JPH08142942A - 履帯芯金およびその製造方法 - Google Patents
履帯芯金およびその製造方法Info
- Publication number
- JPH08142942A JPH08142942A JP28189294A JP28189294A JPH08142942A JP H08142942 A JPH08142942 A JP H08142942A JP 28189294 A JP28189294 A JP 28189294A JP 28189294 A JP28189294 A JP 28189294A JP H08142942 A JPH08142942 A JP H08142942A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐久性の高い履帯芯金とその製造方法を提供
すること。 【構成】 半軟鋼以下の硬さの鋼材を母材とし、転輪と
接触する踏面支え部２およびローラ側面支え凸起部３の
側面、およびスプロケットと噛み合う噛合部４の表面に
硬鋼以上の硬さの鋼材を張り合わせた複合材からなる履
帯芯金とその製造方法。
すること。 【構成】 半軟鋼以下の硬さの鋼材を母材とし、転輪と
接触する踏面支え部２およびローラ側面支え凸起部３の
側面、およびスプロケットと噛み合う噛合部４の表面に
硬鋼以上の硬さの鋼材を張り合わせた複合材からなる履
帯芯金とその製造方法。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は履帯芯金、すなわち、ブ
ルドーザやパワーシャベル等の土木、建設機械の走行装
置として用いられているゴム製履帯の芯金に関する。
ルドーザやパワーシャベル等の土木、建設機械の走行装
置として用いられているゴム製履帯の芯金に関する。
【０００２】
【従来の技術】ブルドーザやパワーシャベル等の土木、
建設機械の走行装置として従来使われていた鉄や鋼製の
履帯に替り、最近ゴム製の履帯が用いられている。ゴム
製の履帯は芯金と共に強力なコードが組込まれたもの
で、この芯金とスプロケットが噛み合って駆動される。
上下の転輪は芯金と接触して転動する。したがって、ス
プロケットや転輪と接触する芯金の部分は激しい摩擦を
受ける。この芯金の形状を図面を参照して具体的に説明
すると図１の平面図、図２の正面図、図３の側面図、図
４のスプロケット噛合部側面図に示すように、接地面積
を拡大するためのゴムシュー中芯金１を両側に有し、転
輪の走路となるローラ踏面支え部２、転輪を誘導するた
めのローラ側面支え凸起部３、スプロケットと噛み合う
噛合部４を有する複雑な形状をしている。
建設機械の走行装置として従来使われていた鉄や鋼製の
履帯に替り、最近ゴム製の履帯が用いられている。ゴム
製の履帯は芯金と共に強力なコードが組込まれたもの
で、この芯金とスプロケットが噛み合って駆動される。
上下の転輪は芯金と接触して転動する。したがって、ス
プロケットや転輪と接触する芯金の部分は激しい摩擦を
受ける。この芯金の形状を図面を参照して具体的に説明
すると図１の平面図、図２の正面図、図３の側面図、図
４のスプロケット噛合部側面図に示すように、接地面積
を拡大するためのゴムシュー中芯金１を両側に有し、転
輪の走路となるローラ踏面支え部２、転輪を誘導するた
めのローラ側面支え凸起部３、スプロケットと噛み合う
噛合部４を有する複雑な形状をしている。
【０００３】上記転輪やスプロケットと接触して摩擦を
受ける部分は、踏面支え部２の上面、ローラ側面支え凸
起部３の側面、スプロケット噛合部４の表面、すなわ
ち、斜線を引いた部分である。従来、この部分を硬化し
た芯金が提案されていた。例えば、構造用低合金鋼、硬
鋼線材を用いて製造した芯金素材の一部、すなわち、図
面に示した摩擦を受ける部分（斜線の部分）のみを高周
波焼入れによって、硬化して芯金を製造することが行な
われていたが、形状が複雑なため、高周波焼入とローラ
踏面支え部２とローラ側面支え部３は同時に焼入出来て
