JP4355140B2 - ユニバーサルジョイントヨークの製造方法及び鍛造用金型 - Google Patents

ユニバーサルジョイントヨークの製造方法及び鍛造用金型 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は薄肉のカップ形状を有するユニバーサルジョイントのヨークの製造方法に関し、更に、詳しくは、ヨーク製造方法及び上記製造方法に用いる鍛造用金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パワートレインシステムのプロペラシャフトに用いられるユニバーサルジョイントのヨークは、通常薄肉カップ形状をしている。図12にプロペラシャフトの概略図を示す。動力伝達装置におけるトランスミッション(111)の出口とファイナルドライブ(119)の間をつなぐのがプロペラシャフトであり、プロペラシャフトのシャフトの接続部にユニバーサルジョイントが用いられている。ユニバーサルジョイントはヨーク(112a、112b、112c)と十文軸(113a、113b、113c)からなり、シャフト間の回転を接続するシャフト(114a、114b)へ動力として伝達している。尚、116はプロペラシャフトを車体117へ取付けるための金具を示し、115は角度変更用のベアリングを示している。
【0003】
ユニバーサルジョイントヨークは押出されたアルミニウム合金を素材として冷間鍛造により製造されている。図13に従来の冷間鍛造工法で用いられるヨークの金型構成図の一例を示した。また、図16に従来工法のバリ出し鍛造によるバリ出し鍛造素形材(図16(a))とバリをトリミングしたヨーク(図16(b))の一例を示した。
【0004】
図13では上ボルスターに支持された上金型2にはシャフトへ接続するカップ形状を、下ボルスター5上の下金型4は十字軸と接続するピンボス形状に各々形成する構成となっている。下金型4に向かって上金型2が下降し、アルミニウム素材6を挟み込み、上金型と下金型によって形成される空間より上下金型の形状を転写して成形するものである。下金型に投入されたアルミニウム素材は予備潤滑した予加熱していない素材である。図14に従来の冷間鍛造工法で用いられる金型構成図を鍛造成形完了する上金型2の下死点における状態を示している。鍛造品7の上金型側に形成されるカップ形状は上金型によって拘束されない自由端鍛造となっている。尚、3はストリッパーを示す。
【0005】
従って、この工法により成形された鍛造品7は、図16(a)に示すように、カップ形状部41は自由端鍛造されるためピンボス部43へ素材がより多く塑性流動するためにピンボス部の反対側のカップ形状部41への素材塑性流動が少なくなり、余肉の耳の高さがそろわず後工程の機械加工で形状を整えることが必要となり、その結果、切削加工代が多く材料歩留まりが低下していた。
【0006】
また、図14に示すように従来の鍛造工法では、素材に上金型が接触して成形を開始し、成形が完了する時点まで上金型外径部と下金型の内径部が嵌合しておらず、ピンボス部の形状が下金型のキャビティへの素材流動量の差により不均一であり、上金型のフラレを生じ、上金型により形成されるカップ部内径部と下金型により形成されるカップ部外径部との間の同軸度が1mm程度となり、その為その後の機械加工においてカップ部の肉厚に偏りが発生し、得られたヨークのシャフトとの接続強度が不足するといった問題を生じることもあった。
【0007】
また、従来鍛造工法ではカップ部に発生する引け欠肉を防止するためにカップ肉厚を厚くした形状としたり、余肉高さが不均一でも切削代が確保できるように余分な余肉を付加した形状としていたため、材料歩留まりが悪かった。その結果得られた鍛造品の耳の高さのバラツキは好ましい値である10mmを超えて25mm以上の不均一さを生じていた。
【0008】
その後、カップ部の高さを均一にして切削代を低減させる手法として密閉鍛造による製造方法が考えられた。しかし、ピンボス部の体積が製品全体に対して大きく偏った形状を有しているために、その成形の途中において、ピンボス部位への素材が塑性流動した際に、ピンボス部の反対側となるシャフトへの接続部位であるカップ形状部への素材の塑性流動が起こらず、ピンボス部の反対側に相当するカップ形状部に欠肉を生じる問題が起こることがあった。また、ピンボスのない部位では、カップ部への素材の塑性流動が優先して生じるため、その箇所の金型への充満が早期に完了し偏った状態になる。そのために金型の負荷が大きくなり、金型のこの部位の寿命が短くなり実用的でなかった。
【0009】
上記欠点を解決するために、まずピンボス側を成形し、続いてカップ部の形状を成形する複数工程の鍛造により成形する方法が提案された。図15は、この複数工程の成形に用いられる金型を示し、図15(a)において、上ボルスター1に支持された予備成形の上金型31と下ボルスター5上に設置された予備成形の下金型32により素材のピンボス部の形状と成形した予備成形製品34を成形し、続いて図15(b)の上金型2と下金型4とによりカップ部を成形し、鍛造品7となる。尚、33はノックアウトピン、3はストリッパーを示す。この製造方法では各工程それぞれに金型が必要となり、鍛造工程自身も複数回実施するため生産性が低く、コスト高であった。また、素材に黄銅を用いたカップ形状を成形する鍛造方法として特許文献1に示すようなものが知られている。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−263178号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
こうした複数回の工程を有する鍛造成形では、金型も複数個必要で金型費がかさみ、複数回の工程のため生産性が低く、実用的ではなかった。また1工程による成形では、前述したように、成形荷重が大きくなるので、成形能力の大きい鍛造機が必要なだけでなく、金型への負荷も増すため金型寿命が短くなり、生産効率をより高めた方法が望まれていた。
【0012】
従来例の鍛造方法では1工程目にヨークのピンボス部粗形状を成形する。続いて2工程目に本成形型によりピンボス部詳細形状および反対側のカップ形状を成形する。2組の金型は同一のプレス機に設置したり、別々のプレス機を準備して成形する必要があった。また、同一のプレス機を用いる場合は、1工程目を実施後に、金型を交換して2工程目を実施する必要があった。いずれにせよ段取り換えなどの手間と、複数回の工程が必要であった。
【0013】
別の製造方法として、直接、一工程によりヨークピンボス部と反対側のカップ形状を成形する方法も考えられるが、ピンボス部およびピンボス部の反対側以外のカップ形状部が成形されてからの残りのピンボス部の真反対位置の欠肉を充満させるためには、大きな成形荷重が必要となり、大型のプレス機が必要となる。また、大きな成形荷重により金型の寿命も短く、生産性が悪く生産コストが高いものとなっていた。
