JP2012226096A - トナーの製造方法及びトナーの製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の吐出孔からトナー組成液を液滴状に吐出する液滴吐出工程と、液滴を固化する液滴固化工程とを含み、液滴吐出工程において、吐出孔が形成された液柱共鳴液室内のトナー組成液に振動を付与して液柱共鳴により圧力定在波を形成し、圧力定在波の腹となる領域に形成された吐出孔からトナー組成液を液滴状に吐出し、圧力定在波の腹となる領域に形成された複数の吐出孔の開口径が、圧力定在波の節に近い吐出孔ほど小さくなるように形成され、かつ吐出孔の近傍のトナー組成液にかかる圧力が均等となるよう配置されたトナーの製造方法である。
【選択図】なし
Description
また、前記液滴吐出方法では、一般的に大きな液滴が形成されてしまうため、乾式トナー粒子を得るためには小さな開口径を有する吐出部とするか、原料の希釈を行う必要があった。しかし、吐出部開口径のサイズを小さくすると、必然的にトナーの必須成分である顔料や、必要に応じて添加する離型剤などの固形分散体が閉塞する確率が飛躍的に高まるため、生産安定性に問題があった。また、原料を希釈すると、希釈液を乾燥固化させるエネルギーが大きくなり、これも生産効率を大きく低下するという問題があった。また、生産効率が低下するということは原料貯留部に原料液を貯留する時間が長時間となり、原料液の滞留が発生し、長期的な生産においてトナー原料分の固着が発生してしまうという問題があった。
更に、前記液滴吐出方法では、1つの原料貯留部に1つの吐出部が設けられており、生産性に限界があった。複数の吐出部を設けることで、微粒子の生産性を向上することが可能であるが、吐出孔の位置によって吐出する微粒子の粒径が変わってしまう場合があり、微粒子の粒度分布の均一性を確保する条件が限られるという問題があった。
<1> 複数の吐出孔からトナー組成液を液滴状に吐出する液滴吐出工程と、前記液滴を固化する液滴固化工程とを含むトナーの製造方法であって、
前記トナー組成液が、少なくとも樹脂、着色剤、及び離型剤を含有するトナー組成物を有機溶剤に溶解乃至分散させた組成液であり、
前記液滴吐出工程において、前記吐出孔が形成された液柱共鳴液室内の前記トナー組成液に振動を付与して液柱共鳴により圧力定在波を形成し、該圧力定在波の腹となる領域に形成された前記吐出孔から前記トナー組成液を液滴状に吐出し、
前記圧力定在波の腹となる領域に形成された複数の吐出孔の開口径が、前記圧力定在波の節に近い吐出孔ほど小さくなるように形成され、かつ吐出孔の近傍の前記トナー組成液にかかる圧力が均等となるよう配置されたことを特徴とするトナーの製造方法である。
<2> 複数の吐出孔のうち、液柱共鳴液室における最も液供給路側に形成された吐出孔が、最も小さい開口径を有する前記<1>に記載のトナーの製造方法である。
<3> 吐出孔が、1つの液柱共鳴液室に、2個〜20個形成された前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<4> 液柱共鳴液室の長手方向の両端における、少なくとも一部に反射壁面が設けられた前記<1>から<3>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<5> トナー組成液に対して、下記式(1)が成立する周波数fの振動を付与する前記<1>から<4>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
f=N×c/(4L) ・・・式(1)
(L:液柱共鳴液室の長手方向の長さ、c:トナー組成液の音波の速度、N:自然数)
<6> トナー組成液に対して、下記式(2)が成立する周波数fの振動を付与する前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
N×c/(4L)≦f≦N×c/(4Le) ・・・式(2)
(L:液柱共鳴液室の長手方向の長さ、Le:液供給路側の端部と、該端部に最も近い吐出孔の中心部との距離、c:トナー組成液の音波の速度、N:自然数)
<7> トナー組成液に対して、下記式(3)が成立する周波数fの振動を付与する前記<1>から<6>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
N×c/(4L)≦f≦(N+1)×c/(4Le) ・・・式(3)
(L:液柱共鳴液室の長手方向の長さ、Le:液供給路側の端部と、該端部に最も近い吐出孔の中心部との距離、c:トナー組成液の音波の速度、N:自然数)
<8> Le/L>0.6である前記<6>から<7>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<9> 振動の周波数が、300kHz以上の高周波振動である前記<1>から<8>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<10> 液滴固化工程が、液滴を気流によって搬送することを更に含む前記<1>から<9>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<11> 気流の速度が、液滴の吐出初速度よりも大きい前記<10>に記載のトナーの製造方法である。
<12> 複数の吐出孔からトナー組成液を液滴状に吐出する液滴吐出手段と、前記液滴を固化する液滴固化手段とを有するトナーの製造装置であって、
前記トナー組成液が、少なくとも樹脂、着色剤、及び離型剤を含有するトナー組成物を有機溶剤に溶解乃至分散させた組成液であり、
前記液滴固化手段が、前記吐出孔が形成された液柱共鳴液室と、
該液柱共鳴液室内の前記トナー組成液に振動を付与する振動発生部とを有し、
該振動発生部によって前記液柱共鳴液室内の前記トナー組成液に振動を付与して液柱共鳴により圧力定在波を形成し、該圧力定在波の腹となる領域に形成された前記吐出孔から前記トナー組成液を液滴状に吐出する手段であり、
前記圧力定在波の腹となる領域に形成された複数の吐出孔の開口径が、前記圧力定在波の節に近い吐出孔ほど小さくなるように形成され、かつ吐出孔の近傍の前記トナー組成液にかかる圧力が均等となるよう配置されたことを特徴とするトナーの製造装置である。
<13> 複数の吐出孔のうち、液柱共鳴液室における最も液供給路側に形成された吐出孔が、最も小さい開口径を有する前記<12>に記載のトナーの製造装置である。
<14> 吐出孔が、1つの液柱共鳴液室に、2個〜20個形成された前記<12>から<13>のいずれかに記載のトナーの製造装置である。
<15> 液滴固化手段が、前記液柱共鳴液室の外周から液滴の吐出方向下流側に気流を流通させる気流流路を更に有する前記<12>から<14>のいずれかに記載のトナーの製造装置である。
