JP2012223958A - インクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属顔料を有するUV硬化性光沢インクとUV硬化性カラーインクを用いて多様な色彩の光沢画像を作成可能であり、更に、画像の強度の高いインクジェット記録方法を提供すること。
【解決手段】UV硬化性光沢インクを吐出する記録ヘッド、UV硬化性カラーインクを吐出する記録ヘッドおよびUV照射装置を同時に記録媒体に対し走査し、該記録媒体に前記UV硬化性光沢インクおよびUV硬化性カラーインクを印字するインクジェット記録方法において、1回の走査で、UV硬化性光沢インクの印字、UV照射およびUV硬化性カラーインクの印字を順に行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
【選択図】なし

Description

本発明はインクジェット記録方法に関し、特に光沢画像を形成するインクジェット記録方法に関する。
近年、デザイン性の点から金属光沢を有する印刷物の要望が高まっている。また、金属光沢を有する画像は、複写が難しいので、印刷物の偽造防止の点からも要望が高い。従来、金属光沢を有する印刷物を作成する方法としては、金属箔を用いたホットスタンプ、やコールドスタンプが用いられている。
しかし、金属光沢を有する画像の光沢や形状を変えるためには、金属箔を替えたり、押し型の形状を替えたりしなければならず、多くの作業を必要とする。
特許文献1に開示されているインクジェットによる金属光沢を形成する方法は、上記のように多くの作業を行わなくても、画像を変えることが出来る方法である。特許文献1では、記録媒体に凹凸パターンを付与する第1ドット郡を印字し硬化した後で、金属顔料を有するインク組成物を記録ヘッドにより記録媒体に印字し、金属光沢画像を形成することが記載されている。また、第1ドット郡により凹凸パターンを付与するときに同時に画像も形成されるように、第1ドットを印字するインクが色材を含有していても良いことが記載されている。しかし、この方法では金属顔料を有するインクが印字された部分では金属顔料の色彩しか表現されない。また、金属顔料を有するインクが色材を含有していてもよいことが記載されているが、1つの色しか表現されず、多様な色彩の光沢画像が得られない。
特開2010−30139号公報
本発明者は、インクジェット記録装置に、金属顔料を有するUV硬化性光沢インクとUV硬化性カラーインク(イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインクなど)を充填した記録ヘッド一緒に搭載して、其々のインクを画像様に重ねて印字し、多様な色彩のメタリックな光沢画像を作成することを検討した。
また、本発明者らは上記の検討の中で、前記UV硬化性光沢インクとUV硬化性カラーインクを重ねて印字した光沢画像の画像強度が低いことを発見した。
従って、本発明の目的は、金属顔料を有するUV硬化性光沢インクとUV硬化性カラーインクを用いて多様な色彩の光沢画像を作成するインクジェット記録方法を提供することであり、更に、画像の強度の高いインクジェット記録方法を提供することである。
本発明の上記目的は以下の手段により達成することが出来る。
1.UV硬化性光沢インクを吐出する記録ヘッドおよびUV硬化性カラーインクを吐出する記録ヘッドを同時に記録媒体に対し走査し、該記録媒体に前記UV硬化性光沢インクおよびUV硬化性カラーインクを印字するインクジェット記録方法において、1回の走査で、UV硬化性光沢インクの印字、UV照射およびUV硬化性カラーインクの印字を順に行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
2.前記UV硬化性光沢インクを吐出する記録ヘッド、前記UV硬化性カラーインクを吐出する記録ヘッド、第1のUV照射装置および第2のUV照射装置をキャリッジに搭載し、該キャリッジを1回走査する過程で、UV硬化性光沢インクの印字、UV照射、UV硬化性カラーインクの印字およびUV照射を順に行うことを特徴とする前記1に記載のインクジェット記録方法。
3.前記UV硬化性カラーインクを吐出する記録ヘッドが、異なる色のUV硬化性カラーインクを吐出する複数の記録ヘッドからなることを特徴とする前記1または2に記載のインクジェット記録方法。
4.前記UV硬化性光沢インクおよび前記UV硬化性カラーインクがラジカル重合性化合物を含有することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
5.前記UV硬化性光沢インクおよび前記UV硬化性カラーインクがカチオン重合性化合物を含有することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
6.前記1回の走査で、前記UV硬化性光沢インクの印字の前に、更にUV硬化性カラーインクの印字および照射量50mJ/cm以上のUV照射を順に行うことを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
本発明によれば、UV硬化性インクを用いたインクジェット記録方法により、様々な色彩の金属光沢画像を形成することが出来、その金属光沢画像の強度を向上することが出来る。
本発明に係るインクジェットプリンタ1の概略を示す斜視図である。 キャリッジに設置された、UV硬化性光沢インク用記録ヘッド、UV硬化性カラーインク用記録ヘッドおよびUV照射装置を示す斜視図である。 (a)本発明の記録方法に用いられる、記録ヘッドとUV照射装置の配置例1を示した図である。(b)比較例の記録方法に用いられる、記録ヘッドとUV照射装置の配置例2を示した図である。(c)比較例の記録方法に用いられる、記録ヘッドとUV照射装置の配置例3を示した図である。 (a)本発明の記録方法に用いられる、記録ヘッドとUV照射装置の配置例4を示した図である。(b)比較例の記録方法に用いられる、記録ヘッドとUV照射装置の配置例5を示した図である。(c)比較例の記録方法に用いられる、記録ヘッドとUV照射装置の配置例6を示した図である。 (a)本発明の記録方法に用いられる、記録ヘッドとUV照射装置の配置例7を示した図である。(b)本発明の記録方法に用いられる、記録ヘッドとUV照射装置の配置例8を示した図である。 (a)本発明の記録方法に用いられる、記録ヘッドとUV照射装置の配置例9を示した図である。(b)本発明の記録方法に用いられる、記録ヘッドとUV照射装置の配置例10を示した図である。 (a)インクジェットプリンタ2に搭載され、本発明の記録方法に用いられる記録ヘッドとUV照射装置の配置例11を示した図である。(b)比較例の記録方法に用いられる、記録ヘッドとUV照射装置の配置例12を示した図である。 本発明の記録方法に用いられる、配置例11の記録ヘッドとUV照射装置を搭載するインクジェットプリンタ2を示した斜視図である。
(UV硬化性光沢インク)
前記UV硬化性光沢インクは金属顔料と光重合性組成物を含有する。
(金属顔料)
前記金属顔料は、UV硬化性光沢インクが記録媒体等に付着したときに、該付着物に金属光沢を付与する機能を有する。また、本発明においては、前記UV硬化性カラーインクを重ねることにより、光沢画像の色を自由に変化させることを目的とし、前記UV硬化性光沢インクは彩度の低いインクが好ましい。
本実施形態のインクジェット記録用光硬化型インク組成物に含有される金属顔料は、金属層を有する平板状の粒子を含有する。
前記金属顔料の色は無彩色であることが好ましく、従って色材を含有しないことがこのましい。
前記金属層としては、金属光沢を呈する等の機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、アルミニウム、銀、金、ニッケル、クロム、錫、亜鉛、インジウム、チタン等が好適であり、これらの単体金属、金属化合物またはこれらの合金およびそれら混合物の少なくとも一種を好適に用いることができる。顔料層中の金属または合金層の材質としては、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなることがさらに好ましい。アルミニウム合金を選択する場合は、アルミニウムに含有される他の元素としては、アルミニウム合金として金属光沢を発現できるものである限り制限はない。アルミニウムの合金元素としては、たとえば、銀、金、白金、ニッケル、クロム、錫、亜鉛、インジウム、チタン、および銅から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。
金属層は、特に限定されないが、たとえば、真空蒸着、イオンプレーティングまたはスパッタリング法により形成することができる。これらの金属または合金層の厚さは、特に限定されないが、15〜150nmの範囲がより好ましい。15nm未満では金属顔料としての反射性、光輝性等の性能が不足する場合があり、150nmを超えると見かけ比重が増加し、金属顔料の分散安定性が低下する場合がある。金属または合金層の厚みの不必要な増大は、金属顔料粒子の重量の増加を招くだけであり、150nmより厚い膜厚であっても、反射性、光輝性はあまり変化しない。
前記金属顔料は、以下のように調製されることが好ましい。
第1形態の金属顔料は、第1形態の金属顔料の原体から顔料層を剥離して粉砕することにより得られる。第1形態の金属顔料の原体は、シート状基材面の片面または両面に、顔料層が積層された構造からなる。第1形態の金属顔料の原体の顔料層は、酸化ケイ素層/金属層/酸化ケイ素層が順次積層されたものである。そしてこの顔料層を、シート状基材より剥離し粉砕したものが第1形態の金属顔料である。
