JP2012223787A - 攪拌フィードシュー及び粉体圧縮成形機 - Google Patents

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Abstract

【課題】攪拌フィードシュー内での粉体の流動性を改善すること、並びに臼孔内への粉体の充填性の改善及び攪拌フィードシューと回転盤の盤面との間からの粉体漏れを防止する。
【解決手段】臼孔を有する少なくとも一つの臼と、この臼の上下にそれぞれ上下摺動可能に保持された上杵及び下杵と、これら上杵及び下杵を利用して臼孔内に充填された粉体を圧縮成形する粉体圧縮機構とを備える粉体圧縮成形機に備えられる攪拌フィードシューFにおいて、回転して粉体を攪拌する攪拌羽根F12と、この攪拌羽根F12を収容するハウジングF2と、このハウジングF2内に気体を流通させるための気体流通手段F6とを有する構成を採用する。
【選択図】図5

Description

本発明は、粉体を圧縮して錠剤、食品、又は電子部品等を成形するための粉体圧縮成形機に用いられ、粉体を攪拌して臼孔内に充填する攪拌フィードシュー、及びこのような攪拌フィードシューを備えた粉体圧縮成形機に関する。
従来より、粉体の臼への充填を均一化するために、粉体を攪拌して臼に供給する攪拌フィードシューを備えた粉体圧縮成形機が知られている。攪拌フィードシューは、互いに反対方向に回転する攪拌羽根をハウジング内に収納し、そのハウジング内で粉体を攪拌しながら、攪拌羽根の下を通過する各臼に粉体を充填して、各臼毎に均等な充填量となるようにするものである。前記攪拌羽根は、回転盤から浮いた状態で回転するように、ハウジング内に取り付けてある(例えば、特許文献1を参照)。
しかして、特に粒子が細かい粉体を臼孔内に充填する際には、粉体が塊になる等して粉体の流動性が低くなる場合があり、そのため、臼孔内に粉体の充填性が悪くなるという問題や、ハウジング内の回転盤の回転方向下流側に粉体がたまり、攪拌フィードシューと回転盤の盤面との間から粉体が漏れるという問題があった。
登録実用新案公報第3052283号
本発明は以上の点に着目し、攪拌フィードシュー内での粉体の流動性を改善すること、並びに臼孔内への粉体の充填性の改善及び攪拌フィードシューと回転盤の盤面との間からの粉体漏れを防止することを目的とする。
すなわち、本発明に係る攪拌フィードシューは、臼孔を有する少なくとも一つの臼又はテーブルと、この臼の上下にそれぞれ上下摺動可能に保持された上杵及び下杵と、これら上杵及び下杵を利用して臼孔内に充填された粉体を圧縮成形する粉体圧縮機構とを備える粉体圧縮成形機に備えられる攪拌フィードシューであって、回転して粉体を攪拌する攪拌羽根と、前記攪拌羽根を収容するハウジングと、このハウジング内に気体を流通させるための気体流通手段とを有することを特徴とする。
このようなものであれば、前記気体流通手段によってハウジング内に気体を流通させることにより、粉体はハウジング内の気体の流れによっても攪拌される。従って、粉体の流動性がさらに改善し、臼孔内への粉体の充填性を改善でき、また、攪拌フィードシューと回転盤の盤面との間からの粉体漏れを防止できる。さらに、気体をハウジング内に流通させることにより、攪拌羽根の回転がスムーズになり、攪拌羽根の回転だけでは流動しない粉体をも流動させられる。
ここで、本発明の「テーブル」は、臼孔を備えた臼を配置してなるものでもよく、臼孔として機能する孔を直接穿設するものでもよい。
気体流通手段は、ハウジング内に気体を流通させるものであればどのようなものであってもよいが、ハウジング内、又はハウジング内及び粉体供給機構の領域内で気体を循環させハウジング内に気体を流通させる構成が好ましい。