<16> 気流の速度が、液滴の吐出初速度よりも大きい前記<15>に記載のトナーの製造装置である。
<17> 前記<1>から<11>のいずれかに記載のトナーの製造装置及び前記<12>から<16>のいずれかに記載のトナーの製造方法によって製造されたことを特徴とするトナーである。
<18> トナーの重量平均粒径が、3μm〜6μmである前記<17>に記載のトナーである。
<19> 複数の吐出孔から液体を液滴状に吐出する液滴吐出工程と、前記液滴を固化する液滴固化工程とを含む樹脂微粒子の製造方法であって、
前記液体が、少なくとも樹脂を有機溶剤に溶解乃至分散させたもの、及び少なくとも樹脂を溶融したもののいずれかであり、
前記液滴吐出工程において、前記吐出孔が形成された液柱共鳴液室内の前記液体に振動を付与して液柱共鳴により圧力定在波を形成し、該圧力定在波の腹となる領域に形成された前記吐出孔から前記液体を液滴状に吐出し、
前記圧力定在波の腹となる領域に形成された複数の吐出孔の開口径が、前記圧力定在波の節に近い吐出孔ほど小さくなるように形成され、かつ吐出孔の近傍の前記液体にかかる圧力が均等となるよう配置されたことを特徴とする樹脂微粒子の製造方法である。
<20> 複数の吐出孔から液体を液滴状に吐出する液滴吐出手段と、前記液滴を固化する液滴固化手段とを有する樹脂微粒子の製造装置であって、
前記液体が、少なくとも樹脂を有機溶剤に溶解乃至分散させたもの、及び少なくとも樹脂を溶融したもののいずれかであり、
前記液滴固化手段が、前記吐出孔が形成された液柱共鳴液室と、
該液柱共鳴液室内の前記液体に振動を付与する振動発生部とを有し、
該振動発生部によって前記液柱共鳴液室内の前記液体に振動を付与して液柱共鳴により圧力定在波を形成し、該圧力定在波の腹となる領域に形成された前記吐出孔から前記液体を液滴状に吐出する手段であり、
前記圧力定在波の腹となる領域に形成された複数の吐出孔の開口径が、前記圧力定在波の節に近い吐出孔ほど小さくなるように形成され、かつ吐出孔の近傍の前記液体にかかる圧力が均等となるよう配置されたことを特徴とする樹脂微粒子の製造装置である。
本発明のトナーの製造方法は、液滴吐出工程と、液滴固化工程とを少なくとも含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
本発明のトナーの製造装置は、液滴吐出手段と、液滴固化手段とを少なくとも有し、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
前記液滴吐出工程は、複数の吐出孔からトナー組成液を液滴状に吐出する工程であり、液滴吐出手段により実施することができる。本発明においては、前記液滴吐出工程において、前記吐出孔が形成された液柱共鳴液室内の前記トナー組成液に振動を付与して液柱共鳴により圧力定在波を形成し、該圧力定在波の腹となる領域に形成された前記吐出孔から前記トナー組成液を液滴状に吐出し、前記圧力定在波の腹となる領域に形成された複数の吐出孔の開口径が、前記圧力定在波の節に近い吐出孔ほど小さくなるように形成され、かつ吐出孔の近傍の前記トナー組成液にかかる圧力が均等となるよう配置されたことを必要とし、該液滴吐出工程は、前記液滴吐出手段により実施することができる。
前記吐出孔としては、前記圧力定在波の腹となる領域に形成され、かつ前記圧力定在波の腹となる領域に形成された複数の吐出孔の開口径が、前記圧力定在波の節に近い吐出孔ほど小さくなるように形成され、かつ吐出孔の近傍の前記トナー組成液にかかる圧力が均等となるよう配置されたものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記複数の吐出孔のうち、液柱共鳴液室における最も液供給路側に形成された吐出孔が、最も小さい開口径を有することが好ましい。
本発明者らは、吐出孔の個数が2個以上であると、従来の吐出孔の均一な開口径及び配置では、各吐出孔近傍の液体にかかる圧力が不均一となり、形成される液滴の粒径分布が不均一となることを見出した。本発明においては、前記吐出孔を、前記圧力定在波の腹となる領域に形成し、かつ前記圧力定在波の腹となる領域に形成された複数の吐出孔の開口径が、前記圧力定在波の節に近い吐出孔ほど小さくなるように形成し、かつ吐出孔の近傍のトナー組成液にかかる圧力が均等となるよう配置することにより、各吐出孔からの液滴吐出を均一とすることができ、よって、連続駆動による液体の連続的な吐出が実現でき、複数の吐出孔から形成される液滴における粒度分布の均一性が高く、小粒径で粒度分布が狭いトナーを効率よく生産することができ、高精細な画像を長期にわたって形成することができることを見出し、本発明の完成に至った。
なお、前記吐出孔の「開口径」とは、吐出孔の液滴が吐出される側に位置する開口部の直径であり、真円であれば直径を意味し、楕円、若しくは四角形、六角形、八角形等の多角形乃至正多角形であれば平均径を意味する。
このような吐出孔の形状としては、例えば、前記吐出孔の開口径が液滴(トナー組成液)の吐出方向に向かって小さくなるテーパ角を有するテーパ形状が好ましい。
ここで、「テーパ角」とは、前記吐出孔の開口軸と、前記吐出孔の形成面の厚み方向の断面における、前記吐出孔の断面形状の側面とのなす角度をいい、「吐出孔の開口軸」とは、前記吐出孔の開口面(吐出孔の形成面の厚み方向に対して垂直な面)に対する垂線を意味する。なお、「テーパ」とは、例えば、線形テーパ、指数関数テーパ、放物線テーパ、及びこれらの組合せなどが挙げられる。
前記ピッチは、前記圧力定在波の腹となる領域に形成された複数の吐出孔の開口径が、前記圧力定在波の節に近い吐出孔ほど小さくなるように形成され、かつ吐出孔の近傍の前記液体にかかる圧力が均等となるよう配置されたものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、複数の吐出孔間において、全て等間隔であってもよく、少なくとも1つのピッチが異なっていてもよいが、等間隔であることが、均一な粒径のトナーを得ることができる点で好ましい。
また、「吐出孔の近傍」とは、前記液柱共鳴液室の内部における、該吐出孔の開口部から10μm以内を意味する。
前記液柱共鳴液室の形状としては、前記振動により圧力定在波を形成することができれば特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、四角柱(長方体)、円柱、円すい台などが挙げられる。
前記液柱共鳴液室の長手方向の両端における、少なくとも一部に反射壁面が設けられることが好ましい。ここで、「反射壁面」とは、液体の音波を反射させる程度に硬質な部材、例えば、アルミ、ステンレス等の金属部材、シリコーン等の部材などにより形成された壁面をいう。