第2形態の金属顔料は、第2形態の金属顔料の原体から顔料層を剥離して粉砕することにより得られる。第2形態の金属顔料の原体は、上記第1形態と同様にシート状基材面に、顔料層が積層された構造からなる。第2形態の金属顔料の原体の顔料層は、樹脂層/金属層/樹脂層が積層されたものである。そしてこの顔料層を、シート状基材より剥離し粉砕したものが第2形態の金属顔料である。
前記金属顔料は、金属または合金層が、酸化ケイ素層または樹脂層に覆われた構造を有している。そのため、金属または合金層が、酸化ケイ素層または樹脂層により保護される。よって金属層は、変色、消色等を起こしにくく、保存安定性が良好である。また、樹脂層を積層した金属顔料においては、樹脂層は保護コロイドの役割を果たすことが可能である。そのためこのような金属顔料の分散体は、より安定な金属顔料分散体となることができる。
前記金属顔料は、上述のように積層体であって平板状の構造であるため、インクジェット記録用光硬化型インク組成物中において、優れた保存安定性および分散安定性を有し、インクジェット記録時にも良好な吐出性を付与することができる。また、積層構造とすることで機械的強度が向上するため、金属顔料の変形による金属光沢低下を防止できる。
以下、前記金属顔料の原体および金属顔料を構成する各層の構成成分、層の形成方法および剥離・粉砕処理方法等について説明する。
前記第1形態の金属化顔料は、酸化ケイ素層/金属層/酸化ケイ素層が順次積層された構造を有する。顔料層の全体の厚さは、100〜500nmの範囲が好ましい。100nm未満では、機械的強度が不足することがあり、500nmを超えると強度が高くなりすぎるため粉砕・分散等の処理が困難になる場合がある。
前記酸化ケイ素層は、酸化ケイ素を含有する層であれば特に限定されるものではない。酸化ケイ素層は、たとえば、ゾル−ゲル法によってシリコンアルコキシドまたはその重合体から形成されることができる。
前記酸化ケイ素層の形成方法としては、たとえば、上記シリコンアルコキシドまたはその重合体を溶解したアルコール溶液を、対象となる面に塗布し、加熱焼成することにより形成することができる。このような酸化ケイ素層の原料の具体例としては、たとえば、型番「HAS−6」として、コルコート株式会社から入手可能な物質を挙げることができる。この場合、酸化ケイ素層の原料溶液の塗布は、一般的に用いられるグラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗布、ディップ塗布、スピンコート等の方法により行うことができる。また、塗布・乾燥後、必要であれば、カレンダー処理により、表面の平滑化を行うことができる。
前記酸化ケイ素層の厚さは、特に限定されないが、50〜150nmの範囲が好ましい。
前記第2形態の金属化顔料は、樹脂層/金属層/樹脂層が順次積層された構造を有する。金属層については、第1形態の金属顔料の原体の場合と同様であるため、説明を省略する。
前記第2形態の金属顔料おける樹脂層は、特に限定されるものではないが、例えばポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド等の重合体、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、アクリル酸共重合体または変性ナイロン樹脂などから構成することができる。なお、樹脂層を構成する材料は、後述するシート状基材面と樹脂層とが接する場合は、シート状基材面との剥離性を有するものを選択することがより好ましい。
前記第2形態の金属顔料における樹脂層の厚さは、特に限定されないが、0.5〜50μmが好ましく、より好ましくは1〜10μmである。
前記第2形態の金属顔料における樹脂層の形成方法としては、たとえば、上述の樹脂を適宜な溶媒に溶解した溶液を、対象となる面に塗布し、乾燥することにより形成することができる。この場合、樹脂層の塗布は、一般的に用いられるワイヤーバー塗布、グラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗布、ディップ塗布、スピンコート等の方法により行うことができる。また、塗布・乾燥後、必要であれば、カレンダー処理により表面の平滑化を行うことで光沢性も付与することができる。
また、金属顔料の粉砕処理により、金属顔料端面に生じる金属または合金層の露出部は、化学酸化剤により化成処理し、化学的に安定な保護層を形成することが好ましい。この場合、使用に好適な化学酸化剤としては、過酸化水素、クロム酸、リン酸、リン酸塩、クエン酸、リンゴ酸等の不揮発性の有機酸等を挙げることができる。
(シート状基材)
前記金属顔料の原体に使用されるシート状基材としては、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフイルム、66ナイロン、6ナイロン等のポリアミドフイルム、ポリカーボネートフイルム、トリアセテートフイルム、ポリイミドフイルム等の離型性フィルムが挙げられる。なかでも特に好ましいシート状基材としては、ポリエチレンテレフタレートまたはその共重合体である。
これらのシート状基材の厚さは、特に限定されないが、10〜150μmが好ましい。10μm以上であれば、工程等で取り扱い性が良好で、150μm以下であれば、柔軟性があり、ロール化、剥離処理等において問題を生じにくい。
(剥離層)
前記金属顔料の原体に使用されるシート状基材の片面または両面の表面には、剥離層を設けることができる。剥離層を設けることにより、シート状基材と、顔料層との剥離処理をより容易にすることができる。剥離層としては、特に限定されないが、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートブチレート、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の繊維素樹脂などを用いることができる。なお、第2金属顔料の原体の場合、剥離層を設けるときは、剥離層を構成する材料と、樹脂層を構成する材料とが、少なくとも特定の溶媒に対する溶解性の点で異なるものとすることが好ましい。
(金属顔料の剥離・粉砕処理)
前記金属顔料は、金属顔料原体の顔料層を、シート状基材より剥離し、粉砕し微細化して得られる。
金属顔料の剥離処理の方法としては、特に限定されないが、たとえば、金属顔料原体を液体中に浸漬することによりなされる方法がある。また、たとえば、金属顔料原体を液体中に浸漬して超音波処理を行い、剥離処理と剥離された顔料層の粉砕処理を同時に行う方法を挙げることができる。剥離された顔料層を粉砕する方法としては、機械的な粉砕方法も用いることができる。さらに、粉砕物から目標の粒径を有する金属顔料を分級、採取して粒径が所望の分布を有するようにすることもできる。
前記金属顔料は、以下のような性質を有する。金属顔料は、平板状の粒子形状を有する平板状粒子である。「平板状粒子」は、略平坦な面(XY平面)を有し、かつ厚み(Z)が略均一であって、平らな板状の形状を有する粒子である。そして、該板の厚みZが、該板の板面の方向の大きさ(XY平面上の大きさ)よりも小さい粒子のことをいう。
このような平板状の形状を有する金属顔料は、インクジェット記録用光硬化型インク組成物が記録媒体に付着したときに、記録媒体の法線方向と金属顔料の厚み方向が揃うように配置されやすい。そのため、金属光沢に優れた画像を形成することが出来る。
金属顔料の平板状粒子のXY平面の面積より求めた円相当径の最大粒子径Rmaxは、インクジェット記録装置を用いてインクジェット記録用光硬化型インク組成物を塗布する際には、ノズルの目詰まりを防止するために、10μm以下であることが好ましい。
インクジェット記録用光硬化型インク組成物に対する金属顔料の含有量は、0.1〜2質量%が好ましく、より好ましくは、0.5〜1.75質量%である。0.1質量%以上では良好な金属光沢が得られ、0.5以上ではより良好な金属光沢が得られる。2質量%以下では、画像の硬化が進み、1.75質量%以下であれば更に画像が強固になる。
(光重合性組成物)
前記光重合性組成物は、光重合開始剤と重合性化合物を有することが好ましい。該重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物およびカチオン重合性化合物が好ましい。ラジカル重合性化合物を有する光重合性組成物は光ラジカル重合開始剤を有することが好ましく、カチオン重合性化合物を有する光重合性組成物は光カチオン重合開始剤を有することが好ましい。
(ラジカル重合性化合物)
次いで、ラジカル重合性化合物について説明する。
光ラジカル重合性モノマーとしては、各種公知のラジカル重合性のモノマーが使用できる。例えば、特開平7−159983号、特公平7−31399号、特開平8−224982号、特開平10−863号の各公報に記載されている光重合性組成物を用いた光硬化型材料と、カチオン重合系の光硬化性樹脂が知られており、最近では可視光以上の長波長域に増感された光カチオン重合系の光硬化性樹脂も例えば、特開平6−43633号公報、特開平8−324137号公報等に公開されている。
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどの様なものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態をもつものが含まれる。ラジカル重合性化合物は1種のみ用いてもよく、また目的とする特性を向上するために任意の比率で二種以上を併用してもよい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エステル、ウレタン、アミドや無水物、アクリロニトリル、スチレン、更に種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のラジカル重合性化合物が挙げられる。
