以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明は、LEDチップが実装された基板としてのLED基板を有する照明装置であるLED照明に用いられ、LED基板に取り付けられることでLEDチップに対して電気的に接続されるLED照明用コネクタとして、種々の用途に広く適用することができるものである。
図1は、本発明の一実施の形態に係るLED照明用コネクタ1(以下、単に「コネクタ1」ともいう)及びそのコネクタ1を含む本発明の一実施の形態に係るハーネス(ケーブルハーネス)2が取り付けられたLED電球100を示す斜視図である。また、図2は、LED電球100におけるヒートシンク102とコネクタ1及びハーネス2とを示す斜視図である。また、図3は、LED電球100におけるLED基板101とコネクタ1及びハーネス2とを示す斜視図である。
図1乃至図3に例示するLED電球100は、LED基板101とヒートシンク102とカバー体(図示を省略)とを有する照明装置であるLED照明であって、電球型のLED照明として構成されている。尚、図1乃至図3においては、LED電球100における発光側に配置されるカバー体が取り付けられていない状態のLED電球100が図示されている。
図1乃至図3にて図示が省略されたカバー体は、ヒートシンク102に取付けられてLED基板101を覆うとともに、LED基板101に実装されるLEDチップ103からの光が通過するカバー要素として設けられる。このカバー体は、例えば、球面状の表面部分を有するカバー要素として、又は、扁平な湾曲面としての表面部分を有するカバー要素として、或いは、平坦な表面部分を有するカバー要素として設けられる。
LED基板101は、平板状のリジッド基板として設けられ、LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)を含むLEDチップ103が表面実装された基板として構成されている。このLED基板101には、LEDチップ103が表面実装される表面側において、LEDチップ103に対する給電用の回路パターンが設けられている。そして、この回路パターンには、コネクタ1に対して電気的に接続される複数の導電部101aが含まれている(図3を参照)。
尚、図1では、LED基板101に対して複数(本実施形態では、2つ)のコネクタ1が取り付けられた状態が図示されている。このため、図1のLED基板101については、各導電部101aに各コネクタ1が接続されているため、導電部101aが表れていない状態が図示されている。一方、図3では、LED基板101に対して1つのコネクタ1が取り付けられた状態が図示されている。このため、図3のLED基板101については、コネクタ1が接続された導電部101aが表れておらず、コネクタ1が接続されていない導電部101aが表れた状態が、図示されている。
また、LED基板101の縁部分における一部には、凹み状に形成されて後述のネジ104が通過するネジ用凹部101bが設けられている。尚、LED基板101においては、ネジ用凹部101bの側方に、導電部101aが配置されている。
ヒートシンク102は、LED基板101が設置される放熱用構造体として設けられ、例えば、アルミニウム合金により形成されている。このヒートシンク102には、中心軸方向に沿って径寸法が変化する筒状の外形部分を有する本体部102aと、本体部102aの中心軸方向における一方の端部側を覆うように形成された設置部102bとが設けられている。設置部102bの表面は、LED基板101が設置される平坦な面として設けられている。そして、この設置部102bには、開口領域として表面側に開口するとともに貫通形成された貫通配置孔102cが設けられている。この貫通配置孔102cには、コネクタ1が貫通した状態で配置される。尚、ヒートシンク102は、本体部102a及び設置部102bが、構造体として機能するとともに、LEDチップ103での発光に伴って生じる熱を外部へ放熱する機構として設けられている。
図4乃至図6は、コネクタ1及びハーネス2の斜視図である。尚、図4乃至図6は、互いに異なる方向から見た状態の斜視図を示している。また、図7は、図4に示すコネクタ1及びハーネス2の断面図である。
