各実施例において共通するカートリッジ1の構成について図1にて説明する。
図1は、カートリッジ1を示した説明図である。カートリッジ1は、少なくとも、基材テープ2表面に塗膜を形成している転写テープ3が、繰出しリール4から転写ヘッド5を介して巻取りリール6に巻回されているものである。ここでは、繰出しリール4と巻取りリール6の連動機構と逆転防止機構を有している。
基材テープとしては、グラシン紙等の紙基材や、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等の合成樹脂基材のものを用いればよい。基材テープ表面上には離型層を設けてもよいし、基材自体を離型処理してもよい。
塗膜としては、修正塗膜、粘着塗膜、絵柄塗膜などの任意のものを形成することができる。また、これら以外の機能を持たせた機能性塗膜を形成することもできる。
繰出しリールと巻取りリールの連動機構としては一般的に、繰出しリールと巻取りリールのそれぞれに設けたギアの噛合によって連動させる機構や、Oリング等の無端状のゴムベルトによって連動させる機構などを用いることができる。また、このような連動機構においては、テープが余分に繰り出されたり巻き取られたりしないように、逆回転防止機構を備えている方が好ましい。
図のカートリッジ1は、平行な2枚の平面板7に挟まれた構成である。2枚の平面板7は透明であり、図面と平行に配置している。そのため図では、2枚の平面板7の境界線は重なっており、一方だけを表している。図面奥側と手前にある2枚の平面板7の間に、繰出しリール4や巻取りリール6などが配置されている。
2枚の平面板7を図面垂直につなぐ部位には、図面の左上から右下への斜線を施して断面のように表している。その部位としては、図面上側の接続板8、繰出しリール4の中心付近にある円筒形の繰出しリール中心軸9、巻取りリール6の中心付近にある円筒形の巻取りリール中心軸10、繰出しリール4から繰出された転写テープ3を転写ヘッド5へ導くテープガイド11、転写ヘッド5の動きを規制する2つの抑え壁12、転写ヘッド5を支える円筒形の保持部13がある。
テープガイド11は、図面右側の平行板7の境界に設けている。そのため、繰出しリール4から繰り出された転写テープ3は、テープガイド11で一旦、平行板7の右側境界よりも右外へ出るような配置となっている。そして、転写ヘッド5にて塗膜が転写された基材テープ2が、平行板7の左側境界より右内で巻取りリール6に巻き取られている。基材テープ2が巻き取られている部分は、図面手前の巻取りリール6側面にある径の大きな円形扇状の波形溝14により見えていない。
円形扇状の波形溝14は、図面垂直方向手前に立ち上がる垂直面とそこから斜めに下がる斜面からなる三角波形状であり、巻取りリール6側面の図面手前に円形扇状に形成している。図では、その波形溝14の垂直面を外円周へ向かう直線で表している。この波形溝14は、テープがたるんだりしたときに直すために利用する溝であり、カートリッジ1において平面板7より露出する部分を有する。
円形扇状の波形溝14における平面板7より露出する部分は、図において平行板7の左側境界と右側境界よりそれぞれ外へ出ている部分である。一方の境界だけでなく、両側境界より外へ露出することで、使用者は2本の指で回すことができ、使用者の操作を容易にしたものである。なお、一方の境界だけでは指だけで回すことができないことがあり、筆記具の先などの細いものを使わなければならないことがあった。
転写ヘッド5は、平面板7の図面下側に設けられている。転写ヘッド5の内部構造や転写テープ3などの経路は、図面に平行である転写ヘッド5の不透明な側壁によって見えていないが、一般的なものである。図面最下部の転写ヘッド5の先端にて転写テープ3を押圧して塗膜を転写することができる。
また、転写ヘッド5は、平面板7内に向かって、太い支軸と細い支軸からなる。太い支軸部分で、転写ヘッド5の動きを規制する2つの抑え壁12に挟まれている。細い支軸の端に図面垂直方向に対して円柱形状の支軸を有していて、その円柱支軸が円筒形の保持部13によって保持されている。図では、点を施して表している。
ここでの連動機構はギアである。繰出しリール4の繰出しギア15が中間ギア16と噛合しており、その中間ギア16が巻取りリール6の巻取りギアと噛合している。これらギアはリールの図面奥側にあり、繰出しギア15と中間ギア16の一部だけ見えている。巻取りリール6の巻取りギアは、図面手前の巻取りリール側面にある径の大きな円形扇状の波形溝14により見えていない。これらギアの連動機構によって、自動巻取り式となる。
ここでの逆回転防止機構はラチェット構造のものである。図面奥側の繰出しギア15側面と図面奥側の平面板内側との間に設けている。図で表していないが、繰出しギア15側面にラチェットの爪があり、平面板内側にその爪が係る溝を円形扇状に設けている。このラチェットと爪によって、逆回転防止となっている。
円形扇状の波形溝14を有する巻取りリール6は、その中心付近において、円筒形の巻取りリール中心軸10で回動するものである。一方、繰出しリール4では、転写テープ3の巻かれた円筒形コア17が図面奥側の繰出しギア15の側面から図面垂直方向手前に形成された4つの接触部18の爪に係っており、4つの接触部18が繰出しリール4の中心付近にある円筒形の繰出しリール中心軸9で回動するものである。
ここで、一方向のみに回転するように、繰出しリール4と巻取りリール6の連動機構と逆転防止機構を設けているものである。転写ヘッド5にて塗膜を転写するために引き動かすことで、転写テープ3が繰出しリール4から繰り出され、巻取りリール6に巻き取られる方向に回転する。図では、繰出しリール4と巻取りリール6ともに時計回りに回転するものである。
4つの接触部18は、リール外径方向の円筒形コア17に向かって広がるような弾性を持っている。これにより、円筒形の繰出しリール中心軸9で回転して、弾性を持って円筒形コア17に接するので抵抗があり、円筒形コア17も一緒に回転することになる。その抵抗を超えるような大きな力がかかるときには、接触部18が接している円筒形コア17との間でスリップして、テープの切断などを防ぐことになる。また、接触部18の爪が円筒形コア17に係っており、図面手前に円筒形コア17が抜けてこない。
なお、本発明におけるテーパ摺動部のテーパ形状は、後述する実施例のようなテーパ形状に限定されるものではない。転写ヘッドがケース内方向へ押されるときには蓋体が閉まる方向のテーパ形状であればよい。実施例にあるような鋭角直角三角形状を含むものだけでなく、例えば、実施例にあるような長方形突部を2つ用いて、それらの角度を変えて配置して、テーパ摺動(傾斜摺動)するようにしたものであってもよい。
実施例1から実施例5までにおいて共通するケース20の構成について、図2と図3にて説明する。
図2は、左開きのケース20を示した説明図である。カートリッジ1を交換可能に装填できるものであるが、カートリッジ1は装填しておらず、ケース20だけである。このケース20は使用者に使用しやすい立体的な形状を有するものであるが、図面上、平面的にしか表していない。
図では、ケース20は透明である。ケース20における図面垂直方向中央付近での断面に相当する部分には、図面の右上から左下への斜線を施して表している。斜線を施した部分はケース20の外枠であり、本体21と図面上側の蓋体22からなる。本体21の図面下側に開口部位23を有している。
蓋体22は本体21の開口部位23に対して反対側に位置して回転開閉する。ここでの回転開閉の機構はヒンジである。図面左側のヒンジ軸24は、断面に相当する部分もあるが、図では斜線を施さず、透明で表している。
ヒンジと反対の図面右側に、本体と蓋体の係止部がある。係止部は、本体21の係止溝25とそれに係る蓋体22の係止爪26とからなる。係止を解除するために、係止解除突起27を設けている。
