JP2012220860A - ポジ型撥液レジスト組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(a1)炭素数4〜6のフルオロアルキル基(炭素原子間にエーテル性酸素原子を有していてもよい)を有するα位置換アクリレート100重量部、(a2)不飽和有機酸40〜80重量部(a3)エポキシ基含有モノマー15〜80重量部および(a4)(R1O)nR2で示されるアルキレンオキシ基を含有するモノマー60〜80重量部を繰り返し単位とするフッ素系ポリマー(A)を含有し、フッ素系ポリマー(A)のフッ素濃度が15〜40重量%、酸価が10〜200mgKOH/gおよび重量平均分子量が3,000〜20,000である撥液レジスト組成物。
【選択図】なし
Description
(a1)炭素数4〜8のフルオロアルキル基[炭素原子間にエーテル性酸素原子を有していてもよい]を有するα位置換アクリレート[α位の置換基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CFX1X2基(但し、X1およびX2は、水素原子、フッ素原子または塩素原子)、シアノ基、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のフルオロアルキル基、置換もしくは非置換のベンジル基、置換もしくは非置換のフェニル基、または炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状アルキル基である]100重量部、
(a2)不飽和有機酸[酸性基は酸エステル形成基で保護されていてもよい]30〜60重量部、
(a3)エポキシ基含有モノマー 10〜25重量部、および
(a4)(R1O)nR2[R1は−(CH2)2−または−(CH2)3−、R2は水素またはメチル基、nは1〜10である]で示されるアルキレンオキシ基を含有するモノマー 40〜80重量部
を繰り返し単位とするフッ素系ポリマー(A)を含有し、
フッ素系ポリマー(A)のフッ素濃度が15〜40重量%および重量平均分子量が3,000〜20,000であるポジ型撥液レジスト組成物を提供する。
<フッ素系ポリマー製造に用いるモノマー>
本発明の撥液レジスト組成物で使用するフッ素系ポリマー(A)において、成分(a1)は炭素数4〜8のフルオロアルキル基(炭素原子間にエーテル性酸素原子を有していてもよい)を有するα位置換アクリレートである。α位の置換基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CFX1X2基(但し、X1およびX2は、水素原子、フッ素原子または塩素原子)、シアノ基、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のフルオロアルキル基、置換もしくは非置換のベンジル基、置換もしくは非置換のフェニル基、または炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状アルキル基である。
フッ素系ポリマー(A)は、さらに不飽和有機酸(a2)、エポキシ基含有モノマー(a3)およびアルキレンオキシ基を含有するモノマー(a4)を含有する。
α位置換アクリレート(a1)100重量部に対して
不飽和有機酸(a2)30〜60重量部、好ましくは35〜55重量部であってよく、
・エポキシ基含有モノマー(a3)10〜25重量部、好ましくは10〜20重量部であってよく、
・アルキレンオキシ基を含有するモノマー(a4)40〜80重量部、好ましくは50〜70重量部、例えば、50〜65重量部であってよい。
α位置換アクリレート(a1)は、フッ素系ポリマー(A)に対して20〜70重量%、より好ましくは30〜65重量%、例えば40〜55重量%であることが好ましい。
α位置換アクリレート(a1)を減らして(a2)エポキシ基含有モノマーを増量することにより、フッ素系ポリマーの(i)撥液レジスト組成物中での相溶性、(ii)他の原料との架橋性および(iii)アルカリ可溶性を改善することができる。
フッ素系ポリマー(A)はランダム、交互、ブロック、グラフト共重合体のいずれでもよい。
式:
[式中、Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CFX1X2基(但し、X1およびX2は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。)、シアノ基、炭素数1〜21の直鎖状もしくは分岐状のフルオロアルキル基、置換もしくは非置換のベンジル基、置換もしくは非置換のフェニル基、または炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状アルキル基であり、
Yは、直接結合、酸素原子を有していてもよい炭素数1〜10の脂肪族基、酸素原子を有していてもよい炭素数6〜10の芳香族基、環状脂肪族基もしくは芳香脂肪族基、−CH2CH2N(R1)SO2−基(但し、R1は炭素数1〜4のアルキル基である。)、−CH2CH(OY1)CH2−基(但し、Y1は水素原子またはアセチル基である。)、または、−(CH2)nSO2−基(nは1〜10)である。Rfは炭素数4〜8の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基(炭素原子間にエーテル性酸素原子を有していてもよい)である]
