の表面に超音波溶接する技術が採用されている。
超音波溶接は、図4に示すように、被溶接部材10,10´間の接合面に接合面と垂直な方向から圧力を加えながら、接合面に平行な方向に超音波の往復振動を与えることにより原子拡散を誘起させ、被溶接部材相互金属の原子結合を生成する接合である。上記樹脂成形品においては、振動のエネルギを導電部材に効率よく伝える必要があり、そのためには、導電部材が樹脂成形品の樹脂成形部にしっかり固定されていることが重要である。
特許文献1には、導電部材の側縁を薄く加工して、接続用導電線材を超音波溶接する面(接続用端子部の溶接面)との間に段差をつけ、導電部材をインサート成形するに際して、溶接面以外の前記段差部を樹脂成形部で覆うことにより導電部材を固定する技術が開示されている。また、特許文献2には、アルミニウム板とこれを覆う樹脂成形部との密着性を上げるために、アルミニウム板の樹脂成形部との当接面にレーザ光の照射によって形成した微細な凹陥部を点在させ、この凹陥部に樹脂を充填したアンカー効果によりアルミニウム板と樹脂成形部の密着性を高めることが記載されている。
特開2003−245942号公報 特開2008−087409号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術は、接続用端子部の段差部を設けた箇所を溶接面として機能させることはできず、導電部材の寸法・形状の設計自由度が制限される。また、特許文献2に開示された技術は、確かに金属と樹脂成形品との密着性を向上させるものの、超音波溶接により接続用導電線材を接続用端子部に溶接するという観点からは、特別な配慮はされてない。そのため特許文献2に示された構造をそのまま超音波溶接を用いて接続用導電線材を接続用端子部に溶接した場合には、導電部材と樹脂成形部との間に部分的に剥離が発生する。超音波溶接においては、超音波振動の振動エネルギを導電部材に効率よく伝える必要がある。そのため、前述のような部分剥離が発生すると、導電部材と樹脂成形部の密着性が不十分となり、両者の間に発生する僅かながたつきが、振動エネルギを吸収し、より確実な超音波溶接を行なえない場合がある。
本発明が解決しようとする課題は、導電部材と樹脂成形部との密着性が良好で、超音波振動の振動エネルギが、導電部材と樹脂成形部との間に発生した剥離部分に吸収されることを抑制した樹脂成形品及びその製造方法を提供することである。
本発明は、接続用導電線材が超音波溶接により溶接される表面及び該表面と対向する裏面を有する接続用端子部を含む導電部材と、少なくとも前記表面を露出させ且つ前記裏面を覆うように導電部材をインサート部材としてインサート成形された樹脂成形部とを備えた樹脂成形品を対象とする。
本発明の樹脂成形品では、接続用端子部の裏面に、超音波溶接により接続用導電線材を表面に溶接する際に接続用導電線材を介して表面に加えられる超音波の往復振動方向と交差する方向に延びる複数の溝が往復振動方向に間隔をあけて形成されている。そして複数の溝の横断面形状は、全体的に見ると裏面から表面に向かうに従って曲がりながら幅寸法が小さくなり、部分的に拡大して見ると裏面から表面に向かって、内壁部に凹凸が繰り返し現れる形状を有している。言い換えると、溝の横断面形状は、部分的に拡大して見ると、裏面から表面に向かって、幅寸法が大きくなった後小さくなるまたは小さくなった後大きくなる変化を繰り返し現れる内壁部の形状を有している。
見方を変えると、波形の横断面形状が往復振動方向に連続する形状が接続用端子部の裏面に形成されている。本発明で用いる複数の溝は、超音波の往復振動方向と交差する方向に延びているため、複数の溝は超音波振動に対して溝が延びる長手方向全体において大きなアンカー効果を発揮する。特許文献2に示された凹陥部は分散して形成されるため、アンカー効果が少ない。また特許文献2に示された凹陥部の形状は、広い底面を備えた筒形状を備えている。そのため樹脂が凹陥部内に確実に入り難く、また凹陥部から空気が逃げ難く、気泡が凹陥部の内壁面と樹脂部との間に残る可能性がある。これに対して、本発明の溝の形状では、溝部に樹脂がスムーズに入り、しかも溝部内の空気がスムーズに抜ける。また溝部の内壁には、複数の凹凸部が存在するため、さらにアンカー効果を高めることができる。
