JP5561045B2 - トナーの製造方法及びトナーの製造装置、並びにトナー - Google Patents
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Description
<1> 少なくとも1つの吐出孔からトナー組成液を液滴状に吐出する液滴吐出工程と、前記液滴を固化する液滴固化工程とを含むトナーの製造方法であって、
前記トナー組成液が、少なくとも樹脂、着色剤、及び離型剤を含有するトナー組成物を有機溶剤に溶解乃至分散させた組成液であり、
前記離型剤の体積基準メジアン径が、0.1μm〜0.7μmであり、
前記トナー組成液における離型剤の含有量が、前記離型剤の体積基準メジアン径の逆数の1倍(質量%)〜5倍(質量%)であり、
前記離型剤の最大粒径が、前記吐出孔の開口径の1/4以下であり、
前記液滴吐出工程において、前記吐出孔が形成された液柱共鳴液室内の前記トナー組成液に振動を付与して液柱共鳴により圧力定在波を形成し、該圧力定在波の腹となる領域に形成された前記吐出孔から前記トナー組成液を液滴状に吐出することを特徴とするトナーの製造方法である。
<2> 吐出孔が、圧力定在波の腹となる領域の少なくとも1つに対して、複数形成された前記<1>に記載のトナーの製造方法である。
<3> 吐出孔が、1つの液柱共鳴液室に、複数形成された前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<4> 液柱共鳴液室の長手方向の両端における、少なくとも一部に反射壁面が設けられている前記<1>から<3>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<5> トナー組成液に対して、下記式(1)が成立する周波数fの振動を付与する前記<1>から<4>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
f=N×c/(4L) ・・・式(1)
(L:液柱共鳴液室の長手方向の長さ、c:トナー組成液の音波の速度、N:整数)
<6>
トナー組成液に対して、下記式(2)が成立する周波数fの振動を付与する前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
N×c/(4L)≦f≦N×c/(4Le) ・・・式(2)
(L:液柱共鳴液室の長手方向の長さ、Le:液供給路側の端部と、該端部に最も近い吐出孔の中心部との距離、c:トナー組成液の音波の速度、N:整数)
<7> トナー組成液に対して、下記式(3)が成立する周波数fの振動を付与する前記<1>から<6>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
N×c/(4L)≦f≦(N+1)×c/(4Le) ・・・式(3)
(L:液柱共鳴液室の長手方向の長さ、Le:液供給路側の端部と、該端部に最も近い吐出孔の中心部との距離、c:トナー組成液の音波の速度、N:整数)
<8> Le/L>0.6である前記<6>から<7>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<9> 振動の周波数が、300kHz以上の高周波振動である前記<1>から<8>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<10> 離型剤の融点が、60℃〜120℃である前記<1>から<9>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<11> 前記<1>から<10>のいずれかに記載のトナーの製造方法によって製造されたことを特徴とするトナーである。
<12> トナーの粒度分布(重量平均粒径/個数平均粒径)が、1.00〜1.15である前記<11>に記載のトナーである。
<13> トナーの重量平均粒径が、1μm〜8μmである前記<11>から<12>のいずれかに記載のトナーである。
<14> 少なくとも1つの吐出孔からトナー組成液を液滴状に吐出する液滴吐出手段と、前記液滴を固化する液滴固化手段とを有するトナーの製造装置であって、
前記トナー組成液が、少なくとも樹脂、着色剤、及び離型剤を含有するトナー組成物を有機溶剤に溶解乃至分散させた組成液であり、
前記離型剤の体積基準メジアン径が、0.1μm〜0.7μmであり、
前記トナー組成液における離型剤の含有量が、前記離型剤の体積基準メジアン径の逆数の1倍(質量%)〜5倍(質量%)であり、
前記離型剤の最大粒径が、前記吐出孔の開口径の1/4以下であり、
前記液滴固化手段が、前記吐出孔が形成された液柱共鳴液室と、
該液柱共鳴液室内の前記トナー組成液に振動を付与する振動発生部とを有し、
該振動発生部によって前記液柱共鳴液室内の前記トナー組成液に振動を付与して液柱共鳴により圧力定在波を形成し、該圧力定在波の腹となる領域に形成された前記吐出孔から前記トナー組成液を液滴状に吐出することを特徴とするトナーの製造装置である。
本発明のトナーの製造方法は、液滴吐出工程と、液滴固化工程とを少なくとも含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
本発明のトナーの製造装置は、液滴吐出手段と、液滴固化手段とを少なくとも有し、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
前記液滴吐出工程は、少なくとも1つの吐出孔からトナー組成液を液滴状に吐出する工程であり、液滴吐出手段により実施することができる。本発明においては、前記液滴吐出工程において、前記吐出孔が形成された液柱共鳴液室内の前記トナー組成液に振動を付与して液柱共鳴により圧力定在波を形成し、該圧力定在波の腹となる領域に形成された前記吐出孔から前記トナー組成液を液滴状に吐出することを必須とし、該液滴吐出工程は、前記液滴吐出手段により実施することができる。
なお、前記吐出孔の開口径とは、吐出孔の液滴が吐出される側に位置する開口部の直径であり、真円であれば直径を意味し、楕円、若しくは四角形、六角形、八角形等の多角形乃至正多角形であれば平均径を意味する。
このような吐出孔の形状としては、例えば、前記吐出孔の開口径が液滴(トナー組成液)の吐出方向に向かって小さくなるテーパ角を有するテーパ形状が好ましい。
ここで、前記テーパ角とは、吐出孔の開口面(吐出孔の形成面の厚み方向に対して垂直な面)に対する垂線(開口軸)と、前記吐出孔の形成面の厚み方向の断面における、前記吐出孔の断面形状の側面とのなす角度をいう。
前記吐出孔間のピッチは、複数の吐出孔間において、全て等間隔であってもよく、少なくとも1つのピッチが異なっていてもよいが、等間隔であることが、均一な粒径のトナーを得ることができる点で好ましい。
前記液柱共鳴液室の形状としては、前記振動により圧力定常波を形成することができれば特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、四角柱(長方体)、円柱、円すい台などが挙げられる。
