JP2012215377A - 地中熱交換システムと熱交換井の施工方法 - Google Patents

地中熱交換システムと熱交換井の施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】地下に存在する地下水流および不圧地下水流(表層水流)を積極的に活用し、地中熱交換効率の向上を図れる地中熱交換システムおよび熱交換井の施工方法を提供する。
【解決手段】熱交換井1が清水掘りまたは圧縮空気掘りにより掘削された裸坑から成る。循環用パイプ2が熱交換井1の内部に上部から深さ方向に配置される。充填材3が熱交換井1の内部の循環用パイプ2の周囲に充填され、間隙に水を通させる。熱交換媒体4が循環用パイプ2の内部を循環可能である。ヒートポンプ装置5が熱交換媒体を用いて熱交換を行う。給水手段6が充填材3の間隙に水が飽和状態で含まれるよう間隙に水を供給可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、地中熱を冷暖房として利用するための地中熱交換システムと熱交換井の施工方法に関するものである。
地中は一年を通して一定温度(約15℃前後)であるため、夏場はヒートポンプサイクルによって温められた熱交換媒体の熱を地中に逃がし、冬場は冷やされた熱交換媒体を地熱で温める。このような仕組みの地中熱ヒートポンプシステムが普及しつつあり、これにより、二次熱交換回路に設けられた圧縮機の負担を減らして、省電力およびCO排出量の大幅な削減を図ることができる。
従来、地中熱交換システムの一次熱交換側は、地下水を含む場合、地盤の中に深さ約10〜200m、直径130mm程度の熱交換井を形成し、その熱交換井の中に熱交換媒体を流通させるUチューブを挿入し、さらに熱交換井の内部に砂や砂利などを満たすことによって形成されている。これにより、熱交換井の内部に地下水が満たされ、熱交換が促進されるようになっている(例えば特許文献1参照)。
これまでの地中熱交換システムは地下の熱移動を熱伝導によるものと仮定して設計されているが、地下水が存在する場合、熱移動は地下水流および不圧地下水流(表層水流)にも依存し、その効果は熱伝導に比較して大きい場合がある(非特許文献1、2参照)。
特開2010−190435号公報
新堀雄一,岩田宜己,森不可止,深谷▲玄▼三郎:坑井を用いた地中熱利用HPの設計と地下水流動との関係についての一考察.日本地熱学会誌,24(4),(2002),339-348. 岩田宜己, 小林利文, 深谷▲玄▼三郎, 横原恵一, 新堀雄一:地下水流動を考慮した地中熱利用ヒートポンプの実証試験.日本地熱学会誌,27(4),(2005),307-320.
しかし、従来、地下水流および不圧地下水流(表層水流)による熱移動の効果を地中熱交換システムの設計に取り入れたものはなかった。
そこで、本発明は、地下に存在する地下水流および不圧地下水流(表層水流)を積極的に活用し、地中熱交換効率の向上を図ることができる地中熱交換システムおよび熱交換井の施工方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る地中熱交換システムは、清水掘りまたは圧縮空気掘りにより掘削された裸坑から成る熱交換井と、前記熱交換井の内部に上部から深さ方向に配置された循環用パイプと、前記熱交換井の内部の前記循環用パイプの周囲に充填され、間隙に水を通させる充填材と、前記循環用パイプの内部を循環可能な熱交換媒体と、前記熱交換媒体を用いて熱交換を行うヒートポンプ装置とを、有することを特徴とする。圧縮空気掘りとは、ダウンザホールパーカッションドリル工法による掘削方法である。
本発明に係る地中熱交換システムは、裸坑から成る熱交換井の側面から地下水流および不圧地下水流(表層水流)が熱交換井の内部に流れ込み、充填材の間隙を通って、循環用パイプを循環する熱交換媒体との間で熱交換を行う。その熱交換媒体を用いてヒートポンプ装置により熱交換を行い、地中熱を冷暖房として利用することができる。なお、本発明において、「熱交換媒体」の意味には、熱媒および冷媒が含まれる。
