JP2012228792A - 印刷装置、印刷方法及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】光硬化性インクを吐出して画像を媒体に形成したときに、エッジ近傍が他の部分よりも特に盛り上がり(厚盛り現象)、印刷画像が実際よりも厚く知覚されてしまう(厚盛り感)。
【解決手段】本発明の印刷装置は、光を照射すると硬化する光硬化性インクを媒体に吐出するインク吐出用ノズルと、前記光硬化性インクの濡れ性を向上させる性質を有する表面活性剤を吐出する表面活性剤用ノズルと、前記媒体に着弾した前記光硬化性インクに前記光を照射する照射部と、を備え、前記光硬化性インクを塗布することによって前記媒体に画像を印刷する際に、前記光硬化性インクの塗布範囲の周囲に前記表面活性剤を塗布するように、前記表面活性剤用ノズルから前記表面活性剤を前記媒体に吐出する処理と、前記光硬化性インクを前記媒体に吐出する処理と、前記照射部から前記光を照射して、前記光硬化性インクを硬化させる処理とを行うことを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、印刷装置、印刷方法及びプログラムに関する。
光(例えば、紫外光(UV)や可視光など)の照射によって硬化する光硬化性インク(例えば、UVインク)を吐出する印刷装置が知られている。このような印刷装置では、ノズルから媒体にUVインクを吐出した後、媒体に形成されたドットに光を照射する。これにより、ドットが硬化して媒体に定着する(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−158793号公報
光硬化性インクは媒体に浸透しにくいため、光硬化性インクを用いて画像を印刷すると、例えば浸透性インク(例えば水性インク)を用いて画像を印刷した場合と比べて、印刷画像を構成するドットが盛り上がって形成される。
更に、本願の発明者は、光硬化性インクを用いてインクジェット方式にて画像を印刷した場合、印刷画像のエッジ近傍が他の部分よりも特に盛り上がる現象(厚盛り現象)を発見した。そして、厚盛り現象に起因して、印刷画像の一部のみで光が正反射された状態で印刷画像が視認されると、印刷画像が立体的に見えてしまい、印刷画像が実際よりも厚く知覚されて、印刷画像の画質を悪化させる原因になることを発見した。
そこで、本発明は、光硬化性インクを用いてインクジェット方式にて印刷される画像の画質向上を目的とする。
上記の目的を達成するための主たる発明は、光を照射すると硬化する光硬化性インクを媒体に吐出するインク吐出用ノズルと、前記光硬化性インクの濡れ性を向上させる性質を有する表面活性剤を吐出する表面活性剤用ノズルと、前記媒体に着弾した前記光硬化性インクに前記光を照射する照射部と、を備え、前記光硬化性インクを塗布することによって前記媒体に画像を印刷する際に、前記光硬化性インクの塗布範囲の周囲に前記表面活性剤を塗布するように、前記表面活性剤用ノズルから前記表面活性剤を前記媒体に吐出する処理と、前記光硬化性インクを前記媒体に吐出する処理と、前記照射部から前記光を照射して、前記光硬化性インクを硬化させる処理とを行うことを特徴とする印刷装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
図1Aは、UVインクを用いて画像を媒体に印刷したときの印刷画像の説明図である。図1Bは、図1Aの点線で示す領域(エッジ近傍)の厚さの測定値のグラフである。 図2Aは、図1Aの印刷画像を上から見た図である。図2Bは、図2Aの印刷画像の一部で光が正反射したときの様子の説明図である。 図3A〜図3Cは、本実施形態の概要の説明図である。図3Aは、界面活性剤の塗布範囲の説明図である。図3Bは、印刷画像の説明図であり、UVインクの塗布範囲の説明図である。図3Cは、界面活性剤によるドット形成の様子の説明図である。 図4は、プリンター1の全体構成のブロック図である。 図5は、プリンター1の全体構成の説明図である。 図6は、テストパターンの説明図である。 図7は、コンピューター110のプリンタードライバーの機能の説明図である。 図8は、図7の前処理画像生成処理のフロー図である。 図9A〜図9Cは、画像データの説明図である。図9Aは、ハーフトーン処理後の画像データの説明図であり、UVインク吐出用の画像データの説明図である。図9Bは、エッジ画素の説明図である。図9Cは、前処理用の画像データである。 図10は、別のテストパターンの説明図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
光を照射すると硬化する光硬化性インクを媒体に吐出するインク吐出用ノズルと、前記光硬化性インクの濡れ性を向上させる性質を有する表面活性剤を吐出する表面活性剤用ノズルと、前記媒体に着弾した前記光硬化性インクに前記光を照射する照射部と、を備え、前記光硬化性インクを塗布することによって前記媒体に画像を印刷する際に、前記光硬化性インクの塗布範囲の周囲に前記表面活性剤を塗布するように、前記表面活性剤用ノズルから前記表面活性剤を前記媒体に吐出する処理と、前記光硬化性インクを前記媒体に吐出する処理と、前記照射部から前記光を照射して、前記光硬化性インクを硬化させる処理とを行うことを特徴とする印刷装置が明らかとなる。