また、ハウジング内に気体を常に流通させる必要はなく、臼孔内への粉体の充填性を確認しながら、又は所定時間ごとに気体をハウジング内に流通させてもよい。
また、このような攪拌フィードシューを簡単な構成で実現するための構成の一例として、前記気体流通手段が、前記ハウジング内において、気体を上方に送り出すための第1の気体流通用羽根と、この第1の気体流通用羽根を介して送り出された気体を流通させるための気体経路と、この気体経路内を流通した気体を下方に送り出すための第2の気体流通用羽根とを備えるものが挙げられる。このような構成であれば、前記ハウジング内、又は前記ハウジング内及び粉体供給機構の領域内において気体が循環し、粉体の流動性を改善できる。
また、このような攪拌フィードシューにおいて、ハウジング内に外部から気体を導入させるための具体的な構成の一例として、ハウジング内に流通させるための気体を外部から供給するための気体供給路と、この気体供給路から前記ハウジング内に気体を導入するための吹出孔部とを備えるものが挙げられる。
さらに、前記ハウジング内の圧力変化による粉体の臼孔内への充填性への影響を抑制するための構成の一例として、前記ハウジング内の圧力を検知するための圧力センサと、この圧力センサから出力される圧力信号の入力を受け付け前記ハウジング内の圧力を調節するための圧力制御機構とを備えるものが挙げられる。粉体供給部から前記ハウジング内に粉体が供給されると、前記ハウジング内の圧力が変化するが、上述した圧力制御機構により前記ハウジング内の圧力を調節すれば、ハウジング内の圧力を所定範囲内に保つことができる。
そして、上述したような攪拌フィードシューを備えている粉体圧縮成形機であれば、粉体の流動性がさらに改善し、臼孔内への粉体の充填性を改善でき、また、攪拌フィードシューと回転盤の盤面との間からの粉体漏れを防止できる。さらに、気体をハウジング内に流通させることにより、攪拌羽根の回転がスムーズなものになり、攪拌羽根の回転だけでは流動しない粉体をも流動させられる。
なお、本発明において、「粉体」とは、微小個体の集合体を示す概念であり、いわゆる顆粒等の粒体の集合体と、粒体より小なる形状の粉末とを含む。
本発明の攪拌フィードシューの構成によれば、ハウジング内部の粉体の流動性がさらに改善されるので、臼孔内への粉体の充填性を改善でき、また、攪拌フィードシューと回転盤の盤面との間からの粉体漏れを防止できる。
本発明の第一の実施形態に係る粉体圧縮成形機の全体構成を示す断面図。 同実施形態の攪拌フィードシューの取付状態を拡大して示す一部省略平面図。 同実施形態の攪拌フィードシューを示す全体斜視図。 同実施形態の攪拌フィードシューを示す平面図。 図4におけるx−x断面図。 同実施形態の攪拌フィードシューの気体流通用羽根を示す斜視図。 同実施形態の攪拌フィードシューの容積調整板を示す斜視図。 同実施形態の攪拌フィードシューの底板を示す平面図。 本発明の第二の実施形態に係る攪拌フィードシューの要部を示す断面図。 本発明の他の実施形態に係る制御装置の機能ブロック図。 本発明の他の実施形態に係る制御装置が行う制御の手順を示すフローチャート。
本発明の第一の実施形態について、図1〜図8を参照しつつ以下に述べる。
図1及び図2に示す回転式粉体圧縮成形機0は、立シャフト1を介してフレーム2内にテーブルたる回転盤3を水平回転可能に配置し、その回転盤3にそれぞれ臼孔4を有する少なくとも一つの臼を所定のピッチで設けるとともに、各臼孔4の上下に上杵5及び下杵6を上下摺動可能に保持させてある。また、この回転式粉体圧縮成形機0は、これら上杵5及び下杵6を利用して臼孔4内に充填された粉体を圧縮成形する粉体圧縮機構8を備える。さらに、この回転式粉体圧縮成形機0は、臼孔4内に粉体を充填する粉体投入機構7を備えている。この粉体投入機構7は、回転盤3の上方から回転盤3の盤面31に向けて粉体が供給されるように取り付けてある。この粉体投入機構7の下端には、粉体を臼孔4に充填する攪拌フィードシューFが配置してある。この攪拌フィードシューFは、回転盤3の盤面31に対し下方向に押しつけるようにして配置してある。
