JP2012218296A - インクジェット記録用紙及びインクジェット記録用紙の製造方法 - Google Patents

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慎一 古賀
Yuri Murakami
友里 村上
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知之 寺尾
Masaru Kadota
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Abstract

【課題】 鮮明な模様を有し、且つ、インクジェット記録適性に優れたインクジェット記録用紙を提供することにある。
【解決手段】本発明は、紙層10の片側の表面11aに、該紙層表面の地色または光沢とは異なる色または光沢を呈する模様形成材料21を部分的に有する模様紙20と、該模様紙の模様形成材料を有する面に、インク定着剤、気相法シリカおよびバインダーを含有するインク受容層30を設けたインクジェット記録用紙1である。
【選択図】図1

Description

本発明は、模様を有するインクジェット記録用紙に関する。
近年、郵政葉書(官製葉書)のバリエーションが増加し、薄く着色されたいろどり年賀等が発売され、例えば、平成22年用の年賀はがきでは着色のみならず、白色フロックを混抄して模様を施した模様紙も採用されている。今後も装飾性を付与した葉書が増加すると考えられる。
異物を混抄して模様紙を作製することは従来から広く知られており、例えば、あらかじめ着色した繊維を紙料に混合して抄紙する方法は「毛染め」と呼ばれ、古くから知られている。また、着色繊維以外の模様形成材料(着色フロックやノット粕、綿実殻、着色した水溶性高分子塊等)を混抄した模様紙も知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。これら模様紙は模様形成材料と下地の色とを組合せることで多数のバリエーションを作り出すことができる。さらには、異物が不規則に散らばって模様を形成するため、印刷による模様とは異なり、一つとして同じ模様にならない。そのため、世に一つしかないオリジナルの模様紙を得ることができる。
特開昭63−219698号公報 特開昭63−295798号公報 特開平10−183489号公報
しかし、このような模様紙にインクジェット記録を行うと、インク吸収性が悪く画像が滲んでしまい、また、耐水性も悪いため、雨など水分が付着した場合、記録物が滲んでしまうなど、インクジェット記録適性が不十分である。一方、前記模様紙にインクジェット記録適性を有する葉書などで使用されているインク受容層を形成した場合、インクジェット記録適性は改善されるものの模様の視認性が低下してしまい、特に金属光沢感を有する模様については大きく見劣ってしまうという問題がある。
本発明の課題は、新規な模様を有するインクジェット記録用紙を提供することにある。
本発明は、以下の構成を有する。
(1)紙層の片側の表面に、該紙層表面の地色または光沢とは異なる色または光沢を呈する模様形成材料を部分的に有する模様紙と、該模様紙の模様形成材料を有する面に、インク定着剤、気相法シリカおよびバインダーを含有するインク受容層を設けたインクジェット記録用紙。
(2)模様形成材料が、金属粉および金属片から選ばれる少なくとも一種であり、該模様形成材料は結着剤により紙層表面に固定されている(1)に記載のインクジェット記録用紙。
(3)該模様紙が多層抄き抄紙機により形成されている(1)又は(2)に記載のインクジェット記録用紙。
(4)紙層中に、少なくとも填料として二酸化チタンを含有する(1)〜(3)のいずれか一に記載のインクジェット記録用紙。
(5)パルプを主成分とするパルプスラリーと、模様形成材料及び結着剤を有する模様形成材料含有液を用い、パルプスラリーで紙層を形成し、その表面に模様形成材料含有液が付着するように抄紙機内で積層することにより、紙層及び模様形成材料を有する模様紙を形成し、次いで、インク定着剤、気相法シリカおよびバインダーを含有するインク受容層を塗工、乾燥して形成するインクジェット記録用紙の製造方法。
(6)模様形成材料含有液は、丸網抄紙機のパット部に供給し、丸網により紙層に転写して模様紙を形成する(5)記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
(7)複数のパルプスラリーを用い、多層抄きにより紙層を形成する(5)又は(6)に記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
(8)模様形成材料が、金属粉および金属片から選ばれる少なくとも一種である(5)〜(7)のいずれか一に記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
本発明のインクジェット記録用紙は、模様を有するため、装飾性に優れたインクジェット記録用紙となる。
本発明のインクジェット記録用紙の一実施形態を示す断面図である。
<インクジェット記録用紙>
本発明のインクジェット記録用紙の一実施形態について、図1をもって説明するが、本発明は図1に限定されるものではない。図1に示すように、本実施形態のインクジェット記録用紙1は、第1の層11、第2の層12および第3の層13からなる紙層10と、第1の層11の表面11aに部分的に設けられた模様形成材料21を有する模様紙20と、模様紙20の模様形成材料21を有する面に設けられたインク受容層30とを備える。なお、紙層は、一層であっても、二層以上の積層体であってもよい。
