JP2012229151A - アルゴンガスの精製方法および精製装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも酸素、水素、一酸化炭素、炭化水素、窒素を含有するアルゴンガスを精製する際に、アルゴンガスにおける酸素量が、水素、一酸化炭素、炭化水素の全てと反応するのに必要な酸素の設定量以下であれば、設定量を超えるよう酸素を添加する。アルゴンガスにおける一酸化炭素、水素、炭化水素と酸素とを触媒を用いて反応させ、酸素を残留させた状態で二酸化炭素と水を生成する。アルゴンガスにおける酸素を金属と反応させて金属酸化物を生成する。アルゴンガスにおける生成された二酸化炭素と水を窒素と共に圧力スイング吸着法により吸着剤に吸着させる。
【選択図】図1
Description
本発明によれば、アルゴンガスに不純物として含まれる水素、一酸化炭素、および炭化水素は、アルゴンガス中の酸素と反応して二酸化炭素と水を生成することで除去される。また、その反応によりアルゴンガス中に残留した酸素は、金属を酸化するために用いられることで除去される。これにより、吸着処理の前処理の段階でアルゴンガス中に酸素、水素、一酸化炭素、炭化水素が残留するのを防止できる。よって、吸着剤の再生時に一酸化炭素を脱離させる必要がないので再生エネルギーを低減できる。
これにより、アルゴンガスが油分を含有する場合に、その油分を活性炭により吸着でき、さらに、油分に由来する炭化水素の一部を活性炭により吸着でき、特に炭素数が1〜5以外の炭化水素を活性炭により効果的に吸着できる。よって、アルゴンガスにおける炭化水素量を低減することで、炭化水素と酸素との反応により生成される水と二酸化炭素を低減し、後の吸着負荷を軽減できる。
本発明装置によれば、アルゴンガスにおける酸素量が、そのアルゴンガスにおける水素、一酸化炭素、および炭化水素の全てと反応するのに必要な設定量を超える場合は、そのアルゴンガスを本発明方法に従って直接に精製できる。また、アルゴンガスにおける酸素量が、そのアルゴンガスにおける水素、一酸化炭素、および炭化水素の全てと反応するのに必要な設定量以下の場合の場合は、その設定量を超えるように酸素が添加された後のアルゴンガスを本発明装置により本発明方法に従って直接に精製できる。
アルゴンガスに含有される炭化水素の種類に応じて炭化水素を完全燃焼させるのに必要な酸素量は異なることから、上記判定はアルゴンガスに含有される不純物の組成と濃度を予め実験により求めた上で行うのが好ましい。例えば、アルゴンガスが含有する炭化水素がメタンである場合、アルゴンガスにおける水素、一酸化炭素、およびメタンが酸素と反応して水と二酸化炭素を生成する反応式は以下の通りである。
H2 +1/2O2 →H2 O
CO+1/2O2 →CO2
CH4 +2O2 →CO2 +2H2 O
この場合、アルゴンガスにおける酸素モル濃度が水素モル濃度と一酸化炭素モル濃度とメタンモル濃度との和に等しい値を超えるか否かにより、アルゴンガスにおける酸素量が上記化学量論量を超えるか否かを判定すればよい。もちろん、アルゴンガスに含有される炭化水素はメタンに限定されるものではなく、また、2種類以上の炭化水素が含有されていてもよい。
上記設定量は、上記化学量論量である必要はなく、上記化学量論量以上であればよく、例えば上記化学量論量の1.05倍〜1.1倍の値にするのが好ましく、1.05倍以上とすることでアルゴンガスにおける酸素を水素、一酸化炭素、および炭化水素の全てと確実に反応させることができ、1.1倍以下とすることで酸素濃度が必要以上に高くなるのを防止できる。
吸着塔13の出口13kそれぞれは、切替バルブ13lを介して流出配管13oに接続され、切替バルブ13mを介して洗浄配管13pに接続され、切替バルブ13nと上部均圧配管13qを介して互いに接続される。