もスプロケット噛合部４とは別々のコイルにて加熱焼入
しなくてはならず、２度に分けて焼入しなくてはならな
かったので製造原価が大になった。
受ける部分は、踏面支え部２の上面、ローラ側面支え凸
起部３の側面、スプロケット噛合部４の表面、すなわ
ち、斜線を引いた部分である。従来、この部分を硬化し
た芯金が提案されていた。例えば、構造用低合金鋼、硬
鋼線材を用いて製造した芯金素材の一部、すなわち、図
面に示した摩擦を受ける部分（斜線の部分）のみを高周
波焼入れによって、硬化して芯金を製造することが行な
われていたが、形状が複雑なため、高周波焼入とローラ
踏面支え部２とローラ側面支え部３は同時に焼入出来て
もスプロケット噛合部４とは別々のコイルにて加熱焼入
しなくてはならず、２度に分けて焼入しなくてはならな
かったので製造原価が大になった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
の上記問題点を解消し、摩擦を受ける箇所の硬度を高く
した耐久性の大きい履帯芯金とその製造方法とを提供し
ようとするものである。
の上記問題点を解消し、摩擦を受ける箇所の硬度を高く
した耐久性の大きい履帯芯金とその製造方法とを提供し
ようとするものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の構成は、半軟鋼以下の硬さの鋼材を母材と
し、転輪およびスプロケットと接触する部分に硬鋼以上
の硬さの鋼材を張り合せた複合材からなる履帯芯金であ
り、特にこの複合材を更に鍛造することからなる履帯芯
金である。この履帯芯金を製造するには、半軟鋼以下の
硬さの鋼材を母材とし、芯金を鍛造した後に転輪および
スプロケットと接触する部分に硬鋼以上の硬さの溶接肉
盛を行った複合材に溶融アルミニウムめっきをした後、
仕上げ鍛造および熱処理をすることによって、履帯芯金
を製造する方法である。本発明で用いる上記半軟鋼以下
の硬さの鋼材を例示すると、ＪＩＳに規定される機械構
造用炭素鋼および合金鋼がある。次に、本発明の上記母
材に張り合せる硬い鋼材としては、ＪＩＳで規定する表
面硬化肉盛用溶接棒がある。
の本発明の構成は、半軟鋼以下の硬さの鋼材を母材と
し、転輪およびスプロケットと接触する部分に硬鋼以上
の硬さの鋼材を張り合せた複合材からなる履帯芯金であ
り、特にこの複合材を更に鍛造することからなる履帯芯
金である。この履帯芯金を製造するには、半軟鋼以下の
硬さの鋼材を母材とし、芯金を鍛造した後に転輪および
スプロケットと接触する部分に硬鋼以上の硬さの溶接肉
盛を行った複合材に溶融アルミニウムめっきをした後、
仕上げ鍛造および熱処理をすることによって、履帯芯金
を製造する方法である。本発明で用いる上記半軟鋼以下
の硬さの鋼材を例示すると、ＪＩＳに規定される機械構
造用炭素鋼および合金鋼がある。次に、本発明の上記母
材に張り合せる硬い鋼材としては、ＪＩＳで規定する表
面硬化肉盛用溶接棒がある。
【０００６】上記材料を用いて本発明の履帯芯金を製造
するには、まず、母材を鍛造し、硬化肉盛りをし、アル
ミニウムを溶融めっきをした後、再加熱し仕上げ鍛造に
よって形状を整えた上で、焼入れ、焼戻し等の熱処理を
し製造する。鉄に溶融アルミニウムめっきをすると、ア
ルミニウムと鉄との境界に鉄−アルミニウム合金層が生
成する。この鉄−アルミニウム合金層は炭素を固溶しな
いので非めっき層内部の母材中の炭素が表面に拡散し脱
炭することがない。一方、表面のアルミニウムが酸化さ
れて生成する酸化アルミニウム層は極めて硬く、かつ、
緻密であるために、空気中の酸素が浸透しない。したが
って、酸素の浸透によって母材中の炭素が酸化されるこ
とも防止できる。したがって、溶融アルミニウムめっき
によって熱処理工程中の脱炭を防止し、硬度および疲労
強度を向上させることができる。以下、実施例によっ
て、本発明を具体的に説明する。
するには、まず、母材を鍛造し、硬化肉盛りをし、アル
ミニウムを溶融めっきをした後、再加熱し仕上げ鍛造に