なお複数の溝は、往復振動方向1mm当り1〜14本形成されているのが好ましい。幅1mm当たりに設ける溝の数を1本以上とすることにより、導電部材の裏面と樹脂成形部の係合は一層良好となる。幅1mm当たりに設ける溝の数が多くなると、溝幅が狭くなり、インサート成形に際して溝の谷部まで樹脂が十分に充填されないことが懸念されるので、14本以下とすることが望ましい。
複数の溝は、隣り合う2本の溝間に、表面側から裏面側に向かって凸となり且つ溝に沿って延びる凸状部が形成され、しかも凸状部の横断面形状が、全体的に見ると表面側から裏面側に向かうに従って曲がりながら幅寸法が小さくなる形状になるように、往復振動方向1mm当りの本数が定められているのが好ましい。このような凸状部が形成されると、溝の密度がほぼ最大となるので、アンカー効果を最も大きくなる。
複数の溝は、それぞれ最も深い部分の深さ寸法が、30μm〜60μmであるのが好ましい。また複数の溝は、それぞれ往復振動方向に測った開口部の幅寸法が、70μm〜100μmであるのが好ましい。このような深さと開口部を持った溝は、例えばレーザ加工で形成が可能であり、しかも十分なアンカー効果を得ることができる。
溝は、裏面にレーザ光を照射し且つ往復振動方向と交差する方向にレーザ光を移動させることにより形成されたものであるのが好ましい。具体的な製造方法では、接続用端子部の裏面に、レーザ光を照射し且つ超音波溶接により接続用導電線材を表面に溶接する際に接続用導電線材を介して表面に加えられる超音波の往復振動方向と交差する方向にレーザ光を移動させて1本の溝を形成するレーザ加工を実行する。そして往復振動方向の一方の方向にレーザ光を所定の距離シフトさせて、次の1本の溝を形成するレーザ加工を実行する。以後同様のレーザ加工を繰り返すことにより、往復振動方向と交差する方向に延びる複数の溝を往復振動方向に間隔をあけて形成する。そしてレーザ加工の加工条件(パワーの強さ、光束の直径、移動速度等)を、複数の溝の横断面形状が、全体的に見ると裏面から前記表面に向かうに従って曲がりながら幅寸法が小さくなり、部分的に拡大して見ると裏面から前記表面に向かうに従って、幅寸法が大きくなった後小さくなるまたは小さくなった後大きくなる変化を繰り返す形状となるように定める。このようなレーザ加工により複数の溝を形成すると、簡単に且つ迅速にアンカー効果が得られる複数の溝を形成できる。
(A)及び(B)は、本発明に係る樹脂成形品の実施の形態の要部平面図及び導電部材の斜視図である。 図1のA−A´線に沿う断面図である。 図1のB部の拡大図である。 超音波溶接の操作の説明図である。
以下図面を参照して、本発明の樹脂成形品の実施の形態及びその製造方法について説明する。図1(A)は、導電部材1をインサート部材として樹脂成形部2にインサート成形した樹脂成形品3の一部の平面図を示しており、図1(B)は導電部材1の斜視図を示している。また図2は、図1のA−A´線に沿う断面図を示している。なお図2は、特に要部を誇張して描いている。
導電部材1は、接続用端子部1Aと埋設部1Bとから構成されている。導電部材1は、電気を通すものであれば、特に限定されるものではない。より具体的には、鉄、銅、アルミニウムやこれらを含む合金等を用いることができる。特に、銅を用いると電気抵抗が低く発熱を抑えることができ、アルミニウムを用いると軽量化をできるので好ましい。導電部材1には、適宜、ニッケルメッキ等が施されてもよい。また導電部材1の寸法・形状は、特に制限されるものではなく、使用される部位に合わせた寸法及び形状が選択される。導電部材1は、必要に応じて、折り曲げて使用することができる。なお実際的には、この埋設部1Bは図示しない電気部品の端子に接続されている。接続用端子部1Aは、接続用導電線材4が超音波溶接により溶接される表面(溶接面)1aと該表面1aと対向する裏面1bとを備えている。接続部材1は、接続用端子部1Aの表面1aと埋設部1Bが連続する端面1cとは反対側に位置する端面1dとを露出した状態で、樹脂成形部2に埋設されている。