ここで、フレーム1、立シャフト2、回転盤3、臼孔4、上杵5及び下杵6、さらには上下杵5、6を案内するための機構、成形品を取り出す機構、立シャフト2を回転させるための機構等は、基本的にはこの分野でよく知られたものと同様のものであるので、詳細な説明を省略する。
粉体投入機構7は、図1に示すように、ホッパ71aに供給された粉体を攪拌フィードシューFに案内する。粉体投入機構7は、粉体供給機構71を備える。粉体供給機構71は、ホッパ71a内の粉体をシュータ71bに供給する機構である。粉体供給機構71には、例えば、着脱できるモータ71fを備える定量供給装置71eが挙げられる。定量供給装置71eはモータ71fにより羽根を回転させて粉体をホッパ71aからシュータ71bに供給する装置である。ホッパ71aは、定量供給装置71eを介してシュータ71bに連通し、シュータ71bの上端側に位置する。シュータ71bは、ホッパ71aから排出された粉体を攪拌フィードシューFまで案内する。ここで、シュータ71bの中間部には、このシュータ71b内における粉体の流動性を改善すべく、このシュータ71bの外部に連通する第1の空気抜き孔71cを設けている。また、シュータ71bの上方には、このシュータ71bの内部と外部とを連通する第2の空気抜き孔71dを設けている。さらに、シュータ71bの外方には、該シュータ71bの延伸方向に沿って移動可能であり、粉体の通過を検知するためのセンサである通過センサ72を設けている。
さらに、粉体圧縮機構8も、基本的にはこの分野でよく知られたものと同様のものである。すなわちこの粉体圧縮機構8は、図1に示すように、予圧ロール対を構成する予圧上ロール81及び予圧下ロール82と、本圧ロール対を構成する本圧上ロールと本圧下ロール(それぞれ図示しない)とを有し、上杵5と下杵6とのそれぞれの先端を臼孔4に挿入した状態で、予圧上ロール81と予圧下ロール82との間、及び前記本圧上ロールと本圧下ロール(それぞれ図示しない)との間をこの順序で通過させることにより、臼孔4内に充填した粉体を圧縮成形する。この粉体圧縮機構8を構成するそれぞれの上ロール及び下ロールは、立シャフト2を中心として回転盤3の上下位置に配設している。そして、上杵5と下杵6とのそれぞれの先端を臼孔4に挿入した状態で、予圧上ロール81と予圧下ロール82との間、及び前記本圧上ロールと本圧下ロールとの間をこの順序で通過させることにより、臼孔4内に充填した粉体を圧縮成形する。
攪拌フィードシューFは、臼孔4及び下杵6で設けられる空間へ粉体の充填を行う。充填された粉体は、擦り切り板F5で擦り切られた後、上述のように上杵5と下杵6とで圧縮成形される。
しかして本実施形態では、攪拌フィードシューFは、図2〜図8に示すように、相互に反対方向に回転して粉体を回転盤3上において攪拌する一対の攪拌羽根F1と、それらの攪拌羽根F1を収容するハウジングF2とを備える。
攪拌羽根F1は、図4及び図5に示すように、中央の取付フランジF1aから放射状に例えば12本の同じ長さの羽根F1bが延出する構造である。それぞれの羽根F1bは、回転方向に向いて上方向に傾斜する攪拌面F1cを有する。したがって、左右の攪拌羽根F1は、対称形をしている。これらの攪拌羽根F1は、図示しないモータから図示しない歯車列を介して駆動力の伝達を受けるギアF1dにより駆動され、ハウジングF2を構成するハウジング本体F3とハウジング本体F3の下面に取り付けられる底板部材F4とで形成される底部空間内に収容してある。