【0014】
特許文献1には素材として黄銅を用いたカップ形状を均一な高さに成形する方法が開示されている。この方法では、まずカップ形状を成形し、その後アンダーカット形状の成形のために上部より別駆動のラムを用いて加圧して成形している。ここで用いている素材は黄銅であり、塑性流動が容易に起こるため、開示された内容で成形可能であるが、高温での変形抵抗が大きいアルミニウム合金は黄銅に比べて塑性流動が起こりにくく、開示された条件では成形できない。
【0015】
本発明は、上記実情に鑑みなされたもので、その主目的は、切削加工代が少なく、材料歩留まりを向上させ、工程数を低減したヨークの製造方法を提供することにある。本発明の他の目的は、カップ形状部の高さのバラツキが小さく、バリの発生がないヨーク用素形材を鍛造する金型を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鍛造成形性と製品形状の関係について鋭意研究をおこないその知見に基づいて本発明を完成するに至った。
1)上記課題を解決するための第1の発明は、閉塞した空間を形成する上金型、下金型からなる金型内に、A6061、A6082、A2014、A2218、A4032、A7075から選ばれる何れか1種のアルミニウム合金の素材を投入した後、カップ状形成部の底側にカップ状形成部側から山型形状のピンボス成形部が突出して対峙するユニバーサルジョイントヨークの素形材を成形する際に、ユニバーサルジョイントヨークの有するカップ状成形部の先端にリングノックを介して0.5〜20kg/mm2の背圧力を荷重した状態でカップ状成形部の反対側に形成されるピンボス成形部への素材の充満率を75%以上とさせた後、リングノックが配設されている金型の主成形方向と相対的に逆方向にリングノックを可動させてカップ状成形部への素材の流動を開始させる鍛造工程を含み、背圧力は、リングノックを逆方向に可動させるにつれて大きくなり、最終値が初期値の1.2〜2.2倍となる、ことを特徴とするユニバーサルジョイントヨークの製造方法である。
2)上記課題を解決するための第2の発明は、閉塞した空間を形成する上金型、下金型からなる金型内に、A6061、A6082、A2014、A2218、A4032、A7075から選ばれる何れか1種のアルミニウム合金の素材を投入した後、カップ状形成部の底側にカップ状形成部側から山型形状のピンボス成形部が突出して対峙するユニバーサルジョイントヨークの素形材を成形する際に、ユニバーサルジョイントヨークの有するカップ状成形部の先端にリングノックを介して初期値が1.5〜25kg/mm 2 の背圧力を荷重し、続いて、初期値より低い値である0.5〜20kg/mm 2 の背圧力に保持した状態で、カップ状成形部の反対側に形成されるピンボス成形部への素材の充満率を75%以上とし、その後、リングノックが配設されている金型の主成形方向と相対的に逆方向にリングノックを可動させてカップ状成形部への素材の流動を開始させる鍛造工程を含む、ことを特徴とするユニバーサルジョイントヨークの製造方法である。
3)上記課題を解決するための第3の発明は、背圧力が、ガスクッションまたはバネと、油圧クッションとの組合せによるものであることを特徴とする2)に記載のユニバーサルジョイントヨークの製造方法である。
4)上記課題を解決するための第4の発明は、素材がアルミニウム合金丸棒材を所定の長さに切断する工程と切断した丸棒材を据え込む工程とにより得られたものを素材として用いて、鍛造後の成形品に熱処理を施す工程と機械加工工程とを含む1)乃至3)のいずれか1つに記載のユニバーサルジョイントヨークの製造方法である。
5)上記課題を解決するための第5の発明は、鍛造工程後の機械加工工程において、鍛造済み品の型割り部をトリミングする工程を有しないことを特徴とする4)に記載のユニバーサルジョイントヨークの製造方法である。
6)上記課題を解決するための第6の発明は、カップ状形成部の底側にカップ状形成部側から山型形状のピンボス成形部が突出して対峙するユニバーサルジョイントヨークの素形材を鍛造するに用いる金型であって、ユニバーサルジョイントヨークの素形材を成形する閉塞な空間を形成する上金型、下金型と、カップ状成形部を成形する金型側に設けられ、カップ状成形部の先端に背圧力を荷重するリングノックと、このリングノックに、0.5〜20kg/mm2の背圧力を与え、リングノックが配設されている金型の主成形方向と相対的に逆方向にリングノックが可動するのに伴って与える背圧力が大きくなって、最終値が初期値の1.2〜2.2倍の背圧力を与える背圧力付与手段と、成形したユニバーサルジョイントヨークの素形材を金型から排出させるノックアウトピンと、金型が取り付けられる各金型ホルダーと、カップ状成形部を成形する金型と背圧力付与手段とを配設する受圧板とを含むユニバーサルジョイントヨークの鍛造用金型である。
7)上記課題を解決するための第7の発明は、カップ状形成部の底側にカップ状形成部側から山型形状のピンボス成形部が突出して対峙するユニバーサルジョイントヨークの素形材を鍛造するに用いる金型であって、ユニバーサルジョイントヨークの素形材を成形する閉塞な空間を形成する上金型、下金型と、カップ状成形部を成形する金型側に設けられ、カップ状成形部の先端に背圧力を荷重するリングノックと、このリングノックに、初期値が1.5〜25kg/mm 2 の背圧力を与え、続いて、初期値より低い値である0.5〜20kg/mm 2 の背圧力を保持しつつ与える背圧力付与手段と、成形したユニバーサルジョイントヨークの素形材を金型から排出させるノックアウトピンと、金型が取り付けられる各金型ホルダーと、カップ状成形部を成形する金型と背圧力付与手段とを配設する受圧板とを含む、ことを特徴とするユニバーサルジョイントヨークの鍛造用金型である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態の一例を説明する。
【0018】
図5に本発明のユニバーサルジョイントのヨーク(以降「ヨーク」ともいう。)素形材の一例を示す。素形材は、少なくともシャフトへの接合部(カップ形状部又はカップ状成形部)(41)、ピンボス部(43)、プレート部(42)とから構成されている。夫々の部位は必要に応じて機械加工により最終形状に加工される。なお、素形材の場合はピンボス部(43)はピンボス成形部ともいう。
【0019】
図6に図5の素形材を機械加工して得られた、ユニバーサルジョイントのヨークの一例を示す。本発明で製造されるユニバーサルジョイントヨークは、少なくともカップ状部に形成されたシャフトへの接合部(91)、ピンボス部(43)、ピン穴(94a、94b)、プレート部(42)とから構成されている。
