JP2013123806A - 液体吐出装置、液体吐出方法、及び、印刷物 - Google Patents

液体吐出装置、液体吐出方法、及び、印刷物 Download PDF

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Abstract

【課題】 画像の盛り上がりを目立ち難くする。
【解決手段】 光の照射によって硬化する液体を吐出するヘッド部と、前記光を照射する照射部と、前記ヘッド部及び前記照射部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記ヘッド部から背景用液体を媒体に吐出した後に、前記照射部から前記光を照射して背景を形成し、前記ヘッド部から前記背景の上に画像記録用液体を吐出した後に、前記照射部から前記光を照射して画像を形成する液体吐出装置であって、前記制御部は、前記背景の外縁部と前記画像の外縁部とが重なる部分に、前記ヘッド部から、明度が前記背景用液体と画像記録用液体の明度以下の低明度液体を吐出するように制御する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、液体吐出装置、液体吐出方法、及び、印刷物に関する。
光(例えば、紫外線(Ultra Violet Light:「UV」と略す)や可視光など)の照射によって硬化する光硬化性の液体(例えば、紫外線硬化性インク、「UVインク」と略す)を吐出して印刷を行う印刷装置として、例えばプリンターが知られている。このようなプリンターでは、ノズルから紙、布、フィルムシート等の被印刷材にUVインクを吐出した後、被印刷材に形成されたドットに光を照射する。これにより、ドットが硬化して被印刷材に定着する(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−74878号公報
UVインクは被印刷材に浸透しにくいため、UVインクを用いて画像を印刷すると、浸透性インク(例えば水性インク)などを用いて画像を印刷した場合と比べて、印刷画像を構成するドットが被印刷材の表面から盛り上がって形成される。
更に、UVインクを用いて被印刷材に画像を印刷した場合、印刷画像のエッジ近傍が他の部分よりも特に盛り上がる現象(厚盛り現象)が生じるおそれがある。そして、厚盛り現象に起因して、印刷画像の一部で光が正反射された状態で印刷画像が視認されると、印刷画像が立体的に見えてしまい、印刷画像が実際よりも厚く知覚されて、印刷画像の画質を悪化させる原因になる。特に、2以上の画像が重なった多層構造の画像を印刷する場合には、画像が重なることによって厚みが増すため、当該2以上の画像の外縁(エッジ)が重なる部分において厚盛り現象がより目立ちやすくなる。
本発明では、画像の盛り上がりを目立ち難くすることを目的としている。
上記目的を達成するための主たる発明は、光の照射によって硬化する液体を吐出するヘッド部と、前記光を照射する照射部と、前記ヘッド部及び前記照射部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記ヘッド部から背景用液体を媒体に吐出した後に、前記照射部から前記光を照射して背景を形成し、前記ヘッド部から前記背景の上に画像記録用液体を吐出した後に、前記照射部から前記光を照射して画像を形成する液体吐出装置であって、前記制御部は、前記背景の外縁部と前記画像の外縁部とが重なる部分に、前記ヘッド部から、明度が前記背景用液体と画像記録用液体の明度以下の低明度液体を吐出するように制御することを特徴とする液体吐出装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
図1Aは、UVインクを用いて被印刷材に印刷した印刷画像の説明図である。図1Bは、図1Aの点線で示す領域T(エッジ近傍)の厚さの測定値のグラフである。 図2Aは、図1Aの印刷画像Gを上から見た図である。図2Bは、図2Aの印刷画像の一部で光が正反射したときの様子の説明図である。 プリンター1の全体構造を示すブロック図である。 第1実施形態のプリンター1の構成を表した概略側面図である。 図5Aは、ヘッドユニット30のプロセスカラーインク用ヘッド32における複数の短尺ヘッドの配列を説明する図である。図5Bは、各ヘッドの下面に配置されるノズル列の様子を説明する図である。 背景画像の上にカラー画像を印刷する場合の例を示す図である。 第1実施形態で形成される画像について説明する図である。 図8Aは、エッジ画像が形成されない場合に、画像表面で反射する光の様子について説明する図である。図8Bは、エッジ画像が形成される場合に、画像表面で反射する光の様子について説明する図である。 第1実施形態の印刷処理全体の流れを表すフロー図である。 第1実施形態のカラー画像生成処理のフロー図である。 第1実施形態のエッジ画像生成処理のフロー図である。 第1実施形態の変形例において形成される画像の断面を表す概略図である。 第2実施形態で形成される画像の断面について説明する図である。 第2実施形態のプリンター2の構成を表した概略側面図である。 第2実施形態の印刷処理全体の流れを表すフロー図である。 第2実施形態のエッジ画像生成処理のフロー図である。 第3実施形態で形成される画像について説明する図である。 第3実施形態のエッジ画像生成処理のフロー図である。 第3実施形態の変形例で形成される画像について説明する図である。 第3実施形態の変形例におけるエッジ画像生成処理のフロー図である。 図21Aは、第4実施形態で形成される画像についてエッジ画像付近の断面を表す図である。図21Bは、図21Aのエッジ画像を上方の視点から見た場合の図である。 第4実施形態におけるエッジ画像生成処理のフロー図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
光の照射によって硬化する液体を吐出するヘッド部と、前記光を照射する照射部と、前記ヘッド部及び前記照射部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記ヘッド部から背景用液体を媒体に吐出した後に、前記照射部から前記光を照射して背景を形成し、前記ヘッド部から前記背景の上に画像記録用液体を吐出した後に、前記照射部から前記光を照射して画像を形成する液体吐出装置であって、前記制御部は、前記背景の外縁部と前記画像の外縁部とが重なる部分に、前記ヘッド部から、明度が前記背景用液体と画像記録用液体の明度以下の低明度液体を吐出するように制御することを特徴とする液体吐出装置。
このような液体吐出装置によれば、外縁部分における盛り上がりが目立ち難い、高画質な画像を形成することができる。
かかる液体吐出装置であって、前記制御部は、前記背景及び前記画像の上に、光の照射によって硬化する透明な液体を吐出した後、前記照射部から前記光を照射して前記透明な液体を硬化させ、前記背景と前記画像の外縁部と前記透明な液体硬化部とが重なる部分に、前記ヘッド部から前記低明度液体を吐出するように制御することが望ましい。
このような液体吐出装置によれば、カラー画像の上にクリア画像を形成し、さらに、画像の外縁部にエッジ画像を形成することで、全体の光沢度が高く、外縁部における厚盛り現象を知覚しにくい高画質な画像を印刷することができる。
かかる液体吐出装置であって、前記制御部は、前記背景の外縁部全体に前記低明度液体を吐出するように制御することが望ましい。
このような液体吐出装置によれば、背景画像の外縁部全体にエッジ画像を形成することで、外縁部の一部が不自然に強調されることを抑制し、より高画質な画像を印刷することができる。
かかる液体吐出装置であって、前記制御部は、前記背景の外縁部のうち前記画像の外縁部と重なる部分に吐出される単位面積当たりの前記低明度液体の吐出量が、前記背景の外縁部のうち前記画像の外縁部と重ならない部分に吐出される単位面積当たりの前記低明度液体の吐出量以下であるように制御することが望ましい。
このような液体吐出装置によれば、エッジ画像に生じるムラを目立ち難くなり、より高画質な画像を印刷することができる。
かかる液体吐出装置であって、前記制御部は、前記背景の外縁部と前記画像の外縁部とが重なる部分において、前記背景の外縁部に近いほど単位面積当たりに吐出される前記低明度液体の量が多いように制御することが望ましい。
このような液体吐出装置によれば、カラー画像とエッジ画像との境界が認識されにくくなり、より高画質な画像を印刷することができる。