前記液柱共鳴液室の長手方向の両端における、少なくとも一部に反射壁面が設けられることが好ましい。ここで、「反射壁面」とは、液体の音波を反射させる程度に硬質な部材、例えば、アルミ、ステンレス等の金属部材、シリコーン等の部材などにより形成された壁面をいう。
また、図2に示すように、前記液柱共鳴液室の長手方向の両端の壁面間の長さLは、後述するような液柱共鳴原理に基づいて決定される。また、図3に示すように、前記液柱共鳴液室の幅Wとしては、液柱共鳴に余分な周波数を与えないように、前記液柱共鳴液室の長さLの2分の1より小さいことが好ましい。
前記圧電体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電セラミックス、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の圧電高分子、水晶、LiNbO3、LiTaO3、KNbO3等の単結晶などの材質から形成された圧電体などが挙げられる。前記超音波振動発生体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、磁歪素子などが挙げられる。
前記振動発生部は、弾性板に貼りあわせた形態であることが好ましく、該弾性板は、振動発生部が接液しないように液柱共鳴液室の壁の一部を形成することが好ましい。
更に、前記振動発生部は、1つの液柱共鳴液室毎に個別に制御できるように配置されることが好ましい。また、液柱共鳴液室の配置にあわせて、弾性板を介してブロック状の圧電体などの振動発生部を配置することが、それぞれの液柱共鳴液室を個別制御できる観点から好ましい。
前記液柱共鳴液室(例えば、図1及び2の液滴吐出ヘッド11内の液柱共鳴液室18)において生じる液柱共鳴現象の原理について説明すると、前記液柱共鳴液室内の前記トナー組成液の音速をcとし、前記振動発生部(例えば、図2の振動発生部20)から媒質である前記トナー組成液に与えられた駆動周波数をfとした場合、前記トナー組成液の共鳴が発生する波長λは、
λ=c/f ・・・式(A)
の関係にある。
L=(N/4)λ ・・・式(B)
(但し、Nは偶数)
なお、固定端と等価である場合とは、ある端において圧力の逃げ部がないとみなすことができる場合であり、例えば、ある端において反射壁面の高さが、トナー組成液供給のための連通口の高さの2倍以上である場合、及びある端において反射壁面の面積が、トナー組成液供給のための連通口の開口部の面積の2倍以上である場合などを指す。
図2において、液柱共鳴液室18の固定端側のフレームの端部から液共通供給路17側の端部までの長さが、長さLに相当する。また、液共通供給路17側のフレームの端部の高さh1(=約80μm)は連通口の高さh2(=約40μm)の約2倍あり当該端部が閉じている両側固定端と等価であるとみなすことができる。
同様にして、片方側が圧力の逃げ部がある開放端と等価で、他方側が閉じている(固定端)の場合、つまり片側固定端の場合、乃至片側開放端の場合には、長さLが波長λの4分の1の奇数倍に一致する場合に共鳴が最も効率的に形成される。つまり、上記式(B)のNが奇数で表される場合に相当する。なお、両側開放端の場合は、Lが波長の4分の1の偶数倍、片側固定端の場合は、Lが波長の4分の1の奇数倍に相当する。
f=N×c/(4L) ・・・式(1)
(L:液柱共鳴液室の長手方向の長さ、c:トナー組成液の音波の速度、N:整数)
と導かれる。
したがって、本発明のトナーの製造方法及び製造装置において、前記トナー組成液に対して、上記式(1)が成立する周波数fの振動を付与することが好ましい。しかし、実際には、トナー組成液は共鳴を減衰させる粘性を持つために無限に振動が増幅されるわけではなく、Q値を持ち、後述する式(2)、式(3)に示すように、式(1)に示す最も効率の高い駆動周波数fの近傍の周波数でも共鳴は発生する。
前記振動の周波数としては、液柱共鳴液室の形状などに応じて適宜設定することができ、一義的に選択できるものではないが、300kHz以上の高周波振動であることが好ましく、300kHz〜1,000kHzがより好ましい。
したがって、本発明のトナーの製造方法及び製造装置において、前記トナー組成液に対して、下記式(2)及び式(3)のいずれかが成立する周波数fの振動を付与することが好ましい。
N×c/(4L)≦f≦(N+1)×c/(4Le) ・・・式(3)
(L:液柱共鳴液室の長手方向の長さ、Le:液供給路側の端部と、該端部に最も近い吐出孔の中心部との距離、c:トナー組成液の音波の速度、N:整数)
前記固化工程は、前記液滴を固化する工程であり、前記固化手段により実施することができる。
前記液滴を固化する方法としては、液滴を固化させて粒子化できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜公知の方法を選択することができ、例えば、液滴に含まれる有機溶媒を乾燥気体へ蒸発させ、乾燥による収縮固化を行う方法などが挙げられる。
図1は、本発明の一実施の形態に係るトナーの製造装置の全体構成を示す断面図である。図2は、図1の液滴形成ユニットにおける液滴吐出ヘッドの構成を示す断面図である。図3は、図1の液滴形成ユニットの構成を示すA−A’線断面図である。図1に示す本実施の形態のトナーの製造装置1は、主に、液滴形成ユニット10及び乾燥捕集ユニット30を含む。前記液滴吐出手段である液滴形成ユニット10は、前記吐出孔によって外部と連通する液滴吐出領域を有する液室であって、後述する条件下のもとで前記液柱共鳴による圧力定在波が発生する前記液柱共鳴液室内の前記トナー組成液を液滴として前記吐出孔から噴射する液滴吐出ヘッド11を複数配置する。各液滴吐出ヘッド11の両側には液滴吐出ヘッド11から吐出したトナーの液滴が乾燥捕集ユニット30側に流出されるように、図示していない気流発生部によって発生する気流が通る気流路12が設けられている。また、液滴形成ユニット10は、トナー原料であるトナー組成液14を収容する原料収容部13と、原料収容部13に収容されているトナー組成液14を液供給管16を通して液滴吐出ヘッド11内の後述する液共通供給路17に供給し、更に、液戻り管22を通って原料収容部13に戻すために液供給管16内のトナー組成液14を圧送する液循環ポンプ15とを含む。更に、液滴吐出ヘッド11は、図2に示すように、液共通供給路17及び液柱共鳴液室18を含む。液柱共鳴液室18は、長手方向の両端の壁面のうち一方の壁面に設けられた液共通供給路17と連通されている。また、液柱共鳴液室18は、両端の壁面と連結する壁面のうち一つの壁面にトナー液滴21を吐出する吐出孔19と、吐出孔19と対向する壁面に設けられ、かつ液柱共鳴定在波を形成するために高周波振動を発生する振動発生部20とを有している。なお、振動発生部20には、図示していない高周波電源が接続されている。
図1に示す原料収容部13に収容されているトナー組成液14は、トナー組成液14を循環させるための液循環ポンプ15によって液供給管16を通って、図2に示す液滴形成ユニット10の液共通供給路17内に流入し、図2に示す液滴吐出ヘッド11の液柱共鳴液室18に供給される。そして、トナー組成液14が充填されている液柱共鳴液室18内には、振動発生部20によって発生する液柱共鳴定在波により圧力分布が形成される。そして、圧力定在波の腹となる領域に形成された吐出孔19からトナー液滴21が吐出される。
