JP2012214970A - パイプルーフ工法用鋼管の連結構造及び連結工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】掘削断面の外周部位に鋼管を並列配置に押し込んで山留めを行うパイプルーフ工法の鋼管同士の連結構造及び連結工法を提供する。
【解決手段】鋼管1の端部に外側継手管2を取り付け、対峙する鋼管1の端部には内側継手管3を取り付けて、外側継手管2と内側継手管3を嵌め合わせて連結する。両継手管2、3の管軸方向の中間部の周方向に中心が一致する配置の通孔2c、3cを設けている。内側継手管3の内周面に、雌ネジ部材5をそのネジ孔5bの中心を内側継手管3の通孔3cの中心と一致させて設置する。内側継手管3を外側継手管2の中空部内へ嵌め込み、中心を一致させた外側継手管2の通孔2cと内側継手管3の通孔3cへ、ピン材6が嵌め込まれ、ピン材6のボルト通し孔6aへ挿入したボルト7を雌ネジ部材5のネジ孔5bへねじ込み、締結する。
【選択図】図1

Description

この発明は、トンネルやボックスカルバートなど比較的大きな断面の地中構造物(以下、単にトンネルの用語で代表する。)の掘削に先行して、掘削断面の外周部位のトンネル軸方向又は直交方向に複数本の鋼管を並列配置に水平に押し込んで山留めを行う(又は山留め壁を構築する)パイプルーフ工法において、前記鋼管同士を軸方向に継ぎ足す連結構造及び連結工法の技術分野に属する。
従来、トンネルを掘削し構築するにあたり、活荷重の影響が大きいとか、土被りが少ない、弛み土圧が大きい、或いは地盤状況が不安定である等々の理由で掘削に伴う地表部への影響が予測される場合には、パイプルーフ工法を併用した掘削施工が多く実施されている。
パイプルーフ工法の施工例は、図14A〜Fに例示したように、鋼管によるパイプルーフaを施工してトンネル掘削が実施されている。図14のA図はトンネル上面のアーチに沿ってパイプルーフaを扇形配置に施工した実施例で、B図は矩形トンネルの上面に沿って門型にパイプルーフaを配置した例、C図はトンネルの全周に沿ってパイプルーフaを配置した例、D図は矩形トンネルの上辺に沿ってパイプルーフaを一文字に配置した例、E図は矩形トンネルの両側辺に沿ってパイプルーフaを縦列に配置した実施例を示す。それぞれの実施例は、最終的に作られる地中構造物b(トンネル)の断面形状や周辺の地盤性状に応じてパイプルーフaが施工されている。
次に、F図の場合は、左右に離れて平行に先行掘削した2本の子トンネルc、c間の上下をアーチ状に繋ぐパイプルーフa、aを施工し、その後、前記上下のアーチ状パイプルーフa、a間を掘削して大口径のトンネルdを構築する施工例を示している。
パイプルーフ工法に使用する鋼管の外径は、通例200mm〜2000mm程度の大きさである。鋼管は、図15に例示した如く中堀りオーガーを備えた推進機Mを使用して地盤中へ水平に押し込まれる。前記鋼管1の単位長さは、陸上輸送や施工性を考慮して6m程度が普通である。一方、地盤中に構築するパイプルーフaの軸方向の全長は、施工の立地条件に応じて様々であり、長いものは150mに及ぶ場合もある。したがって、パイプルーフ工法の実施に際しては、前記した単位長さの鋼管を現場で順次軸線方向へ必要本数を継ぎ足して施工することになる。したがって、現場における鋼管の継ぎ足し部(継手)の個数は膨大であり、継手の構造性能の良し悪し、及び継ぎ足し作業の迅速性がパイプルーフ工法の施工性と品質、性能を大きく左右し、工期の長短を左右する。
上記の観点で既往の先行技術を概観すると、例えば下記の特許文献1及び2に記載された「鋼管の連結方法」は、鋼管の継手部の外周の複数位置をボルトとナットで接合すると共に、その嵌め合い隙間へ2液常温硬化形アクリル系接着剤を注入し硬化させて接着を行い短時間で連結する方法を開示している。
また、下記の特許文献3に記載された「鋼管の接続方法」は、大径鋼管と小径鋼管とを交互の配置としてその継ぎ足し部を嵌め合わせ、同嵌め合わせ部の両端にシール固定リング及び弾性なシール材を設置して密閉処理を行い、前記嵌め合わせ部の隙間へアクリル系接着剤を圧力を加えて充填し接合する方法を開示している。
更に、下記の特許文献4に記載された「鋼管の継手構造」の場合は、軸方向に前後する配置とした鋼管の継手端部として、一方の鋼管には、同一外径であるが、内径部分に凹陥部を形成し、同凹陥部の円周を等分した複数位置にボルト孔を設けた外側継手管を溶接接合により設けている。他方の鋼管には、やはり同一外径であるが、前記外側継手管へ嵌め合わせる部分の外径を外側継手管の肉厚相当分だけ小径に形成して、前記凹陥部の手前側段部へ引っ掛かる肉厚状の段部を形成している。しかも外側継手管への嵌め合わせを容易にするため、前記小径部には円周方向に一定の間隔を開けた配置で軸線方向へのスリットを形成して、当該小径部は複数の分割片の集合として構成する。更に、前記外側継手管のボルト孔と対応する位置にネジ孔を同数設けた構成の内側継手管を、やはり溶接接合して設けている。
つまり、軸方向に前後する鋼管同士は、前記外側継手管の内側空部へ内側継手管を嵌め込み、更に各ボルト孔から内側のネジ孔に向かってボルトをネジ込み締結して一体的に接続する。要するに管軸方向の圧縮荷重及び引っ張り荷重は、内外の継手管同士の段部で処理する。そして、前記ボルト接合は内側継手管の各分割片が内側へ撓んで段部がはずれることを防ぐ補助的手段と説明している。
特許第3242604号公報 特許第3133027号公報 特許第4204260号公報 特開2006−274648号公報
上記のとおり、パイプルーフ工法を実施する際に不可欠である、管軸方向に前後する押し込み鋼管同士の連結手段に関しては、既に上記特許文献1〜4で代表的に説明したような先行技術が提案されている。しかし、未だ以下に説明する解決課題が指摘される。
課題の第一は、パイプルーフ工法の実施にあたり、地盤中へ並列配置の状態に押し込んだ鋼管は、いわゆる山留め構造物として山留め機能及び止水性能を発揮させるために、例えば図16に例示したように、横並びの鋼管a1とa2同士の周辺地盤を凍結処理し、凍結土eによる接合及び支持機能を発揮させる。その上で、パイプルーフを構成する鋼管列で覆われた内側の地盤を掘削して鋼管a1とa2の隙間を塞ぐ型枠fを設置し、前記型枠fの外側空隙部へモルタルgの注入を密実に行い、パイプルーフを構成する鋼管同士a1とa2の間を構造的に一体化接合し、且つ止水処理することが行われる。
ところが上記特許文献1〜3に提案された「鋼管接続方法」の場合は、継手の嵌め合い隙間へ接着剤を注入し硬化させて接着する構成であるため、液体窒素等を使用して周辺地盤を急速凍結すると、前記の接着剤層が凍結処理によってひび割れて接続の用を為さない結果となる問題が知られている。