(紙層)
[第1の層]
第1の層11は、紙層10の一方の面を構成するもので、その表面11aには部分的に模様形成材料21が形成される。第1の層は、パルプを主成分とする。パルプについては特に限定しないが、木材パルプを主成分として用いることが好ましい。木材パルプとしては、LBKP(広葉樹晒しクラフトパルプ)、NBKP(針葉樹晒しクラフトパルプ)、機械パルプ、古紙パルプ等が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を適宜組合せて使用できる。第1の層は、模様形成材料の下地となるので、LBKP、NBKPを用いることが好ましい。
木材パルプのフリーネスはCSF(カナディアンスタンダードフリーネス)で300〜500mlの範囲のものが好ましい。CSFが300ml未満で低くなるほど、濾水性が低下し、抄紙時の生産性が低下する傾向にある。また、通気性も低下するため模様紙製品とした際にフクレの原因となることがある。一方、CSFが500mlを超えて高くなるほど、繊維間結合が弱くなり、紙製品での表面強度が低下する傾向にある。このような理由から、CSFは300〜500mlが好適である。
また、木材パルプ以外の非木材パルプを配合してもよい。パルプ以外の成分としては、例えば、一般に使用される内添薬品が使用でき、填料、紙力剤、サイズ剤、消泡剤、滑剤、歩留まり向上剤などが挙げられる。内添薬品の配合量については、目的とする紙の品質に応じて薬品毎に適宜選択される。木材パルプの配合量の目安としては、70〜95質量%が好ましい。
第1の層は、着色されていてもよい。着色方法としては、例えば、染料、顔料、定着剤等を適宜選択し、木材パルプに添加して着色すればよい。染料としては、各種の直接染料、塩基性染料、酸性染料、分散染料、カチオン染料等が挙げられる。顔料としては、各種天然鉱物顔料、合成無機顔料等の無機顔料、アゾ系顔料、多環式顔料、レーキ顔料等の有機顔料等が挙げられる。定着剤としては、硫酸バンド、ポリビニルアミン等のカチオン性定着剤等が挙げられる。
[第2の層]
第2の層12は、紙層の内部を構成するもので、パルプを主成分とする。第2の層12は一層であっても、複数層あってもよい。なお、第2の層は省略することもできる。
第2の層12を構成するパルプとしては、第1の層11を構成するパルプと同様のものを使用できる。第2の層12は外側から視認されない層であるから、第1の層11や後述する第3の層13が着色されている場合でも、第2の層12は着色されていなくてもよい。また、古紙パルプや機械パルプを多く配合することもできる。
第2の層12には、第1の層11と同様に、一般に使用される内添薬品として、填料、紙力剤、サイズ剤、消泡剤、滑剤、歩留まり向上剤等が含まれてもよい。第2の層12についても、内添薬品の配合量については、目的とする紙の品質に応じて薬品毎に適宜選択される。木材パルプの配合量の目安としては、85〜100質量%が好ましい。
[第3の層]
第3の層13は、紙層10の他方の面を構成する。紙層が一層からなる場合、第3の層は省略できる。第3の層の表面にも模様形成材料を設けることもでき、更にインク受容層を形成することにより、両面のインクジェット記録用紙とすることもできる。しかし、葉書の用途として使用される場合、この面にインク受理層を設けると、宛名面印刷時において印刷機のブランケットが汚れ易くなり、印刷作業性を著しく低下させてしまう虞があるため好ましくなく、また、この面に模様形成材料を設けると、宛名面において、記入された郵便番号や、隠し印字されたバーコードの読み取りにエラーが生じやすくなるため模様形成材料を設けることも好ましくない。
第3の層は、パルプを主成分とした層である。第3の層13を構成するパルプとしては、第1の層11を構成するパルプと同様のものが例示できるが、第1の層と同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
第3の層13についても、非木材パルプ、一般に使用される内添薬品として、填料、紙力剤、サイズ剤、消泡剤、滑剤、歩留まり向上剤等が含まれてもよい。
第3の層13についても、内添薬品の配合量については、目的とする紙の品質に応じて薬品毎に適宜選択される。木材パルプの配合量の目安としては、85〜100質量%が好ましい。
第3の層13の露出面13aは王研式平滑度が20秒以上であることが好ましい。王研式平滑度が20秒以上であれば、平滑性が高いため、印刷仕上がりが良好になる。平滑度は、100秒以下であることが好ましい。
第3の層は、着色されていてもよい。着色方法としては、例えば、染料、顔料、定着剤等を適宜選択し、木材パルプに添加して着色すればよい。染料としては、各種の直接染料、塩基性染料、酸性染料、分散染料、カチオン染料等が挙げられる。顔料としては、各種天然鉱物顔料、合成無機顔料等の無機顔料、アゾ系顔料、多環式顔料、レーキ顔料等の有機顔料等が挙げられる。定着剤としては、硫酸バンド、ポリビニルアミン等のカチオン性定着剤等が挙げられる。
[紙層の填料]
第1の層、第2の層、第3の層の少なくとも一層に、填料として二酸化チタンやプラスチックピグメントを用いると、片面に設けられた模様が他面から視認不能(裏移り対策)にすることができるので好ましい。
[紙層の密度]
