JP5536469B2 - 鍛造加工方法および鍛造加工装置 - Google Patents

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Description

この発明は、金型を用いてワークを成形するようにした鍛造加工方法および鍛造加工装置に関する。
型鍛造用の鍛造加工装置は、例えば下金型(ダイス)に設けられた成形穴内に、鍛造素材(ワーク)を設置しておいて、上金型(パンチ)を成形穴に打ち込むことにより、鍛造素材を加圧成形して鍛造加工品が製造されるようになっている。
鍛造加工には、熱間鍛造と、冷間鍛造とがある。非特許文献1に示すように、冷間鍛造は、生産性が高く、熱負荷による問題もない等の優れた利点を備えるものではある。
「塑性加工便覧 Handbook of tecnology of Plasticity」、社団法人 日本塑性加工学会、2006年5月26日、p.284−286
しかしながら、複雑な形状の製品を、単純に冷間鍛造によって製作しようとすると、加圧成形時に塑性流動する金属材料(メタル)が、金型の成形空間内に隅々まで行き渡らず、成形品の表面にヒケやダレ等と称される欠陥凹部が発生し、成形不良となってしまうという問題があった。
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、ヒケやダレ等の欠陥部のない高品質の鍛造加工品を得ることができ、特に冷間鍛造に適した鍛造加工方法および鍛造加工装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を備えるものである。
[1]金型を用いてワークを成形することによって、円筒形状の周胴部と、その周胴部における軸心方向の一方側を閉塞する閉塞部と、その閉塞部の外面に周方向に沿って設けられた肉盗み部と、前記閉塞部の外面における前記肉盗み部によって囲まれた部分に設けられた肉厚部と、前記周胴部における一方側の端縁外周に設けられたフランジ状部と、前記フランジ状部から前記周胴部における一方側の端部外周面にかけて設けられたリブとを備えた鍛造加工品を製造するようにした鍛造加工方法であって、
前記金型の成形空間内周面における前記フランジ状部の一方側を拘束する面をフランジ状部一方側拘束面とし、前記肉厚部の一方側を拘束する面を肉厚部一方側拘束面とし、前記リブの外側を拘束する面をリブ外側拘束面とし、前記周胴部における他方側の端縁を拘束する面を周胴部他端拘束面としたとき、
ワーク成形時に、塑性流動するワーク構成材料が、前記フランジ状部一方側拘束面に当たって拘束され、次いで、前記リブ外側拘束面に当たって拘束された後、前記周胴部他端拘束面に当たって拘束された以降に、前記肉厚部一方側拘束面に当たって拘束されるようにしたことを特徴とする鍛造加工方法。
[2]前記金型は、成形穴を有するダイスと、その成形穴に打ち込まれるパンチとを備え、
前記パンチとして、その押圧面に、前記フランジ状部一方側拘束面および前記肉厚部一方側拘束面が設けられるものが用いられるとともに、
前記ダイスとして、その成形穴の内周面に、前記リブ外側拘束面および前記周胴部他端拘束面が設けられるものが用いられる前項1に記載の鍛造加工方法。
[3]塑性流動するワーク構成材料が、前記周胴部他端拘束面に当たって拘束されるとほぼ同時に、前記肉厚部一方側拘束面に当たって拘束されるようにした前項1または2に記載の鍛造加工方法。
[4]塑性流動するワーク構成材料が前記周胴部他端拘束面に当接した時点から前記肉厚部一方側拘束面に当接した時点までの時間を「t」とし、パンチがワークに当接した時点からパンチの押込が完了した時点までの時間を「T」としたとき、
「t/T」×100を1.5%以下に調整するようにした前項1〜3のいずれか1項に記載の鍛造加工方法。
[5]ワークとして、円筒形状の周胴部と、その周胴部における一方側を閉塞する閉塞部と、その周胴部における一方側の端部外周に設けられた張出部とを備えた中間成形品が用いられる前項1〜4のいずれか1項に記載の鍛造加工方法。
[6]前記中間成形品における閉塞部の外面に、前記金型の前記肉厚部一方側拘束面に対応する凹部が形成される前項5に記載の鍛造加工装置。
[7]前記中間成形品における周胴部の軸心方向長さを「L11」とし、前記鍛造加工品における周胴部の軸心方向長さを「L21」としたとき、
「L11/L21」を0.8〜0.9に調整するようにした前項5または6に記載の鍛造加工方法。
[8]前記中間成形品を前記金型にセットした際に、前記中間成形品における前記閉塞部の内面と、前記金型の成形空間内周面との間に隙間が設けられるようにしておき、
その隙間寸法を「L3」とし、前記鍛造加工品における前記周胴部の軸心方向長さを「L21」としたとき、
「L3/L21」を0.3〜0.5に調整するようにした前項5〜7のいずれか1項に記載の鍛造加工方法。
[9]前記中間成形品におけ張出部の軸心方向長さを「L13」とし、前記鍛造加工品におけるリブの軸心方向長さを「L24」としたとき、
「L13/L24」を1.5〜2.0に調整するようにした前項5〜8のいずれか1項に記載の鍛造加工方法。
[10]冷間鍛造で行うようにした前項1〜9のいずれか1項に記載の鍛造加工方法。
[11]ワークとして、材質がアルミニウムまたはアルミニウム合金製のものを用いる前項1〜10のいずれか1項に記載の鍛造方法。
[12]鍛造素材を鍛造加工して1次成形品を得る1次成形工程と、前記1次成形品を鍛造加工して前記鍛造加工品を得る2次成形工程とを含む鍛造加工方法であって、
前記2次成形工程として、前項1〜11のいずれか1項に記載の鍛造加工方法を用いることを特徴とする鍛造加工方法。