であることが好ましい。
Rfが炭素原子間にエーテル性酸素原子を含むパーフルオロポリエーテル基の場合、特に炭素数6〜8であることが好ましい。
α位置換アクリレート(a1)の例は、次のとおりである。
CH2=C(-CH3)-C(=O)-O-(CH2)2N(-C2H5)SO2-Rf
CH2=C(-CH3)-C(=O)-O-CH2CH(-OH)CH2-Rf
CH2=C(-CH3)-C(=O)-O-CH2CH(-OCOCH3)CH2-Rf
CH2=C(-CH3)-C(=O)-O-(CH2)2-S-Rf
CH2=C(-CH3)-C(=O)-O-(CH2)2-S-(CH2)2-Rf
CH2=C(-CH3)-C(=O)-O-(CH2)3-SO2-Rf
CH2=C(-CH3)-C(=O)-O-(CH2)2-SO2-(CH2)2-Rf
CH2=C(-CH3)-C(=O)- NH- (CH2)2-Rf
CH2=C(-F)- C(=O)- O-(CH2)2-S-Rf
CH2=C(-F)-C(=O)-O-(CH2)2-S-(CH2)2-Rf
CH2=C(-F)-C(=O)-O-(CH2)2-SO2-Rf
CH2=C(-F)-C(=O)-O-(CH2)2-SO2-(CH2)2-Rf
CH2=C(-F)-C(=O)-NH-(CH2)2-Rf
CH2=C(-Cl)-C(=O)-O-(CH2)2-S-Rf
CH2=C(-Cl)-C(=O)-O-(CH2)2-S-(CH2)2-Rf
CH2=C(-Cl)-C(=O)-O-(CH2)2-SO2-Rf
CH2=C(-Cl)-C(=O)-O-(CH2)2-SO2-(CH2)2-Rf
CH2=C(-Cl)-C(=O)-NH-(CH2)2-Rf
CH2=C(-Cl)-C(=O)-O-(CH2)3-S-Rf
CH2=C(-Cl)-C(=O)-O-(CH2)3-SO2-Rf
CH2=C(-CH3)-C(=O)-O-(CH2)2-Rf
[式中、Rfは炭素数4〜8の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基(炭素原子間にエーテル性酸素原子を有していてもよい)である]
酸価は、JIS0070.2.1で定義されるものであり、試料1g中に含有されている遊離脂肪酸、樹脂酸などを中和するのに要する水酸化カリウムのmg数をいう。不飽和有機酸の特に好ましい例は、不飽和カルボン酸、例えば、遊離の不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物である。不飽和有機酸(a4)の例は、(メタ)アクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸およびケイ皮酸等である。不飽和有機酸(a2)は、電磁波照射領域におけるアルカリ現像液との溶解性をフッ素系ポリマー(A)に付与する。
なお、式(L4−1)〜(L4−4)、(L4−3−1)、(L4−3−2)、及び式(L4−4−1)〜(L4−4−4)の結合方向がそれぞれビシクロ[2.2.1]ヘプタン環に対してexo側であることによって、酸触媒脱離反応における高反応性が実現される。これらビシクロ[2.2.1]ヘプタン骨格を有する三級exo−アルキル基を置換基とする単量体の製造において、下記一般式(L4−1−endo)〜(L4−4−endo)で示されるendo−アルキル基で置換された単量体を含む場合があるが、良好な反応性の実現のためにはexo比率が50モル%以上であることが好ましく、exo比率が80モル%以上であることが更に好ましい。
アルキレンオキシ基の例は、式:
−(R1O)nR2
[R1は−(CH2)2−または−(CH2)3−、R2は水素またはメチル基、nは1〜10である]で表される基である。
アルキレンオキシ基を含有するモノマー(a4)としては、式:
CH2=CR3COO(R1O)nR2
[R1は−(CH2)2−または−(CH2)3−、R2およびR3は水素またはメチル基、nは1〜10である]で表される基を使用してもよい。(a4)は、具体的には、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、日本油脂製ブレンマーAPシリーズ(ポリプロピレングリコールモノアクリレート)であるAP-400:n≒6、AP-550:n≒9、AP-800:n≒13、ブレンマーPEシリーズ(ポリエチレングリコールモノメタクリレート)であるPE-90:n≒2、PE-200:n≒4.5、PE-350:n≒8、ブレンマーPPシリーズ (ポリプロピレングリコールモノメタクリレート)であるPP-1000:n≒4〜6、PP-500:n≒9、PP-800:n≒13、 ブレンマーPMEシリーズ(メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート)であるPME-100:n≒2、PME-200:n≒4、PME-400:n≒9、PME-1000:n≒23、PME-4000:n≒90 などが例示される。
高軟化点モノマー(a5)は、
・CH2=C(R1)COOR2
[R1はHまたはCH3、R2:炭素数4〜20で水素原子に対する炭素原子の比率が0.58以上の飽和アルキル基である]