本発明のラジカル重合性化合物としては、公知のあらゆる(メタ)アクリレートモノマー及び/またはオリゴマーを用いることができる。本発明でいう「および/または」は、モノマーであっても、オリゴマーであっても良く、更に両方を含んでも良いことを意味する。また、以下に述べる事項に関しても同様である。
(メタ)アクリレート基を有する化合物としては、例えば、イソアミルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、イソミルスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、ラクトン変性可とう性アクリレート、t−ブチルシクロヘキシルアクリレート等の単官能モノマー、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート等の2官能モノマー、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の三官能以上の多官能モノマーが挙げられる。この他、重合性のオリゴマー類も、モノマー同様に配合可能である。重合性オリゴマーとしては、エポキシアクリレート、脂肪族ウレタンアクリレート、芳香族ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、直鎖アクリルオリゴマー等が挙げられる。更に具体的には、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(185年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79ページ、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品もしくは業界で公知のラジカル重合性ないし架橋性のモノマーオリゴマー及びポリマーを用いることができる。
なお、感作性、皮膚刺激性、眼刺激性、変異原性、毒性などの観点から、上記モノマーの中でも、特に、イソアミルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、イソミルスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、イソボルニルアクリレート、ラクトン変性可とう性アクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、カウプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが好ましい。
更に、これらの中でも、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソステアリルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、イソボルニルアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、カウプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが特に好ましい。
本発明においては、重合性化合物としてビニルエーテルモノマー及び/又はオリゴマーと(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマーを併用しても構わない。ビニルエーテルモノマーとしては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−o−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。ビニルエーテルオリゴマーを用いる場合は、分子量が300〜1000で、エステル基を分子内に2〜3個持つ2官能のビニルエーテル化合物が好ましく、例えばALDRICH社のVEctomerシリーズとして入手可能な化合物、VEctomer4010、VEctomer4020、VEctomer4040、VEctomer4060、VEctomer5015などが好ましく挙げられるが、この限りではない。
また本発明においては、重合性化合物として各種ビニルエーテル化合物とマレイミド化合物を併用して用いることも可能である。マレイミド化合物としては、例えば、N−メチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N,N′−メチレンビスマレイミド、ポリプロピレングリコール−ビス(3−マレイミドプロピル)エーテル、テトラエチレングリコール−ビス(3−マレイミドプロピル)エーテル、ビス(2−マレイミドエチル)カーボネート、N,N′−(4,4′−ジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N′−2,4−トリレンビスマレイミド、あるいは、また特開平11−124403号公報に開示されているマレイミドカルボン酸と種々のポリオール類とのエステル化合物である多官能マレイミド化合物などが挙げられるが、この限りではない。
上記ラジカル重合性化合物の添加量は好ましくは1〜97質量%であり、より好ましくは30〜95質量%である。
(光ラジカル重合開始剤)
本発明のインク組成物においては、高感度を得る観点から、光ラジカル重合開始剤、増感剤を含有することが好ましい。
本発明のインク組成物に適用可能な光ラジカル重合開始剤としては、分子開裂型または水素引き抜き型のものが本発明に好適である。具体例としては、ベンゾインイソブチルエーテル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド等が好適に用いられ、さらにこれら以外の分子開裂型のものとして、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンおよび2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等を併用しても良いし、さらに水素引き抜き型光重合開始剤である、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジフェニルスルフィド、メタロセンタイプの重合開始剤であるビス(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、オキシムエステルタイプの重合開始剤である、1,2−オクタンジオン,1−(4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム))、エタノン,1−(9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル)−,1−(O−アセチルオキシム)等も使用できる。
また、上記光ラジカル重合開始剤に対し、増感剤として、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミンおよび4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のラジカル重合性モノマーと付加反応を起こさないアミン類を併用することもできる。もちろん、上記光ラジカル重合開始剤や増感剤は、ラジカル重合性モノマーへの溶解性に優れるものを選択して用いることが好ましい。
光ラジカル重合開始剤と増感剤は、UV硬化性光沢インク全質量に対して0.1〜20質量%、好ましくは、1〜12質量%の範囲である。
その他に、欧州特許第1,674,499A号明細書に記載のデンドリマーコアに開始剤構造としてアミン系開始助剤を結合させたタイプ、欧州特許第2,161,264A号明細書、欧州特許第2,189,477A号明細書に記載の重合性基を有する開始剤、アミン系開始助剤、欧州特許第1,927,632B1号明細書に記載の複数のアミン系開始助剤を1分子内に有するタイプ、WO第2009/060235号明細書に記載の分子内に複数のチオキサントンを含有するタイプ、Lamberti社より市販されているESACURE ONE、ESACUR KIP150に代表されるαヒドロキシプロピオフェノンが側鎖に結合したオリゴマータイプの重合開始剤なども好ましく用いることができる。
(カチオン重合性化合物)
前記カチオン重合性化合物が、エポキシ化合物、オキセタン環を有するオキセタン化合物及びビニルエーテル化合物から選ばれる少なくとも1種であることが、本発明の目的効果をより発揮できる観点から好ましく、更には、少なくとも1種の単官能または2官能のエポキシ化合物、少なくとも1種の単官能または2官能のオキセタン化合物、または少なくとも1種の単官能または2官能のビニルエーテル化合物を含有することが好ましい。
これらのカチオン重合性化合物としては、例えば、開平6−9714号、特開2001−31892号、特開2001−40068号、特開2001−55507号、特開2001−310938号、特開2001−310937号、特開2001−220526号の各公報等に例示されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
エポキシ化合物としては、以下に記載の芳香族エポキシド、脂環式エポキシド及び脂肪族エポキシド等が挙げられる。