その点、上記特許文献4に提案された「鋼管の継手構造」は、いわゆる機械式継手であり接着剤を使用しないので、凍結処理に起因する上記の不都合は発生しない。
しかし、特許文献4の「鋼管の継手構造」は、外側継手管の内側へ内側継手管を嵌め込み、外側継手管のボルト孔から、内側継手管のネジ孔に向かってボルトをねじ込み締結して一体化接続する構成で、内側継手管に軸線方向へのスリットを形成してあり、止水構造になっていないので、止水性の確保に難点がある。
その上、鋼管継手として地山の大きな土圧に耐え得る強度及び剛性を発揮するかの点が懸念される。即ち、管軸方向の圧縮荷重及び引っ張り荷重は内外の継手管同士の段部で処理し、その際に各分割片が内側へ撓んで段部が外れるのをボルト接合により防ぐ構成と説明しており、細径のボルトが使用されている。しかし、内側継手管の嵌め合わせ部自体が軸線方向のスリットにより分割した複数の分割片で構成されていることを考慮すると、地山の大きな土圧によるせん断作用に対しては甚だ心許ない構造と言わねばならない。
よって本発明の第一の目的ないし解決課題は、地盤の凍結処理による悪影響を受け難い構成で、現場における鋼管同士の連結を容易に速やかに品質良く行えて作業性に優れ、それでいて地山の土圧に起因するせん断作用に十分耐える強度及び剛性を備えた機械式継手形式のパイプルーフ工法用鋼管の連結構造及び連結工法を提供することである。
本発明の第二の目的は、製作が容易で安価に提供できる機械式継手形式のパイプルーフ工法用鋼管の連結構造及び連結工法を提供することである。
上記従来技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係るパイプルーフ工法用鋼管の連結構造は、
パイプルーフを形成する鋼管1の端部に外側継手管2を取り付け、これに対峙する鋼管1の端部には前記外側継手管2の中空部内へ嵌め込む内側継手管3を取り付けて、地中への押し込み方向に前後する鋼管1、1同士は前記の外側継手管2と内側継手管3を嵌め合わせて連結する構成であり、
前記外側継手管2の奥端部の内周面に沿って、内側継手管3の先端部3aが接触する配置に止水材4が設置されており、
前記内側継手管3の基端部の外周部位に、前記外側継手管2の先端部2aが突き当たる段部3bが形成されており、
更に内側継手管3を外側継手管2の中空部内へ嵌め込み、その先端部3aを外側継手管2の前記止水材4と接触させた嵌め合わせ完成状態における両継手管2、3の管軸方向の中間部位であって、外側継手管2および内側継手管3それぞれの周方向に間隔を開けた複数位置に、中心が一致する配置の通孔2c、3cが設けられており、
内側継手管3の内周面には、ネジ孔5bを設けた雌ネジ部材5が、そのネジ孔5bの中心を内側継手管3の前記通孔3cの中心と一致させて設置され、
内側継手管3を外側継手管2の中空部内へ嵌め込み、中心を一致させた外側継手管2の通孔2cと内側継手管3の通孔3cへ、中心部にボルト通し孔6aを有するピン材6が、前記雌ねじ部材5へ当接するまで嵌め込まれ、
前記ピン材6の前記ボルト通し孔6aへ挿入したボルト7が前記雌ネジ部材5のネジ孔5bへねじ込まれ締結して外側継手管2と内側継手管3の嵌め合わせ状態が結合されていることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載したパイプルーフ工法用鋼管の連結構造において、
外側継手管2の奥端部の内周面に沿って、内側継手管3の先端部3aを受け止める受けリング8が設置され、
同じ外側継手管3の内周面であって前記受けリング8よりも開口寄り側の位置に内側継手管3の先端部3aが接触する止水材4が設置され、内側継手管3の先端部3aは前記止水材4へ内接する状態に差し込まれて止水する構成とされていることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載したパイプルーフ工法用鋼管の連結構造において、
外側継手管2の奥端部の内周面に沿って、内側継手管3の先端部3aを受け止めるL形断面の受けリング8が、その水平辺8aを内側継手管3の嵌め込み方向と相対峙する向きに設置され、
外側継手管3の内周面における前記受けリング8よりも開口寄り側位置に、内側継手管3の先端部3aの外周面が接触する止水材4が設置され、
この止水材4と前記受けリング8の水平片8aとが形成する隙間へ内側継手管3の先端部3aが差し込まれて止水材4と接触し止水する構成とされていることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、請求項1に記載したパイプルーフ工法用鋼管の連結構造において、
ピン材6は、鋼管1に負荷される荷重に耐える大きさの外径と横断面積で形成され、その外端部に外側継手管2の外周面へ突き当たる鍔部6bを備えており、
雌ネジ部材5には、その外側面に、ネジ孔5bの有効長さを延長するネジ筒5aが突き出され、前記ピン材6の先端面には雌ネジ部材5の前記ネジ筒5aを受け入れる形状と深さの座ぐり穴6cが形成され、
更に同ピン材6の上端の鍔部6bには、ボルト通し孔6aを中心としてボルト7の頭7aを鍔部6bの上面以下に沈ませる座ぐり穴6dを備えた構成であることを特徴とする。
請求項5に記載した発明に係るパイプルーフ工法用鋼管の連結工法は、
パイプルーフを形成する鋼管1の端部に外側継手管2を取り付け、これに対峙する鋼管1の端部には前記外側継手管2の中空部へ嵌め込む内側継手管3を取り付けて、地盤中への押し込み方向に前後する鋼管1、1同士は前記外側継手管2と内側継手管3を嵌め合わせて連結する方法であり、
前記外側継手管2の奥端部の内周面に沿って、前記内側継手管3の先端部3aが接触する配置に止水材4を設置し、
前記内側継手管3の基端部の外周部位に、前記外側継手管2の先端部2aが突き当たる段部3aを形成し、
前記内側継手管3を外側継手管2の中空部内へ嵌め込み、その先端部3aを外側継手管2の前記止水材4と接触させた嵌め合わせ完成状態における両継手管2、3の管軸方向の中間部であって、外側継手管2および内側継手管3それぞれの周方向に間隔を開けた複数位置に、中心が一致する配置の通孔2c、3cを設け、
内側継手管3の内周面には、ネジ孔5bを設けた雌ネジ部材5を、そのネジ孔5bの中心を通孔3cの中心と一致させて設置し、
嵌め合わせて中心を一致させた外側継手管2の通孔2c及び内側継手管3の通孔3cへ、中心部にボルト通し孔6aを有するピン材6を前記雌ねじ部材5と当接するまで嵌め込み、