であることが好ましい。R2の例は、イソボルニル、ボルニル、フェンシル(以上はいずれもC10H17, 炭素原子/水素原子=0.58)、アダマンチル(C10H15, 炭素原子/水素原子=0.66)、ノルボルニル(C7H12, 炭素原子/水素原子=0.58)などの架橋炭化水素環が挙げられる。これらの架橋炭化水素環に水酸基やアルキル基(炭素数、例えば1〜5)が付いていても良い。
フッ素系ポリマーは、以下のようにして製造することができる。モノマーおよび必要な成分を溶媒に溶解させ、窒素置換後、重合開始剤を加えて20〜120℃、好ましくは50〜90℃の範囲で、1〜20時間、好ましくは3〜8時間、撹拌する方法が採用される。
本発明が提供する撥液レジスト組成物の内一つは、前記のフッ素系ポリマー(A)に加えて、アルカリ可溶性樹脂(B)、ナフトキノンジアジド基含有化合物(C)、増感剤(D)および溶媒(E)を含有してなることを特徴とする撥液レジスト組成物である。
フッ素系ポリマー(A)、アルカリ可溶性樹脂(B)、ナフトキノンジアジド基含有化合物(C)および溶媒(E);
フッ素系ポリマー(A)、アルカリ可溶性樹脂(B)、ナフトキノンジアジド基含有化合物(C)、増感剤(D)および溶媒(E)。
本発明においては、フッ素系ポリマー(A)を用いて、例えば、次の方法により、パターン化された複数の撥液領域と親液領域から成る基板(以下、単に「パターン基板」と省略する場合がある)を作製する。
方法(1)および(2)のいずれにおいても電磁波を照射する前(プリベーク)や現像後(ポストベーク)に50〜250℃程度の熱処理を行っても良い。
本発明にて用いられるアルカリ可溶性樹脂(B)の代表的な例としては、アルカリ可溶性ノボラック樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性ノボラック樹脂としてはフェノール類とアルデヒド類とを酸性触媒存在下で縮合して得られる樹脂であれば特に制限されない。
本発明において使用できるナフトキノンジアジド基含有化合物は、特に制限は無く、従来からi線用ポジ型レジスト組成物の感光性成分として用いられていたものが挙げられる。例えば、ナフトキノン−1,2−ジアジドスルホン酸エステル化合物、オルトベンゾキノンジアジドスルホン酸エステル、オルトアントラキノンジアジドスルホン酸エステル等が挙げられ、これらはとくに制限なく通常使用されているものの中から任意に選ぶことができるが、好ましいものとしては、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロライド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロライド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−6−スルホニルクロライド等のナフトキノン−1,2−ジアジドスルホニルハライドとヒドロキシ化合物とのエステル化物が挙げられる。
キシアセトフェノン、2’,3’,4’−トリヒドロキシアセトフェノン、2’,4’,6’−トリヒドロキシアセトフェノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4,4’−ビフェニルジオール、2,2−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシフェニルスルホンなどのフェノール化合物が挙げられる。
増感剤としては、特に限定は無く、従来からi線用ポジ型レジスト組成物の増感剤として知られているものを用いることができる。例えば、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、1,4−ビス[1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]ベンゼン、2,4−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニルメチル)−6−メチルフェノール、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1−[1−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、2,6−ビス[1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−メチルフェノール、4,6−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]レゾルシン、4,6−ビス(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニルメチル)ピロガロール、4,6−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニルメチル)ピロガロール、2,6−ビス(3−メチル−4,6−ジヒドロキシフェニルメチル)−4−メチルフェノール、2,6−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニルメチル)−4−メチルフェノール、2,6−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等が挙げられる。