このような印刷装置によれば、光硬化性インクを用いてインクジェット方式にて印刷される画像の画質を向上させることができる。
前記画像の線幅に応じて、前記表面活性剤の塗布範囲が決定されることが望ましい。線幅に応じて厚盛り現象が異なるため、表面活性剤の適した塗布範囲も、画像の線幅に応じて異なるからである。
前記線幅に応じて、前記表面活性剤の塗布範囲の幅が決定されることが望ましい。表面活性剤の塗布範囲の適した幅も、画像の線幅に応じて異なるからである。
前記媒体にテストパターンが印刷され、テストパターンの検査結果に応じて前記表面活性剤の塗布範囲が決定されることが望ましい。これにより、表面活性剤の適した塗布範囲を決定することができる。
インク受容層を持たない媒体に前記画像を印刷することが望ましい。このようなインク吸収性の無い媒体に対して、光硬化性インクを用いてインクジェット方式にて画像を印刷する場合に、特に有効である。
光を照射すると硬化する光硬化性インクを媒体に吐出するインク吐出用ノズルと、前記光硬化性インクの濡れ性を向上させる性質を有する表面活性剤を吐出する表面活性剤用ノズルと、前記媒体に着弾した前記光硬化性インクに前記光を照射する照射部と、を用いた印刷方法であって、前記光硬化性インクを塗布することによって前記媒体に画像を印刷する際に、前記光硬化性インクの塗布範囲の周囲に前記表面活性剤を塗布するように、前記表面活性剤用ノズルから前記表面活性剤を前記媒体に吐出する処理と、前記光硬化性インクを前記媒体に吐出する処理と、前記照射部から前記光を照射して、前記光硬化性インクを硬化させる処理とを行うことを特徴とする印刷方法が明らかとなる。
このような印刷方法によれば、光硬化性インクを用いてインクジェット方式にて印刷される画像の画質を向上させることができる。
光を照射すると硬化する光硬化性インクを媒体に吐出するインク吐出用ノズルと、前記光硬化性インクの濡れ性を向上させる性質を有する表面活性剤を吐出する表面活性剤用ノズルと、前記媒体に着弾した前記光硬化性インクに前記光を照射する照射部と、を備えた印刷装置に、前記光硬化性インクを塗布することによって前記媒体に画像を印刷する際に、前記光硬化性インクの塗布範囲の周囲に前記表面活性剤を塗布するように、前記表面活性剤用ノズルから前記表面活性剤を前記媒体に吐出する処理と、前記光硬化性インクを前記媒体に吐出する処理と、前記照射部から前記光を照射して、前記光硬化性インクを硬化させる処理とを実行させることを特徴とするプログラムが明らかとなる。
このようなプログラムによれば、光硬化性インクを用いてインクジェット方式にて印刷される画像の画質を向上させることができる。
===概要===
<厚盛り現象・厚盛り感について>
プラスチックフィルム等のような媒体はインクを吸収しにくい性質を有するため、このような媒体にインクジェット方式によって印刷を行う際に、光硬化性インクとしてUVインクが用いられることがある。UVインクは、紫外線が照射されると硬化する性質を有するインクである。UVインクを硬化させてドットを形成することによって、インク受容層を持たずインク吸収性の無い媒体に対しても印刷を行うことができる。
但し、UVインクで形成されたドットは媒体の表面で隆起しているため、UVインクを用いて媒体に印刷画像を形成すると、媒体表面に凹凸ができる。そして、印刷画像が塗り潰すような画像である場合には、印刷画像が厚みを有することになる。
図1Aは、UVインクを用いて画像を媒体に印刷したときの印刷画像の説明図である。
UVインクは媒体に浸透しにくいため、UVインクを用いて画像を印刷すると、ドットが盛り上がって形成される。塗り潰すような画像(塗り潰し画像)を印刷すると、UVインクで形成されたドットが所定の領域を埋め尽くすため、厚みのある印刷画像が媒体上に形成されることになる。例えば、媒体に文字を印刷する場合、厚みのある文字画像(塗り潰し画像の一例)が媒体上に形成されることになる。UVインクを用いて印刷された印刷画像の厚さは、数μm程度になる。
図1Bは、図1Aの点線で示す領域(エッジ近傍)の厚さの測定値のグラフである。グラフの横軸は媒体の位置を示し、縦軸はドットの高さ(印刷画像の厚さ)を示している。なお、印刷画像は、インク重量を10ngとしてドットを形成し、720×720dpiの印刷解像度で塗り潰した画像である。印刷画像の厚さは、ミツトヨ社製のノンストップCNC画像測定機Quick Vision Stream plusを用いて測定した。図に示すように、この印刷画像は、5μmほどの厚さである。
グラフ中の位置Xは、印刷画像の最も外側の位置を示している。言い換えると、位置Xは、印刷画像のエッジ(輪郭)の位置を示している。また、グラフ中の位置Aは、印刷画像のエッジ近傍における最厚位置(最も高い位置)を示している。言い換えると、位置Aは、印刷画像のエッジ近傍における突出部分の位置を示している。
