JP2012220793A - 放電器および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】予め設定された方向に延びる放電部材(11)からの放電を制御する電極部材(12)は、予め設定された形状の孔(37)が放電部材(11)の延びる方向に対して傾斜する第1の傾斜角度(θ1)に沿って配列された第1の領域(38)と、予め設定された形状の孔(37)が第1の傾斜角度(θ1)とは異なる第2の傾斜角度(θ2)に沿って配列された第2の領域(39)と、第1の領域(38)と第2の領域(39)との間に配置され且つ放電部材(11)の延びる方向に沿って延びる境界部(36)と、を有し、境界部(36)を境界として第1の領域(38)を第2領域(39)に対して線対称に投影した場合に、第1の領域(38)の孔(37)の位置と第2の領域(39)の孔(37)の位置とがずれた配列に設定された放電器(CCk)。
【選択図】図9
Description
また、特許文献1には、第1の領域(122a)と第2の領域(122b)の傾いた方向は、グリッド電極(122)のクリーニングブラシ(141)が移動する往路では、互いに中央部(122c)に向かう方向となるように設定された構成が記載されている。
被放電体に対向して配置され且つ予め設定された方向に延び、電圧が印加されて放電する放電部材と、
前記放電部材と前記被放電体との間に配置され、前記放電部材との間に電圧が印加されて前記放電部材からの放電を制御する電極部材であって、前記放電部材から前記被放電体に向けて貫通する予め設定された形状の孔が複数形成された前記電極部材と、
を備え、
前記電極部材は、前記予め設定された形状の孔が前記放電部材の延びる方向に対して傾斜する第1の傾斜角度に沿って配列された第1の領域と、前記予め設定された形状の孔が前記第1の傾斜角度とは異なる第2の傾斜角度に沿って配列された第2の領域と、前記第1の領域と前記第2の領域との間に配置され且つ前記放電部材の延びる方向に沿って延びる境界部と、を有し、前記境界部を境界として前記第1の領域を前記第2領域に対して線対称に投影した場合に、前記第1の領域の孔の位置と前記第2の領域の孔の位置とがずれた配列に設定された
ことを特徴とする。
被放電体に対向して配置され且つ予め設定された方向に延び、電圧が印加されて放電する放電部材と、
前記放電部材と前記被放電体との間に配置され、前記放電部材との間に電圧が印加されて前記放電部材からの放電を制御する電極部材であって、前記放電部材から前記被放電体に向けて貫通する予め設定された形状の孔が複数形成された前記電極部材と、
を備え、
前記電極部材は、前記孔が前記放電部材の延びる方向に対して傾斜する第1の傾斜角度に沿って配列された第1の領域と、前記孔が前記第1の傾斜角度とは異なる第2の傾斜角度に沿って配列された第2の領域と、前記第1の領域と前記第2の領域との間に配置され且つ前記放電部材の延びる方向に沿って延びる境界部と、を有し、前記第1の領域の孔の配列と前記第2領域の孔の配列とが、前記境界部を対称軸として非線対称に設定された
ことを特徴とする。
前記放電部材が延びる方向に対する前記第1の傾斜角度と、前記放電部材が延びる方向に対する前記第2の傾斜角度とが、前記放電部材が延びる方向を挟んで互いに逆側に傾斜し且つ成す角度の絶対値が同一に設定された
ことを特徴とする。
前記境界部から離れた位置に配置された孔に対して部分的に欠けた形状に形成され且つ前記境界部に隣接して配置された孔の開口面積が、予め設定された面積よりも小さい場合に、前記欠けた形状の孔が埋められると共に、前記第1の領域の孔が埋められた部位と、前記第2の領域の孔が埋められた部位とが、前記放電部材が延びる方向に対してずらして配置された
ことを特徴とする。
前記放電部材の延びる方向に沿って移動可能に支持され、前記放電部材の延びる方向の一端側に予め設定された初期位置から、前記電極部材に接触した状態で前記放電部材の延びる方向に沿って往復移動して前記電極部材の清掃を行う清掃部材と、
を備え、
前記第1の傾斜方向および第2の傾斜方向が、前記清掃部材の往動方向に向かって、互いに遠ざかる向きに傾斜する
ことを特徴とする。
前記清掃部材が前記電極部材から清掃した汚れを吸引して排出する排出装置であって、前記清掃部材が往復移動中に空気の吸引を行って前記汚れを排出する前記排出装置、