前記ピン材6の前記ボルト通し孔6aへ挿入したボルト7を前記雌ネジ部材5のネジ孔5bへねじ込み締結して、外側継手管2と内側継手管3の嵌め合わせ状態を結合することを特徴とする。
請求項6記載した発明は、請求項5に記載したパイプルーフ工法用鋼管の連結工法において、
内側継手管2を外側継手管2の中空部へ嵌め込んだ後、両継手管2、3に設けた通孔2cと3cの相対応するもの同士の中心を一致させる位置調整の方法として、
同通孔2c、3cの口径よりも一定の嵌め合い公差分だけ小さい外径の主軸部9aを有し、更に前記主軸部9aの先端部に、同主軸部9aの外径面を一定の回転角まで共有するが、残りの回転角部分は大きい曲率半径に形成した偏心軸部9bを有する偏心カム軸9の前記主軸部9aを外側継手管2の通孔2cの中へ挿入し、更に先端の偏心軸部9bは内側継手管3の通孔3cの中へ差し込み、しかる後に当該偏心カム軸9を少なくとも90度回転させることにより両継手管2、3の相対応する二つの通孔2cと3cの中心を一致させ、
その後前記偏心カム軸9を引き抜き、その跡の前記通孔2c及び3cへピン材6を嵌め込み可能にすることを特徴とする。
請求項1〜6に記載した発明に係るパイプルーフ工法用鋼管の連結構造及び連結工法によれば、鋼管1の内側継手管3を外側継手管2の中空部へ嵌め込み、内側継手管3の先端部3aを外側継手管2の奥端部の内周部位に設置した止水材4へきっちり接触させる構成なので、止水性を必要十分に発揮させることができる(図4、図5参照)。
しかも嵌め合わせた内側継手管3と外側継手管2とは、両継手管2、3の通孔2cと3cのうち、内側継手管3の内周面の通孔3cの位置に雌ネジ部材5を溶接等により予め固定して取り付けておき、外側継手管2の通孔2cから内側継手管3の通孔3cへ、鋼管1の当該継手部へ作用する負荷に耐える大きさの外径と横断面積を有するピン材6を嵌めてその先端を前記雌ネジ部材5へ接触させ、その上で同ピン材6のボルト通し孔6aを通じて挿入した抜け止め用のボルト7を前記雌ネジ部材5のネジ孔5bへねじ込み強く締結してピン材6を固定し、もって嵌め合わせた内側継手管3と外側継手管2を機械的に結合する構成であるから(図5、図6を参照)、山留めを構築するパイプルーフ工法用鋼管1、1同士を連結する機械式継手として必要十分な強度、剛性を期待できる。勿論、地盤の凍結処理を行っても構造上何の支障も生じない継手である。
しかもパイプルーフ工法の施工現場において地盤中へ押し込む鋼管1の継手の作業としては、内側継手管3を外側継手管2の中空部内へ嵌め込み、両継手管2、3の対応する位置の通孔2cと3cの中心を一致させ、外側継手管2の通孔2cからピン材6を嵌め込み、同ピン材6の先端を雌ネジ部材5へ接触させ、しかる後に同ピン材6のボルト通し孔6aへ抜け止め用のボルト7を通し、内側継手管3の通孔3cの内側に位置する雌ネジ部材5のネジ孔5bへネジ込み締結してピン材6を固定して、内側継手管3と外側継手管2の嵌め合わせ状態を結合する機械式継手の構成であるから、現場での品質管理が容易であるし、簡単で迅速な継手作業を進めることができる。即ち、外径が1000mm程度の鋼管では1箇所の継手作業はおよそ15分から20分程度の所要時間で完結できるので、パイプルーフ工法の工期の短縮化に大きく寄与できる。
また逆に、本発明の鋼管連結構造は、解体・分離の必要が生じた際には、上記のボルト7を緩めて外し、ピン材6を通孔3c、2cから抜き外し、内側継手管3を外側継手管2から抜くことにより無傷での分離・解体を容易に行える。よって、鋼管1の地盤中への押し込み施工のやり直しや鋼管1の交換、或いは回収を容易に行える。そして、内側継手管3及び外側継手管2を損傷させることなく回収できるので、回収した鋼管1の再利用にも何の支障もきたさない。
また、請求項6に記載した発明に係るパイプルーフ工法用鋼管の連結工法によれば、嵌め合わせた内側継手管3と外側継手管2それぞれの対応する通孔3cと2cの中心を一致させる調整方法として、外側継手管2の通孔2cから偏心カム軸9の主軸部9aを挿入し、その先端部に形成された偏心軸部9bを更に内側継手管3の通孔3cへ差し込む。しかる後に当該偏心カム軸9を少なくとも90度回転するだけの軽便な操作と作業により、当該偏心カム軸9を差し入れた通孔3cと2cの中心を機械的に一致させることができる。その上、内外の継手管2、3の周方向の近辺で隣り合う通孔3c、2cの位置までも合一に速やかに中心を一致させる調整ができる。よって、ピン材6は前記のようにして中心を一致させた通孔2cと3cへ容易に速やかにきっちり挿入でき連結作業を容易に行える。したがって、現場での継手作業を迅速に進めることに大きく寄与する。
本発明の継手構造を構成するパイプルーフ工法用鋼管が内側継手管と外側継手管を両端部に備えて前後に一連の配置に置かれた状態を示した正面図である。 前記図1の鋼管が本発明の継手構造で連結された状態を示した正面図である。 図2に指示したIII−III線矢視の少し拡大した断面図である。 前後一連の配置に置かれた鋼管双方の継手管の嵌め込み途中段階を拡大して示した断面図である。 図4の状態から左右の継手管双方の嵌め込みを進めて連結を完結した状態を図2のV−V線矢視図として示した断面図である。 A及びBは図5に指示したVI−VI線矢視に沿って切断した、ピン止め構造部の異なる実施例を拡大して示した断面図である。 Aはピン材の右半部を破断した正面図、Bは平面図を示す。 Aは雌ネジ部材の右半分を破断した正面図、Bは平面図を示している。 Aはボルトの正面図、Bはボルト頭の平面図を示している。 本発明で使用する、鍔部を有するピン材が、外側継手管と内側継手管に引き抜き荷重を受けた場合の挙動を少し誇張して示した説明図である。 嵌め合わせた内外の継手管の通孔へピン材を嵌め込むに当たり、偏心カム軸を使用して通孔の位置を調整する配置例を示した説明図である。 Aは偏心カム軸の立面図、Bはその底面図を示している。 ピン材が上端部に鍔部を有する場合と、有さない場合の働き(効果)を比較した荷重−変位曲線図である。 A〜Eはパイプルーフ工法の異なる実施形態を例示した説明図、Fは2本の子トンネルをパイプルーフを利用して大断面のトンネルに構築する工法の例を施工の前後の段階に分けて示した説明図である。 パイプルーフ工法用鋼管を推進機を使用して押し込む要領を示した説明図である。 パイプルーフ工法で並列状態に地盤中へ押し込まれ隣接する鋼管の相互間を凍結処理で接合した例を示した説明図である。
本発明によるパイプルーフ工法用鋼管の連結構造は、パイプルーフaを形成する鋼管1の端部に外側継手管2を取り付け、これに対峙する鋼管1の端部には前記外側継手管2の中空部へ嵌め込む内側継手管3を取り付け、地中への押し込み方向に前後する鋼管1、1同士は前記外側継手管2と内側継手管3を嵌め合わせて連結する。