よって形状を整えた上で、焼入れ、焼戻し等の熱処理を
し製造する。鉄に溶融アルミニウムめっきをすると、ア
ルミニウムと鉄との境界に鉄−アルミニウム合金層が生
成する。この鉄−アルミニウム合金層は炭素を固溶しな
いので非めっき層内部の母材中の炭素が表面に拡散し脱
炭することがない。一方、表面のアルミニウムが酸化さ
れて生成する酸化アルミニウム層は極めて硬く、かつ、
緻密であるために、空気中の酸素が浸透しない。したが
って、酸素の浸透によって母材中の炭素が酸化されるこ
とも防止できる。したがって、溶融アルミニウムめっき
によって熱処理工程中の脱炭を防止し、硬度および疲労
強度を向上させることができる。以下、実施例によっ
て、本発明を具体的に説明する。
【０００７】
実施例 母材に熱間鍛造非調質鋼（Ｃ；０．３０％，Ｓｉ；０．
２５％，Ｍｎ；１．７０％，Ｃｒ；０．４０％，Ｖ；
０．２０％、当社商品名ＶＭＣ３０）を用いて、１１５
０〜１２５０℃に加熱後、荒鍛造し、図１のローラ踏面
支え部２、ローラ側面支え凸起部３、スプロケット噛合
部４の斜線部にすなわち硬化必要部に硬化肉盛用溶接棒
（ＤＦ２Ａ−６００）にて、肉盛厚さ２〜３ｍｍにて施
工した。なお、芯金は１５０〜２００℃に予熱して、溶
接による割れを防いだ。次いで溶融アルミニウム溶中に
浸漬することにより全体をアルミニウムメッキを施し再
度鍛造温度の１１５０〜１２５０℃に加熱し仕上げ鍛造
とバリ部のトリミングを行った。これを放冷することに
より、肉盛硬化部はＨv５６０〜６２０、母材部はＨB２
９４〜３１０のカタサが得られた。母材の１回目の鍛造
加熱によって生じた脱炭層（α−Ｆｅ）はＡｌメッキ
し、再加熱することにより母材に近い所からＡｌＦ
ｅ3，ζＡｌ2Ｆｅ，ηＡｌ5Ｆｅ２，θＡｌ１３Ｆｅ4が
生じ、以後２回目の仕上げ鍛造のための加熱にては、表
層の酸化アルミニウムが酸素の侵入を防ぐため、２回目
の鍛造、加熱にては、脱炭は生ぜず、またθＡｌ13Ｆｅ
4、ηＡｌ5Ｆｅ2、ζＡｌ2Ｆｅ，ＡｌＦｅ3の相は、カ
タサがＨｖ５００以上あるため、脱炭によるカタサ低下
による疲労強度の低下はない。
２５％，Ｍｎ；１．７０％，Ｃｒ；０．４０％，Ｖ；
０．２０％、当社商品名ＶＭＣ３０）を用いて、１１５
０〜１２５０℃に加熱後、荒鍛造し、図１のローラ踏面
支え部２、ローラ側面支え凸起部３、スプロケット噛合
部４の斜線部にすなわち硬化必要部に硬化肉盛用溶接棒
（ＤＦ２Ａ−６００）にて、肉盛厚さ２〜３ｍｍにて施
工した。なお、芯金は１５０〜２００℃に予熱して、溶
接による割れを防いだ。次いで溶融アルミニウム溶中に
浸漬することにより全体をアルミニウムメッキを施し再
度鍛造温度の１１５０〜１２５０℃に加熱し仕上げ鍛造
とバリ部のトリミングを行った。これを放冷することに
より、肉盛硬化部はＨv５６０〜６２０、母材部はＨB２
９４〜３１０のカタサが得られた。母材の１回目の鍛造
加熱によって生じた脱炭層（α−Ｆｅ）はＡｌメッキ
し、再加熱することにより母材に近い所からＡｌＦ
ｅ3，ζＡｌ2Ｆｅ，ηＡｌ5Ｆｅ２，θＡｌ１３Ｆｅ4が
生じ、以後２回目の仕上げ鍛造のための加熱にては、表
層の酸化アルミニウムが酸素の侵入を防ぐため、２回目
の鍛造、加熱にては、脱炭は生ぜず、またθＡｌ13Ｆｅ
4、ηＡｌ5Ｆｅ2、ζＡｌ2Ｆｅ，ＡｌＦｅ3の相は、カ
タサがＨｖ５００以上あるため、脱炭によるカタサ低下
による疲労強度の低下はない。
【０００８】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によっ
て、従来の履帯芯金より耐久性の高い履帯芯金とその製
造方法を提供することができる。
て、従来の履帯芯金より耐久性の高い履帯芯金とその製
造方法を提供することができる。
【図１】本発明の芯金の一例の平面図、
【図２】図１に示した芯金の正面図、
【図３】同、側面図、
【図４】スプロケット噛合部の側面図。
１ ゴム・シュー（中）芯金 ２ ローラ踏面支え部 ３ ローラ側面支え凸起部 ４ スプロケットとの噛合部