[13]円筒形状の周胴部と、その周胴部における軸心方向の一方側を閉塞する閉塞部と、その閉塞部の外面に周方向に沿って設けられた肉盗み部と、前記閉塞部の外面における前記肉盗み部によって囲まれた部分に設けられた肉厚部と、前記周胴部における一方側の端縁外周に設けられたフランジ状部と、前記フランジ状部から前記周胴部における一方側の端部外周面にかけて設けられたリブとを備えた鍛造加工品を製造するための鍛造加工装置であって、
ワークを成形して前記鍛造加工品を形成するための金型を備え、
前記金型の成形空間内周面に、前記フランジ状部の一方側を拘束するためのフランジ状部一方側拘束面と、前記肉厚部の一方側を拘束するための肉厚部一方側拘束面と、前記リブの外側を拘束するためのリブ外側拘束面と、前記周胴部における他方側の端縁を拘束するための周胴部他端拘束面とが設けられ、
前記金型によりワークを成形する際に、塑性流動するワーク構成材料が、前記フランジ状部一方側拘束面に当たって拘束され、次いで、前記リブ外側拘束面に当たって拘束された後、前記周胴部他端拘束面に当たって拘束された以降に、前記肉厚部一方側拘束面に当たって拘束されるようにしたことを特徴とする鍛造加工装置。
発明[1]の鍛造加工方法によれば、塑性流動するワーク構成材料の流れ(メタルフロー)を制御するものであるため、ワーク構成材料としてのメタルが金型の成形空間内に隅々まで充填されて、ヒケやダレ等の欠陥凹部のない高品質の鍛造加工品を製造することができる。
発明[2]の鍛造加工方法によれば、高品質の鍛造加工品をより確実に製造することができる。
発明[3][4]の鍛造加工方法によれば、ヒケやダレの発生をより確実に抑えることができる。
発明[5][6]の鍛造加工方法によれば、高品質の鍛造加工品をより一層確実に製造することができる。
発明[7]〜[9]の鍛造加工方法によれば、ヒケやダレの発生をより一層確実に抑えることができる。
発明[10]の鍛造加工方法によれば、熱負荷による悪影響が小さく、温度管理も容易になって、生産性を向上させることができる。
発明[11]の鍛造加工方法によれば、アルミニウム製の鍛造加工品を確実に得ることができる。
発明[12]の鍛造加工方法によれば、上記と同様に、ヒケやダレ等の欠陥凹部のない高品質の鍛造加工品を製造することができる。
発明[13]の鍛造加工装置によれば、上記と同様に、ヒケやダレ等の欠陥凹部のない高品質の鍛造加工品を製造することができる。
図1はこの発明の実施形態である鍛造加工方法の作業手順を示すフローチャートである。 図2は実施形態で採用された鍛造素材を示す斜視図である。 図3は実施形態で採用された1次成形品を示す斜視図である。 図4は実施形態の1次成形品を示す断面図である。 図5は実施形態で採用された2次成形品(鍛造加工品)を示す斜視図である。 図6は実施形態の2次成形品を示す断面図である。 図7は実施形態で用いられた1次成形金型を示す断面図である。 図8は実施形態の1次成形金型を成形開始直後の状態で示す断面図である。 図9は実施形態で用いられた2次成形金型を示す断面図である。 図10は実施形態の2次成形金型を成形開始直後の状態で示す断面図である。 図11は実施形態の2次成形金型を成形途中の状態で示す断面図である。 図12は実施形態の2次成形金型をパンチ打込完了直後の状態で示す断面図である。 図13はこの発明の変形例のメタルフローを説明するための断面図である。 図14はこの発明の要旨を逸脱する対比例であるメタルフローを説明するための断面図である。 図15は図6の一点鎖線で囲まれる部分に相当する断面であって、鍛造加工品に形成される欠陥凹部を説明するための断面図である。
この発明の実施形態としての鍛造加工方法において、工程順序を概略的に説明すると、図1に示すように、ステップS1に示すように、連続鋳造棒を製品体積に合わせて切断して、鍛造素材を得る。
次にステップS2に示すように、切断した鍛造素材に対しO材処理を行う。O材処理においては、例えば鍛造素材を、焼きなまし炉にて、380℃で8時間加熱した後、炉中で14時間冷却して、素材温度を250℃まで低下させたところで取り出すものである。
続いて、ステップS3に示すように潤滑処理を行った後、後に詳述するように鍛造加工としての1次成形(1F成形:ステップS4)を行う。本実施形態においては、この1次成形は、成形荷重が250000〜350000N、パンチの温度が5〜180℃、ダイスの温度が5〜180℃、鍛造素材の温度が5〜40℃の冷間鍛造で行われる。
続いて、上記と同様に、O材処理(ステップS5)および潤滑処理(ステップS6)を行った後、後に詳述するように冷間鍛造加工としての2次成形(2F成形:ステップS7)を行う。本実施形態においては、この2次成形は、成形荷重が220000〜320000N、パンチの温度が5〜180℃、ダイスの温度が5〜180℃、鍛造素材の温度が5〜40℃の冷間鍛造で行われる。
こうして得られた鍛造加工品に対して、溶体化処理(ステップS8)を行う。溶体化処理においては、例えば540℃で3時間加熱して、水焼入れを行うものである。
続いて、時効処理(ステップS9)を行う。時効処理においては、180℃の温度下で5時間放置するものである。
これにより、鍛造加工が終了し、得られた鍛造加工品(鍛造製品)が次工程へと搬出される。なお、狭義には、1次成形(1F成形)、2次成形(2F成形)だけを鍛造加工と称する場合もある。
図2に示すように、本実施形態で用いられる鍛造素材W0は、短寸円柱形状ないし厚板円盤形状を有している。この鍛造素材W0の材質は、アルミニウムまたはアルミニウム合金が用いられる。中でも、A6061(アルミニウム合金)等の6000系合金を好適に用いることができる。
