JP4699645B2 - ブレーキキャリパーボディーおよびその製造方法 - Google Patents

ブレーキキャリパーボディーおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は各種車両たとえば自動車、二輪車、鉄道車両などの輸送装置、および摩擦圧接機などの産業機器に用いられる油圧ブレーキシステム、ブレーキキャリパーボディーおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種車両の輸送装置および摩擦圧接機などに用いられる油圧ディスクブレーキシステムは、ブレーキキャリパーボディー、ピストン、ディスク、摩耗バッド、キャップなどの部品から構成されている。ブレーキキャリパーボディーは車体に固定されており、ディスクをピストンおよび摩耗パッドを介して挟み込みその制動力を車輪に伝達し制動するための部品である。ブレーキキャリパーボディーは重力鋳造法などの金型鋳造により製造されていた。重力鋳造法とはアルミ合金を溶湯として金型に注入し、鋳造により製品を成形するものである。近年、ブレーキ性能における制動力の向上が求められてきており、それにつれてブレーキキャリパーボディーの特性、品質(信頼性、軽量化、高弾性、外観機能)のより向上が求められてきている。また、ブレーキシステムにおいて使用される油圧力も大きくなり、それにつれて強度面、機密性の点からブレーキキャリパーボディーの弾性率が従来の鋳造品よりもさらに向上したものが求められている。一方、輸送機器においては軽量化のニーズも燃料消費改善の観点から強く求められてきており、薄肉構造で軽量であるブレーキキャリパーボディーが求められている。さらに鋳造製キャリパーにおいては表面に着色する場合に制限があり黄色の着色アルマイトしか施すことができないので、多様化するユーザーのデザインに答えることが困難である。
【0003】
これらのニーズに応える手法として鍛造による製造方法が考えられた。しかし、ブレーキキャリパーボディーはピストン収納部および油注入口が複雑な形状を有するために、例えば、特開平7−332412号公報に開示されているように、ディスクを挟み込む断面の部分を2つ以上の部分に分割して別々に鍛造し、ねじなどにより締結して組上げる方法でブレーキキャリパーボディーは製造されてきた。図12に従来例のブレーキキャリパーボディーを組み込んだブレーキシステムを示す。符号1はブレーキ用ディスクでこのディスクの軸線方向の両側に一対の摩擦パッド(2)がディスクに対向するように取り付けられている。摩耗パッドはピストン(3)によりディスクに押し付けられる機構になっている。符号4はキャリパーで、ディスクの一側に位置するピストン収納部、このピストン収納部に続きディスクの外周部を横切りディスクの他側に伸びるブリッジ部、このブリッジ部につづく他側のピストン収納部から構成されている。ブリッジ部は分割部(35)で2つ部分に分割して別々に鍛造したものを、締結ボルト(7)により締結して組上げてある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした複数の部品を締結して完成されるブレーキキャリパーボディーにおいては、この締結部の剛性が低く制動作動時の高負荷状態において耐ねじれ特性が不充分になるおそれがある。従来例のブレーキキャリパーボディーは、ディスクを挟み込むブリッジ部が分割構造でボルトにより締結されているので制動作動時の負荷によりブリッジ部がたわむため制動力の伝達が弱くなる。
【0005】
従来例のブレーキキャリパーボディーは、分割して別々に鍛造されるので、図11に示したように複数に分離されたブリッジ部で分離したメタルフローが主となっているので、メタルフローによる組織強化が不充分となる。
【0006】
製造方法として、一体のブレーキキャリパーボディーを切削機械加工により製造することが考えられているが、大幅な切削代を付加した形状となってしまい生産性に悪く生産コストが高いものとなっていた。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、締結部の無い制動作動時の高負荷状態にもより耐ねじれ性の優れた鍛造製ブレーキキャリパーボディーおよび原材料歩留まりの良い製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鍛造成形性と製品剛性の関係について鋭意研究をおこないその知見に基づいて本発明を完成するに至った。
1)上記課題を解決するための第1の発明は、金型の上型および下型によって形成される空間に鍛造用素材を投入しブレーキキャリパーボディーを鍛造により製造する方法において、鍛造工程が、上型または下型の少なくとも片方に可動式ラムが内蔵された金型を用いて、上型および下型によりブレーキキャリパーボディーの外郭形状の概略形状を成形する主鍛造成形工程に続いて、該可動式ラムによりブレーキキャリパーボディーの中央部に凹形状を成形すると共に金型の素材未充満部へ素材を充満させて成形をする従鍛造成形工程を含む複動鍛造であることを特徴とするアルミニウム合金製ブレーキキャリパーボディーの製造方法である。