本発明に係る地中熱交換システムによれば、熱交換井が清水掘りまたは圧縮空気掘りにより掘削された裸坑から成るため、泥水掘りにより掘削された熱交換井に比べて熱交換井側面の目詰まりを生じにくく、地下水流および不圧地下水流(表層水流)を熱交換井の内部に流入させやすい。熱交換井の内部で循環用パイプの周囲に充填された充填材は間隙に水を通させるため、熱移動効果の高い地下水流および不圧地下水流(表層水流)を活用し、熱交換媒体による地中熱交換効率の向上を図ることができる。
本発明に係る地中熱交換システムは、前記充填材の間隙に水が飽和状態で含まれるよう前記間隙に水を供給可能な給水手段を有することが好ましい。この場合、充填材の間隙を地下水流および不圧地下水流が流れやすく、熱交換媒体による地中熱交換効率の向上をより図ることができる。給水手段の例としては、熱交換井に注水する天水升や、熱交換井の上部に設けられる表土などが挙げられる。
本発明に係る地中熱交換システムは、前記熱交換井の内部の前記充填材の間隙の含水量を検出可能な含水量センサと、前記含水量センサの検出結果に応じて、前記充填材の間隙に水が飽和状態で含まれるよう前記給水手段による水の供給を制御する制御装置とを、有していてもよい。
この場合、含水量センサで熱交換井の内部の充填材の間隙の含水量を検出し、含水量センサの検出結果に応じて、制御装置により給水手段による水の供給を制御し、充填材の間隙に水が飽和状態で含まれるようにする。制御装置により常に充填材の間隙に水を満たすことにより、充填材の間隙を地下水流および不圧地下水流が常に流れやすくなり、熱交換媒体による安定した地中熱交換効率の向上を図ることができる。制御装置の例としては、天水容器から成る給水手段の底部に設けられて、含水量センサが検出する含水量が所定量以下のとき開き、所定量以上のとき閉じる電磁弁が挙げられる。
本発明に係る地中熱交換システムにおいて、前記充填材は最大径が5mm以上20mm未満の砂利から成ることが好ましく、直径10mm程度の三分砂利から成ることが特に好ましい。この場合、充填材の間隙が水を満たした飽和状態となりやすいため、充填材の間隙を地下水流および不圧地下水流が流れやすくなり、熱交換媒体による地中熱交換効率の向上をより図ることができる。充填材が最大径5mm未満、特に2mm程度以下の砂から成る場合、坑内の地下水流および不圧地下水流を阻害し、地中熱交換効率を低下させる。充填材が最大径20mm以上の砂利から成る場合、充填材が坑内の途中で引っ掛かりやすく、熱交換井の内部に充填材を充填する埋め戻し作業が著しく困難になる。
本発明に係る熱交換井の施工方法は、清水掘りまたは圧縮空気掘りにより熱交換井を掘削するとともに、前記熱交換井の内部にケーシングを設ける第1工程と、前記第1工程後、前記熱交換井の内部に上部から深さ方向に循環用パイプを配置する第2工程と、前記第2工程後、前記熱交換井の内部への充填材の充填と、前記熱交換井からの前記ケーシングの回転させながらの抜取りとを段階的に交互に行って、前記熱交換井から前記ケーシングを抜き取り、裸坑から成る前記熱交換井の内部に間隙に水を通させるよう充填材を充填する第3工程とを、有することを特徴とする。
本発明に係る熱交換井の施工方法により、地中熱交換効率の高い、本発明に係る地中熱交換システムの熱交換井を施工することができる。特に、第1工程では、清水掘りまたは圧縮空気掘りにより、熱交換井側面の目詰まりを生じにくく、地下水流および不圧地下水流(表層水流)の熱交換井の内部への流入を容易にする。これにより、熱移動効果の高い地下水流および不圧地下水流(表層水流)を活用し、熱交換媒体による地中熱交換効率の向上を図ることができる。
また、第3工程で、熱交換井の内部への充填材の充填と、熱交換井からのケーシングの回転させながらの抜取りとを段階的に交互に行うことにより、熱交換井側面の崩落を防ぎながら、充填の作業を行う。この段階的な充填材の充填により、熱交換井側面の目詰まりを生じにくくし、かつ、熱交換井の内部の充填材が間隙に水を通しやすくなるので、地下水流および不圧地下水流(表層水流)を内部に流入させやすい熱交換井にすることができる。このため、施工された熱交換井は、地下水流および不圧地下水流(表層水流)を活用して、熱交換媒体による地中熱交換効率の向上を図ることができる。