また、図2に示すように、前記液柱共鳴液室の長手方向の両端の壁面間の長さLは、後述するような液柱共鳴原理に基づいて決定される。また、図3に示すように、前記液柱共鳴液室の幅Wとしては、液柱共鳴に余分な周波数を与えないように、前記液柱共鳴液室の長さLの2分の1より小さいことが好ましい。
前記振動発生部としては、所定の周波数で駆動でき、液柱共鳴液室内の前記トナー組成液に振動を付与するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、圧電体、超音波振動発生体などが挙げられる。
前記圧電体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電セラミックス、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の圧電高分子、水晶、LiNbO3、LiTaO3、KNbO3等の単結晶などの材質から形成された圧電体などが挙げられる。前記超音波振動発生体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、磁歪素子などが挙げられる。
前記振動発生部は、弾性板に貼りあわせた形態であることが好ましく、該弾性板は、振動発生部が接液しないように液柱共鳴液室の壁の一部を形成することが好ましい。
更に、前記振動発生部は、1つの液柱共鳴液室毎に個別に制御できるように配置されることが好ましい。また、液柱共鳴液室の配置にあわせて、弾性板を介してブロック状の圧電体などの振動発生部を配置することが、それぞれの液柱共鳴液室を個別制御できる観点から好ましい。
前記液柱共鳴液室(例えば、図1及び2の液滴吐出ヘッド11内の液柱共鳴液室18)において生じる液柱共鳴現象の原理について説明すると、前記液柱共鳴液室内の前記トナー組成液の音速をcとし、前記振動発生部(例えば、図2の振動発生部20)から媒質である前記トナー組成液に与えられた駆動周波数をfとした場合、前記トナー組成液の共鳴が発生する波長λは、
λ=c/f ・・・式(A)
の関係にある。
L=(N/4)λ ・・・式(B)
(ただし、Nは偶数)
なお、固定端と等価である場合とは、ある端において圧力の逃げ部がないとみなすことができる場合であり、例えば、ある端において反射壁面の高さが、トナー組成液供給のための連通口の高さの2倍以上である場合、及びある端において反射壁面の面積が、トナー組成液供給のための連通口の開口部の面積の2倍以上である場合などを指す。
図2において、液柱共鳴液室18の固定端側のフレームの端部から液共通供給路17側の端部までの長さが、長さLに相当する。また、液共通供給路17側のフレームの端部の高さh1(=約80μm)は連通口の高さh2(=約40μm)の約2倍あり当該端部が閉じている両側固定端と等価であるとみなすことができる。
同様にして、片方側が圧力の逃げ部がある開放端と等価で、他方側が閉じている(固定端)の場合、つまり片側固定端の場合、乃至片側開放端の場合には、長さLが波長λの4分の1の奇数倍に一致する場合に共鳴が最も効率的に形成される。つまり、上記式(B)のNが奇数で表される場合に相当する。
f=N×c/(4L) ・・・式(1)
(L:液柱共鳴液室の長手方向の長さ、c:トナー組成液の音波の速度、N:自然数)
と導かれる。
したがって、本発明のトナーの製造方法及び製造装置において、前記トナー組成液に対して、上記式(1)が成立する周波数fの振動を付与することが好ましい。しかし、実際には、トナー組成液は共鳴を減衰させる粘性を持つために無限に振動が増幅されるわけではなく、Q値を持ち、後述する式(2)、式(3)に示すように、式(1)に示す最も効率の高い駆動周波数fの近傍の周波数でも共鳴は発生する。
前記振動の周波数としては、液柱共鳴液室の形状などに応じて適宜設定することができ、一義的に選択できるものではないが、300kHz以上の高周波振動であることが好ましく、300kHz〜1,000kHzがより好ましい。
したがって、本発明のトナーの製造方法及び製造装置において、前記トナー組成液に対して、下記式(2)及び式(3)のいずれかが成立する周波数fの振動を付与することが好ましい。
N×c/(4L)≦f≦N×c/(4Le) ・・・式(2)
N×c/(4L)≦f≦(N+1)×c/(4Le) ・・・式(3)
(L:液柱共鳴液室の長手方向の長さ、Le:液供給路側の端部と、該端部に最も近い吐出孔の中心部との距離、c:トナー組成液の音波の速度、N:自然数)
前記液滴固化工程は、前記液滴を固化する工程であり、前記液滴固化手段により実施することができる。前記液滴固化手段は、前記液滴を固化する手段である。
前記液滴を固化する方法としては、液滴を固化させて粒子化できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜公知の方法を選択することができ、例えば、液滴に含まれる有機溶媒を乾燥気体へ蒸発させ、乾燥による収縮固化を行う方法などが挙げられる。
ここで、前記気流の速度が、液滴の吐出初速度よりも大きいことが好ましい。
図1は、本発明の一実施の形態に係るトナーの製造装置の全体構成を示す断面図である。図2は、図1の液滴形成ユニットにおける液滴吐出ヘッドの構成を示す断面図である。図3は、図1の液滴形成ユニットの構成を示すA−A’線断面図である。図1に示す本実施の形態のトナーの製造装置1は、主に、液滴形成ユニット10及び乾燥捕集ユニット30を含む。前記液滴吐出手段である液滴形成ユニット10は、前記吐出孔によって外部と連通する液滴吐出領域を有する液室であって、後述する条件下のもとで前記液柱共鳴による圧力定在波が発生する前記液柱共鳴液室内の前記トナー組成液を液滴として前記吐出孔から噴射する液滴吐出ヘッド11を複数配置する。各液滴吐出ヘッド11の両側には液滴吐出ヘッド11から吐出したトナーの液滴が乾燥捕集ユニット30側に流出されるように、図示していない気流発生部によって発生する気流が通る気流路12が設けられている。また、液滴形成ユニット10は、トナー原料であるトナー組成液14を収容する原料収容部13と、原料収容部13に収容されているトナー組成液14を、液供給路16を通して液滴吐出ヘッド11内の後述する液共通供給路17に供給し、更に、液戻り管22を通って原料収容部13に戻すために液供給路16内のトナー組成液14を圧送する液循環ポンプ15とを含む。更に、液滴吐出ヘッド11は、図2に示すように、液共通供給路17及び液柱共鳴液室18を含む。液柱共鳴液室18は、長手方向の両端の壁面のうち一方の壁面に設けられた液共通供給路17と連通されている。また、液柱共鳴液室18は、両端の壁面と連結する壁面のうち一つの壁面にトナー液滴21を吐出する吐出孔19と、吐出孔19と対向する壁面に設けられ、かつ液柱共鳴定在波を形成するために高周波振動を発生する振動発生部20とを有している。なお、振動発生部20には、図示していない高周波電源が接続されている。