また、光の照射によって硬化する背景用液体を媒体に吐出した後で、前記光を照射して背景を形成する工程と、前記背景の上に、光の照射によって硬化する画像記録用液体を吐出した後で、前記光を照射して画像を形成する工程とを有する液体吐出方法であって、前記画像を形成する工程の後で、前記背景の外縁部と前記画像の外縁部とが重なる部分に、明度が前記背景用液体と画像記録用液体の明度以下の低明度液体を吐出する工程を備えたことを特徴とする液体吐出方法が明らかとなる。
また、媒体上に吐出される背景用液体によって下地が形成され、前記背景の上に吐出される画像形成用液体によって画像が形成され、前記背景の外縁部と前記画像の外縁部とが重なる部分に、明度が前記背景用液体と画像形成用液体の明度以下の低明度液体による画像が形成されていることを特徴とする印刷物が明らかとなる。
===概要===
<厚盛り現象・厚盛り感について>
プラスチックフィルム等のような被印刷材はインクを吸収しにくい性質を有するため、このような被印刷材にインクジェット方式によって印刷を行う際に、光硬化性インクとしてUVインクが用いられることがある。UVインクは、紫外線硬化樹脂を含むインクであり、紫外線(UV)が照射されると硬化する性質を有する。UVインクを硬化させてドットを形成することによって、インク受容層を持たずインク吸収性の無い被印刷材に対しても印刷を行うことができる。なお、インク受容層を持たない被印刷材としては、例えばフィルム(具体的には、塩化ビニールフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET:Polyethylene terephthalate)フィルム)がある。
但し、UVインクで形成されたドットは被印刷材の表面で隆起しているため、UVインクを用いて被印刷材に印刷画像を形成すると、被印刷材の表面に凹凸ができる。また、印刷画像が塗り潰し画像である場合には、印刷画像が厚みを有することになる。
図1Aは、UVインクを用いて被印刷材(媒体)に印刷した印刷画像の説明図である。
UVインクは被印刷材Sに浸透しにくいため、UVインクを用いて画像を印刷すると、ドットが盛り上がって形成される。塗り潰し画像を印刷すると、UVインクで形成されたドットが所定の領域を埋め尽くすため、厚みのある印刷画像Gが被印刷材S上に形成されることになる。例えば、被印刷材Sに文字を印刷する場合、厚みのある文字画像(塗り潰し画像)が被印刷材S上に形成されることになる。UVインクを用いて印刷された印刷画像Gの厚さは、数μm程度になる。
図1Bは、図1Aの点線で示す領域T(エッジ近傍)の厚さの測定値のグラフである。グラフの横軸は被印刷材Sの位置を示し、縦軸はドットの高さ(印刷画像Gの厚さ)を示している。なお、印刷画像Gは、インク重量を10ngとしてドットを形成し、720×720dpiの印刷解像度で塗り潰した画像である。印刷画像Gの厚さは、ミツトヨ社製のノンストップCNC(Computer Numerical Control)画像測定機Quick Vision Stream plusを用いて測定した。図に示すように、この印刷画像Gは、5μmほどの厚さである。
グラフ中の位置Xは、印刷画像Gの最も外側の位置を示している。言い換えると、位置Xは、印刷画像Gの端(エッジ)の位置を示している。また、グラフ中の位置Aは、印刷画像のエッジ近傍における最厚位置(最も高い位置)を示している。言い換えると、位置Aは、印刷画像Gのエッジ近傍における突出部分の位置を示している。
位置Aは、位置Xから約200μmほど内側に位置している。位置Xから位置Aまでの領域(グラフ中の領域B)では、印刷画像の内側ほど徐々に印刷画像が厚くなるように傾斜している。グラフでは縦と横のスケールが一致していないが、実際には、グラフ中の位置Bでは、3°未満の角度で傾斜している。位置Aでは厚さが最大(約6μm)になる。また、位置Aよりも印刷画像の内側の領域(グラフ中の領域C)では、内側ほど徐々に印刷画像が薄くなり、位置Dで厚さが5μm程度に達し、それより内側では、ほぼ一様な厚さになる。
本明細書では、グラフ中の位置Aのように、エッジ近傍が他の部分よりも特に盛り上がる現象のことを「厚盛り現象」と呼ぶ。この厚盛り現象は、UVインクを用いてインクジェット方式にて画像を印刷したときに生じる特有の現象である。また、本明細書では、エッジ近傍、具体的には、印刷画像を形成する領域(以下、画像形成領域ともいう)のうち画像の端(例えば、図1Bの位置X)から画像の厚さが一様になる位置(例えば、図1Bの位置D)までの領域Bと領域Cを合わせた領域のことを端部領域Eと呼ぶ。図1Bの場合、端部領域Eは、画像の端からの距離が約580μm以下の領域である。
図2Aは、図1Aの印刷画像Gを上から見た図である。図2Bは、図2Aの印刷画像の一部で光が正反射したときの様子の説明図である。図2Bでは、印刷画像の内側で光って視認される部分を白く示している。
印刷画像の中央部分では、厚さがほぼ一様になっているため、一様な光沢性が得られる。但し、印刷画像のエッジ近傍(端部領域E)では、厚さが一様ではないため、一様な光沢性は得られない。
エッジ近傍では、厚盛り現象のため、印刷画像は一様な厚さにはならず、印刷画像のエッジよりも内側に、エッジに沿った突出部分が形成される。この結果、光の反射角次第によって、図2Bに示すように、印刷画像Gの一部がエッジに沿って光って視認されることがある。観察者の目、光源及び印刷画像の位置関係・角度によって、図1Bの傾斜領域で正反射した光が観察者の目に入り、図2Bに示すように印刷画像Gが視認されるのである。
図2Bに示すように、エッジに沿って印刷画像Gの一部が光って見えると、印刷画像全体が立体的に知覚されてしまう。喩えると、コンピューター・グラフィックスで3次元物体をディスプレイ上で2次元画像として物体の一部の輝度を明るく表示したときのように(例えば光線追跡法により3次元物体を2次元画像として表示したときのように)、印刷画像が立体的に知覚されてしまう。この結果、実際には5μmほどの厚さであるにも関わらず、印刷画像Gの観察者には、それ以上に厚く知覚されてしまうことになる。
本明細書では、この厚盛り現象のために印刷画像が実際よりも厚く知覚されることを「厚盛り感」と呼ぶ。「厚盛り感」という課題は、UVインクを用いてインクジェット方式にて画像を印刷したときに生じる特有の課題である。
なお、通常の製版印刷(フレキソ印刷やオフセット印刷など)による印刷画像は、UVインクを用いた印刷画像と比べると、厚さがほとんど無い。このため、通常の製版印刷による印刷画像では、「厚盛り現象」は生じず、「厚盛り感」という課題も生じない。また、被印刷材Sにインクを浸透させて印刷した印刷画像も、印刷画像の厚さはほとんど無い。このため、被印刷材Sにインクを浸透させて印刷した印刷画像でも、「厚盛り現象」は生じず、「厚盛り感」という課題も生じない。このように、厚盛り現象や厚盛り感は、UVインクを用いてインクジェット方式にて画像を印刷したときに生じる特有の現象・課題である。
そこで、以下に示す実施形態では、画像の盛り上がり部分(具体的には端部領域E)の、厚盛り感を抑制するようにしている。
===第1実施形態===
発明を実施するための液体吐出装置の形態として、インク等の液体を媒体に吐出することによって画像を印刷する印刷装置がある。第1実施形態では、印刷装置としてラインプリンター(プリンター1)を例に挙げて説明する。
<プリンター1の構成>
プリンター1は、紙、布、フィルムシート等の媒体に向けて、インク等の液体を吐出することで画像を記録する液体吐出装置である。第1実施形態では、紫外線等の光(以下、UV)を照射することによって硬化する紫外線硬化型インク(以下、UVインク)を吐出することにより、媒体に画像を記録する。UVインクは、紫外線硬化樹脂を含むインクであり、UVの照射を受けると紫外線硬化樹脂において光重合反応が起こることにより硬化する。UVインクの詳細については後で説明する。なお、第1実施形態のプリンター1は、UVインクとして、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びブラック(K)の4色のプロセスカラーインクを用いて画像(以下、カラー画像とも呼ぶ)の記録を行う。すなわち、プロセスカラーインクは画像を記録するための画像記録用インク(画像記録用液体)である。
また、ホワイトインク(W)を用いて、カラー画像の背景(以下、背景画像とも呼ぶ)を記録する。すなわち、ホワイトインク(W)は画像の背景を記録するための背景用インク(背景用液体)である。