本発明において、鍛造素材W0としては、上記した鋳造部品の他に、押出成形品、鍛造部品、据込部品、機械加工品等を用いることができる。
なお言うまでもなく、鍛造素材W0は、上記の円柱形状に限られず、どのような形状のものを用いても良い。
図3,4に示すように、本実施形態で形成される中間成形品としての1次成形品W1は、一端(下端)が開放され、かつ他端(上端)が閉塞された略有底筒形状(有蓋筒形状)を有している。
具体的に1次成形品W1は、円筒形状の周胴部W11と、その周胴部W11の上端開口部(軸心方向の一方側)を閉塞する態様に形成された円形の閉塞部W12と、周胴部W11の上端部外周(一方側端部外周)に外側(外径方向)に突出する態様に形成されたテーパー状張出部W13とを一体に備えている。
テーパー状張出部W13は、閉塞部W12の外周面から周胴部W11の外周面上端部にかけて設けられ、下方に向かうに従って次第に外径寸法が小さくなるようにテーパー状に形成されている。さらにこのテーパー状張出部W13は、全周にわたって連続して形成されている。
また1次成形品W1における閉塞部W12の上面中央には、平面視円形の凹部W16が形成されている。なおこの凹部W16は、必要に応じて形成するものであり、必ずしも形成する必要はない。
図5,6に示すように、本実施形態で製造される鍛造加工品としての2次成形品W2は、自動車のサスペンション部品用素材として用いられるものである。このサスペンション部品用素材としての2次成形品W2は、一端(下端)が開放され、かつ他端(上端)が閉塞された略有底筒形状(有蓋筒形状)を有している。
具体的には、円筒形状の周胴部W21と、その周胴部W21における上端側(軸心方向の一方側)を閉塞する態様に形成された円形の閉塞部W22と、周胴部W21の上端縁(一方側端縁)の外周に外側(外径方向)に突出する態様に形成されたフランジ状部W23と、フランジ状部W23の下面側に設けられるリブW24と、閉塞部W22の上面(外面)に設けられる肉盗み部W25と、閉塞部W22の上端面(外面)中央に設けられる平面視円形の中央肉厚部W26とを一体に備えている。
フランジ状部W23は、全周にわたって連続して形成されている。
リブW24は、フランジ状部W23の下面から周胴部W21の上端部外周面(一方側端部外周面)にかけて設けられ、かつ周方向に所定の間隔おきに複数形成されている。さらにこのリブW24の外側面WBは、下側部がテーパー状に形成されており、テーパー状部の中間位置がテーパー状部中間位置WB1として構成されている。
また肉盗み部W25は、閉塞部W22の上面(外面)に周方向に沿って連続して形成された凹溝部によって構成されており、上面視においてリング状(環状)に形成されている。
また中央肉厚部W26は、閉塞部W22の上面(外面)側における肉盗み部W25により囲まれた部分によって構成されている。
なお本実施形態において、鍛造素材W0および1次成形品W1は、ワークを構成するものである。
次に本実施形態で用いられる鍛造加工装置を構成する鍛造加工用金型(ダイセット)について説明する。
本実施形態では、鍛造素材W0を1次成形品W1に成形(1F成形)するための1次成形金型と、1次成形品W1を2次成形品W2に成形(2F成形)するための2次成形金型とが用いられる。
図7,8に示すように、1次成形金型は、パンチ(上金型)1と、ダイス(下金型)2とを備えている。
ダイス2には、上方に向けて開放する成形穴20が設けられている。この成形穴20の内周面形状は、1次成形品W1の上端面を除いた外周形状に対応する形状に形成されている。すなわち成形穴20には、1次成形品W1の周胴部W11を成形するための周胴部成形凹部21と、閉塞部W12を成形するための閉塞部成形凹部22と、テーパー状張出部W13を成形するための張出部成形凹部23とが設けられている。
またダイス2の成形穴20における周胴部成形凹部21の底部には、上方に突出可能なノックアウトピン(図示省略)が設けられており、1次成形後において、そのノックアウトピンが上方へ突出することによって、1次成形品W1が突き上げられて成形穴20から上方に排出されるようになっている。
上下方向に沿って配置されるパンチ1は、その下端面(押圧面)が、1次成形品W1の上端面を成形するための成形面として構成されている。
このパンチ1の下端面中央には、1次成形品W1に円形凹部W16を成形するための円形凹部成形凸部16が形成される。なお言うまでもなく、1次成形品W1に円形凹部W16を形成しない場合には、円形凹部成形凸部16は不要となる。
このパンチ1は、軸心に沿って上下方向に昇降自在に支持されており、図示しない駆動手段によって昇降駆動するようになっている。さらにこのパンチ1は、上昇した状態(初期状態)では、ダイス2における成形穴20の上方に対応して配置され、その状態から上記の駆動手段の駆動によって降下すると、成形穴20内に打ち込まれるようになっている。
図9,10に示すように、2次成形金型は、パンチ(上金型)5と、ダイス(下金型)6とを備えている。
ダイス6には、上方に向けて開放する成形穴60が設けられている。この成形穴60の内周面形状は、2次成形品W2の上端面を除いた外周形状に対応する形状に形成されている。すなわち成形穴60には、2次成形品W2の周胴部W21を成形するための周胴部成形凹部61と、閉塞部W22を成形するための閉塞部成形凹部62と、フランジ状部W23を成形するためのフランジ状部成形凹部63と、リブW24を成形するためのリブ成形凹部64とが設けられている。
リブ成形凹部64の内周面には、リブW24の外側面WBを成形(拘束)するリブ外側拘束面Bが設けられるとともに、そのリブ外側拘束面Bには、リブW24のテーパー状部中間位置WB1に対応して、テーパー状部中間位置成形部B1が設けられている。