紙層10の密度は0.75g/cm以上であることが好ましい。密度が0.75g/cm以上であれば、木材パルプ繊維間の結合が高く、オフセット印刷時にピッキングが起こりにくくなる。紙層10の密度は、0.90g/cm以下であることが好ましい。
(模様形成材料)
模様形成材料21は、紙層10の第1の層11の表面11aの部分的に形成される。第1の層11の表面11aの地色または光沢と、これとは異なる色または光沢を呈する模様形成材料21により、この面には模様が形成される。模様形成材料21は表面11aに均一に分布させるよりも、ランダムに散在させたほうが、装飾性に富むので好ましい。表面11aの部分的に模様形成材料21が存在するとよいが、表面11aの90%(例えば葉書全面のうち90%)を越えるような模様形成材料21の付着は、装飾性に劣ることから、90%以下の範囲で存在させることが好ましい。
模様形成材料21を紙層のパルプスラリーに抄きこむ方法は従来からあるが、この場合、パルプ成分が模様形成材料を覆ってしまうため、鮮明な模様が得られ難い。特に、金属光沢を有する金属片や金属粉の場合、光沢が損なわれるため好ましくないばかりか、紙層の強度を低下させる虞もある。本発明は、模様形成材料を結着剤とともに、紙層表面11aに設けることにより、模様の鮮明な視認性確保と、紙力の低下を防ぐことができるのである。
[模様形成材料]
模様形成材料21は、上記紙層表面11aと異なる色または光沢を呈する粒子状物または繊維状物である。
例えば、フロック、着色合成繊維、着色パルプ、未晒しパルプ、ノット、綿実殻、紙片、フィルム片、金属片や金属粉等を用いることができる。また、これらは併用することもできる。中でも、金属片や金属粉が装飾性に優れたインクジェット記録用紙となるので好ましい。
フロックは、アニオン性高分子の水溶液に染料、顔料、繊維からなる群から選ばれる1種以上を混合し、得られた混合物を攪拌しながら、カチオン性凝集剤を添加して凝集させることにより得られる。
フロックの面積は0.5〜50mmが好ましい。フロックの面積が0.5mm未満であると、視認性が低下する傾向にあり、50mmを超えると、模様としての均一性や外観が損なわれるばかりでなく、模様自体が脱落するおそれがある。
アニオン性高分子としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)等のアニオン性セルロース誘導体、酸化澱粉、リン酸エステル化澱粉等のアニオン性澱粉誘導体、アニオン性ポリアクリルアミド(PAM)、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アニオン変性ポリビニルアルコール(PVA)等の水溶性高分子が挙げられる。
染料、顔料としては、木材パルプの着色に使用されるものと同じものを使用できる。無着色繊維としては、木材パルプやリンターパルプ等の植物繊維、合成パルプ、合成繊維、無機繊維等が挙げられる。ただし、染料および顔料を添加しない場合には、第1の層11に含まれる主材とは異なる色のものを使用する。着色繊維としては、無着色繊維が染料、顔料により着色されたものが挙げられる。
カチオン性凝集剤としては、例えば、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、カチオン性PAM、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン等が挙げられる。
アニオン性高分子としてCMCを用いた場合には、フロックの安定性や入手の容易さから、カチオン性凝集剤として硫酸バンドを用いることが好ましい。
アニオン性高分子とカチオン性凝集剤の比率は、選択するアニオン性高分子、カチオン性凝集剤の種類によって作用が異なるため一概には言えないが、例えば、アニオン性高分子100質量部に対して、カチオン性凝集剤を10〜50質量部添加すればよい。
アニオン性高分子水溶液に添加する染料、顔料、繊維の種類および量は目的とする模様用異物に応じて適宜選択される。例えば、透明感のある着色フロックを得たい場合は染料のみを添加すればよい。不透明な着色フロックを得たい場合には有色顔料を添加するか、白色顔料と染料を添加すればよい。サイズが大きく、かつ抄紙工程のシェアで壊れにくいフロックを得たい場合には、つなぎとして繊維を添加すればよい。
主材が着色されている場合には、模様用異物として、白色顔料および/または白色パルプとアニオン性高分子とを含有する白色フロックを用いることが好ましい。主材で得られた下地に白色パルプを含有させると、着色された下地に白色フロックが分散した模様を形成でき、華やかな風合いを得ることができる。
上記白色フロックは、アニオン性高分子の水溶液に白色顔料および/または白色パルプを混合し、得られた混合物を攪拌しながら、カチオン性凝集剤を添加して凝集させることにより得られる。
白色フロックに使用する白色顔料としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。中でも白色度、不透明度が高い二酸化チタンが好ましい。
白色フロックに使用する白色パルプとしては、漂白された木材パルプや非木材パルプ、合成パルプ等が挙げられる。白色パルプの白色度は70%以上であることが好ましく、80%以上であることが好ましい。なかでも、木材パルプのうち、安価で入手も容易であることから、LBKPまたはNBKPが好ましく、繊維長が短く、巨大フロック形成を防止できることから、LBKPがより好ましい。