前記トナー組成液は、トナー組成物を有機溶剤に溶解乃至分散させた組成液であり、前記トナー組成物は、少なくとも樹脂、着色剤、離型剤を含み、さらに、必要に応じて、その他の顔料分散液、ワックス分散剤、帯電制御剤などの成分を含む。
本発明のトナーの製造方法に使用されるトナー組成液及びトナー組成物は、前記離型剤として、離型剤の体積基準メジアン径が、0.1μm〜0.7μmであり、前記トナー組成液における離型剤の含有量が、離型剤の体積基準メジアン径の逆数の1倍(質量%)〜5倍(質量%)であり、離型剤の最大粒径が、吐出孔の開口径の1/4以下のものを含むことを必須とするが、それ以外のトナー材料は、従来の電子写真用トナーと同じものが使用できる。すなわち、スチレンアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオール系樹脂、エポキシ系樹脂などの樹脂を各種有機溶媒に溶解し、微分散した着色剤及び離型剤、必要に応じて帯電制御剤等のトナー材料を前記トナー製造方法により微小液滴とし乾燥固化させることで、目的とするトナー(トナー母体粒子)を作製することが可能である。さらに、必要に応じて流動性向上剤やクリーニング性向上剤などを表面に添加してトナーを得てもよい。
前記樹脂としては、少なくとも結着樹脂が挙げられる。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、通常使用される樹脂を適宜選択して使用することができ、例えば、スチレン系単量体、アクリル系単量体、メタクリル系単量体等のビニル重合体、これらの単量体又は2種類以上からなる共重合体、ポリエステル系重合体、ポリオール樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、石油系樹脂などが挙げられる。
(1)エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレフイン類;(2)ブタジエン、イソプレン等のポリエン類;(3)塩化ビニル、塩化ビニルデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;(4)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;(5)ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;(6)ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;(7)N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物;(8)、ビニルナフタリン類;(9)アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体等;(10)マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸等の不飽和二塩基酸;(11)マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物等の不飽和二塩基酸無水物;(12)マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸モノブチルエステル、シトラコン酸モノメチルエステル、シトラコン酸モノエチルエステル、シトラコン酸モノブチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、アルケニルコハク酸モノメチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、メサコン酸モノメチルエステル等の不飽和二塩基酸のモノエステル;(13)ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸等の不飽和二塩基酸エステル;(14)クロトン酸、ケイヒ酸等のα,β−不飽和酸;(15)クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物等のα,β−不飽和酸無水物;(16)該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物、アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステル等のカルボキシル基を有するモノマー;(17)2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類;(18)4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルへキシル)スチレン等のヒドロキシ基を有するモノマー。
前記架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6へキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、これらの化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの等のアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類;ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、これらの化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたもの等のエーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類などが挙げられる。
また、前記架橋剤として、例えば、商品名MANDA(日本化薬社製)等のポリエステル型ジアクリレート類が挙げられる。
これらの架橋剤のうち、トナー用樹脂における定着性、耐オフセット性の点から、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を1つ含む結合鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が好ましい。これらの中でも、スチレン系共重合体、スチレン−アクリル系共重合体となるようなモノマーの組み合わせが好ましい。
また、THF可溶分としては、分子量分布10万以下の成分が50%〜90%となるような結着樹脂が好ましく、分子量5千〜3万の領域にメインピークを有する結着樹脂がより好ましく、5千〜2万の領域にメインピークを有する結着樹脂が最も好ましい。
2価のアルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、乃至ビスフェノールAにエチレンオキシド、プロピレンオキシド等の環状エーテルが重合して得られるジオールなどが挙げられる。