芳香族エポキシドとして好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノール或いはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジ又はポリグリシジルエーテルであり、例えば、ビスフェノールA、あるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールA或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロヘキセン又はシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましい。
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル又は1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリン或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
これらのエポキシ化合物のうち、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。本発明では、上記エポキシドの1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明においては、更なる硬化性及び吐出安定性向上の観点から、光重合性化合物として、オキセタン環を有する化合物を全光重合性化合物の30〜95質量%、オキシラン基を有する化合物を5〜70質量%、ビニルエーテル化合物を0〜40質量%含有することが好ましい。
本発明で用いることのできるオキセタン化合物としては、例えば、特開2001−220526号、同2001−310937号に記載されているような公知のあらゆるオキセタン化合物を使用できる。
本発明で用いることのできるビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジ又はトリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。本発明では、上記ビニルエーテル化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
上記カチオン重合性化合物の添加量は好ましくは1〜97質量%であり、より好ましくは30〜95質量%である。
(光カチオン重合開始剤)
本発明のインクにおいて、光重合開始剤としては、「UV・EB硬化技術の応用と市場」(シーエムシー出版、田畑米穂監修/ラドテック研究会編集)などに掲載されているあらゆる公知の光重合開始剤を用いることができるが、光酸発生剤を用いることが好ましい。
光酸発生剤としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。本発明に好適な化合物の例を以下に挙げる。
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C 、PF 、AsF 、SbF 、CFSO 塩を挙げることができる。
本発明で用いることのできるオニウム化合物の具体的な例を、以下に示す。
Figure 2012223958
第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができ、その具体的な化合物を、以下に例示する。
Figure 2012223958
第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができ、以下にその具体的な化合物を例示する。
Figure 2012223958
第4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
Figure 2012223958
特に、本発明のインクにおいては、光酸発生剤としては、トリアリールスルホニウム塩を含有する化合物であることが好ましい。
光酸発生剤は、カチオン重合性化合物100質量部に対して、0.2〜20質量部の比率で含有させることが好ましい。光酸発生剤の含有量が0.2質量部未満では硬化物を得ることが困難であり、20質量部を越えて含有させてもさらなる硬化性向上効果はない。これら光酸発生剤は、1種または2種以上を選択して使用することができる。
(添加剤)
本発明のインクには、上記説明した以外に様々な添加剤を用いることができる。例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することができる。また、保存安定性を改良する目的で、公知のあらゆる塩基性化合物を用いることができるが、代表的なものとして、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミン、脂肪酸アミン塩、各種防錆剤などの塩基性有機化合物などが挙げられる。
〔その他〕
本発明のインクにおいては、25℃における粘度が7〜50mPa・sであることが好ましい。
(UV硬化性カラーインク)
前記UV硬化性カラーインクは、有彩色を有するインクであり、波長400nm〜700nmの範囲で、吸光度の高い波長領域とそれよりも吸光度の低い波長領域を有する。前記UV硬化性カラーインクは、有彩色を有する色材および光重合性組成物を含有し、色材の種類および含有率を変化することにより、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ライトマゼンタインク、ライトシアンインク等が形成される。これらのカラーインクを記録媒体上で様々な比率で混合配置することにより多様な色彩を有する画像が形成できる。
UV硬化性カラーインクに用いられる光重合性組成物は前記UV硬化性光沢インクに含有される光重合性組成物と同義である。
各種添加剤は、UV硬化性光沢インクと同様に用いることが出来る。
(色材)
前記色材としては、各種の公知の染料または顔料を挙げられるが、耐候性に優れる観点から色材として顔料を適用することが好ましい。
本発明に用いる顔料としては、コバルトブルー、酸化クロム、および酸化鉄のような金属酸化物顔料、フタロシアニン系顔料、金属の硫酸塩、ニトロ顔料、ナフトールグリーンBのようなニトロソ顔料、ボルドー10B、レーキレッド4Rおよびクロモフタールレッドのようなアゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む。)、ピーコックブルーレーキおよびローダミンレーキのようなレーキ顔料、フタロシアニンブルーのようなフタロシアニン顔料、多環式顔料(ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラノン顔料など)、チオインジゴレッドおよびインダトロンブルーのようなスレン顔料、キナクリドン顔料、キナクリジン顔料、並びにイソインドリノン顔料のような有機系顔料を使用することもできる。
顔料の具体例としては、
C.I.Pigment Yellow−1、2、3、12、13、14、16、17、42、73、74、75、81、83、87、93、95、97、98、109、114、120、128、129、138、150、151、154、180、185、
C.I.Pigment Orange−16、36、38、
C.I.Pigment Red−5、7、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57:1、63:1、101、112、122、123、144、146、168、184、185、202、
C.I.Pigment Violet−19、23、
C.I.Pigment Blue−1、2、3、15:1、15:2、15:3、15:4、18、22、27、29、60、
C.I.Pigment Green−7、36、
C.I.Pigment White−6、18、21、
C.I.Pigment Black−7、等を挙げることができる。
顔料のアミン価は酸価よりも大きいことが好ましく、その差が1mg/gKOH以上、10mg/gKOH未満であることが更に好ましい。1mg/gKOH未満であればその効果がなく、10mg/gKOH以上の場合は塩基性処理を過度に行う必要があり、コストアップとなるばかりでなく、重合阻害の原因にもなり好ましくない。
前記UV硬化性カラーインクと共にUV硬化性の無彩色インクを用いることができる。無彩色インクに用いられる無彩色の色材としては、カーボンブラック、カーボンリファインド、およびカーボンナノチューブのような炭素系顔料、鉄黒、酸化亜鉛、酸化チタン、硫化亜鉛、アニリンブラックなどが挙げられる。
上記顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の分散装置を用いることができる。また、顔料の分散を行う際に、分散剤を添加することもできる。分散剤としては、高分子分散剤を用いることが好ましく、高分子分散剤としては、例えば、Avecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のPBシリーズが挙げられる。また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。分散媒体は、溶剤または重合性化合物を用いて行うが、本発明のインクでは、印字後に反応・硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。溶剤が硬化画像に残ってしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤のVOCの問題が生じる。よって、分散媒体は溶剤では無く重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
