JP2012223121A - 加熱処理卵黄の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】乳化力を低下させることなく、生臭さ(臭味)を抑え、好ましい卵黄風味・コク味を強化した卵黄類、及びそれを使用した加工食品を提供すること。
【解決手段】卵黄類を水分含量10〜55質量%、pH4〜6となるように調整し、40〜70℃で10分〜10時間加熱処理することを特徴とし、好ましくは上記卵黄類として加塩卵黄又は加糖卵黄を使用する加熱処理卵黄の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は乳化力を低下させることなく、生臭さ(臭味)を抑え、好ましい卵黄風味・コク味を強化した加熱処理卵黄の製造方法に関する。
卵黄は特有の風味やコク味に加え、乳化力、熱凝固性といった様々な機能面での特徴を有しているため、従来よりマヨネーズ、カスタードクリーム、ベーカリー製品、洋菓子等の各種加工食品の原料として広く利用されてきた。このような加工食品原料として利用する場合、用途により求められる物性や機能が異なるため、卵黄に種々の加工を施すことが行われている。
例えば、卵黄の保存性を維持させるために糖類や塩類を高濃度に添加した加糖卵黄や加塩卵黄、また、卵黄の熱凝固性を失わせた酵素処理卵黄(例えば特許文献1,2)、或いは卵黄を乾燥した乾燥卵黄(例えば特許文献3,4)等が知られ、広く利用されている。
一方で、卵黄特有の風味やコク味を強化する試みも行われている。卵黄の風味・コク味は様々な食品と相性が良く、消費者にとても好まれるものであることから、卵黄の生臭さ(臭味)を抑えながら好ましい卵黄風味やコク味を強化すべく、種々の検討が行われてきた。例えば、特許文献5では、卵黄液を65℃以上70℃未満の温度で5分間以上保持してなる加熱半変性卵黄について開示されており、特許文献6では、卵黄原料に加水し酸性条件下60〜80℃で加熱することを特徴とする加工卵黄含有物について開示されている。しかし、特許文献5に記載の加熱半変性卵黄では、乳化力の向上に主眼が置かれており、コク味が十分ではなく、また、特許文献6に記載の加工卵黄含有物は、乳化力を失っているために非常に用途が限定されたものであった。このように、良好な乳化力を維持したまま卵黄風味とコク味の両方を強化することは難しく、これらをすべて満たす卵黄が強く求められていた。
また、卵黄の優れた乳化力を利用した加工食品としてはマヨネーズが知られている。マヨネーズは調味料としてサラダ等に使用され、良好な卵黄風味・コク味が特に求められるものである。マヨネーズの卵黄風味・コク味を強化するための試みも知られている(例えば特許文献7、8)が、添加物や油脂の配合によるアプローチが主であり、これまで卵黄そのものの卵黄風味・コク味強化による試みは十分になされていなかった。
特開平11−221049号公報 特開2005−52052号公報 特開平5−146276号公報 特開2009−131218号公報 特開平9−172951号公報 特開2006−180752号公報 特開2005−261233号公報 特開2001−231492号公報
従って、本発明の目的は、乳化力を低下させることなく、生臭さ(臭味)を抑え、好ましい卵黄風味・コク味を強化した卵黄類、及びそれを使用した加工食品を提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決すべく種々検討した結果、卵黄類を弱酸性条件下、卵黄タンパク質の凝固点を越えない温度で処理した場合、乳化力を失うことなく臭味を抑え、卵黄風味とコク味が大きく増強されることを見出した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、卵黄類を水分含量10〜55質量%、pH4〜6となるように調整し、40〜70℃で10分〜10時間加熱処理することを特徴とする加熱処理卵黄の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、上記製造方法で得られた加熱処理卵黄、及び該加熱処理卵黄を含有する加工食品を提供するものである。
本発明によれば、乳化力を低下させることなく、臭味を抑え、好ましい卵黄風味・コク味を強化した卵黄類を得ることができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳述する。
