JP2012216538A - Led照明用ヒートシンク - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルミニウム板1で形成されたLED照明用ヒートシンクHであって、水平平面部Aと垂直正面部Bが交互に連続した階段状を有し、前記水平平面部A又は/及び垂直正面部Bの表面にLED素子Lが装着されてなることを特徴とするLED照明用ヒートシンク。
【選択図】図1
Description
(イ)ヒートシンクの3次元方向における投影面積が大きく、従って、その適用、設置箇所(場所)が閉鎖された空気による対流がない(又は少ない)空間においても、LED発光源からの熱を効率的に放射することができ、全体として有利に放熱性を向上させることが可能となる。
(ロ)アルミニウム板から形成される簡単な構造のヒートシンクであるので、シートやコイルなどの圧延板や,押出などにより加工された板を折り曲げることにより比較的容易に製作することができ、また軽量であるため車載用などのLED照明用のヒートシンクとして好適である。
先ず、本発明に係るLED照明用ヒートシンクの基本的な実施形態を示す図1、2に基づき、その全体形状の概念について具体的に説明する。図1はヒートシンクの斜視図、図2はその平面図である。
ここにおいて、本発明に係るヒートシンクHは図1に示すように、一定の肉厚を有するアルミニウム(その合金を含む)板1から形成された、全体が階段状の形状を有している。すなわち、図の場合は、放熱部面が2段の階段状であって、1枚(単一)のアルミニウム板1から形成された全体の基本形状が階段状を有している。すなわち、図の場合は、2段の階段の上部より、その水平平面部A1、垂直正面部B1、水平平面部A2、垂直正面部B2の順に、互いに直角をなした板状(平板状)水平平面部と板状(平板状)垂直正面部とが交互に連続して構成された形状(構造)となっている。
このように、本発明に係るヒートシンクHは、LED素子の装着面(設置面)である水平平面部A2の四周囲に、面同士が途切れることなく連続し、かつ、この水平平面部A2とは異なる面方向(面の延在方向)を有する、2面以上の平板状放熱部面が設けられている。そして、これら平板状放熱部面は、水平平面部A2の四周囲に各々配置されるとともに、この水平平面部A2と連続し、かつ異なる面方向である4面の平板状放熱部面として、垂直正面部B1、B2、垂直側面部C1、C2の合計5面の放熱部面を有する。
しかも、これら合計5面の放熱部面は、X、Y、Zの3次元のいずれの方向にも各々その面方向が向いた形で、LED素子Lを中心とする周囲(四周囲あるいは水平平面部A2の4辺)に各々配置された、平板状放熱面を構成している。すなわち、前記階段状の放熱部面が前記LED素子の周囲にX、Y、Zの3次元のいずれの方向にも各々その面方向が向いた形で配置されている。
図1では、全体として、これに、垂直正面部B1に連続する水平平面部A1を更に加えた、合計6面の平板状放熱面部によって、LED素子の周囲(四周囲)全てに、X、Y、Zの3次元のいずれの方向にも各々その面が向いている広い表面積を有する平板状放熱面部を配置している。
なお、X、Y、Zの3次元のいずれの方向にも各々その面が向いている広い表面積を有する平板状放熱面部を配置できるのであれば、水平平面部Aの4辺全て、あるいはLED素子の四周囲全てに広い表面積を有する平板状放熱面部を連続して設ける必要はない。たとえば、垂直側面部C1、C2をいずれか片方のみ設けるとか、各々の平板状放熱面部の延在する放熱面の幅(長さ)を、それが連続する水平平面部A2の各辺の長さよりも小さく(短く)することも可能である。また、水平平面部A2の平面視形状や、平板状放熱面部の形状を図1の四角形ではなく、三角形や多角形、円形、楕円形としても良い。
これに引き続き、水平平面部A2に伝導された熱は、このLED素子Lの位置を中心として、水平平面部A2に連続してその四周囲に配置された、垂直平面部B1、B2、垂直側面部C1、C2に、放射状あるいは同心円状に速やかに伝導する。また、垂直平面部B1から、これに連続する水平平面部A1にも速やかに伝導される。このように、LED素子Lから水平平面部A2に伝導された熱は、このA2に連続し、LED素子を中心として周囲に配置された2面以上の前記平板状放熱部面に、放射状あるいは同心円状に速やかに伝導、拡散する。これら、A2、B1、B2、A1、C1及びC2への熱Qの伝達は相互に熱レベルの高い方から低い方に伝導されている。
このように前記各放熱面部に伝達された熱Qは、これら広い表面積を有する平板状放熱面部から、X、Y、Zの3次元のいずれの方向にも各々一定のレベル以上で多量に放射される。すなわち、水平平面部A2の表裏全面からは、その直角方向(図1のY方向である上下方向)に周囲の閉鎖空間(放熱空間)Sに放射される。垂直正面部B1に伝達された熱Qは同平面部の表裏全面からその直角方向(図1のX方向である左右方向)の同空間Sに放射される。垂直側面部C1、C2に伝達された熱Qは同側面部の全面からそれぞれその直角方向(図2のZ方向である右及び左方向)の同空間Sに放射される。また、垂直正面部B1に伝導された一部の熱Qは水平平面部A1に伝導し、この水平平面部A1の表裏全面からその直角方向(図1のY方向である上下方向)の同空間Sに放射される。