本発明のユニバーサルジョイントヨークは、型割り部にバリをトリミングした痕を有していないのが特徴である。バリをトリミングした痕がないので、バリ方向への塑性流動が起きていないので、その部分での機械強度が高まるので好ましい。またバリ除去による材料歩留まりの低下が無いので好ましい。本発明のユニバーサルジョイントヨークは、カップ形状端部を縦方向(カップ状成形部先端部からカップ状成形部根本部に向かった方向。)に見た断面に観察される塑性流動の跡は、反対側にピンボス部を有しない箇所(A)と反対側にピンボス部を有する箇所(B)を比較して結晶粒平均長さの比が0.5〜1.5となっている状態である。機械強度が均一であり機械加工上、製品実用上で好ましい。
【0020】
図6の本発明のユニバーサルジョントのヨークを組み込んだパワートレインシステムの構成の一例を図12に基づいて具体的に説明する。符号112はヨークで、ピンボス部(符号43)に機械加工により設けた十字軸との接続部となるピン穴(94a、94b)を有している。図では一部省略しているが、ヨーク112は2個を1組として使用され、各ヨークはピン穴に嵌めこまれた十字軸(113)を介して対となるヨークへと接続される。一方、カップ状に形成された部位(91)は機械加工によりシャフト(114)の内径に合せてカップの内側の形状が仕上げられ、シャフトへミグ溶接(MIG:Metal Inert Gas arc welding)、ティグ溶接(TIG:Tungst Inert Gas arc welding)などの溶接、摩擦圧接、摩擦攪拌接合などの接合方法により、シャフト(114)へ固定されている。
【0021】
本発明のユニバーサルジョイントのヨークの製造に用いる鍛造装置の構成の一例を図8をもとに説明する。
鍛造装置は、鍛造機(221)と、上金型(103)と、下金型(105)とを含むものである。上金型103の上部には、背圧力発生手段の一例として空圧シリンダー(231)を内蔵している。下金型105には、鍛造済み品を排出するためのノックアウトピン(107)が配置されている。符号108はスプレー移動装置、符号109はスプレー回転装置、符号110はスプレーシャフトである。スプレーノズル(104)は、スプレーシャフトスプレー回転装置を介してスプレー移動装置に取り付けられており、潤滑材を噴霧状に吐出して、金型に潤滑材を塗布する。
【0022】
図8の鍛造装置の上金型103の一例を図4に示す。上金型103はカップ形状部の内側を形成するセンターパンチ(66)と、背圧力をかけながらカップ形状先端を形成するリングノック(67)と、背圧力を発生する手段としてガスクッション(74)と、センターパンチ66を支持する受圧板(70)と、センターパンチ(66)などを支え上ボルスター(1)に固定するパンチホルダー(69)などから構成されている。ガスクッション(74)は、例えば、空圧シリンダー圧力伝達軸(68)、空圧シリンダー(71)、空圧シリンダー気体封入部(72)から構成されるものを用いることができる。リングノック67は空圧シリンダー圧力伝達軸68を介して空圧シリンダー71から発生する背圧力を受けている。このため、リングノック67は、空圧シリンダー圧力より大きい力を受けることにより上金型とは相対的に後方に可動することができるようになっている。
【0023】
空圧シリンダー71から発生する背圧力により、成形開始前は、リングノック67の先端はカップ内径部を形成するセンターパンチ66先端部と同一面もしくはそれよりも突出した位置にあるのが好ましい。リングノック67の先端がセンターパンチ66に対して入りこんだ状態では期待する背圧効果が充分に得られないからである。同一面もしくはそれよりも突出した位置にあることにより下金型とセンターパンチが嵌め合うことになり位置決め精度が向上するからである。
【0024】
リングノックにかかる空圧シリンダーからの背圧力が単位面積当り0.5〜20kg/mm2になるように、空圧シリンダーの気体封入部72の内圧またはシリンダーの本数を調整する。ピンボス形状部への素材の充満率を75%以上となった後にリングノックが配設されている金型の主成形方向と相対的に逆方向に、リングノックを可動させるように空圧シリンダー内圧またはシリンダーの本数を調整する。
【0025】
背圧力を発生させる手段の一例であるガスクッションは、図4の実施例では上金型内に内蔵されている。さらに、本発明の金型構成では、ガスクッションは上部ボルスターを固定端として配設され、圧力伝達軸を介してリングノックに応力を伝える構成となっている。圧力伝達軸としては、空圧シリンダー圧力伝達軸の他にノックアウトピンやコマなどを挙げることができる。
【0026】
背圧力を発生させる手段は、成形の際に金型が移動するストロークの長さ全体に渡って圧力を生じさせる機能を有していれば良く、ガスクッションの他に、油圧クッション、バネ、コイルスプリング、ゴムを挙げることができる。
【0027】
ガスクッションを背圧力発生手段とした場合は、外部からの圧力供給を受けずとも充分な背圧力を得ることができるので、金型内に内蔵することができる。その結果、プレス機に付属させる発生装置が省略でき、専用の圧力伝達配管を備えたダイセットが不要となるので、汎用プレスおよびダイセットにも簡便に取り付けることが可能となり好ましい。背圧力発生手段としてバネ、コイルスプリング、ゴムを用いた場合も同様の効果を得ることができる。
【0028】
背圧力を発生させる装置としてガスクッションを用いると伸縮の繰返しに対して耐久性に優れ、サイズやストローク長さのバラエティーが豊富で用途に応じて選択できるので好ましい。
【0029】
背圧力を発生させる機構がバネ、コイルスプリング、ゴムである場合は、構成する部品の種類サイズが豊富であるので金型構造の選択の幅が広くなり、経済的である。
【0030】
上述のリングノック67の材質はダイス鋼、粉末ハイス鋼などを挙げることができる。その他金型を構成する部材の材質はダイス鋼、粉末ハイス鋼、超硬などを挙げることができる。リングノックと上金型、下金型との間の摺動を確保するために、リングノックが摺動する金型の各面、たとえば、カップ形状部の内径および外径を成形する各金型の表面に窒化処理、モリブデンコーティング処理などを施すのが良い。リングノックと上金型、下金型との間の隙間の間隔は0.05〜0.3mm程度が好ましい。0.05mm以下では摺動しにくく、潤滑剤の塗布が困難となる。間隔が0.3mm以上では摺動、潤滑剤塗布は良いが除去が必要となる隙間バリが発生する。
【0031】
図1、2、3に本発明の製造方法の一例の成形工程の金型および動作の模式図を示した。各工程の動作を説明する。
【0032】
図2に示すように下金型65内部に鍛造用素材6は投入される。図1に示すように上金型103が下降してくる。ここで、上金型の一部を構成するリングノック67が下金型65に先ず最初に嵌合し上金型と下金型の同軸の精度が確保される。
【0033】
