JP2012217881A - 円筒体の外面クリーニング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】円筒体の外周面に付着している塵埃をその搬送過程で確実に除去する。
【解決手段】円筒体1を連続的に一定方向に移動させつつ、その円筒体1の外周面を清浄にする円筒体の外面クリーニング装置において、外周面が粘着面とされかつ水平軸線を中心に回転させられる粘着ロール2と、前記円筒体1をその中心軸線が水平となるように自重で落下させるとともにその円筒体1を前記粘着ロール2の外周面に沿って移動するようにガイドする落下シュート6とを備えている。粘着ロール2の外周面が撓まないので、円筒体1の外周面に確実に接触してその付着物を除去でき、また円筒体1は自重落下させて移動させるので、構成を簡素化できる。
【選択図】図1

Description

この発明は、缶胴などの円筒体の外周面から塵埃などの異物もしくは付着物を除去して清浄な状態にするためのクリーニング装置に関するものである。
缶胴などの円筒体は、多くの場合、何らかの素材に加工を施して製造されるが、製品によってはその外周面に更に加工を施すことがある。例えば、飲料缶とされる缶胴は、装飾や商品表示のために、外周面に印刷が施されたり、あるいはフィルムが貼着される。例えば特許文献1や特許文献2あるいは特許文献3には、金属缶の外周面にフィルムシートや加飾フィルムを熱接着する装置が記載されている。
この種のフィルムが貼着される缶体は、かなり清浄な状態に維持された環境の中で製造され、また加工されるが、フィルムを貼着するまでの過程で塵埃が不可避的に付着することがある。缶体に貼着されるフイルムは極めて薄いものであるから、フィルムを貼着するべき缶体の外表面に塵埃などの異物が付着していると、その異物の箇所でフィルムがゆがんで外観を損なう要因になったり、あるいはフイルムが異物によって部分的に缶体の外表面から浮き上がって接着性が損なわれるなどの不都合が生じる。
このような不都合の要因となるゴミや合成樹脂粉などのいわゆる付着物を除去するために、一般的には、洗浄液による缶体の洗浄が行われていたが、洗浄液を用いるとすれば、洗浄液を缶体に向けて供給し、またその残液を回収するなどの複雑で大型の設備を必要とすることになり、また洗浄後の乾燥に時間を要するために缶体の製造時間が長くなり、缶体の製造の高速化を図ることができないなどの課題があった。そこで、例えば特許文献4には、洗浄液を使用することなく、ゴミや合成樹脂粉を缶体などの円筒物品の外面から除去するクリーニング装置が記載されている。この特許文献4に記載されている装置を簡単に説明すると、この装置は、搬送手段で搬送される円筒物品の外周面に所定区間だけ接触可能に配置されて回転駆動されるゴミ除去用ベルトを備えており、そのゴミ除去用ベルトに対して円筒物品が転がり接触することにより、円筒物品の外周面に付着しているゴミ等をゴミ除去用ベルトに転移させて円筒物品の外周面をクリーニングするように構成されている。したがって、この種の装置によれば、缶体などの円筒物品の外周面に付着したごみや合成樹脂粉等を洗浄液を用いることなく、短時間に除去することができ、フィルムラベル貼着缶体の製造ラインにも容易に適用できる。
特許第2597020号公報 特開平8−1778号公報 特開平10−683号公報 特開2001−187366号公報
しかしながら、上記の特許文献4に記載された従来のクリーニング装置における搬送装置は缶体を互いに離隔させて保持するとともに、ベルト側に外周面の一部を露出させた状態で缶体を保持かつ搬送するように構成する必要があり、これは具体的には外周部に多数のポケットを備えたターレットである。このような搬送のためのシステムでは、供給される缶体の速度とターレットの回転速度とを同期させるなどの制御が必要であり、その結果、装置が複雑になり、設備費が高くなる可能性がある。また、ベルトに張力を付与して張った状態にし、これを缶体の外周面に接触させるとしても、ベルトには不可避的なぶれ、撓み、たるみ、ずれ、捩れ変形などが生じ、これに加えて飲料缶用の缶胴などの円筒体を対象とする場合には、円筒体の変形も生じ、そのためベルトと円筒体外周面との密着性が損なわれる。このような密着不良が生じた場合には、円筒体の外面に付着している塵埃を確実に除去できない場合が生じる。