図1乃至図7に示すコネクタ1は、LED電球100に用いられ、LED基板101に対して取り付けられることでLED基板101における給電用の回路パターンを介してLEDチップ103に対して電気的に接続される。また、ハーネス2は、コネクタ1と、電力供給用のケーブル(電線)である給電ケーブル3とを備えて構成されている。尚、図3乃至図7では、ケーブル3についての図示を途中から省略している(図15乃至図17についても同様)。
図1乃至図7に示すコネクタ1は、LED基板101に対して取り付けられるハウジング11と、ハウジング11に保持されるとともに給電ケーブル3が接続されるコンタクト12とを備えて構成されている。また、ハーネス2における給電ケーブル3は、コンタクト12に対して電気的に接続されている。尚、給電ケーブル3の端部の導体には給電ケーブル側コンタクト15が接続されており、この給電ケーブル側コンタクト15に対してコネクタ1のコンタクト12が電気的に接続されている。また、給電ケーブル3は、コンタクト12に接続される側の端部と反対側の端部において、本体部102aの内側に配置されて電力を供給する電源基板に対して接続されている。
図3乃至図7によく示すように、ハウジング11は、LED基板101に対してその縁部分側において取り付けられ、本体ハウジング13とカバーハウジング14とを備えて構成されている。本体ハウジング13及びカバーハウジング14は、絶縁性材料である樹脂材料で形成されている。また、図8及び図9は、本体ハウジング13を示す斜視図である。尚、図8及び図9は、互いに異なる方向から見た状態の斜視図を示している。
本体ハウジング13には、ケーブル接続部16、嵌合部17、コンタクト保持部18、等が設けられ、これらの要素は一体に形成されている。ケーブル接続部16は、給電ケーブル3に対して接続される柱状の部分として設けられている。そして、ケーブル接続部16の内側には、給電ケーブル3の端部に接続された給電ケーブル側コンタクト15が挿入される空間が形成されている。尚、給電ケーブル3の端部に接続された給電ケーブル側コンタクト15は、ケーブル接続部16における一方の端部に開口形成されたケーブル挿入口16aから挿入される。
嵌合部17は、LED基板101の一部をその表裏面側から挟み込むようにしてLED基板101に対して嵌合する部分として設けられている。そして、この嵌合部17は、LED基板101の縁部分を表面側(LEDチップ103が配置される側)及び裏面側(LEDチップ103が配置される側と反対側)から挟み込むようにしてこの縁部分に対して嵌合するように設けられている。
また、嵌合部17には、嵌合部17がLED基板101に嵌合する際にLED基板の表面側に配置される表面側突出部17aと裏面側に配置される裏面側突出部17bとが設けられている。表面側突出部17a及び裏面側突出部17bは、ケーブル接続部16に対してケーブル挿入口16aが設けられる端部と反対側の端部から突出するように設けられている。そして、表面側突出部17a及び裏面側突出部17bは、ケーブル接続部16が柱状に延びる方向に対して垂直な方向に沿って、ケーブル接続部16の端部から互いに平行に突出するように設けられている。
また、嵌合部17における表面側突出部17aには、矩形の貫通孔として設けられた開口17cが形成されている。この開口17cからは、後述するコンタクト12の基板側接点部24が露出することになる。また、表面側突出部17aには、表面側突出部17aの側方に突出する側方突出部19が形成されている。この側方突出部19は、本体ハウジング13において、表面側突出部17aがケーブル接続部16から突出する突出方向に対して略垂直方向に向かって張り出すように更に突出する部分として設けられている。そして、側方突出部19には、円形の貫通孔19aが貫通形成されている。この貫通孔19aは、嵌合部17がLED基板101に嵌合した状態でヒートシンク102に対して螺合するネジ104(図3を参照)が貫通する貫通孔として設けられている。
尚、ネジ104は、貫通孔19aを貫通するとともに、側方突出部19とヒートシンク102の設置部102bとの間に配置されたネジ用凹部101bの内側を通過し、設置部102bに螺合する。そして、ネジ104の設置部102bに対する螺合によって生じる締結力によって、ネジ104の頭部が本体ハウジング13を貫通孔19aの周囲で押圧することになる。このため、LED基板101に嵌合する本体ハウジング13の嵌合部16を介してLED基板101を設置部102bに押し付けるネジ104によって、LED基板101が設置部102bに固定されるとともに、ハウジング11が設置部102bに固定される。このように、ネジ104は、ヒートシンク102に対してLED基板101を固定するための本実施形態の固定部材を構成している。