流出配管13oは、並列配置された逆止弁13rと切替バルブ13sを介して均圧槽14の入口に接続される。均圧槽14の出口は、吸着塔13における吸着圧力を制御するための圧力調節バルブ14aを介して貯留槽15の入口に接続される。貯留槽15の出口は、出口配管15aを介してTSAユニット20に接続される。また、流出配管13oと均圧槽14は、流量制御バルブ13u、流量指示調節計13vを介して洗浄配管13pに接続され、吸着塔13から流出した不純物濃度の低減されたアルゴンガスを、洗浄配管13pを介して吸着塔13に一定流量に調節して再び送ることが可能とされている。
すなわち、第1吸着塔13において切替バルブ13b、13lのみが開かれることで、圧縮機12により圧縮されたアルゴンガスが、切替バルブ13bを介して第1吸着塔13に導入される。その導入されたアルゴンガス中の少なくとも二酸化炭素、窒素、水分が吸着剤に吸着されることで、第1吸着塔13においては吸着工程が行われる。第1吸着塔13において不純物の含有率が低減されたアルゴンガスは、流出配管13oを介して均圧槽14に送られる。この際、第2吸着塔13において、切替バルブ13m、13cのみが開かれることで、第1吸着塔13から流出配管13oに送られたアルゴンガスの一部が、洗浄配管13p、流量制御バルブ13uを介して第2吸着塔13に送られ、第2吸着塔13においては洗浄工程が行われる。
次に、第1吸着塔13において切替バルブ13b、13lが閉じられ、第2吸着塔13において切替バルブ13m、13cが閉じられ、切替バルブ13n、13dが開かれることで、第1吸着塔13と第2吸着塔13において内部圧力の均一化を図る均圧工程が行われる。
次に、切替バルブ13n、13dが閉じられ、第1吸着塔13において切替バルブ13cが開かれることで、吸着剤から不純物を脱着する脱着工程が第1吸着塔13において行われ、脱着された不純物はガスと共にサイレンサー13eを介して大気中に放出される。この際、第2吸着塔13において切替バルブ13b、13l、切替バルブ13sが開かれることで、圧縮機12により圧縮されたアルゴンガスが切替バルブ13bを介して、均圧槽14における不純物の含有率が低減されたアルゴンガスが切替バルブ13sと切替バルブ13lを介して導入され、第2吸着塔13において昇圧工程が行われると共に吸着工程が開始される。
次に、第1吸着塔13において切替バルブ13mが開かれ、切替バルブ13sが閉じられ、これにより、吸着工程が行われている第2吸着塔13から流出配管13oに送られたアルゴンガスの一部が、洗浄配管13p、流量制御バルブ13uを介して第1吸着塔13に送られ、第1吸着塔13において洗浄工程が行われる。洗浄工程で用いられたガスは、切替バルブ13c、サイレンサー13eを介して大気中に放出される。
次に、第1吸着塔13において切替バルブ13c、13mが閉じられ、第2吸着塔13において切替バルブ13b、13lが閉じられ、切替バルブ13n、13dが開かれることで、第1吸着塔13と第2吸着塔13において内部圧力の均一化を図る均圧工程が行われる。
次に、切替バルブ13n、13dが閉じられ、第1吸着塔13において切替バルブ13b、13lが開かれ、切替バルブ13sが開かれることで、圧縮機12により圧縮されたアルゴンガスと均圧槽14における不純物の含有率が低減されたアルゴンガスが導入され、第1吸着塔13において昇圧工程が行われると共に吸着工程が開始される。この際、第2吸着塔13において切替バルブ13cが開かれることで、吸着剤から不純物を脱着する脱着工程が第2吸着塔13において行われ、不純物はガスと共にサイレンサー13eを介して大気中に放出される。
上記の各工程が第1、第2吸着塔13それぞれにおいて順次繰り返されることで、不純物含有率を低減されたアルゴンガスが均圧槽14、圧力調節バルブ14a、貯留槽15、出口配管15aを介してTSAユニット20に送られる。
なお、PSAユニット10は図2に示すものに限定されず、例えば塔数は2以外、例えば3でも4でもよい。
吸着塔23の入口23aそれぞれは、切替バルブ23cを介して大気中に通じる。
吸着塔23の出口23eそれぞれは、切替バルブ23fを介して流出配管23gに接続され、切替バルブ23hを介して冷却・昇圧用配管23iに接続され、切替バルブ23jを介して洗浄用配管23kに接続される。