さらに上金型が下降して、素材は下金型と上金型により形成される閉塞した空間にはさみこまれる。成形の初期状態においては主にピンボス部形成への素材の塑性流動がおこり、上金型のリングノック67には空圧シリンダー71からの背圧力がかかっているためカップ形成部への素材の塑性流動は抑制される。この時、カップ状成形部の先端にリングノック67を介して単位面積当り0.5kg/mm2以上の背圧力がかかっている。ピンボス成形部への素材の充満率が75%以上となった後、リングノックが後方に可動する。この時空圧シリンダーの圧力はシリンダーが押し込まれるほど高くなっていく。成形荷重(上金型下降方向圧力)もプレス機の下死点に近づくにつれて高くなるため、うまく圧力をバランスしながら、リングノック67は背圧を素材に負荷しながら上金型の移動方向と相対的に後退して行く。図9に、リングノックのストロークと背圧力の関係を示す。
【0034】
空圧シリンダーによる背圧力の場合、素材にリングノックが接触し負荷がかかり始めた時の初期圧力が内部圧力により設定できる。その後、シリンダーの収縮により内部圧力が上昇し、シリンダーのストローク終端にかけて負荷圧力が上昇する。圧力の上昇に伴い、カップ部端部の高さを均一に調整することができるため好ましい。
【0035】
バネによる背圧力の場合、素材にリングノックが接触し、負荷がかかり始めた時点ではバネが伸びた状態なので背圧力は最低値(例えば1kg/mm 2 )となる。その後、バネの収縮により弾性力が上昇し、ストローク終端にかけて、負荷圧力が上昇し、ストロークエンドでは、例えば約1.5kg/mm 2 となる。圧力の上昇に伴い、カップ部端部の高さを均一に調整することができるため好ましい。
【0036】
ピンボス成形部への素材の充満率が75%以上となった後にリングノックを可動させるタイミングは、本実施例ではあらかじめ背圧力で調整しているが、プレス機のストローク位置管理またはタイマー管理などとすることもできる。
【0037】
ピンボス成形部体積の75%以上に素材の充満が完了した状態は、ピンボス先端部が金型に接触し、ピンボス部先端の素材の成形形状の隅R(角の曲率半径)がR=8〜15mmとなった状態である。金型に完全に充満して金型形状が転写されたときは、例えばR=5mmとなる。充満率とは、充満率=(ピンボスの成形部の流入素材の体積/金型のピンボス部相当体積)×100(%)で定義される。
【0038】
成型工程が進みピンボス成形部への素材の充満がほぼ完了した状態で、さらに上金型103は下降を続けると共に、上金型リングノック67にかかる空圧シリンダー71からの圧力より成形の圧力が大きくなるためにリングノックは上端まで後退し、図3に示したようにカップ成形部へもメタルが充満した状態となる。ガスクッションによる背圧力の場合、リングノック67後退が進むにつれて空圧シリンダー71からの背圧力は初期背圧力の120〜220%にまで上昇し、この上昇分によりカップ成形部へのメタルの充満をしながら、ピンボス成形部の未充満部へのメタルの充満が行なわれ、成形が完了する。カップ形状部の成形とともにピンボス成形部の未充満部の充満を促進するので好ましい。成形終了時のカップ先端の背圧力が高いのでカップ先端高さのバラツキが小さくなり好ましい。
【0039】
好ましくは背圧力発生装置のシリンダーのストロークエンドの位置はプレス機の下死点よりも少し手前に設定しておくのが好ましい。プレス機の下死点よりも手前の位置に設定しておくとシリンダーを痛めるおそれが無いからである。
【0040】
本発明のヨークの製造方法は、上記金型を用いているので、リングノックを介して単位面積当り0.5kg/mm2以上の背圧力を荷重した状態(熱間鍛造では好ましくは1〜5kg/mm2。冷間鍛造では好ましくは10〜15kg/mm2。)となる。
【0041】
好ましくは背圧力を0.5〜20kg/mm2としたのは、0.5kg/mm2未満であると成形部であるカップ状成形部の先端への面圧力が低く、不均一な素材流動が発生しカップ状成形部への素材流動量が位置によってバラツキが発生する。その結果、カップ状成形部の先端部の高さが不揃いとなるからである。図11に高さのバラツキ量と背圧力最低値の関係を示した。20kg/mm2を超えるとカップ状成形部への素材流動が過剰に抑制され、目的とする高さまで素材が充満しない上、成形したカップ状成形部が反力により変形(座屈)してしまうおそれがある。
【0042】
素材の充満が完了して成形が終了すると、上金型が上昇するとその時同時に上金型に設けられた空圧シリンダーからの圧力によりリングノック67を介して鍛造品カップ部上端が下に押され、上金型から鍛造済み品がはずれる。背圧力を発生する機構を有したリングノックが成形済み品の排出機能をも有している。特にカップ状成形部をパンチで成形した場合に起こりがちなパンチへの成形済み品の付着を防止することができるので好ましい。尚、62はノックコマである。
【0043】
上金型が上昇した後、下金型下部からはノックアウトピン64が上昇して、鍛造品は下金型上面まで押し上げられ、鍛造品は金型の外へ排出される。
【0044】
初期背圧力を高くして、ピンボス部の充満率を高めてから、初期圧力より低い背圧力にて成形する実施形態を説明する。初期背圧力を高くして、ピンボス部の充満率を高めてから、初期圧力より低い背圧力にて成形するので、カップ部成形時の成形荷重が低くでき、その結果金型寿命を向上させることができるので好ましい。
【0045】
この例として、背圧力発生手段として油圧クッションを用いた実施形態について説明する。油圧クッションは例えば、前述した空気シリンダーと同様な構成とし、空気に変えて油を封入したものとすることができる。
【0046】
この場合、背圧力の初期値を1.5〜25kg/mm2とし、その後初期値より低い値で0.5〜20kg/mm2になるのが好ましい。
【0047】
油圧による背圧力である場合は、背圧力は図10に示したように素材にリングノックが接触し負荷がかかり始めたときの初期圧力(油圧シリンダーが縮み始めた時。)が高く、その後油圧シリンダーのストロークの長さによって圧力は影響されないため、縮み始めから成形終了まで0.5kg/mm2以上の一定圧力を荷重することができるため、成形能力が高くなる。例えば、ピンボス側の充満が完全に終了するまでリングノックが上昇しないような設定が可能(例えば好ましくは充満率90%以上となるまで上昇しない。)となり、ピンボス側の欠肉がより起こらない。更に、一定圧力でリングノックが上昇するためカップ部の不揃いも起こらない。
【0048】
製品毎に圧力設定を変えられることができるような油圧制御を付加するのが好ましい。例えば、外部油圧ユニットを成形スライド信号により圧力制御する、または、単純に圧力の設定が同一油圧シリンダーを用いて減圧弁などにより圧力調整することが可能である。
【0049】