ポリエステル樹脂を架橋させるためには、3価以上の多価アルコールや3価以上の酸を併用することが好ましい。樹脂が有機溶剤に溶解することを妨げない範囲の少量の添加量とする必要がある。
また、3価以上の多価カルボン酸成分としては、例えば、トリメット酸、ピロメット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、乃至これらの無水物、部分低級アルキルエステルなどが挙げられる。
(1)試料は予め結着樹脂(重合体成分)以外の添加物を除去して使用するか、結着樹脂及び架橋された結着樹脂以外の成分の酸価及び含有量を予め求めておく。試料の粉砕品0.5〜2.0gを精秤し、重合体成分の重さをWgとする。例えば、トナーから結着樹脂の酸価を測定する場合は、着色剤又は磁性体等の酸価及び含有量を別途測定しておき、計算により結着樹脂の酸価を求める。
(2)300mlのビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(体積比4/1)の混合液150mlを加え溶解する。
(3)0.1mol/lのKOHのエタノール溶液を用いて、電位差滴定装置を用いて滴定する。
(4)この時のKOH溶液の使用量をS(ml)とし、同時にブランクを測定し、この時のKOH溶液の使用量をB(ml)とし、以下の式(C)で算出する。ただしfはKOHのファクターである。
酸価(mgKOH/g)=[(S−B)×f×5.61]/W ・・・式(C)
前記ガラス転移温度(Tg)が、35℃より低いと高温雰囲気下でトナーが劣化しやすくなることがある。また、ガラス転移温度(Tg)が、80℃を超えると、定着性が低下することがある。
前記着色剤としては、特に制限はなく、通常使用される樹脂を適宜選択して使用することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びこれらの混合物などが挙げられる。
前記マスターバッチとともに混練される樹脂としては、先に挙げた変性、未変性ポリエステル樹脂の他に、例えば、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いる事ができる。また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の、水を含んだ水性ペーストを、樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も、着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため、乾燥する必要がなく、好適に使用される。
混合混練するには、3本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に使用される。
前記酸価が30mgKOH/gを超えると、高湿下での帯電性が低下し、顔料分散性も不十分となることがある。また、アミン価が1未満であるとき、及び、アミン価が100を超えるときにも、顔料分散性が不十分となることがある。
前記酸価は、例えば、JIS K0070に記載の方法により測定することができ、アミン価は、例えば、JIS K7237に記載の方法により測定することができる。
また、前記着色剤は、顔料分散液に分散させた着色剤分散液として用いることもできる。
前記顔料分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものを適宜選択することができるが、顔料分散性の点で、結着樹脂との相溶性が高いことが好ましく、そのような市販品としては、例えば、「アジスパーPB821」、「アジスパーPB822」(味の素ファインテクノ社製)、「Disperbyk−2001」(ビックケミー社製)、「EFKA−4010」(EFKA社製)などが挙げられる。
前記離型剤としては、前記離型剤の体積基準メジアン径が、0.1μm〜0.7μmであり、前記トナー組成液における離型剤の含有量が、前記離型剤の体積基準メジアン径の逆数の1倍(質量%)〜5倍(質量%)であり、かつ前記離型剤の最大粒径が、前記吐出孔の開口径の1/4以下のものであれば、特に制限はなく、ワックス類として通常使用されるものを適宜選択することができ、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合体;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう等の植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペテロラタム等の鉱物系ワックス;モンタン酸エステルワックス、カスターワックスの等の脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの等の脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したものなどが挙げられる。
前記融点が、50℃未満では耐ブロッキング性が低下することがあり、140℃を超えると耐オフセット効果が発現しにくくなることがある。
前記離型剤及びトナーの融点を測定するためのDSC測定機器としては、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計が好ましい。測定方法としては、ASTM D3418−82に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回昇温、降温させ前履歴を取った後、温度速度10℃/minで、昇温させた時に測定されるものを用いる。
なお、前記離型剤の体積基準メジアン径、及び最大粒径は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置LA920(堀場製作所)などの粒子径分布測定装置を用いて測定することができる。
前記離型剤を微分散し、かつその分散媒中での分散安定性を向上させるためにワックス分散剤が好ましく用いられる。
前記ワックス分散剤としては、結着樹脂と親和性の高い部位とワックスと親和性の高い部位を持ち有機溶剤(分散媒)に溶解する材料が好ましく用いられる。例えば、オレフィン類と共重合可能な他の単量体との共重合体が挙げられ、中でも、オレフィン系樹脂とビニル系樹脂とからなるグラフト重合体が好ましく用いられる。
前記オレフィン類の重合体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、プロピレン/1−ヘキセン共重合体などが挙げられる。前記オレフィン類の重合体の酸化物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記オレフィン類の重合体の酸化物等が挙げられる。前記オレフィン類の重合体の変性物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記例示したオレフィン類の重合体のマレイン酸誘導体付加物などが挙げられる。前記マレイン酸誘導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸ジメチルなどが挙げられる。