2)上記課題を解決するための第2の発明は、下型が加重方向に対して可動する構造を有していて該下型底部に加重方向に可動しないカウンターパンチが配設された金型を用いて、主鍛造成形工程に続いて、該カウンターパンチによりブレーキキャリパーボディーの中央部に凹形状を成形すると共に金型の素材未充満部へ素材を充満させる成形をする従鍛造成形工程を含む複動鍛造であることを特徴とする1)に記載のアルミニウム合金製ブレーキキャリパーボディーの製造方法である。
3)上記課題を解決するための第3の発明は、ブレーキキャリパーボディーが、少なくともディスクを挟み込むブリッジ部とピストン収納部と注油口と車体への取り付け部とが一体に鍛造成形されていることを特徴とする1)または2)に記載のブレーキキャリパーボディーの製造方法である。
4)上記課題を解決するための第4の発明は、可動式ラムが油圧による駆動であることを特徴とする1)乃至3)のいずれか1項に記載のブレーキキャリパーボディーの製造方法である。
5)上記課題を解決するための第5の発明は、カウンターパンチによる成形の開始後に可動式ラムによる成形を開始することを特徴とする1)乃至4)のいずれか1項に記載のブレーキキャリパーボディーの製造方法である。
6)上記課題を解決するための第6の発明は、上型と下型の対向する型割り部のトリミング工程を有しないことを特徴とする1)乃至5)のいずれか1項に記載のブレーキキャリパーボディーの製造方法である。
7)上記課題を解決するための第7の発明は、複動鍛造後に、T6処理を実施した後に型割り部に生じた隙間バリをショットブラストまたはバレル研磨により除去することを特徴とする1)乃至6)のいずれか1項に記載のブレーキキャリパーボディーの製造方法である。
8)上記課題を解決するための第8の発明は、上型と下型からなる金型を用いた鍛造により製造されるブレーキキャリパーボディーにおいて、ディスクを挟み込むブリッジ部と上型と下型が対向する型割り部とピストン収納部と注油口と車体への取り付け部とが一体に鍛造成形されていて、型割り部を含む上型加重方向の断面に観察されるメタルフローがブリッジ部で連続的に流れ、他の部位では金型の上下方向に主に流れていることを特徴とするブレーキキャリパーボディーである。
9)上記課題を解決するための第9の発明は、ピストン収納部の型割り部を含む上型加重方向の断面に観察されるメタルフローが連続的な流れ模様を示していることを特徴とする8)に記載のブレーキキャリパーボディーである。
10)上記課題を解決するための第10の発明は、外郭形状の表面の型割り部跡にトリミング痕を有しないことを特徴とする8)または9)に記載のブレーキキャリパーボディーである。
12)上記課題を解決するための第12の発明は、ブレーキキャリパーボディー、ピストン、ディスク、摩耗パッドを含んで構成される油圧ブレーキシステムにおいて、ブレーキキャリパーボディーが8)乃至10)のいずれか1項に記載の油圧ブレーキシステムである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態の一例を説明する。
【0010】
ブレーキキャリパーボディーは、少なくともディスクを挟み込むブリッジ部と型割り部とピストン収納部と注油口と取り付け部とから構成されている。
【0011】
本発明のブレーキキャリパーボディー及びそれを組み込んだブレーキシステムの構成の例を図2、図3、図4に基づいて具体的に説明する。符号36はディスク収納部でこの空間内に、ブレーキ用ディスク(8)、摩耗パッド(9)が収納される。ブレーキ用ディスクの軸線方向の両側に一対の摩擦パッドがディスクに対向するように取り付けられている。摩耗パッドはピストン(10)によりディスクに押し付けられる機構になっている。符号12はブレーキキャリパーボディーである。本発明のブレーキキャリパーボディーは、ディスクの一側に位置するピストン収納部(11a)、このピストン収納部に続きディスクの外周部を横切りディスクの他側に伸びるブリッジ部(13)、このブリッジ部に続く他側のピストン収納部(11b)から構成されている。ピストン収納部の一部には、車体などの本体への取り付け部(15)が設けられている。ピストン収納部に、ピストンを駆動するための加圧された油をその外から注入するための注油口(14)が設けられている。ディスクを挟み込むブリッジ部と型割り部とピストン収納部と注油口と取り付け部とが一体に鍛造成形されている。符号33は型割り部跡である。
【0012】
本発明に用いる鍛造装置の構成の一例を図5をもとに説明する。
【0013】