またその他、6−ヒドロキシ−4a−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−9−1’−スピロシクロヘキシル−1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロキサンテン、6−ヒドロキシ−5−メチル−4a−(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)−9−1’−スピロシクロヘキシル−1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロキサンテン等も用いることができる。中でも1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、2,6−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼンなどが好ましい。
本発明の撥液レジスト組成物には必要に応じて溶媒、例えば、水溶性有機溶媒、有機溶媒(特に、油溶性有機溶媒)または水を加えても良い。同じ種類の溶媒がフッ素系ポリマーを製造(0065段落)するためにも用いられる。溶媒は、フッ素系ポリマー(A)を含むレジスト構成成分に不活性なものが選択され、これらを溶解するために配合される。溶媒の例は、水溶性有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、酢酸エチル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、トリプロピレングリコール、3−メトキシブチルアセテート(MBA)、1,3−ブチレングリコールジアセテート、シクロヘキサノールアセテート、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、カルビトールアセテート、乳酸エチル、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノールなどが挙げられ、油溶性有機溶媒としては、クロロホルム、HFC141b、HCHC225、ハイドロフルオロエーテル、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、アニソール、テトラリン、シクロヘキシルベンゼン、メシチレン、石油エーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、テトラクロロジフルオロエタン、トリクロロトリフルオロエタンなどが挙げられる。これらの溶媒は単独で使用しても2種以上を混合してもよい。溶媒は、フッ素系ポリマーおよびレジスト構成原料の溶解性、安全性の観点から、特にPGMEAとMBAが好ましい。
例えば、本発明は、好ましい態様の1つとして、フッ素系ポリマー(A)を10〜30重量%の濃度でグリコール系溶剤に溶解してある撥液剤を提供する。
これらの各成分の含量比は、例えば、成分(A)100質量部に基づいて、1乃至80質量部の成分(Q)、1乃至80質量部の成分(R)、及び、0.5乃至80質量部の成分(S)を含有する。これらの成分が固形分として、例えば1乃至80質量%であり、また例えば5乃至60質量%であり、または10乃至50質量%である。ここで、固形分とは、ポジ型感光性樹脂組成物の全成分から溶剤(E)を除いたものをさす。
成分(Q)は、一分子中に二個以上のビニルエーテル基を有する化合物であり、慣用のプリベーク温度(例えば80℃〜150℃)でフッ素系ポリマー(A)と熱架橋することができるようなビニルエーテル基を一分子中に二個以上有する化合物であればよく、その種類および構造について特に限定されるものでない。
また、成分(Q)の化合物は、フッ素系ポリマー(A)100質量部に対して1乃至80質量部、好ましくは5乃至40質量部の割合で使用される。成分(Q)の化合物の使用量が前記範囲の下限未満の過少量であると、未露光部における膜減りが顕著となりパターン形状が不良になる。一方、成分(Q)の化合物の使用量が前記範囲の上限を超える過多量であると、膜の感度が大きく低下し、現像後にパターン間の残渣が生じるようになる。
す。)
および式(4):
で表される化合物が、露光部において残膜や残渣なく現像される点で、好ましい。
成分(R)は、一分子中に二個以上のブロックイソシアネート基を有する化合物である。これは、成分(R)の化合物との間で熱架橋された或いは更にそれとの間で脱架橋されたフッ素系ポリマー(A)からなる膜に対して、例えば慣用のポストベーク温度で熱硬化することができるようなブロックイソシアネート基を一分子中に二個以上有する化合物であればよく、その種類および構造について特に限定されるものでない。
また、成分(R)の化合物は、フッ素系ポリマー(A)100質量部に対して1乃至80質量部、好ましくは5乃至40質量部の割合で使用される。成分(R)の化合物の使用量が前記範囲の下限未満の過少量であると、熱硬化が不十分となって満足な硬化膜が得られず、一方、成分(R)の化合物の使用量が前記範囲の上限を超える過多量であると、現像が不十分となり、現像残渣を生じるようになる。
本発明で使用する光酸発生剤(PAG)成分(S)は、露光に使用される光の照射によって直接もしくは間接的に酸(スルホン酸類、カルボン酸類など)を発生する物質であり、斯様な性質を有するものであれば、その種類および構造などは特に限定されるものでない。