攪拌羽根F1は、攪拌フィードシューFの長手方向の略中央部で、回転した場合に互いに衝突しないようにしてその先端部分が重なりあうように配置してある。また、各攪拌羽根F1は、後述するハウジングF2の底板部材F4の底板F4a上面から浮いた状態、つまり攪拌羽根F1の下面と底板F4a上面との間に間隙をあけて取り付けてある。以下、対をなす攪拌羽根F1のそれぞれを区別せず示す際には、単に「攪拌羽根F1」と称する。また、回転盤3の回転方向下流側の攪拌羽根F1のみを示す際には「第1の攪拌羽根F11」、回転盤3の回転方向上流側の攪拌羽根F1のみを示す際には「第2の攪拌羽根F12」とそれぞれ称する。
ハウジングF2は、図4及び図5に示すように、ハウジング本体F3の底部に底板部材F4を、ボルトF21で着脱可能に固定して組み立ててある。このボルトF21は、ハウジング本体F3の上側からハウジング本体F3を貫通して底板部材F4に達するもので、その先端は底板部材F4の下面から突出しない。ハウジング本体F3は、図3〜図8に示すように、上半部分に駆動用のギアF1dを収容する第1収容部F3aが、下半部分には攪拌羽根F1を収容する第2収容部F3bがそれぞれ形成してある。また、ハウジング本体F3には、第2収容部F3bが粉体投入機構7と連通するように、第1収容部F3aを回避する上面に粉体投入口F3cが設けてある。第2収容部F3bは、攪拌羽根F1の外径より大きい内法をしている。また、第2収容部F3bの内部における攪拌羽根F1の上方には容積調整板F31を設けていて、この容積調整板F31と底板部材F4との間の空間に攪拌羽根F1、及びこの攪拌羽根F1により攪拌される粉体が収容される。
一方、底板部材F4は、図8に示しように、平板な皿形状をしており、第2収容部F3bの下側開口の大部分を閉塞するものである。この底板部材F4には、攪拌フィードシューFが所定取付位置に取り付けられた際に臼孔4の通過経路となる部位に、円弧状の溝部F4bが設けてある。また、この溝部F4bには、その終端側に臼孔に充填された粉体を擦り切るための擦り切り板F5が設けてある。
しかして本実施形態では、図4及び図5に示すように、ハウジングF2内に気体を流通させるための気体流通手段F6をさらに備えている。
気体流通手段F6は、図4及び図5に示すように、第1の攪拌羽根F11を枢支する軸F1eに支持させてなり前気体、本実施形態では空気を第1の攪拌羽根F11の上方に送り出すための第1の気体流通用羽根F61と、この第1の気体流通用羽根F61を介して送り出された空気を第2の攪拌羽根F12近傍に流通させるための気体経路F62と、第2の攪拌羽根F12を枢支する軸F1eに支持させてなり気体経路F62内を流通した空気を下方に向けて第2の攪拌羽根F12近傍に送り出すための第2の気体流通用羽根F63とを備えている。ここで、第2の気体流通用羽根F63は、第1の気体流通用羽根F61よりも回転盤3の回転方向上流側に設けている。
第1の気体流通用羽根F61は、上述したように第1の攪拌羽根F11を枢支する軸F1eに支持させてなる。また、この第1の気体流通用羽根F61は、図6に示すように、回転方向に向いて上方向に傾斜する攪拌面F61aと、軸F1eを挿し通すための軸挿通孔F61bとを有する。この気体流通用羽根F61は、第1の攪拌羽根F11と同期回転することにより、該第1の攪拌羽根F11近傍に達した空気を第1の攪拌羽根F11の上方、より具体的には容積調整板F31の上方に導く。また、図6には第1の気体流通用羽根F61のみを示しているが、第2の気体流通用羽根F63も、第1の気体流通用羽根F61と同一の構成を利用できる。つまり、第2の気体流通用羽根F63には、第1の気体流通羽根F61の上下反転させたものを利用できる。第2の気体流通用羽根F63は、第2の攪拌羽根F12を枢支する軸F1eに支持させてなる。