図では、係止溝25に係止爪26が係っており、蓋体22が閉じた状態である。ここで係止解除突起27は、蓋体22から伸びた係止爪26のたわむ部分に設けている。係止解除突起27を蓋体22の内側へ押すことで、係止を解除することができる。これらにより、蓋体22を開閉することができる。
なお、左開きとは、あくまで説明のための左右を意味するものであり、図面に表したケース20において、図面に対して蓋体22が左に開くことを意味するものである。
図3は、蓋体22が左に開いたケース20を示した説明図である。係止解除突起27にて係止を解除して、蓋体22をヒンジ軸24を中心に回転させて、蓋体22を左に開いた状態であり、図2のケース20が開いた状態である。この図3の状態で、カートリッジ1が交換可能となる。
図4は、実施例1のカートリッジ1を示した説明図である。図1のカートリッジ1と同じ構成であり、それにテーパ摺動部の長方形突部30を設けたものである。長方形突部30は、図面手前の平面板7の外側(さらに図面手前)左に、平面板7上から図面垂直方向手前に出るように、厚みのある部位として設けている。細長い長方形状で、図面上側と下側の短い辺に丸みを持たせた形状である。図では、網模様を施して表している。この長方形突部30には、テーパ(傾斜)形状はない。
図5は、実施例1のケース20を示した説明図である。図2のケース20と同じ構成であり、それにテーパ摺動部のテーパ部31を設けたものである。テーパ部31は、図面手前の蓋体22の内側左に、蓋体22内壁から図面垂直方向奥側へ出るように、厚みのある部位として設けている。鋭角下向きの直角三角形状で、図面下側の三角形鋭角部分に丸みを持たせた形状である。図では、網模様を施して表している。このテーパ部31には、図面上側に向かってケース20の図面左側へ広がるテーパ(傾斜)形状がある。
テーパ摺動部は、長方形突部30とテーパ部31からなる。それぞれは、カートリッジ1または蓋体22のどちらかそれぞれに設けている。つまり、カートリッジ1と蓋体22との間に設けたテーパ摺動部である。
図6は、実施例1の塗膜転写具50を示した説明図である。図4のカートリッジ1を図5のケース20の蓋体22が図3のように左に開いたところに挿入して、蓋体22を閉じたものである。転写ヘッド5がケース20の開口部位23より突出する。また、カートリッジ1が挿入しやすいようなガイドやカートリッジ1の動きを抑制する部位など、必要なものはカートリッジ1側やケース20側に適宜設けてもよい。図ではそれらは省略している。
蓋体22が閉じると、長方形突部30とテーパ部31とが、平面板7上からの厚みと蓋体22内壁からの厚みによって接触するものである。この接触でカートリッジ1が固定される。
図7は、実施例1の塗膜転写具50を強く押圧した状態を示した説明図である。図6の状態から、ケース20を図面下向きに強く押圧した状態である。強く押圧すると、転写ヘッド5がケース20内方向へ押され、ケース20に対してカートリッジ1が図面上側へ押される。
すると、カートリッジ1と蓋体22との間に設けたテーパ摺動部にて、長方形突部30とテーパ部31とが摺動することになる。長方形突部30が、テーパ部31のテーパ(傾斜)形状のところ(図面上側に向かってケース20の図面左側へ広がっている部分)を摺りながら動くので、蓋体22が閉まる方向に力がかかることになる。つまり、テーパ摺動部のテーパ形状は、転写ヘッドがケース内方向へ押されるときには蓋体が閉まる方向のテーパ形状である。これらの動きにより、強く押圧した圧力を吸収している。
この図7の状態から、強く押圧するのをやめると、テーパ(傾斜)形状によって元の位置である図6の状態まで戻るものである。
図8は、実施例1の塗膜転写具50の使用状態を示した説明図である。塗膜51を感圧転写している様子を表したものである。基材テープ2表面に塗膜51が形成されたものが転写テープ3であり、ケース20の開口部位23より突出している転写ヘッド5にて基材テープ2背面より被転写面32に押圧しながら、図面右方向へ塗膜転写具50を動かしており、転写テープ3の塗膜51を被転写面32に転写している様子である。
塗膜転写具50を押圧しながら動かすことにより、転写ヘッド5にて転写テープ3が走行して、転写テープ3が繰出しリール4から繰り出されて、転写ヘッド5にて塗膜51が被転写面32に転写され、塗膜51が転写された後の基材テープ2が巻取りリール6に巻き取られている。なおここで、連動機構と逆転防止機構も動作しており、テープがたるむことはない。
図8のような通常の使用時であっても、筆記具のように使用できる形状であるので、無意識により強く押圧してしまうことがある。より強く押圧しても、図7のようにテーパ摺動部にて長方形突部30とテーパ部31とが摺動して、蓋体22が閉まる方向に力がかかることになる。
このような構成であるので、カートリッジの交換においてわずらわしさはない。通常の使用時に強く押圧しても、蓋体が開くことなく、その圧力を吸収して転写ヘッドへの問題を極力防止しているものとなった。
実施例2のカートリッジ1は、図1のカートリッジ1と同じである。図1が実施例2のカートリッジ1を示した説明図である。
図9は、実施例2のケース20を示した説明図である。図2のケース20と同じ構成であり、それに弾発部40を設けたものである。弾発部40は、円柱形状であるが図ではその側面を表しており、ケース20の蓋体22に嵌入して固定している。
弾発部40の図面上側に嵌入溝41を設けており、蓋体22の嵌入爪42によって、嵌め込まれている。そして、蓋体22の内部の傾斜によって、固定されている。図では円柱形状側面であるので、実際は見えない部分もあるが、説明のため図のように表している。
図のような嵌入爪42であるので、蓋体22の図面下側から弾発部40を蓋体22に押し込んで嵌め込むものである。このように弾発部40を嵌入させているので、蓋体22を開けても弾発部40が落ちてくることはない。
弾発部40から稼動部43が出ており、その先に当接面44がつながっている。稼動部43が弾発部40内部に動いて入り込むものである。一体ものであり、稼動部43や当接面44が抜けて落ちることはない。弾発部40内部にコイルばねなどを設置して、稼動部43の稼動距離(入り込む距離)を調整している。
通常の転写における押圧力では、この弾発部40の稼動部43は入り込まず、さらに強く押圧することで始めて入り込むように調整している。逆に言えば、稼動部43が入り込むことなく(当接面44が動くことなく)塗膜を転写することができ、さらに強く押圧することで始めて入り込むように調整しているものである。
また、開口部から突出している転写ヘッド5がケース20内方向へ後退して埋没してしまわない距離だけ後退して復帰する稼動距離を有するものである。
図10は、実施例2の塗膜転写具50を示した説明図である。図1のカートリッジ1を図9のケース20の蓋体22が図3のように左に開いたところに挿入して、蓋体22を閉じたものである。転写ヘッド5がケース20の開口部位23より突出する。また、カートリッジ1が挿入しやすいようなガイドやカートリッジ1の動きを抑制する部位など、必要なものはカートリッジ1側やケース20側に適宜設けてもよい。図ではそれらは省略している。
蓋体22が閉じると、カートリッジ1の接続板8とケース20の蓋体22に設けた弾発部40の当接面44とが接してカートリッジ1が固定される。
弾発部40は、嵌入溝41と蓋体22の嵌入爪42の嵌入、および、弾発部40の筐体と蓋体22内部の傾斜によって、蓋体22に固定されている。そこにわずかな隙間ができることがあり、弾発部40が微妙に振れ、微かにがたつくことがある。しかし、カートリッジ1の接続板8と弾発部40の当接面44とが接することで、その微妙な振れが抑制され、微かながたつきがなくなる。