この場合、背圧力の初期値を1.5〜25kg/mm2とし、その後初期値より低い値で0.5〜20kg/mm2になるのが好ましい。例えば、プレス角度90〜120°で5kg/mm2、120〜160°にかけて圧力下げて3kg/mm2にして160〜180°にかけて3kg/mm2を維持してノックアウト時の座屈を防止する。5kg/mm2から3kg/mm2に圧力変化させる場合、油圧回路を3kg/mm2と2kg/mm2とに並列回路として、120°の信号により2kg/mm2の回路を開放して減圧させる。
【0050】
前述した背圧力発生手段と組み合わせることにより、圧力パターンを変更でき、製品毎に要求される負荷パターンを選択できるので好ましい。例えば、空圧シリンダーと油圧シリンダーとを組合せると初期背圧力を高くして、その後、初期背圧力より低い背圧力とし、成形終了時に再度、高い背圧力を得ることができる。この場合、初期にピンボス部の充満率を高めるので、成形荷重を低くでき、終了時の背圧力が高いのでカップ形状部上部のバラツキを小さくできるので好ましい。又、油圧シリンダーだけでは、成形完了後、鍛造済品を取り出す際に押し出す圧力が小さいが、空圧シリンダーを組合せることにより、成形完了後に鍛造済品を押し出す圧力が強く働く。その結果、鍛造済品の取り出しスピードを上げることができ、生産性が向上する。
【0051】
背圧力を発生させる装置として油圧クッションを用いると油の流動抵抗により、油封入圧力以上の初期圧力を発生させることができるので好ましい。また、伸縮の繰返しに対して耐久性に優れ、サイズやクッションのストローク長さのバラエティーが豊富で用途に応じて選択できるので好ましい。小型で金型内への配置が容易で好ましい。
【0052】
上金型にカップ形状の薄肉の形状を形成するリングノックを内蔵しているものとしたものは、カップ状成形部における素材流動の方向が上金型による加圧方向と反対方向となり、素材と金型の摩擦抵抗が小さくなり、成形荷重が低くなり好ましい。
【0053】
本発明の金型は、ユニバーサルジョイントヨークの素形材を鍛造するに用いる金型であって、閉塞な空間を形成する上金型、下金型と、リングノックと、ノックアウトピンと、金型ホルダーと、金型とリングノックに0.5kg/mm2以上の背圧力を発生する手段とを配設する受圧板とを含む鍛造用金型であるので鍛造機のストロークが短く、ダイセットの間隔が狭く、従来のような大規模な背圧装置が配置できない場合にも適用が可能である。また小型の鍛造装置に適用できるので設備費を安価にすることができる。
【0054】
従来の背圧装置を配備した鍛造機構成を図17に示した。鍛造機221には上金型227および下金型226を備え付けたダイセットが取付けられている。ダイセットは上プレート229と下プレート230およびガイドポスト228からなっており、上プレート229および下プレート230には、上下金型へ背圧力を伝えるための油圧シリンダー222a、222bを含んでいる。プレス動作を監視し、背圧力が必要とされるタイミングで油圧発生を指示するための電気信号を発生させるプレス動作監視装置225、油圧発生装置224、油圧配管223などが必要となり、上ボルスター(鍛造機上ラム)1と下ボルスター5の間の空間を広くする必要がある。
【0055】
本発明の金型は、背圧力発生機構が小型であり上金型または/および下金型に内蔵されているので従来のダイセットをそのまま用いて、金型のみを本発明の金型に交換することで、容易に主成形方向と反する応力を負荷する機構によりカップ形状部の高さが均一である鍛造品を得ることができる。
【0056】
本発明の金型を用いたユニバーサルジョイントヨーク素形材の製造方法は、ユニバーサルジョイントヨークの有するカップ状成形部の先端にリングノックを介して単位面積当り0.5kg/mm2以上の背圧力を荷重した状態でカップ状成形部の反対側に形成されるピンボス形状部への素材の充満率を75%以上とさせた後、リングノックが配設されている金型の主成形方向と相対的に逆方向にリングノックを可動させてカップ状成形部への素材の流動を開始させる鍛造となる。
【0057】
その結果、カップ状成形部への素材流動を充分抑制でき、ピンボス部への素材の充満率を75%以上に優先して高めることができ、その後、ピンボス部方向への素材流動による影響が小さくなった時点でカップ部への素材流動を開始することが可能でカップ部先端の欠肉を小さく抑えることが可能となり好ましい。
カップ部への素材流動が過剰に抑制されることなく、均一な高さのカップ形状であって目的のカップ高さまで成形でき、カップ状成形部に座屈などの変形が起こらないので好ましい。
【0058】
従って、製造されたヨークの素形材のカップ形状部の高さは最高高さと最低高さの差、すなわち高さのバラツキが8mm以内となる。高さのばらつきの差が好ましい値の10mmより充分に小さいので、鍛造工程後に高さをそろえるための切削工程を不要とすることができるので好ましい。また、カップ形状部先端はその後シャフトに接合させるために、シャフト穴と嵌合させシャフトを突き当てるための段差および穴径をシャフト径に合わせた外径に仕上げるような切削加工の実施が必要な場合においては、切削加工ではカップ状成形部の高さのバラツキを考慮して切削代を設定することになるが、本発明の素形材は高さのバラツキが8mm以内であるので切削代を減らすことが可能であるので好ましい。カップ部の切削加工に要する時間も短くでき、生産性が高くなり好ましい。
【0059】
また、ヨークの素材形は、カップ形状端部を縦方向(カップ状成形部先端部からカップ状成形部根本部に向かった方向。)に見た断面に観察される塑性流動の跡は、他端側にピンボス部を有しないカップ形状部上部41aと他端側にピンボス部を有するカップ形状部上部41bを比較して結晶平均粒長さの比が0.5〜1.5となっている。従って、素形材の機械強度が均一であり機械加工上、製品実用で好ましい。
【0060】
更に、リングノックと上金型、下金型との間の隙間の間隔を0.05〜0.3mmとしたので、得られた素形材は、型割り部(図16の従来例に於いて符号44に対応する箇所)にバリが発生していない。このようにバリが発生していないので、バリ方向への塑性流動が起きていないので、その部分での機械強度が高まるので好ましい。またバリ除去の作業が不要であって、バリ形成による材料歩留まりの低下を回避することができる。
【0061】
つぎに、図2の装置を用いた本発明のヨークの製造方法の一実施形態を説明する。
本発明の製造方法は、素材を投入する工程と、素材に潤滑剤を塗布する工程と、素材を所定の温度に予備加熱する工程と、潤滑剤を金型へ塗布する工程と、素材を鍛造成形する工程と、ノックアウト機構により鍛造済み品(鍛造製品、ヨーク素形材)を排出する工程と、を含む製造方法である。
好ましくは、鍛造工程の前にアルミニウム合金丸棒材を所定の長さに切断する工程と、切断した丸棒材を据え込み鍛造用素材を得る工程と、鍛造工程の後に熱処理工程と、トリミング工程を含まずに鍛造製品を機械加工する工程と、を含む製造工程である。
【0062】
