JP2005199609A - 印刷装置、印刷制御装置、印刷方法、調査方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 媒体にドットを形成して画像を印刷する印刷部と、前記媒体に形成された画像を検知するセンサとを備え、前記画像を印刷するときに、前記画像の輪郭部に形成すべきドットに対して処理を施す輪郭処理を実施する印刷装置において、所定の調査用パターンを媒体上に形成して、その所定の調査用パターンを前記センサにより検知して、前記センサの検知結果に基づき前記輪郭部に形成すべきドットに対する処理方法を決定する。
【選択図】 図27
Description
本発明は、このような事情に鑑みたものであって、その目的は、適切な輪郭処理を調査できるようにすることにある。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
所定の調査用パターンを媒体上に形成して、その所定の調査用パターンを前記センサにより検知して、前記センサの検知結果に基づき前記輪郭部に形成すべきドットに対する処理方法を決定することを特徴とする印刷装置。
このような印刷装置にあっては、媒体上に所定の調査用パターンを形成して、その所定の調査用パターンをセンサにより検知して、その検知結果に基づき輪郭処理方法を決定するから、適切な輪郭処理方法を調査することができる。
前記センサの検知結果に応じた前記輪郭部へのインク吐出量となるように、前記輪郭処理としての前記サイズ置換処理を実行しても良い。このような処理を行えば、印刷する画像の輪郭をより確実に滑らかに形成することができる。
前記センサの検知結果に応じた前記輪郭部へのインク吐出量となるように、前記輪郭処理としての前記間引き処理を実行しても良い。このような処理を行えば、印刷する画像の輪郭をより確実に滑らかに形成することができる。
所定の調査用パターンを媒体上に形成して、その所定の調査用パターンにおける所定の部位の寸法を前記センサにより検知して、前記センサの検知結果に基づき前記輪郭部に形成すべきドットに対する処理方法を決定し、
前記センサが、光学センサにより構成され、
前記印刷部は、媒体に向けてインクを吐出することによりドットを形成して画像を印刷し、
前記印刷部は、前記ドットとして、2種類以上のサイズの異なるドットを形成可能であり、
前記輪郭処理として、前記輪郭部に形成すべきドットをより小さなサイズのドットに置き換えて形成するサイズ置換処理と、前記輪郭部に形成すべきドットを間引いて形成する間引き処理とを実行し、
前記センサの検知結果に応じた前記輪郭部へのインク吐出量となるように、前記輪郭処理としての前記サイズ置換処理または前記間引き処理を実行し、
前記印刷部は、媒体に対して相対的に移動可能なヘッドに設けられ、前記センサが前記ヘッドとともに移動し、
前記画像としてテキスト画像を印刷するときに、前記輪郭処理を実行することを特徴とする印刷装置。
前記印刷装置により媒体に画像を印刷するときに、前記画像の輪郭部に形成すべきドットに対して処理を施す輪郭処理を実行する印刷制御装置において、
前記印刷部により所定の調査用パターンを媒体上に形成して、その所定の調査用パターンを前記センサにより検知して、前記センサの検知結果に基づき前記輪郭部に形成すべきドットに対する処理方法を決定することを特徴とする印刷制御装置。
媒体に画像を印刷する際に、前記媒体上に所定の調査用パターンを形成して、その所定の調査用パターンをセンサにより検知して、前記センサの検知結果に基づき前記輪郭部に形成すべきドットに対する処理方法を決定することを特徴とする印刷方法。
所定の調査用パターンを媒体上に形成して、その所定の調査用パターンを前記センサにより検知して、前記センサの検知結果に基づき前記輪郭部に形成すべきドットに対する処理方法を決定することを特徴とする調査方法。
所定の調査用パターンを媒体上に形成するステップと、
前記媒体に形成された前記所定の調査用パターンを前記センサにより検知するステップと、
前記センサの検知結果に基づき前記輪郭部に形成すべきドットに対する処理方法を決定するステップとを実行することを特徴とするプログラム。
本発明にかかる印刷装置の一実施形態として、プリンタ本体1と、コンピュータ装置1100とを備えた印刷システムを例にとり、その概要について説明する。
<プリンタドライバについて>
図2は、プリンタドライバが行う基本的な処理の概略的な説明図である。既に説明された構成要素については、同じ符号を付しているので、説明を省略する。
図3は、プリンタドライバ1110のユーザインターフェースの説明図である。このプリンタドライバ1110のユーザインターフェースは、ビデオドライバ1102を介して、表示装置に表示される。ユーザーは、入力装置1300を用いて、プリンタドライバ1110の各種の設定を行うことができる。