図11は、実施例2の塗膜転写具50を強く押圧した状態を示した説明図である。図10の状態から、ケース20を図面下向きに強く押圧した状態である。強く押圧すると、転写ヘッド5がケース20内方向へ押され、ケース20に対してカートリッジ1が図面上側へ押される。
すると、接続板8に接する当接面44を介して、稼動部43が弾発部40内部に動いて入り込むことになる。図は、後退しきった状態であり、ここまでの稼動距離(入り込む距離)に調整したものである。弾発部40は、ここでは円柱形状であり、その円周全体で蓋体22に接しているので、円周を介して力がバランス良く蓋体22全体に分散されて、蓋体22が開く方向の力が吸収されることになる。つまり、稼動部43が弾発部40内部に入り込む後退によって、力がバランス良く蓋体22全体に分散されるものである。これらの動きにより、強く押圧した圧力を吸収している。
この図11の状態から、強く押圧するのをやめると、後退から元の位置である図10の状態まで復帰するものである。つまり、開口部から突出している転写ヘッドがケース内方向へ後退して埋没してしまわない距離だけ後退して復帰する弾発部40である。
ここで弾発部40は、特願2010−168766号公報の実施例にあるような切断了知機構ユニットであり、切断了知機構ユニットの接続部が当接面44である。切断了知機構は音発生機構であり、この音発生機構は、特願2010−168766号公報にあるようにノック式筆記具の機構に類似させたものである。
これにより、転写を終了させるとき、塗膜転写具50を被転写面32に対して垂直に立てて強く押圧して押圧するのをやめると、音を文字で表現すれば「カッチャ」と音が鳴ることになる。ゆえに、明確に切断を了知させることができる。
図12は、実施例2の塗膜転写具50の使用状態を示した説明図である。塗膜51を感圧転写している様子を表したものである。基材テープ2表面に塗膜51が形成されたものが転写テープ3であり、ケース20の開口部位23より突出している転写ヘッド5にて基材テープ2背面より被転写面32に押圧しながら、図面右方向へ塗膜転写具50を動かしており、転写テープ3の塗膜51を被転写面32に転写している様子である。
塗膜転写具50を押圧しながら動かすことにより、転写ヘッド5にて転写テープ3が走行して、転写テープ3が繰出しリール4から繰り出されて、転写ヘッド5にて塗膜51が被転写面32に転写され、塗膜51が転写された後の基材テープ2が巻取りリール6に巻き取られている。なおここで、連動機構と逆転防止機構も動作しており、テープがたるむことはない。
図12のような通常の使用時であっても、筆記具のように使用できる形状であるので、無意識により強く押圧してしまうことがある。より強く押圧しても、図11のように固定されている弾発部40が稼動して、蓋体22が開く方向の力が吸収されることになる。
このような構成であるので、カートリッジの交換においてわずらわしさはない。通常の使用時に強く押圧しても、蓋体が開くことなく、その圧力を吸収して転写ヘッドへの問題を極力防止しているものとなった。さらには、切断を了知させるものとなった。
実施例3のカートリッジ1は、図4の実施例1のカートリッジ1と同じである。図4が実施例3のカートリッジ1を示した説明図である。
図13は、実施例3のケース20を示した説明図である。図5の実施例1と同じテーパ摺動部のテーパ部31を設けたものであり、それに図9の実施例2のケース20と同じ構成で弾発部40を設けたものである。
テーパ摺動部は、実施例1と同じである。弾発部40は、実施例2と同様に固定しており、同じものである。このように実施例3は、実施例1と実施例2を合わせたものである。
図14は、実施例3の塗膜転写具50を示した説明図である。図4のカートリッジ1を図13のケース20の蓋体22が図3のように左に開いたところに挿入して、蓋体22を閉じたものである。転写ヘッド5がケース20の開口部位23より突出する。また、カートリッジ1が挿入しやすいようなガイドやカートリッジ1の動きを抑制する部位など、必要なものはカートリッジ1側やケース20側に適宜設けてもよい。図ではそれらは省略している。
蓋体22が閉じると、長方形突部30とテーパ部31とが、平面板7上からの厚みと蓋体22内壁からの厚みによって接触するものである。この接触でカートリッジ1が固定される。同時に、カートリッジ1の接続板8とケース20の蓋体22に設けた弾発部40の当接面44とが接してカートリッジ1が固定される。
弾発部40は、嵌入溝41と蓋体22の嵌入爪42の嵌入、および、弾発部40の筐体と蓋体22内部の傾斜によって、蓋体22に固定されている。そこにわずかな隙間ができることがあり、弾発部40が微妙に振れ、微かにがたつくことがある。しかし、カートリッジ1の接続板8と弾発部40の当接面44とが接することで、その微妙な振れが抑制され、微かながたつきがなくなる。
図15は、実施例3の塗膜転写具50を強く押圧した状態を示した説明図である。図14の状態から、ケース20を図面下向きに強く押圧した状態である。強く押圧すると、転写ヘッド5がケース20内方向へ押され、ケース20に対してカートリッジ1が図面上側へ押される。
すると、カートリッジ1と蓋体22との間に設けたテーパ摺動部にて、長方形突部30とテーパ部31とが摺動することになる。長方形突部30が、テーパ部31のテーパ(傾斜)形状のところ(図面上側に向かってケース20の図面左側へ広がっている部分)を摺りながら動くので、蓋体22が閉まる方向に力がかかることになる。つまり、テーパ摺動部のテーパ形状は、転写ヘッドがケース内方向へ押されるときには蓋体が閉まる方向のテーパ形状である。これらの動きにより、強く押圧した圧力を吸収している。
同時に、接続板8に接する当接面44を介して、稼動部43が弾発部40内部に動いて入り込むことになる。図は、後退しきった状態であり、ここまでの稼動距離(入り込む距離)に調整したものである。弾発部40は、ここでは円柱形状であり、その円周全体で蓋体22に接しているので、円周を介して力がバランス良く蓋体22全体に分散されて、蓋体22が開く方向の力が吸収されることになる。つまり、稼動部43が弾発部40内部に入り込む後退によって、力がバランス良く蓋体22全体に分散されるものである。これらの動きによってもまた、強く押圧した圧力を吸収している。
この図15の状態から、強く押圧するのをやめると、後退から元の位置である図14の状態まで復帰するものである。つまり、開口部から突出している転写ヘッドがケース内方向へ後退して埋没してしまわない距離だけ後退して復帰する弾発部40である。
弾発部40は、実施例2と同じである。これにより、転写を終了させるとき、塗膜転写具50を被転写面32に対して垂直に立てて強く押圧して押圧するのをやめると、音を文字で表現すれば「カッチャ」と音が鳴ることになる。ゆえに、明確に切断を了知させることができる。
図16は、実施例3の塗膜転写具50の使用状態を示した説明図である。塗膜51を感圧転写している様子を表したものである。基材テープ2表面に塗膜51が形成されたものが転写テープ3であり、ケース20の開口部位23より突出している転写ヘッド5にて基材テープ2背面より被転写面32に押圧しながら、図面右方向へ塗膜転写具50を動かしており、転写テープ3の塗膜51を被転写面32に転写している様子である。
塗膜転写具50を押圧しながら動かすことにより、転写ヘッド5にて転写テープ3が走行して、転写テープ3が繰出しリール4から繰り出されて、転写ヘッド5にて塗膜51が被転写面32に転写され、塗膜51が転写された後の基材テープ2が巻取りリール6に巻き取られている。なおここで、連動機構と逆転防止機構も動作しており、テープがたるむことはない。
図16のような通常の使用時であっても、筆記具のように使用できる形状であるので、無意識により強く押圧してしまうことがある。より強く押圧しても、図15のようにテーパ摺動部にて長方形突部30とテーパ部31とが摺動して、蓋体22が閉まる方向に力がかかることになり、同時に、固定されている弾発部40が稼動して、蓋体22が開く方向の力が吸収されることになる。