前記外側継手管2には、その奥端部の内周面に沿って、内側継手管3の先端部3aが接触する配置に止水材4を設置する。内側継手管3には、その基端部の外周部位に、前記外側継手管2の先端部2aが突き当たる段部3bを形成する。
前記内側継手管3を外側継手管2の中空部内へ嵌め込み、その先端部3aを外側継手管2の前記止水材4と接触させた嵌め合わせ完成状態における両継手管2、3の中間部位であって、外側継手管2および内側継手管3それぞれの周方向に間隔を開けた複数位置に、中心が一致する配置の通孔2c、3cを設ける。
内側継手管3の内周面に、ネジ孔5bを設けた雌ネジ部材5を、そのネジ孔5bの中心を内側継手管3の前記通孔3cの中心と一致させて設置する(図3及び図4参照)。
嵌め合わせて中心を一致させた外側継手管2の通孔2c及び内側継手管3の通孔3cへ、中心部にボルト通し孔6aを有するピン材6を、先端が前記雌ネジ部材5へ当接するまで嵌め込む(図5及び図6)。
そして、同ピン材6の前記ボルト通し孔6aへ挿入したボルト7を、前記雌ネジ部材5のネジ孔5bへねじ込み強く締結して、外側継手管2と内側継手管3の嵌め合わせ状態をピン材6で結合する(図5及び図6参照)。
本発明のパイプルーフ工法用鋼管の連結構造の実施に際し、外側継手管2の基端部の内周面に沿って、内側継手管3の先端部3aを受け止める受けリング8を設置することが好ましい。そして、同じ外側継手管3の内周面における前記受けリング8よりも開口寄り側の位置に、内側継手管3の先端部3aが接触する止水材4を設置する。この止水材4の内側へ、内側継手管3の先端部3aが差し込み水密的に接触させて止水の目的を達成する(図5参照)。
上記ピン材6は、鋼管1の継手構造に作用する負荷に耐える大きさの外径と横断面積で形成し、その外端部に外側継手管2の外周面へ突き当たる平頭形状の鍔部6bを形成した構成で好適に実施される。また、同ピン材6には、上端の鍔部6bの位置に、ボルト7の頭7aを鍔部6bの上面以下に沈ませる座ぐり穴6dを設けた構成で実施することが好ましい。
本発明によるパイプルーフ工法用鋼管の連結工法は、上記連結構造の構成を前提として、地盤中にパイプルーフaを形成するべく押し込む配置とした前後の鋼管1、1同士の前記外側継手管2と内側継手管3を嵌め合わせて連結する方法として実施する。
内側継手管3を外側継手管2の中空部内へ嵌め込み、その先端部3aを外側継手管2の止水材4と接触させた嵌め合わせ完成状態(このとき外側継手管2の先端部は内側継手管3の段部3bへ当接している。)において、両継手管2、3の対応する通孔2c、3cの中心が一致する構成とする。また、内側継手管3の内周面における通孔3cの位置に、ネジ孔5bを設けた雌ネジ部材5を、同ネジ孔5bの中心を通孔3cの中心と一致させて取り付けておく。
そして、内側継手管3と外側継手管2の嵌め合わせ完成し、中心を一致させた外側継手管2の通孔2cから内側継手管3の通孔3cに向かってピン材6を嵌め込み、同ピン材6のボルト通し孔6aを通じて挿入した抜け止め用のボルト7を、前記雌ネジ部材5のネジ孔5bへねじ込み締結する工程を繰り返して、内側継手管3と外側継手管2の嵌め合わせ状態を結合する。
なお、上記パイプルーフ工法用鋼管の連結工法の実施に際して、内側継手管2を外側継手管2の中空部へ嵌め込んだ後、ピン材16を通孔2c、3cへ差し込む作業に先行して、両継手管2、3の通孔2cと3cの中心位置にズレ(芯ズレ)を生じている(通例、芯ズレを生じる。)場合には、双方の通孔2cと3cの中心を一致させる位置調整方法を次の要領で実施する。
内側継手管3と外側継手管2において、対応する通孔3c、2cの口径よりも一定の嵌め合い公差分だけ小径の主軸部9aを有し、同主軸部9aの先端部に、主軸部9aの外径面を一定の回転角まで共有するが、残りの回転角部分は中心を遠ざけて曲率半径を大きく形成した偏心軸部9bを有する偏心カム軸9を用意する。そして、前記の主軸部9aを外側継手管2の通孔2cの中へ挿入し、更に先端の偏心軸部9bは内側継手管3の通孔3cの中へ差し入れる。しかる後に当該偏心カム軸9を少なくとも90度回転させると、主軸部9aが通孔2cの孔縁に拘束されて迫りつつ同一中心の位置で回転するのに対して、相対的関係として芯ズレを生じている他方の通孔3cの孔縁は、回転する偏心軸部9bにより押し動かされて、双方の通孔2cと3cの孔縁が、ひいては双方の孔の中心が一致する状態に強制的な微調整が達成される。
のみならず、前記偏心カム軸9による通孔2c、3cの芯ズレ調整の効果は、偏心軸部9bを差し入れた通孔2cと3cのみの関係に限らず、円周方向に隣接する近隣の通孔2c、3cの関係にまで波及して、近隣の通孔2c、3cの位置及び中心を一致させる効果が得られる。
そこで位置を調整された外側継手管2の各通孔2cから内側継手管3の対応する通孔3cへピン材6をスムーズに容易に嵌め込むことができる。勿論、前記偏心カム軸9を引き抜いても、両継手管2、3の各通孔2cと3cの位置及び中心は一致した状態が静的に保たれる。よって、前記偏心カム軸9を引き抜いた跡の各通孔2c、3cへも同様にピン材6をスムーズに容易に嵌め込むことができる。
なお、本発明の連結構造及び連結工法が実施される鋼管の形態は、通例、管軸が真っ直ぐな直管とされるが、これに限らない。例えば図14A、Bに例示したように先行掘削した2本の子トンネルc、c間の上下をアーチ状に繋ぐパイプルーフa、aを施工するような場合には、管軸が一定の曲率で湾曲している曲管の連結構造及び連結工法として全く同じ構成で、同じ作業工程により実施することができる。
また、鋼管自体の横断面の形態に関しても、図3に例示した真円形状の鋼管(丸管)に関する実施例が多いけれども、これに限らない。必要に応じて楕円形状や正方形状、長方形状、或いは多角形状の鋼管に関しても、同様な構成原理と作業工程により実施することができる。
先ず図1と図2は、パイプルーフ工法の実施において、押し込み方向に前後する2本の鋼管1、1の連結前と連結後の配置関係を示している。そして、図3〜図6は、継手の構造詳細を示している。
本実施例の場合、パイプルーフa(図14を参照)を形成する鋼管1の単位長さは約6m、外径は1000mm余の大きさとされる。図1の実施例では、右側の鋼管1の左端部に外側継手管2を取り付け、左側の鋼管2の右端部に前記外側継手管2の中空部内へ嵌め込む内側継手管3を取り付けている。つまり、左右の鋼管1、1は、外側継手管2と内側継手管3とを互い違いの配置とし、地中への押し込み方向(図1、図2の左方向)に前後する鋼管1、1は、前記外側継手管2の中空部内へ内側継手管3を嵌め合わせて連結する構成とされている。