前記熱減成型ポリオレフィンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、重量平均分子量(Mw)50,000〜5000,000のポリオレフィン樹脂(例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン)を熱減成して得られるポリオレフィンなどが挙げられる。熱減成は、通常250℃〜450℃で行われる。熱減成後の、数平均分子量(Mn)から導かれる分子数に対応する1分子当たりの二重結合含有率は、30%〜70%が好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂の数平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、500〜20,000が好ましく、1,000〜15,000がより好ましく、1,500〜10,000が特に好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量としては、800〜100,000が好ましく、1,500〜60,000がより好ましく、2,000〜30,000が特に好ましい。
前記ビニル系樹脂の重量平均分子量としては、5,000〜200,000が好ましく、6,000〜100,000がより好ましく、7,000〜50,000が特に好ましい。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものを適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。具体的には、ニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のEー82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製);第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製);第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製);LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カ一リット社製);銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物、フェノール系樹脂、フッ素系化合物などが挙げられる。
これらの帯電制御剤、離型剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練してもよく、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えてもよい。
前記有機溶剤としては、前記トナー組成物を溶解乃至分散できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エーテル類、ケトン類、エステル類、炭化水素類、アルコール類の溶剤が好ましく用いられ、特にテトラヒドロフラン(THF)、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、酢酸エチル、トルエンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記トナー組成物を有機溶剤に溶解乃至分散することによりトナー組成液を得ることができる。
前記トナー組成液の調製には、ホモミキサーやビーズミルなどを用いて、着色剤や離型剤といった分散体がノズルの開口径に対して充分微細とすることが吐出孔の詰りを防止するために重要となる。
前記トナー組成液の固形分としては、3質量%〜40質量%であることが好ましい。前記固形分が3質量%未満であると、生産性が低下するだけでなく、着色剤や離型剤微粒子といった分散体が沈降や凝集を起こしやすくなりためトナー粒子ごとの組成が不均一になりやすくトナー品質が低下する場合がある。前記固形分が40質量%を超えると、小粒径のトナーが得られない場合がある。
本発明のトナーは、上述した本発明のトナー製造方法によって製造されたトナーである。本発明のトナーには、他の添加剤として、流動性向上剤、クリーニング性向上剤等の外添剤などを必要に応じて添加することができる。
また、前記トナーの重量平均粒径としては、高解像度で、高精細・高品質な画像を形成する観点から、1μm〜8μmが好ましい。
本発明に係るトナーには、流動性向上剤を添加してもよい。該流動性向上剤は、トナー表面に添加することにより、トナーの流動性を改善(流動しやすくなる)するものである。
前記流動性向上剤が表面処理された微粉体の場合、その比表面積としては、20m2/g以上が好ましく、40m2/g〜300m2/gがより好ましい。
記録紙等にトナーを転写した後、静電潜像担持体や一次転写媒体に残存するトナーの除去性を向上させるためのクリーニング性向上剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合によって製造されたポリマー微粒子などを挙げることかできる。前記ポリマー微粒子としては、比較的粒度分布が狭く、重量平均粒径が0.01μm〜1μmのものが好ましい。
本発明のトナーは、キャリアと混合して2成分現像剤として使用してもよい。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェライト、マグネタイト等のキャリア、樹脂コートキャリアなどを挙げることができる。前記樹脂コートキャリアは、キャリアコア粒子とキャリアコア粒子表面を被覆(コート)する樹脂である被覆材とからなる。前記被覆材に使用する樹脂としては、例えば、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体等のスチレン−アクリル系樹脂;アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体等のアクリル系樹脂;ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素含有樹脂;シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂などが好適に挙げられる。この他にも、アイオモノマー樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等のキャリアの被覆材として使用できる樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
−着色剤分散液の調製−
先ず、着色剤として、カーボンブラック分散液を調製した。