を備えたことを特徴とする。
被放電体としての像保持体と、
請求項1ないし6のいずれかに記載の放電器により構成され、前記像保持体の表面を帯電させる帯電器と、
を備えたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、傾斜角度の絶対値が同一でない場合に比べて、第1の領域と第2の領域とを、共通化し且つ表裏反転させて接合して作製することができ、作製費用を削減することができる。
請求項4に記載の発明によれば、孔が埋められた部位がずらして配置されていない場合に比べて、帯電ムラを低減することができる。
請求項6に記載の発明によれば、清掃部材が往復移動中に空気の吸引を行わない場合に比べて、被放電体に汚れが付着することを低減できる。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
図1において、画像形成装置Uは、操作部の一例としてのユーザインタフェースUI、画像読取部の一例としてのイメージ入力装置U1、給紙装置U2、画像形成装置の本体の一例であって被着脱体の一例としての画像記録装置U3、および用紙処理装置U4を有している。
前記イメージ入力装置U1は、画像読取装置の一例としてのイメージスキャナ等により構成されている。図1において、イメージ入力装置U1では、図示しない原稿を読取って画像情報に変換し、画像記録装置U3に入力する。
給紙装置U2は、複数の給紙部の一例としての給紙トレイTR1〜TR4と、前記各給紙トレイTR1〜TR4に収容された媒体の一例としての記録用紙Sが搬送される給紙路SH1等を有している。
また、画像記録装置U3は、制御部C、および、前記制御部Cにより制御される潜像書込装置の駆動回路の一例としてのレーザ駆動回路D、前記制御部Cにより制御される電源回路E等を有している。制御部Cにより作動を制御されるレーザ駆動回路Dは、前記イメージ入力装置U1から入力されたY:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、K:黒の画像情報に応じたレーザ駆動信号を予め設定された時期に、各色の潜像形成装置ROSy,ROSm,ROSc,ROSkに出力する。
前記各色の潜像形成装置ROSy,ROSm,ROSc,ROSkの下方には、像形成ユニット用の引出部材U3bが左右一対の案内部材R1,R1により、画像記録装置U3の前方に引き出された引出位置と画像記録装置U3内部に装着された装着位置との間で移動可能に支持されている。
図1、図2において、黒の像保持体ユニットUKは、像保持体の一例であって被放電体の一例としての感光体ドラムPkと、放電器の一例としての帯電器CCkと、像保持体用の清掃器の一例としての感光体クリーナCLkと、を有している。なお、実施例1では、帯電器CCkは、画像記録装置U3に対して着脱可能な帯電ユニットにより構成されている。そして、他の色Y,M,Cの像保持体ユニットUY,UM,UCも、感光体ドラムPy,Pm,Pc、放電器の一例としての帯電器CCy,CCm,CCc、感光体クリーナCLy,CLm,CLcを有している。なお、実施例1では、使用頻度の高く表面の磨耗が多いK色の感光体ドラムPkは、他の色の感光体ドラムPy,Pm,Pcに比べて大径に構成され、高速回転対応および長寿命化がされている。
前記各像保持体ユニットUY,UM,UC,UKと現像ロールR0を有する現像器GY,GM,GC,GKとによりトナー像形成部材UY+GY,UM+GM,UC+GC,UK+GKが構成されている。前記像形成ユニット用の引出部材U3bには、前記像保持体ユニットUY,UM,UC,UKおよび現像器GY,GM,GC,GKが着脱可能に装着される。
なお、黒画像データのみの場合はK:黒の感光体ドラムPkおよび現像器GKのみが使用され、黒のトナー像のみが形成される。
1次転写後、感光体ドラムPy,Pm,Pc,Pk表面の残留トナーは感光体ドラム用のクリーナCLy,CLm,CLc,CLkによりクリーニングされる。