ただし、場合によっては1本の鋼管1の両端部に外側継手管2のみを取り付け、他の1本の鋼管の両端部には前記外側継手管2の中空部内へ嵌め込む内側継手管3のみを取り付けた構成として、地中への押し込み方向の前後に前記2種の鋼管を互い違いの配置に並べて一連に連結する構成で同様に実施することもできる。
また、図4〜図6に示した実施例では、鋼管1の管壁の厚さは10mm程度であるのに対して、前記外側継手管2及び内側継手管3は、鋼管1よりも強度が優越するように、管壁の厚さを16mmとやや厚肉に構成され、鋼管材を長さ380mm程度に加工して構成されている。各継手管2、3の一側端部が、鋼管1の端部と突き合わされ全周溶接により一連に強固に接合されている。
外側継手管2の奥端部(鋼管1との付け根)の内周面には、鋼管1との接合に先立ち、予めその内周面に沿って、断面がL形のアングル材を円形に加工した受けリング8が、その水平片8aを内側継手管3の嵌め込み方向と相対峙する向き(図中の左方の向き)とした配置で、垂直辺部を全周溶接により固定して設置されている。
更に、同じ外側継手管2の内周面であって、前記受けリング8の水平片8aで包囲された部位には、内側継手管3の先端部3aが進入してくると確実に接触して止水性を発揮するように、断面形状を先細の楔状に形成した中空構造の止水材4が貼り付け状態に設置されている。かくして、この止水材4と前記受けリング8の水平片8aとは、内側継手管3の先端部3aが嵌め込まれ進入して来るのに対し、同先端部3aの外周面が止水材4へ水密的に密着するのに適切な受け入れ形状の隙間を形成した構成とされている。そして、内側継手管3の先端部3aは、前記隙間へ進入しきった段階で丁度、受けリング8の垂直辺へ当接して行き止まり止水性を発揮する構成とされている(図4と図5を参照)。このとき外側継手管2の先端部2aは丁度、内側継手管3の基端部の外周面部位に形成された厚肉断面の段部3bへ突き当たる(図5参照)構成とされている。内側継手管3と外側継手管2の前記した嵌め合わせ状態を、本発明では「嵌め合わせ完成状態」と呼ぶ。
上記の内側継手管3と外側継手管2には、両管を結合するピンを挿す通孔3cと2cが次の条件で設けられている。即ち、上記のように内側継手管3を外側継手管2の中空部内へ嵌め込み、その先端部3aが上記受けリング8へ当接した「嵌め合わせ完成状態」において双方の継手管2、3の中間部に設けた通孔2c、3cの中心が一致する配置とされ、しかも同通孔2c、3cの組は円周方向に一定の間隔を開けた複数の位置(図3では18等分の位置)に複数個設けられている。なお、図5では、内外の継手管3、2の管軸方向の中間部位(略中央部位)に通孔3c、2cを設けて、双方の通孔3cと2cの中心が一致する構成を示すが、前記中央の位置に限らない。多少は中央の位置から軸線方向に偏倚した位置に通孔3cと2cの組を設けた構成で実施することもできる。内外の継手管3、2に設けた通孔3cと2cは、口径がφ49mm程度で同一大きさに設けられている(図4及び図5を参照)。
内側継手管3の内周面に、上記通孔3cの位置に、雌ネジ部材5が設けられている。雌ネジ部材5は、一例を図8に詳示したように、円板形状の中心部にネジ孔5bを設けた平板形状の構成とされ、同ネジ孔5bの中心を内側継手管3の通孔3cの中心と一致させた配置とし、同内周面へ密接させて全周溶接により固定して設置されている。この雌ネジ部材5の取り付け固定の作業は、当該内側継手管3を鋼管1の端部へ取り付ける工程以前の作業として行われる。雌ネジ部材5の外側面(図8の上面)には、中心部のネジ孔5bの位置を中心として、内側継手管3の通孔3cの口径よりも若干小さい直径の段部5cが形成されており、この段部5cを内側継手管3の通孔3cへ嵌め付けることで、仮の位置決め行われ、取り付け固定の作業を容易にしている。
ここで上記雌ネジ部材5の平板形状の厚さについて説明する。
図15に例示して既述したように、パイプルーフ工法用鋼管1は、例えば中掘りオーガーを備えた推進機Mを使用して地盤中へ押し込む。そのため前記雌ネジ部材5たる平板の厚さ(内側継手管3の内周面からの高さ寸法)は、中掘りオーガーの出入り動作に支障とならず、しかも後述するピン材6の抜け止め防止用ボルト7の締結力やピン材6の引き抜き作用及びせん断作用に対して十分耐える強度を確保できる条件を満たす必要最少限度の薄さで形成することが肝要である。
因みに、本実施例では雌ネジ部材5を12mmの厚さに形成している。ただし、前記の如く雌ネジ部材5の厚さを極力薄く形成する関係上、ネジ孔5bの有効ネジ長さが強度上不足する場合が考えられる場合には、ネジ孔5bの有効ネジ長さを確保する手段として、雌ネジ部材5の外側面に通孔3cに向かって突き出るネジ筒5aを設ける構成が有効的である。ネジ筒5aのせいの高さは、図4に見るとおり、内側継手管3を外側継手管2の中空部内へ嵌め込む関係上、内側継手管3の通孔3cの深さ(管壁の厚さ=16mm)以下に設計することが肝要である。もとよりネジ孔5bの有効ネジ長さが雌ネジ部材5の厚さの範囲で足りるときは、前記ネジ筒5aを突き立たせる必要はない。因みに図6Bは雌ネジ部材5に前記ネジ筒5aを突き立たせない平板形状で実施した例を示している。
以上に説明した各構成部材を準備する作業工程は工場等にて行い、出来上がった鋼管1をパイプルーフ工法の施工現場へ運び込み施工に用いる。パイプルーフ工法の施工は、上記図15に例示したように中堀りオーガーを備えた推進機Mを使用するなどして同鋼管1を地盤中へ順次に押し込む。その押し込み作業工程が、先行する鋼管1の一定長さまで進行した段階で、次順の鋼管1を先行の鋼管1の終端へ連結する手段として、本発明の連結構造及び連結工法が次の要領にて実施される。
図1、図2に示す実施例の場合は、先行して押し込んだ左側の鋼管1の終端の内側継手管3に対して、図中右側に位置する次順の鋼管1を押し込み方向の後方側へ一連となる配置に用意し、その外側継手管2を前記内側継手管3に相対峙させる。そして、内外の継手管2、3の対応する通孔2cと3cの位置及び管軸が一致する配置を予め見定めて嵌め合わせ作業を進める。こうして外側継手管2と内側継手管3の嵌め込みを完成し、各継手管の通孔2cと3cの中心が一致した状態を確認して、外側継手管2の通孔2cから内側継手管3の対応する通孔3cに向かって、図7に示したピン材6を共通に嵌め込み、その先端を上記雌ネジ部材5の外側面へ当接させる。