図3は、プリンター1の全体構造を示すブロック図である。プリンター1は、搬送ユニット10、ヘッドユニット30、照射ユニット40、検出器群50、及びコントローラー60を有する。コントローラー60は、外部装置であるコンピューター110から受信した印刷データに基づいてヘッドユニット30や照射ユニット40等の各ユニットを制御する制御部である。プリンター1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は検出結果をコントローラー60に出力する。コントローラー60は検出器群50から出力された検出結果に基づいて各ユニットを制御する。
<コンピューター110>
プリンター1は、外部装置であるコンピューター110と通信可能に接続されている。コンピューター110にはプリンタードライバーがインストールされている。プリンタードライバーは、表示装置にユーザーインターフェースを表示させ、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換させるためのプログラムである。このプリンタードライバーは、フレキシブルディスクFDやCD−ROMなどの記録媒体(コンピューターが読み取り可能な記録媒体)に記録されている。また、プリンタードライバーはインターネットを介してコンピューター110にダウンロードすることも可能である。なお、このプログラムは、各種の機能を実現するためのコードから構成されている。
コンピューター110はプリンター1に画像を印刷させるため、印刷させる画像に応じた印刷データをプリンター1に出力する。つまり、コンピューター110は印刷装置の制御部であるとも言える。
印刷データは、プリンター1が解釈できる形式のデータであって、各種のコマンドデータと、画素データとを有する。コマンドデータとは、プリンター1に特定の動作の実行を指示するためのデータである。このコマンドデータには、例えば、媒体供給を指示するコマンドデータ、媒体の搬送量を示すコマンドデータ、媒体排出を指示するコマンドデータがある。また、画素データは、印刷される画像の画素に関するデータである。
ここで、画素とは画像を構成する単位要素であり、記録解像度で規定される記録単位領域である。例えば、記録解像度が720×720dpiであれば、(1/720)×(1/720)インチの領域であり、画素の辺の長さは、1/720インチである。この画素が2次元的に並ぶことにより画像が構成される。印刷データにおける画素データは、媒体(例えばフィルムシートなど)上に形成されるドットに関するデータ(例えば、階調値)である。画素データは画素毎に、例えば2ビットのデータによって構成される。この2ビットの画素データは1つの画素を4階調で表現できるデータである。
<搬送ユニット10>
図4に、第1実施形態のプリンター1の構成を表した概略側面図を示す。
搬送ユニット10は、媒体を所定の方向(以下、搬送方向という)に搬送させるためのものである。この搬送ユニット10は、搬送方向上流側の搬送ローラー13A及び搬送方向下流側の搬送ローラー13Bと、ベルト14とを有する(図4)。不図示の搬送モータが回転すると、上流側搬送ローラー13A及び下流側搬送ローラー13Bが回転し、ベルト14が回転する。媒体供給ローラー(不図示)によって供給された媒体は、ベルト14によって印刷可能な領域(後述するヘッドユニット30と対向する領域)まで搬送される。印刷可能な領域を通過した媒体はベルト14によって外部へ排出される。なお、搬送中の媒体はベルト14に静電吸着又はバキューム吸着されている。
<ヘッドユニット30>
ヘッドユニット30は、媒体にUVインクを吐出するためのものである。ヘッドユニット30は搬送中の媒体に対してホワイトインク(W)、各色プロセスカラーインク(CMYK)、及び、後述するエッジ画像を形成するインク(以下、エッジ画像インク(E)とも呼ぶ)を吐出することによってドットを形成し、媒体上に画像を記録する。第1実施形態のプリンター1はラインプリンターであり、ヘッドユニット30の各ヘッドは媒体幅分のドットを一度に形成することができる。
図4では、搬送方向の上流側に、ホワイトインク(W)を吐出するホワイトインク用ヘッド31が設けられている。
ホワイトインク用ヘッド31の搬送方向後流側には、プロセスカラーインク用ヘッド32が設けられている。プロセスカラーインク用ヘッド32はシアン(C)インクヘッド321と、マゼンタ(M)インクヘッド322と、イエロー(Y)インクヘッド323と、ブラック(K)インクヘッド324とから構成され、CMYKの各色のUVインクを吐出する。これらのヘッドによって、ホワイト(W)インクによる背景画像及び、プロセスカラーインク(CMYK)によるカラー画像を印刷する。
なお、プロセスカラーインク用ヘッド32として、上述のCMYK以外にホワイト(W)インクや透明なクリア(CL)インクやその他のインクを吐出するヘッドを備え、これらの色を用いてカラー画像を印刷してもよい。あるいは赤、青といった特定の色のインクを吐出するヘッドであってもよい。
そして、プロセスカラーインク用ヘッド32の搬送方向後流側に、エッジ画像インク(E)を吐出するエッジ画像インク用ヘッド35が設けられている。媒体上に形成された背景画像やカラー画像の外縁部に対して、エッジ画像インク用ヘッド35からエッジ画像インク(E)を吐出することにより、背景画像のエッジ部分及びカラー画像のエッジ部分が重なる部分にエッジ画像を形成する。第1実施形態では、このエッジ画像によって厚盛り感が知覚されにくい画像を形成する。エッジ画像の詳細については後で説明する。
各ヘッドは各々、複数の短尺ヘッドから構成され、各短尺ヘッドはUVインクを吐出するための吐出口であるノズルを複数備えている。
図5Aは、ヘッドユニット30のプロセスカラーインク用ヘッド32における複数の短尺ヘッドの配列を説明する図である。図5Bは、各ヘッドの下面に配置されるノズル列の様子を説明する図である。なお、図5A及び図5Bはノズルを上面から仮想的に見た図である。
カラーインク用ヘッド32のうちシアン(C)インクヘッド321では、媒体幅方向に沿って複数の短尺ヘッド321a〜321nが千鳥列状に並んでいる。同様に、マゼンタ(M)インクヘッド322では、媒体幅方向に沿って複数の短尺ヘッド322a〜322nが千鳥列状に並んでいる(図5A)。また、イエロー(Y)インクヘッド323、及び、ブラック(K)インクヘッド324も同様である(不図示)。
そして、各短尺ヘッドには複数のノズル列が形成されている(図5B)。各ノズル列は、インクを吐出するノズルをそれぞれ180個ずつ備えており、該ノズルは紙幅方向に沿って#1〜#180まで一定のノズルピッチ(例えば360dpi)で並んでいる。なお、1列のノズル数は180個には限られない。例えば、1列に360個のノズルを備えていても良いし、90個のノズルを備えていてもよい。各ノズルには、それぞれインクチャンバー及び圧電素子であるピエゾ素子(共に不図示)が設けられている。ピエゾ素子はコントローラー60により生成される駆動信号により駆動される。そして、ピエゾ素子の駆動によりインクチャンバーが伸縮・膨張し、インクチャンバーに満たされたインクがノズルから吐出される。ピエゾ素子群は、櫛歯状の複数のピエゾ素子PZT(駆動素子)を有し、ノズルNzに対応する数分だけ設けられている。
各ノズルは、駆動信号に従ってピエゾ素子に印加されるパルスにより、量の異なる複数種のインク液滴を吐出することができる。例えば、各ノズルからは、大ドットを形成し得る量の大インク滴、中ドットを形成し得る量の中インク滴、及び小ドットを形成し得る量の小インク滴空からなる3種類のインクを吐出させることができる。そして、搬送中の媒体に対して各ノズルから断続的にインク滴が吐出されることによって、各ノズルは、媒体の搬送方向に沿ったドットライン(ラスタライン)を形成する。
ホワイトインク用ヘッド31及びエッジ画像インク用ヘッド35もプロセスカラーインク用ヘッド32と同様の短尺ヘッドを複数備えており、各短尺ヘッドのノズル列は、インクを吐出するノズルNzをそれぞれ180個ずつ備えている。
<照射ユニット40>
照射ユニット40は、媒体に着弾したUVインクドットに向けてUVを照射するものである。媒体上に形成されたドットは、照射ユニット40からのUVの照射を受けることにより、硬化する。第1実施形態の照射ユニット40は、背景画像用照射部41、カラー画像用照射部42、及びエッジ画像用照射部45を備えている。