カーボンブラック(Regal400、Cabot社製)20質量部、及び顔料分散剤(アジスパーPB821、味の素ファインテクノ社製)2質量部を、酢酸エチル78質量部に、攪拌羽を有するミキサーを使用して一次分散させた。得られた一次分散液を、ダイノーミルを用いて強力なせん断力により細かく分散し、凝集体を完全に除去した二次分散液を調製した。更に、0.45μmの細孔を有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルター(フロリナートメンブレンフィルターFHLP09050、日本ミリポア株式会社)を通過させ、サブミクロン領域まで分散させたカーボンブラック分散液を調製した。
次に、ワックス分散液を調製した。
撹拌羽と温度計をセットした容器に、カルナウバワックス(1号)10.0質量部、及び酢酸エチル40.0質量部を仕込み、80℃に加温し20分間撹拌してカルナバワックスを溶解させた後、急冷しワックスの微粒子を析出させた。この分散液に、ワックス分散剤(スチレン(77質量部)、アクリロニトリル(9質量部)、アクリル酸ブチル(5質量部)共重合体にポリエチレン(10質量部)をグラフトした重合体)の固形分20.0質量%酢酸エチル溶液40.0質量部(ワックス100質量部に対してグラフト重合体100質量部)を加え、直径0.3mmのジルコニアビーズを充填したビーズミル(アシザワファインテック社製、LMZ06)を用いて強力なせん断力によりさらに細かく分散して以下に示す体積基準メジアン径及び最大粒径を有するワックスを固形分として含むワックス分散液a〜eを得た。ワックス分散液a〜eの固形分はいずれも20.0質量%に調整した。
なお、ワックスの粒径は、ビーズミルの回転数とミル時間を変えて調整し、その体積基準メジアン径、及び最大粒径を、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置LA920(堀場製作所)を用いて測定した。
<ワックス分散液a〜e>
ワックス分散液a:体積基準メジアン径0.08μm、最大粒径0.4μm
ワックス分散液b:体積基準メジアン径0.10μm、最大粒径0.5μm
ワックス分散液c:体積基準メジアン径0.30μm、最大粒径0.9μm
ワックス分散液d:体積基準メジアン径0.70μm、最大粒径3.0μm
ワックス分散液e:体積基準メジアン径0.80μm、最大粒径3.9μm
結着樹脂としてポリエステル樹脂(質量平均分子量32,000)の固形分30.0質量%酢酸エチル溶液296.7質量部、前記カーボンブラック分散液50.0質量部、ワックス分散液b100.0質量部、及び酢酸エチル153.3質量部を、攪拌羽を有するミキサーを使用し混合し、トナー組成液を調製した。
得られたトナー組成液を、液滴吐出手段として図11に示す液滴吐出ヘッドを有する図1のトナーの製造装置を用いて以下のような条件で、液滴を吐出させた。図11(a)は、液滴吐出ヘッドの断面図であり、(b)は、吐出孔の配置を示す断面図である。図11に示す液滴吐出ヘッドは、液柱共鳴液室内のトナー組成液に振動を付与する振動発生部20として圧電素子を有する。なお、液柱共鳴液室の長手方向の長さLは1.85mmであり、振動発生部20により324kHzの振動が液柱共鳴液室内のトナー組成液に付与され、これにより、N=2の共鳴モードの液柱共鳴による圧力定在波が形成される。この条件において、圧力定在波の腹となる領域は、±1/4波長となる領域であり、液供給路側の端部から0mm〜0.46mmの領域である。この領域に、吐出孔開口部8.0μm、吐出孔間のピッチ130μmの吐出孔19が4個形成されている。液滴を吐出させた後、乾燥エアーを用いた液滴固化手段により該液滴を乾燥固化し、サイクロン捕集した後、さらに35℃にて48時間送風乾燥することにより、トナー母体粒子を作製した。
トナー組成液比重 :ρ=1.1g/cm3
吐出孔開口部 :直径8.0μm
乾燥エアー温度 :40℃
駆動周波数 :395kHz
圧電体への印加電圧 :15.0V
なお、トナーの作製は連続して6時間行ったが、吐出孔が詰まることはなかった。
シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコーン) 100質量部
トルエン 100質量部
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 5質量部
カーボンブラック 10質量部
上記混合物をホモミキサーで20分間分散し、コート層形成液を調製した。このコート層形成液を、流動床型コーティング装置を用いて、粒径50μmの球状マグネタイト1000.0質量部の表面にコーティングして磁性キャリアを得た。
トナー4質量部及び上記磁性キャリア96.0質量部をボールミルで混合して二成分現像剤1を作製し、ホットオフセット性及びフィルミング性の評価を行った。評価結果を下記の表1に示す。高精細な画像を長期にわたって形成することが可能であり、ホットオフセット性及びフィルミング性ともに良好であった。
<<粒度分布>>
本発明のトナーの重量平均粒径(Dw)及び個数平均粒径(Dn)は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径50μmで測定した。トナー粒子又はトナーの体積及び個数を測定後、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(Dw)、個数平均粒径(Dn)を求めることができる。粒度分布の指標としては、トナーの重量平均粒径(Dw)を個数平均粒径(Dn)で除したDw/Dnを用いる。完全に単分散であれば1となり、数値が大きいほど分布が広いことを意味する。
現像剤を、市販の複写機(イマジオネオ455、リコー社製)に入れ、リコー社製タイプ6000ペーパーを用いて定着温度を低温から高温に変化させながら画像を出力する。そして、画像の光沢度が低下した温度もしくは画像にオフセット画像が見られた場合をオフセット発生温度とした。評価結果を下記の表1に示す。オフセット発生温度が200℃以上である場合を○、200℃未満である場合を×として評価した。
現像剤を、市販の複写機(イマジオネオ455、リコー社製)に入れ、画像占有率7%の印字率でリコー社製タイプ6000ペーパーを用いて連続ランニングテストを実施した。2万枚、5万枚及び10万枚後の感光体上フィルミング、及びフィルミングに伴う異常画像(ハーフトーン濃度ムラ)の有無を評価した。フィルミングの発生はランニング枚数が多いほど不利である。以下の評価基準で評価した結果を下記の表1に示す。表中の○は10万枚でも発生せず、△は5万枚で発生、×は2万枚で発生をそれぞれ示す。
トナー作製6時間経過後の吐出孔の閉塞、及び吐出液量の減少の有無を評価した。評価結果を下記の表1に示す。吐出孔が詰まることはなく初期の吐出量を維持していた場合を○、吐出液量の減少量が20%未満であり、吐出孔の一部に閉塞が見られた場合を△、吐出液量の減少量が20%以上であり、吐出孔の一部に閉塞が見られた場合を×として評価した。