インサート成形には、射出成形が適している。成形に用いる樹脂は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレン−エチレンテレフタレート(PBT−PET共重合樹脂)、ポリエーテル・エーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、6ナイロン(PA6)、6−6ナイロン(PA66)、ポリカーボネート(PC)等である。これらを単独又は混合して用いることができる。また、これらの樹脂に、耐熱性や寸法安定性を向上させる目的で、ガラス繊維、ガラスビーズ、タルク等の無機充填材を適宜配合してもよい。
接続用端子部1Aの裏面1bには複数の溝1eが形成されており、複数の溝1eが裏面1bの断面形状を波形にしている。具体的に説明すると、複数の溝1eは、超音波溶接により接続用導電線材4を表面1aに溶接する際に接続用導電線材4を介して表面1aに加えられる超音波の往復振動方向と交差する方向(図2及び図3の例では直交する方向:紙面に垂直な方向)に延び且つ往復振動方向に間隔をあけるようにして接続用端子部1Aの裏面に形成されている。
複数の溝1eの横断面形状は、全体的に見ると裏面1bから表面1aに向かうに従って曲がりながら幅寸法が小さくなる。そして複数の溝1eの横断面形状は、部分的に拡大して見ると裏面1bから表面1aに向かうに従って、幅寸法が大きくなった後小さくなるまたは小さくなった後大きくなる変化を繰り返す形状を有している。すなわち溝1eの内壁部には、前述の幅寸法の変化により、微細な凹凸が形成されている。具体的な製造方法では、まず接続用端子部1Aの裏面1bに、レーザ光を照射し且つ前述の往復振動方向と交差する方向にレーザ光を移動させて1本の溝1eを形成するレーザ加工を実行する。次に往復振動方向の一方の方向にレーザ光を所定の距離シフトさせて、次の1本の溝を形成するレーザ加工を実行する。以後同様のレーザ加工を繰り返すことにより、往復振動方向と交差する方向に延びる複数の溝を往復振動方向に間隔をあけて形成する。なおレーザ加工の加工条件(パワーの強さ、光束の直径、移動速度等)は、図3に示すような横断面形状を有する溝1eが得られるように定められる。加工条件は、例えば、導電部材1がアルミニウムの場合で、25Wの半導体レーザを用いる場合には、レーザ光の光束の直径を70μmとし、移動速度を1000mm/sとすればよい。レーザ加工により複数の溝1eを形成すると、簡単に且つ迅速にアンカー効果が得られる複数の溝を形成できる。
本発明で用いる複数の溝1eは、超音波の往復振動方向と交差する方向に延びているため、複数の溝1eは超音波振動に対して溝1eが延びる長手方向全体において大きなアンカー効果を発揮する。また溝部1cの内壁に形成された微細な複数の凹凸部も、さらにアンカー効果を高めている。
なお複数の溝1eは、往復振動方向1mm当り1〜14本形成されているのが好ましい。幅1mm当たりに設ける溝1eの数を1本以上とすることにより、導電部材1の裏面1bと樹脂成形部2の係合は一層良好となる。幅1mm当たりに設ける溝1eの数が多くなると、溝幅が狭くなり、インサート成形に際して溝1eの谷部まで樹脂が十分に充填されないことが懸念されるので、14本以下とすることが望ましい。
図3に示された複数の溝1eは、隣り合う2本の溝1e、1e間に、表面1a側から裏面1b側に向かって凸となり且つ溝1eに沿って延びる凸状部5が形成され、しかも凸状部5の横断面形状が、全体的に見ると表面1a側から裏面1b側に向かうに従って曲がりながら幅寸法が小さくなる形状になるように、往復振動方向1mm当りの本数が定められている。具体的には1mm当りの14本の溝が形成されている。