本発明の加熱処理卵黄の製造方法においては、卵黄類を水分含量10〜55質量%、pH4〜6となるように調整し、次いで、40〜70℃で10分〜10時間加熱処理することにより目的の加熱処理卵黄を得る。
先ず、本発明で使用する卵黄類について説明する。
本発明で原料として使用する卵黄類としては、生卵黄、殺菌卵黄、加塩卵黄、加糖卵黄、卵黄粉末に水を添加しペースト状あるいは溶液状にしたもの等、卵の卵黄そのもの又はその加工品を使用することができる。本発明においては、上述のように卵黄類を水分含量10〜55質量%、pH4〜6となるように調整する必要があることから、上記原料として使用する卵黄類としては、水分含量が55質量%未満のものを使用する。
本発明においては上記卵黄類の中でも、加塩卵黄又は加糖卵黄を使用すること、即ち塩及び/又は糖を含有した卵黄類を使用することが好ましい。
卵黄に添加できる塩としては、無機酸(例えば、塩酸、硫酸、リン酸)とアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム)との塩等を用いることができ、特に、塩化ナトリウム(食塩)、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、及びポリリン酸ナトリウム等の各種のリン酸塩が好ましい。これらの塩の添加量は、卵黄100質量部に対して2〜20質量部、特に5〜15質量部であることが好ましい。また、塩をそのまま卵黄に添加してもよく、塩の水溶液として卵黄に添加してもよい。
一方、卵黄に添加できる糖としては、単糖類(例えば、ブドウ糖、果糖)、オリゴ糖(例えば、スクロース、ラクトース、マルトース)、糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、イノシトール)等を用いることができ、特に、マルチトール、スクロース、マルトースが好ましい。糖の添加量は、卵黄100質量部に対して5〜200質量部、特に50〜150質量部であることが好ましい。また、糖をそのまま卵黄に添加してもよく、糖の水溶液として卵黄に添加してもよい。
また、これらの塩及び/又は糖を卵黄に添加するときには、1種又は2種以上で添加することができる。市販の加塩卵黄、加糖卵黄を使用することももちろん可能である。塩又は糖を含有することにより、卵黄の乳化力を保持したまま、より効果的に臭味を抑え、また保存性を向上させることができる。
上記卵黄類の由来は、鶏、ダチョウ、ガチョウ、アヒル、ウズラ等が挙げられ、特に限定されるものではないが、加工食品に使用した場合により好ましいコクが得られる点で、鶏由来の卵黄類を使用することが好ましい。
次に、本発明における卵黄類のpH調整について説明する。
本発明において、卵黄類のpH調整の際には酸類を使用する。本発明で用いる酸類としては、有機酸及び無機酸のいずれを使用することも可能であるが、本発明ではこれらの中でも、構造内に少なくとも1個以上のカルボキシル基を有し、酸性を呈し、食用の酸として用いられている有機酸を使用することが好ましい。本発明で用いる有機酸としては、食用として供されるものであれば特に限定するものではないが、例えば、1個のカルボキシル基を有する有機酸としては、酢酸、乳酸、プロピオン酸、グルコン酸等が挙げられ、2個以上のカルボキシル基を有する有機酸としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸等が挙げられ、本発明ではこれらの1種又は2種以上を用いることができる。本発明では、これらの有機酸をそのまま又は水に溶解して水溶液として用いてもよいが、有機酸を含有した液状の食材である、例えば、リンゴ酢、ワインビネガー、モルトビネガー、米酢、粕酢等の醸造酢、レモン、かぼす等の柑橘果汁又はこれらの濃縮物等を用いてもよい。
本発明の加熱処理卵黄の製造方法においては、まず、卵黄類に上記酸類及び必要に応じて水を添加して、水分含量が10〜55質量%、pHが4.0〜6.0となるように調整する。これによって、卵黄類は半変性状態となる。このとき、水分含量は15〜50質量%であることがより好ましく、20〜45質量%であることが最も好ましい。また、pHは4.2〜5.8であることがより好ましく、4.3〜5.5であることが最も好ましい。