本実施形態において、周胴部成形凹部61の底面(奥面)は、2次成形品W2における周胴部W21の先端面を成形(拘束)する周胴部先端拘束面Aとして構成されている。
またダイス6の成形穴60における周胴部成形凹部61の底部には、上記1次成形用のダイス2と同様に、上方に突出可能なノックアウトピン(図示省略)が設けられており、2次成形後において、そのノックアウトピンが上方へ突出することによって、2次成形品W2が突き上げられて成形穴60から上方に排出されるようになっている。
上下方向に沿って配置されるパンチ5は、その下端面(押圧面)に、2次成形品W2における肉盗み部W25を成形するための肉盗み部成形凸部55が形成されている。この凸部55は、周方向に連続して設けられ、下面視でリング状に形成されている。
さらにパンチ5の下端面には、肉盗み部成形凸部55によって囲まれた部分に、中央肉厚部W26を成形するための肉厚部成形凹部56が形成されている。本実施形態において、肉厚部成形凹部56の底面(天井面)は、2次成形品W2における中央肉厚部W26の上面を成形(拘束)する肉厚部上側拘束面Cとして構成されている。
またパンチ5の下端面における肉盗み部成形凸部55の外側の部分は、2次成形品W2におけるフランジ状部W23の上面を成形(拘束)するフランジ状部上側拘束面Dとして構成されている。
このパンチ5は、軸心に沿って上下方向に昇降自在に支持されており、図示しない駆動手段によって昇降駆動するようになっている。さらにこのパンチ5は、上昇した状態(初期状態)では、ダイス6における成形穴60の上方に対応して配置され、その状態から上記の駆動手段の駆動によって降下すると、成形穴60内に打ち込まれるようになっている。
本実施形態においては、パンチ5をダイス6の成形穴60に打ち込んだ際に、パンチ5の押圧面(下端面)とダイス6の成形穴内周面とによって成形空間内周面が構成される。さらにその成形空間内周面によって囲まれる空間が、成形空間として構成される。
さらに本実施形態においては、周胴部先端拘束面Aによって、周胴部他端拘束面が構成され、肉厚部上側拘束面Cによって、肉厚部一方側拘束面が構成され、フランジ状部上側拘束面Dによって、フランジ状部一方側拘束面が構成されている。
次に本実施形態において、1次成形金型および2次成形金型を用いた1次成形および2次成形について説明する。
図8に示すように、1次成形金型において、パンチ1が上昇した状態で、ダイス2の成形穴20内に、鍛造素材W0が投入されて設置される。
その状態で、パンチ1が降下して、成形穴20内に打ち込まれる。そしてこのパンチ1によって鍛造素材W0が圧縮成形されて、鍛造素材W0を構成するメタル(金属材料、ワーク構成材料)が塑性流動して、成形穴20の各成形凹部21〜23内に充填される。これにより1次成形品W1が形成される。
こうして1次成形(1F成形)工程が終了すると、パンチ1が上昇した後、上記のノックアウトピンによって、成形穴20内の1次成形品W1が突き上げられて排出される。
次に図10に示すように、2次成形金型において、パンチ5が上昇した状態で、ダイス6の成形穴60内に、1次成形品W1が投入されて設置される。
その状態で、パンチ5が降下して、成形穴60内に打ち込まれる。そしてこのパンチ5によって1次成形品W1が押圧されて、1次成形品W1を構成するメタル(金属材料)が塑性流動して、各成形凹部61〜64および肉厚部成形凹部56に充填されて、2次成形品W2が形成されるようになっている。
ここで本実施形態においては、1次成形品W1を構成するメタルの塑性流動による流れ(メタルフロー)が以下のように制御されている。
すなわち図11に示すように、パンチ5が1次成形品W1に当たった直後において、パンチ5の肉盗み部成形凸部55によって、1次成形品W1の閉塞部W12の上面が押し込まれた際には、1次成形品W1を構成するメタルが、成形穴60のフランジ状部成形凹部63に充填される。これにより、メタルは、まず始めに、パンチ5の下端面におけるフランジ状部上側拘束面Dに当たって拘束される。
なおこの状態では、周胴部成形凹部61、リブ成形凹部64および肉厚部成形凹部56には、メタルが未だ十分に充填されておらず、メタルは、周胴部成形凹部61の周胴部先端拘束面A、リブ成形凹部64のリブ外側拘束面B、肉厚部成形凹部56の肉厚部上側拘束面Cによって拘束されていない。
続いてメタルが、フランジ状部成形凹部63に充填された後、その凹部63周辺のメタルは同図の矢符F1に示すように下向きに流動していき、リブ成形凹部64に充填される。これにより、メタルは、リブ成形凹部64の内周面におけるリブ外側拘束面Bに当たって拘束される。このとき、メタルは、リブ外側拘束面Bのテーパー状部中間位置成形部B1にも確実に充填される。
メタルによってリブ成形凹部64が充填された後、メタルは同図矢符F2に示すように、周胴部成形凹部61に沿って下方に流動するとともに、同図矢符F3に示すように、肉厚部成形凹部56に向けて中央に流動していく。そして、メタルは、周胴部成形凹部61に充填されるとほぼ同時に、肉厚部成形凹部56に充填される。これにより、メタルは、周胴部成形凹部61の周胴部先端拘束面Aに当たって拘束されるとともに、肉厚部成形凹部56の肉厚部上側拘束面Cに当たって拘束される。
この時点で図12に示すように、パンチ5の降下(打込)が完了する。こうして、各成形凹部61〜64,56内にメタルが充填されることによって、2次成形品W2が形成される。
その後、パンチ5が上昇し、上記のノックアウトピンによって、成形穴60内の2次成形品W2が突き出されて排出される。これにより、2次成形(2F成形)工程が終了する。