また、この第2の気体流通用羽根F63は、第2の攪拌羽根F12と同期回転する。換言すれば、この第2の気体流通用羽根F63は、第1の気体流通用羽根F61と同一の速度で逆方向に回転する。すなわち、この第2の気体流通用羽根F63は、回転方向に向いて下方向に傾斜する攪拌面F63aと、軸F1eを挿し通すための軸挿通孔F63bとを有する。この第2の気体流通用羽根F63は、第1の気体流通用羽根F61と同一の回転速度で逆方向に回転することにより、第1の攪拌羽根F11近傍に達した後気体経路F62内を回転盤3の回転方向と逆方向に向けて流通した空気を下方に向けて第2の攪拌羽根F12近傍に導く。
なお、第1の攪拌羽根F11と第2の攪拌羽根F12は、回転速度が異なっていてもよく、また、回転方向が同一であってもよい。第1の攪拌羽根F11と第2の攪拌羽根F12が同一方向に回転する場合は、第1の気体流通用羽根F61と第2の気体流通用羽根F62の形状は同一ではなく、同様の作用効果を奏する形状となる。
気体経路F62は、図4、図5及び図7に示すように、本実施形態では容積調整板F31を利用して形成している。さらに詳述すると、容積調整板F31には、図7に示すように、一対の攪拌羽根F1を枢支する軸F1eを挿通させるための孔F31aを設け、これらの孔F31a間の部位に上方に開口する凹溝F31bを備える。そして、この凹溝F31bの溝底とハウジング本体F3との間の空間を気体経路F62とする。
また、本実施形態では、ハウジングF2内に空気を導入するための空気導入部F81、及びハウジングF2内から空気を排出するための空気排出部F82をさらに備える。
空気導入部F81は、図8に示すように、底板部材F4の第2の攪拌羽根F12近傍の部位に空気を下方から吹き出すための吹出孔部F81aと、吹出孔部F81aに向けて空気を外部から供給するための空気供給路F81bとを備える。
吹出孔部F81aは、多孔質の板状部材を利用して形成していて、この吹出孔部のF81a下方から上方に向けて空気が流通できる。
気体供給路F81bは、本実施形態では図示しない空気ポンプから気体注入口F81cを介して空気の供給を受け、供給を受けた空気を吹出孔部F81a下方に導入する管路である。
一方、空気排出部F82は、シュータ71b、及び該シュータ71bに設けた第1の空気抜き孔71cを利用して形成している。なお、空気排出部F82の設ける位置は、どの位置であってもよい。また、空気排出部F82は、ハウジング本体F3の上面に設けてもよく、底板部材F4より上方に設けることが好ましい。
そして、本実施形態では、第2の攪拌羽根F12近傍は第2の気体流通用羽根F63による気流の影響により正圧となるのに対して、第1の攪拌羽根F11近傍は第1の気体流通用羽根F61による気流の影響により負圧となるので、気体経路F62において、第2の攪拌羽根F12近傍から第1の攪拌羽根F11近傍への回転盤3の回転方向と逆方向に向かう気体の流れが発生する。すなわち、本実施形態の気体流通手段F6が作動することにより、第1の攪拌羽根F11近傍→第1の気体流通用羽根F61→気体経路F62→第2の気体流通用羽根F63→第2の攪拌羽根F12近傍→第1の攪拌羽根F11近傍の順に空気が流れる。換言すれば、ハウジングF2内を空気が循環する。
以上に述べたように、本実施形態によれば、気体流通手段F6によってハウジングF2内に空気を流通させることにより、粉体は攪拌羽根F1の回転に加えてハウジングF2内の空気の流れによっても攪拌される。従って、粉体の流動性がさらに改善し、臼孔4内への粉体の充填性を改善でき、また攪拌フィードシューFと回転盤3の盤面31との間からの粉体漏れを防止できる。さらに、気体をハウジングF2内に流通させることにより、攪拌羽根F1の回転がスムーズになり、攪拌羽根F1の回転だけでは流動しない粉体をも流動させられる。