このような構成であるので、カートリッジの交換においてわずらわしさはない。通常の使用時に強く押圧しても、蓋体が開くことなく、その圧力を吸収して転写ヘッドへの問題を極力防止しているものとなった。さらには、切断を了知させるものとなった。
図17は、実施例4のカートリッジ1を示した説明図である。図1のカートリッジ1と同じ構成であり、それにテーパ摺動部のテーパ部31を設けたものである。テーパ部31は、図面手前の平面板7の外側(さらに図面手前)左に、平面板7上から図面垂直方向手前に出るように、厚みのある部位として設けている。鋭角上向きの直角三角形状で、図面上側の三角形鋭角部分に丸みを持たせた形状である。図では、網模様を施して表している。このテーパ部31には、図面下側に向かってカートリッジ1の図面右側へ広がるテーパ(傾斜)形状がある。
図18は、実施例4のケース20を示した説明図である。図2のケース20と同じ構成であり、それにテーパ摺動部の長方形突部30を設けたものである。長方形突部30は、図面手前の蓋体22の内側左に、蓋体22内壁から図面垂直方向奥側へ出るように、厚みのある部位として設けている。細長い長方形状で、図面上側と下側の短い辺に丸みを持たせた形状である。図では、網模様を施して表している。この長方形突部30には、テーパ(傾斜)形状はない。
テーパ摺動部は、長方形突部30とテーパ部31からなる。それぞれは、カートリッジ1または蓋体22のどちらかそれぞれに設けている。つまり、カートリッジ1と蓋体22との間に設けたテーパ摺動部である。
図19は、実施例4の塗膜転写具50を示した説明図である。図17のカートリッジ1を図18のケース20の蓋体22が図3のように左に開いたところに挿入して、蓋体22を閉じたものである。転写ヘッド5がケース20の開口部位23より突出する。また、カートリッジ1が挿入しやすいようなガイドやカートリッジ1の動きを抑制する部位など、必要なものはカートリッジ1側やケース20側に適宜設けてもよい。図ではそれらは省略している。
蓋体22が閉じると、長方形突部30とテーパ部31とが、平面板7上からの厚みと蓋体22内壁からの厚みによって接触するものである。この接触でカートリッジ1が固定される。
図20は、実施例4の塗膜転写具50を強く押圧した状態を示した説明図である。図19の状態から、ケース20を図面下向きに強く押圧した状態である。強く押圧すると、転写ヘッド5がケース20内方向へ押され、ケース20に対してカートリッジ1が図面上側へ押される。
すると、カートリッジ1と蓋体22との間に設けたテーパ摺動部にて、長方形突部30とテーパ部31とが摺動することになる。テーパ部31のテーパ(傾斜)形状のところ(図面下側に向かってカートリッジ1の図面右側へ広がっている部分)が、長方形突部30を摺りながら動くので、蓋体22が閉まる方向に力がかかることになる。つまり、テーパ摺動部のテーパ形状は、転写ヘッドがケース内方向へ押されるときには蓋体が閉まる方向のテーパ形状である。これらの動きにより、強く押圧した圧力を吸収している。
この図20の状態から、強く押圧するのをやめると、テーパ(傾斜)形状によって元の位置である図19の状態まで戻るものである。
図21は、実施例4の塗膜転写具50の使用状態を示した説明図である。塗膜51を感圧転写している様子を表したものである。基材テープ2表面に塗膜51が形成されたものが転写テープ3であり、ケース20の開口部位23より突出している転写ヘッド5にて基材テープ2背面より被転写面32に押圧しながら、図面右方向へ塗膜転写具50を動かしており、転写テープ3の塗膜51を被転写面32に転写している様子である。
塗膜転写具50を押圧しながら動かすことにより、転写ヘッド5にて転写テープ3が走行して、転写テープ3が繰出しリール4から繰り出されて、転写ヘッド5にて塗膜51が被転写面32に転写され、塗膜51が転写された後の基材テープ2が巻取りリール6に巻き取られている。なおここで、連動機構と逆転防止機構も動作しており、テープがたるむことはない。
図21のような通常の使用時であっても、筆記具のように使用できる形状であるので、無意識により強く押圧してしまうことがある。より強く押圧しても、図20のようにテーパ摺動部にて長方形突部30とテーパ部31とが摺動して、蓋体22が閉まる方向に力がかかることになる。
このような構成であるので、カートリッジの交換においてわずらわしさはない。通常の使用時に強く押圧しても、蓋体が開くことなく、その圧力を吸収して転写ヘッドへの問題を極力防止しているものとなった。
実施例5のカートリッジ1は、図17の実施例4のカートリッジ1と同じである。図17が実施例5のカートリッジ1を示した説明図である。
図22は、実施例5のケース20を示した説明図である。図18の実施例4と同じテーパ摺動部の長方形突部30を設けたものであり、それに図9の実施例2のケース20と同じ構成で弾発部40を設けたものである。
テーパ摺動部は、実施例4と同じである。弾発部40は、実施例2と同様に固定しており、同じものである。このように実施例5は、実施例4と実施例2を合わせたものである。
図23は、実施例5の塗膜転写具50を示した説明図である。図17のカートリッジ1を図22のケース20の蓋体22が図3のように左に開いたところに挿入して、蓋体22を閉じたものである。転写ヘッド5がケース20の開口部位23より突出する。また、カートリッジ1が挿入しやすいようなガイドやカートリッジ1の動きを抑制する部位など、必要なものはカートリッジ1側やケース20側に適宜設けてもよい。図ではそれらは省略している。
蓋体22が閉じると、長方形突部30とテーパ部31とが、平面板7上からの厚みと蓋体22内壁からの厚みによって接触するものである。この接触でカートリッジ1が固定される。同時に、カートリッジ1の接続板8とケース20の蓋体22に設けた弾発部40の当接面44とが接してカートリッジ1が固定される。
弾発部40は、嵌入溝41と蓋体22の嵌入爪42の嵌入、および、弾発部40の筐体と蓋体22内部の傾斜によって、蓋体22に固定されている。そこにわずかな隙間ができることがあり、弾発部40が微妙に振れ、微かにがたつくことがある。しかし、カートリッジ1の接続板8と弾発部40の当接面44とが接することで、その微妙な振れが抑制され、微かながたつきがなくなる。
図24は、実施例5の塗膜転写具50を強く押圧した状態を示した説明図である。図23の状態から、ケース20を図面下向きに強く押圧した状態である。強く押圧すると、転写ヘッド5がケース20内方向へ押され、ケース20に対してカートリッジ1が図面上側へ押される。
すると、カートリッジ1と蓋体22との間に設けたテーパ摺動部にて、長方形突部30とテーパ部31とが摺動することになる。テーパ部31のテーパ(傾斜)形状のところ(図面下側に向かってカートリッジ1の図面右側へ広がっている部分)が、長方形突部30を摺りながら動くので、蓋体22が閉まる方向に力がかかることになる。つまり、テーパ摺動部のテーパ形状は、転写ヘッドがケース内方向へ押されるときには蓋体が閉まる方向のテーパ形状である。これらの動きにより、強く押圧した圧力を吸収している。
同時に、接続板8に接する当接面44を介して、稼動部43が弾発部40内部に動いて入り込むことになる。図は、後退しきった状態であり、ここまでの稼動距離(入り込む距離)に調整したものである。弾発部40は、ここでは円柱形状であり、その円周全体で蓋体22に接しているので、円周を介して力がバランス良く蓋体22全体に分散されて、蓋体22が開く方向の力が吸収されることになる。つまり、稼動部43が弾発部40内部に入り込む後退によって、力がバランス良く蓋体22全体に分散されるものである。これらの動きによってもまた、強く押圧した圧力を吸収している。