鍛造装置は、鍛造機(16)と、油圧発生装置(17)と、油圧発生機能を持ったダイセット(22)と、上型(21)と、下型(23)とを含むものである。下型には、製品を排出するためのノックアウトピン(25)が配置されている。
【0014】
図5の符号17は、可動式のラム(「ram」)である。可動ラムとは上型の壁面から金型空間の内方向に凸部が可動するものである。例えば可動ラムは油圧駆動により可動させることができる。主鍛造成形である上型下型による閉塞鍛造が完了した後に、油圧駆動によりラムを上型上方よりに主成形の完了した製品に押し込むことにより従鍛造成形を実施することができる。可動式ラムが油圧による駆動であるので、初期圧力が高く、一定圧力で加圧可能となり成形能力が高く、圧力制御可能になるので好ましい。
【0015】
図4の下型は、ダイフロートシステム備えたダイセットに組み込まれており、ダイフロート油圧により支持されている。これは、下型が油圧により鍛造機の下死点より上に支えられている構成となっている。これは、上型が下型待機位置まで下降する間に主鍛造である閉塞鍛造が実施され、さらに、その後下型待機位置から鍛造機下死点まで上型で閉塞状態を保ったまま上型でダイフロート油圧に逆らって下型を押し込むことができる。
【0016】
ここで、下型が加重方向に対して可動する構造を有しているのに対して該下型底部に加重方向に可動しないカウンターパンチが配設されている。図5の符号24に、カウンターパンチを示す。カウンターパンチは下ボスルタ(26)の上に固定されている。固定してあるカウンターパンチに対し加重方向にフロートしている下型が加重方向に押し込まれることにより、カウンターパンチが相対的に下型の内方に押し込まれることにより従鍛造成形が実施される。
【0017】
上型、下型、可動ラム、およびカウンターパンチにより成形されるブレーキキャリパーボディーの形状の関係を図1、図11で説明する。
【0018】
上型、下型に囲まれた空間(可動ラムおよびカウンターパンチが上型、下型内に収納された状態で上型下型が接触した状態での空間。)はブレーキキャリパーの外郭形状の概略の形状をなしている。具体的にはピストン収納部の外郭形状および車体への取り付け部、油注入口形成部の形状をなしている。
【0019】
可動ラムおよびカウンターパンチが所定の位置まで空間内に押し込まれた状態では上型下型および可動ラム、カウンターパンチにより囲まれた空間は製品中央部に設けられた凹形状も含んだ鍛造製品完成品の形状となっている。鍛造製品はブレーキキャリパーボディーの素形材の形状になっている。可動ラム、カウンターパンチで成形された素形材の凹形状(37a、37b)は、必要に応じてその後機械加工で貫通させてディスク収納部(36)になる。
【0020】
成形する形状に合わせて、複数個の可動ラムを配設することができる。また成形する形状に合わせて複数個のカウンターパンチを配設することができる。複数個の各可動ラムの動き出すタイミングを調整することによって、より好ましい素材の塑性流動を得ることができる。
【0021】
図5では上型に可動ラム、下型にカウンターパンチを配設したが、上型にカウンターパンチ、下型に可動ラムとすることもできる。また、上型、下型と可動ラム、カウンターパンチは任意に組み合わせることができる。
【0022】
カウンターパンチ、可動式ラムの動き出すタイミングは鍛造形状に合わせて任意に決めることができる。カウンターパンチによる成形の開始後に可動式ラムによる成形を開始することが好ましい。可動式ラムの駆動力が鍛造機の主成形力に比べて小さいので可動式ラムの動作開始が遅れた方が成形しやすいからである。または、カウンターパンチの成形力の影響で可動ラムが押し負けてしまい可動ラムでの成形ねらい値まで成形できないおそれがあるからである。
【0023】
一方、大型の凹形状を付加する場合は、カウンターパンチが望ましい。可動式ラムは、複数設置も可能で複数の小穴を成形するのに優れているので好ましい。
【0024】
つぎに、図5の装置を用いた本発明の製造方法の一実施形態を説明する。
【0025】
本発明の製造方法は、
素材を投入する工程と、
素材に潤滑剤を塗布する工程と、
素材を所定の温度に予備加熱する工程と、
潤滑剤を金型へ塗布する工程と、
素材を鍛造成形する工程と、
ノックアウト機構により鍛造製品(ブレーキキャリパーボディー素形材)を排出する工程と、
熱処理工程工程と、
鍛造製品を機械加工する工程と、
を含む製造方法である。
【0026】
本発明の製造方法に用いるブレーキキャリパーボディーの材料はアルミニウム合金である。耐食性、高温強度、高弾性が好ましい特性を有する材料としてはA6061、A2014、A2218、A6082、A4032、A7075を挙げることができる。A6061、A6082は耐食性、被アルマイト性が優れた特性を有し中程度の強度を有するため、各種特性をバランス良く満足するので好ましい。A2014、A2218は高強度、高弾性の特性を有するので、負荷の高いキャリパーにおいては強度が向上するので好ましい。A4032は耐摩耗性が優れ、高弾性である特性を有するので、ピストン摺動による耐摩耗性の必要なキャリパーにおいては耐摩耗性を向上させるので好ましい。A7075は実用のアルミ合金では最高強度持つため、鉄並の強度必要なキャリパーにおいて高い強度を得ることができるので好ましい。