因みに図7に示したピン材6は、鋼管1及び当該継手管2、3に負荷される地盤の土圧作用等の設計負荷に耐え得る大きさの外径と横断面積で構成されている。例えば通孔2c、3cの口径が上記したφ49mmである場合に、ピン材6の外径は、その全周に約0.5mmの嵌め合い公差を有するようにφ48mm程度に形成されている。ピン材6の中心部には口径がφ17mmのボルト通し孔6aが貫通状態に設けられている。図7に示したピン材6の外端部(上端部)には、前記通孔2への嵌め込み時に、ピン先端が雌ネジ部材5の外側面に接すると同時期に、外側継手管2の外周面へ突き当たって止まる鍔部6bを有している。この鍔部6bは、当該継手部に土圧作用等が負荷した際に、後の図10で説明する突っ張り作用(又は回転阻止作用)を発揮して抵抗力を増大する構成要素である。この鍔部6bの厚さも、鋼管1の押し込み時にできるだけ地盤との摩擦抵抗が小さく、しかも前記突っ張り作用が鋼管1、1の連結強度を確保する上で必要十分であるように、例えば高さ(厚さ)を9mm、外径はφ55mm程度の平たい円板形状に形成されている。
もっとも、鍔部6bに関しては、後で図10と図13に基づいて説明する突っ張り抵抗の作用をことさら必要としない施工条件の場合、つまり継手部に作用する土圧等の設計負荷が小さい場合には、図6Bに例示したように鍔部が無い円柱形状のピン6’を使用して実施することもできる。
雌ネジ部材5が図8のようにネジ筒5aを有する構成の場合には、上記ピン材6の先端面に、雌ネジ部材5のネジ筒5aを受け入れて、同先端面を雌ネジ部材5の外側面へぴったり面接触させる座ぐり穴6cが、ネジ筒5aの外径よりも大きい口径で、且つネジ筒5aの突き出し高さよりも深い凹部として形成されている(図6A)。もっとも、図6Bに示したように、雌ネジ部材5にネジ筒5aを設けない場合は、勿論、ピン材6の先端面に前記座ぐり穴6cを設ける必要はない。一方、ピン材6の上端の鍔部6bには、ボルト通し孔6aを中心として、同孔6aへ挿入したボルト7の頭7aを鍔部6bの上面以下に沈ませる深さの座ぐり穴6dが、同ボルト7の頭7aよりも少し大きい口径の凹部として形成されている。図9A、Bに示すボルト7の頭7aには、上面部中央に、当該ボルト7を回す工具であるレンチ(図示は省略)を差し込む回転用の六角穴7bが設けられている。しかし、ボルト7の頭部7aの形状は、図示した円柱形状のほか、公知の四角形又は六角形の頭でもよい。或いはドライバーを差し込むプラス又はマイナスの溝を備えた皿頭のボルトを使用することもできる。
以上の通りであるから、上記したように押し込み方向に前後する配置とした鋼管1の外側継手管2の中空部内へ内側継手管3を嵌め合わせを行い、各継手管2、3の内外に対応する通孔2c、3cの中心が一致する配置とした後に、外側継手管2の通孔2cから内側継手管3の通孔3cに向かって、ピン材6を嵌め込む。すると該ピン材6は、図5と図6A(又は6B)に例示したように、通孔2cから3cへと進入してゆき、鍔部6bが外側継手管2の外周面へ接して止まるのと相前後して、同ピン材6の先端面は内側継手管3の通孔3cを通って、雌ネジ部材5の外側面へ接して座る。そして、図6Aの場合は、雌ネジ部材5のネジ筒5aがピン材6の先端面に設けた座ぐり穴6cの中に収まり、雌ネジ部材5のネジ孔5bの中心と、ピン材6のボルト通し孔6aの中心とが一致した状態になる。
そこでピン材6の前記ボルト通し孔6aを通じて抜け止め用のボルト7を挿入する。このボルト7は、そのまま雌ネジ部材5のネジ孔5bへ到達し、両者の中心が一致するので、ボルト7を正転させることによりネジ孔5bへねじ込み接合できる。よって、同ボルト7を回して強く締結することにより、ピン材6は雌ネジ部材5と強固に固定され、更に嵌め合わせた状態の外側継手管2と内側継手管3とを機械的に強固に結合する。
外側継手管2と内側継手管3の当該継手部には、図3に例示したように円周方向に一例として18個の通孔2cと3cの対が設けられているので、各々へ計18本のピン材6を挿入し、それぞれをボルト7により順に強く締結することにより、当該継手部の連結が完成する。その結果、この継手構造は大きな土圧作用等の負荷に対して十分耐える強度と剛性を発揮するし、止水性も高い。しかもこの連結構造は、平易な作業内容で、迅速に一定の品質で完成することができる。
(通孔2cと3cの位置ズレの微調整)
なお、上記押し込み方向に前後する配置とした鋼管1、1の外側継手管2と内側継手管3とを嵌め合わせた際に、内外に対応する通孔2cと3cに位置ズレ(芯ズレ)が発生することを避け難い。そこで前記通孔2cと3cの位置ズレ(芯ズレ)を修正し、中心Nが一致する配置となるように位置の微調整を行い、ピン材6のスムーズな挿入と納まりを可能にする作業の必要がある。そこで以下に、通孔2cと3cの位置ズレ(芯ズレ)を修正し、中心Nが一致する配置となるように位置を微調整する方法と作業内容について説明する。
内外に対応する通孔2c、3cの位置ズレの調整作業を行うにあたっては、その前段の作業内容として、当然のことながら外側継手管2の中空部内へ内側継手管3を嵌め合わせる当初の作業段階で、予め両継手管2、3において相対応する通孔2c、3cの位置関係が、管軸方向への真っ直ぐな嵌め合わせによっておよそ一致するであろう配置を設定する。その上で嵌め合わせ作業を進め、予め通孔2cと3cの位置ズレが小さい嵌め合わせ作業を行う。その結果、外側継手管2と内側継手管3において相対応する位置関係にある通孔2cと3cの位置は、前記嵌め合わせ作業が完了した時点では一応位置ズレが小さく、ほぼ一致に近い状況にできる。
しかし、そのままでは嵌め合い公差が微小な関係にあるピン材6を通孔2cと3cへスムーズに嵌め込める事例は少ない。微小な嵌め合い公差しか有さないピン材6を一連の通孔2c、3cへ挿入するための微調整がたいてい必要である。特に内側継手管3の先端部3aが到達する部位に止水材4を設置してあり、嵌め込み時に止水材4から抵抗を受けることも原因で、一対の組をなす通孔2c、3cの位置合わせが不調となっている場合が起こり易い。
そこで上記外側継手管2と内側継手管3の対応する通孔2c、3cの位置を最終的にきっちり合わせる微調整の手段として、図12A、Bに示す偏心カム軸9が好適に使用され、位置合わせの調整を軽便に達成できる。
図12に示した偏心カム軸9は、上記外側継手管2及び内側継手管3の通孔2cと3cの口径(上記したφ49)に対して、それよりも微小な嵌め合い公差分だけ小さい外径(例えばφ48.7)で、軸方向長さが40mm(図4、図6に示す内外の通孔2c、3cの総延長深さ32mmよりも少し長い。)の主軸部9aが主体をなす。この主軸部9aの上端部には、調整作業の実施(回転操作)を容易にする鍔部9c(ハンドル部)を備えている。また、前記主軸部9aの先端部には、図12Bに詳示したように、前記主軸部9aの外径面を一定の回転角θ(図示例ではθ=155度)まで共有するが、残りの回転角部分は曲率半径を順次滑らかな曲率で大きく平坦に形成した偏心軸部9bを有する構成とされている。偏心軸部9bの軸方向長さは、内側継手管3の通孔3cへ必要十分な深さ嵌るように、少なくとも同内側継手管3の管壁厚さに近い、例えば10mm前後に形成されている。