図4は、本実施形態のプリンタ本体1の全体構成のブロック図である。また、図5は、本実施形態のプリンタ本体1の内部構成を示す斜視図である。また、図6は、本実施形態のプリンタ本体1の内部構成を示す縦断面図である。以下、本実施形態のプリンタ本体1の基本的な構成について説明する。
この紙検出センサ53は、給紙ローラ21が搬送ローラ23に向かって媒体Sを給紙する途中で、媒体Sの先端の位置を検出できる位置に設けられている。なお、紙検出センサ53は、機械的な機構によって媒体Sの先端を検出するメカニカルセンサである。詳しく言うと、紙検出センサ53は紙搬送方向に回転可能なレバーを有し、このレバーは媒体Sの搬送経路内に突出するように配置されている。そのため、媒体Sの先端がレバーに接触し、レバーが回転させられるので、紙検出センサ53は、このレバーの動きを検出することによって、媒体Sの先端の位置を検出する。紙幅センサ54は、キャリッジ31に取付けられている。紙幅センサ54は、光学センサであり、発光部から媒体Sに照射された光の反射光を受光部が検出することにより、媒体Sの有無等を検出する。
そして、紙幅センサ54は、キャリッジ41によって移動しながら媒体Sの端部の位置を検出し、媒体Sの幅を検出する。また、紙幅センサ54は、状況に応じて、媒体Sの先端も検出できる。紙幅センサ54は、光学センサなので、紙検出センサ53よりも位置検出の精度が高い。
<ヘッドの構成について>
図7は、ヘッド41の下面におけるノズルの配列を示したものである。ヘッド41の下面には、同図に示すように、複数の色インクのノズル群411Y、411M、411C、411Kが設けられている。本実施形態では、各色の色インク、即ち、イエロ(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)ごとに、それぞれイエロインクノズル群411Y、マゼンダインクノズル群411M、シアンインクノズル群411C、ブラックインクノズル群411Kとが設けられている。各ノズル群411Y、411M、411C、411Kは、各色のインクを吐出するための吐出口であるノズル♯1〜♯180を複数個(本実施形態では180個)備えている。
図8は、ヘッドユニット40の駆動回路の説明図である。この駆動回路は、前述のユニット制御回路64内に設けられており、同図に示すように、原駆動信号発生部64Aと、駆動信号整形部64Bとを備えている。
本実施形態では、このようなノズル♯1〜♯180の駆動回路が、各色の色インク及びクリアインクのノズル群、即ち、イエロインクノズル群411Y、マゼンダインクノズル群411M、シアンインクノズル群411C、ブラックインクノズル群411Kごとに各々設けられ、ノズル群411Y、411M、411C、411Kごとに個別にピエゾ素子の駆動が行われるようになっている。図中に各信号名の最後に付されたかっこ内の数字は、その信号が供給されるノズルの番号を示している。
ピエゾ素子は、その両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加すると、電圧の印加時間に応じて伸張し、インクの流路の側壁を変形させる。これによって、インクの流路の体積がピエゾ素子の伸縮に応じて収縮し、この収縮分に相当するインク量が、インクとなって各色の各ノズル♯1〜♯180から吐出される。
駆動信号整形部64Bには、原信号発生部64Aから原信号ODRVが入力されるとともに、印刷信号PRT(i)が入力される。駆動信号整形部64Bは、印刷信号PRT(i)のレベルに応じて、原信号ODRVを整形し、駆動信号DRV(i)として各ノズル♯1〜♯180のピエゾ素子に向けて出力する。各ノズル♯1〜♯180のピエゾ素子は、駆動信号整形部64Bからの駆動信号DRVに基づき駆動される。
図9は、各信号の説明のためのタイミングチャートである。すなわち、同図には、原信号ODRVと、印刷信号PRT(i)と、駆動信号DRV(i)の各信号のタイミングチャートが示されている。
図10は、本発明のセンサとして反射型光学センサ300の一実施形態を示した模式図である。反射型光学センサ300は、同図に示すように、キャリッジ41に設けられ、キャリッジ41とともに媒体Sに対して相対的に移動するようになっている。
なお、本実施形態では、発光部300Aと受光部300Bとが隣接して配置されていたが、相互に間隔をあけて別々に配置されていても良い。
<プリンタドライバの処理>
図11は、本実施形態の印刷方法を説明するためのフロー図である。以下に説明される各種の動作は、プリンタドライバ1110により行われる。すなわち、プログラムであるプリンタドライバ1110は、以下に説明される各種の機能を実行するためのコードを有する。