この発明は上記の技術的課題に着目し、対象とする円筒体の外周面に付着している塵埃を確実に除去することのできるクリーニング装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、円筒体を連続的に一定方向に移動させつつ、その円筒体の外周面を清浄にする円筒体の外面クリーニング装置において、外周面が粘着面とされかつ水平軸線を中心に回転させられる粘着ロールと、前記円筒体をその中心軸線が水平となるように自重で落下させるとともにその円筒体を前記粘着ロールの外周面に沿って移動するようにガイドする落下シュートとを備えていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記落下シュートは、前記粘着ロールの外周部のうち粘着ロールの最下端に向けて回転する箇所に向けて、前記円筒体を落下させるようにガイドする導入部と、その導入部の下側に連続しかつ前記粘着ロールの斜め下側で粘着ロールに沿うように湾曲している湾曲部と、その湾曲部の先端部から斜め下方に缶体を送る排出部とを有している特徴とする円筒体の外面クリーニング装置である。
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記落下シュートは、前記円筒体の軸線方向での両端部のそれぞれと対向するサイドガイド部と、前記湾曲部において前記粘着ロールの外周面との間にある円筒体の前記粘着ロールとは反対の外周側に接触して前記粘着ロールとの間に円筒体を挟み付ける外周側ガイドとを有していることを特徴とする円筒体の外面クリーニング装置である。
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記外周側ガイドは、円筒体の軸線方向での中央部に接触しないように円筒体の軸線方向での各端部側にそれぞれ設けられていることを特徴とする円筒体の外面クリーニング装置である。
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記円筒体の軸線方向での各端部側に設けられている前記外周側ガイド同士の間隔は、前記円筒体の最大直径より広いことを特徴とする円筒体の外面クリーニング装置である。
請求項6の発明は、請求項4または5の発明において、前記円筒体は、軸線方向での一端部が開口し、他端部が底部によって閉じられている形状をなし、前記円筒体の開口端側に位置する前記外周側ガイドと前記粘着ロールの外周面との間隔が、円筒体の底部側に位置する前記外周側ガイドと前記粘着ロールの外周面との間隔より狭くなっていることを特徴とする円筒体の外面クリーニング装置である。
請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれかの発明において、前記粘着ロールの外周面に接触して回転することにより、前記粘着ロールの外周面に付着している付着物を受け取る粘着転写ロールを更に備えていることを特徴とする円筒体の外面クリーニング装置である。
請求項8の発明は、請求項7の発明において、前記粘着転写ロールは、前記粘着ロールの外周面に向けて前後動することにより前記粘着ロールの外周面に対して接触および離隔する少なくとも二つのロールを備えていることを特徴とする円筒体の外面クリーニング装置である。
この発明のクリーニング装置においては、円筒体は落下シュートにガイドされて粘着ロールの外周側に供給される。その場合、円筒体はその中心軸線を水平にした状態で落下し、したがってその中心軸線と粘着ロールの中心軸線とがほぼ平行になるので、円筒体の外周面と粘着ロールの外周面とが平行になってこれらの外周面が互いに密着する。粘着ロールが回転することにより、円筒体がその外周面を粘着ロールの外周面に接触させた状態で回転するので、円筒体の外周面の付着物が粘着ロールに付着し、円筒体から除去される。このようにこの発明に係るクリーニング装置は、円筒体を自由落下させて粘着ロールに供給するように構成されているので、制御を含む含めて装置の全体としての構成を簡素化することができる。また、円筒体に接触する粘着ロールは剛性が高く、撓みなどが生じないので、円筒体との密着性が良好であり、したがって円筒体の外周面にもれなく接触し、確実に塵埃を除去することができる。