顔料の分散は、顔料粒子の平均粒径を0.08〜0.5μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を適宜設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。本発明のインクにおいては、色材濃度としては、インク全体の1質量%乃至10質量%であることが好ましい。
(インクジェット記録装置)
次いで、本発明に適用可能なインクジェットプリンタの概要について説明する。
本発明に適用可能なインクジェットプリンタは、少なくともUV硬化性光沢インクを吐出する記録ヘッド、UV硬化性カラーインクを吐出する記録ヘッドを走査方向に順に並べて備え、1回の走査で、UV硬化性光沢インクを記録媒体に印字し、UVを照射し、その上にUV硬化性カラーインクを印字することが出来る。
UV照射の手段としては、UV照射装置を、前記UV硬化性光沢インクを吐出する記録ヘッドと、前記UV硬化性カラーインクを吐出する記録ヘッドとの間に設置し、前記記録ヘッドと同時に走査する方法、および、前記UV硬化性光沢インクを吐出する記録ヘッドと、前記UV硬化性カラーインクを吐出する記録ヘッドとの間に隙間を設け、外部に設けた光源から発せられる紫外線を該隙間を通して記録媒体に照射する方法が挙げられる。
図1は、本発明に適用可能なインクジェット記録装置の概略を示す斜視図である。インクジェットプリンタ1は、プラスチックシートのようなUVインクに対する吸収性が極めて低く、かつA0判やB0判といった大判の記録媒体Pにカラー画像を形成することが可能なプリンタである。インクジェットプリンタ1は記録ヘッド6をX方向(主走査方向)に、及び記録媒体PをY方向に移動させながら記録ヘッド6からUV硬化性光沢インクおよびUV硬化性カラーインクを吐出することで、記録媒体P上に多様な色彩の光沢画像を形成する。
インクジェットプリンタ1は、図1、図2に示すように、記録ヘッド6、記録ヘッドおよびUV照射装置が搭載されたキャリッジ3、UV照射装置4、ガイドレール5、搬送手段、温度調整手段、キャリッジ駆動手段、制御手段(図示省略)等を備えて構成される。
図示しない制御手段は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、インターフェース等を備えて構成され、記録媒体Pに形成する画像のデータや記録媒体Pに係るデータ等に基づいてインクジェットプリンタ1の各構成要素を制御する。ガイドレール5はキャリッジ駆動手段の作動によってキャリッジ3が図1におけるX方向に移動する際、キャリッジ3をガイドする。
キャリッジ3は記録ヘッド6、UV照射装置4等を搭載するための筐体であり、X方向に移動自在な形態でガイドレール5に設置される。
キャリッジ駆動手段は図示しない電動モータ等を備えて構成され、キャリッジ3がX方向に往復移動するための駆動力をキャリッジ3に付与する。
記録ヘッド6はそれぞれ図示しない複数個の吐出部と吐出口とを備えて構成される。また、記録ヘッド6はインクの粘度を低下させるために保温手段を有することが好ましい。吐出部は例えばピエゾ素子を備えており、記録ヘッド駆動回路から電圧を印可されることでUV硬化性インクを吐出口から吐出して記録媒体Pにインクドットを形成する。記録ヘッド6は、インクジェットプリンタ1で使用するインクの金属光沢と色に応じて複数個が、X方向に並ぶとともに、吐出口が記録媒体Pと対向するよう下を向いた形態でキャリッジ3に搭載される。
ここで、図2では、記録ヘッド6として、光沢インク(G)用の記録ヘッドG、イエローインク(Y)用の記録ヘッドY、マゼンタインク(M)用の記録ヘッドY、シアンインク(C)用の記録ヘッドC、ブラックインク(K)用の記録ヘッドKがキャリッジに搭載されている様子を示している。
図2のキャリッジ3には、更にUV照射装置U1がイエローインクの記録ヘッドYと光沢インクの記録ヘッドGの間に配置され、もう1つのUV照射装置U2がブラックインクの記録ヘッドKの隣(キャリッジの走査方向Xの後尾)に配置されている。UV照射装置U1、U2はは、記録媒体Pと対向する形態でキャリッジに搭載される。
記録ヘッドがインクを吐出しながら、キャリッジはXの方向に移動する。これにより、光沢インクが記録媒体に印字されると紫外線が照射され、引き続き、Y、M、C、Kの順でカラーインクとブラックインクが印字され、最後に紫外線が照射される。
このように、インクジェットプリンタ1のキャリッジに、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のカラーインクとブラックインクおよび光沢インク(G)を吐出する記録ヘッドを搭載し、記録媒体に印字したインクをUV照射装置U1、U2により紫外線照射することで、記録媒体Pに対して多様な色彩の光沢画像を高速で、かつ、光沢インクとカラーインクとの位置精度の高い画像を形成することができる。
UV照射装置U1、U2は紫外線を発生する発生部を備えて構成され、記録媒体PのUV硬化性インクが吐出された領域に紫外線を照射する。UV照射装置U1が、記録媒体P上のUV硬化性光沢インクに照射を行うことで、UV硬化性光沢インクとUV硬化性カラーインクの混合を防止し、画像の強度を確保できる。
ここで、UV照射装置U1、U2はは、インクが記録媒体Pに着弾してから紫外線の照射を受けるまでの時間が0.02〜500msとなるように設置されることが好ましい。上記時間が0.02ms未満の場合には、記録媒体Pに着弾したUV硬化性インクがインクドットとして十分にレベリングせずに硬化するためにドット径は極めて小さくなり、記録媒体P上に形成された画像の画質が低くなるとともに、このインクドットの記録媒体Pに対する接着性が低くなって画像の強度が低くなるという問題が生ずる。一方、上記時間が500msを超える場合には、UV硬化性インクが記録媒体P上で滲む等して、画像の画質を低下させる。
UV照射装置の発光源は記録媒体P上のUV硬化性インクに照射するため紫外線を発光する。上記発生部に適用する光源は、例えば水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーランプ、蛍光灯、LD (Laser Diode)、LED(Light Emitting Diode)等が適用可能であり、中でも安価、低電力で長寿命であることからLEDが好ましく用いられる。
キャリッジ上での記録ヘッドと照射装置の配置の例を図3〜7に示す。なお、図3〜7に示した配置例1〜6のUV照射装置U1、U2、U3、配置例7のU1、U2、配置例10のU1、U2、U3、および、配置例11のU2は同様の装置であり、1列の記録ヘッドで印字した領域を照射できるUV照射装置である。また、配置例6のUV照射装置U3、配置例7のU1、U2、および、配置例8のU1、U2は、2列の記録ヘッドで印字した領域を照射できる長さを有し、上記1列の記録ヘッドで印字した領域を照射できるUV照射装置と同じ照度で記録媒体を照射する。
図3(a)は図2のキャリッジ上に搭載された記録ヘッドとUV照射装置U1、U2の配置例1を示した図であり、本発明に用いることが出来る配置例である。各記録ヘッドがインクを吐出しながら、キャリッジがX方向に走査される過程で、光沢インク(G)が印字されると直後にUV照射装置U1により照射され、引き続きイエローインク(Y)、マゼンタインク(M)、シアンインク(C)、ブラックインク(K)が印字された後でUV照射装置U2により紫外線が照射される。
図3(b)は比較例の記録方法に用いられる配置例2を示した図であり、記録ヘッドがインクを吐出しながらXの方向にキャリッジが移動する過程で、光沢インク(G)とカラーインクが印字され、引き続いてUV照射装置U1とU2により紫外線が照射される。この場合、紫外線が照射される前に、光沢インクとカラーインクは混じり合ってしまい、照射された紫外線が金属顔料により反射されるため、金属顔料よりも記録媒体側に侵入したカラーインクの成分が受ける紫外線量が少なくなる。
図3(c)に示した配置例3は、比較例の記録方法に用いられる配置例である。記録ヘッドを載せたキャリッジをX方向に走査する過程で、イエローインク(Y)と光沢インクが順に印字され、UV照射装置U1により紫外線が照射さる。引き続いてマゼンタインク(M)、シアンインク(C)、ブラックインク(K)が印字された後でUV照射装置(U2)により紫外線が照射される。
図4(a)に示した配置例4は、本発明の記録方法に用いられる配置例である。記録ヘッドの並びの両端に同じ光沢インクが充填された記録ヘッドG1、G2が配置され、UV照射装置U1が記録ヘッドG1と記録ヘッドYの間に配置され、UV照射装置U2が記録ヘッドG2と記録ヘッドKの間に配置されていて、記録ヘッドがインクを吐出しながらキャリッジはXとXの方向(左右両方向)に走査される。
ただし、キャリッジがX方向に走査されるときは、記録ヘッドG1から出射された光沢インクが印字されると即座にUV照射装置U1により紫外線が照射され、引き続きカラーインクが印字された後でUV照射装置U2により紫外線が照射され、記録ヘッドG2は光沢インクを吐出しない。
キャリッジがXの方向に走査されるときは、記録ヘッドG2から出射された光沢インクが印字されると即座にUV照射装置U2により紫外線が照射され、引き続きカラーインクが印字された後でUV照射装置U1により紫外線が照射され、記録ヘッドG1は光沢インクを吐出しない。
配置例4を用いると、光沢インクが印字されると即座に紫外線が照射され、光沢インクがカラーインクに照射される紫外線を遮蔽することが無い。また、両方向の走査で印字可能となり、記録速度が向上する。