背景画像用照射部41は、ホワイトインク用ヘッド31の搬送方向の下流側に設けられ(図4)、ホワイトインク用ヘッド31によって形成されたホワイトインクドットを硬化させるためのUVを照射する。カラー画像用照射部42は、プロセスカラーインク用ヘッド32の搬送方向の下流側に設けられ(図4参照)、プロセスカラーインク用ヘッド32によって形成されたカラーインクドットを硬化させるためのUVを照射する。また、エッジ画像用照射部45は、エッジ画像インク用ヘッド35の搬送方向の下流側に設けられ(図4参照)、エッジ画像インク用ヘッド35によって形成されたエッジインクドットを硬化させるためのUVを照射する。背景画像用照射部41〜エッジ画像用照射部45の媒体幅方向の長さはそれぞれ媒体幅以上である。
また、第1実施形態において、背景画像用照射部41〜エッジ画像用照射部45は、それぞれUV照射の光源として発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を備える。LEDの波長ピークは395nmのものを使用する。LEDは入力電流の大きさを制御することによって、照射エネルギーを容易に変更することが可能である。第1実施形態では150〜300mJ/cmの範囲で照射エネルギーを変更することによって、UV照射強度を制御してUVインクドットの硬化率を調整する。
なお、ホワイトインク用ヘッド31、及び、背景画像用照射部41を合わせて、背景画像形成部とも呼ぶ。また、プロセスカラーインク用ヘッド32、及び、カラー画像用照射部42を合わせて、カラー画像形成部とも呼ぶ。また、エッジ画像インク用ヘッド35、及び、エッジ画像用照射部45を合わせて、エッジ画像形成部とも呼ぶ。
<検出器群>
検出器群50には、ロータリー式エンコーダー(不図示)や、媒体検出センサー(不図示)などが含まれる。ロータリー式エンコーダーは上流側搬送ローラー13Aや下流側搬送ローラー13Bの回転量を検出する。ロータリー式エンコーダーの検出結果に基づいて媒体の搬送量を検出することができる。媒体検出センサーは媒体供給中の媒体の先端の位置を検出する。
<コントローラー>
コントローラー60は、プリンターの制御を行うための制御ユニット(制御部)である。コントローラー60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリー63と、ユニット制御回路64とを有する。
インターフェース部61は、外部装置であるコンピューター110とプリンター1との間でデータの送受信を行う。CPU62は、プリンター1の全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子によって構成される。そして、CPU62は、メモリー63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して搬送ユニット10等の各ユニットを制御する。
<印刷動作について>
プリンター1による印刷動作について簡単に説明する。プリンター1がコンピューター110から印刷データを受信すると、コントローラー60は、まず、搬送ユニット10によって媒体供給ローラー(不図示)を回転させ、印刷すべき媒体をベルト14上に送る。
媒体はベルト14上を一定速度で停まることなく搬送され、背景画像形成部の下を通過する。この間に、ホワイトインク用ヘッド31の各ノズルからホワイトインク(W)を断続的に噴出させることによって、多数のホワイトインクドットを媒体上に形成する。そして、照射ユニット40の背景画像用照射部41からUVを照射してホワイトインクドットを硬化させる。これにより、ホワイトインクのベタ塗り画像である「背景画像」が印刷される。
背景画像が印刷された後、媒体はベルト14上を一定速度で停まることなく搬送され、カラー画像形成部を通過する。この間に、プロセスカラーインク用ヘッド32の各ノズルから各色カラーインク(CMYK)を断続的に噴出させることによって、背景画像の上にカラーインクドットを形成する。そして、照射ユニット40のカラー画像用照射部42からUVを照射して各色カラーインクドットを硬化させる。これにより、背景画像の上に「カラー画像」が印刷される。
背景画像の上にカラー画像が形成された後、媒体はベルト14上を一定速度で停まることなく搬送され、エッジ画像形成部を通過する。この間に、エッジ画像インク用ヘッド35の各ノズルからエッジ画像インク(E)を断続的に噴出させることによって、背景画像及び画像の外縁部が重なる部分を縁取るようにエッジ画像インクドットを形成する。そして、照射ユニット40のエッジ画像用照射部45からUVを照射してエッジ画像インクドットを硬化させる。これにより、「エッジ画像」が印刷される。
最後に、コントローラー60は、画像の印刷が終了した媒体を媒体排出する。
<形成される画像の説明>
第1実施形態で形成される画像について具体的に説明する。図6は背景画像の上にカラー画像を印刷する場合の例を示す図である。図7は、第1実施形態で形成される画像について説明する図である。
プリンター1を用いて画像の印刷を行う際に、被印刷媒体として透明なフィルムシート等が用いられる場合がある。媒体が透明である場合、当該媒体に直接カラーインクを吐出して画像を印刷したとしても、媒体の裏側(若しくは表側)から光が透過してしまうため、印刷されたカラー画像の色が正確に再現されにくい。また、光が透過しない紙等を媒体として使用する場合でも、当該紙の色が白ではないとき(例えば黒い紙を用いて印刷するとき)には、印刷された画像の発色が悪くなるおそれがある。そこで、第1実施形態ではまず、媒体にホワイトインク(背景用液体)をベタ塗りすることによって、白色の背景画像(背景)を形成する。なお、背景画像を形成する背景用液体の色は必ずしも「白」である必要はなく、イエロー(Y)や、シアン(C)等のインクを用いてもよい。また、背景画像は必ずしも一色ではなく、白インクのベタ塗りの中に、シアンが散在しているようなものや、白のベタの中に空、森等の画像がある背景とすることもできる。
背景画像(背景)が形成された後にカラーインク(画像記録用液体)を吐出して、当該背景画像の上に図6の斜線部のようなカラー画像(画像)を形成する。背景画像によって媒体裏側からの光の透過が抑制され、また、背景画像自体が白色であることにより、発色の良いカラー画像を印刷することができる。
一方で、印刷されたカラー画像の外縁部分(エッジ部分)では、上述したような厚盛り現象が発生する。特に、白インクによる背景画像(背景)の外縁部とカラーインクによるカラー画像(画像)の外縁部とが重なる部分では、厚盛りが顕著に発生する。例えば、図6のA−A断面では、背景画像とカラー画像が重なって形成される右端部において、画像表面に大きな盛り上がりが発生している。これは、2つの画像(背景画像及びカラー画像)が重なることで画像の厚みが増すことにより、その分、外縁部の盛り上がりが大きくなるためと考えられる。したがって、図6では、カラー画像の外縁部の一部で厚盛り感が目立ちやすくなり、画質が劣化しているように見える。
そこで、第1実施形態では当該背景画像の外縁部とカラー画像の外縁部とが重なる部分に明度の低いエッジ画像インク(低明度液体)を吐出して、当該外縁部を縁取るようなエッジ画像を形成する。
ここで、低明度液体とは、背景用液体や、画像記録用液体と同等以下の明度の液体(インク)である。
例えば、背景用液体として白インクを使用し、媒体の画像形成領域全面に白の背景を形成し、その上に画像形成用液体として、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)のプロセスカラーインクを用いた場合、明度がそれらの液体以下の明度の液体は、プロセスカラーの黒(K)の明度以下の明度の黒インクである。
また、背景用液体としてシアンインクを使用し、媒体の画像形成領域全面にシアンの背景を形成し、その上に画像形成用液体として、シアン(C、背景用液体と同じシアンインク)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のカラーインクを用い、これらの中で、シアンインクの明度が最も低かった場合、低明度液体としては、使用したシアンインク、使用したシアンインク以下の明度のシアンインク、使用したシアンインク以下の明度のマゼンタインク、使用したシアンインク以下の明度の黒インク等が挙げられる。