この結果、平板状の広い表面積を有する平板状の放熱面部があるLED素子Lの後方側に比して、これら3周囲方向からの放射による放熱量は著しく小さくなる。この結果、放射による放熱量が、X、Y、Zの3次元のいずれの方向でも一定レベル以上確保することができず、放射による放熱効率を高めることができない。
まず、AA乃至JIS規格に規定される1050など、1000系の純アルミニウム又はアルミニウム合金を素材とし、圧延等の加工により、所定の厚さの純アルミニウム板又はアルミニウム合金板(これらを本発明では単にアルミニウム板という)を製造する。製造するアルミニウム板は、その長さLは、図1のA1(A2、B1、及びB2も同じ)の長方形の短辺の寸法の四倍とし、その幅Wは同長方形の長辺の寸法にC1(C2も同じ)正方形の一辺の寸法を加えたものである。
また、図1の垂直側面部C1、C2は、前説のとおり、A2+C1+C2からなる長方形のアルミニウム板を同方向に直角に曲げて得られ、A2と一体、連続したものであり、板材の切断、曲げ加工に容易に形成できるため好ましいが、予め別体のC1、C2の板を用意しておき、階段状の本体を構成するB1の両端部に垂直に配置した状態でそれぞれ溶接して形成しても良い。
ここにおいて、LED素子L装着部を除く水平平面部A2の肉厚は他のB1、A2、B2と同じであるが、この装着部についてはA2の裏面側が下方に膨出した厚肉部Pが形成されている。このように、水平平面部A2のLED素子L装着部の肉厚を厚くすることにより、照明時に水平平面部A2に生じた大量の熱を周囲の肉薄部に速やかに伝導させ、水平平面部A2の表裏全面より上下方の放熱空間に放射されると共に、水平平面部A2に隣接、連続したB1、B2、C1、C2にも同時に伝導され、それらの面からも放射されるから、全体の放熱効率をさらに向上させることができるし、かかる形状であればその製造も容易である。
なお、本発明のヒートシンクをアルミニウム(純アルミニウム)またはアルミニウム合金から構成すれば、表面放射率εは比較的低い値にとどまるが、放射による放熱を主体とするヒートシンクとしては表面放射率εを0.65以上の高い値とすることが好ましい。このため、前記放熱面部の表面に、放熱率が高い、黒色、グレー、白色などの塗料のプレコート処理(塗装皮膜)を施しても良い。また表面放射率εを高めるために、アルマイト処理などを用いても良い。この放射率εとは、実際の物体の熱放射の理論値(理想的な熱放射体である黒体の熱放射)に対する割合であって、実際の測定は、特開2002−234460号公報に記載された方法でもよく、市販のポータブル放射率測定装置によって測定してもよい。
ここにおいて、ヒートシンクHはアルミニウム板1で形成され、上より垂直正面部B1、水平平面部A1、垂直正面部B2、水平平面部A2の順に構成された階段状(2段)を有しており、水平平面部A1と垂直正面部B2の両側端部、水平平面部A2と垂直正面部B2の両側端部にそれぞれ垂直側面部C1、C2及びC3、C4を備えている。また、水平平面部A2の両側端部には、それぞれ下方に伸びた(突出した)垂直側面部C5、C6を有し、さらに垂直正面部B1の両側端部にも、それぞれ後方に伸びた(突出した)垂直側面部C7、C8を有している。ここで、垂直側面部C1、C2は水平平面部A1の両側に延長した部分を下向きに直角に折り曲げたものでハウジング2の側面と面一となっており、C3は垂直正面部B2を両側に延長した部分を前向きに直角に折り曲げてハウジング2の側面の外側に重ねた状態で配設されている。垂直側面部C5、C6は水平平面部A2を両側に延長した部分を下向きに直角に折り曲げたものであり、また、垂直側面部C7、C8は垂直正面部B1を両側に延長した部分を後向きに直角に折り曲げたものである。
2:ハウジング
H:LED照明用ヒートシンク
L:LED素子(発光源)
R:リフレクター
OL:アウターレンズ
A1、A2:水平平面部
B1、B2:垂直正面部
C1〜C8:垂直側面部
Q:熱
P:厚肉部
S:閉鎖空間(放熱空間)
Claims (5)
- アルミニウム板で形成されたLED照明用ヒートシンクであって、水平平面部と垂直正面部が交互に連続した階段状の放熱部面を有し、前記水平平面部又は/及び垂直正面部の表面にLED素子が装着されてなることを特徴とするLED照明用ヒートシンク。
- 前記階段状の放熱部面が前記LED素子の周囲にX、Y、Zの3次元のいずれの方向にも各々その面方向が向いた形で配置されている請求項1に記載のLED照明用ヒートシンク。
- 前記水平平面部又は/及び垂直正面部の片側又は両側の端部にこれらと垂直な垂直側面部を有する請求項1又は2に記載のLED照明用ヒートシンク。
- 前記水平平面部又は/及び垂直正面部のLED素子の装着部における肉厚を部分的に厚くしてなる請求項1乃至3のいずれか1項に記載のLED照明用ヒートシンク。
- 前記ヒートシンクが車載LEDランプ用ヒートシンクである請求項1乃至4のいずれか1項に記載のLED照明用ヒートシンク。
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