上記の偏心カム軸9は、上述したように外側継手管2と内側継手管3の嵌め合わせ作業が一応完了した時点で、双方の通孔2c、3cの中心がほぼ一致する程度になっていても、未だ若干の位置ズレを残している状態で有効的に使用される。即ち、わずかな嵌め合い公差しか有しないピン材6と通孔2c、3cとの関係で、ピン材6をスムーズに嵌め込める状態でない通孔2c、3cの位置ズレを、偏心カム軸9の使用により次のように修正できる。
図11は、嵌め合わせた外側継手管2と内側継手管3に関し、一例として左右両側と垂直方向とに90度ずつの角度間隔で合計180度隔てた3位置の通孔2c、3cの組に対して、上記偏心カム軸9を3本使用する例を示している。
3本の偏心カム軸9は、それぞれの主軸部9aを、先ず外側継手管2の通孔2cの中へ挿入する。続いて先端の偏心軸部9bをそのまま真っ直ぐに内側継手管3の通孔3cの中へと差し込む。
この時点における通孔2cと3cの位置ズレは、円周方向であるか、管軸方向であるか、又は両方向に複合した位置ズレと予想されるが、そのいずれであっても、作業者は、偏心カム軸9を挿入する直前に各孔の状態を予め覗いて、通孔2c、3cの位置ズレの状態(方位)を目視で確認しておく。その上で、先端の小径に形成した偏心軸部9bが内側継手管3の通孔3cの中へ挿入し易い方位角を見定め、その方位角に沿って偏心カム軸9の挿入作業を行う。
上記の要領で上記3本の偏心カム軸9を、それぞれの偏心軸部9bが内側継手管3の通孔3cの中へ入った手応えを作業者自身が手指の感覚で、通孔3cの中へ入った手応えを得た上で修正操作を行う。即ち、偏心軸部9bが通孔3cの中へ入った手応えを得た段階で、各偏心カム軸9を少なくとも90度回転させる。すると主軸部9aが外側継手管2の通孔2cの口縁へ接して迫る作用で反力(抵抗)を確保しつつ同心回転をするので、偏心軸部9bは通孔3cに位置ズレが生じているとその口縁に接して押し回す現象を呈して、双方の通孔2cと3cの中心が一致する状態に微調整(位置ズレの修正)の作用効果が奏される。
上記した位置ズレ(芯ズレ)を修正する主軸部9aの回転操作を容易にするためには、偏心カム軸9の上端部(鍔部9c)を例えばスパナの口で挟んで回転するのに適した形状とし、又は上記図9のボルト頭7aと同様に、回転操作に供する角穴9dを設けた構成として実施するのが好ましい。
上記のようにして偏心カム軸9を挿入した内外の通孔3cと2cの中心位置をきっちり一致させると、二つの継手管2、3間に相対的回転を伴うので、必然的に、当該通孔に隣接する他の通孔3cと2cも、その中心が一致する波及効果が奏される。よって、中心が一致した各通孔3cと2cへピン材6をスムーズに嵌め込むことができ、抜け止め用のボルト7を雌ネジ部材5へねじ込み強く締結することにより内外の継手管2、3の強固な結合と固定化を行える。したがって、その後は前記偏心カム軸9を引き抜いても、当該通孔2cと3cの中心位置のズレは生じないから、偏心カム軸9を用いた通孔2cと3cへもピン材6を嵌め込み、ボルト7を雌ネジ部材5とネジ結合させて連結作業を進められる。必要なら更に、偏心カム軸9を他の通孔へ盛り替えて挿入することで、位置調整の作業を一層進め、ピン材6の挿入とボルト7による固定化作業を効率よく進めることができる。
本発明によれば、上記した作業内容と要領で、押し込み方向に前後するパイプルーフ工法用鋼管1、1の連結を、外側継手管2と内側継手管3との嵌め合わせと、両管の相対応する通孔2cと3cへ十分太いピン材6を嵌め込み、抜け止め用のボルト7を雌ネジ部材5へ強固に締結して固定する機械式継手構造により鋼管相互の連結の目的を達成することができる。しかも連結作業は熟練を要することなく、誰でも簡単に速やかに効率の良い作業で進めることができ、工期を短縮化する要請にも十分応えられる。また、品質管理も容易で現場作業に適するという作用効果が得られる。
のみならず、パイプルーフ工法の実施に際して、予期せぬ事情の変更で、又は施工条件の変更などにより、鋼管1の押し込み施工を中止するだけでなく、引き抜くことを余儀なくされる場合でも容易に対応できる。即ち、既往技術のように鋼管1、1を溶接で、或いは接着剤で連結している場合は、連結部を溶断して分離するほかなく、当然、鋼管や継手管の再利用は望み得ない解体・分離を手間をかけて行うほかなかった。しかし、本発明の連結構造によれば、鋼管の連結を解体・分離する必要が生じた際には、上記ボルト7を緩めて外し、ピン材6を通孔2cから抜き外すことにより、内側継手管3を外側継手管2から抜いて分離することが容易に可能である。したがって、鋼管1の地盤中への押し込み施工のやり直しや鋼管1の交換、或いは回収を容易に行えるほか、内側継手管3及び外側継手管2も損傷させないので、同鋼管1の再利用にも何の支障も来さず、経済性が高い効果も得られる。
(鍔付きピンの効用)
その上更に、継手管同士の連結強度及び安定性については、次に説明するような特徴があることを特記する。
上述したとおり、本発明の連結構造は、外側継手管2と内側継手管3とを嵌め合わせた状態で、当該継手部に負荷される地盤の土圧作用等の設計負荷に耐え得る大きな外径と横断面積を有する太いピン材6を複数本使用し、更に抜け止め用ボルト7を雌ネジ部材5と締結して強固に固定する構成である。その上、図6Aと図7に示したピン材6は、上端に鍔部6bを有する鍔付きピンであるから、鍔部6bが下記するように有効に働いて、継手構造の強度及び剛性の向上に格別の効果を奏することが確認された。
図10は、図6Aと図7に示した、上端に鍔部6bを有する鍔付きピン材6で連結した外側継手管2と内側継手管3に大きな引っ張り荷重Pを作用させた試験において、鍔付きピン材6の挙動を少し誇張して示している。この試験によれば、引っ張り荷重Pを受けたピン材6は、内外の継手管3、2の通孔3cと2cの孔縁を通じて伝わる力によって回転モーメントを受け、図示例では右回りの回転挙動を生じている。しかし、ピン材6は上端に鍔部6bを有するため、前記回転に対しては鍔部6bの右側縁(回転方向の前縁)が外側継手管2の外周面へ突き当たり、又は引っ掛かって突っ張る抵抗を生じて、前記の回転挙動を阻止する作用が働く。