本発明によれば、地下に存在する地下水流および不圧地下水流(表層水流)を積極的に活用し、地中熱交換効率の向上を図れる地中熱交換システムおよび熱交換井の施工方法を提供することができる。
本発明の実施の形態の地中熱交換システムの説明横断面図である。
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態の地中熱交換システムを示している。
図1に示すように、地中熱交換システムは、熱交換井1と、循環用パイプ2と、充填材3と、熱交換媒体4と、ヒートポンプ装置5と、給水手段6とを有している。
図1に示すように、熱交換井1は、清水掘りまたは圧縮空気掘りにより掘削された縦孔の裸坑から成る。熱交換井1を掘削するのに適した地盤は、地表面10から順に、礫混じり粘土層11、シルト質粘土層12、凝灰質細・中粒砂岩層13を有する一般的な砂礫層地盤である。礫混じり粘土層11の下部では,シルト質粘土層12の直上に、表層水(粘土層上部不圧地下水)14がある。凝灰質細・中粒砂岩層13には、地下水流(局所流)15の流路があり、不圧地下水面16がある。裸坑は、一例では、深さ50m、直径130mm程度である。裸坑から成る熱交換井1には、地下水が地下側面から自由に流入、流出し、天水や雪解け水が自然に坑内に入りやすい。
循環用パイプ2は、ダブルUチューブから成る。ダブルUチューブは、一例では、ポリプロピレン製で、外径40mm、内径25mmである。循環用パイプ2は、熱交換井1の内部に上部から深さ方向に挿入され、配置されている。充填材3は、直径10mm程度の三分砂利から成る。充填材3は、熱交換井1の内部の循環用パイプ2の周囲に充填され、間隙に水を通させるようになっている。熱交換媒体4は、循環用パイプ2の内部に封入され、循環用パイプ2の内部をポンプ7により循環可能となっている。図1に、熱交換媒体4の流れ4aを示す。熱交換媒体4は、一例では、不凍液を10%程度含む水から成る。
ヒートポンプ装置5は、熱交換媒体4を用いて熱交換を行うように地上に設けられている。ヒートポンプ装置5は、熱交換媒体4の循環経路内に2つの熱交換器を有し、各熱交換器の間に圧縮機と膨張弁とを有している。ヒートポンプは、経路内を循環する熱交換媒体に対して凝縮、膨張、蒸発、圧縮を行い、それにより、一方の熱交換器を加熱し、他方の熱交換器を冷却する。一方の熱交換器は循環用パイプ2と熱交換を行い、他方の熱交換器は建物内の空調設備と熱交換を行うようになっている。空調設備は、熱交換器により熱交換を行った熱交換媒体をポンプ17により循環させる。図1に、その熱交換媒体の流れ18を示す。熱交換媒体は、一例では、不凍液を10%程度含む水から成る。
給水手段6は、熱交換井1の上部に設けられたコンクリート製の天水升から成る。給水手段6は、一例では、上面が70cm四方の大きさの底なし升から成る。給水手段6には、排水可能な天板を設ける。給水手段6は、充填材3の間隙に水が飽和状態で含まれるよう、充填材3の間隙に自然に水を供給可能となっている。図1に、給水手段6からの天水の流れ19を示す。熱交換井1の上部の地表面10には、アスファルト等の不透水性材料は施工しないようにする。
地中熱交換システムでは、裸坑から成る熱交換井1の側面から地下水流15および不圧地下水流(表層水流)20が自由に熱交換井1の内部に流れ込み、充填材3の間隙を通って、循環用パイプ2を循環する熱交換媒体4との間で熱交換を行う。その熱交換媒体4を用いてヒートポンプ装置5により熱交換を行い、地中熱を冷暖房として利用することができる。
地中熱交換システムでは、熱交換井1が清水掘りまたは圧縮空気掘りにより掘削された裸坑から成るため、泥水掘りにより掘削された熱交換井1に比べて熱交換井1の側面の目詰まりを生じにくく、地下水流15および不圧地下水流(表層水流)20を熱交換井1の内部に流入させやすい。図1に、地下水流15、不圧地下水流20、天水と表層水の合流流れ21を示す。熱交換井1の内部で循環用パイプ2の周囲に充填された充填材3は間隙に水を通させるため、熱移動効果の高い地下水流15および不圧地下水流(表層水流)20を活用し、熱交換媒体4による地中熱交換効率の向上を図ることができる。