複数の溝1eは、それぞれ最も深い部分の深さ寸法が、30μm〜60μmである。また複数の溝1eは、それぞれ往復振動方向に測った開口部の幅寸法が、70μm〜100μmである。さらに溝1eの内壁部には微細な凹凸が形成されている。このような形状寸法を持った溝は、例えばレーザ加工で形成が可能であり、しかも十分なアンカー効果を得ることができる。
図2は、接続用端子部1Aの表面1aに接続用導電線材4を超音波溶接した状態を併せて示している。超音波溶接では、接続用導電線材4を垂直方向から押圧するとともに、表面1aと接続用導電線材4の界面、すなわち、表面1aに沿って矢印で示した方向に超音波の往復振動を加えたことを示している。複数の溝1eのそれぞれにはインサート成形による樹脂が充填されて導電部材1と樹脂成形部2は係合している。複数の溝1eによる波形の断面形状は、導電部材1が超音波の往復振動方向に対してがたつくのを抑制している。従って、複数の溝1eは、接続用導電線材4が超音波溶接される溶接面領域に対応する裏面領域に形成されていることが好ましい。
次に上記実施の形態の樹脂成形品の実施例を従来例と対比して説明する。
実施例1
アルミニウム製の導電部材をポリフェニレンサルファイド(PPS)の射出成形により樹脂成形部にインサート成形した樹脂成形品を製造した。図1及び図2に示すように、樹脂成形品3は、導電部材1(2mm厚)の表面1a(8×21mm)と端面1dを除く面が樹脂成形部2と接触している。そして端面1dが樹脂成形部2の端面2aと同一面となっている。
接続用端子部1Aの表面1aのうち、接続用導電線材(0.2μm厚のアルミニウム製テープ)を超音波溶接する領域は7×10mmの矩形領域1fであり、接続用端子部1Aの裏面1bの矩形領域1fに対応する領域1gにレーザ光照射の走査を繰り返すことにより複数の溝1eを形成した。溝1eにはインサート成形時に樹脂が充填されている。溝1eは、最も深い部分の深さが40μmであり、溝1eの数は、幅1mm当り14本である。溝1eが形成されている領域1gは、超音波溶接する矩形領域1fに対応して、7×8mmの大きさを有している。
樹脂成形品3においては、導電部材1の裏面1bと樹脂成形部2とは密着しているだけで接着していない。しかし、当該樹脂成形品3を導電部材1と樹脂成形部2とに跨がって裁断し、当該裁断面において導電部材1と樹脂成形部2の界面で剥離を生じさせることを試みた。具体的には、導電部材1と樹脂成形部2の界面において,両者を引き離す方向に2kN/mの力を加えた。しかし界面での剥離は発生せず、両者が強固に密着していることを確認した。したがって本実施例によれば、超音波溶接に際して、導電部材1と樹脂成形部2の間のがたつきがなく、良好な超音波溶接がなされることになる。
従来例1
上記実施例1において、溝1eを形成することに代えて、特許文献2に記載の技術と同様に、同じ領域に電子ビームを照射することにより微細な独立した凹陥部(平均直径400μm及び平均深さ100μm)を裏面1bの領域1gに400μmの間隔を相互間にあけて点在させた。実施例1と同様に、導電部材1と樹脂成形部2とに跨がって裁断し、裁断面における界面で剥離を生じさせることを試みたところ、容易に剥離が発生した。
従来例2
上記実施例1において、溝1eを形成せず無加工のままとした。実施例1と同様に、導電部材1と樹脂成形部2とに跨がって裁断したところ、裁断した段階で導電部材1と樹脂成形部2とが剥離した。
上記実施例1及び従来例1及び2から判るように、本発明の実施例によれば、従来の構造と比べて十分な密着強度が得られることが判る。
本発明に係る樹脂成形品は、導電部材の裏面に、超音波振動の往復振動方向と交差する方向に延びる複数の溝を設けたことにより、この溝及び溝間の山部分が樹脂成形部と係合して、導電部材が超音波振動の振動方向に動くことを抑制するので、振動エネルギを減衰させることがなく、接続用導電線材の超音波溶着を良好に行なうことができる。また、レーザ光照射によって作製した溝の内壁部の表面は微細な凹凸形状を有しており、樹脂成形部との係合がより確実になる効果(アンカー効果)がある。