流出配管23gは予冷器21の一部を構成し、流出配管23gから流出する精製されたアルゴンガスによりPSAユニット10から送られてくるアルゴンガスが冷却される。流出配管23gから精製されたアルゴンガスが切替バルブ23lを介し流出される。
冷却・昇圧用配管23i、洗浄用配管23kは、流量計23m、流量制御バルブ23o、切替バルブ23nを介して流出配管23gに接続される。
熱交換部24は多管式とされ、吸着塔23を構成する多数の内管を囲む外管24a、冷媒供給源24b、冷媒用ラジエタ24c、熱媒供給源24d、熱媒用ラジエタ24eで構成される。また、冷媒供給源24bから供給される冷媒を外管24a、冷媒用ラジエタ24cを介して循環させる状態と、熱媒供給源24dから供給される熱媒を外管24a、熱媒用ラジエタ24eを介して循環させる状態とに切り換えるための複数の切替バルブ24fが設けられている。さらに、冷媒用ラジエタ24cから分岐する配管により冷却器22の一部が構成され、冷媒供給源24bから供給される冷媒によりアルゴンガスが冷却器22において冷却され、その冷媒はタンク24gに還流される。
すなわち、TSAユニット20において、PSAユニット10から供給されるアルゴンガスは予冷器21、冷却器22において冷却された後に、切替バルブ23bを介して第1吸着塔23に導入される。この際、第1吸着塔23は熱交換機24において冷媒が循環することで−10℃〜−50℃に冷却される状態とされ、切替バルブ23c、23h、23jは閉じられ、切替バルブ23fは開かれ、アルゴンガスに含有される少なくとも窒素は吸着剤に吸着される。これにより、第1吸着塔23において吸着工程が行われ、不純物の含有率が低減された精製アルゴンガスが吸着塔23から切替バルブ23lを介して流出され、製品タンク(図示省略)に送られる。
第1吸着塔23において吸着工程が行われている間に、第2吸着塔23において脱着工程、洗浄工程、冷却工程、昇圧工程が進行する。
すなわち第2吸着塔23においては、吸着工程が終了した後、脱着工程を実施するため、切替バルブ23b、23fが閉じられ、切替バルブ23cが開かれる。これにより第2吸着塔23においては、不純物を含んだアルゴンガスが大気中に放出され、圧力がほぼ大気圧まで低下される。この脱着工程においては、第2吸着塔23で吸着工程時に冷媒を循環させていた熱交換部24の切替バルブ24fを閉状態に切り替えて冷媒の循環を停止させ、冷媒を熱交換部24から抜き出して冷媒供給源24bに戻す切替バルブ24fを開状態に切り替える。
次に、第2吸着塔23において洗浄工程を実施するため、第2吸着塔23の切替バルブ23c、23jと洗浄用配管23kの切替バルブ23nが開状態とされ、熱交換型予冷器21における熱交換により加熱された精製アルゴンガスの一部が、洗浄用配管23kを介して第2吸着塔23に導入される。これにより第2吸着塔23においては、吸着剤からの不純物の脱着と精製アルゴンガスによる洗浄が実施され、その洗浄に用いられたアルゴンガスは切替バルブ23cから不純物と共に大気中に放出される。この洗浄工程においては、第2吸着塔23で熱媒を循環させるための熱交換部24の切替バルブ24fを開状態に切り替える。
次に、第2吸着塔23において冷却工程を実施するため、第2吸着塔23の切替バルブ23jと洗浄用配管23kの切替バルブ23nが閉状態とされ、第2吸着塔23の切替バルブ23hと冷却・昇圧用配管23iの切替バルブ23nが開状態とされ、第1吸着塔23から流出する精製アルゴンガスの一部が冷却・昇圧用配管23iを介して第2吸着塔23に導入される。これにより、第2吸着塔23内を冷却した精製アルゴンガスは切替バルブ23cを介して大気中に放出される。この冷却工程においては、熱媒を循環させるための切替バルブ24fを閉じ状態に切り替えて熱媒循環を停止させ、熱媒を熱交換部24から抜き出して熱媒供給源24dに戻す切替バルブ24fを開状態に切り替える。熱媒の抜き出しの終了後に、第2吸着塔23で冷媒を循環させるための熱交換部24の切替バルブ24fを開状態に切り替え、冷媒循環状態とする。この冷媒循環状態は、次の昇圧工程、それに続く吸着工程の終了まで継続する。