白色パルプのフリーネスは特に限定されず、例えば、CSFで100〜750mlのものが使用される。
白色顔料と白色パルプの両方を使用する場合には、白色顔料と白色パルプの合計を100質量部とした際に、白色パルプの割合が10〜90質量%であることが好ましい。白色パルプの割合が10質量%以上であれば、白色フロックが破壊されにくくなり、90質量%以下であれば、白色フロックの不透明度を高くできる。
着色合成繊維としては、着色された合成繊維を5〜20mm程度の長さに切断したものが挙げられる。繊維径としては5〜50μm程度が好適である。合成繊維としては、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維等が挙げられるが、汎用的であることから、ナイロン繊維が好ましい。
着色パルプとしては、LBKP、NBKP等を染料で着色したものが挙げられる。
未晒しパルプとしては、LUKP(広葉樹未晒しパルプ)、NUKP(針葉樹未晒しパルプ)等が挙げられる。
ノットとしては、パルプ製造工程で生じる未蒸解残渣をレファーナー等で叩解し、スクリーンで選別して長さ1〜10mm程度に調整したものが挙げられる。ノットを混抄した場合には、ひげ状の模様が得られる。
綿実殻としては、綿実から綿を採取した残り殻を水酸化ナトリウム(NaOH)の水溶液等で洗浄して油脂分を除去し、レファーナー等で0.1〜1mm程度に粉砕したものが挙げられる。綿実殻を混抄した場合には、砂地模様が得られる。
紙片としては、米坪10〜100g/m程度の紙を歯形で打ち抜いたものや、裁断して細片化したものが挙げられる。紙片の面積としては0.5〜50mmが好ましい。紙片の面積が0.5mm以上であれば、装飾性がより高くなり、50mm以下であれば、模様の外観や均一性を維持しつつ脱落を防止できる。
フィルム片としては、着色されたPETフィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム等を歯型で打ち抜いたもの、裁断して細片化したものが挙げられる。フィルム片の厚さは3〜20μmが好ましい。フィルム片の厚さが3μm以上であれば、装飾性がより高くなり、20μm以下であれば、脱落を防止できる。フィルム片の面積は0.5〜50mm程度が好適である。フィルム片の面積が0.5mm以上であれば、装飾性がより高くなり、50mm以下であれば、模様の外観や均一性を維持しつつ脱落を防止できる。
金属片や金属粉としては、例えば、厚さ0.2〜2.0μm程度に圧延した真鍮箔、アルミニウム箔等の各種金属箔を回転するバスケットに投入し、遠心力で細片化したものが挙げられる。本発明では、便宜上、面積が0.5mm未満を金属粉、0.5mm以上を金属片というが、金属粉のみ、金属片のみ、金属粉と金属片の両方を用いる場合のいずれも可能である。金属粉のみでは、粉砕処理を進め、更に分級が必要となるのでコストがかかるばかりか、模様的にも細かい模様となるため、装飾性に富む金属片を含む方がよい。一方、金属片のみでは、粉砕時に発生した金属粉をわざわざ取り除く必要があるので、金属片と金属粉がともに含まれていることが好ましい。
金属片の面積は特に限定しないが、装飾性が優れる0.5〜200mmが好ましい。金属片の面積が0.5mm以上であれば、装飾性がより高くなり、200mm以下であれば、模様の外観や均一性を維持しつつ脱落を防止できる。
[結着剤]
結着剤としては、水溶性及び/または水分散性の高分子化合物を用いることができ、例えば、カチオン性澱粉、両性澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、エステル化澱粉、エ−テル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白、天然ゴム等の天然あるいは半合成高分子化合物、ポリビニルアルコール、イソプレン、ネオプレン、ポリブタジエン等のポリジエン類、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリアルケン類、ビニルハライド、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、メチルビニルエーテル等のビニル系重合体や共重合体類、スチレン−ブタジエン系、メチルメタクリレート−ブタジエン系等の合成ゴムラテックス、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、オレフィン−無水マレイン酸系樹脂、メラミン系樹脂等の合成高分子化合物等が例示できる。これらの中から目的に応じて1種あるいは2種以上が適宜選択して使用される。
中でも、紙層への固着力、装飾性、インク受容層との密着性の優れるポリビニルアルコール類の使用が好ましい。
(模様紙の製造)
紙層及び模様形成材料を有する模様紙は、特に製造方法を限定するものではないが、公知の多層抄き抄紙機で製造することが好ましい。多層抄き抄紙機としては、2層以上の抄き合わせが可能であれば特に形式は限定されず、長網マシン、短網マシン、円網マシン、傾斜ワイヤーマシン等、公知の抄紙機を適用できる。また、これらの中から複数を組合せたもの(例えば短網/円網コンビネーション等)でも構わない。
例えば、円網抄き合わせ抄紙機を用い、第3の層のパルプスラリーを最裏層となるバットに供給し、第2の層、第1の層のパルプスラリーを順次各バッドに供給し、模様形成材料及び結着剤を水に分散した模様形成材料含有液を最表層となるバットに供給し、抄き合わせることにより、第3の層、第2の層、第1の層を積層した紙層及び、第1の層上に模様形成材料が形成された模様紙が製造することができる。