図1に示す原料収容部13に収容されるトナー組成液14は、トナー組成液14を循環させるための液循環ポンプ15によって液供給路16を通って、図2に示す液滴形成ユニット10の液共通供給路17内に流入し、図2に示す液滴吐出ヘッド11の液柱共鳴液室18に供給される。そして、トナー組成液14が充填されている液柱共鳴液室18内には、振動発生部20によって発生する液柱共鳴定在波により圧力分布が形成される。そして、圧力定在波の腹となる領域に形成された吐出孔19からトナー液滴21が吐出される。
本発明に係るトナーは、上述した本発明のトナーの製造方法によって製造されたトナー、又は上述した本発明のトナー製造装置によって製造されたトナーであり、これにより、小粒径で粒度分布が狭く、高精細な画像を長期にわたって形成することが可能なトナーが得られる。本発明に係るトナーには、他の添加剤として、流動性向上剤、クリーニング性向上剤等の外添剤などを必要に応じて添加することができる。
前記トナーの粒度分布としては、重量平均粒径及び個数平均粒径の比(重量平均粒径/個数平均粒径)で、1.00〜1.15が好ましく、1.00〜1.05がより好ましい。
前記トナーの重量平均粒径としては、1μm〜20μmが好ましく、2μm〜10μmがより好ましく、3μm〜6μmが特に好ましい。
前記トナー組成液は、トナー組成物を有機溶剤に溶解乃至分散させた組成液であり、前記トナー組成物は、少なくとも樹脂、着色剤、離型剤を含み、さらに、必要に応じて、顔料分散液、帯電制御剤などのその他の成分を含む。
前記トナー組成物としては、従来の電子写真用トナーと同じものが使用できる。すなわち、スチレンアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオール系樹脂、エポキシ系樹脂などの樹脂を各種有機溶媒に溶解し、分散した着色剤及び離型剤、必要に応じて帯電制御剤等のトナー材料を前記トナー製造方法により微小液滴とし乾燥固化させることで、目的とするトナー(トナー母体粒子)を作製することが可能である。さらに、必要に応じて流動性向上剤やクリーニング性向上剤などを表面に添加してトナーを得てもよい。
前記樹脂としては、少なくとも結着樹脂が挙げられる。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、通常使用される樹脂を適宜選択して使用することができ、例えば、スチレン系単量体、アクリル系単量体、メタクリル系単量体等のビニル重合体、これらの単量体又は2種類以上からなる共重合体、ポリエステル系重合体、ポリオール樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、石油系樹脂などが挙げられる。
(1)エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレフイン類;(2)ブタジエン、イソプレン等のポリエン類;(3)塩化ビニル、塩化ビニルデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;(4)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;(5)ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;(6)ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;(7)N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物;(8)、ビニルナフタリン類;(9)アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体等;(10)マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸等の不飽和二塩基酸;(11)マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物等の不飽和二塩基酸無水物;(12)マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸モノブチルエステル、シトラコン酸モノメチルエステル、シトラコン酸モノエチルエステル、シトラコン酸モノブチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、アルケニルコハク酸モノメチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、メサコン酸モノメチルエステル等の不飽和二塩基酸のモノエステル;(13)ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸等の不飽和二塩基酸エステル;(14)クロトン酸、ケイヒ酸等のα,β−不飽和酸;(15)クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物等のα,β−不飽和酸無水物;(16)該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物、アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステル等のカルボキシル基を有するモノマー;(17)2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類;(18)4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルへキシル)スチレン等のヒドロキシ基を有するモノマー。
前記架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6へキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、これらの化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの等のアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類;ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、これらの化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたもの等のエーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類などが挙げられる。
