JP2012224760A - ポリアリレート樹脂 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性に優れつつ、色調が良好で、衝撃強度が高いポリアリレート樹脂を提供する。
【解決手段】二価フェノール成分と芳香族ジカルボン酸成分からなるポリアリレート樹脂であって、二価フェノール成分として一般式(1)で示される二価フェノールを10モル%以上含有し、二価フェノールまたはジカルボン酸を併せて少なくとも2種含有するポリアリレート樹脂。

(式中、Rは水素原子または炭化水素基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、特定二価フェノールを用いた、色調が良好で、連続成形性が良好なポリアリレート樹脂に関するものである。
芳香族ジカルボン酸成分と二価フェノール成分からなるポリアリレート樹脂は、耐熱性が優れているため成形品等として広く用いられている。ポリアリレート樹脂は、二価フェノール成分として、嵩高い置換基を有するモノマーを用いると、耐熱性が高まることが知られている。
例えば、特許文献1には、9,9−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンとテレフタル酸とイソフタル酸からなるポリアリレート樹脂が開示されている。また、非特許文献1、2には、2−ヒドロ−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタルイミジンまたは2−フェニル−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタルイミジンと、テレフタル酸やイソフタル酸等からなるポリアリレート樹脂が開示されている。
国際公開第1999/018141号パンフレット
Journal of Polymer Science: Polymer Chemistry Edition、(1981)Vol.19、pp.2659−2670 Journal of Polymer Science、2(A)、pp437−459(1964)
しかしながら、特許文献1のポリアリレート樹脂は、イエローインデックスが高く、色調が悪いという問題があり、非特許文献1、2のポリアリレート樹脂は脆く、成形体を得ることができないという問題があった。
本発明の目的は、耐熱性に優れつつ、色調と連続成形性が良好なポリアリレート樹脂を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究をおこなった結果、二価フェノール成分として一般式(1)で示される化合物を使用し、特定の割合で特定のモノマーを使用することによって、耐熱性を維持しつつも、色調が良好となり、連続成形性が向上するということを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は下記の通りである。
(1)二価フェノール成分と芳香族ジカルボン酸成分からなるポリアリレート樹脂であって、二価フェノール成分として一般式(1)で示される二価フェノールを10モル%以上含有し、一般式(2)で示される二価フェノールまたは一般式(3)で示されるジカルボン酸を併せて少なくとも2種含有するポリアリレート樹脂。
(式中、Rは水素原子または炭化水素基を表す。)
(式中、Aは単結合または二価の置換基、mは1以上の整数を表す。)
(式中、Bは単結合または二価の置換基、nは0以上の整数を表す。)
(2)一般式(3)で示されるジカルボン酸として、テレフタル酸とイソフタル酸を含有する(1)記載のポリアリレート樹脂。
(3)(1)または(2)記載のポリアリレート樹脂からなる成形体。
本発明によれば、耐熱性に優れつつ、色調と連続成形性が良好なポリアリレート樹脂を提供することができる。
本発明のポリアリレート樹脂は、二価フェノール成分と芳香族ジカルボン酸成分から構成される。
二価フェノール成分として、一般式(1)で示される化合物を含有している必要がある。一般式(1)で示される化合物を含有していない場合、耐熱性が低下するので好ましくない。一般式(1)で示される化合物のRは、水素原子または炭化水素基を表す。炭化水素基としては、フェニル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられ、中でも、耐熱性の観点から、フェニル基が好ましい。なお、一般式(1)の芳香環上の水素原子は、ハロゲン原子や炭化水素基等によって置換されていてもよい。一般式(1)で示される化合物としては、2−ヒドロ−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタルイミジン、2−フェニル−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタルイミジン、2−メチル−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタルイミジン、2−エチル−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタルイミジン等が挙げられる。これらの化合物は、例えば、非特許文献1に記載されている方法にしたがって合成することができる。
一般式(1)で示される化合物の含有量の下限としては、耐熱性の観点から、全二価フェノール成分に対して、10モル%以上とすることが必要で、20モル%以上とすることが好ましく、50モル%以上とすることがより好ましい。一般式(1)で示される化合物の含有量が10%未満の場合、耐熱性が低くなる。上限としては、耐衝撃性の観点から、全二価フェノール成分に対して、80モル%以下とすることが好ましい。