次に、第2吸着塔23において昇圧工程を実施するため、第2吸着塔23の切替バルブ23cが閉じられ、第1吸着塔23から流出する精製アルゴンガスの一部が導入されることで第2吸着塔23の内部が昇圧される。この昇圧工程は、第2吸着塔23の内圧が第1吸着塔23の内圧とほぼ等しくなるまで継続される。昇圧工程が終了すれば、第2吸着塔23の切替バルブ23hと冷却・昇圧用配管23iの切替バルブ23nが閉じられ、これによって第2吸着塔23の全ての切替バルブ23b、23c、23f、23h、23jが閉じた状態となり、第2吸着塔23は次の吸着工程まで待機状態になる。
第2吸着塔23の吸着工程は第1吸着塔23の吸着工程と同様に実施される。第2吸着塔23において吸着工程が行われている間に、第1吸着塔23において脱着工程、洗浄工程、冷却工程、昇圧工程が第2吸着塔23におけると同様に進行される。
なお、TSAユニット20は図3に示すものに限定されず、例えば塔数は2以上、例えば3でも4でもよい。
さらに、上記精製装置αによれば、アルゴンガスを活性炭吸着塔3に通すことで、第1反応器5aにおける触媒を用いた反応前にアルゴンガスにおける炭化水素の一部と油分を活性炭に吸着させている。これにより、アルゴンガスが油分を含有する場合に、その油分を活性炭により吸着でき、さらに、油分に由来する炭化水素の一部を活性炭により吸着でき、特に炭素数が1 〜5以外の炭化水素を活性炭により効果的に吸着できる。よって、アルゴンガスにおける炭化水素量を低減することで、炭化水素と酸素との反応により生成される水と二酸化炭素を低減し、後の吸着装置9における吸着負荷を軽減できる。
吸着塔13′の入口13a′それぞれは、切替バルブ13e′およびサイレンサー13f′を介して大気中に接続される。
吸着塔13′の出口13k′それぞれは、切替バルブ13l′を介して流出配管13m′に接続され、切替バルブ13n′を介して昇圧配管13o′に接続され、切替バルブ13p′を介して均圧・洗浄出側配管13q′に接続され、切替バルブ13r′を介して均圧・洗浄入側配管13s′に接続される。
流出配管13m′は、圧力調節バルブ13t′を介して製品タンクに接続される。
昇圧配管13o′は、流量制御バルブ13u′、流量指示調節計13v′を介して流出配管13m′に接続され、昇圧配管13o′での流量が一定に調節されることにより、製品タンクに導入されるアルゴンガスの流量変動が防止される。
均圧・洗浄出側配管13q′と均圧・洗浄入側配管13s′は、一対の連結配管13w′を介して互いに接続され、各連結配管13w′に切替バルブ13x′が設けられている。
すなわち、第1吸着塔13′において切替バルブ13b′と切替バルブ13l′のみが開かれ、第2反応器5bから供給されるアルゴンガスは圧縮機12′から切替バルブ13b′を介して第1吸着塔13′に導入される。これにより、第1吸着塔13′において導入されたアルゴンガス中の少なくとも窒素、一酸化炭素、二酸化炭素および水分が吸着剤に吸着されることで吸着工程が行われ、不純物の含有率が低減されたアルゴンガスが第1吸着塔13′から流出配管13m′を介して製品タンクに送られる。この際、流出配管13m′に送られたアルゴンガスの一部は、昇圧配管13o′、流量制御バルブ13u′を介して別の吸着塔(本実施形態では第2吸着塔13′)に送られ、第2吸着塔13′において昇圧II工程が行われる。
次に、第1吸着塔13′の切替バルブ13b′、13l′を閉じ、切替バルブ13p′を開き、別の吸着塔(本実施形態では第4吸着塔13′)の切替バルブ13r′を開き、切替バルブ13x′の中の1つを開く。これにより、第1吸着塔13′の上部の比較的不純物含有率の少ないアルゴンガスが、均圧・洗浄入側配管13s′を介して第4吸着塔13′に送られ、第1吸着塔13′において減圧I工程が行われる。この際、第4吸着塔13′においては切替バルブ13e′が開かれ、洗浄工程が行われる。
次に、第1吸着塔13′の切替バルブ13p′と第4吸着塔13′の切替バルブ13r′を開いたまま、第4吸着塔13′の切替バルブ13e′を閉じる。これにより、第1吸着塔13′と第4吸着塔13′の内部圧力が均一、またはほぼ均一になるまで第4吸着塔13′にガスの回収を実施する減圧II工程が行われる。この際、切替バルブ13x′は場合に応じ2つとも開いてもよい。