第1実施形態においては、低明度液体としてこのようなインクが用いられ、図7の太線部で表されるようなエッジ画像が形成される。このエッジ画像は、図7のA−A断面に示されるように、カラー画像のエッジ部に生じる盛り上がり部を覆うようにして形成される。
図8Aは、エッジ画像が形成されない場合に、画像表面で反射する光の様子について説明する図である。図8Bは、エッジ画像が形成される場合に、画像表面で反射する光の様子について説明する図である。
図8Aで、エッジ画像が形成されない場合、図6で説明したように背景画像の外縁部とカラー画像の外縁部とが重なる部分(図の端部領域E)が大きく盛り上がる。このような画像の表面に光が入射した場合、画像表面が平滑な部分に入射した光は正反射しやすいので、光沢が一様になりやすい。一方、画像外縁の盛り上がり部(端部領域E)に入射した光は、図8Aのように様々な方向に散乱しながら反射するため光沢が不均一となり、外縁部の厚盛り感が目立ちやすくなる。
これに対して、図8Bのようにエッジ画像が形成される場合、背景画像の外縁部とカラー画像の外縁部とが重なる部分(図の端部領域E)では、盛り上がり部を覆うようにエッジ画像が形成される(図の黒塗り部分)。エッジ画像は低明度液体によって形成されているため、当該部分に入射した光はその他の部分(外縁部以外の部分)に入射した光よりも反射しにくく、図8Aの場合と比べて反射光が小さくなる。つまり、反射光の散乱が抑制されるため、エッジ部分における色味や光沢の変化を抑えることができる。これにより、当該エッジ画像が形成された部分(端部領域E)では厚盛り感が目立ちにくくなり、印刷画像の画質を向上させることができる。
<印刷処理について>
第1実施形態における印刷処理の具体的詳細について説明する。図9に、第1実施形態の印刷処理全体の流れを表すフロー図を示す。
印刷開始に先んじて、まずコンピューター110とプリンター1とが接続され(図3参照)、プリンター1に同梱されているCD−ROMに記憶されたプリンタードライバー(若しくは、プリンター製造会社のホームページからダウンロードしたプリンタードライバー)が、コンピューター110にインストールされる。このプリンタードライバーは、図9の各処理をコンピューターに実行させるためのコードを備えている。そして、プリンター1が解釈できる形式の印刷データを生成し、印刷データをプリンター1に出力する。
なお、プリンタードライバーをプリンター1にインストールして、これらの各種処理をプリンター側で行ってもよい。
プリンター1のユーザーが、アプリケーションプログラム上で描画した画像の印刷を指示すると、プリンタードライバーが起動する。プリンタードライバーは、アプリケーションプログラムから印刷対象となる画像(原画像)のデータを受け取り、S101〜S103の各処理を実行する。
背景画像生成処理(S101)は、媒体に背景画像(背景)を印刷するためのデータを生成する処理である。第1実施形態では、上述のように主にホワイト(W)インクのベタ塗りを行うことによって、カラー画像の背景となる画像を形成する。
プリンタードライバーは印刷範囲として設定される領域の全ての画素について、背景画像(ホワイトインク)の大ドットを形成するようなデータを生成する。なお、印刷条件によっては、全ての画素にホワイトインクドットが形成されなくてもよく、また、ドットの大きさを変更してもよい。例えば、媒体が白い紙等であり、ホワイトインクの吐出量を少なくしてもよいような場合には、印刷領域中の所定の画素を間引いたり、ホワイトインクのドットを小さくしたりすることもできる。ユーザー自身がユーザーインターフェースを介してこれらの設定を変更可能にしておくことで、所望の背景画像を印刷することができるようにしておく。
カラー画像生成処理(S102)は、印刷対象であるカラー画像(画像)を印刷するためのデータを生成する処理である。第1実施形態では、上述のように画像を形成する第2のインクとして各色カラーインク(CMYK)を吐出することで、背景画像の上にカラー画像を形成する。カラー画像生成処理の詳細については後で説明する。
エッジ画像生成処理(S103)は、画像の盛り上がり部分(第1実施形態の場合、背景画像の外縁部とカラー画像外縁部とが重なる領域)にエッジ画像を形成するためのデータを生成する処理である。例えば、エッジ画像インク(E)(低明度液体)としてブラックインク(K)を用いる場合、当該重なる領域に黒色の小ドットを離散的に吐出することによってエッジ画像を形成する。エッジ画像生成処理の詳細については後で説明する。
なお、エッジ画像インク(E)がブラック(K)であるのならば、カラー画像形成部のブラック(K)インクヘッド324を用いてエッジ画像を印刷するようにしてもよい。この場合、プリンター1は必ずしもエッジ画像形成部(エッジ画像インク用ヘッド35)を備えなくてもよいので、装置をコンパクトにすることができる。
S101〜S103により画像を印刷するためのデータ生成された後、プリンタードライバーは、プリンター1を制御するための制御データを画素データに付加することによって印刷データを生成し、その印刷データをプリンター1に送信する。
(カラー画像生成処理(S102)の詳細)
図10は、カラー画像生成処理のフロー図である。
解像度変換処理(S121)は、画像データ(テキストデータ、イメージデータなど)を、媒体に印刷する際の解像度(印刷解像度)に変換する処理である。例えば、印刷解像度が720×720dpiに指定されている場合、アプリケーションプログラムから受け取ったベクター形式の画像データを720×720dpiの解像度のビットマップ形式の画像データに変換する。なお、解像度変換処理後の画像データの各画素データは、RGB色空間により表される各階調(例えば256階調)のデータから構成される。
次に、プリンタードライバーは、色変換処理を行う(S122)。色変換処理とは、プリンター1のインク色の色空間に合わせて画像データを変換する処理である。ここでは、RGB色空間の画像データが、CMYK色空間の画像データに変換される。この色変換処理は、RGBデータの階調値とCMYKデータの階調値とを対応づけた3D−LUTに基づいて行われる。これにより、CMYK色空間の画像データが得られる。色変換処理後の画素データは、CMYK色空間により表される256階調の8ビットデータである。
色変換処理の後、プリンタードライバーは、ハーフトーン処理を行う(S123)。ハーフトーン処理とは、高階調数のデータを、プリンター1が形成可能な低階調数のデータに変換する処理である。ここでは、256階調の印刷画像データが、2階調を示す1ビットデータや、4階調を示す2ビットデータに変換されるものとする。ハーフトーン処理方法としてディザ法・誤差拡散法などが知られており、第1実施形態もこのようなハーフトーン処理を行う。ハーフトーン処理されたデータは、記録解像度(例えば720×720dpi)と同等の解像度である。ハーフトーン処理後の画像データでは、画素ごと1ビット又は2ビットの画素データが対応しており、この画素データは各画素でのドット形成状況(ドットの有無、ドットの大きさ等)を示すデータになる。例えば、2ビットのデータの場合、画素データ[00]の場合はドット無し(ドット非形成)、画素データ[01]の場合は小ドット形成、画素データ[10]の場合は中ドット形成、画素データ[11]の場合は大ドット形成というデータになる。
次に、プリンタードライバーは、ラスタライズ処理を行う(S124)。ラスタライズ処理は、印刷画像データ上の画素データの並び順を、プリンター1に転送すべきデータ順に変更する処理である。例えば、各ノズル列のノズルの並び順に応じて、画素データを並び替える。
これにより、カラー画像を形成するための印刷データが生成される。
(エッジ画像生成処理(S103)の詳細)
図11は、エッジ画像生成処理のフロー図である。
プリンタードライバーは、S101で生成された背景画像(背景)の画素データのコピーを取得し、該背景画像の外縁部(エッジ部)の画素を抽出する(S131)。エッジ画素は、背景画像の画素データに対してフィルタ処理を行うことによって抽出される。例えば、ラプラシアンフィルタやSobelフィルタを用いてエッジ画素を抽出することができる。抽出されたエッジ画素のデータは2値化され、階調値が「0」または「1」のデータとしてメモリー63に一時的に保存される。
続いて、プリンタードライバーは、S123で生成されたハーフトーン後のカラー画像(画像)の画素データのコピーを取得し、外縁部(エッジ部)の画素を抽出する(S132)。カラー画像のエッジ画素抽出はS131と同様にして行われる。