また、本発明のポリアリレート樹脂には、一般式(2)で示される二価フェノールまたは一般式(3)で示されるジカルボン酸を併せて少なくとも2種含有する必要がある。一般式(2)で示される二価フェノールまたは一般式(3)で示されるジカルボン酸を全く用いないか、いずれか1種のみを用いた場合、成形体を得ることができないか、成形体を得られたとしても連続成形性が低くなるので好ましくない。一般式(2)で示される二価フェノールまたは一般式(3)で示されるジカルボン酸を併せて少なくとも2種含有しない場合とは、具体的には、一般式(1)で示される二価フェノールとテレフタル酸のみからなる場合、一般式(1)で示される二価フェノールとイソフタル酸のみからなる場合、一般式(1)で示される二価フェノールとテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸からなる場合等が挙げられる。
一般式(2)において、Aは単結合または二価の置換基を表し、mは1以上の整数を表し、好ましくは1または2である。二価の置換基としては、酸素原子、硫黄原子、スルホニル基、シクロアルキレン基、または炭素数が1〜12の炭化水素基等が挙げられる。一般式(2)の芳香環上の水素原子は、炭化水素基、ハロゲン基またはアルコキシ基等によって置換されていてもよい。
一般式(2)で示される二価フェノールとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン〔ビスフェノールZ〕、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン等が挙げられる。
中でも、耐熱性の観点から、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン〔ビスフェノールAP〕、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン〔ビスフェノールZ〕が好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
一般式(3)において、Bは単結合または二価の置換基を表し、ジカルボン酸のnは0以上の整数を表し、好ましくは0または1である。二価の置換基としては、酸素原子、硫黄原子、スルホニル基、シクロアルキレン基、または炭素数が1〜12の炭化水素基等が挙げられる。一般式(3)の芳香環上の水素原子は、炭化水素基、ハロゲン基またはアルコキシ基等によって置換されていてもよい。
一般式(3)で示される芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテル−2,2’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−2,3’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−2,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,3’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、ジフェン酸ビス(p−カルボキシフェニル)アルカン、ジフェニルエーテル−2,2’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−2,3’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−2,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,3’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸等が挙げられる。中でも、耐衝撃性の観点から、テレフタル酸とイソフタル酸を併用することが好ましい。
テレフタル酸とイソフタル酸を併用する場合、両者の含有比率は10/90〜90/10(モル比)とすることが好ましく、25/75〜75/25(モル比)とすることがより好ましく、35/65〜65/35(モル比)とすることがさらに好ましい。
なお、本発明のポリアリレート樹脂においては、本発明の効果を損なわない範囲で、一般式(2)で示される二価フェノール以外の二価フェノール、グリコールや、一般式(3)で示される芳香族ジカルボン酸以外のジカルボン酸を含有してもよい。
ポリアリレート樹脂のインヘレント粘度は0.5〜1.5であることが好ましい。インヘレント粘度は、末端封止剤の添加量等によって制御することができる。インヘレント粘度をこの範囲とすることで、金型から成形体を取り出す際に割れが生じにくくなる。
ポリアリレート樹脂の末端酸価は50モル/トン以下であることが好ましく、20モル/トン以下であることがより好ましい。ポリアリレート樹脂の末端酸価を50モル/トンとすることで、成形時に加熱しても加水分解しにくくなる。
本発明のポリアリレート樹脂を製造する方法としては、界面重合法、溶液重合法等が挙げられる。界面重合法は溶液重合法と比較すると、反応が速いため、酸ハライドの加水分解を抑えることができ、結果として高分子量のポリマーを得ることができる。
界面重合法としては、二価カルボン酸ハライドを水と相溶しない有機溶媒に溶解させた溶液(有機相)を、二価フェノール、末端封止剤、酸化防止剤および重合触媒を含むアルカリ水溶液(水相)に混合し、50℃以下の温度で1〜8時間撹拌しながら重合反応をおこなう方法が挙げられる。
有機相に用いる溶媒としては、水と相溶せずポリアリレート樹脂を溶解する溶媒が好ましい。そのような溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム等が挙げられ、製造時のハンドリングの観点から、塩化メチレンが好ましい。