地中熱交換システムは、給水手段6を有するので、給水手段6により、充填材3の間隙を水で満たされた飽和状態とすることができる。熱交換井1の内部で充填材3の間隙に空気相ができると、その不飽和帯が断熱帯となり、熱伝導率が低下する。給水手段6により熱交換井1の内部に自然に水を供給することにより、充填材3の間隙が水で満たされることで、充填材3の間隙を地下水流15および不圧地下水流20が流れやすくなり、熱交換媒体4による地中熱交換効率の向上をより図ることができる。
地中熱交換システムにおいて、充填材3は直径10mm程度の三分砂利から成るため、充填材3の間隙が水を満たした飽和状態となりやすい。このため、充填材3の間隙を地下水流15および不圧地下水流20が流れやすくなり、熱交換媒体4による地中熱交換効率の向上をより図ることができる。
この地中熱交換システムを用いた冬季における実験では、外気温度が約−5℃から10℃程度にあったが、終日運転により室内は常に20℃から25℃に保たれ、COPは3.5〜4.0にあった。なお,掘削により地上から20m深の位置に熱交換井への水の流れ込みがあり、地表から35mに地下水面が安定して存在していることが確認できた。
地中熱交換システム1の熱交換井1は、以下の第1乃至第3工程により施工することができる。
第1工程で、清水掘りまたは圧縮空気掘りにより熱交換井1を掘削するとともに、熱交換井1の内部にケーシングを設ける。清水掘りまたは圧縮空気掘りによる掘削は、掘削機を用い、ビットを回転させながら降下させて行われる。同時にビットのノズルからタンク内の清水または圧縮空気を噴射させる。噴射された清水または圧縮空気は、ビットにより切削されたカッテングを含んで坑内を上昇し、スクリーンでカッテングを除去されて、タンクに回収され、循環する。このようにして所定の深度まで掘削を行ったならば、掘削を停止し、清水または圧縮空気の循環のみを続ける。
ケーシングは、砂礫層を崩さないよう、清水掘りまたは圧縮空気掘りによる掘削を進めるごとに熱交換井1の内部に挿入する。ケーシングは、熱交換井1の内部に底部から地表面10まで伸びるよう挿入する。ケーシングの挿入を完了し、坑内のカッテングがほとんど除かれたならば、ビットを坑内から引き上げる。
第2工程では、第1工程後の熱交換井1の内部に上部から深さ方向に循環用パイプ2を配置する。循環用パイプ2は、熱交換井1の底部から地表面10まで伸び、底部で地上側に折り返すよう挿入する。循環用パイプ2は、熱交換井1の縦方向中心線付近に配置するようにする。
第3工程では、第2工程後の熱交換井1の内部への充填材3の充填と、熱交換井1からのケーシングの回転させながらの抜取りとを段階的に交互に行う。ケーシングを1m程度抜き取るごとに、熱交換井1の内部の循環用パイプ2の周囲に充填材3を充填し、これを繰り返す。こうして、熱交換井1からケーシングを完全に抜き取り、裸坑から成る熱交換井1の内部に間隙に水を通させるよう坑口まで充填材3を充填することができる。
この熱交換井1の施工方法により、地中熱交換効率の高い、本発明に係る地中熱交換システムの熱交換井1を施工することができる。特に、第1工程では、清水掘りまたは圧縮空気掘りにより、熱交換井1の側面の目詰まりを生じにくく、地下水流15および不圧地下水流(表層水流)20の熱交換井1の内部への流入を容易にする。これにより、熱移動効果の高い地下水流15および不圧地下水流(表層水流)20を活用し、熱交換媒体4による地中熱交換効率の向上を図ることができる。