水分含量が55質量%よりも大きい場合、後の加熱処理工程で卵黄の乳化力が低下しやすく、また10質量%よりも低い場合は非常に粘度が高くなり作業性が悪くなる。なぜ乳化力の保持に水分含量が大きく影響するのか明らかではないが、次のように考えられる。即ち、タンパク質は希釈状態になるほど外部環境の影響を受けて変性しやすいことが知られており、そのため、水分含量が大きくなり希釈されることで、卵黄タンパク質の変性が進み、その結果として乳化力の低下が引き起こされると考えられる。
また、pHが4.0よりも低くなると卵黄タンパク質が完全に変性し乳化力を失ってしまい、pHが6.0よりも大きいと、本発明の効果が得られない。
続いて、上記のようにして水分含量及びpHを調整した卵黄類を加熱する。加熱温度は、40〜70℃、好ましくは40℃〜65℃、さらに好ましくは43〜59℃である。通常、卵黄の熱凝固が始まる温度は約65℃、完全に凝固するのは約70℃とされており、70℃以上に加熱していくと卵黄成分は完全に熱変性して凝固することになる。本発明では、上記pH調整により半変性状態となっている卵黄を凝固点よりも低い温度で加熱することが特徴である。40℃を下回ると風味・コク味を増強する効果が極めて弱く、70℃を超えると熱凝固とともに乳化力を失ってしまう。加熱方法は、特に限定されず、マイクロ波加熱、ジュール加熱、高圧下或いは減圧下での加熱等も可能である。
また、加熱は撹拌しながら行なうことが好ましい。攪拌方法は、原料が均一に分散される方法であれば特に限定されず、ホモミキサー、ホモジナイザー、プロペラ式攪拌機、ニーダー、超音波発振機、振盪式攪拌機、エクストルーダー、ボールミル等の装置を用いることができる。また、撹拌速度も、原料が均一に分散できる条件であれば特に限定されず、撹拌装置の特性により決定することができる。
また、加熱時間は、10分〜10時間、より好ましくは30分〜5時間、最も好ましくは30分〜3時間である。10分間より短い場合は、ほとんど効果が見られない。10時間を超えると、乳化力の低下が起こる場合がある。
このようにして得られた加熱処理卵黄は、必要に応じて酵素処理、再度pH調整等を行い、各種加工食品の原料として用いることができる。
次に、本発明の加工食品について説明する。
本発明の加工食品は、上記製造方法で得られた加熱処理卵黄を含有するものである。加工食品の種類としては、特に限定されるものではないが、例えば、マーガリン、ファットスプレッド、チョコレート、アイスクリーム、ホイップクリーム、マヨネーズ、タルタルソース等が挙げられる。また、本発明の加熱処理卵黄は、良好な乳化性を有するため、水中油型乳化物や油中水型乳化物等の乳化物である加工食品に好ましく使用され、水中油型乳化物が特に好ましい。水中油型乳化物の中でも、マヨネーズ、タルタルソース、乳化型ドレッシング等の酸性水中油型乳化物に特に好適に使用される。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。尚、以下の実施例等において、「15質量%酢酸」は、15質量%酢酸水溶液を意味する。
[実施例1]
鶏由来の生卵黄100質量部に15質量%酢酸15質量部を添加し、pHを4.5に調整した(水分含量52.8質量%)。その後、ミキサーで攪拌しながら50℃まで加熱し、2時間保持し、本発明の加熱処理卵黄Aを得た。
続いて、水52.0質量部、水飴(水分30質量%)10質量部、15質量%酢酸4.8質量部、食塩1.5質量部、グルタミン酸ナトリウム0.2質量部、荒挽き胡椒0.2質量部、加熱処理卵黄A9.2質量部を混合して水相を調製した。別に、菜種サラダ油22.1質量部を油相として準備した。次いで、水相を撹拌しつつ油相を加え、水中油型予備乳化物を得、これをホモゲナイザーにて均質化し、本発明の加工食品であるマヨネーズを得た。
[実施例2]
鶏由来の生卵黄100質量部に食塩12.44質量部を添加、混合し加塩卵黄を得た。続いて15質量%酢酸12.0質量部を添加し、pHを4.5に調整した(水分含量46.8質量%)。その後、ミキサーで攪拌しながら50℃まで加熱し、2時間保持し、本発明の加熱処理卵黄Bを得た。
続いて、15質量%酢酸を4.80質量部から5.04質量部へ、食塩を1.5質量部から0.50質量部へ、卵黄を加熱処理卵黄A9.20質量部から加熱処理卵黄B9.96質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、本発明の加工食品であるマヨネーズを得た。