【0027】
金型への投入時に、素材は所定の温度、例えば370℃〜480℃に予備加熱しておく。
【0028】
潤滑剤を金型へ塗布する。使用する潤滑剤としては水性黒鉛潤滑剤、油性黒鉛潤滑剤を挙げることができる。上型の可動式ラムおよび下型のカウンターパンチがそれぞれの金型内部へ収納された状態で金型への潤滑剤塗布を行なうので、隙間への浸透性の良い油性黒鉛潤滑剤がより好ましい。金型への潤滑剤塗布量は1g〜10gとするのが好ましい。
【0029】
図6に示したように、前述した金型を配置した鍛造装置の下型(23)の中に鍛造用素材(32)を投入する。素材は例えば、連続鋳造棒を所定の長さに切断したものを用いることができる。素材は例えば、必要に応じて素材潤滑としてボンデ処理、黒鉛系水性潤滑剤への浸漬による潤滑剤の塗布処理を施しておく。新生面が生じるような強加工である場合は潤滑切れ防止の点からボンデ処理が好ましい。
【0030】
次に鍛造工程を説明する。
【0031】
まず主鍛造が実施される。図7に示すように、プレス機が下降して、上型下型の間に拘束され素材は上下の金型に彫り込まれた外郭形状の概略形状にまず成形される。この段階では金型に素材の未充満部が発生している。未充満部としては、ピストン収納部、車体への取り付け部の細部が挙げられる。
【0032】
さらに、上型は上型下型に囲まれた空間内に素材を拘束後も下降を続け、下型内に配設されたカウンターパンチに素材を押し付ける。
【0033】
図8に示すように、フローティングしている下型が上死点位置と下死点位置との中間となった時点、またはプレスストローク角度で約160度付近となった時点で、上型の上部に配置した可動式のラムに油圧を作動させ、ラムが上型に対して下降する、すなわち押し込まれることにより素材の上型側にラムの形状を転写させて成形を行う。これにより、ブレーキキャリパーボディーの上面の中央部に凹形状が形成される。
【0034】
図1に示すように、上型がさらに下降させることにより下型をダイフロート油圧に逆らって下死点まで下降させて、下型の下部に配置したカウンターパンチにより素材の下型側にカウンターパンチの形状を転写させる。上型は上型下型に囲まれた空間内に素材を拘束後も下降を続けることで、下型下部に配置したストッパーにより下死点となり、下型下部のカウンターパンチに素材を規定の深さまで押し付ける。素材はカウンターパンチにより所定の深さの凹形状が成形され、この部分の体積に相当する素材が上型下型の未充満部へフローして充満する。
【0035】
ラムおよびカウンターパンチが稼動した部分の体積に相当する素材がが上型下型の未充満部へ塑性流動して、メタルフローが一体の状態で金型のピストン収納部、車体への取り付け部、油注入口部の細部内へ素材が欠肉無く充満する。
【0036】
本発明では、上型下型で囲まれた空間が閉塞状態でプレスをするので上型下型の対向する隙間への素材のはみ出しが少なく素材が無駄なく金型の充満に充てられることとなる。また、投入する素材体積より主成形部の体積が大きい金型を用いて主成形を行なうため、主成形が完了した時点でも未充満部を有した状態で上型下型が閉塞状態となるので上型下型の対向する隙間への素材のはみ出しが生じない。そのため鍛造製品の外郭部にトリミング工程を必要としない。
【0037】
本発明の複動鍛造とは、上型下型の間に素材を投入して金型へ彫り込んだ形状を素材に転写させる主成形に続いてカウンターパンチによる成形または可動式のラムによる成形を1サイクルの鍛造工程の間に行なう成形である。本発明の製造方法においては、複動鍛造を実施するために、上型の上部に配置した可動式のラムにより上型側素材にラム形状を転写させて成形を行い下型の下部に配置したカウンターパンチにより下型側素材にカウンターパンチの形状を転写させて成形を行う構成の金型を用いる。これにより、複雑な製品形状を複数回に分けて成形することなく、1回の成形で可能となる。
【0038】
従来の方法では、複雑形状は多数段の鍛造工程で鍛造する。例えば、1回目の鍛造工程で素材である丸棒を平板状に成形する、これに続いて2回目の鍛造工程で曲げ加工を実施し、3回目の鍛造工程で最終形状に対して1mm程度オフセットさせて、深い凹や高い凸などの複雑形状部を有しない予備成形形状に成形する。そして4回目の鍛造工程で目標とする最終形状にまで成形する。この場合、各工程毎の合計4種類の金型が必要であり4工程も工程が必要である。通常は鍛造時に加熱を実施するため「4ヒート4パンチ」と呼ばれる。または、2回の加熱とした場合は「2ヒート4パンチ」となる。丸棒形状素材からではメタルの供給が複雑形状部に行き渡らず欠肉となること、充満を促すために成形荷重をあげる必要があり金型寿命が短くなることなどを避けるために鍛造を複数回に分けて実施する必要があった。