また、落下シュートにおけるいわゆる湾曲部に、円筒体を粘着ロールの外周面に接触させた状態を保持する外周側ガイドを設けた構成とすることにより、円筒体をより確実に粘着ロールの外周面に接触させ、付着物を除去することができる。
この外周側ガイドは、円筒体の軸線方向の両端部側に配置されていてその間に間隔が空いている。その間隔を円筒体の最大直径より大きくすることにより、粘着ロールに対する姿勢に傾きがある円筒体は、その外周ガイドの間から排除される。すなわち、付着物の除去が清浄に行われない円筒体を自動的に排除し、後工程に流れることを簡単な構成で防止することができる。
さらに、一端部が開口した円筒体の場合、その開口端側に配置されている外周ガイドと粘着ロールの外周面との間隔が、円筒体の閉じている底部側に配置されている外周側ガイドと粘着ロールの外周面との間隔より狭くなっている。したがって、開口していることにより剛性の低い端部を、外周側ガイドと粘着ロールの外周面との間に幾分押しつぶして挟み付けるので、円筒体の外周面をより確実に粘着ロールの外周面に密着させ、付着物を確実に除去することができる。
さらにこの発明では、粘着ロールの外周面に付着した塵埃などの付着物を粘着転写ロールに受け取らせ、粘着ロールの外周面から除去できるので、粘着ロールの外周面に塵埃などの付着物が過度に堆積することを防止もしくは抑制することができる。特に、複数の粘着転写ロールを設けていれば、粘着転写ロールを後進している間でも他方の粘着転写ロールによって粘着ロールの外周面から付着物を取り去ることができるので、円筒体からその付着物を除去する運転を長時間に亘って継続することができる。
この発明に係るクリーニング装置の一例を示す正面図である。 II−II線矢視拡大断面図である。
この発明に係るクリーニング装置は、円筒体の外面、特に外周面に付着した塵埃などの異物もしくは付着物を除去するための装置であり、円筒体は要は、断面形状が円形をなすものであればよく、ツーピース缶用の缶胴など底部のある中空体や、スリーピース缶用の缶胴あるいは金属パイプなどの筒状体などがその例である。以下の例では、底部のある缶胴の外周面から付着物を除去するよう構成された例について説明する。
図1にこの発明の一例を模式的に示してあり、ここに示すクリーニング装置は、処理対象物である缶胴1の外面から付着物を除去する粘着ロール2を備えている。その粘着ロール2は、少なくとも外周面が粘着性を有する材料で形成されたものであって、回転中心軸線を水平にした状態で、機枠3によって回転自在に保持されている。より具体的に説明すると、粘着ロール2は、リム4の外周側にゴムリング5を巻いてリム4に一体化させて構成され、そのゴムリング5の外周面に粘着性が付与されている。粘着ロール2はその外周面を缶胴1の外周面に密着させることにより缶胴1から付着物を受け取って除去するものであるから、ゴムリング5の幅、より正確には粘着性のある部分の幅は、缶胴1の軸線方向の長さ、もしくは付着物を除去すべき外周面の軸線方向での長さ以上に設定されている。
粘着ロール2は、図1に矢印で示すように反時計回りにモータ(図示せず)によって回転させられており、その外周部のうち最下端に向けて回転する箇所の外周側、すなわち図1での左側から下側にかけて落下シュート6が配置されている。この落下シュート6は、この発明における円筒体である缶胴1を、その中心軸線が水平となるように姿勢を保持させて自重によって落下させるためのいわゆるガイド部材もしくはガイド機構であり、図2に断面として示してあるように、缶胴1の軸線方向での両端部に対向してそれらの端部の位置を規制するサイドガイド7a,7bと、落下シュート6内の缶胴1に対して粘着ロール2側に配置されて缶胴1の半径方向での位置を規制する内周側ガイド8aと、落下シュート6内の缶胴1に対して粘着ロール2とは反対側に配置されて缶胴1の半径方向での位置を規制する外周側ガイド8bとによって構成されている。なお、各サイドガイド7a,7bおよび内周側ガイド8aは金属材料で形成されており、これに対して外周側ガイド8bは、後述するように、強度を保持するための金属材料と、缶胴1の表面に擦過痕が付かないように合成樹脂、ゴム材などの軟質材料とによって形成されている。