コンタクト保持部18は、本体ハウジング13においてコンタクト12を保持する部分として設けられている。そして、このコンタクト保持部18には、嵌合部17に連続する部分として形成されるとともに段状に形成された部分として設けられた段部18aと、スリット状の開口18cが内側に形成された差込部18bとが設けられている。段部18aには、屈曲形成された後述のコンタクト12における屈曲した部分が配置される。一方、差込部18bにおけるスリット状の開口18cには、コンタクト12の端部が差し込まれる。そして、段部18a及び差込部18bは、柱状のケーブル接続部16における側方から嵌合部17が突出する端部側にかけて外部に開放された領域に設けられている。
図10及び図11は、カバーハウジング14を示す斜視図である。尚、図10及び図11は、互いに異なる方向から見た状態の斜視図を示している。図3乃至図7、図10及び図11に示すカバーハウジング14は、本体ハウジング13に保持されたコンタクト12を覆うように本体ハウジング13に対して係合して取り付けられるハウジング要素として設けられている。そして、カバーハウジング14には、カバー部20、コンタクト押さえ部21、係合部(22、22)、等が設けられ、これらの要素は一体に形成されている。
カバー部20は、略直角に屈曲して延びる板状の部分を備えて構成されている。また、このカバー部20は、本体ハウジング13に取付けられることでコンタクト保持部18を外部に対して覆う蓋状の部分として設けられている。尚、前述のように、コンタクト保持部18は、柱状のケーブル接続部16における側方から嵌合部17が突出する端部側にかけて外部に開放された領域に設けられている。そして、カバーハウジング14が本体ハウジング13に取付けられることで、カバー部20が上記の開放された領域を覆うことになる。
コンタクト押さえ部21は、カバー部20の一端側に連続して設けられ、コンタクト12における表面側突出部17aに配置された部分を押さえるように配置される部分として構成されている。コンタクト押さえ部21は、カバーハウジング14が本体ハウジング13に取付けられた状態で、表面側突出部17aと平行に延びるように設けられている。そして、表面側突出部17aには、コンタクト12が配置される溝状の部分が形成されており、この溝状の部分に対してコンタクト12を押さえた状態でコンタクト押さえ部21が嵌まり込むように配置される。
尚、表面側突出部17aには、上記の溝状の部分の両側に配置されてレール状に延びる突起状の縁部分(17d、17d)が設けられている(図8及び図9を参照)。そして、コンタクト押さえ部21における表面側突出部17aと平行に延びる部分の両側には、上記の縁部分(17d、17d)に対して嵌まり込むように係止する段部(21a、21a)が設けられている。コンタクト押さえ部21が、表面側突出部17aの溝状の部分に嵌まり込んでコンタクト12を押さえた状態では、段部(21a、21a)が縁部分(17d、17d)に嵌まり込んで係止した状態となる。これにより、本体ハウジング14に保持されたコンタクト12が、更に、コンタクト押さえ部21によっても押さえられた状態で保持されることになる。
係合部(22、22)は、カバーハウジング14が本体ハウジング13に取り付けられる際に本体ハウジング13に対して係合する部分として設けられている。係合部(22、22)は、一対で設けられ、カバー部20において柱状のケーブル接続部16に沿って延びるように配置される部分に対して、両側にそれぞれ設けられている。
一方、本体ハウジング13には、係合部(22、22)に係合する一対の係合凸部(23、23)が設けられている。係合凸部(23、23)は、柱状のケーブル接続部16における開放された部分であってコンタクト保持部18が配置される部分の両側の側面においてそれぞれ凸状に盛り上がった部分として形成されている。そして、各カバー部22には、各係合凸部23に対して縁部分にて係合するように貫通形成された係合孔22aが形成されている。カバーハウジング14が本体ハウジング13に取り付けられる際には、一旦、各カバー部22が各係合凸部23を乗り越えるように弾性変形することになる。そして、その後に、各カバー部22が弾性回復し、各係合孔22aに各係合凸部23が嵌り込み、各係合部22が各係合凸部23に係合することになる。