上記実施例1において、トナー組成液の調製を、ポリエステル樹脂(質量平均分子量32,000)の固形分を30質量%酢酸エチル溶液197.1質量部、前記カーボンブラック分散液42.9質量部、ワックス分散液b257.1質量部、及び酢酸エチル102.9質量部に替えた以外は、全て上記実施例1と同様にしてトナー及び現像剤を作製した。実施例1と同様の評価を行った結果を下記の表1に示す。トナー組成液による吐出孔の詰まりは発生せず、非常にシャープな粒度分布であり、高精細な画像を長期にわたって形成することが可能であり、ホットオフセット性及びフィルミング性は良好であった。
上記実施例1において、トナー組成液の調製を、ポリエステル樹脂(質量平均分子量32,000)の固形分30.0質量%酢酸エチル溶液122.5質量部、前記カーボンブラック分散液37.5質量部、ワックス分散液b375.0質量部、及び酢酸エチル65.0質量部に替えた以外は、全て上記実施例1と同様にしてトナー及び現像剤を作製した。実施例1と同様の評価を行った結果を下記の表1に示す。トナー組成液による吐出孔の詰まりは発生せず、非常にシャープな粒度分布であり、高精細な画像を長期にわたって形成することが可能であり、ホットオフセット性及びフィルミング性は良好であった。
上記実施例1において、トナー組成液の調製を、ポリエステル樹脂(質量平均分子量32,000)の固形分30.0質量%酢酸エチル溶液337.7質量部、前記カーボンブラック分散液52.9質量部、ワックス分散液c35.3質量部、及び酢酸エチル774.1質量部に替えたトナー組成液を調整した。
トナー組成液を用いて、吐出孔の開口径を8.0μmφに変え、印加電圧10.0Vにて実施例1と同様の装置によりトナーを作成した。
このトナー母体粒子100質量部に対して疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)1.0質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて外添処理を行い、ブラックトナーを得た。
このトナーを用いて実施例1と同様に現像剤を作製し、実施例1と同様の評価を行った結果を下記の表1に示す。トナー組成液による吐出孔の詰まりは発生せず、非常にシャープな粒度分布であり、高精細な画像を長期にわたって形成することが可能であり、ホットオフセット性及びフィルミング性は良好であった。
上記実施例4においてトナー組成液の調製を、ポリエステル樹脂(質量平均分子量32,000)の固形分30質量%酢酸エチル溶液296.7質量部、前記カーボンブラック分散液50.0質量部、ワックス分散液c100.0質量部、及び酢酸エチル753.3質量部に替えたトナー組成液を調整した以外は、全て上記実施例4と同様にしてトナー及び現像剤を得た。上記実施例1と同様の評価を行った結果を下記の表1に示す。トナー組成液による吐出孔の詰まりは発生せず、非常にシャープな粒度分布であり、高精細な画像を長期にわたって形成することが可能であり、ホットオフセット性及びフィルミング性は良好であった。
上記実施例4においてトナー組成液の調製を、ポリエステル樹脂(質量平均分子量32,000)の固形分30.0質量%酢酸エチル溶液259.8質量部、前記カーボンブラック分散液47.4質量部、ワックス分散液c158.2質量部、及び酢酸エチル734.6質量部に替えたトナー組成液を調整した以外は、全て上記実施例4と同様にしてトナー及び現像剤を得た。上記実施例1と同様の評価を行った結果を下記の表1に示す。トナー組成液による吐出孔の詰まりは発生せず、非常にシャープな粒度分布であり、高精細な画像を長期にわたって形成することが可能であり、ホットオフセット性及びフィルミング性は良好であった。
上記実施例1において、トナー組成液の調製を、ポリエステル樹脂(質量平均分子量32,000)の固形分30.0質量%酢酸エチル溶液350.4質量部、前記カーボンブラック分散液53.9質量部、ワックス分散液d15.1質量部、及び酢酸エチル1980.6質量部に替えたトナー組成液を調整した。
トナー組成液を用いて、吐出孔の開口径を14.0μmφに変え、印加電圧8.0Vにて実施例1と同様の装置によりトナーを作成した。
このトナー母体粒子100.0質量部に対して疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)1.0質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて外添処理を行い、ブラックトナーを得た。
このトナーを用いて実施例1と同様に現像剤を作製し、実施例1と同様の評価を行った結果を下記の表1に示す。トナー組成液による吐出孔の詰まりは発生せず、非常にシャープな粒度分布であり、高精細な画像を長期にわたって形成することが可能であり、ホットオフセット性及びフィルミング性は良好であった。
上記実施例7においてトナー組成液の調製を、ポリエステル樹脂(質量平均分子量32,000)の固形分30.0質量%酢酸エチル溶液331.4質量部、前記カーボンブラック分散液52.5質量部、ワックス分散液d45.1質量部、及び酢酸エチル1971.0質量部に替えたトナー組成液を調整した以外は、全て上記実施例7と同様にしてトナー及び現像剤を得た。上記実施例1と同様の評価を行った結果を下記の表1に示す。トナー組成液による吐出孔の詰まりは発生せず、非常にシャープな粒度分布であり、高精細な画像を長期にわたって形成することが可能であり、ホットオフセット性及びフィルミング性は良好であった。
上記実施例7においてトナー組成液の調製を、ポリエステル樹脂(質量平均分子量32,000)の固形分30.0質量%酢酸エチル溶液313.9質量部、前記カーボンブラック分散液51.2質量部、ワックス分散液d72.8質量部、及び酢酸エチル1962.1質量部に替えたトナー組成液を調整した以外は、全て上記実施例7と同様にしてトナー及び現像剤を得た。上記実施例1と同様の評価を行った結果を下記の表1に示す。トナー組成液による吐出孔の詰まりは発生せず、非常にシャープな粒度分布であり、高精細な画像を長期にわたって形成することが可能であり、ホットオフセット性及びフィルミング性は良好であった。
上記実施例5において、ワックスをパラフィンワックス(HNP−9、日本精蝋社製)に変えて実施例1と同様にワックス分散液fを調整し、樹脂をスチレンとアクリル酸ブチルとの共重合体(質量平均分子量51,000)に替えた以外は、全て上記実施例5と同様にしてトナー及び現像剤を作製した。
ワックス分散液fの体積基準メジアン径は0.30μm、最大粒径は0.9μmであった。
上記実施例1と同様の評価を行った結果を下記の表1に示す。トナー組成液による吐出孔の詰まりは発生せず、非常にシャープな粒度分布であり、高精細な画像を長期にわたって形成することが可能であり、ホットオフセット性及びフィルミング性は良好であった。
上記実施例4においてトナー組成液の調製を、ポリエステル樹脂(質量平均分子量32,000)の固形分30.0質量%酢酸エチル溶液348.4質量部、前記カーボンブラック分散液53.7質量部、ワックス分散液c18.3質量部、及び酢酸エチル779.6質量部に替えたトナー組成液を調整した以外は、全て上記実施例4と同様にしてトナー及び現像剤を得た。上記実施例1と同様の評価を行った結果を下記の表1に示す。トナー組成液による吐出孔の詰まりは発生せず、非常にシャープな粒度分布であり、フィルミング性は良好であったが、ホットオフセット性は不良であった。