【0039】
本発明では、従来の4回の工程を一回の鍛造工程(プレスが上死点から下死点まで回転する間)に行なう。プレス機が下降して、上型下型の間に拘束され素材が上下の金型に彫り込まれた外郭形状の概略形状に成形される主成形が、従来の4工程の1回目から3回目の成形工程を担っており、続いて実施される可動式ラムによる成形工程が素材に差し込む方向の成形であるためラムが押し込まれた部分の体積分がメタルフローして複雑形状部であるピストン収納部、車体への取り付け部、油注入口部への充満を高める従来の最終成形工程を担うことになる。
【0040】
鍛造条件は、製品形状に応じて最適化することができる。例えば、プレス速度は10〜40spm[ストーローク回数/分]、油圧可動ラムの油圧は10〜200kg/cm2、ダイフロートのフローティング油圧は50〜250kg/cm2とする。
金型温度は予め100℃〜400℃に加熱する。
【0041】
図9に示すように、鍛造が終了した後にノックアウトピンにより鍛造製品を排出する。
【0042】
鍛造製品は熱処理を実施する。熱処理はT6処理が好ましい。熱処理は、素材強度を向上させることを目的とし、条件は460〜560℃、1〜5時間保持し、直後に水槽(水温10〜70℃)に浸漬させ、150〜250℃にて1〜10時間保持とすることで所望の素材強度とすることができる。
【0043】
熱処理工程が終了した鍛造製品は、型割り部にわずかに隙間バリが生じた場合は、ショットブラストまたはバレル研磨により除去することが好ましい。より良い外観形状とすることができるからである。
【0044】
熱処理工程が終了した図11に示す形状を有した鍛造製品は、ピストン収納部、車体取り付け部、ディスク収納部などをマシニングセンターを用いたエンドミル加工などの機械加工が実施されて図3及び図4に示す最終製品のブレーキキャリパーボディーの形状に仕上げられる。
【0045】
工程の流れとしては、▲1▼連続鋳造棒を切断→ボンデ処理→加熱→複動鍛造→T6熱処理→ショットブラスト→機械加工、▲2▼押し出し丸材を切断→ボンデ処理→加熱→複動鍛造→T6熱処理→ショットブラスト→機械加工、▲3▼連続鋳造棒を切断→浸漬潤滑処理→加熱→複動鍛造→T6熱処理→ショットブラスト→機械加工、▲4▼連続鋳造棒を切断→ボンデ処理→加熱→上下複動鍛造→T6熱処理→ショットブラスト→機械加工などを挙げることができる。
【0046】
本発明の製造方法によれば、多数段の鍛造工程に分けて成形する従来の方法が1回の閉塞鍛造による成形方法となるので、多数段の各鍛造にそれぞれ必要な金型が不要となる。
【0047】
本発明の製造方法によれば、上型下型を閉塞状態として成形しているため鍛造製品の型割り部から外部への素材のはみ出し発生がなく、その素材のはみ出しを除去するトリミング工程を省略することができる。そのため、本発明の製造方法によればトリミング痕がないブレーキキャリパーボディーを製造することができる。また本発明の製造方法によれば材料歩留まりも向上して製造することができる。結果、製造されたブレーキキャリパーボディーは、製品外周部にトリミング痕を有しないことを特徴とするブレーキキャリパーボディーとなり、製品外周部にトリミング痕がないため、製品強度、外観の点で好ましいものとなる。
【0048】
本発明の製造方法によって製造したブレーキキャリパーボディーは、ブリッジ部が複数に分割されてなくディスクの両側のピストン収納部と一体に成形されている。また、ディスクを挟み込むブリッジ部が一体でありブレーキキャリパーボディー全体のメタルフローが連続的である組織となっている。その結果、ブレーキキャリパーボディー全体の剛性が高まっているのでピストンが摩耗パッドをディスクに押し付けて制動動作をした場合に、ピストンを介して高負荷によるピストン収納部を接続するブリッジ部の横方向へのねじれ歪が緩和されて、制動力が車体へ充分に伝わりブレーキ性能が向上する。特に、ディスクを挟み込むブリッジ部が分割構造でないのでボルト等により締結する必要が無いので制動時の負荷によりブリッジ部がたわみ制動力の伝達が弱くなることはない。
【0049】