本発明においては、フッ素系ポリマー(A)を用いて、例えば、次の方法により、パターン化された複数の撥液領域と親液領域から成る基板(以下、単に「パターン基板」と省略する場合がある)を作製する。
本発明においては、フッ素系ポリマー(A)を市販のポジ型レジストに配合した撥液レジスト組成物を用いて、例えば、次の方法により、パターン化された複数の撥液領域と親液領域から成る基板を作製する。
本発明は、前記ポジ型撥液レジスト組成物を用いて、フォトリソグラフィー法により、親液性透明基板上に撥液化された隔壁をパターン状に形成する工程を含むことを特徴とする薄膜トランジスタ(TFT)基板の製造方法を提供する。
本発明はまた、撥液化されたパターン状の隔壁を有する親液性透明基板上に、ナノメタルインク、酸化物半導体インク、有機半導体インクなどの機能性材料インクを塗布する工程および溶媒を除去する工程を含むことを特徴とする薄膜トランジスタ基板の製造方法を提供する。本発明はまた、前記製造方法で製造された薄膜トランジスタ基板、等を提供する。
以下、これらを詳細に説明する。
合成樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでもよく、例えば、ポリエチレン、ポロプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エボキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば2層以上の積層体として)用いることができる。合成樹脂製の基板を用いれば、軽量、透明、安価、曲げられるなどの特徴を基板に付与できる。
金属としては、金、銀、銅、鉄、ニッケル、アルミニウム、白金等が挙げられる。
セラミックとしては、酸化物(例えば、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ケイ素、ジルコニア、チタン酸バリウム)、窒化物(例えば、窒化ケイ素、窒化ホウ素)、硫化物(例えば、硫化カドミウム)、炭化物(例えば、炭化ケイ素)等が挙げられ、これらの混合物を使用してよい。
撥液レジスト組成物の膜をフォトリソグラフィー法でパターニングするためには、電磁波を照射する。
本発明で膜に照射する電磁波は、波長10〜400nmの光であり、紫外線(UV, 200〜400nm)、真空紫外光(VUV, 150〜200nm)、極端紫外線(EUV, 10〜120nm)などが例示される。VUVを用いる場合、光源は波長172nmのVUVを発光できる市販のキセノンエキシマランプが使用できる。またUVを用いる場合、光源は水銀キセノンランプ、水銀ランプ、キセノンランプ、キセノンエキシマランプが使用できる。さらに、248nmのKrFエキシマレーザー、193nmのArFエキシマレーザー、157nmのF2エキシマレーザーを使用しても良い。露光量は1〜10,000mJ/cm2、特に1〜1,000mJ/cm2であってよい。
また、光以外に、波長0.1〜10nmのX線、波長0.001〜0.01nmの電子線、波長10〜300nmのレーザー光線等の電磁波を用いてもよい。
本発明では、上記の電磁波を照射後に、溶媒に対する溶解性のコントラストを利用して、溶解可溶な領域を除去する工程、いわゆる「現像」を行う。現像に使用される溶媒(現像液)は、アルカリ水溶液を用いる。アルカリ水溶液は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、およびアンモニア水などの無機アルカリ水溶液や、エチルアミン、n−プロピルアミンなどの第一級アミン類;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミンなどの第二級アミン類;トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、N−メチルピロリドンなどの第三級アミン類;ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルコールアミン類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリンなどの第四級アンモニウム塩;ピロール、ピペリジン等の環状アミン類のアルカリ類からなる有機アルカリ水溶液を用いる。TFT基板の製造では無機アルカリよりも有機アルカリの方が好ましく、特に半導体用フォトリソグラフィー工程で汎用されているTMAHが好ましい。これらは単独で用いても良いし二種類以上を混合してもよい。また、界面活性剤を添加してもよい。
現像方法は、浸漬法、液盛り法、シャワー法、パドル法、超音波法などで10秒〜10分の範囲で行ってよい。
本発明では、パターンを形成した基板に機能性化合物の溶液または分散液を塗布する。機能性化合物溶液を塗布する方法は、スピンコート法、ディップコート法、キャスト法、ロールコート法、印刷法、転写法、インクジェット法[P.Calvert, Chem.Mater., 13, 3299(2001)]、バーコード法、キャピラリー法などが挙げられる。