また、気体流通手段F6が、ハウジングF2内において気体を循環させるものであるので、フィードシューF内の粉体の流動性がさらに向上し、臼孔4内への粉体の充填性を改善でき、また攪拌フィードシューFと回転盤3の盤面31との間からの粉体漏れを防止できる。
加えて、ハウジングF2内で粉体は回転盤3の回転の下流方向にたまるのに対し、この気体流通手段6により、気体経路F62において、空気を回転盤3の回転の逆方向、すなわち回転盤3の回転の下流側から上流側に向かう方向に流通させることで、さらに効果的に粉体の流通性を改善できる。なお、上述とは逆方向に循環させることによっても粉体の流動性を改善できる。
さらに、気体流通手段F6が、空気をハウジングF2内における攪拌羽根F1の上方に送り出すための第1の気体流通用羽根F61と、この第1の気体流通用羽根F61を介して送り出された空気を流通させるための気体経路F62と、気体経路F62内を流通した空気を下方に送り出し攪拌羽根F1近傍に導くための第2の気体流通用羽根F63とを備えているので、このような攪拌フィードシューFを簡単な構成で実現できる。
なお、本発明は上述した実施形態に限らず、種々に変形してよい。
例えば、第二の実施形態として、以下に述べるものが考えられる。この実施形態では、第一の実施形態における容積調整板F31を省略し、以下に述べるような気体流通手段F6を設ける。なお、以下の説明において、第一の実施形態におけるものに対応する部位には、同一の名称及び符号を付している。すなわち、図9に示すように、ハウジングF2の内部と外部とを連通する第1及び第2の空気流通口F91、F92を設けるとともに、これら第1及び第2の空気流通口F91、F92を図示しないチューブ等を利用して形成した気体経路F64により連通させ、この気体経路F64内において、回転盤3の回転方向下流側に位置する第1の空気流通口F91から回転盤3の回転方向上流側に位置する第2の空気流通口F92に向けて空気を流通させる構成の気体流通手段F6を形成する。この気体流通手段F6は、第一の実施形態における第1の気体流通用羽根F61を利用してハウジングF2内から第1の空気流通孔F91を経て気体経路F64に空気を導くとともに、第一の実施形態における第2の気体流通用羽根F63を利用して気体経路F64から第2の空気流通孔F92を経てハウジングF2内に空気を導き、空気を循環させる。なお、気体経路F64中に、モータにより駆動される気体流通促進羽根等の気体流通促進手段を設けてハウジングF2内における空気の流通を促進するようにしてもよい。また、上述とは逆方向に空気を循環させることによっても粉体の流動性を改善できる。
その他、第1又は第2の空気流通口F91、F92に替えて上述した実施形態における空気排出部F82を用いて、空気排出部F82から排出される空気をハウジングF2内に戻すようにして空気を循環させるようにしてもよい。これにより、空気排出部F82から粉体が漏れることも防止できる。
さらに、上述したような攪拌フィードシューF内での気体循環を利用したもの以外に、攪拌フィードシューのハウジング内に空気等の気体を導入するための気体導入手段と、攪拌フィードシューのハウジング内から空気等の気体を排出するための気体排出手段とを備え、前記気体導入手段の気体吹き出し口から前記気体排出手段の気体排出口への気体の流れを利用する気体流通手段を採用してもよい。このようなものの一例として、第一の実施形態における容積調整板F31を省略し、気体導入手段として上述した実施形態における空気導入部F81、気体排出手段として上述した実施形態における空気排出部F82を利用したものが挙げられる。
また、このような攪拌フィードシューFにおいて内部の粉体の状態を安定させるための構成として、ハウジングF2内の圧力を検知するための圧力センサF7と、この圧力センサF7から出力される圧力信号の入力を受け付けハウジングF2内の圧力を調節する圧力制御機構F8とを備える構成のものがある。