ところで、上記のような鍛造加工品(2次成形品)においては、場合によって、ヒケやダレ等と称される欠陥凹部(欠陥部)が形成されることがある。
図15に示すように、ヒケH1とは、2次成形品W2における肉盗み部W25の底部に発生するメタルが未充填の欠陥凹部のことである。またダレH2とは同図に示すように、2次成形品W2におけるリブW24の外側端面WBのテーパー状部中間位置WB1に発生するメタルが未充填の欠陥凹部のことである。
これに対し、本実施形態では、2次成形時に、上記したように1次成形品W1を構成するメタルを「フランジ状部上側拘束面D→リブ外側拘束面B→周胴部先端拘束面A=肉厚部上側拘束面C」の順序で当接させるように、メタルフローを制御しているため、ヒケH1やダレH2が発生するのを確実に防止することができる。なお、記号の「→」は時間が経過していることを示すものであり、「=」は時間の経過がほとんどなく、ほぼ同時であることを示している。
ここで仮に、メタルを「フランジ状部上側拘束面D→肉厚部上側拘束面C→リブ外側拘束面B→周胴部先端拘束面A」の順序で当接させるように、メタルフローを制御したような場合には、メタルが「フランジ状部上側拘束面D」に続いて「肉厚部上側拘束面C」に当接した後、図14に示すように、フランジ状部成形凹部63から周胴部成形凹部61に向かうメタルフローF1と、肉厚部成形凹部56から周胴部成形凹部61に向かうメタルフローF4とがぶつかり合って、合流したままの状態で下方に引き込まれていくため、メタルフローF1,F4の合流部にヒケH1(図15参照)が形成されてしまう。
また仮に、メタルを「フランジ状部上側拘束面D=肉厚部上側拘束面C→リブ外側拘束面B→周胴部先端拘束面A」の順序で当接させるように、メタルフローを制御したような場合においても、上記と同様に、メタルが「フランジ状部上側拘束面D」および「肉厚部上側拘束面C」に当接した後、上記と同様、図14に示すように、フランジ状部成形凹部63から周胴部成形凹部61に向かうメタルフローF4と、肉厚部成形凹部56から周胴部成形凹部61に向かうメタルフローF1とがぶつかり合って、合流したままの状態で下方に引き込まれていくため、メタルフローF4,F1の合流部にヒケH1(図15参照)が形成されてしまう。
さらにメタルを「肉厚部上側拘束面C→フランジ状部上側拘束面D→リブ外側拘束面B→周胴部先端拘束面A」の順序で当接させるように、メタルフローを制御したような場合においても、上記と同様に、メタルが「肉厚部上側拘束面C」に続けて「フランジ状部上側拘束面D」に当接した後、上記と同様、図14に示すように、フランジ状部成形凹部63から周胴部成形凹部61に向かうメタルフローF1と、肉厚部成形凹部56から周胴部成形凹部61に向かうメタルフローF4とがぶつかり合って、合流したままの状態で下方に引き込まれていくため、メタルフローF1,F4の合流部にヒケH1(図15参照)が発生してしまう。
このように肉厚部上側拘束面Cおよびフランジ状部上側拘束面Dにメタルが当接した後に、メタルが周胴部先端拘束面Aに当接していない場合(周胴部成形凹部61に未充填の場合)には、フランジ状部成形凹部63から周胴部成形凹部61に向かうメタルフローF1と、肉厚部成形凹部56から周胴部成形凹部61に向かうメタルフローF4とがぶつかり合って、その合流部にヒケH1が発生してしまう。換言すれば、メタルを周胴部先端拘束面Aよりも前に、肉厚部上側拘束面Cに当接させてしまうと、ヒケH1が発生してしまう。従って、ヒケH1の発生を防止するには、「周胴部先端拘束面A→肉厚部上側拘束面C」または「周胴部先端拘束面A=肉厚部上側拘束面C」の手順でメタルを当接させる必要がある。
またメタルを「フランジ状部上側拘束面D→周胴部先端拘束面A→肉厚部上側拘束面C→リブ外側拘束面B」の順序で当接させるように、メタルフローを制御した場合には、周胴部先端拘束面Aにメタルが当接された後は、下方向へのメタルフローが発生しないため、メタルがリブ成形凹部64の特にテーパー状部中間位置成形部B1に未充填となり、その部分に、ダレH2(図15参照)が形成されてしまう。
従って、ダレH2の発生を防止するには、「リブ外側拘束面B→周胴部先端拘束面A」の手順でメタルを当接させる必要がある。
これらのメタルフローと欠陥凹部発生状況との関係を総合的に判断すると、メタルを「フランジ状部上側拘束面D→リブ外側拘束面B→周胴部先端拘束面A=肉厚部上側拘束面C」の順序で、すなわちメタルをフランジ上側拘束面D、周胴部先端拘束面Aに順次当接させた後、図12に示すように周胴部先端拘束面Aおよび肉厚部上側拘束面Cに同時に当接させるか、または「フランジ状部上側拘束面D→リブ外側拘束面B→周胴部先端拘束面A→肉厚部上側拘束面C」の順序で、すなわちメタルをフランジ状部上側拘束面D、リブ外側拘束面Bおよび周胴部先端拘束面Aに当接させた後、図13の符号F3に示すように、肉厚部上側拘束面Cに当接させることによって、ヒケH1やダレH2の発生を有効に防止できることが判る。
中でも特に、本実施形態のように、「フランジ状部上側拘束面D→リブ外側拘束面B→周胴部先端拘束面A=肉厚部上側拘束面C」の順序でメタルフローを制御することによって、より一層高品質の2次成形品(鍛造加工品)W2を得ることができる。すなわち、周胴部先端拘束面Aおよび肉厚部上側拘束面Cに同時にメタルを当接させることにょって、周胴部成形凹部61および肉厚部成形凹部56内を同時にメタルによって充填させることができるため、肉厚部成形凹部56内に確実にメタルを充填させることができ、2次成形品W2の中央肉厚部W26に、ダレ等の発生をより確実に防止することができ、より一層高品質の鍛造加工品W2を得ることができる。