[実施例3]
鶏由来の生卵黄100質量部に食塩11.67質量部を添加、混合し加塩卵黄を得た。続いて15質量%酢酸5.0質量部を添加し、pHを4.8に調整した(水分含量44.8質量%)。その後、ミキサーで攪拌しながら57℃まで加熱し、2時間保持し、本発明の加熱処理卵黄Cを得た。
続いて、15質量%酢酸を4.80質量部から5.60質量部へ、食塩を1.5質量部から0.57質量部へ、卵黄を加熱処理卵黄A9.20質量部から加熱処理卵黄C9.33質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、本発明の加工食品であるマヨネーズを得た。
[実施例4]
鶏由来の生卵黄100質量部に食塩11.16質量部を添加、混合し加塩卵黄を得た。続いて15質量%酢酸0.40質量部を添加し、pHを5.8に調整した(水分含量43.3質量%)。その後、ミキサーで攪拌しながら67℃まで加熱し、2時間保持し、本発明の加熱処理卵黄Dを得た。
続いて、15質量%酢酸を4.80質量部から5.97質量部へ、食塩を1.5質量部から0.61質量部へ、卵黄を加熱処理卵黄A9.20質量部から加熱処理卵黄D8.92質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、本発明の加工食品であるマヨネーズを得た。
[実施例5]
鶏由来の生卵黄100質量部に食塩11.16質量部を添加、混合し加塩卵黄を得た。続いて15質量%酢酸0.40質量部を添加し、pHを5.8に調整した(水分含量43.3質量%)。その後、ミキサーで攪拌しながら42℃まで加熱し、2時間保持し、本発明の加熱処理卵黄Eを得た。
続いて、15質量%酢酸を4.80質量部から5.97質量部へ、食塩を1.5質量部から0.61質量部へ、卵黄を加熱処理卵黄A9.20質量部から加熱処理卵黄E8.92質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、本発明の加工食品であるマヨネーズを得た。
[実施例6]
鶏由来の生卵黄100質量部に食塩11.28質量部を添加、混合し加塩卵黄を得た。続いて15質量%酢酸1.50質量部を添加し、pHを5.0に調整した(水分含量43.7質量%)。その後、ミキサーで攪拌しながら55℃まで加熱し、4時間保持し、本発明の加熱処理卵黄Fを得た。
続いて、15質量%酢酸を4.80質量部から5.88質量部へ、食塩を1.5質量部から0.60質量部へ、卵黄を加熱処理卵黄A9.20質量部から加熱処理卵黄F9.02質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、本発明の加工食品であるマヨネーズを得た。
[実施例7]
鶏由来の生卵黄100質量部に食塩12.44質量部を添加、混合し加塩卵黄を得た。続いて15質量%酢酸12.00質量部を添加し、pHを4.5に調整した(水分含量46.8質量%)。その後、ミキサーで攪拌しながら50℃まで加熱し、1時間保持し、本発明の加熱処理卵黄Gを得た。
続いて、15質量%酢酸を4.80質量部から5.04質量部へ、食塩を1.5質量部から0.50質量部へ、卵黄を加熱処理卵黄A9.20質量部から加熱処理卵黄G9.96質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、本発明の加工食品であるマヨネーズを得た。
[比較例1]
鶏由来の生卵黄100質量部に食塩14.44質量部を添加、混合し加塩卵黄を得た。続いて15質量%酢酸30.00質量部を添加し、pHを3.5に調整した(水分含量50.9質量%)。その後、ミキサーで攪拌しながら45℃まで加熱し、2時間保持し、加熱処理卵黄Hを得た。
続いて、15質量%酢酸を4.80質量部から3.60質量部へ、食塩を1.5質量部から0.34質量部へ、卵黄を加熱処理卵黄A9.20質量部から加熱処理卵黄H11.56質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、マヨネーズの製造を試みたが、加熱処理卵黄Hは乳化力を失っており、マヨネーズを得ることができなかった。
[比較例2]
鶏由来の生卵黄100質量部に食塩11.67質量部を添加、混合し加塩卵黄を得た。続いて15質量%酢酸5.00質量部を添加し、pHを4.8に調整した(水分含量44.8質量%)。その後、ミキサーで攪拌しながら73℃まで加熱し、2時間保持し、加熱処理卵黄Iを得た。