位置Aは、位置Xから約200μmほど内側に位置している。位置Xから位置Aまでの間(グラフ中の領域B)では、印刷画像の内側ほど徐々に印刷画像が厚くなるように傾斜している。グラフでは縦と横のスケールが一致していないが、実際には、グラフ中の領域Bでは、3°未満の角度で傾斜している。また、位置Aよりも印刷画像の内側の領域(グラフ中の領域C)では、内側ほど徐々に印刷画像が薄くなり、厚さが5μm程度に達するとほぼ一様な厚さになる。
本件明細書では、グラフ中の位置Aのように、エッジ近傍が他の部分よりも特に盛り上がる現象のことを「厚盛り現象」と呼ぶ。この厚盛り現象は、UVインクを用いてインクジェット方式にて画像を印刷したときに生じる特有の現象である。
厚盛り現象が生じるメカニズムは明らかではないが、およそ次のように考えられている。UVインクは、浸透性インクと比べて粘度が高いものの、インクジェット方式でノズルから吐出できる程度の流動性を有している(このように、ノズルから吐出できる程度の流動性が必要とされる点は、製版印刷で用いられるインキとは異なる特有の性質である)。UVインクは、媒体に着弾した後も、紫外線が照射されて完全に硬化するまでの間は流動性がある。この着弾後の流動性の影響により、印刷画像のエッジ近傍において厚盛り現象が生じていると考えられている。
図2Aは、図1Aの印刷画像を上から見た図である。図2Bは、図2Aの印刷画像の一部で光が正反射したときの様子の説明図である。図2Bでは、印刷画像の内側で光って視認される部分を白く示している。
印刷画像の中央部分では、厚さがほぼ一様になっているため、一様な光沢性が得られる。但し、印刷画像のエッジ近傍では、厚さが一様ではないため、一様な光沢性は得られない。
エッジ近傍では、厚盛り現象のため、印刷画像は一様な厚さにはならず、印刷画像のエッジ(輪郭)よりも内側に、エッジに沿った突出部分が形成される。この結果、光の反射角次第によって、図2Bに示すように、印刷画像の一部がエッジに沿って光って視認されることがある。観察者の目、光源及び印刷画像の位置関係・角度によって、図1Bの傾斜領域で正反射した光が観察者の目に入り、図2Bに示すように印刷画像が視認されるのである。
図2Bに示すように、エッジに沿って印刷画像の一部が光って見えると、印刷画像全体が立体的に知覚されてしまう。喩えると、コンピュータ・グラフィックスで3次元物体をディスプレイ上で2次元画像として物体の一部の輝度を明るく表示したときのように(例えば光線追跡法により3次元物体を2次元画像として表示したときのように)、印刷画像が立体的に知覚されてしまう。この結果、実際には5μmほどの厚さであるにも関わらず、印刷画像の観察者には、それ以上に厚く知覚されてしまうことになる。
本明細書では、厚盛り現象のために印刷画像が実際よりも厚く知覚されることを「厚盛り感」と呼ぶ。「厚盛り感」という課題は、UVインクを用いてインクジェット方式にて画像を印刷したときに生じる特有の課題である。
なお、通常の製版印刷(フレキソ印刷やオフセット印刷など)による印刷画像は、UVインクを用いた印刷画像と比べると、厚さがほとんど無い。このため、通常の製版印刷による印刷画像では、「厚盛り現象」は生じず、「厚盛り感」という課題も生じない。また、媒体にインクを浸透させて印刷した印刷画像も、印刷画像の厚さはほとんど無い。このため、媒体にインクを浸透させて印刷した印刷画像でも、「厚盛り現象」は生じず、「厚盛り感」という課題も生じない。このように、厚盛り現象や厚盛り感は、UVインクを用いてインクジェット方式にて画像を印刷したときに生じる特有の現象・課題なのである。
<本実施形態の概要>
図3A〜図3Cは、本実施形態の概要の説明図である。図3Aは、界面活性剤の塗布範囲の説明図である。図3Bは、印刷画像の説明図であり、UVインクの塗布範囲の説明図である。図3Cは、界面活性剤によるドット形成の様子の説明図である。
本実施形態では、印刷画像の周囲に界面活性剤(表面活性剤)を塗布する。言い換えると、本実施形態では、印刷画像のエッジに沿って、界面活性剤を塗布する。これにより、印刷画像の周囲において、UVインクが濡れ広がり易くなり、印刷画像の周囲でのUVインクの凝集が抑制される。この結果、本実施形態では、厚盛り現象を抑制することができる。
なお、図3Cでは、界面活性剤の塗布範囲の幅を3画素としている。また、印刷画像のエッジに対する界面活性剤の塗布範囲のはみ出し量を1画素としている。塗布範囲の幅やはみ出し量は、この値に限られるものではない。また、界面活性剤の塗布範囲のはみ出し量がマイナスの値になることもある。はみ出し量がマイナスの場合、界面活性剤の塗布範囲は、印刷画像の内側に位置することになる。このため、「印刷画像の周囲」とは、印刷画像の外周に限定されるものではなく、また、印刷画像の内周に限定されるものでもなく、印刷画像の外周及び内周の少なくともいずれか一方を意味する。界面活性剤の塗布範囲の幅やはみ出し量は、後述する検査工程によって、適した値に決定される。
===基本的な構成===
