JP2012228941A - ゴムクローラの製造方法およびゴムクローラ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ゴム材料で形成された無端帯状のクローラ本体と、該クローラ本体にクローラ周方向に間隔をあけて配設された複数の芯金と、を備え、該芯金は、クローラ本体に埋設された翼部25と、該翼部25からクローラ本体の内周面側に向けて突出する突起部26と、を備えるゴムクローラを形成するゴムクローラの製造方法であって、翼部25および突起部26のうち、一方に設けられた凸部35を、他方に設けられた凹部33に圧入させることにより、翼部25と突起部26とを連結する圧入工程を有し、該圧入工程の際、突起部26の硬度を、翼部25の硬度よりも低くしておくゴムクローラの製造方法を提供する。
【選択図】図3
Description
ここで、この種のゴムクローラであって、芯金の翼部と突起部とを別部材で形成するゴムクローラの製造方法として、例えば下記特許文献1に示されるような方法が知られている。この方法では、ゴムクローラに、突起部を一対設けるとともに、これらの突起部同士を連結部により連結する。そして、これらの突起部および連結部が一体に形成されてなる片部と、翼部と、を、ボルトおよびノックピンで連結することにより芯金を形成する。
本発明に係るゴムクローラの製造方法は、ゴム材料で形成された無端帯状のクローラ本体と、該クローラ本体にクローラ周方向に間隔をあけて配設された複数の芯金と、を備え、該芯金は、前記クローラ本体に埋設された翼部と、該翼部から前記クローラ本体の内周面側に向けて突出する突起部と、を備えるゴムクローラを形成するゴムクローラの製造方法であって、前記翼部および前記突起部のうち、一方に設けられた凸部を、他方に設けられた凹部に圧入させることにより、前記翼部と前記突起部とを連結する圧入工程を有し、該圧入工程の際、前記突起部の硬度を、前記翼部の硬度よりも低くしておくことを特徴とする。
すなわち、凸部を凹部に圧入させるとき、突起部および翼部に応力が生じるが、突起部のクローラ幅方向およびクローラ周方向に沿った横断面積は、翼部の前記横断面積に比べて小さいことから、突起部に生じる応力が、翼部に生じる応力よりも大きくなり易く、翼部に比べて突起部が損傷し易い。しかしながら突起部の硬度が、翼部の硬度よりも低くなっていることにより、突起部に生じる応力を緩和することが可能になり、突起部が損傷するのを抑えることができる。
またこのように、翼部を薄肉にしても翼部の強度の低下を抑えることができるので、ゴムクローラ全体の肉厚を同等に維持した状態で、翼部を薄肉にする一方でクローラ本体を厚肉にすることが可能になり、ゴムクローラの耐久性を向上させることができる。
また、突起部を鋳造により形成するので、突起部が複雑な形状をなす場合であっても高精度に形成することが可能で、かつ例えば母材料を除去加工することにより突起部を形成する場合などに比べて容易に形成することが可能になり、突起部の設計の自由度を確保することができる。
またこのように、圧入工程の後に、翼部および突起部の各硬度を向上させることができるので、圧入工程の際、翼部および突起部の各硬度を、製品状態の翼部および突起部に比べて低く抑えておくことができる。これにより圧入工程の際、凸部の凹部への圧入を容易なものにすることができるとともに、突起部が損傷するのを確実に抑えることができる。
図1に示すように、ゴムクローラ20は、ゴム材料で形成された無端帯状のクローラ本体21と、クローラ本体21にクローラ周方向Lに間隔をあけて配設された複数の芯金22と、を備えている。
クローラ本体21の外周面21bには、複数のラグ23が突設されている。
芯金22は、クローラ本体21に埋設された翼部25と、該翼部25からクローラ本体21の内周面21a側に向けて突出するとともに互いにクローラ幅方向Hに間隔をあけて配置された一対の突起部26と、を備えている。
なお、図1および図2は模式的に描いたものであり、凸部35が、凹部33の内壁面の全面にわたって圧接しているが、これに限られない。
まず、翼部25を鍛造により形成するとともに、突起部26を鋳造により形成する部材形成工程を行う。このとき翼部25を、例えば軟鋼や硬鋼、合金鋼などで型鍛造により形成するとともに、突起部26を、例えば鋳鉄や鋳鋼、銅合金などで形成する。
これにより、凹部33が設けられた翼部25、および凸部35が同一材料で一体に設けられた突起部26が形成される。なおこれらの翼部25および突起部26は、熱処理されていない未熱処理のいわゆる生材であり、生材としての突起部26および凸部35の硬度は、例えばブリネル硬度でHB120〜250程度にすることが可能である。
ここで本実施形態では、この圧入工程の際、突起部26の硬度を、翼部25の硬度よりも低くしており、このとき、突起部26と同一材料で一体に設けられた凸部35が、翼部25に設けられた凹部33に比べて大きく変形することとなる。
なお、熱処理工程を行って翼部25および突起部26の各硬度を向上させることにより、突起部26の硬度が、翼部25の硬度よりも低いままであってもよく、突起部26の硬度が、翼部25の硬度よりも高くなってもよい。