プリンタ本体1は、コンピュータ装置1100から印刷データが送られてくると、印刷処理を実行する。図12は、このときのプリンタ本体1の処理フローである。以下に説明される各処理は、コントローラ60が、メモリ63内に格納されたプログラムに従って、各ユニットを制御することにより実行される。このプログラムは、各処理を実行するためのコードを有する。
本実施形態に係る印刷装置にあっては、印刷しようとする画像の輪郭部に対して輪郭処理を施すことができる。この輪郭処理とは、印刷する画像の輪郭部に打ち込まれたインクが外側に滲み出るのを防止したり、また印刷する画像の輪郭部を滑らかにするために、画像の輪郭部へのインクの打込み量を少なくする処理のことである。本実施形態では、印刷しようとする画像がテキスト画像であるときにのみ、輪郭処理を実行するようになっている。
図13及び図14は、輪郭処理が施されるテキスト画像の一例を説明するための図である。図13は、インク(本実施形態では、ブラック(K)のインク)の吐出領域の一例を示した説明したものであり、図14は、当該吐出領域にインクを吐出するための多値データ(本実施形態では、ブラック(K)の多値データ)の一例を示したものである。ここでは、インクの吐出領域が、図13に示すような、矩形の図形領域Agに設定された場合を例にして説明する。なお、矩形の図形領域Agの周囲の背景領域Abには、インクは吐出されないものとする。
ここで、(X,Y)に位置する画素の画素データをF(X,Y)と表すこととする。例えば、同図において左上の画素の位置を(X,Y)=(0,0)とすると、この画素の画素データは、F(0,0)=00である。なお、このルールに従えば、F(2,2)=11である。
このような多値データに対して実施される輪郭処理について説明する。図15は、輪郭処理を行わずに、図14に示す多値データに基づき、インクを吐出した場合のドットの様子を示したものである。図16及び図17は、輪郭処理を行った場合の多値データとドットの様子とをそれぞれ示したものである。
図16は、形成されるドットのサイズを小さくする方法の一例を説明したものである。図16Aは、輪郭部に対応するドットをこれよりも小さなサイズのドットに置き換える処理を行ったときの多値データの一例を示し、図16Bは、この多値データに基づき形成されるドットの様子を示している。
図17は、輪郭部に形成されるドットの数を減らす方法の一例を説明したものである。図17Aは、輪郭部に対応するドットの数を減らしたときの多値データの一例を示し、図17Bは、この多値データに基づき形成されるドットの様子を示している。
<その1>
図18A及び図18Bは、本発明の輪郭処理方法の他の例を説明するための図である。図18Aは、画像の輪郭部のドットの形成状態を示し、図18Bは、その輪郭部の画像データの様子を示す。
例えば、インクの打込み量が、小ドットの場合、4.5[ng]、中ドットの場合、7.5[ng]、大ドットの場合、14.5[ng]であるときに、最外郭(領域ED1、小ドット形成)における1画素当たりの平均インク打込み量は4.5[ng]、その内側(領域ED2、中ドット形成)における1画素当たりの平均インク打込み量は7.5[ng]となり、よって、画像の輪郭部に打ち込まれるインク量を削減することができる。
図19A及び図19Bは、本発明の輪郭処理方法の他の例を説明するための図である。図19Aは、画像の輪郭部のドットの形成状態を示し、図19Bは、その輪郭部の画像データの様子を示す。
このように画像の最外郭に形成されるドット(図中、領域ED1)と、その最外郭の内側に形成されるドット(図中、領域ED2)とが双方共に、小さいサイズのドット(小ドット;「01」)に置き換えて形成されることで、画像の輪郭部に打ち込まれるインク量をより一層削減することができる。
例えば、インクの打込み量が、小ドットで4.5[ng]、中ドットで7.5[ng]、大ドットで14.5[ng]である場合に、最外郭(領域ED1、小ドット形成)における1画素当たりの平均インク打込み量は4.5[ng]、その内側(領域ED2、小ドット形成)における1画素当たりの平均インク打込み量も4.5[ng]となり、大幅に削減されることがわかる。
図20A及び図20Bは、本発明の輪郭処理方法の他の例を説明するための図である。図20Aは、画像の輪郭部のドットの形成状態を示し、図20Bは、その輪郭部の画像データの様子を示す。
ここでは、輪郭部の内側に形成されるべきドットが、その内側に沿って1列分、1つ置きに間引いて形成されている。間引かれた部分の画素については、図20Bに示すように、大ドットに対応するデータ「11」が、空白を表すデータ「00」に置き換えられる。
なお、画像の輪郭部における1画素当たりの平均インク打込み量は、小ドットが4.5[ng]、中ドットが7.5[ng]、大ドットが14.5[ng]であるとすると、領域ED1で4.5[ng]、領域ED2で4.5[ng]、領域ED3で7.25[ng]となり、画像の輪郭部に打ち込まれるインク量をより一層削減することができる。