上記実施例4においてトナー組成液の調製を、ポリエステル樹脂(質量平均分子量32,000)の固形分30.0質量%酢酸エチル溶液243.1質量部、前記カーボンブラック分散液46.2質量部、ワックス分散液c184.6質量部、及び酢酸エチル726.2質量部に替えたトナー組成液を調整した以外は、全て上記実施例4と同様にしてトナー及び現像剤を得た。上記実施例1と同様の評価を行った結果を下記の表1に示す。トナー組成液による吐出孔の詰まりは発生せず、非常にシャープな粒度分布であり、ホットオフセット性は良好であったが、フィルミング性は不良であった。
上記実施例1において作成した0.08μmのワックス分散液を用いて、ポリエステル樹脂(質量平均分子量32,000)の固形分30.0質量%酢酸エチル溶液166.8質量部、前記カーボンブラック分散液40.7質量部、ワックス分散液a305.1質量部、及び酢酸エチル87.5質量部に替えたトナー組成液を調整した以外は、全て上記実施例1と同様にしてトナー及び現像剤を得た。上記実施例1と同様の評価を行った結果を下記の表1に示す。トナーの作製は連続して6時間行ったが、6時間後は初期に比べて吐出量が10%ほど低下しており、吐出孔の一部に閉塞が認められた。トナー組成液を1日間静置保管したところワックスの凝集物の沈降が見られた。得られたトナーの粒度分布は1.07であり微粉がやや増加していたが、ホットオフセット性及びフィルミング性は良好であった。
上記実施例1において作成した体積基準メジアン径が0.8μm、最大粒径が3.9μmのワックス分散液を用いて、ポリエステル樹脂(質量平均分子量32,000)の固形分30質量%酢酸エチル溶液334.6質量部、前記カーボンブラック分散液52.7質量部、ワックス分散液e40.1質量部、及び酢酸エチル1972.6質量部に替えたトナー組成液を調整した以外は、全て上記実施例7と同様にしてトナー及び現像剤を得た。上記実施例1と同様の評価を行った結果を下記の表1に示す。トナーの作製は連続して6時間行ったが、6時間後は初期に比べて吐出量が46%ほど低下しており、吐出孔の一部に閉塞が認められた。得られたトナーの粒度分布は1.19であり微粉が増加していたが、ホットオフセット性及びフィルミング性は良好であった。しかし、長期にわたって画像を形成すると現像剤の帯電量が低下して解像度の低下が見られた。なお、トナー組成液を1日間静置保管してもワックスの凝集物の沈降は見られなかった。
10 液滴形成ユニット
11 液滴吐出ヘッド
12 気流路
13 原料収容部
14 トナー組成液
15 液循環ポンプ
16 液供給管
17 液共通供給路
18 液柱共鳴液室
19 吐出孔
20 振動発生部
21 トナー液滴
22 液戻り管
30 乾燥捕集ユニット
31 チャンバ
32 トナー捕集部
33 下降気流
34 トナー捕集チューブ
35 トナー貯留部
Claims (11)
- 少なくとも1つの吐出孔からトナー組成液を液滴状に吐出する液滴吐出工程と、前記液滴を固化する液滴固化工程とを含むトナーの製造方法であって、
前記トナー組成液が、少なくとも樹脂、着色剤、及び離型剤を含有するトナー組成物を有機溶剤に溶解乃至分散させた組成液であり、
前記離型剤の体積基準メジアン径が、0.1μm〜0.7μmであり、
前記トナー組成液における離型剤の含有量が、前記離型剤の体積基準メジアン径の逆数の1倍(質量%)〜5倍(質量%)であり、
前記離型剤の最大粒径が、前記吐出孔の開口径の1/4以下であり、
前記液滴吐出工程において、前記吐出孔が形成された液柱共鳴液室内の前記トナー組成液に振動を付与して液柱共鳴により圧力定在波を形成し、該圧力定在波の腹となる領域に形成された前記吐出孔から前記トナー組成液を液滴状に吐出することを特徴とするトナーの製造方法。 - 吐出孔が、圧力定在波の腹となる領域の少なくとも1つに対して、複数形成された請求項1に記載のトナーの製造方法。
- 吐出孔が、1つの液柱共鳴液室に、複数形成された請求項1から2のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 液柱共鳴液室の長手方向の両端における、少なくとも一部に反射壁面が設けられた請求項1から3のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- トナー組成液に対して、下記式(1)が成立する周波数fの振動を付与する請求項1から4のいずれかに記載のトナーの製造方法。
f=N×c/(4L) ・・・式(1)
(L:液柱共鳴液室の長手方向の長さ、c:トナー組成液の音波の速度、N:整数) - トナー組成液に対して、下記式(2)が成立する周波数fの振動を付与する請求項1から5のいずれかに記載のトナーの製造方法。
N×c/(4L)≦f≦N×c/(4Le) ・・・式(2)
(L:液柱共鳴液室の長手方向の長さ、Le:液供給路側の端部と、該端部に最も近い吐出孔の中心部との距離、c:トナー組成液の音波の速度、N:整数) - トナー組成液に対して、下記式(3)が成立する周波数fの振動を付与する請求項1から6のいずれかに記載のトナーの製造方法。
N×c/(4L)≦f≦(N+1)×c/(4Le) ・・・式(3)
(L:液柱共鳴液室の長手方向の長さ、Le:液供給路側の端部と、該端部に最も近い吐出孔の中心部との距離、c:トナー組成液の音波の速度、N:整数) - Le/L>0.6である請求項6から7のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 振動の周波数が、300kHz以上の高周波振動である請求項1から8のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 離型剤の融点が、60℃〜120℃である請求項1から9のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 少なくとも1つの吐出孔からトナー組成液を液滴状に吐出する液滴吐出手段と、前記液滴を固化する液滴固化手段とを有するトナーの製造装置であって、
前記トナー組成液が、少なくとも樹脂、着色剤、及び離型剤を含有するトナー組成物を有機溶剤に溶解乃至分散させた組成液であり、
前記離型剤の体積基準メジアン径が、0.1μm〜0.7μmであり、
前記トナー組成液における離型剤の含有量が、前記離型剤の体積基準メジアン径の逆数の1倍(質量%)〜5倍(質量%)であり、
前記離型剤の最大粒径が、前記吐出孔の開口径の1/4以下であり、
前記液滴吐出手段が、前記吐出孔が形成された液柱共鳴液室と、
該液柱共鳴液室内の前記トナー組成液に振動を付与する振動発生部とを有し、
該振動発生部によって前記液柱共鳴液室内の前記トナー組成液に振動を付与して液柱共鳴により圧力定在波を形成し、該圧力定在波の腹となる領域に形成された前記吐出孔から前記トナー組成液を液滴状に吐出することを特徴とするトナーの製造装置。
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