この圧力制御機構F8は、図10に示すように、空気導入部F81と、この空気導入部F81を介してハウジングF2内へ導入する空気の流量を制御するための流量制御弁F83と、空気排出部F82と、この空気排出部F82によりハウジングF2から空気を排出するための吸引装置F84と、空気導入部F81からハウジングF2内に導入する空気の量を制御する導入量制御手段及び第1の空気抜き孔71cからハウジングF2内の雰囲気を吸い込む吸引力を制御する吸引力制御手段を備えた制御装置F85と、この制御装置F85からハウジングF2内の内部圧力が異常であることを示す作動停止信号が出力された際にこの作動停止信号を受け付けてハウジングF2内の内部圧力が異常であることを視認可能に表示する表示装置F86とを有し、前記圧力センサF7により測定したハウジングF2内の内部圧力に基づいて、導入量制御手段及び吸引力制御手段により導入量及び吸引力を制御することにより、ハウジングF2内の内部圧力を制御する。なお、この構成において用いられる気体は、空気に限定されず、窒素、酸素、不活性ガスなどどのような気体であってもよい。
前記制御装置F85は、図示は省略するが、中央演算処理装置と、記憶装置と、入力インターフェースと、出力インターフェースとを備えるコンピュータシステムを主体に構成される。中央演算処理装置は、記憶装置に格納された圧力制御プログラムを実行して、前記吸引力測定手段及び吸引力制御手段として機能することによりハウジングF2内の圧力を調節するための制御を行う。具体的には、圧力センサF7からの信号を入力インターフェースを介して中央演算処理装置に受け付けるとともに、中央演算処理装置は出力インターフェースを介して制御のための信号を前記流量制御弁F83及び吸引装置F84に出力する。
圧力制御プログラムを実行することにより制御装置F85が行う制御の手順を、フローチャートである図11を参照しつつ、以下に説明する。なお、圧力制御プログラムは、粉体圧縮成形機0が運転中に常時実行される。
まず、ステップS1では、ハウジングF2内の内部圧力を測定する。すなわち、圧力センサF85からハウジングF2内の内部圧力を示す入力信号を受け付ける。次に、ステップS2では、ハウジングF2内の内部圧力が第一の所定範囲に含まれる値か否かを制御装置が判定する。ステップS2において、ハウジングF2内の内部圧力が第一の所定範囲に含まれる値であると判定した場合は、ハウジングF2内の内部圧力が正常であるので、ステップS1に戻る。
これに対して、ステップS2において、ハウジングF2内の内部圧力が第一の所定範囲に含まれないと判定した場合は、ステップS3において、ハウジングF2内の内部圧力が第二の所定範囲に含まれる値か否かを判定する。
ここで、第二の所定範囲は、その上限が第一の所定範囲の上限より高圧側、その下限が第一の所定範囲の下限より低圧側であり、第一の所定範囲、及び第一の所定範囲へ修正可能な範囲を含む。その範囲は任意に設定する値により決定できる。
ステップS3において、ハウジングF2内の内部圧力が第一の所定範囲に含まれず第二の所定範囲に含まれると判定した場合、ステップS4において、導入量制御手段及び吸引力制御手段が流量制御弁F83及び吸引装置F84を制御して、ハウジングF2内の内部圧力が第一の所定範囲に含まれる値になるようにハウジングF2内部への空気流量及び吸引装置の吸引力を調整する。
一方、ステップS3において、ハウジングF2内の内部圧力が第二の所定範囲に含まれないと判定した場合は、ステップS5において、制御装置F85は、ハウジングF2内の内部圧力が異常であるとして作動停止信号を出力する。