図12は、コンタクト12を示す斜視図である。図7及び図12に示すコンタクト12は、ハウジング11に保持されるとともに、LED基板101の導電部101aと給電ケーブル3とに対して電気的に接続される端子部材として設けられている。コンタクト12は、例えば、銅合金で形成されており、表面にはニッケル下地付の金めっき処理が施されている。
コンタクト12は、板状の部材から切り出された部材が折り曲げられることで形成されている。そして、コンタクト12には、長方形状に延びる板状の部分が屈曲形成されて構成された本体部分28と、本体部分28に対して設けられる基板側接点部24、支持突起(25、25)及び圧入部26と、本体部分28から突出して形成された接続部分(27、27)と、が設けられている。
基板側接点部24は、ハウジング11がLED基板101に対して嵌合部17で嵌合して取り付けられた状態で、LED基板101の導電部101aに対して押し付けられて電気的に接続される部分として設けられている。そして、基板側接点部24は、中央部分で略直角に屈曲形成された本体部分28における一方の端部側に設けられている。
また、基板側接点部24は、本体部分28の一方の端部側において、三角形における2つの辺の部分を構成するように屈曲形成された板バネ状の部分として設けられている。これにより、基板側接点部24は、LED基板101の導電部101aに対して押し付けられた際に弾性変形するバネ接点部として設けられている。尚、基板側接点部24は、その頂点部分が、本体ハウジング13にコンタクト12が保持された状態では、表面側突出部17aに形成された開口17cを貫通して裏面側突出部17bに向かって突出するように配置される。これにより、基板側接点部24は、その頂点部分が導電部101aに対して接触し、導電部101aに対してバネ力が付加された状態で押し付けられることになる。
支持突起(25、25)は、本体部分28において、略直角に屈曲形成された部分を介して基板側接点部24と反対側の部分であってコンタクト保持部18に挿入される部分の両側で、突起状に突出した部分として設けられている。各支持突起25は、本体部分28における基板側接点部24と反対側の部分がコンタクト保持部18に挿入される際に、コンタクト保持部18における溝状の部分に対して摺接し、コンタクト12をコンタクト保持部18に対して支持するように構成されている。
圧入部26は、本体部分28において、基板側接点部24と反対側の端部に設けられている。そして、この圧入部26は、コンタクト保持部18の差込部18bにおけるスリット状の開口18cに対して差し込まれる部分として設けられている。そして、圧入部26には、差込部18bに対して差し込まれる方向に対して垂直な方向の両側において、それぞれ張り出すように形成された一対の突起状の部分が設けられている。
図13及び図14は、本体ハウジング13及びコンタクト12についての切り欠き断面を含む斜視図である。尚、図13は、コンタクト12が本体ハウジング13に対してコンタクト保持部18において取り付けられる前の状態を示している。一方、図14は、コンタクト12が本体ハウジング13に対してコンタクト保持部18において取り付けられて保持された状態を示している。また、図13及び図14では、本体ハウジング13のケーブル接続部16が柱状に延びる方向に沿った断面であって差込部18bに対応する位置での断面が図示されている。
コンタクト12が本体ハウジング13に対して取り付けられる際には、図13にて矢印Aで示すように、圧入部26が差込部18bの開口18cに対して差し込まれることになる。圧入部26が開口18cに差し込まれると、図14に示すように、圧入部26に設けられた一対の突起状の部分が、開口18cを区画する壁部に対して食い込むように係合することになる。これにより、コンタクト12が本体ハウジング13に対して強固に固定されることになる。また、圧入部26が開口18cに差し込まれる際には、各支持突起25が、コンタクト保持部18における溝状の部分に対して摺接し、コンタクト12をコンタクト保持部18に対して支持することになる。
接続部分(27、27)は、一対で設けられ、それぞれ本体部分28から片持ち状に突出するとともに本体部分28に対して屈曲して形成された部分として設けられている。そして、接続部分(27、27)は、本体部分28におけるコンタクト保持部18に挿入される部分の両側で突出している。また、各接続部分27は、本体部分28に対して略直角に折れ曲がった後、本体部分28が延びる方向に沿って片持ち状に延びるように設けられている。