次に、S131で抽出された背景画像のエッジ画素とS132で抽出されたカラー画像のエッジ画素との重複画素が検出される(S133)。第1実施形態では、メモリー63に保存されている背景画像のエッジ部の画素データで階調値が「1」となる画素と、カラー画像のエッジ部の画素データで階調値が「1」となる画素とが同じ位置であるときに、両画像のエッジ画素が重複すると判断される。言い換えると、所定の画素について、背景画像(背景)のエッジ部の画素データ、及び、カラー画像(画像)のエッジ部の画素データの階調値が共に「1」である場合に、エッジ画素が重なるものと判断される。
そして、プリンタードライバーは、検出された重複画素から所定距離(例えば0.5mm)の領域を端部領域(図1B参照)として設定する(S134)。これにより印刷画像の外縁に沿って、例えば0.5mmの幅の端部領域が定められる。
その後、プリンタードライバーは、設定された端部領域に対してエッジ画像インク(E)を吐出してエッジ画像を形成するためのデータ(以下、エッジ画像データともいう)を生成する(S135)。エッジ画像データは、端部領域に含まれる複数の画素について、一定の割合(例えば端部領域画素の70%程度)で所定の階調値(例えば、階調値「01」)が設定されるデータである。すなわち、エッジ画像データは、端部領域には所定のDutyでドット(例えば、黒の小ドット)を形成し、端部領域以外には、ドットを形成しないデータになる。
なお、Dutyとは、単位面積当たりに吐出されるインク量の割合のことである。例えばDutyが50%の場合、10画素に対して5つの画素にドットを形成することになる。
最後に、カラー画像処理と同様にラスタライズ処理が行われ(S136)、エッジ画像生成処理が完了する。
このようにして、プリンタードライバーは、エッジ画像インク(E)を用いてエッジ画像を形成するためのデータを生成する。
印刷データを受信したプリンター1のコントローラー60は、印刷データに含まれている制御データに従って各ユニットを制御すると共に、画像データに従ってヘッド部30の各ヘッドから選択的にUVインクを吐出する。具体的には、媒体に背景用液体を吐出することによって背景(背景画像)を形成する。続いて、背景の上に画像記録用液体を吐出することによって画像(カラー画像)を形成する。そして、背景及び画像の上に低明度液体を吐出することによってエッジ画像を形成する。
<変形例>
カラー画像の端部領域の上にエッジ画像インク(E)を吐出してエッジ画像を形成する際に、変形例として以下のようにエッジ画像を形成してもよい。すなわち、カラー画像の外縁部(端部領域)に形成されるカラーインクドットを所定の割合で間引き、その上にエッジ形成インクを吐出させてエッジ画像を形成する。
図12に、変形例において形成される画像の断面を表す概略図を示す。図12において斜線部で表される領域はカラー画像を表し、黒塗りで表される領域はエッジ画像を表す。そして、エッジ画像の上方に描かれた点線は、上述の第1実施形態において形成されるエッジ画像の位置を表す(図8B参照)。
第1実施形態の変形例では、カラー画像外縁部(端部領域E)のカラーインクドットを所定量だけ間引く。外縁部におけるカラーインクドット量が少なくなることによって、当該外縁部で発生するカラー画像の盛り上がりの量が、第1実施形態の場合(図8A参照)と比較して小さくなる。これにより、厚盛り現象が目立ちにくくなる。さらに、当該カラー画像の外縁部に明度の低いエッジ画像を形成することで、端部領域Eにおける色味や光沢の変化がより知覚されにくくなる。
変形例の印刷処理では、図10のS123において生成されるカラー画像の画素データから、外縁部の一部の画素データが間引かれる。具体的には、図11のS133において検出される背景画像とカラー画像との外縁部が重なる画素のうち一部の画素データが、カラー画像の画素データから間引かれる。例えば、当該重なる画素のうち数%分の画素について、カラーの階調値が[00]に変更される。カラー画像の端部領域に吐出されるカラーインクの量を減少させることにより、該端部領域における画像の盛り上がりの高さが低くなるため、高画質な画像を印刷することができる。
<第1実施形態の効果>
第1実施形態では、背景画像(背景)の外縁部とカラー画像(画像)の外縁部とが重なる部分に、明度の低いインクを吐出してエッジ画像を形成させる。これにより、当該外縁部分の盛り上がりによる光の散乱を抑制して、画像の色味や光沢が変化することを目立ちにくくする。すなわち、画像の厚盛り現象を知覚されにくくすることができる。
===第2実施形態===
第2実施形態では、CMYKのカラーインクの他に無色透明のクリアインク(CL)を使用して画像を印刷する。
クリアインク(CL)は色材を含まないか、含んでいても少量の、一般的に「クリアインク」と呼ばれる透明な液体であり、第2実施形態ではカラー画像の表面をコーティングするために用いられる。具体的には、カラー画像の上にクリアインクを吐出してクリアインクの層(クリア画像)を形成する。図13は、第2実施形態で形成される画像の断面について説明する図である。図のようにカラー画像に重ねてクリア画像を形成することにより、カラー画像の表面を保護したり光沢度を高めたりすることができる。しかし、背景画像(背景)、カラー画像(画像)、クリア画像(クリア層)が3層重ねて形成されることにより、第1実施形態(図7参照)と比較して、形成される画像はクリア画像の厚みが加わる分厚くなる。これにより、画像の端部領域での厚盛り感がさらに増大してしまうおそれがある。そこで、第2実施形態では、プリンター2を用いて第1実施形態と同様にエッジ画像を形成する。
<プリンター2の構成>
図14は、第2実施形態のプリンター2の構成を表した概略側面図である。プリンター2は、プリンター1の構成に加えてクリアインク(CL)を吐出するクリアインク用ヘッド33および、クリア画像用照射部43を備える。
クリアインク用ヘッド33の構成は、第1実施形態のホワイトインク用ヘッド31やシアンインクヘッド321と同様であり、搬送方向に沿って一定の間隔(ピッチ:D)で整列する複数のノズルを有する(図5参照)。クリア画像用照射部43はCLヘッド33の搬送方向下流側に設けられ、クリアインク用ヘッド33から吐出されたクリアインクドットに向けてUVを照射する。クリア画像用照射部43の構成は第1実施形態の照射部41等と同様である。
第2実施形態では、クリアインク用ヘッド33及びクリア画像用照射部43をあわせてクリア画像形成部とも呼ぶ。クリア画像形成部は、図14のようにカラー画像形成部とエッジ画像形成部との間に設けられる。これにより、搬送方向の上流側から下流側に媒体が搬送される間に、背景画像、カラー画像、クリア画像、エッジ画像が順に形成される。
<印刷処理について>
第2実施形態の印刷処理について説明する。図15は、第2実施形態の印刷処理全体の流れを表すフロー図である。第2実施形態ではプリンタードライバーによってS201〜S204の各処理を実行することにより、画像が印刷される。背景画像生成処理(S201)及びカラー画像生成処理(S202)については、第1実施形態と同様であるため(図9参照)説明を省略する。
クリア画像生成処理(S203)は、カラー画像(画像)の上にクリア画像を形成するためのデータを生成する処理である。通常の設定であれば、背景画像(背景)が形成される領域と同じ領域にクリア画像が形成される。この場合、プリンタードライバーは背景画像が形成される領域と同一の領域にクリアインク(CL)ドットを形成するようなデータを生成する。一方、クリア画像を大きめに設定したいときは、背景画像より数画素分大きな領域にクリアインクドットを形成するようなデータが生成される。
このようにして、背景画像及びカラー画像の全面をコーティングするクリアインクの層(クリア画像)を形成することができる。なお、クリア画像が形成される領域は、ユーザーインターフェース(不図示)を介してユーザーによって設定されるようにしておくとよい。また、ユーザーの好みに応じて所望の光沢度となるように、形成されるクリアインクドットの大きさやクリアDutyが調整されるようにしておくとよい。
続いて、プリンタードライバーによってエッジ画像生成処理(S204)が行われる。図16に、第2実施形態におけるエッジ画像生成処理のフロー図を示す。第2実施形態では、第1実施形態と同様に背景画像の外縁部画素の抽出処理(S241)及びカラー画像の外縁部画素の抽出処理(S242)が行われた後、クリア画像の外縁部画素の抽出処理(S243)が行われる。クリア画像の外縁部画素抽出処理は、第1実施形態で説明した背景画像の外縁部画素抽出処理(S131)と同様、ラプラシアンフィルタ等を用いたフィルタ処理によって行われ、2階調のデータとしてメモリー63に保存される。