前記ベルトモジュールBMは、前記中間転写ベルトBと、中間転写体支持部材の一例としてのベルト支持ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2aと、前記1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kとを有する。ベルト支持ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2aは、駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRd、張力付与部材の一例としてのテンションロールRt、蛇行防止部材の一例としてのウォーキングロールRw、従動部材の一例としての複数のアイドラロールRfおよび二次転写領域Q4の対向部材の一例としてのバックアップロールT2aを有する。そして、前記中間転写ベルトBは、前記ベルト支持ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2aにより矢印Ya方向に回転移動可能に支持されている。
前記コンタクトロールT2cには制御部Cにより制御される電源回路から予め設定された時期に、トナーの帯電極性と同極性の2次転写電圧が印加される。
前記中間転写ベルトB上のトナー像は、前記2次転写領域Q4を通過する際に前記2次転写器T2により前記記録用紙Sに転写される。なお、フルカラー画像の場合は中間転写ベルトB表面に重ねて1次転写されたトナー像が一括して記録用紙Sに2次転写される。
前記1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1k、中間転写ベルトB、二次転写器T2、ベルトクリーナCLB等により、感光体ドラムPy〜Pk表面の画像を記録用紙Sに転写する転写装置T1+B+T2+CLBが構成されている。
前記記録用紙S上のトナー像は定着領域Q5を通過する際に定着装置Fにより加熱定着される。
前記トナー像形成部材UY+GY,UM+GM,UC+GC,UK+GKや転写装置T1+B+T2+CLB、定着装置等により、記録用紙Sに画像を記録する実施例1の画像記録部が構成されている。
前記画像記録装置U3の用紙反転路SH4の下流端には、用紙循環路SH6および用紙反転路SH7が接続されており、その接続部にもマイラーゲートGT3が配置されている。前記第1ゲートGT1を通って用紙搬送路SH4に搬送された用紙は、前記マイラーゲートGT3を通過して前記用紙処理装置U4の用紙反転路SH7側に搬送される。両面印刷を行う場合には、用紙反転路SH4を搬送されてきた記録用紙Sは、前記マイラーゲートGT3を通過して、用紙反転路SH7に搬送された後、逆方向に搬送、いわゆる、スイッチバックさせられると、マイラーゲートGT3により搬送方向が規制され、スイッチバックした記録用紙Sが用紙循環路SH6側に搬送される。前記用紙循環路SH6に搬送された記録用紙Sは前記給紙路SH1を通って2次転写領域Q4に再送される。
前記符号SH1〜SH7で示された要素により用紙搬送路SHが構成されている。また、前記符号SH,Ra,Rr,Rh,SGr,SG1,SG2,BH、GT1〜GT3で示された要素により用紙搬送装置SUが構成されている。
図3は本発明の実施例1の帯電器の斜視説明図である。
図4は本発明の実施例1の帯電器の要部断面説明図である。
図5は図4の矢印V方向から見た図である。
図6は図5のVI−VI線断面図であり、電極クリーナが基準位置に移動した状態の説明図である。
なお、図4において、発明を理解しやすくするためにシールド電極の一部の図示を省略している。
また、次に、実施例1の帯電器の説明を行うが、Y,M,C,Kの各色の帯電器CCy〜CCkは、同様に構成されているため、K色の帯電器CCkについて詳細に説明し、その他の色の帯電器CCy〜CCcについては詳細な説明は省略する。
前記シールド電極2の後端には、一端部材の一例としての後端ブロック3が支持されており、シールド電極2の前端には、他端部材の一例としての前端ブロック4が支持されている。前後の各ブロック3,4の右上部には、清掃移動部材用の支持体の一例として、前後方向に延びる筒状のシャフト受け部3a,4aが形成されている。
前記シールド電極2の下側の開口位置であってワイヤ電極11と感光体Pkとの間、すなわち、感光体Pkとの対向領域である帯電領域Q1側には、電極部材の一例として、ワイヤ電極11の延びる方向である前後方向に延びる薄膜状の導電性材料に、上下方向に貫通する多数の貫通孔が形成された網状のグリッド電極12が支持されている。前記グリッド電極12は、前後両端が各ブロック3,4に張架された状態で支持される。