また、一対の接続部分(27、27)は、片持ち状に延びる先端側にかけて互いに接近しながら延びる部分を有する板バネ状の部分として設けられている。そして、一対の接続部分(27、27)の先端側において互いに最も接近した部分のそれぞれは、給電ケーブル3の端部の導体に接続された給電ケーブル側コンタクト15に対して電気的に接続されるケーブル側接点部27aを構成している。一対の接続部分(27、27)のケーブル側接点部(27a、27a)は、給電ケーブル側コンタクト15に対して、この給電ケーブル側コンタクト15を両側から挟むようにして接触して電気的に接続される。
図15は、コンタクト12が電気的に接続される給電ケーブル3の一部を示す斜視図である。給電ケーブル3は、一方の端部の導体に給電ケーブル側コンタクト15が接続され、図示しない他方の端部がヒートシンク102の本体部102aの内側に配置された電源基板に対して接続される。
図7及び図15に示す給電ケーブル側コンタクト15は、本体ハウジング13のケーブル接続部16に対してケーブル挿入口16aから挿入されて嵌め込まれ、コンタクト12に対して電気的に接続される端子部材として設けられている。この給電ケーブル側コンタクト15は、例えば、銅合金で形成されており、表面にはメッキ処理が施されている。また、給電ケーブル側コンタクト15には、圧着部15a、接続部15b、嵌め込み部15c、等が設けられ、これらの要素が一体に形成されている。
圧着部15aは、給電ケーブル3の端部の導体に対してかしめられて圧着される部分として設けられている。嵌め込み部15bは、給電ケーブル3に接続された給電ケーブル側コンタクト15がケーブル挿入口16aから挿入された際に、本体ハウジング13の内壁に形成されたスリット状の溝に対して嵌まり込んで係合する部分として設けられている。
接続部15cは、折り曲げ加工によって略円筒状に形成された部分として設けられ、コンタクト12における一対の接続部分(27、27)のケーブル側接点部(27a、27a)の間に挿入される部分として設けられている。接続部15cがケーブル側接点部(27a、27a)の間に挿入されることで、板バネ状の各接続部分27のバネ力によって各ケーブル側接点部27aが接続部15cに押し付けられ、コンタクト12と給電ケーブル側コンタクト15とが電気的に接続されることになる。
次に、コネクタ1及びハーネス2のLED基板101に対する取付作業工程について説明する。この取付作業の際には、ハーネス2の各給電ケーブル3は、一方の端部において給電ケーブル側コンタクト15が圧着され、他方の端部においてヒートシンク102の本体部102aの内側の電源基板が接続されている。そして、給電ケーブル側コンタクト15が接続された給電ケーブル3の端部は、ヒートシンク102の設置部102bの貫通配置孔102cを通過して、設置部102bの表面側(LED基板101が設置される側)に配置された状態となっている。また、コネクタ1は、本体ハウジング13にコンタクト12が保持され、更に、カバーハウジング14が本体ハウジング13に対して係合して取り付けられた状態となっている。
上記の状態にて、図2に示すように、設置部102bの表面側において、コネクタ1が給電ケーブル3の端部に対して接続される。即ち、給電ケーブル側コンタクト15がケーブル挿入口16aに挿入され、接続部15cがケーブル側接点部(27a、27a)に接続され、給電ケーブル側コンタクト15とコンタクト12とが電気的に接続される。尚、給電ケーブル3とコネクタ1とが接続されることで、ハーネス2が構成されることになる。
給電ケーブル3とコネクタ1とが接続されると、次いで、コネクタ1のLED基板101への取り付けが行われる。図16は、LED基板101及びコネクタ1についての切り欠き断面を含む斜視図であって、LED基板101にコネクタ1が取り付けられた状態を示す図である。また、図17は、図16の一部を拡大して示す図である。