図21A及び図21Bは、本発明の輪郭処理方法の他の例を説明するための図である。図21Aは、画像の輪郭部のドットの形成状態を示し、図21Bは、その輪郭部の画像データの様子を示す。
図24A及び図24Bは、本発明の輪郭処理方法の他の例を説明するための図である。図24Aは、画像の輪郭部のドットの形成状態を示し、図24Bは、その輪郭部の画像データの様子を示す。
このように最外郭に形成されるドット(図中、領域ED1の部分)を小ドット(「01」)に置き換えて形成し、その最外郭の内側に形成されるドット(図中、領域ED2の部分)をその最外郭の内側に沿って間引いて形成しても、画像の輪郭部におけるインクの打込み量を減らすことができる。これにより、インクの滲み出しを抑制することができ、印刷する画像の輪郭を滑らかに形成することができる。
図25A及び図25Bは、本発明の輪郭処理方法の他の例を説明するための図である。図25Aは、画像の輪郭部のドットの形成状態を示し、図25Bは、その輪郭部の画像データの様子を示す。
このようにドットを形成することで、画像の輪郭部におけるインクの打込み量をより一層減らすことができる。これにより、インクの滲み出しの抑制をさらに図ることができ、印刷する画像の輪郭を滑らかに形成することができる。
図26A及び図26Bは、本発明の輪郭処理方法の他の例を説明するための図である。図26Aは、画像の輪郭部のドットの形成状態を示し、図26Bは、その輪郭部の画像データの様子を示す。
このようにドットを形成することで、画像の輪郭部におけるインクの打込み量をより一層減らすことができる。これにより、インクの滲み出しの抑制をさらに図ることができ、印刷する画像の輪郭を滑らかに形成することができる。
なお、これら<その5>、<その6>および<その7>で説明した輪郭処理方法においても、<その4>で説明したように、印刷する画像の最外郭の内側に沿って間引いて形成されるドットのうち、キャリッジ31の移動方向に沿って並んで形成されるべきドットが、すべて省かれていても良い。この場合、キャリッジ31の移動方向に沿って並んで形成されるべきドットの方が、前記移動方向以外の他の方向に沿って並んで形成されるべきドットよりも間引き量が少なくても良く、またさらには、キャリッジ31の移動方向に沿って並んで形成されるべきドットと、前記移動方向以外の他の方向に沿って並んで形成されるべきドットとの間で、間引き量が異なっていても良い。
本実施形態の印刷システム1000(印刷装置)にあっては、輪郭処理の処理状況について調査することができる。この調査においては、実際に、ヘッド41からインクを吐出して媒体上に所定の調査用パターンを形成して、その形成した所定の調査用パターンに基づき、輪郭処理方法を決定するものである。この印刷システム1000で実行可能な複数種類の輪郭処理方法の中から適切な輪郭処理方法を探し出して実行する。
図27は、ここで行われる調査の手順の一例を説明するフローチャートである。
調査を実行する者は、まず、印刷システム1000に対して調査実行の命令を発行する(S302)。ここでは、輪郭処理の調査が、プリンタ本体1を制御するコンピュータ装置1100のプリンタドライバ1110により行われるようになっていることから、調査実行命令は、プリンタドライバ1110に対して行う。
プリンタドライバ1110は、調査実行命令を受けると、媒体を給紙して、その給紙した媒体に向けてヘッド41からインクを吐出して所定の調査用パターンを形成する(S304)。ここでは、輪郭処理が施されていない所定のパターンが調査用パターンとして形成される。この調査用パターンについては、後で詳しく説明する。
プリンタドライバ1110は、は、プリンタ本体1から送られてきた反射型センサ300の検知結果をコンピュータ装置1100において取得し(S308)、その検知結果に基づき演算処理を実行する(S310)。ここで行われる演算処理の具体的な方法については、後で詳しく説明する。そして、プリンタドライバ1110は、その演算処理の処理結果に基づき、実行すべき適切な輪郭処理方法を決定する(S312)。
適切な輪郭処理方法を決定した後、プリンタドライバ1110は、決定した輪郭処理方法に関する情報をメモリ等の適宜な記憶部に記憶する。そして、プリンタドライバ1110は、次回印刷時から、決定した輪郭処理方法により、印刷する画像に対して輪郭処理を実行する。
図28は、本実施形態で形成される調査用パターンの一例を示したものである。調査用パターン100は、同図に示すように、9つの小パターン102により構成され、全体が矩形状に成形されている。各小パターン102は、それぞれ矩形状に形成されていて、小パターン102の各相互間には、所定の空隙部104が形成されている。この空隙部104は、インクが吐出されない非インク吐出領域となっている。この非インク吐出領域104は、同図に示すように、調査用パターン100上に、縦線および横線として格子状に形成されている。