模様形成材料含有液は、模様形成材料の種類にもよるが、模様形成材料の比率が5質量%以下程度、好ましくは3質量%以下で行なわれる。過剰に模様形成材料を配合すると、紙層表面の大部分を被覆してしまうため、模様がはっきりしなくなり、好ましくない。結着剤の比率についても、用いる模様形成材料に応じて配合するとよい。過少な配合の場合、模様形成材料が欠落してしまう虞がある。一方、過剰の配合は、インクジェット記録した際のインク(主に溶媒)の吸収性が損なわれる虞がある。結着剤の配合比率は、目安として5質量%以下程度であり、好ましくは3質量%以下で行なわれる。
抄紙により得た紙層10には、オフセット印刷適性をより向上できることから、少なくとも、第3の層13の露出面13aに、表面紙力剤を含有する処理液を塗工することが好ましい。表面紙力剤としては、ポリビニルアルコール(PVA)、澱粉、ポリアクリルアミド(PAM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)ラテックス等が挙げられる。
表面紙力剤を含有する処理液には、表面サイズ剤、消泡剤、滑剤等の助剤が含まれてもよい。
表面紙力剤を含有する処理液を塗工する方法としては、例えば、サイズプレスコーター、ゲートロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、ダイコーター、キスコーター、スプレーコーター等の公知の塗工方式が挙げられる。塗工は、抄紙機の下流側に一連に設置された塗工機(オンマシンコーター)でまたは抄紙機とは別に設置された塗工機(オフマシンコーター)のいずれで行っても構わない。
なお、紙層が一層の場合は、長網抄紙機で紙層を形成、丸網抄紙機で模様形成材料を積層という方法など、適宜行うとよい。
(インク受容層)
インク受容層30は、気相法シリカ、バインダーおよびインク定着剤を含有する。
[気相法シリカ]
気相法シリカは、原料となる四塩化珪素の純度を蒸留により比較的高くすることができ、さらにクローズドシステムにより四塩化珪素を気相中で燃焼加水分解して製造可能なため、製造工程においても不純物の混入を防ぐことが可能である。このような気相法シリカは、比表面積が100〜500m/g(窒素吸着法による)と高いため、インク受容層のインク吸収性が高く、また模様紙の模様の視認性が損なわれることを防ぐことができる。比表面積は100m/g未満になると光散乱が強くなり、模様の視認性が低下する。一方、500m/gを越えると、インク吸収性が著しく低下するため、200〜400m/gがより好ましい。
インク受容層に、湿式法シリカを用いた場合、模様紙の模様の視認性が著しく低下する。また、アルミナを用いた場合には、模様紙の模様の色調が大きく変わってしまう。コロイダルシリカを用いた場合には、模様紙の模様の視認性は優れるものの、インクの吸収性が劣り、実用的でない。その他の顔料にしても模様紙の模様の視認性とインク吸収性の両立が困難であることから、当該発明においては気相法シリカを用いることが最も好ましい。
[バインダー]
バインダーとしては、公知のバインダーが使用でき、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、カチオン変性PVA、シリル変性PVA等の変性PVAなどのPVA類、ポリビニルアセタール、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。中でも、PVA類は、インクの吸収性と、模様紙の模様の視認性と、断裁時の粉落ち抑制の点から好ましい。なお、断裁時の粉落ちを抑制するために、水分散性接着剤を併用してもかまわない。
気相法シリカとバインダーの配合割合は、 気相法シリカ100質量部に対して5〜50質量部であることが好ましく、10〜40質量部であることがより好ましい。この配合量が、5質量部未満であると、塗膜強度が十分でないおそれがあり、50質量部を超えると、インクの吸収性を損なう虞があり好ましくない。
[インク定着剤]
インク定着剤としては、公知のカチオン性化合物を例示することができる。カチオン性化合物としては、カチオン性樹脂や低分子カチオン性化合物、金属化合物が例示される。
カチオン性樹脂としては、1)ポリエチレンポリアミンやポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類またはその誘導体、2)第2級アミノ基、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル重合体、3)ポリビニルアミンおよびポリビニルアミジン類、4)ジシアンジアミド・ホルマリン共重合体に代表されるジシアン系カチオン性化合物、5)ジシアンジアミド・ポリエチレンアミン共重合体に代表されるポリアミン系カチオン性化合物、6)エピクロルヒドリン・ジメチルアミン共重合体、7)ジアリルジメチルアンモニウム−SO重縮合体、8)ジアリルアミン塩・SO重縮合体、9)ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、10)ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体、11)アリルアミン塩の共重合体、12)ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩共重合体、13)アクリルアミド・ジアリルアミン共重合体、14)5員環アミジン構造を有するカチオン性樹脂等が例示できる。