次に、第1吸着塔13′の切替バルブ13e′を開き、切替バルブ13p′を閉じることにより、吸着剤から不純物を脱着する脱着工程が行われ、不純物はガスと共にサイレンサー13f′を介して大気中に放出される。
次に、第1吸着塔13′の切替バルブ13r′を開き、吸着工程を終わった状態の第2吸着塔13′の切替バルブ13b′、13l′を閉じ、切替バルブ13p′を開く。これにより、第2吸着塔13′の上部の比較的不純物含有率の少ないアルゴンガスが、均圧・洗浄入側配管13s′を介して第1吸着塔13′に送られ、第1吸着塔13′において洗浄工程が行われる。第1吸着塔13′において洗浄工程で用いられたガスは、切替バルブ13e′、サイレンサー13f′を介して大気中に放出される。この際、第2吸着塔13′では減圧I工程が行われる。
次に第2吸着塔13′の切替バルブ13p′と第1吸着塔13′の切替バルブ13r′を開いたまま、第1吸着塔13′の切替バルブ13e′を閉じることで昇圧I工程が行われる。この際、切替バルブ13x′は場合に応じ2つとも開いてもよい。
しかる後に、第1吸着塔13′の切替バルブ13r′を閉じる。これにより、一旦は工程の無い待機状態になる。この状態は、第4吸着塔13′の昇圧II工程が完了するまで持続する。第4吸着塔13′の昇圧が完了し、吸着工程が第3吸着塔13′から第4吸着塔13′に切り替わると、第1吸着塔の切替バルブ13n′を開く。これにより、吸着工程にある別の吸着塔(本実施形態では第4吸着塔13′)から流出配管13m′に送られたアルゴンガスの一部が、昇圧配管13o′、流量制御バルブ13u′を介して第1吸着塔13′に送られることで、第1吸着塔13′において昇圧II工程が行われる。
上記の各工程が第1〜第4吸着塔13′それぞれにおいて順次繰り返されることで、不純物含有率を低減されたアルゴンガスが製品タンクに連続して送られる。
アルゴンガスは不純物として酸素を2000モルppm、水素を1000モルppm、一酸化炭素を900モルppm、窒素を1000モルppm、二酸化炭素を100モルppm、水分を20モルppm、炭化水素としてメタンを70モルppm、C2〜C5の炭化水素をC1の炭化水素換算で600モルppm、油分を10g/m3 それぞれ含有する。
このアルゴンガスを標準状態で4.2L/minの流量で活性炭吸着塔3に導入した。活性炭吸着塔2は呼び径32Aのパイプ状とし、日本エンバイロケミカルズ製GX6/8成型炭を1.0L充填した。
活性炭吸着塔3から流出するアルゴンガスを、第1反応器5aに導入した。第1反応器5aにおいては、アルミナ担持のパラジウム触媒(NEケムキャット製DASH−220D)を50mL充填し、反応条件は温度300℃、大気圧、空間速度5000/hとした。
第1反応器5aから流出するアルゴンガスを第2反応器5bに導入した。第2反応器5bにおいては、アルミナ担持の銅と酸化亜鉛(ズードケミー製MDC−3をアルゴンガス希釈の5%水素により250℃で還元したもの)を50ml充填し、反応条件は温度250℃、大気圧、空間速度5000/ hとした。
第2反応器5bから流出するアルゴンガスを冷却し、その不純物含有率を吸着装置7により低減した。
PSAユニット10は2塔式とし、各塔は呼び径32Aのパイプ状とし、各塔に、吸着剤としてLiX型ゼオライト(東ソー製NSA−700)を1.0L充填した。PSAユニット10の操作条件は、吸着圧力0.8MPaG、脱着圧力10kPaG、サイクルタイム80sec/塔とし、均圧5secを実施した。
TSAユニット20は2塔式とし、各塔に吸着剤としてCaX型ゼオライト(水澤化学製812B)を1.25L充填した。TSAユニット20の操作条件は、吸着圧力0.8MPaG、吸着温度−35℃、脱着圧力0.1MPaG、脱着温度40℃とした。
活性炭吸着塔3の出口、PSAユニット10の出入り口、およびTSAユニット20の出口でのアルゴンガスの不純物組成は以下の通りであった。
・活性炭吸着塔出口