ここで本発明において、2次成形時に、メタルが周胴部先端拘束面Aに当接した時点から、メタルが肉厚部上側拘束面Cに当接した時点までの時間(最終段階のメタルフロー時間)を「t」とし、パンチ5が1次成形品W1に当接した時点からパンチ5の降下が完了した時点までの時間(加圧時間)を「T」としたとき、「Δt/T」×100が1.5%以下、特に1.2%以下の場合には、メタルが周胴部先端拘束面Aおよび肉厚部上側拘束面Cに同時(ほぼ同時)に当接したものとする。
ところで、本実施形態においては、1次成形品W1の周胴部W11の軸心方向長さ(閉塞部W12の下面から周胴部W11の先端までの長さ)を「L11」とし、2次成形品W2の周胴部W21の軸心方向長さ(閉塞部W22の下面から周胴部W21の先端までの長さ)を「L21」としたとき、「L11/L21」=0.8〜0.9、より好ましくは0.83〜0.87に設定するのが良い。すなわちこの値「L11/L21」が小さ過ぎる場合には、下方向へのメタルフローが多くなり過ぎて、ヒケH1が発生するおそれがある。逆に「L11/L21」が大き過ぎる場合には、下方向へのメタルフローが不十分となり、リブW24にダレH2が発生するおそれがある。
さらに本実施形態においては、図10に示すように、2次成形ダイス6の成形穴60に、1次成形品W1を投入した状態で、1次成形品W1における閉塞部W12の下面(天井面、内面)から、成形穴60における閉塞部成形凹部62の底面までの軸心方向の距離(投入状態での隙間寸法)を「L3」とし、2次成形品W2の周胴部の軸心方向長さを「L21」としたとき、「L3/L21」=0.3〜0.5、より好ましくは0.35〜0.45に設定するのが良い。すなわちこの値「L12/L21」が小さ過ぎたり、大き過ぎたりする場合には、2次成形において、閉塞部成形凹部62内へのメタルの充填が早くなり過ぎたり、遅くなり過ぎたりして、上記した本発明特有のメタルフロー制御を行うことが困難になるおそれがある。
さらに本実施形態においては、1次成形品W1におけるテーパー状張出部W13の軸心方向長さを「L13」とし、2次成形品W2におけるリブW24の軸心方向長さを「L24」としたとき、「L13/L24」が1.5以上、より好ましくは1.7以上に設定するのが良い。すなわちこの値「L13/L24」が小さ過ぎる場合には、リブW24を形成するだけのメタルがなく、ダレH2が形成されるおそれがある。
以上のように、本実施形態の鍛造加工品W2の製造方法(鍛造加工方法)によれば、ヒケH1やダレH2等の欠陥凹部のない高品質の鍛造加工品W2を確実に製造することができる。
また本実施形態では、1次成形品W1における閉塞部W12の外面に円形凹部W16を形成しているため、その1次成形品W1を2次成形する際に、1次成形品W1を構成するメタルが、2次成形用金型の肉厚部上側拘束面Cに当たって拘束されるまでの時間を調整することができ、上記本実施形態特有のメタルフローを確実に実現させることができ、より一層高品質の鍛造加工品W2を製造することができる。
さらに本実施形態の鍛造加工方法は、冷間鍛造によるものであるため、熱負荷による悪影響がなく、また温度管理も容易になって、生産性を向上させることができる。
Figure 0005536469
<実施例1>
上記実施形態に準拠して、1次成形および2次成形を行ったて2次成形品(鍛造加工品)W2を製造した。
このとき、鍛造素材W0としては、材質がA6061(アルミニウム合金)のものを用いた。
また表1に示すように、1次成形品W1の周胴部長さを「L11」、1次成形品W1の張出部長さを「L13」、2次成形品W2の周胴部長さを「L21」、2次成形品W2のリブ長さを「L24」、2次成形金型におけるダイス6の成形穴60に、1次成形品W1を設置した際の浮き寸法(投入状態での隙間)を「L3」としたとき、「L11/L21」が0.87、「L3/L21」が0.4、「L13/L24」が1.7に設定されるように、1次および2次成形金型を構成した。
さらに2次成形においては、メタルが「フランジ状部上側拘束面D→リブ外側拘束面B→周胴部先端拘束面A=(→)肉厚部上側拘束面C」の順序で当接するように、メタルフローを制御した。
なおこの2次成形時において、メタルが周胴部先端拘束面Aに当接した時点から、メタルが肉厚部上側拘束面Cに当接した時点までの時間(最終段階のメタルフロー時間)を「t」とし、パンチ5が1次成形品W1に当接した時点からパンチ5の降下が完了した時点までの時間(加圧時間)を「T」としたとき、「Δt/T」×100は、0.8%であったので、メタルは実質的に周胴部先端拘束面Aと肉厚部上側拘束面Cとに同時に当接したとみなした。
また本実施例1において、1次成形品W1には、閉塞部W12の上面に円形凹部W16を形成するようにした。
こうして得られた2次成形品(鍛造加工品)W2に対し、目視にて観察したところ、ヒケやダレ等の欠陥部は形成されていなかった。
<実施例2>
表1に示すように「L11/L21」が0.85に設定されるように、1次および2次成形金型を構成した以外は、上記実施例1と同様にして、2次成形品W2を製造した。このとき、加圧時間Tに対する最終段階のメタルフロー時間tの比率(Δt/T)×100は、1.0%であったので、メタルは実質的に周胴部先端拘束面Aと肉厚部上側拘束面Cとに同時に当接したとみなした。
こうして得られた2次成形品W2には、ヒケやダレ等の欠陥部は見あたらなかった。
<実施例3>