その後、ホワイト(W)、カラー(CMYK)、クリア(CL)の各画素データについてそれぞれ検出された外縁部画素(階調値が「1」となる画素)のうち、2つ以上重なる位置の画素が重複画素として検出される(S244)。例えば、上述のように背景画像とクリア画像とが同じ領域に形成される場合(同じ大きさのベタ塗り画像となる場合)は、背景画像とカラー画像とクリア画像からそれぞれ検出された外縁部画素が3つ重なる位置の画素が重複画素として検出される。
そして、検出された重複画素から所定の幅(例えば0.5mm)を有する端部領域が定められ(S245)、当該端部領域に対して低明度液体(エッジ画像インク(E))を吐出するためのエッジ画像データが生成される(S246)。最後にラスタライズ処理が行われる(S247。)
<第2実施形態の効果>
第2実施形態では、背景画像(背景)に重ねて形成されたカラー画像(画像)の上に、さらにクリアインクの層(クリア画像)を形成する。クリア画像を形成することにより、画像表面を保護しつつ強い光沢度を得ることができる。一方で、第2実施形態では画像が3層に重なる部分が生じ、画像全体の厚みが大きくなる。特に、画像の外縁部(エッジ部)においては厚盛り現象がより目立ちやすくなる。そこで、外縁部が2層以上重なる領域に、明度の低い液体(エッジ画像インク)を吐出してエッジ画像を形成させる。これにより、画像全体の光沢感を保ちつつ、外縁部における厚盛り現象を知覚しにくくすることができる。
===第3実施形態===
第3実施形態では、背景画像(背景)の外縁部全体にエッジ画像を形成する。なお、印刷に用いる印刷装置の構成は、前述の印刷装置1(又は印刷装置2)と同様である。
図17は、第3実施形態で形成される画像について説明する図である。図のように、背景画像(背景)の外縁部全体(輪郭全体)にエッジ画像を形成することにより、エッジの一部が強調されることを抑制する。なお、図17のような画像では、画像全体に「枠線」が印刷されているように見えるが、エッジ画像を形成するエッジ画像インク(E)を黒等、明度の低い色とすることで、当該枠線(エッジ画像)自体がカラー画像に対して強調されすぎないようにしている。
例えば、図7のように背景画像の外縁部(輪郭部)において、エッジ画像が形成される部分とエッジ画像が形成されない部分とが混在する場合、エッジ画像が形成されない部分と比較してエッジ画像が形成された部分が強調され、エッジ画像が形成されている部分が不自然に目立ってしまうおそれを低減できる。
<印刷処理について>
第3実施形態の印刷処理の流れは、前述の各実施形態とほぼ同様であるが(図9または図15参照)、エッジ画像生成処理の内容が異なる。図18に、第3実施形態におけるエッジ画像生成処理のフロー図を示す。第3実施形態では、S331〜S334の処理によりエッジ画像を印刷するためのデータが生成される。
はじめに、背景画像の外縁部の画素が抽出される(S331)。次に、抽出された外縁部画素から所定の幅(例えば0.5mm)を有する領域を端部領域として設定する(S332)。そして、設定された端部領域に対して低明度液体(エッジ画像インク(E))を吐出するためのエッジ画像データを生成する(S333)。第3実施形態のエッジ画像データは、端部領域として設定された領域に含まれるほぼすべて画素について、所定の階調値(例えば、階調値「01」)が設定されるデータである。その後、ラスタライズ処理が行われ(S334)、エッジ画像生成処理が終了する。
生成されたエッジ画像データに基づいて、背景画像(背景)の外縁部全体に低明度液体(エッジ画像インク(E))を吐出することにより、図17のような「枠線」を有する画像が形成される。
<変形例>
第3実施形態の変形例として、エッジ画像の濃度を部分的に変更する方法について説明する。
図19に、第3実施形態の変形例で形成される画像について説明する図を示す。図のように背景画像とカラー画像とで外縁部が重なる部分(太破線部)と重ならない部分(太実線部)が存在する場合、重なる部分ではエッジ画像の濃度を薄くする。すなわち、2つの画像が重なる部分におけるエッジ画像インクのDutyを、画像が重ならない部分におけるエッジ画像インクのDuty以下にする。
図19のA−A断面に示されるように、2つの画像(背景画像及びカラー画像)が重なる部分(図の右端)ではエッジ画像が薄く形成され、重ならない部分(図の左端)ではエッジ画像が厚く形成される。これにより、エッジ画像全体の濃度の差が目立ちにくくなり、ムラの発生が抑制される。すなわち、背景画像(背景)及びカラー画像(画像)が重なる部分と重ならない部分とで、該エッジ画像の盛り上がりの高さが異なっていても、エッジ画像の濃度の変化が低減できる。
図20に、第3実施形態の変形例におけるエッジ画像生成処理のフロー図を示す。本変形例では、S351〜S356の処理によりエッジ画像を印刷するためのデータが生成される。まず、第1実施形態と同様にして、背景画像の外縁部画素及びカラー画像の外縁部画素が抽出され(S351及びS352)、重複画素の検出が行なわれる(S353)。
続いて端部領域の設定処理が行なわれる(S354)。端部領域の設定処理では、まず、背景画像の外縁部画素のうちカラー画像の外縁部画素と重なる領域(図19の太破線部に相当する領域)が設定される。この領域を第1領域と呼ぶ。次に、背景画像の外縁部画素のうちカラー画像の外縁部画素と重ならない領域(図19の太実線部に相当する領域)が設定される。この領域を第2領域と呼ぶ。すなわち、端部領域は第1領域と第2領域とで構成される。
端部領域が設定された後、エッジ画像データ生成処理が行なわれる(S355)。本変形例のエッジ画像は、上述のように第2領域の濃度よりも第1領域の濃度が低くなるように形成される。すなわち、第1領域に吐出されるエッジ画像インク(E)のDutyが、第2領域に吐出されるエッジ画像インク(E)のDuty以下となるようなデータが生成される。プリンタードライバーは、第2領域の画素データを生成した後、該第2領域の画素データに対して第1領域の画素データを所定の割合で間引いたり、階調値を低くしたりすることにより、濃度差のあるデータを生成する。例えば、第2領域の全画素に対して階調値[10]でエッジ画像インク(E)の中ドットを形成するようなデータが生成される場合、第1領域における階調値を[01]としてエッジ画像インク(E)の小ドットを形成するデータを生成する。または、第1領域の全画素のうち50%の画素のデータを間引いた(階調値を[00]にする)データを生成する。これにより、端部領域全域についてエッジ画像データが生成される。
なお、第2実施形態で説明したように、背景画像及びカラー画像に加えてクリア画像を形成する場合には、3層に重ねて形成される画像について、外縁部が重なる量が多いほどエッジ画像インク(E)のDutyを小さくするようにする。例えば、背景画像とカラー画像とクリア画像との外縁部が重なる領域では、背景画像とカラー画像の外縁部が重ならない領域よりも、エッジ画像の濃度が薄く形成されるようにするとよい。
最後にラスタライズ処理が行なわれ(S356)、生成された印刷データに基づいて、各ヘッドからそれぞれ所定のインクを吐出することにより、図19のような画像が形成される。
<第3実施形態の効果>
第3実施形態では、背景画像(背景)の外縁部(輪郭部)の全域にエッジ画像を形成する。エッジ画像を枠線のように画像全体に形成することで、外縁部の一部が不自然に強調されるリスクを低減する。その際、背景画像(背景)の外縁部とカラー画像(画像)の外縁部とが重なる領域における低明度液体(エッジ画像インク)のDutyが、重ならない領域における低明度液体(エッジ画像インク)のDuty以下になるようにすることで、該エッジ画像(枠線)に生じるムラを見えにくくし、更に良好な画質の画像印刷を可能とする。
===第4実施形態===
第4実施形態では、画像の輪郭外側ほど濃度が高くなるように、濃度変化をつけたエッジ画像を形成する。すなわち、幅方向にグラデーションを有するエッジ画像を形成する。
図21は、第4実施形態で形成される画像について説明する図である。図21Aはエッジ画像付近の断面を表し、図21Bは図21Aのエッジ画像を上方の視点から拡大して見た場合の図を表す。図21A及び図21Bにおいて、図の右側は画像(エッジ画像)の外縁側(すなわち画像の輪郭側)を表し、図の左側は画像(エッジ画像)の内側を表すものとする。