まず、印刷装置の基本的な構成について説明する。なお、本実施形態の「印刷装置」は、界面活性剤を塗布しつつ媒体に画像を印刷するための装置である。例えば、以下に説明するプリンター1と、プリンタードライバーをインストールしたコンピューター110とから構成される装置(システム)は、印刷装置に該当する。そして、プリンター1のコントローラー10とコンピューター110は、印刷装置を制御するための制御部を構成している。
図4は、プリンター1の全体構成のブロック図である。図5は、プリンター1の全体構成の説明図である。本実施形態のプリンター1は、いわゆるラインプリンターである。但し、プリンター1は、ラインプリンターではなく、いわゆるシリアルプリンター(紙幅方向に移動可能なキャリッジにヘッドが搭載されているプリンター)でも良い。
プリンター1は、コントローラー10と、搬送ユニット20と、ヘッドユニット30と、照射ユニット40と、センサー群50とを有する。印刷制御装置であるコンピューター110から印刷データを受信したプリンター1は、コントローラー10によって各ユニット(搬送ユニット20、ヘッドユニット30、照射ユニット40など)を制御する。
コントローラー10は、プリンター1の制御を行うための制御装置である。コントローラー10は、メモリー11に格納されているプログラムに従って、各ユニットを制御する。また、コントローラー10は、コンピューター110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、媒体Sに画像を印刷する。また、コントローラー10には、センサー群50が検出した各種の検出信号が入力している。
搬送ユニット20は、媒体S(例えば、紙、フィルムなど)を搬送方向に搬送させるためのものである。この搬送ユニット20は、搬送モータ(不図示)と、上流側ローラー21及び下流側ローラー22を有する。不図示の搬送モータが回転すると、上流側ローラー21及び下流側ローラー22が回転し、ロール状の媒体Sが搬送方向に搬送される。
ヘッドユニット30は、媒体Sに液体(インクや界面活性剤など)を吐出するためのものである。ヘッドユニット30は、印刷ヘッド群31と、前処理ヘッド群32とを有する。印刷ヘッド群31は、画像を形成するためのインクを媒体に吐出するためのものである。印刷ヘッド群31として、シアンインクを吐出するシアンヘッド群31Cと、マゼンタインクを吐出するマゼンタヘッド群31Mと、イエローインクを吐出するイエローヘッド群31Yと、ブラックインクを吐出するブラックヘッド群31Kとが設けられている。
前処理ヘッド群32は、界面活性剤を媒体に吐出するためのものである。本実施形態では、前処理として印刷画像の周囲に界面活性剤を塗布しており、前処理ヘッド群32は、その前処理を媒体に施すための界面活性剤を吐出するためのものである。前処理ヘッド群32は、印刷ヘッド群31よりも搬送方向上流側に設けられている。
各ヘッド群(印刷ヘッド群31及び前処理ヘッド群32)は、紙幅方向(図5において紙面に垂直な方向)に並ぶ複数のヘッドを備えており、各ヘッドは、紙幅方向に並ぶ複数のノズルを備えている。これにより、各ヘッド群は、紙幅分のドットを一度に形成することができる。搬送中の媒体Sに向かって印刷ヘッド群31からインクが吐出されると、媒体Sの印刷面に2次元の印刷画像が形成される。また、搬送中の媒体Sに向かって前処理ヘッド群32から界面活性剤が吐出されると、媒体Sの印刷面に前処理を施すことができる。
本実施形態では、印刷ヘッド群31の各ノズルから、UVインクが吐出される。UVインクは、紫外光が照射されると硬化する性質を有するインクである。なお、UVインクは、媒体に浸透させて印刷を行うための浸透性インクと比べて、粘度も高い性質を有する。このため、仮に普通紙に印刷を行う場合であっても、UVインクは、浸透性インクと比べて、媒体に吸収されにくい。UVインクはドットを硬化させて媒体に定着させるため、仮にインク受容層を持たずインク吸収性の無い媒体であっても、印刷を行うことができる。なお、UVインクとして、例えば特開2006-199924号公報に記載されたインクを採用することができるが、他のUVインクを用いても良い。
また、本実施形態では、前処理ヘッド群32の各ノズルから、UVインクの濡れ性を向上させる性質を有する界面活性剤が吐出される。UVインクの濡れ性を向上させる性質を有する界面活性剤としては、例えば、楠本化成株式会社製オイルハジキ防止剤のLHP−90番台を100倍に薄めた液体が挙げられる(ノズルから吐出できるように薄めて用いている)。
照射ユニット40は、媒体Sに吐出されたUVインクに紫外光を照射するためのものである。照射ユニット40は、仮硬化用照射部41と、本硬化用照射部42とを有する。
仮硬化用照射部41は、印刷領域の搬送方向下流側(ヘッドユニット30の搬送方向下流側)に設けられている。仮硬化用照射部41は、媒体Sに着弾したUVインク同士が滲まないようにUVインクの表面を硬化(仮硬化)させる程度の強度の紫外光を照射する。例えば、仮硬化用照射部41として、LED(発光ダイオード)などが採用される。
なお、本実施形態では、1つの仮硬化用照射部がヘッドユニット30の搬送方向下流側に設けられているが、4色のヘッド群のそれぞれの搬送方向下流側に仮硬化用照射部を設けても良い。