前記シャフト6やアーム部18、シャフト貫通部19等により、実施例1の清掃移動部材6+18+19が構成されている。
また、前記下スライダフレーム21の下面には、下方に延びる板状の被検知部21bが形成されている。電極クリーナ16が、図6に示す初期位置の一例としてのホームポジションに移動した状態における被検知部21bに対応する位置には、検知部材の一例として、被検知部21bを検知することで電極クリーナ16がホームポジションに移動したことを検知する光センサSN1が配置されている。
また、実施例1の軸部23には、上クリーナ支持体24の前端を下方に回転させる方向、すなわち、上ワイヤクリーナ26をワイヤ電極11に接近させる方向に付勢する付勢部材の一例としてのネジリバネ28が装着されている。
したがって、図6に示す基準位置では、被接触部24dが接触部27に接触して、ネジリバネ28を弾性変形させてワイヤ電極11と上ワイヤクリーナ26とが離間した状態となる。そして、電極クリーナ用のモータ9が駆動して、電極クリーナ16が前方に移動すると、図7に示すように、被接触部24dと接触部27との接触が解除されて、上クリーナ支持体24の自重やネジリバネ28の弾性力により、上ワイヤクリーナ26がワイヤ電極11に上方から押し当てられる。このとき、上ワイヤクリーナ26によりワイヤ電極11が下方に押されて、二点鎖線で示す基準位置におけるワイヤ電極11の位置に対して、下方に移動する。したがって、ワイヤ電極11の下面が下ワイヤクリーナ22に接触し、上下のワイヤクリーナ22,26のバランスおよびワイヤ電極11の張力により、ワイヤ電極11に上下のワイヤクリーナ22,26が予め設定された接触圧力で接触する図7に示す位置に保持される。そして、ワイヤ電極11にワイヤクリーナ22,26が接触した状態で、電極クリーナ16が前後方向に往復移動することで、ワイヤ電極11の清掃が行われる。
前記上クリーナ支持体24や被接触部24d、接触部27、ネジリバネ28等により、実施例1の清掃接触機構24+27+28が構成されている。
なお、実施例1の画像形成装置Uでは、清掃動作は、累積印刷枚数が、予め設定された枚数の一例としての1000枚になる度に実行されるように設定されているが、これに限定されず、画像形成動作の終了後や、画像形成装置Uの電源投入時、予め設定された時刻等、任意の時期に実行することが可能である。
図8は実施例1のグリッド電極の説明図である。
図8において、実施例1のグリッド電極12は、中央の網部12aと、前記網部12aを囲む枠部12bと、前記枠部12bの前側に形成された前側の被支持部12cと、枠部12bの後側に形成された後側の被支持部12dとを有する。実施例1のグリッド電極12は、前側の被支持部12cおよび後側の被支持部12dにより、前端ブロック4および後端ブロック3に、予め設定された張力で張架された状態で支持される。
図8、図9において、実施例1のグリッド電極12の網部12aは、左右方向の中央部において前後方向に延びる直線状の境界部36を有する。前記境界部36の左側には、第1の領域の一例として、前後方向に対して傾斜する第1の傾斜角度θ1に沿って、予め設定された形状の孔の一例としての長細い六角形状の孔37が平面充填状態で配列された左グリッド部38が形成されている。前記境界部36の右側には、第2の領域の一例として、第1の傾斜角度θ1とは異なる第2の傾斜角度θ2に沿って、細長い六角形状の孔37が平面充填状態で配列された右グリッド部39が形成されている。
実施例1では、左グリッド部38および右グリッド部39は、共に、同一形状の細長い六角形状の孔37が配列されており、各孔37の周囲を囲むように縁部40が形成されている。
なお、右グリッド部39も傾斜角度θ2では、左右対称になる以外は、左グリッド部38の傾斜角度θ1と同様である。
また、実施例1では、境界部36は、第1ワイヤ11aと第2ワイヤ11bに対して、左右方向の中間の位置に対応して配置されており、第1ワイヤ11aに対応して左グリッド部38が配置され、第2ワイヤ11bに対応して右グリッド部39が配置されている。
さらに、実施例1のグリッド電極12では、図9に示すように、第1の傾斜角度θ1と第2の傾斜角度θ2は、電極クリーナ16の往動方向である前方に向かって互いに遠ざかる向きに傾斜している。