Claims (3)
- 【請求項１】 半軟鋼以下の硬さの鋼材を母材とし、転
輪およびスプロケットと接触する部分に硬鋼以下の硬さ
の鋼材を張り合せた複合材からなることを特徴とする履
帯芯金。 - 【請求項２】 半軟鋼以下の硬さの鋼材を母材とし、転
輪およびスプロケットと接触する部分に硬鋼以上の硬さ
の鋼材を張り合せた後、鍛造した複合材からなることを
特徴とする履帯芯金。 - 【請求項３】 半軟鋼以下の硬さの鋼材を母材とし、転
輪およびスプロケットと接触する部分に硬鋼以上の硬さ
の鋼材を張り合せた複合材に溶融アルミニウムめっきを
した後、必要な鍛造および熱処理をすることを特徴とす
る履帯芯金の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28189294A JPH08142942A (ja) | 1994-11-16 | 1994-11-16 | 履帯芯金およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28189294A JPH08142942A (ja) | 1994-11-16 | 1994-11-16 | 履帯芯金およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08142942A true JPH08142942A (ja) | 1996-06-04 |
Family
ID=17645422
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP28189294A Withdrawn JPH08142942A (ja) | 1994-11-16 | 1994-11-16 | 履帯芯金およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08142942A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009138250A (ja) * | 2007-12-10 | 2009-06-25 | Bridgestone Corp | ゴムクロ−ラ用芯金及びその製法 |
| JP2012228942A (ja) * | 2011-04-26 | 2012-11-22 | Bridgestone Corp | ゴムクローラの製造方法およびゴムクローラ |
| JP2012228941A (ja) * | 2011-04-26 | 2012-11-22 | Bridgestone Corp | ゴムクローラの製造方法およびゴムクローラ |
| CN105398502A (zh) * | 2015-11-30 | 2016-03-16 | 北京有色金属研究总院 | 一种复合结构履带板及其成形方法 |
-
1994
- 1994-11-16 JP JP28189294A patent/JPH08142942A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009138250A (ja) * | 2007-12-10 | 2009-06-25 | Bridgestone Corp | ゴムクロ−ラ用芯金及びその製法 |
| JP2012228942A (ja) * | 2011-04-26 | 2012-11-22 | Bridgestone Corp | ゴムクローラの製造方法およびゴムクローラ |
| JP2012228941A (ja) * | 2011-04-26 | 2012-11-22 | Bridgestone Corp | ゴムクローラの製造方法およびゴムクローラ |
| CN105398502A (zh) * | 2015-11-30 | 2016-03-16 | 北京有色金属研究总院 | 一种复合结构履带板及其成形方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020205 |