表1に示すように「L11/L21」が0.83に設定されるように、1次および2次成形金型を構成した以外は、上記実施例1と同様にして、2次成形品W2を製造した。このとき、加圧時間Tに対する最終段階のメタルフロー時間tの比率(Δt/T)×100は、1.2%であったので、メタルは実質的に周胴部先端拘束面Aと肉厚部上側拘束面Cとに同時に当接したとみなした。
こうして得られた2次成形品W2には、ヒケやダレ等の欠陥部は見あたらなかった。
<比較例1>
表1に示すように「L11/L21」が0.63、「L3/L21」が0.2、「L13/L24」が1.2に設定されるように、1次および2次成形金型を構成した。さらに2次成形において、メタルが「フランジ状部上側拘束面D→肉厚部上側拘束面C→リブ外側拘束面B→周胴部先端拘束面A」の順序で当接するように、メタルフローを制御した。また1次成形品W1として、閉塞部上面に円形凹部が形成されない平らなものを使用した。
これ以外は、上記実施例1と同様にして、2次成形品W2を製造した。
こうして得られた2次成形品W2には、ダレはなかったものの、ヒケの発生が確認された。
<比較例2>
表1に示すように「L11/L21」が0.78に設定されるように構成し、2次成形において、メタルが「フランジ状部上側拘束面D→肉厚部上側拘束面C→リブ外側拘束面B→周胴部先端拘束面A」の順序で当接するように制御した。これ以外は、上記比較例1と同様にして、2次成形品W2を製造した。
こうして得られた2次成形品W2には、ダレはなかったものの、ヒケの発生が確認された。
<比較例3>
表1に示すように「L11/L21」が0.83に設定されるように構成し、2次成形において、メタルが「フランジ状部上側拘束面D→肉厚部上側拘束面C→リブ外側拘束面B→周胴部先端拘束面A」の順序で当接するように制御した。これ以外は、上記比較例1と同様にして、2次成形品W2を製造した。
こうして得られた2次成形品W2には、ダレはなかったものの、ヒケの発生が確認された。
<比較例4>
表1に示すように「L11/L21」が0.89に設定されるように構成し、2次成形において、メタルが「フランジ状部上側拘束面D→肉厚部上側拘束面C→リブ外側拘束面B→周胴部先端拘束面A」の順序で当接するように制御した。これ以外は、上記比較例1と同様にして、2次成形品W2を製造した。
こうして得られた2次成形品W2には、ヒケおよびダレの発生が確認された。
<比較例5>
表1に示すように「L11/L21」が0.92に設定されるように構成し、2次成形において、メタルが「フランジ状部上側拘束面D→肉厚部上側拘束面C→周胴部先端拘束面A→リブ外側拘束面B」の順序で当接するように制御した。これ以外は、上記比較例1と同様にして、2次成形品W2を製造した。
こうして得られた2次成形品W2には、ヒケはなかったものの、ダレの発生が確認された。
<比較例6>
表1に示すように「L11/L21」が0.93、「L3/L21」が0.33に設定されるように構成し、2次成形において、メタルが「フランジ状部上側拘束面D→肉厚部上側拘束面C→周胴部先端拘束面A→リブ外側拘束面B」の順序で当接するように制御した。これ以外は、上記比較例1と同様にして、2次成形品W2を製造した。
こうして得られた2次成形品W2には、ヒケはなかったものの、ダレの発生が確認された。
<比較例7>
表1に示すように「L11/L21」が0.98に設定されるように構成し、2次成形において、メタルが「フランジ状部上側拘束面D→肉厚部上側拘束面C→周胴部先端拘束面A→リブ外側拘束面B」の順序で当接するように制御した。これ以外は、上記比較例6と同様にして、2次成形品W2を製造した。
こうして得られた2次成形品W2には、ヒケはなかったものの、ダレの発生が確認された。
<比較例8>
表1に示すように「L11/L21」が0.91に設定されるように構成し、2次成形において、メタルが「フランジ状部上側拘束面D→肉厚部上側拘束面C→周胴部先端拘束面A→リブ外側拘束面B」の順序で当接するように制御した。さらに1次成形品W1として、閉塞部上面に円形凹部が形成されたものを使用した。これ以外は、上記比較例6と同様にして、2次成形品W2を製造した。
こうして得られた2次成形品W2には、ヒケはなかったものの、ダレの発生が確認された。
<比較例9>
表1に示すように「L11/L21」が0.87、「L3/L21」が0.25、「L13/L24」が1.7に設定されるように、1次および2次成形金型を構成した。さらに2次成形において、メタルが「フランジ状部上側拘束面D→肉厚部上側拘束面C→周胴部先端拘束面A→リブ外側拘束面B」の順序で当接するように、メタルフローを制御した。これ以外は、上記比較例8と同様にして、2次成形品W2を製造した。
こうして得られた2次成形品W2には、ヒケはなかったものの、ダレの発生が確認された。
<比較例10>
表1に示すように「L11/L21」が0.85に設定されるように構成し、さらに2次成形において、メタルが「フランジ状部上側拘束面D→肉厚部上側拘束面C→周胴部先端拘束面A→リブ外側拘束面B」の順序で当接するように制御した。これ以外は、上記比較例9と同様にして、2次成形品W2を製造した。
こうして得られた2次成形品W2には、ヒケはなかったものの、ダレの発生が確認された。
この発明の鍛造加工方法は、金型を用いてワークを鍛造加工するようにした型鍛造技術に適用可能である。
5:パンチ
6:ダイス
7:成形穴
62:閉塞部成形凹部
A:周胴部先端拘束面(周胴部他端拘束面)
B:リブ外側拘束面
C:肉厚部上側拘束面(肉厚部一方側拘束面)
D:フランジ状部上側拘束面(フランジ状部一方側拘束面)
W0:鍛造素材(ワーク)
W1:1次成形品(ワーク)
W11:周胴部
W12:閉塞部
W13:テーパー状張出部
W16:円形凹部
WB:外側面
W21:周胴部