落下シュート6は、缶胴1をその中心軸線が水平になった状態で自重で落下させるようにガイドするものであるから、一方の端部が粘着ロール2よりも高い位置に配置され、他方の端部が粘着ロール2よりも下側に配置されている。その上端部(言い換えれば投入部)は、粘着ロール2の回転中心とほぼ同じ高さの位置における接線方向での鉛直上方に配置され、その上端部から粘着ロール2の回転中心とほぼ同じ高さの位置までの部分が、直線的に上下方向に向いた導入部6aとなっている。
その導入部6aの下端に繋がっている部分は、粘着ロール2の外周面に沿って湾曲し、粘着ロール2の最下端もしくはそれより僅か手前の箇所に到っており、ここが湾曲部6bとなっている。この湾曲部6bにおいては、前述した内周側ガイド8aは設けられておらず、落下シュート6は粘着ロール2の外周面に対して開口している。そして、湾曲部6bにおける外周側ガイド8bと粘着ロール2の外周面との間隔は、缶胴1の直径程度に設定され、外周側ガイド8bと粘着ロール2の外周面との間に缶胴1を緩く挟み付けるように構成されている。
さらに、湾曲部6bの先端に続けて斜め下方に直線的に延びている部分が排出部6cとされている。この排出部6cは、設置されている向きが異なるが、前述した導入部6aと同様に構成されている。
上記の外周側ガイド8bは、湾曲部6bにおいて缶胴1を下側から支えることになる。そこで、この発明に係る上記のクリーニング装置では、外周側ガイド8bは、すべり防止のためのゴムなど軟質材9a,9bを缶胴1が通過する側に設けた金属製の二本のレール状部材9a’,9b’によって形成されている。具体的には図2に示すとおりであり、これらのレール状部材9a’,9b’は缶胴1の軸線方向での長さすなわち軸長より僅かに小さい間隔をあけて互いに平行に配置されている。そして、これらのレール状部材9a’,9b’同士の間の寸法(すなわち間隔)Lは、缶胴1の最大直径より大きくなっている。したがって、落下シュート6の内部で缶胴1がいわゆる横向きにならずに、中心軸線が上下方向を向くいわゆる縦向きになるなど、缶胴1の姿勢が異常な場合には、その缶胴1をレール状部材9a’,9b’の間の隙間から外部に落下させるようになっている。なお、上記の軟質材9a,9bを設けたレール状部材9a’,9b’は、湾曲部6bだけでなく、導入部6aや排出部6cの一部にわたり設けられてもよい。
さらに、缶胴1は、一方の端部が底部となっていて底板により閉じられ、これに対して他方の端部が開いていて開口端となっているので、各レール状部材9a’,9b’と粘着ロール2の外周面との間隔が異なっている。図2に示すように、缶胴1の底部側の外周面を接触させてガイドする一方のレール状部材9a’に取り付けられた軟質材9aは、相対的に薄い材料によって形成され、粘着ロール2の外周面との間隔が缶胴1の直径程度になっている。これに対して、缶胴1の開口端側の外周面を接触させてガイドする他方のレール状部材9b’に取り付けられた軟質材9bは、相対的に厚い材料によって形成され、粘着ロール2の外周面との間隔が缶胴1の開口端での直径より幾分小さくなっている。これは、缶胴1の開口端側の剛性が低いので、その開口端部を前記他方のレール状部材9b’によって粘着ロール2の外周面に対して強制的に押し付けて、缶胴1のすべりを防止するためである。したがって、各レール状部材9a’,9b’における軟質材9a’,9b’は、それぞれの厚さを同じにして、粘着ロール2の外周面に対する距離を異ならせることとしてもよい。
粘着ロール2の外周面には、缶胴1から受け取って除去した塵埃などの付着物が次第に堆積するので、その付着物を粘着ロール2から更に除去するための粘着転写ロール10が設けられている。この粘着転写ロール10は、粘着ロール2の外周面に接触して付着物を粘着ロール2の外周面から引き剥がすための、前記粘着ロール2より小さいロールであって、その外周部はゴムリングなどの軟質材によって形成されている。また、外周面の粘着力は、粘着ロール2における外周面の粘着力より強く設定されている。