水相に用いるアルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の水溶液が挙げられる。
末端封止剤としては、一価フェノール、一価酸クロライド、一価アルコール、一価カルボン酸等が挙げられる。一価フェノールとしては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、o−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、o−メトキシフェノール、m−メトキシフェノール、p−メトキシフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2−フェニル−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−フェニル−2−(2−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−フェニル−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン等が挙げられ、一価酸クロライドとしては、ベンゾイルクロライド、安息香酸クロライド、メタンスルホニルクロライド、フェニルクロロホルメート等が挙げられ、一価アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ドデシルアルコール、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等が挙げられ、一価カルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、シクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、フェニル酢酸、p−tert−ブチル安息香酸、p−メトキシフェニル酢酸等が挙げられる。これらの中でも、反応性と熱安定性の観点から、p−tert−ブチルフェノールが好ましい。
酸化防止剤としては、ハイドロサルファイトナトリウム、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸、カテキン、トコフェノール、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられ、速やかに水溶することからハイドロサルファイトナトリウムが好ましい。
重合触媒としては、トリブチルベンジルアンモニウムハライド、テトラブチルアンモニウムハライド、トリメチルベンジルアンモニウムハライド、トリエチルベンジルアンモニウムハライド等の第四級アンモニウム塩や、トリブチルベンジルホスホニウムハライド、テトラブチルホスホニウムハライド、トリメチルベンジルホスホニウムハライド、トリエチルベンジルホスホニウムハライド等の第四級ホスホニウム塩が挙げられる。中でも、高分子量で低末端酸価のポリマーを得ることができることから、トリブチルベンジルアンモニウムハライド、テトラブチルアンモニウムハライド、トリブチルベンジルホスホニウムハライド、テトラブチルホスホニウムハライドが好ましい。
本発明のポリアリレート樹脂のシャルピー衝撃強度は6kJ/m以上であることが好ましく、8kJ/m以上であることがより好ましく、10kJ/m以上であることがさらに好ましい。厚さ2mmの成形片のイエローインデックスは、10以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましく、全光線透過率は85%以上が好ましい。また、耐熱性の指標となる荷重たわみ温度(荷重1.8MPa)は、200℃以上であることが好ましく、220℃以上であることがより好ましい。
本発明のポリアリレート樹脂は、射出成形、押出成形、吹き込み成形等通常の成形加工方法により、成形体とすることが可能であり、各種筐体等の電化製品用樹脂部品、バンパー、インパネ、ドアトリム等の自動車用樹脂部品、コンピューター関連部品等の電気電子部品、携帯電話部品、TV部品、音響機器、照明器具カバー、電気製品のハウジング等の家庭事務電気製品部品、顕微鏡、望遠鏡、双眼鏡、カメラ、時計等の光学部品、コピー、ファクシミリ、プリンター等の機械関連部品、自動車内装材、ヘッドライトカバー、ランプカバー、リフレクターなどの自動車部品等に用いることができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
1.評価項目
(1)インヘレント粘度
ポリアリレート樹脂をフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(6/4(質量比))に溶解し、濃度1g/dlの試料溶液を作製した。続いて、ウベローデ型粘度計を用い、30℃の温度にて試料溶液および溶媒の落下時間を測定し、以下の式を用いてインヘレント粘度を求めた。
インヘレント粘度=ln[(試料溶液の落下時間/溶媒のみの落下時間)/樹脂濃度(g/dl)]
(2)末端酸価
ポリアリレート樹脂150mgを、ベンジルアルコール5mlに加温して溶解し、冷却後、クロロホルム10mlと混合した。フェノールレッドを指示薬として0.1Nの水酸化カリウムベンジルアルコール溶液で滴定した。その滴定した値を用いてポリアリレート樹脂1トン中に含まれる当量数を計算し、末端酸価とした。
(3)ガラス転移温度
ポリアリレート樹脂10mgをサンプルとし、DSC(示差走査熱量測定)装置(パーキンエルマー社製DSC7)を用いて昇温速度10℃/分の条件で昇温し、昇温曲線中のガラス転移に由来する2つの折曲点温度の中間値をガラス転移温度とした。