本硬化用照射部42は、仮硬化用照射部41の搬送方向下流側に設けられている。本硬化用照射部42は、媒体上のUVインクを本硬化(完全に固化)させることが可能な強度の紫外光を照射する。例えば、本硬化用照射部42として、UVランプなどが採用される。
印刷を行うとき、コントローラー10は、搬送ユニット20に媒体Sを搬送方向に沿って搬送させる。そして、コントローラー10は、媒体Sを搬送させながら、前処理ヘッド群32に界面活性剤を吐出させて媒体Sの印刷面に前処理を施す。そして、コントローラー10は、媒体Sを搬送させながら、印刷ヘッド群31にUVインクを吐出させて、UVインクを塗布すると共に、仮硬化用照射部41から紫外線を照射させてUVインクで形成されたドットを仮硬化させ、本硬化用照射部42から紫外線を照射させてドットを完全に硬化させる。そして、コントローラー10は、印刷画像が印刷された媒体Sを下流側ローラー22の搬送方向下流側で巻き取る。
コンピューター110は、プリンター1と通信可能に接続されており、プリンター1に画像を印刷させるため、印刷させる画像に応じた印刷データをプリンター1に出力する。
コンピューター110にはプリンタードライバーがインストールされている。プリンタードライバーは、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換させるためのプログラムである。このプリンタードライバーは、CD−ROMなどの記録媒体(コンピューター読み取り可能な記録媒体)に記録されている。プリンタードライバーは、インターネットを介してコンピューター110にダウンロードすることも可能である。
===前処理(界面活性剤の塗布)===
<検査工程>
印刷を行う前に、界面活性剤の塗布範囲の幅やはみ出し量を予め決めておく必要がある。そこで、界面活性剤の塗布範囲の幅やはみ出し量がそれぞれ異なるテストパターンをプリンター1で印刷する。その中から最適な画質のテストパターンを選択することによって、前処理に適した界面活性剤の塗布範囲の幅やはみ出し量を決定する。
図6は、テストパターンの説明図である。プリンター1は、図に示すような多数のテストパターンを媒体に印刷する。
各テストパターンは、矩形パターンと、界面活性剤の塗布範囲の幅の表示と、界面活性剤の塗布範囲のはみ出し量(詳しくは、印刷画像のエッジに対する界面活性剤の塗布範囲のはみ出し量)の表示とから構成されている。図示していないが、矩形パターンには前処理が施されている。すなわち、矩形パターンの周囲となる場所に界面活性剤が塗布された後に、UVインクにて矩形パターンが形成されている。矩形パターンに対する界面活性剤の塗布範囲の幅やはみ出し量は、それぞれの矩形パターンの下に表示されている数字の通りである。
図中の左上の矩形パターン(界面活性剤の塗布範囲の幅がゼロ、界面活性剤の塗布範囲のはみ出し量がゼロの矩形パターン)は、塗り潰し画像がそのまま印刷されたものである。つまり、左上の矩形パターンには、前処理が施されていない。通常、左上の矩形パターンには厚盛り現象が生じており、左上の矩形パターンは実際の厚さよりも厚く知覚されることになる。
図中の右側の矩形パターンほど、界面活性剤の塗布範囲の幅が太くなっている。
界面活性剤の塗布範囲の幅が細すぎると、UVインクが十分に濡れ広がらず、厚盛り現象をあまり抑制できないおそれがある。この場合、矩形パターンの内側でエッジに沿った光沢が視認され、厚盛り感が残るおそれがある。このように厚盛り感が残る矩形パターンにおける界面活性剤の塗布範囲の幅は、最適なものとは言えない。一方、界面活性剤の塗布範囲の幅が太すぎると、図示していないが、矩形パターンのエッジが滲んで視認されることがある。このような矩形パターンにおける界面活性剤の塗布範囲の幅も、画質を低下させるため、最適なものとは言えない。このような理由から、界面活性剤の塗布範囲の幅を変えたテストパターンを複数形成しているのである。
また、図中の上下の矩形パターンでは、界面活性剤の塗布範囲のはみ出し量が異なっている。これは、たとえ界面活性剤の塗布範囲の幅が同じであっても、印刷画像のエッジに対する界面活性剤の塗布範囲の位置に応じて、厚盛り現象の抑制度合いが異なると考えられるためである。このような理由から、界面活性剤の塗布範囲のはみ出し量を変えたテストパターンを複数形成しているのである。
また、線幅の異なるテストパターンもそれぞれ形成されている。例えば、図中の上側4列のテストパターンは、8mm角の矩形パターンになっているが、図中の下側には6mm角の矩形パターンも形成されている。これは、線幅に応じて、界面活性剤の塗布範囲の幅やはみ出し量の最適な値が異なると考えられるためである。例えば、線幅が細い場合には媒体に塗布されるインク量が少ないため、線幅が太い場合と比べて厚盛り現象が小さくなり、界面活性剤の塗布範囲の幅を細くできると考えられる。このような理由から、線幅の異なるテストパターンも複数形成しているのである。
検査者は、それぞれの矩形パターンを観察し、厚盛り感が無く滲みの無い矩形パターンを選択する。つまり、検査者は、矩形パターンの「光沢」と「色」の両方を観察し、最適な矩形パターンを選択する。複数の線幅のテストパターンがあれば、検査者は、線幅毎に最適な矩形パターンを選択する。そして、選択されたテストパターンに対応する界面活性剤の塗布範囲の幅・はみ出し量をコンピューター110に入力して、コンピューター110の記憶装置又はプリンター1のメモリー11に記憶させる。