図1に示す例では、粘着転写ロール10は二つ設けられており、それぞれ粘着ロール2に対して接近・離隔するように構成されている。このような往復移動は、適宜な構成の駆動機構によって行わせることができ、その一例を簡単に説明すると、前記機枠3に前記粘着ロール2の半径方向に向けた直線移動型のアクチュエータ(図示せず)を設け、粘着転写ロール10の軸受部をそのアクチュエータに保持させることにより、そのアクチュエータによって粘着転写ロール10を粘着ロール2に対して前後動させるように構成すればよい。また、粘着転写ロール10は、粘着ロール2の外周面に接触した状態で回転するように駆動力を与えることが好ましい。そのための機構を簡単に説明すると、前記機枠3の背面側(粘着ロール2が配置されている面とは反対側)に所定の速度で走行するベルト(図示せず)を張設しておくとともに、そのベルトに接触することにより回転するローラ(図示せず)を各粘着転写ロール10と同軸上に取り付けておき、粘着転写ロール10が粘着ロール2の外周面に接触するように前進させれらた場合に、その粘着転写ロール10と同軸上に設けられているローラがベルトに接触してトルクを伝達して粘着転写ロール10を回転させるように構成することができる。なお、各粘着転写ロール10は取り外し可能に構成されており、粘着ロール2から離れている状態で取り外して新規のものと交換できるようになっている。
つぎに上記のクリーニング装置の作用について説明する。粘着ロール2を回転させている状態で、缶胴1をその中心軸線を水平にして落下シュート6に投入すると、缶胴1はその軸線方向での両端部を各サイドガイド7a,7bに対向させてほぼ姿勢を維持した状態で落下する。そして、前述した落下シュート6における導入部6aと湾曲部6bとの境界部付近で内周側ガイド8aが切れていることにより、缶胴1の外周面が粘着ロール2の外周面に接触する。その場合、缶胴1はほぼ水平状態になっていて缶胴1の外周面の母線と粘着ロール2の外周面の母線とが一致もしくは平行になり、また粘着ロール2は剛性が高くその外周面がゆがんだりねじれるなどの変形を生じないので、缶胴1の外周面と粘着ロール2の外周面とは隙間を生じることなく密着する。
粘着ロール2は図1の矢印で示す方向に回転しているので、粘着ロール2の外周面に接触した缶胴1は、粘着ロール2によって回転させられつつ、湾曲部6bに沿って移動する。その移動距離は、缶胴1の外周の長さ以上に設定されており、したがって缶胴1の外周面の全てが粘着ロール2に少なくとも一回は接触する。その結果、缶胴1の外周面に付着していた塵埃などの付着物は、粘着ロール2の外周面に缶胴1の外周面から乗り換えて付着する。すなわち、缶胴1の外周面から除去される。
上述したように粘着ロール2の剛性が高く、その外周面の形状は常時、所期の形状に維持されているので、缶胴1の外周面の全てに粘着ロール2の外周面が確実に密着し、確実に付着物を除去することができる。特に、缶胴1の開口端側の外周面に接触して支持している一方のレール状部材9b’が、他方のレール状部材9a’よりも粘着ロール2の外周面に接近しているので、缶胴1における剛性の低い開口端部はそのレール状部材9b’と粘着ロール2との間に幾分押しつぶされて挟み込まれ、その結果、缶胴1における剛性の低い開口端部側の外周面も粘着ロール2に確実に密着させられる。すなわち、剛性が低いとしてもその部分の外周面における付着物の除去を確実に行うことができる。こうして付着物が除去された缶胴1は、落下シュート6における排出部6cの中を自重によって移動し、所定の箇所に送り出される。
なお、缶胴1がその中心軸線を水平にせずに、例えば立ち上がった状態で落下シュート6に投入されたり、あるいは落下シュート6の中で姿勢が変化して中心軸線が移動方向を向いてしまったりした場合、上記のクリーニング装置では、缶胴1を下側から支える外周側ガイド8bに缶胴1の最大直径より大きい隙間があいているので、上記のように異常な向きの缶胴1は、各レール状部材9a’,9b’の間の隙間から外部に落下する。すなわち、付着物の除去が正常に行われない缶胴1は、いわゆるラインから自動的に外され、後工程に送られることが回避される。
一方、粘着ロール2の外周面に粘着転写ロール10が接触して、共に回転している。その粘着転写ロール10の外周面における粘着力は、粘着ロール2の外周面における粘着力より大きいから、粘着ロール2の外周面上の付着物は、粘着転写ロール10によって粘着されて粘着転写ロール10の外周面から除去される。その結果、缶胴1に接触する粘着ロール2の粘着力は、所定のレベル以上に維持され、缶胴1の外周面のいわゆるクリーニングに支障を来すことはない。また、粘着転写ロール10の外周面に付着物がある程度堆積すると、その粘着転写ロール10は後退させられて粘着ロール2から離れ、同時に他の粘着転写ロール10が前進させられて粘着ロール2に接触し、こうして粘着ロール2の外周面から従前と同様にして、付着物を取り除くことができる。なお、後退移動させられて粘着ロール2から離れた粘着転写ロール10は、新規のものと交換され、他方の粘着転写ロール10に付着物がある程度堆積するまで待機させられる。