本発明の製造方法に用いるヨーク部品の材料はアルミニウム合金であるのが好ましい。ヨーク部品は自動車の軽量化ニーズもあり、鉄や真鍮や黄銅にくらべ、比強度が高く、軽量化可能な材質となっておりアルミニウム合金をこの素材として用いることが望まれているからである。しかし成形部位に対して遠くの部位から素材を押して充満させる鍛造工法では、アルミニウム合金を素材として用いた場合は高温においても素材の延展性特性が低く変形抵抗が大きいので素材を充満させることが困難である。その結果、真鍮や黄銅のような高温での延性を利用しての塑性加工率を70%以上とした従来の一工程鍛造工法では、充分に充満した欠肉のない良好な品質を得ることが困難である。本発明は、ユニバーサルジョイントヨークの有するカップ状成形部の先端にリングノックを介して単位面積当り0.5kg/mm2以上の背圧力を荷重した状態でカップ状成形部の反対側に形成されるピンボス形状部への素材の充満率を75%以上とさせた後、リングノックが配設されている金型の主成形方向と相対的に逆方向にリングノックを可動させてカップ状成形部への素材の流動を開始させる鍛造工程としているので、充分に充満した欠肉のない良好な品質を得ることができる。
【0063】
耐食性、高温強度、高弾性が好ましい特性を有する材料としてはJIS規格のA6061、A6082、A2014、A2218、A4032、A7075を挙げることができる。好ましい材料として、Al−0.4〜0.8質量%Si−0.15〜0.40質量%Cu−0.8〜1.2質量%Mg−0.04〜0.35質量%Crで表されるアルミニウム合金を挙げることができる。A6061、A6082は耐食性、被アルマイト性が優れた特性を有し中程度の強度を有するため、各種特性をバランス良く満足するので好ましい。A2014、A2218は高強度、高弾性の特性を有するので、負荷の高いヨーク部品においては強度が向上するので好ましい。A4032は耐摩耗性が優れ、高弾性である特性を有するので、十字軸との摺動による耐摩耗性の必要なヨーク部品においては耐摩耗性を向上させるので好ましい。A7075は実用のアルミ合金では最高強度持つため、鉄並の強度必要なヨーク部品において高い強度を得ることができるので好ましい。アルミニウム合金は実用合金のうち、軽量かつ靭性に優れており、その中でも中程度の強度を持ち、耐食性に優れるA6061はヨーク部品として適している。高強度が求められるヨーク部品においてはAl−Cu系合金である2000系合金やAl−Zn系合金である7000系合金が鉄並の強度があり、好ましい。他部品(十字軸など)との摩耗が問題となる場合においてはAl−Si系合金である4000系合金が耐摩耗性に優れ、好ましい。
【0064】
アルミニウム合金を丸棒材に押出成形する。またはアルミニウム合金を連続鋳造することにより丸棒材を得る。得られたアルミニウム合金丸棒材を所定の長さに切断し、さらに切断した丸棒材を据え込んで鍛造用素材を得る。
【0065】
製品外径より小さな外径のアルミ丸棒を製品体積に相当する体積となる長さで切断し、製品外径マイナス0.5〜5mmの外径まで据え込み成形してヨーク部品を鍛造成形すると、ノコ切断ではノコ刃の刃厚分の切削切粉をロスするので細い径の棒を用いる方が材料歩留まりがよく好ましい。さらに、据え込み工程により素材の延性が高くなる。繰返し荷重がかかるヨーク部品においては良好な靭性が求められるので、延性が向上することにより靭性が向上されるので好ましい。切断時の切断厚さバラツキは細い径の方が体積のバラツキへの影響が小さく、鍛造時の金型への過負荷低減につながり、好ましい。
【0066】
図2に示したように、前述した金型を配置した鍛造装置の下金型65の中に鍛造用素材を投入する。素材は例えば、連続鋳造棒を所定の長さに切断したものを用いることができる。素材は例えば、必要に応じて素材潤滑としてボンデ処理、黒鉛系水性潤滑剤への浸漬による潤滑剤の塗布処理を施しておく。強く塑性加工されて素材内部のアルミ地が表層に生じ銀色の金属光沢を有する新生面が生じるような高い塑性加工率で成形する場合は、潤滑切れ防止の点からボンデ処理が好ましい。製品外径がφ90mm以上に大きい場合において予め据え込み成形によって太径化した予備成形素材を用いることもできる。
【0067】
金型への投入時に、素材は所定の温度、例えば370℃〜550℃に予備加熱しておく。
【0068】
潤滑剤を金型へ塗布する。使用する潤滑剤としては水性黒鉛潤滑剤、油性黒鉛潤滑剤を挙げることができる。上金型のリングノックが金型内部へ収納された状態で金型への潤滑剤塗布を行なうので、隙間への浸透性のより油性黒鉛潤滑剤がより好ましい。金型への潤滑剤塗布量は1g〜10g(濃度は0.5〜25質量%。)とするのが好ましい。
【0069】
次に鍛造工程を説明する。
まず主鍛造が実施される。上金型103が下降して、上下金型の間に拘束され素材6は下金型に彫り込まれたピンボス成形部にまず素材流動が生じ、ピンボス部の概略形状が成形される。この段階では素材流動は主にピンボス成形部へ起り、上金型側のカップ部へは空圧シリンダーからの圧力がリングノックにかかっているためカップ部への素材流動はほとんど起こらない。この段階では、ピンボスの細部にまで充満していない。
【0070】
さらに、上金型は下金型内径部に嵌合後も下降を続け、ピンボス成形部の細部にまで充満が完了する。この位置においては成形荷重が上金型に設けた空圧シリンダーの圧力に勝り、リングノックは上昇し、カップ部への素材流動が起こり、カップ部もメタルが充満する。
【0071】
成形開始時から成形完了まで上金型外径は下金型内径により嵌合されているため、カップ部内径と外径の同軸度は上下金型のクリアランスの0.2mm以下となる。上下金型が閉塞状態となるので製品外郭部にトリミング工程を必要としない。
【0072】
鍛造条件は、製品形状に応じて最適化することができる。例えば、プレス速度は10〜40spm、リングノックへの背圧力は0.5〜20kg/mm2、素材温度は200℃〜(固相線温度−20℃)とする。
金型温度は予め100℃〜400℃に加熱する。
【0073】
鍛造が終了した後にノックアウトピンにより鍛造製品を排出する。
【0074】
鍛造製品は好ましくは熱処理を実施する。熱処理は、鍛造素形材の機械強度を向上させることを目的とし、条件は460〜560℃、1〜5時間保持し、直後に水槽(水温10〜70℃)に浸漬させ、150〜250℃にて1〜10時間保持とすることで所望の鍛造素形材強度とすることができる。
【0075】
得られた鍛造製品は、ヨークの有するカップ状成形部の先端にリングノックを介して単位面積当り0.5kg/mm2以上の背圧力を荷重した状態で、カップ状成形部の反対側に形成されるピンボス形状部への素材の充満率を75%以上とさせた後、リングノックが配設されている金型の主成形方向と相対的に逆方向にリングノックを可動させてカップ状成形部への素材の流動を開始させて製造したユニバーサルジョイントヨーク用素形材である。