以上の検査工程によって、コンピューター110の記憶装置又はプリンター1のメモリー11には、線幅と界面活性剤の塗布範囲の幅・はみ出し量とを対応付けたテーブルが記憶されることになる。媒体の種類が異なると厚盛り現象が異なる場合には、更に媒体の種類毎にテーブルを用意しても良い。
なお、最適なテストパターンの選択方法は、検査者による官能検査に限られるものではない。
例えば、矩形パターンの厚さを検出し、検出結果に基づいて最適なテストパターンを選択しても良い。矩形パターンの厚さの測定には、図1Bの測定で用いられたミツトヨ社製のノンストップCNC画像測定機Quick Vision Stream plusを用いることが可能である。そして、複数の矩形パターンのそれぞれの測定結果の中から、図1Bの位置Aのようにエッジ近傍が他の部分よりも盛り上がっていない矩形パターンや、若しくは、エッジ近傍の最高厚さが他の部分の平均厚さを基準にして所定範囲内にあるテストパターンを選択すれば、厚盛り感の無い矩形パターンを選択できる。矩形パターンの厚さの測定結果に基づいて最適なテストパターンを選択するような場合には、例えばエッジ近傍の複数の測定点の平均値とばらつき(標準偏差)を求め、平均値とばらつきとに基づいて、最適なテストパターンを選択すると良い。
また、他の選択方法として、矩形パターンからの正反射光を検出し、正反射光の検出されたラインの幅を測定しても良い。つまり、図2Bのような正反射光のラインの幅の測定値に基づいて、厚盛り感の無い矩形パターンを選択しても良い。
上記の検査工程は、プリンター1の製造工場において行われても良いし、プリンター1のユーザーの元で行われても良い。
<印刷工程>
プリンター1のユーザーが、アプリケーションプログラム上で描画した画像の印刷を指示すると、コンピューター110のプリンタードライバーが起動する。プリンタードライバーは、アプリケーションプログラムから画像データを受け取り、プリンター1が解釈できる形式の印刷データに変換し、印刷データをプリンターに出力する。アプリケーションプログラムからの画像データを印刷データに変換する際に、プリンタードライバーは、解像度変換処理・色変換処理・ハーフトーン処理などを行う。また、本実施形態のプリンタードライバーは、界面活性剤を吐出するための印刷データも生成するための前処理画像生成処理も行う。
図7は、コンピューター110のプリンタードライバーの機能の説明図である。
解像度変換処理は、アプリケーションプログラムから出力された画像データ(テキストデータ、イメージデータなど)を、媒体に印刷する解像度(印刷解像度)に変換する処理である。例えば、印刷解像度が720×720dpiに指定されている場合、アプリケーションプログラムから受け取ったベクター形式の画像データを720×720dpiの解像度のビットマップ形式の画像データに変換する。解像度変換処理後の画像データの各画素データは、RGB色空間により表される多階調(例えば256階調)のRGBデータである。
色変換処理は、RGBデータをCMYK色空間により表されるCMYKデータに変換する処理である。なお、CMYKデータは、プリンターが有するインクの色に対応したデータである。この色変換処理は、RGBデータの階調値とCMYKデータの階調値とを対応づけたテーブル(色変換ルックアップテーブルLUT)に基づいて、行われる。なお、色変換処理後の画素データは、CMYK色空間により表される256階調のCMYKデータである。
ハーフトーン処理は、高階調数のデータを、プリンターが形成可能な階調数のデータに変換する処理である。例えば、ハーフトーン処理により、256階調を示すデータが、2階調を示す1ビットデータに変換される。ハーフトーン処理後の画像データはでは、画素毎に1ビットの画素データが対応している。1ビットの画素データは、ドットの有無を示すデータになる。なお、画素データを2ビットデータとし、画素データがドットの有無だけでなくドットの大きさを示すようにしても良い。いずれの場合においても、ハーフトーン処理後の画素データは、媒体に形成すべきドットを示すデータとなる。
前処理画像生成処理は、図3Aや図3Cに示すように、印刷画像の周囲に界面活性剤を塗布するための印刷データを生成する処理である。
図8は、図7の前処理画像生成処理のフロー図である。図9A〜図9Cは、画像データの説明図である。図9Aは、ハーフトーン処理後の画像データの説明図である。ここでは、画素毎に1ビットの画素データが対応付けられているものとする。なお、図9Aに示す画像データに基づいてUVインクが吐出されることになり、画素データが「1」の画素にはUVインクが吐出されてドットが形成され、画素データが「0」の画素にはUVインクは吐出されずにドットが形成されないことになる。また、画像データの中に10×10画素の塗り潰し画像が含まれているものとする。ここでは説明の簡略化のため、ブラックの画像データのみについて説明する。