また、前記架橋剤として、例えば、商品名MANDA(日本化薬社製)等のポリエステル型ジアクリレート類が挙げられる。
これらの架橋剤のうち、トナー用樹脂における定着性、耐オフセット性の点から、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を1つ含む結合鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が好ましい。これらの中でも、スチレン系共重合体、スチレン−アクリル系共重合体となるようなモノマーの組み合わせが好ましい。
また、THF可溶分としては、分子量分布10万以下の成分が50%〜90%となるような結着樹脂が好ましく、分子量5千〜3万の領域にメインピークを有する結着樹脂がより好ましく、5千〜2万の領域にメインピークを有する結着樹脂が特に好ましい。
前記2価のアルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、乃至ビスフェノールAにエチレンオキシド、プロピレンオキシド等の環状エーテルが重合して得られるジオールなどが挙げられる。
前記3価以上の多価アルコールとしては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、例えば、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼンなどが挙げられる。
また、3価以上の多価カルボン酸成分としては、例えば、トリメット酸、ピロメット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、乃至これらの無水物、部分低級アルキルエステルなどが挙げられる。
(1)試料は予め結着樹脂(重合体成分)以外の添加物を除去して使用するか、結着樹脂及び架橋された結着樹脂以外の成分の酸価及び含有量を予め求めておく。試料の粉砕品0.5〜2.0gを精秤し、重合体成分の重さをWgとする。例えば、トナーから結着樹脂の酸価を測定する場合は、着色剤又は磁性体等の酸価及び含有量を別途測定しておき、計算により結着樹脂の酸価を求める。
(2)300mlのビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(体積比4/1)の混合液150mlを加え溶解する。
(3)0.1mol/lのKOHのエタノール溶液を用いて、電位差滴定装置を用いて滴定する。
(4)この時のKOH溶液の使用量をS(ml)とし、同時にブランクを測定し、この時のKOH溶液の使用量をB(ml)とし、以下の式(C)で算出する。ただしfはKOHのファクターである。
酸価(mgKOH/g)=[(S−B)×f×5.61]/W ・・・式(C)
前記ガラス転移温度(Tg)が、35℃より低いと高温雰囲気下でトナーが劣化しやすくなることがある。また、ガラス転移温度(Tg)が、80℃を超えると、定着性が低下することがある。
前記着色剤としては、特に制限はなく、通常使用される樹脂を適宜選択して使用することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びこれらの混合物などが挙げられる。
前記マスターバッチとともに混練される樹脂としては、先に挙げた変性、未変性ポリエステル樹脂の他に、例えば、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いる事ができる。また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の、水を含んだ水性ペーストを、樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も、着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため、乾燥する必要がなく、好適に使用される。
混合混練するには、3本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に使用される。
前記酸価が30mgKOH/gを超えると、高湿下での帯電性が低下し、顔料分散性も不十分となることがある。また、アミン価が1未満であるとき、及び、アミン価が100を超えるときにも、顔料分散性が不十分となることがある。
前記酸価は、例えば、JIS K0070に記載の方法により測定することができ、アミン価は、例えば、JIS K7237に記載の方法により測定することができる。
また、前記着色剤は、顔料分散液に分散させた着色剤分散液として用いることもできる。
前記顔料分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものを適宜選択することができるが、顔料分散性の点で、結着樹脂との相溶性が高いことが好ましく、そのような市販品としては、例えば、「アジスパーPB821」、「アジスパーPB822」(味の素ファインテクノ社製)、「Disperbyk−2001」(ビックケミー社製)、「EFKA−4010」(EFKA社製)などが挙げられる。
前記離型剤としては、特に制限はなく、ワックス類として通常使用されるものを適宜選択することができ、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合体;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう等の植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペテロラタム等の鉱物系ワックス;モンタン酸エステルワックス、カスターワックスの等の脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの等の脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したものなどが挙げられる。
前記融点が、70℃未満では耐ブロッキング性が低下することがあり、140℃を超えると耐オフセット効果が発現しにくくなることがある。
前記離型剤及びトナーの融点を測定するためのDSC測定機器としては、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計が好ましい。測定方法としては、ASTM D3418−82に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回昇温、降温させ前履歴を取った後、温度速度10℃/minで、昇温させた時に測定されるものを用いる。