また、第3工程で、熱交換井1の内部への充填材3の充填と、熱交換井1からのケーシングの回転させながらの抜取りとを段階的に交互に行うことにより、熱交換井1の側面の崩落を防ぎながら、充填の作業を行うことができる。充填材3を入れる前にケーシングを抜いてしまうと、熱交換井1の側面から、大きな礫が井内に張り出す等、充填ができない状態になるおそれがある。仮に、そのようなことになると、その深度から地下水面までは、空洞になってしまい、循環用パイプ2の周囲が断熱されてしまうことになる。また、地下水面より深い地点も、充填材3がない状態で、井内が循環用パイプ2と地下水のみになり、長期の利用において、循環用パイプ2を礫等が破損するおそれがある。しかし、この段階的な充填材3の充填により、熱交換井1の側面の崩落を防ぐことができる。また、熱交換井1の側面の目詰まりを生じにくくし、かつ、熱交換井1の内部の充填材3が間隙に水を通しやすくなるので、地下水流および不圧地下水流(表層水流)を内部に流入させやすい熱交換井1にすることができる。このため、施工された熱交換井1は、地下水流15および不圧地下水流(表層水流)20を活用して、熱交換媒体4による地中熱交換効率の向上を図ることができる。
地中熱交換システム1は、含水量センサ8と、制御装置9とを備えていてもよい。この場合、天水升から成る給水手段6には、底部を有し、底部に通水孔を有したものを用いる。含水量センサ8は、熱交換井1の内部の地上付近に設けられ、周囲の電気抵抗を測定することにより、充填材3の間隙の含水量を検出可能である。制御装置9は、電磁弁を有する。電磁弁は、給水手段6の底部の通水孔に設けられて、含水量センサ8から検出信号を受信し、含水量センサ8が検出する含水量が所定量以下のとき開き、所定量以上のとき閉じるようになっている。これにより、充填材3の間隙に水が飽和状態で含まれるよう給水手段6による水の供給を制御することができる。
この場合、含水量センサ8で熱交換井1の内部の充填材3の間隙の含水量を検出し、含水量センサ8の検出結果に応じて、制御装置9により給水手段6による水の供給を制御し、充填材3の間隙に水が飽和状態で含まれるようにする。制御装置9により常に充填材3の間隙に水を満たすことにより、充填材3の間隙を地下水流15および不圧地下水流20が常に流れやすくなり、熱交換媒体4による安定した地中熱交換効率の向上を図ることができる。
1 熱交換井
2 循環用パイプ
3 充填材
4 熱交換媒体
5 ヒートポンプ装置
6 給水手段
7 ポンプ
8 含水量センサ
9 制御装置

Claims (5)

  1. 清水掘りまたは圧縮空気掘りにより掘削された裸坑から成る熱交換井と、
    前記熱交換井の内部に上部から深さ方向に配置された循環用パイプと、
    前記熱交換井の内部の前記循環用パイプの周囲に充填され、間隙に水を通させる充填材と、
    前記循環用パイプの内部を循環可能な熱交換媒体と、
    前記熱交換媒体を用いて熱交換を行うヒートポンプ装置とを、
    有することを特徴とする地中熱交換システム。
  2. 前記充填材の間隙に水が飽和状態で含まれるよう前記間隙に水を供給可能な給水手段を有することを特徴とする請求項1記載の地中熱交換システム。
  3. 前記熱交換井の内部の前記充填材の間隙の含水量を検出可能な含水量センサと、
    前記含水量センサの検出結果に応じて、前記充填材の間隙に水が飽和状態で含まれるよう前記給水手段による水の供給を制御する制御装置とを、
    有することを特徴とする請求項2記載の地中熱交換システム。
  4. 前記充填材は最大径が5mm以上20mm未満の砂利から成ることを特徴とする請求項1,2または3記載の地中熱交換システム。
  5. 清水掘りまたは圧縮空気掘りにより熱交換井を掘削するとともに、前記熱交換井の内部にケーシングを設ける第1工程と、
    前記第1工程後、前記熱交換井の内部に上部から深さ方向に循環用パイプを配置する第2工程と、
    前記第2工程後、前記熱交換井の内部への充填材の充填と、前記熱交換井からの前記ケーシングの回転させながらの抜取りとを段階的に交互に行って、前記熱交換井から前記ケーシングを抜き取り、裸坑から成る前記熱交換井の内部に間隙に水を通させるよう充填材を充填する第3工程とを、
    有することを特徴とする熱交換井の施工方法。
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