プリンタードライバーは、ハーフトーン処理後の画像データ(図9A参照)に対してエッジ抽出処理を施し、画像の輪郭に位置するエッジ画素を抽出する(図8:S001)。ここでは、図9Bの太枠で示した画素がエッジ画素として抽出される。
次に、プリンタードライバーは、X方向又はY方向のエッジ画素同士の間隔に基づいて、画像の線幅を決定する(図8:S002)。ここでは、プリンタードライバーは、図9Bの太枠で示したエッジ画素の間隔に基づいて、線幅を10画素と決定する。なお、X方向(図中の横方向)とY方向(図中の縦方向)とでエッジ画素の間隔が異なる場合には、狭い方の間隔に基づいて線幅を決定する。広い方の間隔に基づいて線幅を決定するような処理では、例えば画像が横方向に長い線のような場合に、線幅を誤って決定してしまうからである。
次に、プリンタードライバーは、線幅に基づいて、界面活性剤の塗布範囲の幅及びはみ出し量を決定する(図8:S003)。前述の検査工程において、線幅と界面活性剤の塗布範囲の幅・はみ出し量とを対応付けたテーブルがコンピューター110に記憶されているので、プリンタードライバーは、このテーブルに基づいて、界面活性剤の塗布範囲の幅及びはみ出し量を決定する。ここでは、界面活性剤の塗布範囲の幅が「3」、はみ出し量が「+1」と決定されるものとする。
次に、プリンタードライバーは、決定された界面活性剤の塗布範囲の幅・はみ出し量に応じて、前処理用の画像データを生成する(図8:S004)。ここでは、界面活性剤の塗布範囲の幅が「3」、はみ出し量が「+1」であるため、図9Cの太枠で示した画素が界面活性剤の吐出される画素となる。図に示すように、太枠で示した画素には、ドット形成を示す画素データ「1」が対応付けられ、それ以外の画素には、ドットを形成しないことを示す画素データ「0」が対応付けられる。このようにして、プリンタードライバーは、UVインクを吐出するための画像データとは別に、界面活性剤を吐出するための前処理用の画像データを生成する。
コンピューター110は、2階調の画素データからなる画像データに制御データを付加して印刷データを生成し、印刷データをプリンター1に送信する(図7参照)。印刷データを受信したプリンター1は、印刷データに含まれている制御データに従って各ユニットを制御すると共に、前処理用の画像データ(図9C参照)に従って前処理ヘッド群32の各ノズルから界面活性剤を吐出し、UVインク吐出用の画像データ(図9A参照)に従って印刷ヘッド群31の各ノズルからUVインクを吐出して、媒体上に画像を印刷することになる。
プリンター1は、媒体Sを搬送させながら、前処理用の画像データ(図9C参照)に従って前処理ヘッド群32の各ノズルから界面活性剤を吐出することによって、図3A及び図3Cに示すような塗布範囲に界面活性剤を塗布する(前処理を施す)。ここでは、幅を3画素とし、印刷画像のエッジに対するはみ出し量を+1画素とした塗布範囲に界面活性剤が塗布される。
界面活性剤の塗布後、プリンター1は、媒体Sを搬送させながら、UVインク用の画像データ(図9A参照)に従って印刷ヘッド群31の各ノズルからUVインクを吐出することによって、図3B及び図3Cで黒く塗り潰された範囲にUVインクを塗布する。これにより、印刷画像が媒体上に印刷される。印刷画像の周囲では、界面活性剤が塗布された上にUVインクが塗布されることになる。
そして、プリンター1は、仮硬化用照射部41及び本硬化用照射部42から紫外線を画像に向かって照射する。これにより、UVインクで形成された画像が硬化し、印刷画像が媒体に定着する。
本実施形態によれば、印刷画像の周囲に界面活性剤を塗布することにより、印刷画像の周囲でのUVインクの凝集が抑制されて、厚盛り現象を抑制することができる。この結果、印刷画像を見たときの厚盛り感が抑制される。
===別の実施形態===
前述の実施形態では、矩形パターンが形成されていた。但し、これに限られるものではない。
図10は、別のテストパターンの説明図である。本実施形態では、矩形パターンの代わりに、塗り潰し画像として、文字画像が印刷されている。このように、検査工程において、媒体に文字画像を印刷し、印刷された文字画像の厚盛り感や画質を評価することによって、界面活性剤を塗布する範囲の幅やはみ出し量の最適な値を決定しても良い。なお、前述のテストパターンにおいて線幅の異なるテストパターンを複数形成していたのと同様に、文字画像でテストパターンを形成する場合においても、異なる文字サイズのテストパターンを複数作成することが望ましい。この場合、文字サイズと、界面活性剤を塗布する範囲の幅・はみ出し量とを対応付けたテーブルが記憶されることになる。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
<塗り潰し画像について>
前述のハーフトーン処理後の画像データ上の塗り潰し画像は、全ての画素にドットを形成するような画像であった。但し、これに限られるものではない。塗り潰し画像は、媒体の所定の領域をインクで塗り潰すことを目的とした画像であれば良く、一部にドットを形成しない画素が含まれていても良い。
<ラインプリンターについて>