この図24の状態から、強く押圧するのをやめると、後退から元の位置である図23の状態まで復帰するものである。つまり、開口部から突出している転写ヘッドがケース内方向へ後退して埋没してしまわない距離だけ後退して復帰する弾発部40である。
弾発部40は、実施例2と同じである。これにより、転写を終了させるとき、塗膜転写具50を被転写面32に対して垂直に立てて強く押圧して押圧するのをやめると、音を文字で表現すれば「カッチャ」と音が鳴ることになる。ゆえに、明確に切断を了知させることができる。
図25は、実施例5の塗膜転写具50の使用状態を示した説明図である。塗膜51を感圧転写している様子を表したものである。基材テープ2表面に塗膜51が形成されたものが転写テープ3であり、ケース20の開口部位23より突出している転写ヘッド5にて基材テープ2背面より被転写面32に押圧しながら、図面右方向へ塗膜転写具50を動かしており、転写テープ3の塗膜51を被転写面32に転写している様子である。
塗膜転写具50を押圧しながら動かすことにより、転写ヘッド5にて転写テープ3が走行して、転写テープ3が繰出しリール4から繰り出されて、転写ヘッド5にて塗膜51が被転写面32に転写され、塗膜51が転写された後の基材テープ2が巻取りリール6に巻き取られている。なおここで、連動機構と逆転防止機構も動作しており、テープがたるむことはない。
図25のような通常の使用時であっても、筆記具のように使用できる形状であるので、無意識により強く押圧してしまうことがある。より強く押圧しても、図24のようにテーパ摺動部にて長方形突部30とテーパ部31とが摺動して、蓋体22が閉まる方向に力がかかることになり、同時に、固定されている弾発部40が稼動して、蓋体22が開く方向の力が吸収されることになる。
このような構成であるので、カートリッジの交換においてわずらわしさはない。通常の使用時に強く押圧しても、蓋体が開くことなく、その圧力を吸収して転写ヘッドへの問題を極力防止しているものとなった。さらには、切断を了知させるものとなった。
実施例6から実施例10までにおいて共通するケース20の構成について、図26と図27にて説明する。
図26は、右開きのケース20を示した説明図である。カートリッジ1を交換可能に装填できるものであるが、カートリッジ1は装填しておらず、ケース20だけである。このケース20は使用者に使用しやすい立体的な形状を有するものであるが、図面上、平面的にしか表していない。
図では、ケース20は透明である。ケース20における図面垂直方向中央付近での断面に相当する部分には、図面の右上から左下への斜線を施して表している。斜線を施した部分はケース20の外枠であり、本体21と図面上側の蓋体22からなる。本体21の図面下側に開口部位23を有している。
蓋体22は本体21の開口部位23に対して反対側に位置して回転開閉する。ここでの回転開閉の機構はヒンジである。図面右側のヒンジ軸24は、断面に相当する部分もあるが、図では斜線を施さず、透明で表している。
ヒンジと反対の図面左側に、本体と蓋体の係止部がある。係止部は、本体21の係止溝25とそれに係る蓋体22の係止爪26とからなる。係止を解除するために、係止解除突起27を設けている。
図では、係止溝25に係止爪26が係っており、蓋体22が閉じた状態である。ここで係止解除突起27は、蓋体22から伸びた係止爪26のたわむ部分に設けている。係止解除突起27を蓋体22の内側へ押すことで、係止を解除することができる。これらにより、蓋体22を開閉することができる。
なお、右開きとは、あくまで説明のための左右を意味するものであり、図面に表したケース20において、図面に対して蓋体22が右に開くことを意味するものである。
図27は、蓋体22が右に開いたケース20を示した説明図である。係止解除突起27にて係止を解除して、蓋体22をヒンジ軸24を中心に回転させて、蓋体22を右に開いた状態であり、図26のケース20が開いた状態である。この図27の状態で、カートリッジ1が交換可能となる。
図28は、実施例6のカートリッジ1を示した説明図である。図1のカートリッジ1と同じ構成であり、それにテーパ摺動部の長方形突部30を設けたものである。長方形突部30は、図面手前の平面板7の外側(さらに図面手前)右に、平面板7上から図面垂直方向手前に出るように、厚みのある部位として設けている。細長い長方形状で、図面上側と下側の短い辺に丸みを持たせた形状である。図では、網模様を施して表している。この長方形突部30には、テーパ(傾斜)形状はない。
図29は、実施例6のケース20を示した説明図である。図26のケース20と同じ構成であり、それにテーパ摺動部のテーパ部31を設けたものである。テーパ部31は、図面手前の蓋体22の内側右に、蓋体22内壁から図面垂直方向奥側へ出るように、厚みのある部位として設けている。鋭角下向きの直角三角形状で、図面下側の三角形鋭角部分に丸みを持たせた形状である。図では、網模様を施して表している。このテーパ部31には、図面上側に向かってケース20の図面右側へ広がるテーパ(傾斜)形状がある。
テーパ摺動部は、長方形突部30とテーパ部31からなる。それぞれは、カートリッジ1または蓋体22のどちらかそれぞれに設けている。つまり、カートリッジ1と蓋体22との間に設けたテーパ摺動部である。
図30は、実施例6の塗膜転写具50を示した説明図である。図28のカートリッジ1を図29のケース20の蓋体22が図27のように右に開いたところに挿入して、蓋体22を閉じたものである。転写ヘッド5がケース20の開口部位23より突出する。また、カートリッジ1が挿入しやすいようなガイドやカートリッジ1の動きを抑制する部位など、必要なものはカートリッジ1側やケース20側に適宜設けてもよい。図ではそれらは省略している。
蓋体22が閉じると、長方形突部30とテーパ部31とが、平面板7上からの厚みと蓋体22内壁からの厚みによって接触するものである。この接触でカートリッジ1が固定される。
図31は、実施例1の塗膜転写具50を強く押圧した状態を示した説明図である。図30の状態から、ケース20を図面下向きに強く押圧した状態である。強く押圧すると、転写ヘッド5がケース20内方向へ押され、ケース20に対してカートリッジ1が図面上側へ押される。
すると、カートリッジ1と蓋体22との間に設けたテーパ摺動部にて、長方形突部30とテーパ部31とが摺動することになる。長方形突部30が、テーパ部31のテーパ(傾斜)形状のところ(図面上側に向かってケース20の図面右側へ広がっている部分)を摺りながら動くので、蓋体22が閉まる方向に力がかかることになる。つまり、テーパ摺動部のテーパ形状は、転写ヘッドがケース内方向へ押されるときには蓋体が閉まる方向のテーパ形状である。これらの動きにより、強く押圧した圧力を吸収している。
この図31の状態から、強く押圧するのをやめると、テーパ(傾斜)形状によって元の位置である図30の状態まで戻るものである。
図32は、実施例6の塗膜転写具50の使用状態を示した説明図である。塗膜51を感圧転写している様子を表したものである。基材テープ2表面に塗膜51が形成されたものが転写テープ3であり、ケース20の開口部位23より突出している転写ヘッド5にて基材テープ2背面より被転写面32に押圧しながら、図面右方向へ塗膜転写具50を動かしており、転写テープ3の塗膜51を被転写面32に転写している様子である。
塗膜転写具50を押圧しながら動かすことにより、転写ヘッド5にて転写テープ3が走行して、転写テープ3が繰出しリール4から繰り出されて、転写ヘッド5にて塗膜51が被転写面32に転写され、塗膜51が転写された後の基材テープ2が巻取りリール6に巻き取られている。なおここで、連動機構と逆転防止機構も動作しており、テープがたるむことはない。