低分子カチオン性化合物としては、シラン系、チタネート系、アルミニウム系またはジルコニウム系などのカチオン性カップリング剤やカチオン性界面活性剤等が挙げられる。
金属化合物としては、水溶性アルミニウム化合物(例えば、塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等の無機塩、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーであるポリ水酸化アルミニウム化合物等)、水溶性ジルコニウム化合物(例えば、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム化合物等)、水溶性チタン化合物(例えば塩化チタン、硫酸チタン等)、水溶性ランタノイド属化合物(例えば、塩化セリウム、硝酸セリウム、硫酸セリウム、酢酸セリウム、硝酸ランタン等)などの水溶性多価金属塩等が挙げられる。
これらのインク定着剤は単独に、また2種以上併用して用いられる。
(シリカ−カチオン性化合物凝集体微粒子)
上記カチオン性化合物は、気相法シリカとの混合液中で気相法シリカと凝集し、シリカ−カチオン性化合物凝集体を形成する傾向にある。このため、このカチオン性化合物は、単体で用いるより予め気相法シリカと凝集体を形成して用いることが好ましい。シリカ−カチオン性化合物凝集体微粒子を形成するために用いる単体の気相法シリカは、平均粒子径が3〜40nmの1次粒子であるが、この凝集体微粒子は、実質的に1次粒子が凝集してできた二次粒子からなっている。シリカ−カチオン性化合物凝集体は、平均粒子径0.01〜1μmとなるように粉砕・分散し、シリカ−カチオン性化合物凝集体微粒子として、インク受容層用塗工液に用いることが好ましい。粉砕・分散する方法としては、超音波、高速回転ミル、ローラミル、容器駆動媒体ミル、媒体撹拌ミル、ジェットミル、擂解機、サンドグラインダー、ナノマイザー(商品名)、ホモミキサー等が挙げられる。
凝集体微粒子の平均粒子径は、例えば動的光散乱法によるレーザー粒度分布計(大塚電子株式会社製、商標LPA3000/3100)を用いて、無機微粒子水分散液を十分に蒸留水で希釈した状態で測定するとよい。平均粒子径はキュムラント法を用いた解析から算出される値を用いる。
顔料およびインク定着剤としてこのシリカ−カチオン性化合物凝集体微粒子は、1種単独で、あるいは2種以上併用して用いられるが、これを用いることによって、模様紙の模様の視認性、表面強度、平滑性ならびにインクの吸収性、発色性、耐候性、耐水性等を向上させることができる。
(インク受容層形成工程)
インク受容層を設けるためには、気相法シリカとバインダーとインク定着剤と水とを含有するインク受容層形成用塗工液を模様紙30に塗工すればよい。
塗工方法としては、例えば、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、ダイコーター、キャストコーター等、公知の塗工方式にて塗工する方法が挙げられる。
インク受容層形成用塗工液の塗工量(乾燥塗工量)は、好ましくは1〜8g/m、更に好ましくは2〜7g/m、特に好ましくは3〜6g/mである。塗工量が1g/m以上であれば、インクジェット印刷適性がより向上し、8g/m以下であれば、模様の視認性に優れる。
インク受容層形成後、抄紙機または塗工機の下流側に一連に設置されたカレンダー装置(オンマシンカレンダー)でカレンダー処理して、密度、平滑度を調整してもよい。あるいは、抄紙機または塗工機とは別に設置されたカレンダー装置(オフマシンカレンダー)でカレンダー処理してもよい。
(裏面処理)
裏面、即ち、紙層のインク受容層を形成しない面には、カールを防止するために水を塗布してもよく、また、葉書として使用される場合には、宛名面のインクジェット記録適性を付与するために、ポリビニルアルコールや澱粉を塗工してもよく、併用して塗工することが好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、もちろん本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例において配合、濃度等を示す数値はいずれも固形分または有効成分の質量基準の数値である。すなわち、「%」は「質量%」、「部」は「質量部」を意味する。
<模様紙の作製>
実施例および比較例で使用した模様紙の作製方法を示す。
(模様形成材料1の調整)
厚さ0.2〜0.5μm程度に圧延した真鍮箔を回転するバスケットに投入し、遠心力で細片化し、模様形成材料用の金属粉及び金属片を得た。
(模様形成材料2の調整)
厚さ0.2〜0.5μm程度に圧延したアルミニウム箔を回転するバスケットに投入し、遠心力で細片化し、模様形成材料用の金属粉及び金属片を得た。
(パルプスラリーAの調整)
LBKP(白色度85%、フリーネス590mlCSF)を水に投入して離解し、叩解して、フリーネス400mlCSFのパルプスラリーAを得た。
(パルプスラリーBの調整)
パルプスラリーAの固形分100部に対して、酸化チタンを5部添加して、パルプスラリーBを得た。
(パルプスラリーCの調製)
パルプスラリーAの固形分100部に対して、模様形成材料1の調整で得た模様形成材料用の金属粉及び金属片を5部添加して、パルプスラリーCを得た。