続いて、15質量%酢酸を4.80質量部から5.60質量部へ、食塩を1.5質量部から0.57質量部へ、卵黄を加熱処理卵黄A9.20質量部から加熱処理卵黄I9.33質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、マヨネーズの製造を試みたが、加熱処理卵黄Iは乳化力を失っており、マヨネーズを得ることができなかった。
[比較例3]
鶏由来の生卵黄100質量部に食塩12.44質量部を添加、混合し加塩卵黄を得た。続いて15質量%酢酸12.00質量部を添加し、pHを4.5に調整した(水分含量46.8質量%)。その後、ミキサーで攪拌しながら35℃まで加熱し、2時間保持し、加熱処理卵黄Jを得た。
続いて、15質量%酢酸を4.80質量部から5.04質量部へ、食塩を1.5質量部から0.50質量部へ、卵黄を加熱処理卵黄A9.20質量部から加熱処理卵黄J9.96質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、加工食品であるマヨネーズを得た。
[比較例4]
卵黄を加熱処理卵黄Aから生卵黄に変更した以外は実施例1と同様にして、マヨネーズを得た。
[比較例5]
鶏由来の生卵黄100質量部に水50質量部、15質量%酢酸15.00質量部を添加し、pHを4.5に調整した(水分含量67.1質量%)。その後、ミキサーで攪拌しながら50℃まで加熱し、2時間保持し、加熱処理卵黄Kを得た。
続いて、15質量%酢酸を4.80質量部から4.68質量部へ、食塩を1.5質量部から0.70質量部へ、卵黄を加熱処理卵黄A9.20質量部から加熱処理卵黄K14.12質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、加工食品であるマヨネーズを得た。
以上の実施例1〜7及び比較例1〜5で得られたマヨネーズについて、下記の評価基準で卵黄風味、コク味及び臭味についてそれぞれ評価を行った。結果を表1及び2に示した。
(評価基準)
・卵黄風味
◎ 非常に良好である。
○ 良好である。
△ あまり卵黄風味が感じられない。
× 卵黄風味が感じられない。
・コク味
◎ 非常に良好である。
○ 良好である。
△ あまりコク味が感じられない。
× コク味が感じられない。
・臭味
◎ 卵黄の生臭さが完全に消えている。
○ 卵黄の生臭さがぼぼ消えている。
△ 卵黄の生臭さが少し感じられる。
× 卵黄の生臭さが強く残っている。
また、実施例1〜7及び比較例1〜5の加熱処理卵黄又は未処理の卵黄について、下記の乳化力試験を行った。結果を表1及び2に示した。
<乳化力試験>
水47.7質量部、食塩2.0質量部、上記実施例1〜7及び比較例1〜5のいずれかの加熱処理卵黄又は生卵黄2.0質量部を混合し、50℃に加温し、これに食酢(酢酸濃度10質量%)8.3質量部を加え、予め50℃に加温しておいた大豆サラダ油を40質量部添加し、Tkホモミキサー(特殊機化工業(株))によって、4000rpm、2分間乳化した。この乳化物を、乳化後即座に100mlメスシリンダーに充填し、3時間静置し、水分離量(離水量)を観察した。観察された水分離量から、下記の評価基準に従って乳化力の評価を行った。
(評価基準)
◎ 乳化力試験において、3時間経過後の水分離量が20〜30mlであった。
○ 乳化力試験において、3時間経過後の水分離量が30〜40mlであった。
△ 乳化力試験において、3時間経過後の水分離量が40ml以上であった。
× 卵黄は完全に乳化力を失っており、乳化力試験に供することができなかった。
Figure 2012223121
Figure 2012223121

Claims (4)

  1. 卵黄類を水分含量10〜55質量%、pH4〜6となるように調整し、40〜70℃で10分〜10時間加熱処理することを特徴とする加熱処理卵黄の製造方法。
  2. 上記卵黄類が加塩卵黄又は加糖卵黄である請求項1に記載の加熱処理卵黄の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法で得られた加熱処理卵黄。
  4. 請求項3記載の加熱処理卵黄を含有する加工食品。
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