粉体供給部7からハウジングF2内に粉体が供給されると、ハウジングF2内の圧力が変化する。攪拌フィードシューFが、このような構成であれば、ハウジングF2内の圧力を検知するための圧力センサF7と、この圧力センサF7から出力される圧力信号の入力を受け付けハウジングF2内の圧力を調節するための圧力制御機構F8とを備えているので、この圧力制御機構F8によりハウジングF2内の圧力を調節し、ハウジングF2内の圧力を所定範囲内に保つことができる。従って、ハウジングF2内の圧力変化による粉体の臼孔内への充填性への影響が抑制できる。
ここで、上述した態様の攪拌フィードシューにおいて、気体排出手段たる空気排出部F82の第1の空気抜き孔71cと、気体導入手段たる空気導入部F81の気体注入口F81cとの間を接続することで、粉体投入口F3cを経てハウジングF2外に排出された空気が、シュータ71b内から第1の空気抜き孔71cを経て気体注入口F81cに還流するようにしてもよい。
また、上述した各実施形態において、攪拌羽根は1枚のみ設けてもよく、逆に3枚以上設けてもよい。加えて、攪拌羽根の形状もどのような形状であってもよい。
さらに、気体流通手段により流通させる気体は、空気に限らず、窒素ガス等、他の気体であってもよい。気体は粉体の種類、作用効果に応じて適宜選択できる。また、上述した第一の実施形態における通過センサ72に替えて、粉体の流量を検知する流量センサを設けてもよい。
そして、上述した実施形態のように気体を循環させる態様の気体流通手段に替えて、ハウジング内部に空気を導入する気体導入口から気体をハウジング外部に排出する気体排出口へ向かう気体の流れのみを利用した気体流通手段を採用してもよい。このような気体流通手段として、例えば、送風機、冷風機、又は温風機等が挙げられる。
加えて、上述した実施形態のような回転盤に臼を配した回転式粉体圧縮成形機だけでなく、回転式でない粉体圧縮成形機に本発明を適用してももちろんよい。
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変形してよい。
0…粉体圧縮成形機
F…攪拌フィードシュー
F1…攪拌羽根
F2…ハウジング
F6…気体流通手段

Claims (5)

  1. 臼孔を有する少なくとも一つの臼と、この臼の上下にそれぞれ上下摺動可能に保持された上杵及び下杵と、これら上杵及び下杵を利用して臼孔内に充填された粉体を圧縮成形する粉体圧縮機構とを備える粉体圧縮成形機に備えられる攪拌フィードシューであって、
    回転して粉体を攪拌する攪拌羽根と、
    前記攪拌羽根を収容するハウジングと、
    このハウジング内に気体を流通させるための気体流通手段とを有することを特徴とする攪拌フィードシュー。
  2. 前記気体流通手段が、前記ハウジング内において、気体を上方に送り出すための第1の気体流通用羽根と、この第1の気体流通用羽根を介して送り出された気体を流通させるための気体経路と、この気体経路内を流通した気体を下方に送り出すための第2の気体流通用羽根とを備えている請求項1記載の攪拌フィードシュー。
  3. 前記ハウジング内に流通させるための気体を外部から供給するための気体供給路と、この気体供給路から前記ハウジング内に気体を導入するための吹出孔部とを備えている請求項1又は2記載の攪拌フィードシュー。
  4. 前記ハウジング内の圧力を検知するための圧力センサと、この圧力センサから出力される圧力信号の入力を受け付け前記ハウジング内の圧力を調節するための圧力制御機構とを備えている請求項1、2又は3記載の攪拌フィードシュー。
  5. 請求項1、2、3又は4記載の攪拌フィードシューを備えていることを特徴とする粉体圧縮成形機。
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