プリンタドライバ1110による調査用パターン100の検知方法について説明する。図29は、その検知方法の一例を説明するものである。
一方、実際に求められた区間Qの長さDが、「a×0.9」よりも大きく、「a×0.98」の値と同じ若しくはこれを上回る場合には、<その1>に対応する輪郭処理を実行すべき輪郭処理として設定する。また、実際に求められた区間Qの長さDが、「a×0.83」の値よりも大きく、「a×0.9」の値と同じ若しくはこれを上回る場合には、<その2>に対応する輪郭処理を実行すべき輪郭処理として設定する。また、実際に求められた区間Qの長さDが、「a×0.75」の値よりも大きく、「a×0.83」の値と同じ若しくはこれを上回る場合には、<その3>に対応する輪郭処理を実行すべき輪郭処理として設定する。また、実際に求められた区間Qの長さDが、「a×0.75」の値と同じ若しくはこれを下回る場合には、<その4>に対応する輪郭処理を実行すべき輪郭処理として設定する。
これによって、調査用パターン100の輪郭部(小パターン102の輪郭部)のインクの滲み量に応じて、適切な輪郭処理方法を設定することができる。
図32は、調査用パターン100の他の検知方法について説明したものである。ここでも、先に説明したパターンの検知方法(その1)と同様、プリンタドライバ1110は、キャリッジ31が媒体に対して相対的に移動したときに、キャリッジ31に搭載された反射型光学センサ300からの出力値を取得して、その取得した出力値に基づき、印刷時に実行すべき輪郭処理方法を決定する。ただし、ここでは、プリンタドライバ1110は、反射型光学センサ300からの出力値から、反射型光学センサ300が非インク吐出領域104を通過するときのピーク値を取得して、当該ピーク値に基づき輪郭処理方法を決定する。なお、ここでは、この非インク吐出領域104が、本発明の所定の部位に相当する。
図34は、調査用パターン100の他の検知方法について説明するものである。ここでも、先に説明したパターンの検知方法(その1)や(その2)と同様に、プリンタドライバ1110は、キャリッジ31が媒体に対して相対的に移動したときに、キャリッジ31に搭載された反射型光学センサ300からの出力値を取得して、その取得した出力値に基づき、印刷時に実行すべき輪郭処理方法を決定する。ただし、ここでは、プリンタドライバ1110は、反射型光学センサ300からの出力値から、インクの滲み領域の幅を検出して、その幅に応じて、印刷時に実行すべき輪郭処理方法を決定する。なお、ここでは、反射型光学センサ300により検出されるインクの滲み領域の部分が、本発明の所定の部位に相当する。
以上このような実施の形態では、媒体上に所定の調査用パターンを印刷して、この調査用パターンをセンサにより検知して、その検知結果に基づいて印刷時に実行すべき輪郭処理方法を決定するから、適切な輪郭処理を実行することができる。
また、媒体の種類やインクの種類などに応じて、滲みを防止することができ、高品質の印刷を行うことができる。
また、センサにより自動的に輪郭処理方法を調べることができるから、非常に簡単で便利な上、確実に適切な輪郭処理を設定することが可能である。
図36は、調査用パターンの他の実施形態を示したものである。ここでは、調査用パターン200が、同図に示すように、縦線202および横線204からなる格子状のパターンにより構成されている。縦線202および横線204が形成された領域には、インクが吐出されている。反射型光学センサ300は、キャリッジ31の移動により、図中矢印Bの方向に沿って、この調査用パターン200の上方を横切って移動して、当該調査用パターン200を検知する。
図38は、本発明の調査用パターンの他の実施形態を示したものである。この調査用パターン400は、その輪郭部にそれぞれ異なる輪郭処理が施されて形成されたものである。例えば、符号(A)に対応する調査用パターン400Aには、先に説明した<その1>に対応する輪郭処理方法が実施され、また符号(B)に対応する調査用パターン400Bには、先に説明した<その2>に対応する輪郭処理方法が実施され、また符号(C)に対応する調査用パターン400Cには、先に説明した<その3>に対応する輪郭処理方法が実施され、また符号(D)に対応する調査用パターン400Dには、先に説明した<その4>に対応する輪郭処理方法が実施され、また符号(E)に対応する調査用パターン400Eには、先に説明した<その5>に対応する輪郭処理が実施されたりする。
ここで、輪郭処理の対象となるテキスト画像としては、例えば、ASCIIコードをはじめとする、文字や記号などを表す文字コードをはじめとするキャラクタコードや制御コードなどにより構成されたテキストデータに基づき形成された画像などがある。ここで、テキストデータには、「Microsoft Word(商品名)」や「一太郎(商品名)」といった各種ワープロソフトやテキストエディタなどで作成された文書データなども含まれる。このようなテキストデータに基づき印刷を行う場合には、テキストデータに含まれる文字コード等のキャラクタコードを、予め備えたフォント情報等を参照して、文字や記号などとして画像化する処理が行われる。ここでいうテキスト画像とは、このような処理により印刷される画像のことをいう。