本発明の製造方法によって製造したブレーキキャリパーボディーは、型割り部跡(パーティングライン)にトリミング痕を有しないことを特徴とするブレーキキャリパーボディーであるのが好ましい。型割り部とは図3,図10の符号33a、33bに示した位置で、上型と下型が対向して本発明においてはそれらで囲まれた空間が閉塞となるように接触する箇所である。主成形が完了した時点で上型と下型で囲まれた空間は閉塞状態となり、この時点では金型内は未充満部を有しており、型割り部で金型から外側への素材のはみ出しが生じていないので型割り部での素材のはみ出しの発生を抑えることができるので、トリミング工程が不要になり効率的な工程となり高品質の大量生産に適した製造方法である。トリミング工程が省略されているので、その結果、型割り部跡がトリミング痕の無い形状、とくにトリミング痕による段差が無い形状となっているので、表面が滑らかな接続となり、仕上がり品の外観の品質が向上する。また、従来のブレーキキャリパーボディーの鍛造方法では、金型構成が単純で安価であるなどの理由から鍛造は上型と下型の隙間に積極的に素材をはみ出す「バリだし鍛造」となるので、鍛造製品を組み立てるためには鍛造後にはみ出した素材を除去するトリミング工程が必要であった。そのために原材料歩留まりが良くなかったが、本発明ではトリミング工程が省略されているので、原材料歩留まりが向上する。
【0050】
本発明の製造方法によって製造したブレーキキャリパーボディーは、金型分割部のメタルフローが主に上下方向となっていることを特徴とするブレーキキャリパーボディーであるのが好ましい。例えば、可動式ラム、カウンターパンチを備えた鍛造装置を用いた場合、図10に示すように連続したメタルフローが観察される状態であるのが好ましい。型割り部を含む上型加重方向の断面に観察されるメタルフローがブリッジ部で連続的に流れ、他の部位では金型の上下方向に主に流れている。その結果、ブリッジ部が繊維状組織となっているので応力方向が繊維軸方向となり、組織が強化されるからである。車体への取り付け部の組織が繊維状となっているので取り付け穴強度が強化されたものとなりより取り付けの信頼性が向上する。
【0051】
本発明の製造方法によって製造したブレーキキャリパーボディーは、ピストン収納部の型割り部を含む上型加重方向の断面に観察されるメタルフローが連続的な流れ模様を示している。例えば、可動式のラム、カウンターパンチを備えた鍛造装置を用いた場合、図10に示すようにピストン収納部において上下方向へのメタルフローが観察される状態であるのが好ましい。その結果、ピストン収納部が連続的なメタルフローによる組織強化された状態となっているのでピストンを駆動させる油圧を高く設定可能となり、制動力が向上するからである。
【0052】
以上より、本発明のブレーキキャリパーボディーは、強度特性が素材の持つ強度に加え、鍛造によるメタルフローを連続的な状態にしたことにより組織強化したものであることを特徴とするブレーキキャリパーボディーである。引張り試験片を切出して引張り試験を実施した場合の伸び値(機械的特性の塑性変形を含めた延性を示す値。)は、本発明の鍛造成形により約50%アップとなり、高サイクル負荷(短時間に繰返し荷重を負荷した過酷な疲労試験による応力付加状態。
)に対する信頼性がより改善される。
【0053】
ブリッジ部は制動作動時に繰返して(引張り/圧縮)の荷重が負荷されるので、この荷重によるこの部分の変形を抑えることも制動力向上の点で必要となる。この繰返し荷重の値が用いる素材の弾性変形域内となるように用いる素材が設計されるので、この変形を抑えるためには弾性率の高い素材を選択する必要がある。本発明のブレーキキャリパーボディーにおいては連続鋳造棒または押出棒が採用されているため素材の組成面での制約が少ないから鍛造用素材として弾性率の高い素材を選択することが容易になり、高強度、高弾性の素材、例えばA2014、A2017、A2218、A4032、A7075を用いることができる。そのようなブレーキキャリパーボディーを用いたブレーキシステムは制動力がロスなく車輪へ伝わるブレーキシステムとなる。
【0054】
メタルフローによる組織強化に加えて、内部組織の健全性が良好な素材を用いることによりに、信頼性をより高めることができるので好ましい。内部組織の健全性が良好な素材としては、連続鋳造材、押出材、圧延材を挙げることができる。
【0055】
本発明の製造方法によれば、2つの部品に分けて鍛造するのではなく、2つの部品を締結した完成形状に近い形状の金型を用いて鍛造する。その結果、ブリッジ部が一体となっていて、ブリッジ部の開閉応力に対する剛性が高い、ブレーキキャリパーボディーを容易に製造することができる。
【0056】
本発明の製造方法によれば、上型下型を閉塞状態として成形しているため鍛造製品の外部への素材のはみ出しがなく、それを除去するトリミング工程を省略することができる。その結果、トリミング痕がないブレーキキャリパーボディーを材料歩留まりを向上させて製造することができる。
【0057】
本発明の製造方法によれば、上型下型を閉塞状態としているので、鍛造製品の外部への素材のはみ出しに伴う外周部へのメタルフローがあまり起こらない状態となる。結果、車体への取り付け部のメタルフローが主に上型下型方向であることを特徴とするブレーキキャリパーボディーを容易に製造することができる。
【0058】