(模様形成材料含有液Aの調製)
模様形成材料1の調整で得た模様形成材料用の金属粉及び金属片を水に分散し、ポリビニルアルコールを加え、コーレスで10分間て模様形成材料含有液Aを得た。模様形成材料用の金属粉及び金属片の濃度は、0.07%であり、ポリビニルアルコールの濃度は0.09%であった。
(模様形成材料含有液Bの調製)
模様形成材料2の調整で得た模様形成材料用の金属粉及び金属片を水に分散し、ポリビニルアルコールを加えて模様形成材料含有液Aを得た。模様形成材料用の金属粉及び金属片の濃度は、0.07%であり、ポリビニルアルコールの濃度は0.09%であった。
実施例1
[模様紙の製造]
1〜3層目の原料としてパルプスラリーAを使用し、4層目の原料として模様形成材料含有液Aを使用して、1〜3層の米坪が均等となるように円網多層抄紙機を用いて4層抄き合わせで抄紙した。抄紙に際してはPVA(デンカポバールK−17FE/電気化学工業株式会社製)を乾燥後の付着量が両面で1.0g/mとなるようにサイズプレスし、オンマシンカレンダーで処理した。これにより、米坪が190g/m、密度が0.83g/cmの紙層及び模様形成材料を有する模様紙を得た。
[インクジェット記録用紙の製造]
「気相法シリカ微粒子分散液の調製」
平均粒子径1.0μmの気相法シリカ(日本アエロジル社製、商品名:エアロジルA200、比表面積200m/g、平均1次粒子径:約12nm)を用い、ホモミキサーにより分散した後、平均二次粒子径が800nmになるまで高速流衝突型ホモジナイザーで粉砕分散し、20質量%のシリカ微粒子分散液を調製した。
「カチオン性化合物による処理」
このシリカ微粒子分散液100質量部に対し、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(第一工業製薬(株)製、商品名:シャロールDC902P、分子量:9000)6質量部を添加し、高速流衝突型ホモジナイザーで更に分散し、平均二次粒子径が0.15μmの20質量%のカチオン性高分子−シリカ複合粒子分散液を調製した。
「インク受容層用塗被液の調製」
微細顔料として、上記カチオン性高分子−シリカ複合粒子分散液100質量部(固形分)に、バインダーとして重合度1700、ケン化度98.0%のポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:クラレポバールPVA117)15質量部と、分散剤(東亜合成社製、商品名:アロンSD−10)0.05質量部を水中で混合してインク受容層用塗被液(濃度:20質量%)を調製した。
得られた模様紙に、インク受容層用塗被液をメイヤーバーを用いて塗工して、乾燥機で乾燥しインクジェット記録用紙を得た。乾燥塗工量は5g/mであった。
実施例2
実施例1の模様紙の製造において、4層目の原料として模様形成材料含有液Bを使用した以外は、実施例1と同様にして、模様紙を製造し、同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
実施例3
[模様紙の製造]
1〜2層目の原料としてパルプスラリーAを使用し、3層目の原料としてパルプスラリーBを使用し、4層目の原料として模様形成材料含有液Aを使用して、1〜3層の米坪が均等となるように円網多層抄紙機を用いて4層抄き合わせで抄紙した。抄紙に際してはPVA(デンカポバールK−17FE/電気化学工業株式会社製)を乾燥後の付着量が両面で1.0g/mとなるようにサイズプレスし、オンマシンカレンダーで処理した。これにより、米坪が170g/m、密度が0.83g/cmの紙層及び模様形成材料を有する模様紙を得た。
[インクジェット記録用紙の製造]
得られた模様紙を用いた以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
実施例4
実施例1の気相法シリカ微粒子分散液の調製において、気相法シリカ(日本アエロジル社製、商品名:エアロジルA300、比表面積300m/g、平均1次粒子径:約8nm)を用いた以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
比較例1
実施例1のインク受容層用塗被液の調製において、湿式法シリカ(トクヤマ製 商品名 ファインシールX−45 )100質量部に対し、ジメチルアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(第一工業製薬(株)製、商品名:シャロールDC902P、分子量:9000)6質量部を添加し、カウレスで分散し、平均二次粒子径が4.5μmの20質量%のカチオン性高分子−シリカ複合粒子分散液を調製した。このカチオン性高分子−シリカ複合粒子分散液を使用した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
比較例2
実施例1のインク受容層用塗被液の調製において、カチオン性高分子−シリカ複合粒子分散液に変えて、平均二次粒子径が1.2μmのカチオン性ゲル法シリカ(グレースジャパン社製、商品名:サイロジェット712C)を用いた以外、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
比較例3
[模様紙の製造]