輪郭処理の対象とはならない画像としては、例えば、デジタルカメラなどで撮影された写真のデータなどの自然画像や、JEPGやビットマップ等の各種静止画記憶方式により記録された各種画像データがある。
印刷しようとする画像がテキスト画像か否かの判断は、プリンタドライバ1110により行う。プリンタドライバ1110は、アプリケーションプログラムから受け取った画像データを720dpi×720dpiの解像度を有するRGB画像データに変換し(図11のS104参照)、このRGBデータを256階調のCMYK画像データに変換した後(図11のS106参照)、生成したCMYK画像データに基づき、印刷しようとする画像がテキスト画像か否か判断する。
以上、一実施形態に基づき、本発明に係るプリンタ等の印刷装置について説明したが、上記の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更または改良され得るとともに、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に係る印刷装置に含まれるものである。
また、印刷装置側にて行っていた処理の一部をホスト側にて行ってよく、また印刷装置とホストの間に専用の処理装置を介設して、この処理装置にて処理の一部を行わせるようにしてもよい。
本発明の印刷装置にあっては、前述したインクジェットプリンタに限らず、他のインク吐出形式により印刷を行う印刷装置であっても良い。
また、この他に、本発明の印刷装置としては、インクを吐出しないタイプのプリンタ、具体的には、ドットインパクト式プリンタやレーザープリンタなど、媒体にドットを形成して画像を印刷する装置であれば、どのようなタイプの印刷装置であっても構わない。
前述した印刷装置では、ドットが媒体に向けて吐出されたインクにより形成されていたが、本発明にあってはこのような場合に限らず、ドットインパクト式プリンタ等においてピンの打込みによりインクを媒体に付着させて形成されるドットであったり、また、レーダービーム式プリンタ等に代表されるトナーを媒体に定着させて形成されたりするドットであったりしても良い。
前述した印刷装置では、形成されるドットのサイズの種類が、小ドット、中ドット及び大ドットの3種類であったが、本発明にあってはこのような場合に限らず、サイズの種類が4種類以上であったり、または2種類であったりしても良い。
本発明に係る輪郭処理方法としては、前述した第1〜第9実施形態の手法に限らない。
また、前述した複数種類の輪郭処理方法については、1つの印刷装置ですべて実施可能であっても良い。またこれら第1〜第9実施形態の輪郭処理方法の中から選ばれた1または2以上の輪郭処理方法が1つの印刷装置で実施可能であっても、第1〜第9実施形態で説明した輪郭処理方法以外の他の輪郭処理方法が印刷装置で実施可能であっても良い。
また、インクの種類、即ち特性や性質(滲み方など)ごとに、異なる輪郭処理を採用するようにしても良い。
前述した実施の形態では、テキスト画像のみを輪郭処理の対象としていたが、本発明にあっては、このような画像に限らず、テキスト画像以外の画像を輪郭処理の対象としても良い。具体的には、例えば、文字の画像を含む画像、例えば、文字などのテキスト画像が組み込まれた写真などの自然画像を含むような画像が置換処理の対象となっても良い。この場合、自然画像に含まれるテキスト画像の部分についてのみ、置換処理を施すようにすると良い。
また、前述した実施の形態では、JPEGやビットマップ形式により記録された写真などの自然画像を含む画像を置換処理の対象から除外していたが、本発明においては、必ずしもこれらの画像を置換処理の対象から除外する必要はなく、これらの画像についても置換処理を施すようにしても良い。
前述した実施の形態では、本発明の光学センサとして、前述したような反射型光学センサ300を適用した場合を例にして説明したが、本発明にあってはこのようなセンサに限らず、他のタイプの光学センサを用いても良い。
本発明のセンサにあっては、前述した反射型光学センサ300をはじめとする各種光学センサを用いる場合に限らず、媒体上に形成された調査用パターンを検知可能であれば、他のタイプのセンサを用いても良い。
また、前述した実施形態では、センサが、媒体に対して相対的に移動するキャリッジに設けられていたが、本発明のセンサにあっては、このような場合に限らず、媒体上に形成された調査用パターンを検知することができれば、他の場所に設置されていても良い。