図32のような通常の使用時であっても、筆記具のように使用できる形状であるので、無意識により強く押圧してしまうことがある。より強く押圧しても、図31のようにテーパ摺動部にて長方形突部30とテーパ部31とが摺動して、蓋体22が閉まる方向に力がかかることになる。
このような構成であるので、カートリッジの交換においてわずらわしさはない。通常の使用時に強く押圧しても、蓋体が開くことなく、その圧力を吸収して転写ヘッドへの問題を極力防止しているものとなった。
実施例7のカートリッジ1は、図1のカートリッジ1と同じである。図1が実施例7のカートリッジ1を示した説明図である。
図33は、実施例7のケース20を示した説明図である。図26のケース20と同じ構成であり、それに図9の実施例2と同じ弾発部40を設けたものである。
弾発部40は、実施例2と同様に固定しており、同じものである。このように実施例7は、実施例6と実施例2を合わせたものである。
図34は、実施例7の塗膜転写具50を示した説明図である。図1のカートリッジ1を図33のケース20の蓋体22が図27のように右に開いたところに挿入して、蓋体22を閉じたものである。転写ヘッド5がケース20の開口部位23より突出する。また、カートリッジ1が挿入しやすいようなガイドやカートリッジ1の動きを抑制する部位など、必要なものはカートリッジ1側やケース20側に適宜設けてもよい。図ではそれらは省略している。
蓋体22が閉じると、カートリッジ1の接続板8とケース20の蓋体22に設けた弾発部40の当接面44とが接してカートリッジ1が固定される。
弾発部40は、嵌入溝41と蓋体22の嵌入爪42の嵌入、および、弾発部40の筐体と蓋体22内部の傾斜によって、蓋体22に固定されている。そこにわずかな隙間ができることがあり、弾発部40が微妙に振れ、微かにがたつくことがある。しかし、カートリッジ1の接続板8と弾発部40の当接面44とが接することで、その微妙な振れが抑制され、微かながたつきがなくなる。
図35は、実施例7の塗膜転写具50を強く押圧した状態を示した説明図である。図34の状態から、ケース20を図面下向きに強く押圧した状態である。強く押圧すると、転写ヘッド5がケース20内方向へ押され、ケース20に対してカートリッジ1が図面上側へ押される。
すると、接続板8に接する当接面44を介して、稼動部43が弾発部40内部に動いて入り込むことになる。図は、後退しきった状態であり、ここまでの稼動距離(入り込む距離)に調整したものである。弾発部40は、ここでは円柱形状であり、その円周全体で蓋体22に接しているので、円周を介して力がバランス良く蓋体22全体に分散されて、蓋体22が開く方向の力が吸収されることになる。つまり、稼動部43が弾発部40内部に入り込む後退によって、力がバランス良く蓋体22全体に分散されるものである。これらの動きにより、強く押圧した圧力を吸収している。
この図35の状態から、強く押圧するのをやめると、後退から元の位置である図34の状態まで復帰するものである。つまり、開口部から突出している転写ヘッドがケース内方向へ後退して埋没してしまわない距離だけ後退して復帰する弾発部40である。
弾発部40は、実施例2と同じである。これにより、転写を終了させるとき、塗膜転写具50を被転写面32に対して垂直に立てて強く押圧して押圧するのをやめると、音を文字で表現すれば「カッチャ」と音が鳴ることになる。ゆえに、明確に切断を了知させることができる。
図36は、実施例7の塗膜転写具50の使用状態を示した説明図である。塗膜51を感圧転写している様子を表したものである。基材テープ2表面に塗膜51が形成されたものが転写テープ3であり、ケース20の開口部位23より突出している転写ヘッド5にて基材テープ2背面より被転写面32に押圧しながら、図面右方向へ塗膜転写具50を動かしており、転写テープ3の塗膜51を被転写面32に転写している様子である。
塗膜転写具50を押圧しながら動かすことにより、転写ヘッド5にて転写テープ3が走行して、転写テープ3が繰出しリール4から繰り出されて、転写ヘッド5にて塗膜51が被転写面32に転写され、塗膜51が転写された後の基材テープ2が巻取りリール6に巻き取られている。なおここで、連動機構と逆転防止機構も動作しており、テープがたるむことはない。
図36のような通常の使用時であっても、筆記具のように使用できる形状であるので、無意識により強く押圧してしまうことがある。より強く押圧しても、図35のように固定されている弾発部40が稼動して、蓋体22が開く方向の力が吸収されることになる。
このような構成であるので、カートリッジの交換においてわずらわしさはない。通常の使用時に強く押圧しても、蓋体が開くことなく、その圧力を吸収して転写ヘッドへの問題を極力防止しているものとなった。さらには、切断を了知させるものとなった。
実施例8のカートリッジ1は、図28の実施例6のカートリッジ1と同じである。図28が実施例8のカートリッジ1を示した説明図である。
図37は、実施例8のケース20を示した説明図である。図29の実施例6と同じテーパ摺動部のテーパ部31を設けたものであり、それに図33の実施例7のケース20と同じ構成で弾発部40を設けたものである。
テーパ摺動部は、実施例6と同じである。弾発部40は、実施例7と同様に固定しており、同じものである。このように実施例8は、実施例6と実施例7を合わせたものである。
図38は、実施例8の塗膜転写具50を示した説明図である。図28のカートリッジ1を図37のケース20の蓋体22が図27のように右に開いたところに挿入して、蓋体22を閉じたものである。転写ヘッド5がケース20の開口部位23より突出する。また、カートリッジ1が挿入しやすいようなガイドやカートリッジ1の動きを抑制する部位など、必要なものはカートリッジ1側やケース20側に適宜設けてもよい。図ではそれらは省略している。
蓋体22が閉じると、長方形突部30とテーパ部31とが、平面板7上からの厚みと蓋体22内壁からの厚みによって接触するものである。この接触でカートリッジ1が固定される。同時に、カートリッジ1の接続板8とケース20の蓋体22に設けた弾発部40の当接面44とが接してカートリッジ1が固定される。
弾発部40は、嵌入溝41と蓋体22の嵌入爪42の嵌入、および、弾発部40の筐体と蓋体22内部の傾斜によって、蓋体22に固定されている。そこにわずかな隙間ができることがあり、弾発部40が微妙に振れ、微かにがたつくことがある。しかし、カートリッジ1の接続板8と弾発部40の当接面44とが接することで、その微妙な振れが抑制され、微かながたつきがなくなる。
図39は、実施例8の塗膜転写具50を強く押圧した状態を示した説明図である。図38の状態から、ケース20を図面下向きに強く押圧した状態である。強く押圧すると、転写ヘッド5がケース20内方向へ押され、ケース20に対してカートリッジ1が図面上側へ押される。
すると、カートリッジ1と蓋体22との間に設けたテーパ摺動部にて、長方形突部30とテーパ部31とが摺動することになる。長方形突部30が、テーパ部31のテーパ(傾斜)形状のところ(図面上側に向かってケース20の図面右側へ広がっている部分)を摺りながら動くので、蓋体22が閉まる方向に力がかかることになる。つまり、テーパ摺動部のテーパ形状は、転写ヘッドがケース内方向へ押されるときには蓋体が閉まる方向のテーパ形状である。これらの動きにより、強く押圧した圧力を吸収している。
同時に、接続板8に接する当接面44を介して、稼動部43が弾発部40内部に動いて入り込むことになる。図は、後退しきった状態であり、ここまでの稼動距離(入り込む距離)に調整したものである。弾発部40は、ここでは円柱形状であり、その円周全体で蓋体22に接しているので、円周を介して力がバランス良く蓋体22全体に分散されて、蓋体22が開く方向の力が吸収されることになる。つまり、稼動部43が弾発部40内部に入り込む後退によって、力がバランス良く蓋体22全体に分散されるものである。これらの動きによってもまた、強く押圧した圧力を吸収している。