図4(b)に示した配置例5は、比較例の記録方法に用いられる配置例である。
配置例4において、UV照射装置U1の位置をX方向の先頭に変え、UV照射装置U2の位置をX方向の先頭に変え、記録ヘッドMと記録ヘッドCの間にUV照射装置U3を挿入し、配置例5とした。
キャリッジがX方向に走査されるときは、UV照射装置U1は照射せず、記録ヘッドG1、Y、Mが順に記録媒体に印字し、UV照射装置U3が紫外線を照射する。引き続き、記録ヘッドC、K、G2が順に記録媒体に印字し、UV照射装置U2が紫外線を照射する。
この場合、紫外線が照射される前に、光沢インクとカラーインクが混じりあってしまい、金属顔料が紫外線を遮蔽して、カラーインクに照射される紫外線を減少させる。
図4(c)に示した配置例6は、比較例の記録方法に用いられる配置例である。
キャリッジの走査方向Xの先頭から順に、記録ヘッドY、M、C、Kが配置され、UV照射装置U1と記録ヘッドGが続くことにより、カラーインクが印字されてからUV照射され、光沢インクが印字される。光沢インクが印字される前にカラーインクが硬化されるので光沢インクによる紫外線の遮蔽が無くカラーインクは硬化するが、最上層の光沢インクが鑑賞時の光を反射するため、無彩色の光が多く観察される。
図5(a)に示した配置例7は、本発明の記録方法に用いられる配置例である。キャリッジは、記録ヘッドと光沢インク硬化用のUV照射装置を2列搭載していて、X方向に走査されるときに、全ての記録ヘッドが出射可能であり、1回のキャリッジの走査で、配置例1を用いた場合の倍の幅の記録が可能である。2列の記録ヘッドの並びの最後に紫外線照射装置U3が配置され、UV照射装置U3は2列の記録ヘッドで印字された画像を一度に硬化させるため、2列の記録幅の長さを有する。
記録ヘッドG1、Y1、M1、C1、K1およびUV照射装置U1の配置、並びに、記録ヘッドG2、Y2、M2、C2、K2の配置およびUV照射装置U2の配置は、配置例1の記録ヘッドG、Y、M、C、KおよびUV照射装置U1の配置と同様であり、走査方向の後尾にカラーインクを硬化するためのUV照射装置U3が搭載されている。
配置例7を用いれば、配置例1により形成される画像と同等の品質の画像を2倍の速度で記録することが出来る。
図5(b)に示した配置例8は、本発明の記録方法に用いられる配置例である。
配置例7において、記録ヘッドG1、Y1、M1、C1、K1、および、記録ヘッドG2、Y2、M2、C2、K2をチドリに配置し、光沢インクを硬化するためのUV照射装置U1、U2を2つのヘッド列をカバーする長さの共通の照射装置U1に替えた他は同様に配置し配置例7が構成されている。
図6(a)に示した配置例9は、本発明の記録方法に用いられる配置例である。
配置例7において、記録ヘッドG2、Y2、M2、C2、K2とUV照射装置U2の並び順序を逆にし、UV照射装置U1とU2は、記録ヘッドG1、Y1、M1、C1、K1、および記録ヘッドG2、Y2、M2、C2、K2の両ヘッド列をカバーする長さを有する他は同様にして配置例9が構成されている。
配置例9のキャリッジをX方向に走査するときは、記録ヘッドG1〜K1が出射し、X方向に走査するときは、記録ヘッドG2〜K2が出射することにより、両方向の走査で印字される色の順序が同じになり高品質の画像が得られる。また、X方向に走査するときは、UV照射装置U1が光沢インクを硬化し、U2が主にカラーインクを硬化し、X方向に走査するときは、UV照射装置U2が光沢インクを硬化し、U1がカラーインクを硬化する。
図6(b)に示した配置例10は、本発明の記録方法に用いられる配置例である。
配置例1において、UV硬化性イエローインクを吐出するもう一つの記録ヘッドY2を走査方向の先頭に設置し、記録ヘッドY2と記録ヘッドGの間にUV照射装置U3を挿入した他は同様にして配置例10が構成されている。
配置例10のキャリッジをX方向に走査しながら、記録ヘッドY2よりイエローインク(Y)を印字されると、記録ヘッドGから光沢インク(G)が印字される前にUV照射装置U3によりイエローインクが硬化されるために、光沢インクに遮蔽されてイエローインクが硬化不足になることが無い。
このように1回のキャリッジの走査で、UV硬化性カラーインクを印字してからUV硬化性光沢インクを印字する場合は、先に印字されたUV硬化性カラーインクに紫外線を照射してからUV硬化性光沢インクを印字する配置例10のような配置を行うことにより、高い画像強度が確保できる。
上記のようにUV硬化性光沢インクを印字する前にも、UV硬化性カラーインクを印字する場合は、該UV硬化性カラーインク着弾後、UV硬化性光沢インク着弾前にUV照射装置により照射される紫外線の照射量は50mJ/cm以上、1000J/cm以下が好ましい。50mJ/cm以上であれば画像強度が高く、1000J/cm以下であれば、照射時間を短くでき、装置コストを低く抑えられ、記録媒体の変形、変色も起こりにくい。
図7(a)に示した配置例11は、本発明の記録方法に用いられる配置例である。
配置例1において、キャリッジ上のUV照射装置U1の設置されていた場所Wは、UV照射装置が無く、記録ヘッドの上から記録媒体が透視可能である。
図8に、上記配置例11の記録ヘッドとUV照射装置U2が搭載されたプリンタの斜視図を示す。
方向にキャリッジが移動する空間はライトボックスHにより囲まれており、ライトボックスの内側に、記録媒体の全幅をカバーする長さを有するUV光源Lが配置されている。
キャリッジ上には、光沢インク用の記録ヘッドG、カラーインク用の記録ヘッドY、M、C、KおよびUV照射装置U2が順に並んで搭載されており、記録ヘッドGと記録ヘッドYとの間Wは何も無い空間である。光源Lから発せられた紫外線はこの空間を通って記録媒体に照射されるため、キャリッジ上にUV照射装置を搭載する必要が無く、走査されるキャリッジ積載物の質量を小さく出来るので、高速で走査可能である。
図7(b)に示した配置例12は比較例の記録方法に用いられる配置例である。
記録ヘッドGは、記録ヘッドY、M、C、Kの列より記録媒体の搬送方向Yの下流に位置し、記録媒体上にカラーインクの全量が印字されて硬化されてから光沢インクが印字される。光沢インクの金属顔料が観察者からカラーインクの画像を遮蔽するので、光沢画像の色彩は非常に乏しい。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
実施例1
《金属顔料分散液Aの作製》
(剥離層の形成)
膜厚100μmのPETフィルム上に、下記の剥離層塗工液をワイヤーバーによって塗布・乾燥し、剥離層を形成した。剥離層の厚さは10μmであった。
(剥離層塗工液)
剥離層塗工液として、PVA(ポリビニルアルコール、平均分子量10000、けん化度80%)を3.3質量%、およびグリセリンを1.7質量%となるようにイオン交換水に溶解したものを用いた。
(酸化ケイ素層の形成)
上記にて表面に剥離層を形成したPETフィルム上に、下記の酸化ケイ素層塗工液をワイヤーバーによって塗布し、140℃、5分間の焼成処理を行い、酸化ケイ素層を形成した。酸化ケイ素層の厚さは70nmであった。
(酸化ケイ素層塗工液)
酸化ケイ素層塗工液として、HAS−6(コルコート株式会社製)を10質量%、エタノールを42.5質量%、および2−エトキシエタノールを47.5質量%混合した混合液を用いた。
(アルミニウム層の形成)
アルミニウム層は、株式会社真空デバイス製、VE−1010形真空蒸着装置を用いて、上述の酸化ケイ素層の上に、膜厚70nmのアルミニウムを蒸着することによって形成した。
(酸化ケイ素層の形成)
上述した酸化ケイ素層の形成と同様にして、上記のアルミニウム層上に、酸化ケイ素層を形成した。形成した酸化ケイ素層の厚さは70nmであった。
以上のようにして、シート状基材の上に、剥離層および顔料層(酸化ケイ素層/アルミニウム層/酸化ケイ素層)の構成を有する、金属顔料Aの原体を作製した。この金属顔料Aの原体を目視にて観察したところ銀白色を呈していた。
(剥離および粉砕・分散処理)
上記方法にて形成した、剥離層/酸化ケイ素層/アルミニウム層/酸化ケイ素層の積層体を有するPETフィルムを、OXT221(オキセタン化合物、東亞合成社製)中、超音波分散機を用いて剥離・微細化・分散処理を同時に行った。
以上のようにして、金属顔料Aの分散原液を調製した。
上記のように得られた金属顔料Aの分散原液について、それぞれ、開き目5μmのSUSメッシュフィルターにてろ過処理を行って粗大粒子を除去した。次いで、ろ液を丸底フラスコに入れ、ロータリーエバポレーターを用いて過剰のOXT221を留去した。これにより、5質量%の濃度の金属顔料分散液Aを得た。
《カラーインク用顔料分散液の調製》
〔イエロー顔料分散液1の調製〕
下記の2種の化合物をステンレスビーカーに入れ、ホットプレート上で65℃で加熱、攪拌しながら溶解した。
アジスパーPB822(味の素ファインテクノ社製分散剤) 8質量部
アロンオキセタンOXT−221(東亞合成社製オキセタン化合物) 72質量部
次いで、室温まで冷却した後、この溶液に顔料としてC.I.Pigment Yellow 150を20質量部加えて、直径0.3mmのジルコニアビーズ200部と共にガラス瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて4時間の分散処理を施した後、ジルコニアビーズを除去して、イエロー顔料分散液1を調製した。
〔マゼンタ顔料分散液1の調製〕
上記イエロー顔料分散液の調製において、顔料をC.I.Pigment Yellow 150に代えて、C.I.Pigment Red 122に変更した以外は同様にして、マゼンタ顔料分散液1を調製した。