導電性化合物としては、室温で102 S/cm 以上の導電性を有するものである。例えば、有機系ではポリアセチレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリピロール、ポリp-フェニレンビニレン、ポリアニリンなどが挙げられる。これらの化合物をドーピングすることにより導電性を向上しても良い。金属系では金、銀、銅などのナノ粒子を液体に分散したものが挙げられる。
サーモクロミック化合物とは、温度変化に伴って物質の色が可逆的に変化する化合物の総称であり、例えば、サリチリデンアニリン類、ポリチオフェン誘導体、テトラハロゲノ錯体、エチレンジアミン誘導体錯体、ジニトロジアンミン銅錯体、1,4−ジアザシクロオクタン(daco)錯体、ヘキサメチレンテトラミン(hmta)錯体、サルチルアルデヒド(salen)類錯体などが挙げられる。
本発明において、機能性化合物を溶解する溶媒は、表面張力40mN/m以下、例えば30mN/m以下である有機溶媒であることが好ましい。表面張力が40mN/m以下であることによって、溶液がパターン形状にそって容易に濡れ拡がることができる。
水を用いる場合は、界面活性剤や上記の水溶性有機溶媒などを添加して、表面張力を低下させてもよい。
溶媒の除去は、蒸発などによって行える。溶媒の除去は、基材を、加熱(例えば、60〜200℃)することによって、行える。溶媒除去は、減圧(例えば、0.01〜100Pa)下で行ってもよい。
レジスト組成物から溶剤のみを除去した組成物の外観を五段階で評価した。相溶性が良好なものから順に
◎>○>△>×>××
と評価した。
マスクアライナーES20d[(株)三永電機製作所・(株)ナノテック製製]で露光後に現像したパターンを光学顕微鏡で観察することにより、現像性を五段階で評価した。ここで言う「現像性」とは、現像後に残ったUV露光領域のパターンの形状、UV未露光領域の膜の除去性の総合評価であり、現像性が良好なものから順に◎>○>△>×>××
と評価した。
形成した親液−撥液パターン上にナノメタルインクAg[アルバックマテリアル(株)製]をインクジェット法で製膜した後のメタルパターンの形状を光学顕微鏡で観察することにより、ナノメタルインクの分裂性を五段階で評価した。分裂性が良好なものから順に
◎>○>△>×>××
と評価した。
<静的接触角の測定>
静的接触角は、水平に置いた基板にマイクロシリンジから水、n-ヘキサデカン、またはブチルカルビトール(BCA)を2μL滴下し、滴下1秒後の静止画をビデオマイクロスコープで撮影することにより求めた。
<Rf(C4)α-Clアクリレート/MAA/GMA/HEMA=45/20.6/6.9/27.5(重量比)共重合体>
還流冷却管、窒素導入管、温度計、撹拌装置を備えた四つ口フラスコ中にフルオロアクリレート(略称:FA)としてCH2=C(Cl)COO−CH2CH2C4F9(略称:Rf(C4)α-Clアクリレート)22.5g、メタクリル酸(略称:MAA)10.3g、グリシジルメタクリレート(略称:GMA)3.4g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(略称:HEMA)13.7g、連鎖移動剤としてラウリルメルカプタン(略称:LSH)6.3gおよび溶媒としてプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(略称:PGMEA)104gを入れ、70℃に加熱後、30分間窒素気流下で撹拌した。これに重合開始剤のアゾビスイソブチロニトリル(略称:AIBN)0.5gを添加し、18時間重合した。反応液中に残存するRf(C4)α-Clアクリレートモノマーをガスクロマトグラフィーで分析することにより、転化率が95%以上であることを確認した。得られた反応液の固形分濃度を130℃、2時間加熱したときの蒸発残分により測定した結果、33重量%であった。この反応液をPGMEAで希釈して固形分濃度20重量%の撥液剤とした。この撥液剤を固形分濃度0.5重量%となるようにTHFで希釈してフッ素系ポリマーの分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量は6,400であった。
<Rf(C4)α-Fアクリレート/MAA/GMA/HEMA=45/20.6/6.9/27.5(重量比)共重合体>
FAとして、製造例1のRf(C4)α-ClアクリレートをCH2=C(F)COO−CH2CH2C4F9(略称:Rf(C4)α-Fアクリレート)に置き換える以外は製造例1と同様な方法で重合反応を行い、フッ素系ポリマーを得た。得られたフッ素系ポリマーの分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量は5,000であった。
<PFPE(C8)メタクリレート/MAA/GMA/HEMA=45/20.6/6.9/27.5(重量比)共重合体>
FAとして、製造例1のRf(C4)α-ClアクリレートをC3F9-[OCF(CF3)CF2]-OCF(CF3)CH2OCOC(CH3)=CH2(略称:PFPE(C8)メタクリレート)に置き換える以外は製造例1と同様な方法で重合反応を行い、フッ素系ポリマーを得た。得られたフッ素系ポリマーの分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量は5,200であった。
<Rf(C4)α-Clアクリレート/MAA/GMA/HEMA/tBMA=45/7.8/6.9/27.5/12.8(重量比)共重合体>