なお、実施例1のグリッド電極12では、第1の傾斜角度θ1と第2の傾斜角度θ2とは、境界部36を挟んで互いに逆方向に傾斜し且つ成す角θ1、θ2の絶対値が同一に設定されている。すなわち、実施例1では、左グリッド部38と右グリッド部39とでは、孔37の配列状態、いわゆる、配列パターンは線対称であり、且つ、左グリッド部38と右グリッド部39とで、境界部36に沿った方向である前後方向に配列パターンをずらして配置されている。
そして、実施例1では、図9に示すように、左グリッド部38と右グリッド部39とで、少なくとも、孔37bの埋められた部位が、境界部36を挟んで隣接しないように、前後方向にずれるように、孔37の配列パターンが前後にずらして配置されている。
前記構成を備えた本発明の実施例1の画像形成装置Uでは、ワイヤ電極11と対向電極部材2+12とに電圧が印加されると、各ワイヤ11a,11bから電子が放出され、感光体ドラムPy〜Pk表面が帯電される。
このとき、実施例1では、左グリッド部38と右グリッド部39とが、非線対称の配列パターンとなっており、感光体Py〜Pkの軸方向、すなわち、主走査方向に対して、線対称に配列された場合に比べて、帯電ムラが発生しにくくなっている。
図10Aにおいて、特許文献1に記載されているような従来のグリッド電極01における配列パターンは、右グリッド部02と左グリッド部03とが線対称の配列となっている。
ここで、実施例1のグリッド電極12も図10Aに示すような特許文献1に記載されているグリッド電極01も、予め設定された配列パターンで孔37が配列されている。したがって、図10AのXB−XB線断面のように、副走査方向に沿った断面における(開口率)=(開口の面積の総和)/(全体の面積)、を考えると、開口率が主走査方向で周期的に変動する。
特に、開口面積が小さい場合に孔を埋める場合には、孔を埋めた部位04が隣接して配置されてしまい、副走査方向の開口率が小さくなりやすくなってしまう。
境界部36の太さを太くして、開口率の変動を低減することも考えられるが、境界部36を太くすると、境界部36において、放電が遮断されてしまい、感光体Py〜Pkの帯電効率が低下する。したがって、境界部36はできるだけ細くすることが望ましいが、境界部36を細くすると、開口率が変動しやすくなってしまう。
図12は、従来のグリッド電極の開口率の説明図であり、横軸にワイヤ方向の位置をとり、縦軸に開口率を取ったグラフである。
したがって、図9、図10において、副走査方向に沿った断面の開口率の変動を、主走査方向に沿って測定すると、非線対称の実施例1では、図11に示すように、開口率が82.5%〜87.2%程度であり、開口率の変動が4.7%程度であった。これに対して、線対称の図10の構成では、図12に示すように、開口率が79.5%〜88.2%程度であり、開口率の変動が8.7%と大きくなっている。特に80%を割る開口率の箇所と、その両脇で大きな変動が発生するため帯電ムラが発生しやすい。
特に、実施例1では、孔37bが埋められた部位が左右のグリッド部38,39で主走査方向にずらして配置されており、非対称でも埋められた部位が境界部36を挟んで隣接して配置されていたり、埋められた部位が境界部36を挟んで部分的に重複して配置されている場合に比べて、開口率の変動が低減され、帯電ムラが発生しにくくなっている。
特に、ブラシ状のグリッドクリーナ20を使用した場合、ブラシの毛が孔37の縁部40に引っ掛かって、抜けてしまうことがあり、ブラシの毛が感光体Py〜Pkの表面に付着すると、画質低下を引き起こす可能性があるが、実施例1では、引っ掛かかりやすい開口面積の小さい孔37bは埋められてブラシの毛が脱落しにくくなっていると共に、清掃動作中は排気が実行されており、抜けたブラシの毛が回収されやすくなっている。
さらに、実施例1では、傾斜角度θ1,θ2が、電極クリーナ16の往動の下流側である前方に行くに連れて外側に傾斜するように設定されている。すなわち、孔37の配列パターンが、前方に行くに連れて開くように角度が設定されている。したがって、図9、図13において、右グリッド部39について説明をすると、復動の下流側である後側に配置され且つ復動の方向に対して傾斜する縁部40aに対してブラシ状のグリッドクリーナ20の毛20aが接触すると、図13A、図13Bに示すように、内側に向けて毛20aが撓む。図13A、図13Bに示す状態から、グリッドクリーナ20がホームポジションに向けて移動、すなわち復動して、図13Cに示すように毛20aが縁部40aを乗り越えると、毛20aが外側に向けて弾性復元する。すなわち、毛20aは、縁部40aを乗り越える際に、内側から外側に向けて弾かれるように変形する。