すなわち、凸部35を凹部33に圧入させるとき、突起部26および翼部25に応力が生じるが、突起部26のクローラ幅方向Hおよびクローラ周方向Lに沿った横断面積は、翼部25の前記横断面積に比べて小さいことから、突起部26に生じる応力が、翼部25に生じる応力よりも大きくなり易く、翼部25に比べて突起部26が損傷し易い。しかしながら突起部26の硬度が、翼部25の硬度よりも低くなっていることにより、突起部26に生じる応力を緩和することが可能になり、突起部26が損傷するのを抑えることができる。
またこのように、翼部25を薄肉にしても翼部25の強度の低下を抑えることができるので、ゴムクローラ20全体の肉厚を同等に維持した状態で、翼部25を薄肉にする一方でクローラ本体21を厚肉にすることが可能になり、ゴムクローラ20の耐久性を向上させることができる。
また、突起部26を鋳造により形成するので、突起部26が複雑な形状をなす場合であっても高精度に形成することが可能で、かつ例えば母材料を除去加工することにより突起部26を形成する場合などに比べて容易に形成することが可能になり、突起部26の設計の自由度を確保することができる。
またこのように、圧入工程の後に、翼部25および突起部26の各硬度を向上させることができるので、圧入工程の際、翼部25および突起部26の各硬度を、製品状態の翼部25および突起部26に比べて低く抑えておくことができる。これにより圧入工程の際、凸部35の凹部33への圧入を容易なものにすることができるとともに、突起部26が損傷するのを確実に抑えることができる。
例えば、前記実施形態では、凹部33は、翼部25を前記厚さ方向Tに非貫通であるものとしたが、貫通していてもよい。
さらに凸部35を、先端部35aから基端部35bに向かう全長にわたって同径とし、かつ凹部33を、一端部33aから他端部33bに向かう全長にわたって同径とし、これらの凸部35および凹部33の外径を互いに同等とすることにより、凹部33に凸部35を圧入させてもよい。
さらにまた、凸部35が直方体状ではなく、例えば円柱状であってもよく、また凹部33が、直方体状に窪んでいるのではなく、例えば円柱状に窪んでいてもよい。
さらに前記実施形態では、部材形成工程の際、翼部25を鍛造で形成するとともに、突起部26を鋳造で形成するものとしたが、これに限られるものではない。
さらにまた、突起部26を、翼部25を形成する材料よりも比重が高い軽量化金属により形成することにより、芯金22の軽量化を図ることも可能である。前記軽量化金属としては、例えばアルミニウムおよびアルミニウム合金等が挙げられる。なおアルミニウムの硬度は、例えばビッカース硬度でHv30〜130程度となっている。
さらに前記実施形態では、転輪通過面Sは、突起部26の頂面26aにより構成されているものとしたが、これに限られない。例えば転輪通過面Sが、クローラ本体の内周面側において、芯金の各突起部よりもクローラ幅方向の外側に位置する部分に形成されていてもよい。
21 クローラ本体
22 芯金
25 翼部
26 突起部
33 凹部
33a 一端部
33b 他端部
35 凸部
35a 先端部
35b 基端部
L クローラ周方向
Claims (5)
- ゴム材料で形成された無端帯状のクローラ本体と、
該クローラ本体にクローラ周方向に間隔をあけて配設された複数の芯金と、を備え、
該芯金は、前記クローラ本体に埋設された翼部と、該翼部から前記クローラ本体の内周面側に向けて突出する突起部と、を備えるゴムクローラを形成するゴムクローラの製造方法であって、
前記翼部および前記突起部のうち、一方に設けられた凸部を、他方に設けられた凹部に圧入させることにより、前記翼部と前記突起部とを連結する圧入工程を有し、
該圧入工程の際、前記突起部の硬度を、前記翼部の硬度よりも低くしておくことを特徴とするゴムクローラの製造方法。 - 請求項1記載のゴムクローラの製造方法であって、
前記圧入工程は、前記凸部の先端部を、前記凹部に、該凹部の軸線方向に沿った一方側から進入させ、
該圧入工程は、前記凸部を、その先端部から反対側の基端部に向けて漸次拡径させて、または前記凹部を、前記一方側に位置する一端部からその反対側の他端部に向けて漸次縮径させて行うことを特徴とするゴムクローラの製造方法。 - 請求項1または2に記載のゴムクローラの製造方法であって、
前記翼部を鍛造により形成するとともに、前記突起部を鋳造により形成する部材形成工程を有していることを特徴とするゴムクローラの製造方法。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載のゴムクローラの製造方法であって、
前記翼部と前記突起部との連結体を熱処理する熱処理工程を有していることを特徴とするゴムクローラの製造方法。 - 請求項1記載のゴムクローラの製造方法により形成されたゴムクローラであって、
前記翼部と前記突起部とは、前記凸部が前記凹部に圧入されることにより連結されていることを特徴とするゴムクローラ。
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