還流冷却管、窒素導入管、温度計、撹拌装置を備えた四つ口フラスコ中にFAとしてRf(C4)α-Clアクリレート22.5g、MAA3.9g、GMA3.4g、HEMA13.8g、メタクリル酸tert−ブチル(略称:tBMA)6.4g連鎖移動剤としてラウリルメルカプタン(略称:LSH)5.7gおよび溶媒としてプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(略称:PGMEA)104gを入れ、70℃に加熱後、30分間窒素気流下で撹拌した。これに重合開始剤のアゾビスイソブチロニトリル(略称:AIBN)0.5gを添加し、18時間重合した。反応液中に残存するRf(C4)α-Clアクリレートモノマーをガスクロマトグラフィーで分析することにより、転化率が95%以上であることを確認した。固形分濃度を測定した結果33重量%であった。得られた反応液をヘキサンで沈殿、真空乾燥して、フッ素系ポリマーを単離した。得られたフッ素系ポリマーの分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量は4,600であった。
<Rf(C4)α-Clアクリレート/tBMA/GMA/HEMA=45/20.6/6.9/27.5(重量比)共重合体>
製造例1のMAAをtet−ブチルメタクリレート(略称:tBMA)に置き換える以外は製造例1と同様な方法で重合反応を行い、フッ素系ポリマーを得た。得られたフッ素系ポリマーの分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量は4,900であった。
<Rf(C4)α-Clアクリレート/MAA/GMA/HEMA=55/16.9/5.6/22.5(重量比)共重合体>
製造例1のポリマー組成を表1に示すように変更して、製造例1と同様な方法で重合反応を行い、フッ素系ポリマーを得た。得られたフッ素系ポリマーの分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量は6,800であった。
<Rf(C4)α-Clアクリレート/MAA/GMA/HEMA=50/18.8/6.3/25(重量比)共重合体>
製造例1のポリマー組成を表1に示すように変更して、製造例1と同様な方法で重合反応を行い、フッ素系ポリマーを得た。得られたフッ素系ポリマーの分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量は6,400であった。
<Rf(C4)α-Clアクリレート/MAA/GMA/HEMA=40/22.5/7.5/30(重量比)共重合体>
製造例1のポリマー組成を表1に示すように変更して、製造例1と同様な方法で重合反応を行い、フッ素系ポリマーを得た。得られたフッ素系ポリマーの分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量は6,400であった。
<Rf(C4)α-Clアクリレート/MAA/GMA/HEMA=60/15/5/20(重量比)共重合体>
還流冷却管、窒素導入管、温度計、撹拌装置を備えた四つ口フラスコ中にRf(C4)α-Clアクリレート30.0g、MAA7.5g、GMA2.5g、HEMA10g、連鎖移動剤としてLSH5.4gおよび溶媒としてPGMEA105gを入れ、70℃に加熱後、30分間窒素気流下で撹拌した。これに重合開始剤のAIBN 0.4gを添加し、18時間重合した。反応液中に残存するRf(C4)α-Clアクリレートモノマーをガスクロマトグラフィーで分析することにより、転化率が95%以上であることを確認した。得られた反応液の固形分濃度を測定した結果、33重量%であった。この反応液をPGMEAで希釈して固形分濃度20重量%の撥液剤とした。この撥液剤を固形分濃度0.5重量%となるようにTHFで希釈してフッ素系ポリマーの分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量は6,800であった。
フッ素系ポリマー(A)として製造例1〜8で得たフッ素系ポリマーまたは比較製造例1で得たフッ素系ポリマーをそれぞれ用いて、フッ素系ポリマー(A)、アルカリ可溶性樹脂(B)、ナフトキノンジアジド基含有化合物(C)、増感剤(D)および溶媒(E)から成る溶液をポジ型レジスト組成物を調製した(処方を次段落に示す)。この溶液を、濃硫酸/過酸化水素水(=3/7容量比)混合溶液に一時間浸漬することにより親水化したガラス基板にスピンコートして、基板上に膜厚(溶媒を乾燥除去後の膜厚)2μmの膜を作製した。プレベークとして90℃で3分間加熱後、この膜にライン/スペース=1μm/1μmのフォトマスクを介して、UV露光装置マスクアライナーES20dから波長365nmの紫外線を積算光量200mJ/cm2の条件で照射した。次に、露光後ベークとして90℃で3分間加熱後、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に1分間浸漬することにより現像した。その後水洗、乾燥して、撥液領域と親液領域から成るパターン基板を作製した。
・フッ素系ポリマー(A)
(A)成分として、製造例1〜8または比較製造例1で合成したポリマーを固形分換算で0.8重量%含む。
・アルカリ可溶性樹脂(B)