酸素:2000モルppm、水素:1000モルppm、一酸化炭素:900モルppm、窒素:100モルppm、二酸化炭素:100モルppm、水分:20モルppm、メタン:70モルppm、C2〜C5炭化水素:C1炭化水素換算4 30モルppm、油分:未検出。
・PSAユニット入口
水素:0.5モルppm、酸素:0.4モルppm、一酸化炭素:1モルppm未満、二酸化炭素:1500モルppm、窒素:1000モルppm、水分:1500モルppm、炭化水素、油分:未検出。
・PSAユニット出口
水素:0.5モルppm、酸素:0.3モルppm、一酸化炭素:1モルppm未満、二酸化炭素:1モルppm未満、窒素:110モルppm、水分:1モルppm未満。
・TSAユニット出口
水素:0.5モルppm、酸素:0.2モルppm、一酸化炭素:1モルppm未満、二酸化炭素:1モルppm未満、窒素:1モルppm未満、水分:1モルppm未満。
なお、精製されたアルゴンガスにおける酸素濃度は、Delta F 社製微量酸素濃度計型式DF−150Eにより、一酸化炭素および二酸化炭素の濃度は島津製作所製GC-FIDを用いてメタナイザーを介して測定した。窒素濃度についてはGLscience 社製GC-PID、炭化水素は島津製作所製GC-FID、油分についてはCKD 製フィルタVFA1000のフィルタリング量の増量からの計算、水分は露点計を用いて測定した。
水素:0.2モルppm、酸素:0.1モルppm、一酸化炭素:1モルppm未満、二酸化炭素:1モルppm未満、窒素:1モルppm未満、水分:1モルppm未満。
水素:0.3モルppm、酸素:0.2モルppm、一酸化炭素:1モルppm未満、二酸化炭素:1モルppm未満、窒素:1モルppm未満、水分:1モルppm未満。
アルゴンガスは不純物として酸素を2000モルppm、水素を1000モルppm、一酸化炭素を900モルppm、窒素を1000モルppm、二酸化炭素を100モルppm、水分を20モルppm、炭化水素としてメタンを70モルppm、C2〜C5の炭化水素をC1の炭化水素換算で600モルppm、油分を10g/m3 それぞれ含有する。
このアルゴンガスを標準状態で4.2L/minの流量で活性炭吸着塔3に導入した。活性炭吸着塔2は呼び径32Aのパイプ状とし、日本エンバイロケミカルズ製GX6/8成型炭を1.0L充填した。
活性炭吸着塔3から流出するアルゴンガスを、第1反応器5aに導入した。第1反応器5aにおいては、アルミナ担持のパラジウム触媒(NEケムキャット製DASH−220D)を50mL充填し、反応条件は温度300℃、大気圧、空間速度5000/hとした。
第1反応器5aから流出するアルゴンガスを第2反応器5bに導入した。第2反応器5bにおいては、アルミナ担持の銅と酸化亜鉛(ズードケミー製MDC−3をアルゴンガス希釈の5%水素により250℃で還元したもの)を50ml充填し、反応条件は温度250℃、大気圧、空間速度5000/ hとした。
第2反応器5bから流出するアルゴンガスを冷却し、その不純物含有率を吸着装置7により低減した。
PSAユニット10は2塔式とし、各塔は呼び径32Aのパイプ状とし、各塔に、吸着剤としてLiX型ゼオライト(東ソー製NSA−700)を0.9L充填し、活性アルミナ(住友化学社製KHD−12)を0.1L充填した。各塔において、LiX型ゼオライトと活性アルミナを積層させ、活性アルミナを入り口側に充填し、LiX型ゼオライトを出口側に充填した。それ以外は実施例1と同様とした。
PSAユニット10の出入り口、およびTSAユニット20の出口でのアルゴンガスの不純物組成は以下の通りであった。
・PSAユニット入口
水素:0.5モルppm、酸素:0.4モルppm、一酸化炭素:1モルppm未満、二酸化炭素:1500モルppm、窒素:1000モルppm、水分:1500モルppm、炭化水素および油分:未検出。
・PSAユニット出口
水素:0.5モルppm、酸素:0.3モルppm、一酸化炭素:1モルppm未満、二酸化炭素:1モルppm未満、窒素:1.4モルppm、水分:1モルppm未満。
・TSAユニット出口
水素:0.5モルppm、酸素:0.3モルppm、一酸化炭素:1モルppm未満、二酸化炭素:1モルppm未満、窒素:1モルppm未満、水分:1モルppm未満。