前記有機溶剤としては、前記トナー組成物を溶解乃至分散できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エーテル類、ケトン類、エステル類、炭化水素類、アルコール類の溶剤が好ましく用いられ、特にテトラヒドロフラン(THF)、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、酢酸エチル、トルエンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記トナー組成物を有機溶剤に溶解乃至分散することによりトナー組成液を得ることができる。
前記トナー組成液の調製には、ホモミキサーやビーズミルなどを用いて、着色剤や離型剤といった分散体がノズルの開口径に対して充分微細とすることが吐出孔の詰りを防止するために重要となる。
前記トナー組成液の固形分としては、3質量%〜40質量%であることが好ましい。前記固形分が3質量%未満であると、生産性が低下するだけでなく、着色剤や離型剤微粒子といった分散体が沈降や凝集を起こしやすくなりためトナー粒子ごとの組成が不均一になりやすくトナー品質が低下する場合がある。前記固形分が40質量%を超えると、小粒径のトナーが得られない場合がある。
本発明に係るトナーには、流動性向上剤を添加してもよい。該流動性向上剤は、トナー表面に添加することにより、トナーの流動性を改善(流動しやすくなる)するものである。
前記流動性向上剤が表面処理された微粉体の場合、その比表面積としては、20m2/g以上が好ましく、40m2/g〜300m2/gがより好ましい。
本発明に係るトナーには、その他の添加剤として、静電潜像担持体及びキャリアの保護、クリーニング性の向上、熱特性、電気特性、物理特性等の調整、抵抗調整、軟化点調整、定着率向上などを目的として、金属石けん、フッ素系界面活性剤、フタル酸ジオクチル等;導電性付与剤として酸化スズ、酸化亜鉛、カーボンブラック、酸化アンチモン等;酸化チタン、酸化アルミニウム、アルミナ等の無機微粉体などを必要に応じて添加することができる。前記無機微粉体は、必要に応じて疎水化してもよい。
また、ポリテトラフルオロエチレン、ステアリン酸亜鉛、ポリフッ化ビニリデン等の滑剤、酸化セシウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム等の研磨剤、ケーキング防止剤、更に、トナー粒子と逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子とを、現像性向上剤として少量用いることもできる。
前記表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好適に挙げられる。
本発明のトナーは、一成分現像剤として使用してもよく、キャリアと混合して2成分現像剤として使用してもよい。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェライト、マグネタイト等のキャリア、樹脂コートキャリアなどを挙げることができる。前記樹脂コートキャリアは、キャリアコア粒子とキャリアコア粒子表面を被覆(コート)する樹脂である被覆材とからなる。前記被覆材に使用する樹脂としては、例えば、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体等のスチレン−アクリル系樹脂;アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体等のアクリル系樹脂;ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素含有樹脂;シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂などが好適に挙げられる。この他にも、アイオモノマー樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等のキャリアの被覆材として使用できる樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の樹脂微粒子の製造方法は、液滴吐出工程と、液滴固化工程とを少なくとも含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
本発明の樹脂微粒子の製造装置は、液滴吐出手段と、液滴固化手段とを少なくとも有し、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
前記液滴吐出工程は、複数の吐出孔から液体を液滴状に吐出する工程であり、前記液滴吐出手段によって行うことができる。
前記液滴固化工程は、前記液滴を固化する工程であり、前記液滴固化手段によって行うことができる。
前記液滴吐出手段及び前記液滴固化手段としては、上述したトナーの製造方法及び製造装置における前記液滴吐出手段及び前記液滴固化手段と同様のものを用いることができる。
前記液体は、少なくとも樹脂を有機溶剤に溶解乃至分散させたもの、及び少なくとも樹脂を溶融したもののいずれかであり、前記樹脂及び前記有機溶剤としては、上述したトナーの製造方法及び製造装置における前記樹脂及び前記有機溶剤と同様のものを用いることができる。
−着色剤分散液の調製−
先ず、着色剤としての、カーボンブラックの分散液を調製した。
カーボンブラック(Regal400、Cabot社製)17質量部、及び顔料分散剤(アジスパーPB821、味の素ファインテクノ社製)3質量部を、酢酸エチル80質量部に、攪拌羽を有するミキサーを使用し、一次分散させた。得られた一次分散液を、ダイノーミルを用いて強力なせん断力により細かく分散し、5μm以上の凝集体を完全に除去した二次分散液を調製した。
次に、ワックス分散液を調整した。
撹拌羽と温度計をセットした容器に、カルナバワックス18質量部、ワックス分散剤2質量部、及び酢酸エチル80質量部を仕込み、一次分散させた。この一次分散液を攪拌しながら80℃まで昇温し、カルナバワックスを溶解した後、室温まで液温を下げ最大径が3μm以下となるようワックス粒子を析出させた。前記ワックス分散剤としては、下記の通り調整した、ポリエチレンワックスにスチレン−アクリル酸ブチル共重合体をグラフト化した[グラフト重合体分散液]を使用した。[グラフト重合体分散液]を、更にビーズミル(アシザワファインテック社製、LMZ06)を用いて強力なせん断力により細かく分散し、ワックス粒子の最大径が1μm以下になるよう調製した。