〔シアン顔料分散液1の調製〕
上記イエロー顔料分散液の調製において、顔料をC.I.Pigment Yellow 150に代えて、C.I.Pigment Blue 15:4に変更した以外は同様にして、シアン顔料分散液1を調製した。
〔ブラック顔料分散液1の調製〕
上記イエロー顔料分散液の調製において、顔料をC.I.Pigment Yellow 150に代えて、C.I.Pigment Black 7に変更した以外は同様にして、ブラック顔料分散液を調製した。
《インクセットの調製》
下記の各色インクからなるインクセットを調製した。
〔UV硬化性光沢インクAの調製〕
下記の各添加剤を順次混合し、80℃に加熱して攪拌した後、得られた液体を加熱下、#3000の金属メッシュフィルターでろ過した後、冷却して、UV硬化性光沢インクAを調製した。
アジスバーPB822(味の素ファインテクノ製) 2.0質量部
オキセタンOXT−221(東亞合成製) 55.0質量部
オキセタンOXT−212(東亞合成製) 5.0質量部
オキセタンOXT−211(東亞合成製) 5.0質量部
脂環式エポキシ化合物1 18.0質量部
光酸発生剤1(分子量466、1分子量当たり3つのアリール基を持つ)
4.0質量部
重合禁止剤(トリイソプロパノールアミン) 0.1質量部
金属顔料分散液A 20部。
Figure 2012223958
〔UV硬化性イエローインク1の調製〕
上記UV硬化性光沢インクAの調製において、金属顔料分散液に代えて、上記イエロー顔料分散液1を用いた他は同様にしてUV硬化性イエローインク1を調製した。
〔UV硬化性マゼンタインク1の調製〕
上記UV硬化性光沢インクAの調製において、金属顔料分散液に代えて、上記マゼンタ顔料分散液1を用いた他は同様にしてUV硬化性マゼンタインク1を調製した。
〔UV硬化性シアンインク1の調製〕
上記UV硬化性光沢インクAの調製において、金属顔料分散液に代えて、上記シアン顔料分散液1を用いた他は同様にしてUV硬化性シアンインク1を調製した。
〔UV硬化性ブラックインク1の調製〕
上記UV硬化性光沢インクAの調製において、金属顔料分散液に代えて、上記ブラック顔料分散液1を用いた他は同様にしてUV硬化性ブラックインク1を調製した。
(記録方法1 本発明)
インクジェットプリンタ1のキャリッジに記録ヘッドとUV照射装置を図3(a)の配置例1のように配置した。ここで、各記録ヘッドには、下記のようにUV硬化性カラーインクとUV硬化性光沢インクが、それぞれインクタンクよりチューブを介して記録ヘッドに供給された。
記録ヘッドG1、G2:UV硬化性光沢インクA
記録ヘッドY:UV硬化性イエローインク1
記録ヘッドM:UV硬化性マゼンタインク1
記録ヘッドC:UV硬化性シアンインク1
記録ヘッドK:UV硬化性ブラックインク1。
UV照射装置U1、U2は、Phoseon社製RX FireLineを用い、両者とも同等の性能であった。記録媒体での照射部分の平均照度は3.6W/cmであり、1つのUV照射装置が1回走査されたときの照射量は240mJ/cmある。キャリッジ上で各記録ヘッドと照射装置の中心は等間隔(30mm)に配置され、キャリッジの走査速度は30cm/secであった。記録ヘッドはコニカミノルタIJ社製KM512M(ノズル解像度360dpi、ノズル数512)を用い、キャリッジをX方向に走査するときに、駆動周波数10kHzで駆動しインクを出射し、4パス記録のインターリーブ方式で印字した。
記録媒体としては、塩ビシートを用いた。
画像は虹をデザインした画像であり、1回の走査で、背景をブラックインクで印字し、虹の部分を光沢インクにより下地画像の印字をして、その上にイエローのハーフトーン、マゼンタのハーフトーン、シアンのハーフトーンを組み合わせて画像様に印字し、黒色の背景に多様な色彩を有する虹の光沢画像を形成した。
《画像の評価》
(色彩の多様性)
形成した虹の画像の鮮やかさを20人が観察して評価した。
虹の全ての色が鮮やかに表現されていると判定した人数により下記基準で評価した。
◎:20人全てが虹の全ての色が鮮やかであると評価
○:11〜19人が、虹の色の全てが鮮やかであると評価し、1〜9人が、くすんだ色があると評価。
△:1〜10人が、虹の色の全てが鮮やかであると評価し、10〜19人が、くすんだ色があると評価。
×:20人全てが、虹の色にくすんだ色があると評価
(画像強度の測定方法)
形成した画像表面を爪で擦り、下記の基準に従って耐擦過性を評価した。
評価基準
○:形成画像面に傷が付かない
△:形成画像面に僅かな跡は残るが、幅1mm以上の剥離が生じない
×:形成画像膜に幅1mm以上の剥離が生じる。
(記録方法2 比較例)
上記記録方法1において、インクジェットプリンタ1のキャリッジに記録ヘッドとUV照射装置を、配置例1に代えて、図3(b)に示した配置例2のように配置した他は同様にして画像を記録し、評価した。
(記録方法3 比較例)
上記記録方法1において、インクジェットプリンタ1のキャリッジに記録ヘッドとUV照射装置を、配置例1に代えて、図3(c)に示した配置例3のように配置した他は同様にして画像を記録し、評価した。
(記録方法4 本発明)
上記記録方法1において、インクジェットプリンタ1のキャリッジに記録ヘッドとUV照射装置を、配置例1に代えて、図4(a)に示した配置例4のように配置して画像を記録し、評価した。ただし、記録ヘッドG1とG2には記録方法1で用いたUV硬化性光沢インクAを充填し、キャリッジをX方向に走査するときは、記録ヘッドG2は駆動せず記録ヘッドG1、Y、M、C、Kを駆動し、キャリッジをX方向に走査するときは、記録ヘッドG1は駆動せず記録ヘッドG2、K、C、M、Yを駆動し、双方向の走査で印字した。
(記録方法5 比較例)
上記記録方法4において、インクジェットプリンタ1のキャリッジに記録ヘッドとUV照射装置を、配置例4に代えて、図4(b)に示した配置例5のように配置して画像を記録し、評価した。ただし、UV照射装置U3はUV照射装置U1、U2と同等の性能を有し、それぞれのUV照射装置による照射量は240mJ/cmである。キャリッジがX方向に走査されるときは、UV照射装置U1は照射せず、UV照射装置U3とU2が照射し、X方向に走査するときは、UV照射装置U2は照射せず、UV照射装置U3とU1が照射した。
(記録方法6 比較例)
上記記録方法1において、インクジェットプリンタ1のキャリッジに記録ヘッドとUV照射装置を、配置例1に代えて、図4(c)に示した配置例6のように配置した他は同様にして画像を記録し、評価した。
(記録方法7 本発明)
上記記録方法1において、UV硬化性イエローインク1を吐出するもう一つの記録ヘッドY2を走査方向の先頭に設置し、記録ヘッドY2と記録ヘッドGの間にUV照射装置U3を挿入し、記録ヘッドとUV照射装置の配置を配置例10のように変更した他は同様に印字した。なお、UV照射装置U2による照射量は240mJ/cmであり、U1、U3による照射量は其々60mJ/cmに調整した。
(記録方法8 本発明)
上記記録方法1において、UV照射装置U1をキャリッジから取り外し、記録ヘッドとUV照射装置の配置を配置例11に変え、図8に示すプリンタ2を用いて、記録ヘッドGにより印字したUV硬化性光沢インクを、UV硬化性カラーインクが印字される前に、記録ヘッド間の空間Wを通してランプボックスに固定された光源Lにより紫外線を照射して硬化した他は同様にして印字した。
なお、1回の走査で記録ヘッドGにより光沢インクを印字してからカラーインクが印字されるまでに光源Lから記録媒体に照射された照射量は40mJ/cmであった。
(記録方法9 比較例)
上記記録方法1において、記録ヘッドとUV照射装置の配置を図7(l)に記載の配置例12に変えた他は同様にして画像を記録し、評価した。なお、光沢インク用の記録ヘッドGは記録ヘッドY、M、C、Kより、記録媒体の搬送方向Yの下流に位置し、全記録ヘッドは、X方向、X方向の双方向の走査中に印字可能である。記録媒体には、画像に必要なインク(Y)、インク(M)、インク(C)、インク(K)の全量が印字されてから光沢インク(G)が印字される。
上記記録方法1〜9により作成した画像の評価結果を表1に記す。
Figure 2012223958
表1より、最初にUV硬化性光沢インクを印字し、硬化後、重ねてUV硬化性カラーインクを印字することにより、多様な色彩の光沢画像が得られることが分かる。また、最初にUV硬化性光沢インクを印字する場合は、UV硬化性光沢インクに紫外線を照射した後、カラーインクを印字するように、キャリッジ上に記録ヘッドとUV照射装置を配置することにより、画像強度が高くなることが分かる。
また、第1のUV硬化性カラーインクを印字してからUV硬化性光沢インクを印字し、更に第2以降のUV硬化性カラーインクを印字する場合は、第1のUV硬化性カラーインクを印字してからUV硬化性光沢インクを印字するまでの間に紫外線を照射し、UV硬化性光沢インクを印字してから第2以降のUV硬化性カラーインクを印字するまでの間に紫外線を照射するように、キャリッジ上に記録ヘッドとUV照射装置を配置して印字することにより、画像強度が高くなることが分かる。
実施例2
《金属顔料分散液Bの作製》
(剥離層の形成)
膜厚100μmのPETフィルム上に、下記の剥離層塗工液をワイヤーバーによって塗布・乾燥し、剥離層を形成した。剥離層の厚さは10μmであった。
(剥離層塗工液)
剥離層塗工液として、エスレツクBL−10(積水化学工業株式会社製ブチラール樹脂)を3.3質量%、およびグリセリンを2.0質量%となるようにIPA(イソプロピルアルコール)に溶解したものを用いた。
(樹脂層の形成)