本発明の製造方法によれば、上型下型を閉塞状態で成形しているので、鍛造製品の外部への素材のはみ出しに伴う外周方向へのメタルフローがほとんどない状態となる。その結果、ピストン収納部および車体への取りつけ部において外周方向へのメタルフローがなく、ピストン収納部および車体取りつけ部の断面のメタルフローに分断がなく連続的なメタルフローであることを特徴とするブレーキキャリパーボディーを容易に製造することができる。
【0059】
本発明のブレーキキャリパーボディーは、鍛造品で内部組織の健全性により品質特性の信頼性が高く、高強度であるので、その形状において軽量化設計、高強度設計をおこなうことができるので、製品の軽量化、薄肉化ができる。鋳造品において達成できない軽量化が求められている輸送機器向けのブレーキに適したブレーキキャリパーボディーとなる。本発明のブレーキキャリパーボディーを用いたブレーキシステムはよりコンパクト化を図ることができる。
【0060】
【実施例】
図5に示した装置を用いて図11に示したブレーキキャリパーボディーの素形材を作製した。
【0061】
A2014材のアルミニウム合金からなる連続鋳造棒を直径65mm長さ120mmに丸のこぎりで切断した。切断した素材に黒鉛系の潤滑剤を塗布して400℃に予加熱した。金型には油性の黒鉛系潤滑財剤を塗布した。予加熱した素材をダイフロートシステム備えたダイセットにより支持された下型に投入した。上型を下降させ、まず主軸方向に荷重して、外郭形状、車体への取りつけ部、油注入口部の成形を開始した。上型が下型に接触した時点で、上型をさらに押し下げてダイフロート油圧に逆らって下型の下降を開始させた。下型下部に固定されたカウンターパンチにより素材下型部にカウンターパンチ形状が成形された。プレスストローク角度160°位置まで下降した時点で上型内部に備えられた油圧駆動ラムに油圧がかけられ、上型に内蔵した油圧駆動ラムが素材に対して挿入されて上型側の凹形状を成形した。さらに続いて上型下型を閉塞した状態で上型により油圧によりフロートしていた下型を押し下げて、下型下部に内蔵されていたカウンターパンチを所定の深さまで挿入することにより製品の下側の凹部を成形した。成形が完了後、製品を下型のノックアウト機構により金型の外へ排出した。熱処理としては、495℃で3時間保持の後水中へ浸浸した後、180℃で6時間保持の処理を実施した。
【0062】
鍛造条件は、プレス速度は25spm、油圧可動ラムの油圧は50kg/cm2、ダイフロートのフローティング油圧は150kg/cm2とした。
【0063】
これらのラム、カウンターパンチにより上型下型間の成形空間内の細部へ素材の充満が促されたので、複雑形状を有する車体取り付け部、ピストン収納部、油注入口部も欠肉のない鍛造品が形成できた。型割り部に素材のはみ出しが発生することが無かったのでトリミング工程を省略し、トリミング痕を有しないブレーキキャリパーボディーの素形材を得ることが出来た。型割り周辺部を含む主成形縦方向の切断面においてメタルフローはブリッジ部では連続的な流れ模様を示し、他の部位では金型の上下方向に主に流れていることが切断面エッチングによって観察できた。ピストン収納部の型割り部を含む主成形縦方向の断面においてメタルフローが連続的な流れ模様を示していることが切断面エッチングによって観察できた。
【0064】
成形されたブレーキキャリパーボディーの素形材のブリッジ部から切出した試験片をに引っ張り荷重試験をした。結果は引張り強度460MPa、縦弾性係数が75kN/mm2であった。
【0065】
一方従来の重量金型鋳造法で製造したブレーキキャリパーボディー用素形材のブリッジ部より切出した試験片を引っ張り荷重試験をした。結果は引張り強度260MPa、縦弾性係数が72kN/mm2であった。
【0066】
従来例に比較して高強度となり、縦弾性係数も高いことから高弾性であるのでブレーキキャリパーボディー用素形材から製造したブレーキキャリパーは耐ねじれ性が向上すると考えられ、望ましい特性となっていると考えられる。
【0067】
【発明の効果】
本発明の製造方法は、
鍛造工程が、上型または下型の少なくとも片方に可動式ラムが内蔵された金型を用いて、上型および下型によりブレーキキャリパーボディーの外郭形状の概略形状を成形する主鍛造成形工程に続いて、該可動式のラムによりブレーキキャリパーボディーの中央部に凹形状を成形すると共に金型の素材未充満部へ素材を充満させて成形をする従鍛造成形工程を含む複動鍛造であることを特徴とするアルミニウム合金製ブレーキキャリパーボディーの製造方法であるので、
複雑形状凸部を有するブレーキキャリパーボディーを欠肉または未充満な箇所を抑えて、メタルフローにより組織が強化された一体として成形することができるので、高性能のブレーキキャリパーボディーを、材料歩留まりを向上させ工数低減した高い生産性のもとに製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例のブレーキキャリパーボディー鍛造工程の下死点での図である。
【図2】本発明の一例のブレーキキャリパーボディーの概略図である。