(4)荷重たわみ温度
ポリアリレート樹脂を十分に乾燥した後、射出成形機(東芝機械社製EC−100型)を用いて成形し、長さ125mm×幅12mm×厚み0.8mmの成形片を作製した。成形片は、2箇所をイジェクタピンで押して金型から取り出した。なお、シリンダ温度は350〜380℃、金型温度は100℃、イジェクタピンの押出速度は30mm/秒でおこなった。
得られた成形片を用いて、ASTM D648に準拠して、荷重1.8MPaで測定した。
(5)シャルピー衝撃強度
(4)で得られた成形片を用いて、ISO179に準拠して測定した。
(6)連続成形性
(4)と同様に、成形片を連続して100個作製し、金型から取り出す際に割れが生じなかった成形片の個数を数えた。実用上、95個以上が好ましく、100個がより好ましい。
(7)イエローインデックス
(4)と同様に、長さ125mm×幅125mm×厚み0.8mmの成形片を作製した。
得られた成形片を用いて、JIS K7103に準拠して、日本電色工業社製色差計SZ−シグマ80で測定した。
(8)全光線透過率
(7)で得られた成形片を用いて、ASTM D1003に準拠して、日本電色工業社製ヘーズメーターNDH2000で測定した。
2.原料
2−フェニル−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタルイミジンの合成
Dean Stark装置を備えた反応容器に、フェノールフタレイン31.8質量部、アニリン65質量部および濃塩酸20.5質量部を供給した後、160℃に加熱し水分を揮発させた。その後、温度は変更せずに15時間反応させた後、反応混合物を塩酸400質量部の入った反応容器に流し込み、沈殿物を生成させた。沈殿物を濾過により回収し、活性炭含有の水酸化ナトリウム水溶液に溶解させた後、30分間攪拌し、濾過により活性炭を除去し、濾過物を得た。その後、さらに1回、同様の活性炭処理をおこなった。得られた濾過物に中和のため濃塩酸を添加して沈殿物を生成させ、濾過後、粗成生物を払いだした。粗生成物100質量部とメタノール400質量部を混合し、加熱して1時間還流した後、濾過により2−フェニル−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタルイミジンを得た。
実施例1
攪拌装置を備えた反応容器中に、2−フェニル−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタルイミジン74.0質量部、末端封止剤としてp−tert−ブチルフェノール0.85質量部、アルカリとして水酸化ナトリウム22.9質量部、重合触媒としてトリエチルベンジルアンモニウムクロライド0.41質量部、酸化防止剤としてハイドロサルファイトナトリウム0.37質量部を仕込み、水1750質量部に溶解した(水相)。これとは別に、塩化メチレン1000質量部に、テレフタル酸クロライド(以下、TPCと略称する。)19.76質量部と、イソフタル酸クロライド(以下、IPCと略称する。)19.76質量部を溶解した(有機相)(TPC:IPC=50:50(モル比))。水相をあらかじめ攪拌しておき、有機相を水相中に強攪拌下で添加し、15℃で4時間、界面重合法で重合をおこなった。この後、攪拌を停止し、水相と有機相をデカンテーションして分離した。水相を除去した後、塩化メチレン500質量部、純水2000質量部と酢酸2質量部を添加して反応を停止し、15℃で30分間攪拌した。その後、有機相を純水で10回洗浄し、有機相をメタノール中に添加してポリマーを沈殿させた。沈殿させたポリマーを濾過し、乾燥し、ポリアリレート樹脂を得た。
実施例2〜12、比較例1〜8
表1に示すように用いるモノマーの種類と量を変更する以外は、実施例1と同様にポリアリレート樹脂を得た。
表1に、樹脂組成およびその特性値を示す。
実施例1〜12のポリアリレート樹脂は、連続成形性が良好で、得られた成形体は、耐熱性に加えて、色調が良好であった。
比較例1は、一般式(1)で示される化合物のかわりにビスフェノールBCFを用いていたため、色調が劣っていた。
比較例2は、一般式(1)で示される化合物の含有量が少なかったため、耐熱性が低かった。
比較例3〜5は、一般式(1)で示される化合物と、一般式(3)で示される化合物1種のみから構成されていたため、前記評価項目(4)の条件により成形を試みたところ、割れがない成形体を得ることができなかった。
比較例6〜8は、一般式(1)で示される化合物と、一般式(3)で示される化合物1種と、一般式(2)または(3)に該当しない化合物1種から構成されており、本発明の要件を満たしていないため、連続成形性が悪かった。

Claims (3)

  1. 二価フェノール成分と芳香族ジカルボン酸成分からなるポリアリレート樹脂であって、二価フェノール成分として一般式(1)で示される二価フェノールを10モル%以上含有し、一般式(2)で示される二価フェノールまたは一般式(3)で示されるジカルボン酸を併せて少なくとも2種含有するポリアリレート樹脂。
    (式中、Rは水素原子または炭化水素基を表す。)
    (式中、Aは単結合または二価の置換基、mは1以上の整数を表す。)
    (式中、Bは単結合または二価の置換基、nは0以上の整数を表す。)
  2. 一般式(3)で示されるジカルボン酸として、テレフタル酸とイソフタル酸を含有する請求項1記載のポリアリレート樹脂。
  3. 請求項1または2記載のポリアリレート樹脂からなる成形体。
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