前述のプリンター1は、いわゆるラインプリンターであり、固定されたヘッドに対して媒体が搬送され、媒体上に搬送方向に沿ったドット列が形成されている。但し、プリンター1は、ラインプリンターに限られるものではない。例えば、主走査方向に移動可能なキャリッジにヘッドが設けられたプリンターであって、移動中のヘッドからUVインクを吐出して主走査方向に沿ったドット列を形成するドット形成動作と、媒体を搬送する搬送動作とを交互に繰り返すプリンター(いわゆるシリアルプリンター)であっても良い。
このようなシリアルプリンターの場合、ノズルピッチよりも狭い間隔でドット列を形成することが可能である。つまり、ノズルピッチよりも印刷解像度を高くすることが可能である。このため、前述の画像データの解像度は、ノズルピッチと同じ解像度ではなく、ノズルピッチよりも高い解像度であっても良い。
<コンピューター110の処理について>
前述のコンピューター110は、解像度変換処理・色変換処理・ハーフトーン処理・前処理画像生成処理などを行っていた。但し、これらの処理の一部又は全部をプリンター1の側で行っても良い。コンピューター110が行っていた前処理画像生成処理をプリンター側で代わりに行う場合には、プリンター1が単体で前処理を施した画像を媒体に印刷することができるので、プリンター1が単体で「印刷装置」に相当する。
1 プリンター(ラインプリンター)、
10 コントローラー、11 メモリー、
20 搬送ユニット、21 上流側ローラー、22 下流側ローラー、
30 ヘッドユニット、31 印刷ヘッド群、
31C シアンヘッド群、31M マゼンタヘッド群、
31Y イエローヘッド群、31K ブラックヘッド群、
32 前処理ヘッド群、
40 照射ユニット、41 仮硬化用照射部、42 本硬化用照射部、
50 センサー群、110 コンピューター

Claims (7)

  1. 光を照射すると硬化する光硬化性インクを媒体に吐出するインク吐出用ノズルと、
    前記光硬化性インクの濡れ性を向上させる性質を有する表面活性剤を吐出する表面活性剤用ノズルと、
    前記媒体に着弾した前記光硬化性インクに前記光を照射する照射部と、
    を備え、
    前記光硬化性インクを塗布することによって前記媒体に画像を印刷する際に、
    前記光硬化性インクの塗布範囲の周囲に前記表面活性剤を塗布するように、前記表面活性剤用ノズルから前記表面活性剤を前記媒体に吐出する処理と、
    前記光硬化性インクを前記媒体に吐出する処理と、
    前記照射部から前記光を照射して、前記光硬化性インクを硬化させる処理と
    を行うことを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記画像の線幅に応じて、前記表面活性剤の塗布範囲が決定されることを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記線幅に応じて、前記表面活性剤の塗布範囲の幅が決定されることを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記媒体にテストパターンが印刷され、テストパターンの検査結果に応じて前記表面活性剤の塗布範囲が決定されることを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の印刷装置であって、
    インク受容層を持たない媒体に前記画像を印刷することを特徴とする印刷装置。
  6. 光を照射すると硬化する光硬化性インクを媒体に吐出するインク吐出用ノズルと、前記光硬化性インクの濡れ性を向上させる性質を有する表面活性剤を吐出する表面活性剤用ノズルと、前記媒体に着弾した前記光硬化性インクに前記光を照射する照射部と、を用いた印刷方法であって、
    前記光硬化性インクを塗布することによって前記媒体に画像を印刷する際に、
    前記光硬化性インクの塗布範囲の周囲に前記表面活性剤を塗布するように、前記表面活性剤用ノズルから前記表面活性剤を前記媒体に吐出する処理と、
    前記光硬化性インクを前記媒体に吐出する処理と、
    前記照射部から前記光を照射して、前記光硬化性インクを硬化させる処理と
    を行うことを特徴とする印刷方法。
  7. 光を照射すると硬化する光硬化性インクを媒体に吐出するインク吐出用ノズルと、前記光硬化性インクの濡れ性を向上させる性質を有する表面活性剤を吐出する表面活性剤用ノズルと、前記媒体に着弾した前記光硬化性インクに前記光を照射する照射部と、を備えた印刷装置に、
    前記光硬化性インクを塗布することによって前記媒体に画像を印刷する際に、
    前記光硬化性インクの塗布範囲の周囲に前記表面活性剤を塗布するように、前記表面活性剤用ノズルから前記表面活性剤を前記媒体に吐出する処理と、
    前記光硬化性インクを前記媒体に吐出する処理と、
    前記照射部から前記光を照射して、前記光硬化性インクを硬化させる処理と
    を実行させることを特徴とするプログラム。
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