【図3】図2のA−Bにおける本発明のブレーキシステムの断面概略図である。
【図4】図2のC−Dにおける本発明のブレーキシステムの断面概略図である。
【図5】本発明に用いる鍛造設備構成の一例の概略図である。
【図6】本発明の一例のブレーキキャリパーボディー鍛造工程の上死点での図である。
【図7】本発明の一例のブレーキキャリパーボディー鍛造工程の上型下型が接触した状態図である。
【図8】本発明の一例のブレーキキャリパーボディー鍛造工程のストローク角度160°での図である。
【図9】本発明の一例のブレーキキャリパーボディー鍛造工程の素材排出状態の図である。
【図10】本発明の一例のブレーキキャリパーボディーのメタルフローの説明図である。
【図11】図4に対応する鍛造製品(粗形材)の断面概略図である。
【図12】従来のブレーキシステムの概略図である。
【図13】従来のブレーキキャリパーボディーのメタルフローの説明図である。
【符号の説明】
1:ディスク、2:パッド、3:ピストン、4a、4b:キャリパーボディー、5:車体への取り付け部、6、油注入口、7:締結ボルト、8:ディスク、9:バッド、10:ピストン、11a、11b:ピストン収納部、12:ブレーキキャリパーボディー、13:ブリッジ部、14:油注入口、15:車体への取り付け部、16:鍛造機、17:油圧発生装置、18:上型可動ラムへの油圧配管、19:ダイフロートへの油圧配管、20:可動式ラム、21:上型、22:ダイセット、23:下型、24:カウンターパンチ、25:ノックアウトピン、26:下ボルスタープレート、27:上ボルスタープレート、28:可動式ラム用油圧シリンダー、29:下型ホルダー、30:下型ストッパー、31:ダイフロート油圧シリンダー、32:素材、33a、b:型割り部(パーティングライン)、34:従来法での金型分割位置、35:分割部、36:ディスク収納部、37a、37b:凹形状部。

Claims (8)

  1. 金型の上型および下型によって形成される空間に鍛造用素材を投入しブレーキキャリパーボディーを鍛造により製造する方法において、鍛造工程が、可動式ラムを内蔵し加重方向に可動する上型と加重方向に可動しないカウンターパンチが配設され加重方向に可動する下型を用いて、上型および下型によりブレーキキャリパーボディーの外郭形状の概略形状を成形する主鍛造成形工程と、次いで上型と下型を閉塞し、該上型と下型をカウンターパンチの方向に可動させ、この可動開始後に前記可動式ラムを可動させてカウンターパンチと可動式ラムによりブレーキキャリパーボディーの中央部に凹形状を成形すると共に、該凹形状の凹部に相当する体積の素材により金型の素材未充満部へ素材を充満させて成形する従鍛造成形工程を含む複動鍛造であることを特徴とするアルミニウム合金製ブレーキキャリパーボディーの素形材の製造方法。
  2. ブレーキキャリパーボディーが、少なくともディスクを挟み込むブリッジ部とピストン収納部と注油口と車体への取り付け部とが一体に鍛造成形されていることを特徴とする請求項1に記載のブレーキキャリパーボディーの素形材の製造方法。
  3. 可動式ラムが油圧による駆動であることを特徴とする請求項1または2に記載のブレーキキャリパーボディーの素形材の製造方法。
  4. 上型と下型の対向する型割り部のトリミング工程を有しないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のブレーキキャリパーボディーの素形材の製造方法。
  5. 複動鍛造後に、T6処理を実施した後に型割り部に生じた隙間バリをショットブラストまたはバレル研磨により除去することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のブレーキキャリパーボディーの素形材の製造方法。
  6. 上型と下型からなる金型を用いた鍛造により製造されるブレーキキャリパーボディーの素形材において、ディスクを挟み込むブリッジ部と上型と下型の対向する型割り部とピストン収納部と注油口と車体への取り付け部とが一体に鍛造成形されていて、型割り部を含む上型加重方向の断面に観察されるメタルフローがブリッジ部で連続的に流れ、ピストン収納部の型割り部を含む上型加重方向の断面に観察されるメタルフローが連続的な流れ模様を示しており、他の部位では金型の上下方向に主に流れていることを特徴とするブレーキキャリパーボディーの素形材
  7. 外郭形状の表面の型割り部跡にトリミング痕を有しないことを特徴とする請求項6に記載のブレーキキャリパーボディー。
  8. ブレーキキャリパーボディー、ピストン、ディスク、摩耗パッドを含んで構成される油圧ブレーキシステムにおいて、ブレーキキャリパーボディーが請求項6または7に記載の油圧ブレーキシステム。
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