LED基板101にコネクタ1が取り付けられる際には、図16及び図17に示すように、コネクタ1がLED基板101の縁部分に対して取り付けられる。このとき、コネクタ1は、嵌合部16がLED基板101の縁部分を挟み込むようにしてこの縁部分に嵌合し、LED基板101に取付けられる。そして、この状態では、表面側突出部17aの開口17cを貫通して突出した基板側接点部24が、LED基板101の導電部101aに対して押し付けられて電気的に接続されることになる。これにより、コネクタ1が、LED基板101に実装されたLEDチップ103に対して電気的に接続され、電源基板からLEDチップ103への給電が可能な状態となる。
上記の状態において、LED基板101に取付けられたコネクタ1が、ヒートシンク102の貫通配置孔102cに配置される。そして、コネクタ1の貫通配置孔102cへの配置とともに、LED基板101が設置部102bに設置されることになる。LED基板101が設置部102bに設置されると、次いで、各ネジ104をヒートシンク102の設置部102bへ螺合させる作業が行われる。この作業では、ネジ104は、側方突出部19の貫通孔19aを貫通するとともにLED基板101のネジ用凹部101bの内側を通過した状態で、設置部102bへ螺合するように、操作される。そして、LED基板101に嵌合したハウジング11を介してLED基板101を設置部102bに押し付けるネジ104によって、LED基板101が設置部102bに固定される。
上記により、LED基板101へのコネクタ1の取り付けが完了し、ヒートシンク102の内部の電源基板とLED基板101とがハーネス2を介して電気的に接続されることになる。また、このようにLED基板101へのコネクタ1の取り付けが完了した状態では、給電ケーブル3は、LED基板101に対して垂直な方向に沿って延びている。即ち、コネクタ1においては、コンタクト12に対して電気的に接続された給電ケーブル3がハウジング11から引き出されるように延びる方向が、ハウジング11が取り付けられたLED基板101に対して垂直な方向に沿って延びる方向として設定されている。
以上説明したように、コネクタ1によると、給電ケーブル3に接続されるコンタクト12を保持するハウジング11が、LED基板101の一部をその表裏面側から厚み方向に挟むようにしてLED基板101に対して嵌合して取り付けられる。このため、LED基板101に対して厚み方向に挟むように嵌合したハウジング11から給電ケーブル3が引き出されて延びることになるため、LED基板101の表面側に給電ケーブル3が配置されてしまうことが防止されることになる。よって、従来技術の構成のように給電ケーブルの配置スペースが増大してLEDチップからの光の一部を遮ってしまうことが、抑制されることになる。即ち、コネクタ1によると、給電ケーブル3の配置スペースの省スペース化を図ることができる。
また、コネクタ1では、上記のように、給電ケーブル3に接続されるコンタクト12を保持するハウジング11が、LED基板101の一部をその表裏面側から厚み方向に挟むようにしてLED基板101に対して嵌合して取り付けられる。このため、ハウジング11がLED基板101の表面側において突出する高さが高くなってしてしまうことが防止される。よって、コネクタ1によると、LEDチップ103からの光の一部を遮ってしまうことを抑制できるようにLED基板101の表面側における低背化を図ることができる。
また、コネクタ1では、給電ケーブル3に接続されたコンタクト12を保持するハウジング11がLED基板101に対して嵌合して取り付けられることで、コネクタ接続作業が完了することになる。よって、従来技術とは異なり、煩雑で手間を要する接続作業が不要となり、LED基板101に対して容易にコネクタ1を接続することができる。
また、コネクタ1では、コンタクト12の基板側接点部24は、ハウジング11がLED基板101に対して嵌合部17で嵌合して取り付けられた状態で、LED基板101の導電部101aに対して押し付けられて電気的に接続される。このため、基板側接点部24は、嵌合部17がLED基板101に対して表裏面側から厚み方向に挟み込むように嵌合してコンパクトに接続された領域において、LED基板101の導電部101aに対して、嵌合部17によって挟み込まれるようにして強固に押し付けられた状態に維持されることになる。よって、コネクタ1によると、コンパクトな構造でLED基板101に対する強固な接続を確保することができる。
従って、本実施形態によると、給電ケーブル3の配置スペースの省スペース化を図れるとともに、LED基板101の表面側における低背化を図ることができ、LED基板101に対して容易に接続可能で、更に、コンパクトな構造でLED基板101に対する強固な接続を確保することができる、LED照明用コネクタ1を提供することができる。