1〜3層目の原料としてパルプスラリーAを使用し、4層目の原料としてパルプスラリーCを使用して、1〜4層の米坪が均等となるように円網多層抄紙機を用いて4層抄き合わせで抄紙した。抄紙に際してはPVA(デンカポバールK−17FE/電気化学工業株式会社製)を乾燥後の付着量が両面で1.0g/mとなるようにサイズプレスし、オンマシンカレンダーで処理した。これにより、米坪が200g/m、密度が0.83g/cmの紙層及び模様形成材料を有する模様紙を得た。
[インクジェット記録用紙の製造]
得られた模様紙を用いた以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
実施例5
実施例1のインクジェット記録用紙の製造において、インク受容層の塗工量を1g/mとした以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
実施例6
実施例1のインクジェット記録用紙の製造において、インク受容層の塗工量を3g/mとした以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
実施例7
実施例1のインクジェット記録用紙の製造において、インク受容層の塗工量を7g/mとした以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
比較例4
実施例1で製造した模様紙を、インクジェット記録用紙とした。
<評価>
(模様の視認性)
模様の視認性について、下記基準で目視評価した。
◎:極めて良好(インク受容層を形成前と形成後で金属片の光沢性の低下が殆どない)。
○:良好である(インク受容層を形成前と形成後で金属片の光沢性の低下が僅か)。
△:不良である。(インク受容層を形成前と形成後で金属片の光沢性の低下がある)
×:模様が殆ど見えない。(金属片部分の光沢が失われている)
(インク吸収性)
インクジェットプリンターPIXUS iP4100(キヤノン社製)を用いて行った。インクカートリッジは、キヤノン社製BCI−7Bk、BCI−7C、BCI−7M、BCI−7YおよびBCI−3eBkを用い、評価はグリーンベタ印字を行い、前記ベタ印字部のインク吸収の様子を目視にて行った。
◎:ベタ部にムラが見られず、良好な状態。
○:ベタ部にムラが若干見られるが、殆ど問題にはならないレベル。
△:ベタ部にムラが多少見られ、使用状況によっては問題となるレベル。
(裏移り)
裏面(インク受容層を設けていない面)から観察し、模様や印字が見えるか目視した。
○:見えない。
△:僅かに見える。
Figure 2012218296
各実施例のインクジェット記録用紙は、インクジェット記録適性とともに模様の視認性に優れるものであった。一方、比較例のインクジェット記録用紙は、模様の視認性とインクジェット記録適性を両立するものではなかった。
本発明のインクジェット記録用紙は、装飾性に優れるため、葉書をはじめとする様々な用途に使用することができる。
1 インクジェット記録用紙
10 紙層
11 第1の層
11a表面
12 第2の層
13 第3の層
20 模様紙
21 模様形成材料
30 インク受容層

Claims (8)

  1. 紙層の片側の表面に、該紙層表面の地色または光沢とは異なる色または光沢を呈する模様形成材料を部分的に有する模様紙と、該模様紙の模様形成材料を有する面に、インク定着剤、気相法シリカおよびバインダーを含有するインク受容層を設けたインクジェット記録用紙。
  2. 模様形成材料が、金属粉および金属片から選ばれる少なくとも一種であり、該模様形成材料は結着剤により紙層表面に固定されている請求項1記載のインクジェット記録用紙。
  3. 該模様紙が多層抄き抄紙機により形成されている請求項1又は2に記載のインクジェット記録用紙。
  4. 紙層中に、少なくとも填料として二酸化チタンを含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録用紙。
  5. パルプを主成分とするパルプスラリーと、模様形成材料及び結着剤を有する模様形成材料含有液を用い、パルプスラリーで紙層を形成し、その表面に模様形成材料含有液が付着するように抄紙機内で積層することにより、紙層及び模様形成材料を有する模様紙を形成し、次いで、インク定着剤、気相法シリカおよびバインダーを含有するインク受容層を塗工、乾燥して形成するインクジェット記録用紙の製造方法。
  6. 模様形成材料含有液は、丸網抄紙機のバット部に供給し、丸網により紙層に転写して模様紙を形成する請求項5記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
  7. 複数のパルプスラリーを用い、多層抄きにより紙層を形成する請求項5又は6に記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
  8. 模様形成材料が、金属粉および金属片から選ばれる少なくとも一種である請求項5〜7のいずれか一項に記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014088040A (ja) * 2014-01-24 2014-05-15 Hokuetsu Kishu Paper Co Ltd インクジェット記録用模様紙
JP2017154470A (ja) * 2016-03-04 2017-09-07 北越紀州製紙株式会社 インクジェットプリンタ対応葉書の原紙の製造方法

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