前述した実施の形態では、本発明の調査用パターンとして、図28や図36、図38などのパターンを例にして説明したが、本発明の調査用パターンにあっては、これらのパターンに限らず、輪郭処理の処理状態を調査するために媒体上に形成されるパターンであれば、どのようなパターンであっても構わない。
前述した実施の形態では、本発明の調査用パターンの検知方法として、その所定のパターンにおける所定の部位の寸法を検知したり、また所定の部位の色の濃度を検知したり、また所定の部位のインク滲み領域を検知したりしていたが、本発明の調査用パターンの検知方法にあっては、このような方法に限らず、他の方法により調査用パターンを検知するようにしても良い。
前述の実施形態によれば、コンピュータ装置側のプリンタドライバ1110が置換処理を行っていたが、このような置換処理を行うのは、プリンタドライバ1110に限られるものではなく、例えば、本実施形態の置換処理を行うのに必要な機能を実現するためのプログラムがプリンタのメモリ等の各種記憶部に格納されているのであれば、プリンタが前述の置換処理を行うことが可能である。
媒体については、前述した用紙として、普通紙やマット紙、カット紙、光沢紙、ロール紙、用紙、写真用紙、ロールタイプ写真用紙等をはじめ、これらの他に、OHPフィルムや光沢フィルム等のフィルム材や布材、金属板材などであっても構わない。すなわち、インクの吐出対象となり得るものであれば、どのような媒体であっても構わない。
20 搬送ユニット、 21 給紙ローラ、 22 搬送モータ(PFモータ)、
23 搬送ローラ、 24 プラテン、 25 排紙ローラ、
30 キャリッジユニット、 31 キャリッジ、
32 キャリッジモータ(CRモータ)、
40 ヘッドユニット、 41 ヘッド、
50 センサ、 51 リニア式エンコーダ、 52 ロータリー式エンコーダ、
53 紙検出センサ、 54 紙幅センサ、
60 コントローラ、 61 インターフェース部、 62 CPU、
63 メモリ、 64 ユニット制御回路、
64A 原駆動信号発生部、 64B 駆動信号整形部、
100 調査用パターン、 102 小パターン、
104 非インク吐出領域、
200 調査用パターン、 202 縦線、 204 横線、
300 反射型光学センサ、 300A 発光部、 300B 受光部、
400 調査用パターン、
400A、400B、400C、400D、400E 調査用パターン、
411Y イエロインクノズル群、 411M マゼンダインクノズル群、
411C シアンインクノズル群、 411K ブラックインクノズル群、
1100 コンピュータ、 1102 ビデオドライバ、
1104 アプリケーションプログラム、1110 プリンタドライバ、
1112 解像度変換処理部、1114 色変換処理部、
1116 ハーフトーン処理部、1118 ラスタライズ処理部、
1200 表示装置、 1201 ディスプレイ、
1300 入力装置、 1300A キーボード、 1300B マウス、
1400 記録再生装置、 1400A フレキシブルディスクドライブ装置、
1400B CD−ROMドライブ装置、
1000 印刷システム
Claims (15)
- 媒体にドットを形成して画像を印刷する印刷部と、前記媒体に形成された画像を検知するセンサとを備え、前記画像を印刷するときに、前記画像の輪郭部に形成すべきドットに対して処理を施す輪郭処理を実施する印刷装置において、
所定の調査用パターンを媒体上に形成して、その所定の調査用パターンを前記センサにより検知して、前記センサの検知結果に基づき前記輪郭部に形成すべきドットに対する処理方法を決定することを特徴とする印刷装置。 - 前記所定の調査用パターンにおける所定の部位の寸法を前記センサにより検知して、その検知結果に基づき、前記輪郭部に形成すべきドットに対する処理方法を決定することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
- 前記所定の調査用パターンにおける所定の部位の色の濃度を前記センサにより検知して、その検知結果に基づき、前記輪郭部に形成すべきドットに対する処理方法を決定することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
- 前記センサが、光学センサにより構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷装置。
- 前記印刷部は、前記ドットとして、2種類以上のサイズの異なるドットを形成可能であり、前記輪郭処理として、前記輪郭部に形成すべきドットをより小さなサイズのドットに置き換えて形成するサイズ置換処理を実行することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷装置。
- 前記印刷部は、媒体に向けてインクを吐出することによりドットを形成して画像を印刷し、