この図39の状態から、強く押圧するのをやめると、後退から元の位置である図38の状態まで復帰するものである。つまり、開口部から突出している転写ヘッドがケース内方向へ後退して埋没してしまわない距離だけ後退して復帰する弾発部40である。
弾発部40は、実施例2と同じである。これにより、転写を終了させるとき、塗膜転写具50を被転写面32に対して垂直に立てて強く押圧して押圧するのをやめると、音を文字で表現すれば「カッチャ」と音が鳴ることになる。ゆえに、明確に切断を了知させることができる。
図40は、実施例8の塗膜転写具50の使用状態を示した説明図である。塗膜51を感圧転写している様子を表したものである。基材テープ2表面に塗膜51が形成されたものが転写テープ3であり、ケース20の開口部位23より突出している転写ヘッド5にて基材テープ2背面より被転写面32に押圧しながら、図面右方向へ塗膜転写具50を動かしており、転写テープ3の塗膜51を被転写面32に転写している様子である。
塗膜転写具50を押圧しながら動かすことにより、転写ヘッド5にて転写テープ3が走行して、転写テープ3が繰出しリール4から繰り出されて、転写ヘッド5にて塗膜51が被転写面32に転写され、塗膜51が転写された後の基材テープ2が巻取りリール6に巻き取られている。なおここで、連動機構と逆転防止機構も動作しており、テープがたるむことはない。
図40のような通常の使用時であっても、筆記具のように使用できる形状であるので、無意識により強く押圧してしまうことがある。より強く押圧しても、図39のようにテーパ摺動部にて長方形突部30とテーパ部31とが摺動して、蓋体22が閉まる方向に力がかかることになり、同時に、固定されている弾発部40が稼動して、蓋体22が開く方向の力が吸収されることになる。
このような構成であるので、カートリッジの交換においてわずらわしさはない。通常の使用時に強く押圧しても、蓋体が開くことなく、その圧力を吸収して転写ヘッドへの問題を極力防止しているものとなった。さらには、切断を了知させるものとなった。
図41は、実施例9のカートリッジ1を示した説明図である。図1のカートリッジ1と同じ構成であり、それにテーパ摺動部のテーパ部31を設けたものである。テーパ部31は、図面手前の平面板7の外側(さらに図面手前)右に、平面板7上から図面垂直方向手前に出るように、厚みのある部位として設けている。鋭角上向きの直角三角形状で、図面上側の三角形鋭角部分に丸みを持たせた形状である。図では、網模様を施して表している。このテーパ部31には、図面下側に向かってカートリッジ1の図面左側へ広がるテーパ(傾斜)形状がある。
図42は、実施例9のケース20を示した説明図である。図26のケース20と同じ構成であり、それにテーパ摺動部の長方形突部30を設けたものである。長方形突部30は、蓋体22の図面手前の内側右に、蓋体22内壁から図面垂直方向奥側へ出るように、厚みのある部位として設けている。細長い長方形状で、図面上側と下側の短い辺に丸みを持たせた形状である。図では、網模様を施して表している。この長方形突部30には、テーパ(傾斜)形状はない。
テーパ摺動部は、長方形突部30とテーパ部31からなる。それぞれは、カートリッジ1または蓋体22のどちらかそれぞれに設けている。つまり、カートリッジ1と蓋体22との間に設けたテーパ摺動部である。
図43は、実施例9の塗膜転写具50を示した説明図である。図41のカートリッジ1を図42のケース20の蓋体22が図27のように右に開いたところに挿入して、蓋体22を閉じたものである。転写ヘッド5がケース20の開口部位23より突出する。また、カートリッジ1が挿入しやすいようなガイドやカートリッジ1の動きを抑制する部位など、必要なものはカートリッジ1側やケース20側に適宜設けてもよい。図ではそれらは省略している。
蓋体22が閉じると、長方形突部30とテーパ部31とが、平面板7上からの厚みと蓋体22内壁からの厚みによって接触するものである。この接触でカートリッジ1が固定される。
図44は、実施例9の塗膜転写具50を強く押圧した状態を示した説明図である。図43の状態から、ケース20を図面下向きに強く押圧した状態である。強く押圧すると、転写ヘッド5がケース20内方向へ押され、ケース20に対してカートリッジ1が図面上側へ押される。
すると、カートリッジ1と蓋体22との間に設けたテーパ摺動部にて、長方形突部30とテーパ部31とが摺動することになる。テーパ部31のテーパ(傾斜)形状のところ(図面下側に向かってカートリッジ1の図面左側へ広がっている部分)が、長方形突部30を摺りながら動くので、蓋体22が閉まる方向に力がかかることになる。つまり、テーパ摺動部のテーパ形状は、転写ヘッドがケース内方向へ押されるときには蓋体が閉まる方向のテーパ形状である。これらの動きにより、強く押圧した圧力を吸収している。
この図44の状態から、強く押圧するのをやめると、テーパ(傾斜)形状によって元の位置である図43の状態まで戻るものである。
図45は、実施例9の塗膜転写具50の使用状態を示した説明図である。塗膜51を感圧転写している様子を表したものである。基材テープ2表面に塗膜51が形成されたものが転写テープ3であり、ケース20の開口部位23より突出している転写ヘッド5にて基材テープ2背面より被転写面32に押圧しながら、図面右方向へ塗膜転写具50を動かしており、転写テープ3の塗膜51を被転写面32に転写している様子である。
塗膜転写具50を押圧しながら動かすことにより、転写ヘッド5にて転写テープ3が走行して、転写テープ3が繰出しリール4から繰り出されて、転写ヘッド5にて塗膜51が被転写面32に転写され、塗膜51が転写された後の基材テープ2が巻取りリール6に巻き取られている。なおここで、連動機構と逆転防止機構も動作しており、テープがたるむことはない。
図45のような通常の使用時であっても、筆記具のように使用できる形状であるので、無意識により強く押圧してしまうことがある。より強く押圧しても、図44のようにテーパ摺動部にて長方形突部30とテーパ部31とが摺動して、蓋体22が閉まる方向に力がかかることになる。
このような構成であるので、カートリッジの交換においてわずらわしさはない。通常の使用時に強く押圧しても、蓋体が開くことなく、その圧力を吸収して転写ヘッドへの問題を極力防止しているものとなった。
実施例10のカートリッジ1は、図41の実施例9のカートリッジ1と同じである。図41が実施例10のカートリッジ1を示した説明図である。
図46は、実施例10のケース20を示した説明図である。図42の実施例9と同じテーパ摺動部の長方形突部30を設けたものであり、それに図33の実施例7のケース20と同じ構成で弾発部40を設けたものである。
テーパ摺動部は、実施例9と同じである。弾発部40は、実施例7と同様に固定しており、同じものである。このように実施例10は、実施例9と実施例7を合わせたものである。
図47は、実施例10の塗膜転写具50を示した説明図である。図41のカートリッジ1を図46のケース20の蓋体22が図27のように右に開いたところに挿入して、蓋体22を閉じたものである。転写ヘッド5がケース20の開口部位23より突出する。また、カートリッジ1が挿入しやすいようなガイドやカートリッジ1の動きを抑制する部位など、必要なものはカートリッジ1側やケース20側に適宜設けてもよい。図ではそれらは省略している。
蓋体22が閉じると、長方形突部30とテーパ部31とが、平面板7上からの厚みと蓋体22内壁からの厚みによって接触するものである。この接触でカートリッジ1が固定される。同時に、カートリッジ1の接続板8とケース20の蓋体22に設けた弾発部40の当接面44とが接してカートリッジ1が固定される。