得られた鍛造製品は主成形方向と反する応力を負荷する機構によりカップ形状部の高さのばらつきが8mm以下であるユニバーサルジョイントヨーク用素形材である。
【0076】
熱処理工程が終了した鍛造製品は、ピン穴部をマシニングセンターを用いたドリル加工により、シャフトへの取り付け部はNC旋盤機により機械加工を実施して最終製品のヨークに仕上る。
【0077】
カップ部の高さはばらつきが8mm以下になっているので、不揃いの耳高さをそろえる機械加工は実施する必要が無い。よって、得られたヨークはカップ形状端部に耳高さをそろえるための切削工程を有しないユニバーサルジョイントヨーク素形材となる。カップ部の高さはばらつきが8mm以下になっているのでカップ形状端部を縦方向(カップ状成形部先端部からカップ状成形部根本部に向かった方向。)に見た断面に観察される塑性流動の跡は、他端側にピンボス部を有しないカップ形状部上部41a(A)と他端側にピンボス部を有するカップ形状部上部41b(B)を比較して鏡面研磨後に酸によるエッチングを施して約100倍の顕微鏡観察によって見られる結晶粒平均長さの比(B/A)が0.5〜1.5となっている状態である。その結果、カップ状成形部の一周上において結晶粒長さが均一であるヨークとなる。従来の鍛造方法で得られたヨーク部品においては他端側にピンボス部を有しないカップ形状部上部41c(C)と他端側にピンボス部を有するカップ形状部上部41d(D)の結晶粒平均長さは、他端側にピンボス部を有しているカップ状部では小さくなる。その比(C/D)は0.5以下となっており、カップ形状部の結晶粒長さが不均一なヨークとなっている。
【0078】
本発明の製造方法によれば、多数段の鍛造工程に分けて成形する従来の方法が1回の密閉鍛造による成形方法となるので、多数段の各鍛造にそれぞれ必要な金型が不要となる。
【0079】
本発明の製造方法によれば、上下金型を密閉状態として成形しているため製品外部へのバリがなく、トリミング工程を省略することができる。そのため、本発明の製造方法によればトリミング痕がないヨーク部品を製造することができる。また本発明の製造方法によれば材料歩留まりも向上して製造することができる。結果、製造されたヨーク部品は、製品外周部にトリミング痕を有しないことを特徴とするヨーク部品となり、製品外周部にトリミング痕がないため、製品強度、外観の点で好ましいものとなる。
【0080】
【実施例】
次に本発明の実施例を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
図2に示した装置を用いて図6に示したヨーク素形材を作製した。
用いた金型は上金型に円筒状のカップの形状を形成するリングノックを内臓し、リングノックに負荷した背圧力は表1、表2に示すように、背圧力の発生手段、背圧力の値を変えて実施例、比較例を作製した。表1ではガスクッションを用いた。作製の結果は、表1および表2に示した。成形の評価は充満率についてはカップ部への充満が開始される位置まで下死点位置を上昇させて成形途中の製品を得て、得られた製品のピンボス部の体積を金型のピンボス部成形部相当体積で除したものをピンボス部充満率とした。カップ部のダレ(高さの差、高さのバラツキ。)はカップ部の円周上で最も高い位置と最も低い位置の差とした。
【0081】
A6061材のアルミニウム合金からなる連続鋳造棒を直径75mm長さ85mmに丸のこぎりで切断した。切断した素材を450℃に加熱して据え込み用のφ115mmの金型を用いてφ114.3mm厚さ40mmの鍛造用据え込み品に成形した。成形した素材に黒鉛系の潤滑剤を塗布して450℃に予加熱した。予加熱した素材を下金型成形部に投入した。上金型を下降させ、まず主軸方向に荷重して成形を開始した。上金型は下金型成形部内径に嵌合されながら下降し、主にピンボス部を成形する。その後、成形荷重の上昇に伴って、リングノックが上昇し、カップ部を成形する。成形が完了後、製品を下金型のノックアウト機構により金型の外へ排出した。
【0082】
鍛造条件は、プレス速度は25spm(ストローク回数/分)、背圧力発生機構の背圧力は表1、2に示すように0〜26kg/mm2とした。
【0083】
各実施例では、ダレの小さいカップ形状を有するヨーク素形材としての鍛造品が成形できた。型割り部にバリが発生しない金型構造であったのでトリミング工程を省略し、トリミング痕を有しないヨーク部品を得ることが出来た。カップ部内径と外径の同軸度は0.11mmであった。各実施例において、カップ状成形部先端から取り出した試験片を鏡面研磨後に酸によるエッチングを施して約100倍の顕微鏡観察によって観察したところ、他端側にピンボス部を有しないカップ状部(A)と他端側にピンボス部を有するカップ状部(B)との結晶粒平均長さの比(B/A)を求めたら、0.5〜1.5となっていた。
【0084】
各実施例で、成形されたヨーク部品のピンボス部から切出した試験片をもちいて引っ張り荷重試験をした。結果は引張り強度400MPa、縦弾性係数が75kN/mm2であった。
【0085】
【表1】
Figure 0004355140
【0086】
【表2】
Figure 0004355140
【0087】
【発明の効果】
本発明の製造方法は、閉塞した空間を形成する上金型、下金型からなる金型内に素材を投入した後にユニバーサルジョイントヨークの素形材を成形する際に、ユニバーサルジョイントヨークの有するカップ状成形部の先端にリングノックを介して単位面積当り0.5kg/mm2以上の背圧力を荷重した状態でカップ状成形部の反対側に形成されるピンボス形状部への素材の充満率を75%以上とさせた後、リングノックが配設されている金型の主成形方向と相対的に逆方向にリングノックを可動させてカップ状成形部への素材の流動を開始させる鍛造工程を含むことを特徴とする製造方法であるので、カップ部余肉高さを均一にし、欠肉または未充満な箇所を抑えて成形することができるので、切削加工代の少ないヨークを、材料歩留まりを向上させ工数低減した高い生産性のもとに製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヨーク部品鍛造工程成形途中断面図である。
【図2】本発明のヨーク部品鍛造工程上死点断面図である。
【図3】本発明のヨーク部品鍛造工程下死点図である。
【図4】本発明のヨーク部品成形用上金型の構成図である。
【図5】本発明のヨーク部品鍛造品見取り図である。
【図6】ヨーク部品の機械加工完成品見取り図である。
【図7】本発明の下金型に可動式のラムを配置した金型構成断面図である。
【図8】本発明に用いる鍛造装置の概略構成図である。
【図9】本発明に用いる背圧力発生手段の一例の説明図である。
【図10】本発明に用いる背圧力発生手段の別の例の説明図である。
【図11】本発明に用いる背圧力発生手段とカップ形状部の高さのバラツキの関係の説明図である。
【図12】プロペラシャフトの概略構成図である。