前記センサの検知結果に応じた前記輪郭部へのインク吐出量となるように、前記輪郭処理としての前記サイズ置換処理を実行することを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。 - 前記輪郭処理として、前記輪郭部に形成すべきドットを間引いて形成する間引き処理を実行することを特徴とする特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷装置。
- 前記印刷部は、媒体に向けてインクを吐出することによりドットを形成して画像を印刷し、
前記センサの検知結果に応じた前記輪郭部へのインク吐出量となるように、前記輪郭処理としての前記間引き処理を実行することを特徴とする請求項7に記載の印刷装置。 - 前記印刷部は、媒体に対して相対的に移動可能なヘッドに設けられ、前記センサが前記ヘッドとともに移動することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の印刷装置。
- 前記画像としてテキスト画像を印刷するときに、前記輪郭処理を実行することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の印刷装置。
- 媒体にドットを形成して画像を印刷する印刷部と、前記媒体に形成された画像を検知するセンサとを備え、前記画像を印刷するときに、前記画像の輪郭部に形成すべきドットに対して処理を施す輪郭処理を実施する印刷装置において、
所定の調査用パターンを媒体上に形成して、その所定の調査用パターンにおける所定の部位の寸法を前記センサにより検知して、前記センサの検知結果に基づき前記輪郭部に形成すべきドットに対する処理方法を決定し、
前記センサが、光学センサにより構成され、
前記印刷部は、媒体に向けてインクを吐出することによりドットを形成して画像を印刷し、
前記印刷部は、前記ドットとして、2種類以上のサイズの異なるドットを形成可能であり、
前記輪郭処理として、前記輪郭部に形成すべきドットをより小さなサイズのドットに置き換えて形成するサイズ置換処理と、前記輪郭部に形成すべきドットを間引いて形成する間引き処理とを実行し、
前記センサの検知結果に応じた前記輪郭部へのインク吐出量となるように、前記輪郭処理としての前記サイズ置換処理または前記間引き処理を実行し、
前記印刷部は、媒体に対して相対的に移動可能なヘッドに設けられ、前記センサが前記ヘッドとともに移動し、
前記画像としてテキスト画像を印刷するときに、前記輪郭処理を実行することを特徴とする印刷装置。 - 媒体にドットを形成して画像を印刷する印刷部と、前記媒体に形成された画像を検知するセンサとを備えた印刷装置を制御する印刷制御装置であって、
前記印刷装置により媒体に画像を印刷するときに、前記画像の輪郭部に形成すべきドットに対して処理を施す輪郭処理を実行する印刷制御装置において、
前記印刷部により所定の調査用パターンを媒体上に形成して、その所定の調査用パターンを前記センサにより検知して、前記センサの検知結果に基づき前記輪郭部に形成すべきドットに対する処理方法を決定することを特徴とする印刷制御装置。 - 媒体にドットを形成して画像を印刷するときに、前記画像の輪郭部に形成すべきドットに対して処理を施す輪郭処理を実行する印刷方法において、
媒体に画像を印刷する際に、前記媒体上に所定の調査用パターンを形成して、その所定の調査用パターンをセンサにより検知して、前記センサの検知結果に基づき前記輪郭部に形成すべきドットに対する処理方法を決定することを特徴とする印刷方法。 - 媒体にドットを形成して画像を印刷する印刷部と、前記媒体に形成された画像を検知するセンサとを備え、前記画像を印刷するときに、前記画像の輪郭部に形成すべきドットに対して処理を施す輪郭処理を実施する印刷装置において、前記輪郭処理の処理方法を調査する方法であって、
所定の調査用パターンを媒体上に形成して、その所定の調査用パターンを前記センサにより検知して、前記センサの検知結果に基づき前記輪郭部に形成すべきドットに対する処理方法を決定することを特徴とする調査方法。 - 媒体にドットを形成して画像を印刷する印刷部と、前記媒体に形成された画像を検知するセンサとを備え、前記画像を印刷するときに、前記画像の輪郭部に形成すべきドットに対して処理を施す輪郭処理を実施する印刷装置において実行されるプログラムであって、
所定の調査用パターンを媒体上に形成するステップと、
前記媒体に形成された前記所定の調査用パターンを前記センサにより検知するステップと、
前記センサの検知結果に基づき前記輪郭部に形成すべきドットに対する処理方法を決定するステップとを実行することを特徴とするプログラム。
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