(B)成分として下記に合成例を示した(b1)を17.2重量%含む。
(b1):m−クレゾールとp−クレゾール=35/65(モル比)の割合で混合し、これにホルマリンを加え、シュウ酸触媒により縮合反応して得られた質量平均分子量4500のクレゾールノボラック樹脂。
・ナフトキノンジアジド基含有化合物(C)
(C)成分として2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノジアジド−5−スルホン酸エステルを5重量%含む。
・増感剤(D)
(D)成分として1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼンを2重量%含む。
・溶媒(E)
(E)成分としてプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(略称:PGMEA)を75重量%含む。
BCA:ブチルカルビトールアセテート
表2中、製造例3および4は、不飽和酸モノマーとして酸エステル形成基であるtBu基でカルボン酸基が保護されたtBMAを用いている。表中、製造例4および5の酸価47および0の数値は、酸エステル形成基を加水分解によって脱保護した後のフッ素系ポリマー(A)の酸価、130および131に対応していた。
Claims (13)
- 撥液レジスト組成物であって、
(a1)炭素数4〜8のフルオロアルキル基[炭素原子間にエーテル性酸素原子を有していてもよい]を有するα位置換アクリレート[α位の置換基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CFX1X2基(但し、X1およびX2は、水素原子、フッ素原子または塩素原子)、シアノ基、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のフルオロアルキル基、置換もしくは非置換のベンジル基、置換もしくは非置換のフェニル基、または炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状アルキル基である]100重量部、
(a2)不飽和有機酸[酸性基は酸エステル形成基で保護されていてもよい]30〜60重量部、
(a3)エポキシ基含有モノマー 10〜25重量部、および
(a4)(R1O)nR2[R1は−(CH2)2−または−(CH2)3−、R2は水素またはメチル基、nは1〜10である]で示されるアルキレンオキシ基を含有するモノマー 40〜80重量部
を繰り返し単位とするフッ素系ポリマー(A)を含有し、
フッ素系ポリマー(A)のフッ素濃度が15〜40重量%および重量平均分子量が3,000〜20,000であるポジ型撥液レジスト組成物。 - フッ素系ポリマー(A)の酸価(酸性基が酸エステル形成基で保護されている場合は、加水分解によって脱保護された後の酸価)が10〜200mgKOH/gである請求項1に記載のポジ型撥液レジスト組成物。
- フルオロアルキル基(a1)が、炭素数4〜6のパーフルオロアルキル基である請求項1および2のいずれか1つに記載のポジ型撥液レジスト組成物。
- フルオロアルキル基(a1)が、炭素数6〜8のパーフルオロポリエーテル基である請求項1および2のいずれか1つに記載のポジ型撥液レジスト組成物。
- フッ素系ポリマー(A)に加えて、アルカリ可溶性樹脂(B)、ナフトキノンジアジド基含有化合物(C)、増感剤(D)および溶媒(E)を含有してなる請求項1〜4のいずれか1つに記載のポジ型撥液レジスト組成物。
- フッ素系ポリマー(A)に加えて、一分子中に二個以上のビニルエーテル基を含有する化合物(Q)、一分子中に二個以上のブロックイソシアネート基を含有する化合物(R)、光酸発生剤(S)および溶剤(E)を含有してなる請求項1〜4のいずれか1つに記載のポジ型撥液レジスト組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1つに記載のフッ素系ポリマー(A)を10〜30重量%の濃度でグリコール系溶剤に溶解してある撥液剤。
- 請求項1〜6のいずれか1つに記載のポジ型撥液レジスト組成物を用いて、フォトリソグラフィー法により、親液性透明基板上に撥液化された隔壁をパターン状に形成する工程を含む薄膜トランジスタ基板の製造方法。
- 撥液化されたパターン状の隔壁を有する親液性透明基板上に、ナノメタルインク、酸化物半導体インクおよび有機半導体インクのいずれかを塗布する工程ならびに溶媒を除去する工程を含む請求項8に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
- 請求項8または9に記載の製造方法で製造された薄膜トランジスタ基板。
- 請求項1〜6のいずれか1つに記載のポジ型撥液レジスト組成物を用いて、フォトリソグラフィー法により、親液性透明基板上に撥液化された隔壁をパターン状に形成する工程を含む有機EL画素の製造方法。
- 撥液化されたパターン状の隔壁を有する親液性透明基板上に、有機EL発光材料を塗布する工程および溶媒を除去する工程を含む請求項11に記載の有機EL画素の製造方法。
- 請求項11または12に記載の製造方法で製造された有機EL画素を含有する有機ELデバイス。
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