傾斜角度が前方に行くに連れて内側に傾斜する場合、復動時に、ブラシの毛は、内側に弾かれることとなり、ブラシの毛に付着した汚れは、弾かれて、副走査方向に対して両側から中央に向けて汚れが集中することとなる。よって、汚れが集中すると、空気の吸引だけでは十分に対応しきれず、感光体Py〜Pkの表面に局所的な汚れが発生し、感光体クリーナCLy〜CLkで除去されるまでに時間がかかり、画質低下が発生する恐れがある。
これに対して、実施例1では、復動時に外側に向けて毛20aが弾かれ、外側に汚れが分散しやすくなっている。したがって、空気の吸引でも汚れに対応しやすく、感光体Py〜Pkの表面に付着する汚れも分散しやすく、画質低下が目立ち難くなっている。
なお、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
前記構成を備えた実施例2の帯電器CCy〜CCkでは、図14Bに示すような左右対称の従来の構成に比べて、主走査方向に沿って開口率の変動が低減されており、実施例1と同様に、主走査方向の帯電ムラを低減することが可能である。
なお、この実施例3の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例3は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
前記構成を備えた実施例3の帯電器CCy〜CCkでは、図15Bに示すような左右対称の従来の構成に比べて、主走査方向に沿って開口率の変動が低減されており、実施例1、2と同様に、主走査方向の帯電ムラを低減することが可能である。
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H014)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としての複写機に限定されず、プリンタ、FAX等の画像形成装置にも適用可能である。また、カラーの画像形成装置に限定されず、モノクロの画像形成装置にも適用可能である。さらに、タンデム型の画像形成装置に限定されず、ロータリ型の画像形成装置にも適用可能である。
(H03)前記実施例において、シールド電極2は省略することが可能である。
(H04)前記実施例において、ワイヤ電極11に対してクリーナ22,26が接触、離間する構成を例示したが、クリーナ22,26がワイヤ電極11に常時接触する構成を採用することも可能である。
(H06)前記実施例において、電極クリーナ16を前後方向に移動させるための構成は、例示したシャフト6を使用する構成に限定されず、前後方向に移動可能な任意の構成を採用可能である。
(H07)前記実施例において、被検知部21bおよび光センサSN1を配置する位置は、実施例に例示した位置に限定されず、前後方向や左右方向の位置をずらす等、任意の位置に変更可能である。他にも、例えば、被検知部21bを帯電器本体1の外部に突出させて、光センサSN1を帯電器CCy〜CCkのユニットに配置せず、感光体Py〜Pk側に配置したり、画像形成装置の本体U3に配置して検知を行う構成とすることも可能である。
(H09)前記実施例において、左グリッド部38,38′,38″と右グリッド部39,39′,39″とは、左右で線対称の配列パターンを主走査方向にずらした構成を例示したが、これに限定されず、配列パターン自体を左右で非線対称とすることが可能である。例えば、実施例2の左グリッド部38′と実施例3の右グリッド部39″とを組み合わせる等、左右で任意の組み合わせとすることが可能である。
(H011)前記実施例において、傾斜角度θ1,θ2は、電極クリーナ16の往動方向に対して外側に開く傾斜とすることが望ましいが、これに限定されず、内側に向かう傾斜とすることも可能である。
(H012)前記実施例において、孔37bを埋める構成を採用することが望ましいが、孔37bを埋めない構成とすることも可能である。
(H014)前記実施例において、孔37,37′,37″の形状は、実施例に例示した形状に限定されず、例えば、正六角形や三角形、長方形、5角形等の多角形や、5角形と6角形の組み合わせ等の多角形どうしの組み合わせや、多角形と円形との組み合わせ等、形状は任意の形状とすることが可能である。