また、図21Bにおいてマス目状の1マス分の領域が1画素を表す。エッジ画像を形成する端部領域は所定の幅を有する領域であると説明したが、図21Bの場合、当該端部領域は5画素分の幅を有する領域であるものとする。
第4実施形態では、画像の外側(外縁部側)に向かってエッジ画像の濃度が徐々に濃くなっていくようにしたものである。つまり、背景画像(背景)の外縁部とカラー画像(画像)の外縁部とが重なる部分において、背景の外縁部に近いほど、単位面積当たりに吐出される低明度液体(エッジ画像インク)の量が多くなる。具体的には、図21Bのように斜線部で表されるカラー画像と着色部で表されるエッジ画像の境界部分Aにおいて、エッジ画像の濃度が最も薄くなるようにする。そして、該境界Aに沿った画素列ごとに徐々に濃度を濃くしていき、画像の最も外側の外縁部Bにおいてエッジ画像の濃度が最も濃くなるようにする。図21Bでは、エッジ画像が5画素列で形成されるため、エッジ画像の濃度は外側に向かって5段階に濃くなる。
カラー画像とエッジ画像との境界Aにおいて、両画像の濃淡の差が小さくなるため境界が目立ちにくくなり、エッジ画像が不自然に強調されるのを抑制することができる。例えば、カラー画像が薄い黄色等の色で形成され、外縁部分のエッジ画像が黒等で形成される場合であっても、両者の間の濃淡の差が小さく、カラー画像とエッジ画像との境界部分が目立ちにくい。
<印刷処理について>
図22に、第4実施形態におけるエッジ画像生成処理のフロー図を示す。基本的な流れは上述の第1〜第3実施形態と同様であるが、第4実施形態ではエッジ画像データ生成処理(S435)の方法が異なる。
第4実施形態では、端部領域が設定(S434)された後、当該端部領域の幅(画像の外縁部に沿った画素列の数)に応じてエッジ画像インク(E)のDutyが徐々に変化するようなデータが生成される(S435)。例えば、端部領域の最も内側の画素列ではDutyが20%、端部領域の最も外側の画素列ではDutyが80%となるように、各画素列についてエッジ画像インク(E)のDutyが設定される。そして、その間の画素列の濃度が線形補間によって設定される。これにより、図21Bに示されるようなグラデーションを有するエッジ画像が形成される。
<第4実施形態の効果>
第4実施形態では、画像の輪郭外側に行くほど濃度が高くなるように、濃度差を有するエッジ画像を形成する。これにより、カラー画像とエッジ画像との境界が認識されにくくなるためエッジが不自然に強調されることもなく、より高画質な画像を印刷することができる。
===その他の実施形態===
一実施形態としてのプリンター等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<記録装置について>
前述の実施形態では、画像を形成する記録装置の一例としてインクジェットプリンターが説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造型機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の液体吐出装置に、前述の各実施形態と同様の技術を適用してもよい。
<使用するインクについて>
前述の実施形態では、プロセスカラーインクとしてブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色のインクを使用して画像を記録する例が説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、ライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)、ホワイト(W)等、CMYK以外の画像記録用液体を用いて画像の記録を行ってもよい。
<ピエゾ素子について>
前述の実施形態では、液体を吐出させるための動作を行う素子としてピエゾ素子PZTを例示したが、他の素子であってもよい。例えば、発熱素子や静電アクチュエーターを用いてもよい。
<他の装置について>
前述の実施形態では、いわゆるラインプリンターを例に挙げて説明したが、プリンターは、ヘッドをキャリッジとともに移動させるシリアルプリンター等であってもよい。
1 プリンター
10 搬送ユニット、 13A 上流側搬送ローラー、 13B下流側搬送ローラー、
14 ベルト、
30 ヘッドユニット、31 ホワイトインク用ヘッド、
32 プロセスカラーインク用ヘッド、321 シアンインク用ヘッド、
322 マゼンタインク用ヘッド、323 イエローインク用ヘッド、
324 ブラックインク用ヘッド
33 クリアインク用ヘッド、35 エッジ画像インク用ヘッド、
40 照射ユニット、41 背景画像用照射部、42 カラー画像用照射部、
43 クリア画像用照射部、45 エッジ画像用照射部、
50 検出器群、
60 コントローラー、61 インターフェース部、62 CPU、63 メモリー、
64 ユニット制御回路、
110 コンピューター

Claims (7)

  1. 光の照射によって硬化する液体を吐出するヘッド部と、
    前記光を照射する照射部と、
    前記ヘッド部及び前記照射部を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記ヘッド部から背景用液体を媒体に吐出した後に、前記照射部から前記光を照射して背景を形成し、
    前記ヘッド部から前記背景の上に画像記録用液体を吐出した後に、前記照射部から前記光を照射して画像を形成する液体吐出装置であって、
    前記制御部は、
    前記背景の外縁部と前記画像の外縁部とが重なる部分に、前記ヘッド部から、明度が前記背景用液体と画像記録用液体の明度以下の低明度液体を吐出するように制御することを特徴とする液体吐出装置。
  2. 請求項1に記載の液体吐出装置であって、
    前記制御部は、前記背景及び前記画像の上に、光の照射によって硬化する透明な液体を吐出した後、前記照射部から前記光を照射して前記透明な液体を硬化させ、
    前記背景と前記画像の外縁部と前記透明な液体硬化部とが重なる部分に、前記ヘッド部から前記低明度液体を吐出するように制御することを特徴とする液体吐出装置。
  3. 請求項1または2に記載の液体吐出装置であって、
    前記制御部は、前記背景の外縁部全体に前記低明度液体を吐出するように制御することを特徴とする液体吐出装置。
  4. 請求項3に記載の液体吐出装置であって、
    前記制御部は、前記背景の外縁部のうち前記画像の外縁部と重なる部分に吐出される単位面積当たりの前記低明度液体の吐出量が、
    前記背景の外縁部のうち前記画像の外縁部と重ならない部分に吐出される単位面積当たりの前記低明度液体の吐出量以下であるように制御することを特徴とする液体吐出装置。
  5. 請求項1〜4に記載の液体吐出装置であって、
    前記制御部は、前記背景の外縁部と前記画像の外縁部とが重なる部分において、前記背景の外縁部に近いほど単位面積当たりに吐出される前記低明度液体の量が多いように制御することを特徴とする液体吐出装置。
  6. 光の照射によって硬化する背景用液体を媒体に吐出した後で、前記光を照射して背景を形成する工程と、
    前記背景の上に、光の照射によって硬化する画像記録用液体を吐出した後で、前記光を照射して画像を形成する工程とを有する液体吐出方法であって、
    前記画像を形成する工程の後で、
    前記背景の外縁部と前記画像の外縁部とが重なる部分に、明度が前記背景用液体と画像記録用液体の明度以下の低明度液体を吐出する工程
    を備えたことを特徴とする液体吐出方法。
  7. 媒体上に吐出される背景用液体によって下地が形成され、
    前記背景の上に吐出される画像形成用液体によって画像が形成され、
    前記背景の外縁部と前記画像の外縁部とが重なる部分に、明度が前記背景用液体と画像形成用液体の明度以下の低明度液体による画像が形成されていることを特徴とする印刷物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20230130243A (ko) * 2022-03-03 2023-09-12 에이치비솔루션㈜ 멀티헤드 잉크젯 프린팅의 얼룩 감소 led 제어 시스템

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