弾発部40は、嵌入溝41と蓋体22の嵌入爪42の嵌入、および、弾発部40の筐体と蓋体22内部の傾斜によって、蓋体22に固定されている。そこにわずかな隙間ができることがあり、弾発部40が微妙に振れ、微かにがたつくことがある。しかし、カートリッジ1の接続板8と弾発部40の当接面44とが接することで、その微妙な振れが抑制され、微かながたつきがなくなる。
図48は、実施例10の塗膜転写具50を強く押圧した状態を示した説明図である。図47の状態から、ケース20を図面下向きに強く押圧した状態である。強く押圧すると、転写ヘッド5がケース20内方向へ押され、ケース20に対してカートリッジ1が図面上側へ押される。
すると、カートリッジ1と蓋体22との間に設けたテーパ摺動部にて、長方形突部30とテーパ部31とが摺動することになる。テーパ部31のテーパ(傾斜)形状のところ(図面下側に向かってカートリッジ1の図面左側へ広がっている部分)が、長方形突部30を摺りながら動くので、蓋体22が閉まる方向に力がかかることになる。つまり、テーパ摺動部のテーパ形状は、転写ヘッドがケース内方向へ押されるときには蓋体が閉まる方向のテーパ形状である。これらの動きにより、強く押圧した圧力を吸収している。
同時に、接続板8に接する当接面44を介して、稼動部43が弾発部40内部に動いて入り込むことになる。図は、後退しきった状態であり、ここまでの稼動距離(入り込む距離)に調整したものである。弾発部40は、ここでは円柱形状であり、その円周全体で蓋体22に接しているので、円周を介して力がバランス良く蓋体22全体に分散されて、蓋体22が開く方向の力が吸収されることになる。つまり、稼動部43が弾発部40内部に入り込む後退によって、力がバランス良く蓋体22全体に分散されるものである。これらの動きによってもまた、強く押圧した圧力を吸収している。
この図48の状態から、強く押圧するのをやめると、後退から元の位置である図47の状態まで復帰するものである。つまり、開口部から突出している転写ヘッドがケース内方向へ後退して埋没してしまわない距離だけ後退して復帰する弾発部40である。
弾発部40は、実施例2と同じである。これにより、転写を終了させるとき、塗膜転写具50を被転写面32に対して垂直に立てて強く押圧して押圧するのをやめると、音を文字で表現すれば「カッチャ」と音が鳴ることになる。ゆえに、明確に切断を了知させることができる。
図49は、実施例10の塗膜転写具50の使用状態を示した説明図である。塗膜51を感圧転写している様子を表したものである。基材テープ2表面に塗膜51が形成されたものが転写テープ3であり、ケース20の開口部位23より突出している転写ヘッド5にて基材テープ2背面より被転写面32に押圧しながら、図面右方向へ塗膜転写具50を動かしており、転写テープ3の塗膜51を被転写面32に転写している様子である。
塗膜転写具50を押圧しながら動かすことにより、転写ヘッド5にて転写テープ3が走行して、転写テープ3が繰出しリール4から繰り出されて、転写ヘッド5にて塗膜51が被転写面32に転写され、塗膜51が転写された後の基材テープ2が巻取りリール6に巻き取られている。なおここで、連動機構と逆転防止機構も動作しており、テープがたるむことはない。
図49のような通常の使用時であっても、筆記具のように使用できる形状であるので、無意識により強く押圧してしまうことがある。より強く押圧しても、図48のようにテーパ摺動部にて長方形突部30とテーパ部31とが摺動して、蓋体22が閉まる方向に力がかかることになり、同時に、固定されている弾発部40が稼動して、蓋体22が開く方向の力が吸収されることになる。
このような構成であるので、カートリッジの交換においてわずらわしさはない。通常の使用時に強く押圧しても、蓋体が開くことなく、その圧力を吸収して転写ヘッドへの問題を極力防止しているものとなった。さらには、切断を了知させるものとなった。
実施例11から実施例16までにおいて共通する弾発部40の内部機構について、図50にて説明する。
図50は、実施例11から実施例16の弾発部の内部機構を示した説明図である。この弾発部40は、音発生機構である切断了知機構であるが、その内部機構が実施例1から実施例10までの弾発部40とは異なるものである。外部形状は同じである。
図50は、図9や図33などと同じ配置で表しており、その平面と同じ、図面垂直方向中央付近での断面で、内部機構を表している。
当接面44のつながっている稼動部43が、図面下側から筐体に入り込んでいる。弾発部40の筐体は円筒形状で、円筒内面や円筒外面に構造を有するものである。弾発部40の稼動部43は円柱形状であり、当接面44の方が稼動部43より径が大きいものである。
稼動部43に、円筒形状や円柱形状ではない図のようなU字形状の構造物を設けている。そのU字の図面上側の先端に稼動玉45を有している。稼動玉45につながっているU字形状の縦棒部分である玉軸46は弾性があって、図面左右方向で筐体の外側へそれぞれが開くような弾性がある。これによりたわむことができ、稼動玉45が図面左右方向にわずかに動くことができるものである。
一方、図のように筐体と稼動部43との間にはコイルばね47を設置している。筐体に対して稼動部43が図面下方向へ押し出されるように力がかかっている。断面で表しているので、コイルばね47は、ばね素材の円断面とコイル部分の図面奥側半分を表している。
図50(a)は、図10や図34などに相当する場合であり、塗膜転写具を強く押圧していない状態である。コイルばね47によって、稼動部43が図面下方向へ押し出されるように力がかかっているが、筐体に設けた稼動係止爪48によって稼動玉45が係止している。これにより、稼動玉45が玉軸46を通じてつながっている稼動部43が、筐体から抜けて落ちることはない。
図50(b)は、図11や図35などに相当する場合であり、塗膜転写具を強く押圧した状態である。稼動部43が弾発部40内部に動いて入り込み、後退しきった状態である。
図50(a)の状態から、塗膜転写具を強く押圧すると、コイルばね47が縮んで稼動玉45が図面上側にある抵抗凸部49に当たる。抵抗凸部49は図のような傾斜を有しているので、そのまま押圧すると、弾性のある玉軸46がたわんで、稼動玉45が抵抗凸部49を乗り越えて、図面上側へ移動する。
稼動玉45が抵抗凸部49を乗り越えるときに、玉軸46が稼動係止爪48から離れて再び当たる。もしくは、稼動玉45が筐体内部の天井に当たる。この時に、音や振動が発生する。これにより、使用者に了知することになる。また、強く押圧しているので、確実に塗膜を切断している状態でもある。ゆえに、明確に切断を了知させることができる。
押圧するのを止めると、コイルばね47の力によって、図面下側へ押し出されることになる。抵抗凸部49は図のような傾斜を有しているので、弾性のある玉軸46がたわんで、稼動玉45が抵抗凸部49を乗り越えて、図面下側へ移動する。そして、稼動係止爪48によって稼動玉45が係止されることになる。これにより、図50(b)の状態から図50(a)の状態へ戻るものである。
なお、筐体、稼動部43、U字形状物などはそれぞれ、一体成型されたものであるとは限らず、複数の物を組み合わせてそれぞれの一体物となっていてもよい。図では、組み合わせたものであっても、一体物のように斜線を施した断面で表している。
実施例11は、実施例2の弾発部40が異なるものである。その他は、実施例2と同じである。
実施例12は、実施例3の弾発部40が異なるものである。その他は、実施例3と同じである。
実施例13は、実施例5の弾発部40が異なるものである。その他は、実施例5と同じである。
実施例13は、実施例7の弾発部40が異なるものである。その他は、実施例7と同じである。
実施例15は、実施例8の弾発部40が異なるものである。その他は、実施例8と同じである。
実施例16は、実施例10の弾発部40が異なるものである。その他は、実施例10と同じである。