PSAユニット10の出入り口でのアルゴンガスの不純物組成は以下の通りであった。
・PSAユニット入口
水素:0.5モルppm、酸素:0.4モルppm、一酸化炭素:1モルppm未満、二酸化炭素:1500モルppm、窒素:1000モルppm、水分:1500モルppm、炭化水素および油分:未検出。
・PSAユニット出口
水素:0.5モルppm、酸素:0.3モルppm、一酸化炭素:1モルppm未満、二酸化炭素:1モルppm未満、窒素:1.2モルppm、水分:1モルppm未満。
Claims (10)
- 少なくとも酸素、水素、一酸化炭素、炭化水素および窒素を不純物として含有するアルゴンガスを精製する方法であって、
前記アルゴンガスにおける酸素量が、前記アルゴンガスにおける水素、一酸化炭素、および炭化水素の全てと反応するのに必要な酸素の設定量を超えるか否かを判定し、
前記アルゴンガスにおける酸素量が前記設定量以下である場合、前記設定量を超えるように酸素を添加し、
次に、前記アルゴンガスにおける一酸化炭素、水素、および炭化水素と酸素とを触媒を用いて反応させることで、酸素を残留させた状態で二酸化炭素と水を生成し、
次に、前記アルゴンガスを金属に接触させることで、前記アルゴンガスにおける酸素を前記金属と反応させて金属酸化物を生成し、
次に、前記アルゴンガスにおける二酸化炭素、水、および窒素を、圧力スイング吸着法により吸着剤に吸着させるアルゴンガスの精製方法。 - 前記アルゴンガスは不純物として油分を含有し、
前記触媒を用いた反応前に、前記アルゴンガスにおける炭化水素の一部と油分を活性炭に吸着させ、
しかる後に、前記アルゴンガスにおける酸素量が、前記アルゴンガスにおける水素、一酸化炭素、および炭化水素の全てと反応するのに必要な酸素の設定量を超えるか否かの前記判定を行う請求項1に記載のアルゴンガスの精製方法。 - 前記金属として、金属カルボニル化合物を形成する金属以外の金属が用いられる請求項1または2に記載のアルゴンガスの精製方法。
- 前記金属が銅、亜鉛、またはこれらの混合物である請求項3に記載のアルゴンガスの精製方法。
- 前記圧力スイング吸着法による吸着の後に、前記アルゴンガスに残留する窒素を−10℃〜−50℃でのサーマルスイング吸着法により吸着剤に吸着させる請求項1〜4の中の何れか1項に記載のアルゴンガスの精製方法。
- 前記圧力スイング吸着法による吸着に際して、前記吸着剤としてゼオライトおよび活性アルミナを用いる請求項1〜5の中の何れか1項に記載のアルゴンガスの精製方法。
- 少なくとも酸素、水素、一酸化炭素、炭化水素および窒素を不純物として含有するアルゴンガスを精製する装置であって、
前記アルゴンガスが導入される第1反応器と、
前記第1反応器から流出するアルゴンガスが導入される第2反応器と、
前記第2反応器から流出するアルゴンガスが導入される吸着装置とを備え、
前記第1反応器に、前記アルゴンガスにおける一酸化炭素、水素、および炭化水素と酸素とを反応させる触媒が収容され、
前記第2反応器に、前記アルゴンガスにおける酸素との反応により金属酸化物を生成する金属が収容され、
前記吸着装置は、前記アルゴンガスにおける二酸化炭素、水、および窒素を圧力スイング吸着法により吸着するPSAユニットを有することを特徴とするアルゴンガスの精製装置。 - 前記第1反応器に導入されるアルゴンガスに酸素を添加する酸素供給器を備える請求項7に記載のアルゴンガスの精製装置。
- 前記アルゴンガスが導入される吸着塔を備え、
前記吸着塔に、前記アルゴンガスにおける炭化水素の一部と油分を吸着する活性炭が収容され、
前記吸着塔から流出する前記アルゴンガスが前記第1反応器に導入される請求項7または8に記載のアルゴンガスの精製装置。 - 前記吸着装置は、前記PSAユニットから流出する前記アルゴンガスにおける窒素を−10℃〜−50℃でのサーマルスイング吸着法により吸着するTSAユニットを有する請求項7〜9の中の何れか1項に記載のアルゴンガスの精製装置。
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