温度計及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン480質量部、低分子量ポリエチレン(三洋化成工業(株)製、サンワックスLEL−400:軟化点128℃)100質量部を入れて充分溶解させ、窒素置換した後、スチレン755質量部、アクリロニトリル100質量部、アクリル酸ブチル45質量部、アクリル酸21質量部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート36質量部、及びキシレン100質量部の混合溶液を、170℃で3時間かけて滴下し重合し、さらにこの温度で0.5時間保持した。次いで脱溶剤を行い、数平均分子量:3,300、重量平均分子量:18,000、ガラス転移点:65.0℃、ビニル系樹脂のSP値11.0(cal/cm3)1/2の[グラフト重合体分散液]を得た。
結着樹脂としてのポリエステル樹脂(質量平均分子量32,000)の固形分30.0質量%酢酸エチル溶液100質量部、前記着色剤分散液30質量部、前記ワックス分散液30質量部を、酢酸エチル840質量部を、攪拌羽を有するミキサーを使用して10分間攪拌を行い、均一に分散させた。溶媒希釈によるショックで顔料やワックス粒子が凝集することはなかった。
得られたトナー組成液を、図11に示す吐出孔を有し、液滴吐出手段として図2の液滴吐出ヘッドを有する図1のトナー製造装置1を用い、以下の条件で、前記トナー組成液を液滴状に吐出させた後、形成された液滴を乾燥固化することにより、トナー母体粒子を作製した。
図11は、吐出孔の配置を示す図である。図11に示す通り、前記圧力定在波の腹となる領域に、第一吐出孔から第十吐出孔の吐出孔19が10個形成されている。吐出孔開口部の開口径は、第一吐出孔から第十吐出孔まで、それぞれ8.4μm、8.3μm、8.2μm、8.1μm、8.0μm、7.9μm、7.8μm、7.7μm、7.6μm、7.5μmである。吐出孔間のピッチは、80μmであり、偶数番目の吐出孔間のピッチ及び奇数番目の吐出孔間のピッチは、いずれも135μmである。
また、気流路12より気流を液滴進行方向と同じ方向に発生させた。液滴を吐出させた後、乾燥エアーを用いた液滴固化手段により該液滴を乾燥固化した。乾燥固化したトナー母体粒子を、1μmのサイクロンで吸引捕集した後、さらに35℃にて48時間送風乾燥することにより、トナー母体粒子を作製した。
トナー組成液比重 :ρ=1.2g/cm3
駆動周波数 :410kHz
印加電圧サイン波ピーク値:11V
乾燥エアー温度 :35℃
得られたトナー母体粒子に対して、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)1.0質量%を添加し、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用いて外添処理を行い、トナーを作製した。
被覆層材料としてのシリコーン樹脂(SR2406、東レ・ダウコーニング社製)100質量部、及び触媒(U−200、日東化成工業社製)をトルエン500質量部に分散させて、被覆層分散液を調製した後、加温状態にて、芯材(重量平均粒径50μmの球形フェライト粒子)にスプレーコートし、焼成し、冷却後、被覆層の平均厚み0.2μmのキャリアを作製した。
得られたトナー4質量部に対し、上記キャリア96質量部を混合して二成分現像剤を作製した。
実施例1のトナー製造装置1、形成された液滴、及び作製した実施例1の現像剤について、以下のように評価した。
前記液柱共鳴室の内部に発生する圧力分布を、空間差分法を用いた数値流体計算により測定した。
実施例1において解析した結果を図13に示す。また、後述する比較例1において解析した結果を図14に示す。
更に、前記数値流体計算により、各吐出孔近傍、即ち、前記液柱共鳴液室の内部における、各吐出孔の開口部から10μm以内のトナー組成液にかかる圧力を解析した結果、吐出される液滴の体積及び粒径が前記圧力分布に応じた分布を持つことが明らかとなった。
前記液滴の粒径は、図7と同様に、レーザーシャドウグラフィ法にて吐出を撮影し、形成された液滴の2次元画像の面積から同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出した。実施例1及び後述する比較例1において形成された液滴の粒径の測定結果を、図12に示す。
得られたトナー母体粒子の粒度分布をフロー式粒子像解析装置(FPIA−2000、シスメックス社製)で下記に示す測定条件において測定したところ、重量平均粒径(D4)が5.5μm、個数平均粒径(Dn)が5.2μm、D4/Dnが1.06のトナー母体粒子が得られた。結果を表1に示す。
作製した現像剤を、複写機(イマジオネオ271、株式会社リコー製)の現像器部分を改良した改造機に入れ、画像占有率7%の印字率でタイプ6000ペーパー(株式会社リコー製)を用いてランニングを実施した。その時の初期10枚目の画像と3万枚目の画像の細線部を原稿と比較し、光学顕微鏡を用いて100倍で拡大観察し、ラインの抜けの状態を段階見本と比較しながら、◎、○、△、×の4段階で評価した。なお、◎>○>△>×の順に画像品質が高いことを表し、特に×の評価は製品として採用できないレベルである。結果を表1に示す。
実施例1において、トナー製造装置1に代えて、以下の構成を有するトナー製造装置Aを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、液滴、トナー母体粒子、トナー、及び現像剤を作製し、これらの評価を実施した。
トナー製造装置Aは、トナー製造装置1の吐出孔の配置を示す図である図11において、吐出孔の開口径が、第1吐出孔から第10吐出孔までの全てで、8.0μmであること以外は、トナー製造装置1と同様の構成を備える。
比較例1では、同一の開口径を有する複数の吐出孔を備えたトナー製造装置において吐出孔の数を10個に増加した場合には、生産性が向上するが、図12(△)に示すように、最小液滴径と最大液滴径の間には、10%程度の差があった。
比較例1の吐出孔配置及び液柱共鳴流路の形状において、数値流体計算により解析した液柱共鳴流路の内部圧力分布を、図14に示す。図14の各々のプロットは、第一吐出孔から第十吐出孔までの吐出孔近傍の液体の瞬間最大圧力であり、周波数特性を示したものである。いずれの吐出孔近傍においても410kHzに最大効率を持ち、この形態における液柱共鳴の共鳴周波数は410kHzであると推測された。また、実験においても同じ周波数で最も効率的に吐出することを確認した。
しかしながら、比較例1の形態においては、共振周波数部分での各吐出孔における最大圧力に分布を生じていることが確認できた。更なる数値流体計算により、吐出される液滴の体積及び粒径がこの圧力分布に応じた分布を持つことが判明しており、このことは、前記液滴の粒径の実測値(図12)からも支持された。
実施例1の吐出孔配置及び液柱共鳴流路の形状において、数値流体計算により解析した液柱共鳴流路の内部圧力分布を、図13に示す。図13では、410kHz近傍での、吐出孔間の最大圧力がほぼ同じになっている。