また、コネクタ1によると、ハウジング11は、嵌合部17がLED基板101の縁部分に対して挟み込むようにして嵌合し、LED基板101の縁部分側に取付けられる。このため、LED基板101において、給電ケーブル3が挿通される孔が貫通形成されることがない。よって、LED基板101において、絶縁性材料が配置されない空間領域としての孔が不要となるため、ヒートシンク102に対する絶縁性を容易に確保可能でLED基板101の小型化を図ることができる。
また、コネクタ1によると、コンタクト12の基板側接点部24が、LED基板101の導電部101aに押し付けられた際に弾性変形するバネ接点部として設けられるため、基板側接点部24自身のバネ力によっても強固に導電部101aに押し付けられることになる。よって、構造の大型化を招くことなく、LED基板101に対するより強固な接続を確保することができる。
また、コネクタ1によると、給電ケーブル3が、LED基板101に取り付けられたハウジング11からLED基板101に対して垂直な方向に沿って引き出される。このため、給電ケーブル3が、LED基板101の側方に延びてしまうことが防止されることになる。よって、給電ケーブル3の配置スペースの更なる省スペース化が図られ、LED電球100の小型化を図ることができる。
また、コネクタ1によると、本体ハウジング13に係合して取り付けられることで本体ハウジング13に保持されたコンタクト12を覆うカバーハウジング14が設けられるため、コンタクト12の露出が効率よく確実に防止されることになる。そして、コンタクト12の露出を防ぐ構造が、本体ハウジング13に係合して取り付けられるカバーハウジング14によって容易に構築されることになる。
また、コネクタ1によると、ネジ104が貫通孔19aを貫通し、嵌合部17でLED基板101に嵌合して取り付けられたハウジング11がヒートシンク102に対して固定されることになる。よって、LED基板101に固定されたハウジング11がネジ104によってヒートシンク102にも強固に固定されるとともに、LED基板101がハウジング11及びネジ104を介してヒートシンク102に固定されることになる。従って、LED基板101をヒートシンク102に固定するためのネジ104を、ハウジング11をヒートシンク102に強固に固定する部材として効率よく兼用することができる。
尚、ハーネス2においても、上記のコネクタ1と同様の効果が得られることになる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、次のように変更して実施してもよい。
(1)前述の実施形態では、ハウジングの嵌合部がLED基板の縁部分を挟み込むようにしてこの縁部分に対して嵌合する形態を例にとって説明したが、必ずしもこの通りでなくてもよい。例えば、LED基板の外縁部分に貫通孔が形成され、この貫通孔の内側からハウジングの嵌合部がLED基板に嵌合する形態のLED照明用コネクタを実施してもよい。
(2)前述の実施形態では、本体ハウジングとカバーハウジングとを備えたハウジングの形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。ハウジングが、1つのハウジング要素によって、或いは、組み立てられる3つ以上のハウジング要素によって構成された形態のLED照明用コネクタを実施してもよい。
(3)前述の実施形態では、ハウジングに対してコンタクトが取り付けられて保持される形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。コンタクトが本体ハウジング又はカバーハウジングに対して同時成型により一体に組み込まれた形態であってもよい。また、1つのハウジング要素によって構成されたハウジングに対してコンタクトが同時成型により一体に組み込まれた形態であってもよい。
(4)前述の実施形態では、コンタクトが、給電ケーブルの端部の導体に対して接続された給電ケーブル側コンタクトに対して電気的に接続される形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。コンタクトが、給電ケーブルの端部の導体に対して直接に接続される形態のLED照明用コネクタを実施してもよい。