12…電極部材、
16…清掃部材、
36…境界部、
37,37a,37b,37b′,37b″…孔、
38,38′,38″…第1の領域、
39,39′,39″…第2の領域、
CCy,CCm,CCc,CCk…放電器,帯電器、
Py,Pm,Pc,Pk…被放電体,像保持体、
U…画像形成装置、
θ1,θ1′,θ1″…第1の傾斜角度、
θ2,θ2′,θ2″…第2の傾斜角度。
Claims (7)
- 被放電体に対向して配置され且つ予め設定された方向に延び、電圧が印加されて放電する放電部材と、
前記放電部材と前記被放電体との間に配置され、前記放電部材との間に電圧が印加されて前記放電部材からの放電を制御する電極部材であって、前記放電部材から前記被放電体に向けて貫通する予め設定された形状の孔が複数形成された前記電極部材と、
を備え、
前記電極部材は、前記予め設定された形状の孔が前記放電部材の延びる方向に対して傾斜する第1の傾斜角度に沿って配列された第1の領域と、前記予め設定された形状の孔が前記第1の傾斜角度とは異なる第2の傾斜角度に沿って配列された第2の領域と、前記第1の領域と前記第2の領域との間に配置され且つ前記放電部材の延びる方向に沿って延びる境界部と、を有し、前記境界部を境界として前記第1の領域を前記第2領域に対して線対称に投影した場合に、前記第1の領域の孔の位置と前記第2の領域の孔の位置とがずれた配列に設定された
ことを特徴とする放電器。 - 被放電体に対向して配置され且つ予め設定された方向に延び、電圧が印加されて放電する放電部材と、
前記放電部材と前記被放電体との間に配置され、前記放電部材との間に電圧が印加されて前記放電部材からの放電を制御する電極部材であって、前記放電部材から前記被放電体に向けて貫通する予め設定された形状の孔が複数形成された前記電極部材と、
を備え、
前記電極部材は、前記孔が前記放電部材の延びる方向に対して傾斜する第1の傾斜角度に沿って配列された第1の領域と、前記孔が前記第1の傾斜角度とは異なる第2の傾斜角度に沿って配列された第2の領域と、前記第1の領域と前記第2の領域との間に配置され且つ前記放電部材の延びる方向に沿って延びる境界部と、を有し、前記第1の領域の孔の配列と前記第2領域の孔の配列とが、前記境界部を対称軸として非線対称に設定された
ことを特徴とする放電器。 - 前記放電部材が延びる方向に対する前記第1の傾斜角度と、前記放電部材が延びる方向に対する前記第2の傾斜角度とが、前記放電部材が延びる方向を挟んで互いに逆側に傾斜し且つ成す角度の絶対値が同一に設定された
ことを特徴とする請求項1または2に記載の放電器。 - 前記境界部から離れた位置に配置された孔に対して部分的に欠けた形状に形成され且つ前記境界部に隣接して配置された孔の開口面積が、予め設定された面積よりも小さい場合に、前記欠けた形状の孔が埋められると共に、前記第1の領域の孔が埋められた部位と、前記第2の領域の孔が埋められた部位とが、前記放電部材が延びる方向に対してずらして配置された
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の放電器。 - 前記放電部材の延びる方向に沿って移動可能に支持され、前記放電部材の延びる方向の一端側に予め設定された初期位置から、前記電極部材に接触した状態で前記放電部材の延びる方向に沿って往復移動して前記電極部材の清掃を行う清掃部材と、
を備え、
前記第1の傾斜方向および第2の傾斜方向が、前記清掃部材の往動方向に向かって、互いに遠ざかる向きに傾斜する
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の放電器。 - 前記清掃部材が前記電極部材から清掃した汚れを吸引して排出する排出装置であって、前記清掃部材が往復移動中に空気の吸引を行って前記汚れを排出する前記排出装置、
を備えたことを特徴とする請求項5に記載の放電器。 - 被放電体としての像保持体と、
請求項1ないし6のいずれかに記載の放電器により構成され、前記像保持体の表面を帯電させる帯電器と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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