その作用効果は、強度試験の結果を示した図13の荷重−変形線図に示したとおり、鍔部を持たないピン材(図6B参照)の耐荷重性能は点線で示したように、変位が15mm程度における局限荷重は350KN程度でしかない。ところが図6Aと図7に示す実施例のように鍔部6bを有するピン材6の場合は、実線で耐荷重性能を示したように、変位が20mmにおいて局限荷重は約470KNに達するほど大きい。従って、鍔付きピン材6による継手構造の強度及び剛性の向上は明らかで、本発明による鋼管の連結構造が、強度及び剛性に優れた効果を発揮する所以を理解できるであろう。
もっとも、土圧の作用が低く、図13に点線で耐荷重性能を示した鍔無しピン(円柱形状のピン)でも十分安全に使用できる条件の場合には、鍔無しピン材6’を使用した連結構造を同様に実施することができる。
以上に本発明を図示した実施例に基づいて説明したが、もとより本発明は上記の各実施例の構成、作用に限定されるものではない。いわゆる当業者が必要に応じて行う設計変更に類する変更、応用の範囲まで含む技術的思想であることを念のため申し添える。
1 パイプルーフ工法用鋼管
2 外側継手管
2a 先端部
3 内側継手管
3a 先端部
3b 段部
2c、3c 通孔
4 止水材
5 雌ネジ部材
5a ネジ筒
5b ネジ孔
6 ピン材
6a ボルト通し孔
6b 鍔部
6d 座ぐり穴
7 ボルト
7a ボルト頭
7b 回転用角穴
8 受けリング
8a 水平辺
9 偏心カム軸
9a 主軸部
9b 偏心軸部

Claims (6)

  1. パイプルーフを形成する鋼管の端部に外側継手管を取り付け、これに対峙する鋼管の端部には前記外側継手管の中空部内へ嵌め込む内側継手管を取り付けて、地中への押し込み方向に前後する鋼管同士は前記の外側継手管と内側継手管を嵌め合わせて連結する構成であり、
    前記外側継手管の奥端部の内周面に沿って、内側継手管の先端部が接触する配置に止水材が設置されており、
    前記内側継手管の基端部の外周部位に、前記外側継手管の先端部が突き当たる段部が形成されており、
    更に内側継手管を前記外側継手管の中空部内へ嵌め込み、その先端部を前記止水材と接触させた嵌め合わせ完成状態における両継手管の管軸方向の中間部位であって、外側継手管及び内側継手管それぞれの周方向に間隔を開けた複数位置に、中心が一致する配置の通孔が設けられており、
    内側継手管の内周面には、ネジ孔を設けた雌ネジ部材が、そのネジ孔の中心を内側継手管の前記通孔の中心と一致させて設置され、
    内側継手管を外側継手管の中空部内へ嵌め込み、中心を一致させた外側継手管の通孔と内側継手管の通孔へ、中心部にボルト通し孔を有するピン材が前記雌ネジ部材へ当接するまで嵌め込まれ、
    前記ピン材の前記ボルト通し孔へ挿入したボルトが前記雌ネジ部材のネジ孔へねじ込まれ締結して外側継手管と内側継手管の嵌め合わせ状態が結合されていることを特徴とする、パイプルーフ工法用鋼管の連結構造。
  2. 外側継手管の奥端部の内周面に沿って、内側継手管の先端部を受け止める受けリングが設置され、
    同じ外側継手管の内周面であって前記受けリングよりも開口寄り側の位置に内側継手管の先端部が接触する止水材が設置され、内側継手管の先端部は前記止水材へ内接する状態に差し込まれて止水する構成とされていることを特徴とする、請求項1に記載したパイプルーフ工法用鋼管の連結構造。
  3. 外側継手管の奥端部の内周面に沿って、内側継手管の先端部を受け止めるL形断面の受けリングが、その水平片を内側継手管の嵌め込み方向と相対峙する向きに設置され、
    外側継手管の内周面における前記受けリングよりも開口寄り側位置に、内側継手管の先端部の外周面が接触する止水材が設置され、
    この止水材と前記受けリングの水平片とが形成する隙間へ内側継手管3の先端部が差し込まれて止水材と接触し止水する構成とされていることを特徴とする、請求項1又は2に記載したパイプルーフ工法用鋼管の連結構造。
  4. ピン材は、鋼管に負荷される荷重に耐える大きさの外径と横断面積で形成され、その外端部に外側継手管の外周面へ突き当たる鍔部を備えており、
    雌ネジ部材には、その外側面に、ネジ孔の有効長さを延長するネジ筒が突き出され、前記ピン材の先端面には雌ネジ部材の前記ネジ筒を受け入れる形状と深さの座ぐり穴が形成され、
    更に同ピン材の上端の鍔部には、ボルト通し孔を中心としてボルトの頭を鍔部の上面以下に沈ませる座ぐり穴を備えた構成であることを特徴とする、請求項1に記載したパイプルーフ工法用鋼管の連結構造。
  5. パイプルーフを形成する鋼管の端部に外側継手管を取り付け、これに対峙する鋼管の端部には前記外側継手管の中空部へ嵌め込む内側継手管を取り付けて、地盤中への押し込み方向に前後する鋼管同士は前記外側継手管と内側継手管を嵌め合わせて連結する方法であり、
    前記外側継手管の奥端部の内周面に沿って、前記内側継手管の先端部が接触する配置に止水材を設置し、
    前記内側継手管の基端部の外周部位には、前記外側継手管の先端部が突き当たる段部を形成し、
    前記内側継手管を外側継手管の中空部内へ嵌め込み、その先端部を外側継手管の前記止水材と接触させた嵌め合わせ完成状態における両継手管の管軸方向の中間部位であって、外側継手管及び内側継手管それぞれの周方向に間隔を開けた複数位置に、中心が一致する配置の通孔を設け、
    内側継手管の内周面には、ネジ孔を設けた雌ネジ部材を、そのネジ孔の中心を通孔の中心と一致させて設置し、
    内側継手管を外側継手管の中空部内へ嵌め込み、中心を一致させた外側継手管及び内側継手管の通孔へ、中心部にボルト通し孔を有するピン材を前記雌ネジ部材と当接するまで嵌め込み、
    前記ピン材のボルト通し孔を通じてボルトを挿入したボルトを前記雌ネジ部材のネジ孔へねじ込み締結して、外側継手管と内側継手管の嵌め合わせ状態を結合することを特徴とする、パイプルーフ工法用鋼管の連結工法。
  6. 内側継手管を外側継手管の中空部へ嵌め込んだ後、両継手管に設けた通孔の相対応するもの同士の中心を一致させる微調整の方法として、
    同通孔の口径よりも一定の嵌め合い公差分だけ小さい外径の主軸部を有し、更に前記主軸部の先端部に、同主軸部の外径面を一定の回転角まで共有するが、残りの回転角部分は大きい曲率半径に形成した偏心軸部を有する偏心カム軸の前記主軸部を外側継手管の通孔の中へ差し込み、更に先端の偏心軸部は内側継手管の通孔へ差し込み、しかる後に当該偏心カム軸を少なくとも90度回転させることにより両継手管の相対応する二つの通孔の中心を一致させ、
    その後前記偏心カム軸を引き抜き、その跡の前記通孔へピン材を嵌め込み可能にすることを特徴とする、請求項5に記載したパイプルーフ工法用鋼管の連結工法。
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