上記にて表面に剥離層を形成したPETフィルム上に、下記の樹脂層塗工液をワイヤーバーによって塗布・乾燥し、樹脂層を形成した。樹脂層の厚さは10μmであった。
(樹脂層塗工液)
樹脂層塗工液として、PVA(ポリビニルアルコール、平均分子量10000、けん化度80%)を3.3質量%、およびグリセリンを1.7質量%となるようにイオン交換水に溶解したものを用いた。
(アルミニウム層の形成)
アルミニウム層は、株式会社真空デバイス製、VE−1010形真空蒸着装置を用いて、上述の樹脂層の上に、膜厚70nmのアルミニウムを蒸着することによって形成した。
(樹脂層の形成)
上述した樹脂層の形成と同様にして、上記のアルミニウム層上に、樹脂層を形成した。形成した樹脂層の厚さは10μmであった。
以上のようにして、シート状基材の上に、剥離層および顔料層(樹脂層/アルミニウム層/樹脂層)の構成を有する、金属顔料Bの原体を作製した。この金属顔料Bの原体を目視にて観察したところ銀白色を呈していた。
(剥離および粉砕・分散処理)
上記方法にて形成した、剥離層/樹脂層/アルミニウム層/樹脂層の積層体を有するPETフィルムを、エチレングリコールモノアリルエーテル中、超音波分散機を用いて剥離・微細化・分散処理を同時に行った。
以上のようにして、金属顔料Bの分散原液を調製した。
上記のように得られた金属顔料Bの分散原液について、それぞれ、開き目5μmのSUSメッシュフィルターにてろ過処理を行って粗大粒子を除去した。
次いで、ろ液を丸底フラスコに入れ、ロータリーエバポレーターを用いて過剰のエチレングリコールモノアリルエーテルを留去した。これにより、5質量%の濃度の金属顔料分散液Bを得た。
《カラーインク用顔料分散液の調製》
〔イエロー顔料分散液2の調製〕
以下の化合物をステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱攪拌溶解した。
PB822(味の素ファインテクノ社製分散剤) 8質量部
テトラエチレングリコールジアクリレート 72質量部。
室温まで冷却した後、これに顔料としてPigment Yellow 180(大日精化社製CFY313−2)を20部加えて、直径0.3mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて4時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去し、イエロー顔料分散液2を調製した。
〔マゼンタ顔料分散液2の調製〕
上記イエロー顔料分散液2の調製において、Pigment Yellow 180に代えて、Pigment Red 122(大日精化社製CFR321)を用いた他は同様にしてマゼンタ顔料分散液2を調整した。
〔シアン顔料分散液2の調製〕
上記イエロー顔料分散液2の調製において、Pigment Yellow 180に代えて、Pigment Blue 15:4(山陽色素社製Cyanine Blue 4044)を用いた他は同様にしてシアン顔料分散液2を調整した。
〔ブラック顔料分散液2の調製〕
上記イエロー顔料分散液2の調製において、Pigment Yellow 180に代えて、Pigment Black 7(三菱化学社製#52)を用いた他は同様にしてブラック顔料分散液2を調整した。
《インクセットの調製》
下記の各色インクからなるインクセットを調製した。
〔UV硬化性光沢インクBの調製〕
下記の各添加剤を順次混合し、80℃に加熱して攪拌した後、得られた液体を加熱下、#3000の金属メッシュフィルターでろ過し、冷却して、UV硬化性光沢インクBを調製した。
重合性化合物:ラウリルアクリレート 24.9質量部
重合性化合物:テトラエチレングリコールジアクリレート 29.0質量部
重合性化合物:A−400(ポリエチレングリコールジアクリレート 新中村化学工業製) 25.0質量部
変性シリコーンオイル:SDX−1843(ADEKA社製) 0.1質量部
光重合開始剤:イルガキュア907(BASFジャパン社製) 5.0質量部
増感剤:イソプロピルチオキサントン 2.0質量部
金属顔料分散液B 14.0質量部。
(UV硬化性イエローインク2の調製)
上記UV光沢インクBの調製において、金属顔料分散液Bに替えて、イエロー顔料分散液2を添加した他は同様にして、UV硬化性イエローインク2を調製した。
(UV硬化性マゼンタインク2の調製)
上記UV光沢インクBの調製において、金属顔料分散液Bに替えて、マゼンタ顔料分散液2を添加した他は同様にして、UV硬化性マゼンタインク2を調製した。
(UV硬化性シアンインク2の調製)
上記UV光沢インクBの調製において、金属顔料分散液Bに替えて、シアン顔料分散液2を添加した他は同様にして、UV硬化性シアンインク2を調製した。
(UV硬化性ブラックインク2の調製)
上記UV光沢インクBの調製において、金属顔料分散液Bに替えて、ブラック顔料分散液2を添加した他は同様にして、UV硬化性ブラックインク2を調製した。
(記録方法10 本発明)
実施例1の記録方法1において、各記録ヘッドに供給されるインクを、下記のように変えた他は同様にして画像を形成して評価した。
記録ヘッドG1、G2:UV硬化性光沢インクB
記録ヘッドY:UV硬化性イエローインク2
記録ヘッドM:UV硬化性マゼンタインク2
記録ヘッドC:UV硬化性シアンインク2
記録ヘッドK:UV硬化性ブラックインク2
(記録方法11 比較例)
上記記録方法10において、インクジェットプリンタ1のキャリッジに記録ヘッドとUV照射装置を、配置例1に代えて、図3(b)に示した配置例2のように配置した他は同様にして画像を記録し、評価した。
(記録方法12 比較例)
上記記録方法10において、インクジェットプリンタ1のキャリッジに記録ヘッドとUV照射装置を、配置例1に代えて、図3(c)に示した配置例3のように配置した他は同様にして画像を記録し、評価した。
(記録方法13 本発明)
上記記録方法10において、インクジェットプリンタ1のキャリッジに記録ヘッドとUV照射装置を、配置例1に代えて、図4(d)に示した配置例4のように配置して画像を記録し、評価した。ただし、記録ヘッドG1とG2には記録方法10で用いたUV硬化性光沢インクBを充填し、キャリッジをX方向に走査するときは、記録ヘッドG2は駆動せず記録ヘッドG1、Y、M、C、Kを駆動し、キャリッジをX方向に走査するときは、記録ヘッドG1は駆動せず記録ヘッドG2、K、C、M、Yを駆動し、双方向の走査で印字した。
(記録方法14 比較例)
上記記録方法13において、インクジェットプリンタ1のキャリッジに記録ヘッドとUV照射装置を、配置例4に代えて、図4(e)に示した配置例5のように配置して画像を記録し、評価した。ただし、UV照射装置U3はUV照射装置U1、U2と同等の性能を有し、キャリッジがX方向に走査されるときは、UV照射装置U1は照射せず、UV照射装置U3とU2が照射し、X方向に走査するときは、UV照射装置U2は照射せず、UV照射装置U3とU1が照射した。
上記記録方法10〜14により作成した画像の評価結果を表2に記す。
Figure 2012223958
表2より、最初にUV硬化性光沢インクを印字する場合は、UV硬化性光沢インクに紫外線を照射した後、カラーインクを印字するように、キャリッジ上に記録ヘッドとUV照射装置を配置することにより、画像強度が高くなることが分かる。
1 インクジェットプリンタ1
2 インクジェットプリンタ2
3 キャリッジ
4 UV照射装置
5 ガイドレール
6 記録ヘッド
P 記録媒体
L 光源
H ライトボックス
X 主走査方向(キャリッジの走査方向)
Y 副走査方向(記録媒体の搬送方向)

Claims (6)

  1. UV硬化性光沢インクを吐出する記録ヘッドおよびUV硬化性カラーインクを吐出する記録ヘッドを同時に記録媒体に対し走査し、該記録媒体に前記UV硬化性光沢インクおよびUV硬化性カラーインクを印字するインクジェット記録方法において、1回の走査で、UV硬化性光沢インクの印字、UV照射およびUV硬化性カラーインクの印字を順に行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記UV硬化性光沢インクを吐出する記録ヘッド、前記UV硬化性カラーインクを吐出する記録ヘッド、第1のUV照射装置および第2のUV照射装置をキャリッジに搭載し、該キャリッジを1回走査する過程で、UV硬化性光沢インクの印字、UV照射、UV硬化性カラーインクの印字およびUV照射を順に行うことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記UV硬化性カラーインクを吐出する記録ヘッドが、異なる色のUV硬化性カラーインクを吐出する複数の記録ヘッドからなることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記UV硬化性光沢インクおよび前記UV硬化性カラーインクがラジカル重合性化合物を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記UV硬化性光沢インクおよび前記UV硬化性カラーインクがカチオン重合性化合物を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記1回の走査で、前記UV硬化性光沢インクの印字の前に、更にUV硬化性カラーインクの印字および照射量50mJ/cm以上のUV照射を順に行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
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