このような条件の場合に、図12(●)に示すように、最大粒径と最小粒径の差は0.5μmとなっている。このように、圧力分布を均一にするような吐出孔の開口径及び配置とすることにより、液滴粒径を均一化することが可能となる。
10 液滴形成ユニット
11 液滴吐出ヘッド
12 気流路
13 原料収容部
14 トナー組成液
15 液循環ポンプ
16 液供給路
17 液共通供給路
18 液柱共鳴液室
19 吐出孔
20 振動発生部
21 トナー液滴
22 液戻り管
30 乾燥捕集ユニット
31 チャンバ
32 トナー捕集部
33 下降気流
34 トナー捕集チューブ
35 トナー貯留部
Claims (16)
- 複数の吐出孔からトナー組成液を液滴状に吐出する液滴吐出工程と、前記液滴を固化する液滴固化工程とを含むトナーの製造方法であって、
前記トナー組成液が、少なくとも樹脂、着色剤、及び離型剤を含有するトナー組成物を有機溶剤に溶解乃至分散させた組成液であり、
前記液滴吐出工程において、前記吐出孔が形成された液柱共鳴液室内の前記トナー組成液に振動を付与して液柱共鳴により圧力定在波を形成し、該圧力定在波の腹となる領域に形成された前記吐出孔から前記トナー組成液を液滴状に吐出し、
前記圧力定在波の腹となる領域に形成された複数の吐出孔の開口径が、前記圧力定在波の節に近い吐出孔ほど小さくなるように形成され、かつ吐出孔の近傍の前記トナー組成液にかかる圧力が均等となるよう配置されたことを特徴とするトナーの製造方法。 - 複数の吐出孔のうち、液柱共鳴液室における最も液供給路側に形成された吐出孔が、最も小さい開口径を有する請求項1に記載のトナーの製造方法。
- 吐出孔が、1つの液柱共鳴液室に、2個〜20個形成された請求項1から2のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 液柱共鳴液室の長手方向の両端における、少なくとも一部に反射壁面が設けられた請求項1から3のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- トナー組成液に対して、下記式(1)が成立する周波数fの振動を付与する請求項1から4のいずれかに記載のトナーの製造方法。
f=N×c/(4L) ・・・式(1)
(L:液柱共鳴液室の長手方向の長さ、c:トナー組成液の音波の速度、N:自然数) - トナー組成液に対して、下記式(2)が成立する周波数fの振動を付与する請求項1から5のいずれかに記載のトナーの製造方法。
N×c/(4L)≦f≦N×c/(4Le) ・・・式(2)
(L:液柱共鳴液室の長手方向の長さ、Le:液供給路側の端部と、該端部に最も近い吐出孔の中心部との距離、c:トナー組成液の音波の速度、N:自然数) - トナー組成液に対して、下記式(3)が成立する周波数fの振動を付与する請求項1から6のいずれかに記載のトナーの製造方法。
N×c/(4L)≦f≦(N+1)×c/(4Le) ・・・式(3)
(L:液柱共鳴液室の長手方向の長さ、Le:液供給路側の端部と、該端部に最も近い吐出孔の中心部との距離、c:トナー組成液の音波の速度、N:自然数) - Le/L>0.6である請求項6から7のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 振動の周波数が、300kHz以上の高周波振動である請求項1から8のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 液滴固化工程が、液滴を気流によって搬送することを更に含む請求項1から9のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 気流の速度が、液滴の吐出初速度よりも大きい請求項10に記載のトナーの製造方法。
- 複数の吐出孔からトナー組成液を液滴状に吐出する液滴吐出手段と、前記液滴を固化する液滴固化手段とを有するトナーの製造装置であって、
前記トナー組成液が、少なくとも樹脂、着色剤、及び離型剤を含有するトナー組成物を有機溶剤に溶解乃至分散させた組成液であり、
前記液滴固化手段が、前記吐出孔が形成された液柱共鳴液室と、
該液柱共鳴液室内の前記トナー組成液に振動を付与する振動発生部とを有し、
該振動発生部によって前記液柱共鳴液室内の前記トナー組成液に振動を付与して液柱共鳴により圧力定在波を形成し、該圧力定在波の腹となる領域に形成された前記吐出孔から前記トナー組成液を液滴状に吐出する手段であり、
前記圧力定在波の腹となる領域に形成された複数の吐出孔の開口径が、前記圧力定在波の節に近い吐出孔ほど小さくなるように形成され、かつ吐出孔の近傍の前記トナー組成液にかかる圧力が均等となるよう配置されたことを特徴とするトナーの製造装置。 - 液滴固化手段が、前記液柱共鳴液室の外周から液滴の吐出方向下流側に気流を流通させる気流流路を更に有する請求項12に記載のトナーの製造装置。
- 気流の速度が、液滴の吐出初速度よりも大きい請求項13に記載のトナーの製造装置。
- 複数の吐出孔から液体を液滴状に吐出する液滴吐出工程と、前記液滴を固化する液滴固化工程とを含む樹脂微粒子の製造方法であって、
前記液体が、少なくとも樹脂を有機溶剤に溶解乃至分散させたもの、及び少なくとも樹脂を溶融したもののいずれかであり、
前記液滴吐出工程において、前記吐出孔が形成された液柱共鳴液室内の前記液体に振動を付与して液柱共鳴により圧力定在波を形成し、該圧力定在波の腹となる領域に形成された前記吐出孔から前記液体を液滴状に吐出し、
前記圧力定在波の腹となる領域に形成された複数の吐出孔の開口径が、前記圧力定在波の節に近い吐出孔ほど小さくなるように形成され、かつ吐出孔の近傍の前記液体にかかる圧力が均等となるよう配置されたことを特徴とする樹脂微粒子の製造方法。 - 複数の吐出孔から液体を液滴状に吐出する液滴吐出手段と、前記液滴を固化する液滴固化手段とを有する樹脂微粒子の製造装置であって、
前記液体が、少なくとも樹脂を有機溶剤に溶解乃至分散させたもの、及び少なくとも樹脂を溶融したもののいずれかであり、
前記液滴固化手段が、前記吐出孔が形成された液柱共鳴液室と、
該液柱共鳴液室内の前記液体に振動を付与する振動発生部とを有し、
該振動発生部によって前記液柱共鳴液室内の前記液体に振動を付与して液柱共鳴により圧力定在波を形成し、該圧力定在波の腹となる領域に形成された前記吐出孔から前記液体を液滴状に吐出する手段であり、
前記圧力定在波の腹となる領域に形成された複数の吐出孔の開口径が、前記圧力定在波の節に近い吐出孔ほど小さくなるように形成され、かつ吐出孔の近傍の前記液体にかかる圧力が均等となるよう配置されたことを特徴とする樹脂微粒子の製造装置。
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