(5)前述の実施形態では、LED照明用コネクタに給電ケーブルが接続された後に、LED照明用コネクタがLED基板に対して取り付けられる接続作業形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。LED照明用コネクタがLED基板に対して取り付けられた後に、LED照明用コネクタに給電ケーブルが接続される接続作業形態が実施されてもよい。
(6)前述の実施形態では、コンタクトにおける一対の接続部分のケーブル側接点部の間で給電ケーブル側コンタクトの接続部が挟み込まれることで、コンタクトと給電ケーブル側コンタクトとが接続される形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、コンタクトにおけるケーブル側接点部が1つのピン状の接点部として構成され、給電ケーブル側コンタクトにおける接続部が一対で設けられて上記のピン状のケーブル側接点部を両側から挟み込むように構成され、これにより、コンタクトと給電ケーブル側コンタクトとが接続される形態であってもよい。
(7)前述の実施形態では、LED基板をLED照明用コネクタのハウジングを介してヒートシンクに固定する固定部材として、ネジの形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、固定部材が、リベット、或いは、小型のボルト及びナット、等として構成されていてもよい。
(8)バネ接点部として設けられる基板側接点部の形状は、前述の実施形態で例示した形状に限らず、種々変更して実施してもよい。また、嵌合部において、突起状に形成されてLED基板に対して係止することでハウジングをLED基板に対して係止するロック部分が設けられていてもよい。
図18は、変形例に係るLED照明用コネクタ50(以下、単に「コネクタ50」ともいう)を示す斜視図である。尚、図18(a)及び図18(b)は、コネクタ50について、互いに異なる方向から見た状態の斜視図を示している。図18に示すコネクタ50は、前述の実施形態に係るコネクタ1と同様に構成されているが、バネ接点部として設けられる基板側接点部の形状と、嵌合部に上記のロック部分が設けられている点とにおいて、コネクタ1と異なっている。尚、以下の説明では、コネクタ50において、コネクタ1に対応する構成要素については、図面において同一の符号を付すことで、或いは、同一の符号を引用することで、説明を省略する。
コネクタ50の嵌合部17には、裏面側突出部17bにおいて表面側突出部17aに向かって突起状に突出して形成されたロック部分51が設けられている。図19は、給電ケーブル3に接続されたコネクタ50がLED基板101に取付けられた状態についての切り欠き断面を含む斜視図である。また、図20は、図19の一部を拡大して示す図である。図19及び図20によく示すように、ロック部分51は、嵌合部17がLED基板101に嵌合した際に、LED基板101に対して突起状の先端部分で係止することでハウジング11をLED基板101に対して係止するように構成されている。
また、コネクタ50のコンタクト12には、ハウジング11がLED基板101に対して嵌合部17で嵌合して取り付けられた状態で、LED基板101の導電部101aに対して押し付けられて電気的に接続される基板側接点部52が設けられている。この基板側接点部52は、前述の実施形態の基板側接点部24と同様に、導電部101aに対して押し付けられた際に弾性変形するバネ接点部として設けられている。但し、コネクタ50における基板側接点部52は、コネクタ1の基板側接点部24とは異なり、コンタクト12における板状の端部の部分が約180°近くに亘って折り曲げられて形成された板バネ状の先端部分として設けられている。
上述したコネクタ50によると、LED基板101に嵌合する嵌合部17において、LED基板101に対してハウジング11を係止させる突起状のロック部分51が設けられるため、LED基板101に嵌合して取り付けられたハウジング11の更に強固な抜け止めを図ることができる。また、コネクタ50によると、コンタクト12の基板側接点部52が、LED基板101の導電部101aに押し付けられた際に弾性変形するバネ接点部として設けられるため、基板側接点部52自身のバネ力によっても強固に導電部101aに押し付けられることになる。よって、構造の大型化を招くことなく、LED基板101に対するより強固な接続を確保することができる。