【図13】従来の鍛造工法の金型構成図(上死点)の概略断面図である。
【図14】従来の鍛造工法の金型構成図(下死点)の概略断面図である。
【図15】従来の2工程工法の概略工程図を示し、(a)はピンボス部成形の金型構成図を示し、(b)はカップ部成形の金型構成図を示す。
【図16】(a)は従来のバリ出し鍛造工法での鍛造品の斜視図を示し、(b)は(a)の鍛造品のトリム後製品の斜視図を示す。
【図17】従来の背圧装置を配備した鍛造機およびダイセット構成図である。
【符号の説明】
1:上ボルスター
2:従来鍛造工法の上金型
3:ストリッパー
4:従来鍛造工法の下金型
5:下ボルスター
6:アルミニウム素材
7:鍛造品
31:予備成形の上金型
32:予備成形の下金型
33:ノックアウトピン
34:予備成形製品
41:カップ形状部
41a,41b,41c,41d:カップ形状部上部
42:プレート部
43:ピンボス部
44:バリ
45:トリム跡
61:ノックアウトバー
62:ノックコマ
63:受圧板
64:ノックアウトピン
65:本発明の下金型
66:センターパンチ
67:リングノック(可動ラム)
68:空圧シリンダー圧力伝達軸
69:パンチホルダー
70:空圧シリンダー支持する受圧板
71:空圧シリンダー
72:空圧シリンダー気体封入部
73:成形途中製品
74:ガスクッション
91:シャフトへの接続部
94a、94b:ピン穴
103:上金型
104:スプレーノズル
105:下金型
107:ノックアウトピン
108:スプレー移動装置
109:スプレー回転装置
110:スプレーシャフト
111:トランスミッショ
112a、112b、112c:ヨー
113a、113b、113c:十字軸
114a、114b:シャフト
115:ベアリング
116:マウントインシュレーター(金具)
117:ボディー(車体)
118:溶接部
119:ファイナルドライブ
201:下金型
202:上金型
203:センターブッシュ
204:受圧板
221:鍛造機
222a、222b:油圧シリンダー
223:油圧配管
224:油圧発生装置
225:プレス動作監視装置
226:下金型
227:上金型
228:ガイドポスト
229:イセットの上プレート
230:イセットの下プレート
231:空圧シリンダー

Claims (7)

  1. 閉塞した空間を形成する上金型、下金型からなる金型内に、A6061、A6082、A2014、A2218、A4032、A7075から選ばれる何れか1種のアルミニウム合金の素材を投入した後、カップ状形成部の底側にカップ状形成部側から山型形状のピンボス成形部が突出して対峙するユニバーサルジョイントヨークの素形材を成形する際に、ユニバーサルジョイントヨークの有するカップ状成形部の先端にリングノックを介して0.5〜20kg/mm2の背圧力を荷重した状態でカップ状成形部の反対側に形成されるピンボス成形部への素材の充満率を75%以上とさせた後、リングノックが配設されている金型の主成形方向と相対的に逆方向にリングノックを可動させてカップ状成形部への素材の流動を開始させる鍛造工程を含み、
    背圧力は、リングノックを逆方向に可動させるにつれて大きくなり、最終値が初期値の1.2〜2.2倍となる、
    ことを特徴とするユニバーサルジョイントヨークの製造方法。
  2. 閉塞した空間を形成する上金型、下金型からなる金型内に、A6061、A6082、A2014、A2218、A4032、A7075から選ばれる何れか1種のアルミニウム合金の素材を投入した後、カップ状形成部の底側にカップ状形成部側から山型形状のピンボス成形部が突出して対峙するユニバーサルジョイントヨークの素形材を成形する際に、ユニバーサルジョイントヨークの有するカップ状成形部の先端にリングノックを介して初期値が1.5〜25kg/mm 2 の背圧力を荷重し、続いて、初期値より低い値である0.5〜20kg/mm 2 の背圧力に保持した状態で、カップ状成形部の反対側に形成されるピンボス成形部への素材の充満率を75%以上とし、その後、リングノックが配設されている金型の主成形方向と相対的に逆方向にリングノックを可動させてカップ状成形部への素材の流動を開始させる鍛造工程を含む、
    ことを特徴とするユニバーサルジョイントヨークの製造方法。
  3. 背圧力が、ガスクッションまたはバネと、油圧クッションとの組合せによるものであることを特徴とする請求項に記載のユニバーサルジョイントヨークの製造方法。
  4. 素材がアルミニウム合金丸棒材を所定の長さに切断する工程と切断した丸棒材を据え込む工程とにより得られたものを素材として用いて、鍛造後の成形品に熱処理を施す工程と機械加工工程とを含む請求項1乃至3のいずれか1項に記載のユニバーサルジョイントヨークの製造方法。
  5. 鍛造工程後の機械加工工程において、鍛造済み品の型割り部をトリミングする工程を有しないことを特徴とする請求項4に記載のユニバーサルジョイントヨークの製造方法。
  6. カップ状形成部の底側にカップ状形成部側から山型形状のピンボス成形部が突出して対峙するユニバーサルジョイントヨークの素形材を鍛造するに用いる金型であって、ユニバーサルジョイントヨークの素形材を成形する閉塞な空間を形成する上金型、下金型と、カップ状成形部を成形する金型側に設けられ、カップ状成形部の先端に背圧力を荷重するリングノックと、このリングノックに、0.5〜20kg/mm2の背圧力を与え、リングノックが配設されている金型の主成形方向と相対的に逆方向にリングノックが可動するのに伴って与える背圧力が大きくなって、最終値が初期値の1.2〜2.2倍の背圧力を与える背圧力付与手段と、成形したユニバーサルジョイントヨークの素形材を金型から排出させるノックアウトピンと、金型が取り付けられる各金型ホルダーと、カップ状成形部を成形する金型と背圧力付与手段とを配設する受圧板とを含むユニバーサルジョイントヨークの鍛造用金型。
  7. カップ状形成部の底側にカップ状形成部側から山型形状のピンボス成形部が突出して対峙するユニバーサルジョイントヨークの素形材を鍛造するに用いる金型であって、ユニバーサルジョイントヨークの素形材を成形する閉塞な空間を形成する上金型、下金型と、カップ状成形部を成形する金型側に設けられ、カップ状成形部の先端に背圧力を荷重するリングノックと、このリングノックに、初期値が1.5〜25kg/mm 2 の背圧力を与え、続いて、初期値より低い値である0.5〜20kg/mm 2 の背圧力を保持しつつ与える背圧力付与手段と、成形したユニバーサルジョイントヨークの素形材を金型から排出させるノックアウトピンと、金型が取り付けられる各金型ホルダーと、カップ状成形部を成形する金型と背圧力付与手段とを配設する受圧板とを含む、ことを特徴とするユニバーサルジョイントヨークの鍛造用金型。
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