1 導電部材
2 樹脂成形部
3 樹脂成形品
4 接続用導電線材

Claims (8)

  1. 接続用導電線材が超音波溶接により溶接される表面及び該表面と対向する裏面を有する接続用端子部を含む導電部材と、少なくとも前記表面を露出させ且つ前記裏面を覆うように前記導電部材をインサート部材としてインサート成形された樹脂成形部とを備えた樹脂成形品であって、
    前記接続用端子部の前記裏面には、前記超音波溶接により前記接続用導電線材を前記表面に溶接する際に前記接続用導電線材を介して前記表面に加えられる超音波の往復振動方向と交差する方向に延びる複数の溝が前記往復振動方向に間隔をあけて形成されており、
    前記複数の溝の横断面形状が、全体的に見ると前記裏面側から前記表面側に向かうに従って曲がりながら幅寸法が小さくなり、部分的に拡大して見ると前記裏面側から前記表面側に向かって、内壁部に凹凸が繰り返し現れる形状を有していることを特徴とする樹脂成形品。
  2. 前記複数の溝は、前記往復振動方向1mm当り1〜14本形成されている請求項1に記載の樹脂成形品。
  3. 前記複数の溝は、隣り合う2本の前記溝間に、前記表面側から前記裏面側に向かって凸となり且つ前記溝に沿って延びる凸状部が形成され、しかも前記凸状部の横断面形状が、全体的に見ると前記表面側から前記裏面側に向かうに従って曲がりながら幅寸法が小さくなる形状になるように、前記往復振動方向1mm当りの本数が定められている請求項1に記載の樹脂成形品。
  4. 前記複数の溝は、それぞれ最も深い部分の深さ寸法が、30μm〜60μmである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の樹脂成形品。
  5. 前記複数の溝は、それぞれ前記往復振動方向に測った開口部の幅寸法が、70μm〜100μmである請求項4に記載の樹脂成形品。
  6. 前記溝は、前記裏面にレーザ光を照射し且つ前記往復振動方向と交差する方向に前記レーザ光を移動させることにより形成されたものである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の樹脂成形品。
  7. 接続用導電線材が超音波溶接により溶接される表面及び該表面と対向する裏面を有する接続用端子部を含む導電部材と、少なくとも前記表面を露出させ且つ前記裏面を覆うように前記導電部材をインサート部材としてインサート成形された樹脂成形部とを備えた樹脂成形品の製造方法であって、
    前記接続用端子部の前記裏面に、レーザ光を照射し且つ前記超音波溶接により前記接続用導電線材を前記表面に溶接する際に前記接続用導電線材を介して前記表面に加えられる超音波の往復振動方向と交差する方向に前記レーザ光を移動させて1本の溝を形成するレーザ加工を実行し、前記往復振動方向の一方の方向に前記レーザ光を所定の距離シフトさせて次の1本の溝を形成するレーザ加工を実行し、以後同様のレーザ加工を繰り返すことにより、前記往復振動方向と交差する方向に延びる複数の溝を前記往復振動方向に間隔をあけて形成し、
    前記レーザ加工の加工条件を、前記複数の溝の横断面形状が、全体的に見ると前記裏面から前記表面に向かうに従って曲がりながら幅寸法が小さくなり、部分的に拡大して見ると前記裏面から前記表面に向かって、内壁部に凹凸が繰り返し現れる形状となるように定めたことを特徴とする樹脂成形品の製造方法。
  8. 前記レーザ加工の加工条件は、前記複数の溝がそれぞれ最も深い部分の深さ寸法が30μm〜60μmとなり、前記複数の溝がそれぞれ前記往復振動方向に測った開口部の幅寸法が70μm〜100μmとなるように定めている請求項7に記載の樹脂成形品の製造方法。
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