以上説明したように、この発明に係るクリーニング装置は、水平軸線を中心に回転している粘着ロール2の外周側に、中心軸線を水平にした缶胴1などの円筒体を自重で落下させれば、その円筒体の外周面の全体が、隙間を生じることなく粘着ロール2に接触し、付着物が除去される。したがって、円筒体の供給タイミングと粘着ロール2の回転とを同期させるなどの特別な制御が不要であり、しかも円筒体は重力によって供給および排出するように構成されているから、装置の全体としての構成を簡素化することができる。
なお、この発明は上記の具体例に限定されないのであって、外周側ガイドと粘着ロールの外周面との間隔は、円筒体の軸線方向の全体に亘って均一であってよい。
1…缶胴、 2…粘着ロール、 5…ゴムリング、 6…落下シュート、 7a,7b…サイドガイド、 8b…外周側ガイド、 6a…導入部、 6b…湾曲部、 6c…排出部、 9a,9b…軟質材、 9a’,9b’…レール状部材、 10…粘着転写ロール。

Claims (8)

  1. 円筒体を連続的に一定方向に移動させつつ、その円筒体の外周面を清浄にする円筒体の外面クリーニング装置において、
    外周面が粘着面とされかつ水平軸線を中心に回転させられる粘着ロールと、
    前記円筒体をその中心軸線が水平となるように自重で落下させるとともにその円筒体を前記粘着ロールの外周面に沿って移動するようにガイドする落下シュートと
    を備えていることを特徴とする円筒体の外面クリーニング装置。
  2. 前記落下シュートは、前記粘着ロールの外周部のうち粘着ロールの最下端に向けて回転する箇所に向けて、前記円筒体を落下させるようにガイドする導入部と、その導入部の下側に連続しかつ前記粘着ロールの斜め下側で粘着ロールに沿うように湾曲している湾曲部と、その湾曲部の先端部から斜め下方に缶体を送る排出部とを有している特徴とする請求項1に記載の円筒体の外面クリーニング装置。
  3. 前記落下シュートは、前記円筒体の軸線方向での両端部のそれぞれと対向するサイドガイド部と、前記湾曲部において前記粘着ロールの外周面との間にある円筒体の前記粘着ロールとは反対の外周側に接触して前記粘着ロールとの間に円筒体を挟み付ける外周側ガイドとを有していることを特徴とする請求項1または2に記載の円筒体の外面クリーニング装置。
  4. 前記外周側ガイドは、円筒体の軸線方向での中央部に接触しないように円筒体の軸線方向での各端部側にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項3に記載の円筒体の外面クリーニング装置。
  5. 前記円筒体の軸線方向での各端部側に設けられている前記外周側ガイド同士の間隔は、前記円筒体の最大直径より広いことを特徴とする請求項4に記載の円筒体の外面クリーニング装置。
  6. 前記円筒体は、軸線方向での一端部が開口し、他端部が底部によって閉じられている形状をなし、
    前記円筒体の開口端側に位置する前記外周側ガイドと前記粘着ロールの外周面との間隔が、円筒体の底部側に位置する前記外周側ガイドと前記粘着ロールの外周面との間隔より狭くなっていることを特徴とする請求項4または5に記載の円筒体の外面クリーニング装置。
  7. 前記粘着ロールの外周面に接触して回転することにより、前記粘着ロールの外周面に付着している付着物を受け取る粘着転写ロールを更に備えていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の円筒体の外面クリーニング装置。
  8. 前記粘着転写ロールは、前記粘着ロールの外周面に向けて前後動することにより前記粘着ロールの外周面に対して接触および離隔する少なくとも二つのロールを備えていることを特徴とする請求項7に記載の円筒体の外面クリーニング装置。
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