W22:閉塞部
W23:フランジ状部
W24:リブ
W25:肉盗み部
W26:中央肉厚部

Claims (13)

  1. 金型を用いてワークを成形することによって、円筒形状の周胴部と、その周胴部における軸心方向の一方側を閉塞する閉塞部と、その閉塞部の外面に周方向に沿って設けられた肉盗み部と、前記閉塞部の外面における前記肉盗み部によって囲まれた部分に設けられた肉厚部と、前記周胴部における一方側の端縁外周に設けられたフランジ状部と、前記フランジ状部から前記周胴部における一方側の端部外周面にかけて設けられたリブとを備えた鍛造加工品を製造するようにした鍛造加工方法であって、
    前記金型の成形空間内周面における前記フランジ状部の一方側を拘束する面をフランジ状部一方側拘束面とし、前記肉厚部の一方側を拘束する面を肉厚部一方側拘束面とし、前記リブの外側を拘束する面をリブ外側拘束面とし、前記周胴部における他方側の端縁を拘束する面を周胴部他端拘束面としたとき、
    ワーク成形時に、塑性流動するワーク構成材料が、前記フランジ状部一方側拘束面に当たって拘束され、次いで、前記リブ外側拘束面に当たって拘束された後、前記周胴部他端拘束面に当たって拘束された以降に、前記肉厚部一方側拘束面に当たって拘束されるようにしたことを特徴とする鍛造加工方法。
  2. 前記金型は、成形穴を有するダイスと、その成形穴に打ち込まれるパンチとを備え、
    前記パンチとして、その押圧面に、前記フランジ状部一方側拘束面および前記肉厚部一方側拘束面が設けられるものが用いられるとともに、
    前記ダイスとして、その成形穴の内周面に、前記リブ外側拘束面および前記周胴部他端拘束面が設けられるものが用いられる請求項1に記載の鍛造加工方法。
  3. 塑性流動するワーク構成材料が、前記周胴部他端拘束面に当たって拘束されるとほぼ同時に、前記肉厚部一方側拘束面に当たって拘束されるようにした請求項1または2に記載の鍛造加工方法。
  4. 塑性流動するワーク構成材料が前記周胴部他端拘束面に当接した時点から前記肉厚部一方側拘束面に当接した時点までの時間を「t」とし、パンチがワークに当接した時点からパンチの押込が完了した時点までの時間を「T」としたとき、
    「t/T」×100を1.5%以下に調整するようにした請求項1〜3のいずれか1項に記載の鍛造加工方法。
  5. ワークとして、円筒形状の周胴部と、その周胴部における一方側を閉塞する閉塞部と、その周胴部における一方側の端部外周に設けられた張出部とを備えた中間成形品が用いられる請求項1〜4のいずれか1項に記載の鍛造加工方法。
  6. 前記中間成形品における閉塞部の外面に、前記金型の前記肉厚部一方側拘束面に対応する凹部が形成される請求項5に記載の鍛造加工方法
  7. 前記中間成形品における周胴部の軸心方向長さを「L11」とし、前記鍛造加工品における周胴部の軸心方向長さを「L21」としたとき、
    「L11/L21」を0.8〜0.9に調整するようにした請求項5または6に記載の鍛造加工方法。
  8. 前記中間成形品を前記金型にセットした際に、前記中間成形品における前記閉塞部の内面と、前記金型の成形空間内周面との間に隙間が設けられるようにしておき、
    その隙間寸法を「L3」とし、前記鍛造加工品における前記周胴部の軸心方向長さを「L21」としたとき、
    「L3/L21」を0.3〜0.5に調整するようにした請求項5〜7のいずれか1項に記載の鍛造加工方法。
  9. 前記中間成形品におけ張出部の軸心方向長さを「L13」とし、前記鍛造加工品におけるリブの軸心方向長さを「L24」としたとき、
    「L13/L24」を1.5〜2.0に調整するようにした請求項5〜8のいずれか1項に記載の鍛造加工方法。
  10. 冷間鍛造で行うようにした請求項1〜9のいずれか1項に記載の鍛造加工方法。
  11. ワークとして、材質がアルミニウムまたはアルミニウム合金製のものを用いる請求項1〜10のいずれか1項に記載の鍛造加工方法。
  12. 鍛造素材を鍛造加工して1次成形品を得る1次成形工程と、前記1次成形品を鍛造加工して前記鍛造加工品を得る2次成形工程とを含む鍛造加工方法であって、
    前記2次成形工程として、請求項1〜11のいずれか1項に記載の鍛造加工方法を用いることを特徴とする鍛造加工方法。
  13. 円筒形状の周胴部と、その周胴部における軸心方向の一方側を閉塞する閉塞部と、その閉塞部の外面に周方向に沿って設けられた肉盗み部と、前記閉塞部の外面における前記肉盗み部によって囲まれた部分に設けられた肉厚部と、前記周胴部における一方側の端縁外周に設けられたフランジ状部と、前記フランジ状部から前記周胴部における一方側の端部外周面にかけて設けられたリブとを備えた鍛造加工品を製造するための鍛造加工装置であって、
    ワークを成形して前記鍛造加工品を形成するための金型を備え、
    前記金型の成形空間内周面に、前記フランジ状部の一方側を拘束するためのフランジ状部一方側拘束面と、前記肉厚部の一方側を拘束するための肉厚部一方側拘束面と、前記リブの外側を拘束するためのリブ外側拘束面と、前記周胴部における他方側の端縁を拘束するための周胴部他端拘束面とが設けられ、
    前記金型によりワークを成形する際に、塑性流動するワーク構成材料が、前記フランジ状部一方側拘束面に当たって拘束され、次いで、前記リブ外側拘束面に当たって拘束された後、前記周胴部他端拘束面に当たって拘束された以降に、前記肉厚部一方側拘束面に当たって拘束されるようにしたことを特徴とする鍛造加工装置。
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