JP2012213286A - モータ駆動装置、および、それを用いたバルブタイミング調整装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】目標回転数電圧信号生成部71では、目標回転数に係る目標回転数周波数信号を電圧に変換した目標回転数電圧信号を生成する。実回転数電圧信号生成部81では、実回転数に係る実回転数周波数信号を電圧に変換した実回転数電圧信号を生成する。フィードバック制御部91では、目標回転数電圧信号、および、実回転数電圧信号に基づき、実回転数が目標回転数と一致するようにモータ10への通電を制御する。また、目標回転数電圧信号の生成に係る時定数τ1は、実回転数電圧信号の生成に係る時定数τ2よりも大きい。これにより、目標回転数の微小な変動に対してモータ10の回転数が過敏に変動するのを抑制することができる。
【選択図】 図3
Description
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、目標回転数に対する実回転数の追従性を損なうことなく、目標回転数の微小な変動に対してモータ回転数が過敏に変動するのを抑制可能なモータ駆動装置、および、それを用いたバルブタイミング調整装置を提供することにある。
請求項2に記載の発明では、目標回転数電圧信号生成手段は、第1の抵抗および第1のコンデンサを有する第1のRC回路部により構成される。実回転数電圧信号生成手段は、第2の抵抗および第2のコンデンサを有する第2のRC回路部により構成される。
RC回路にてFV変換を行う場合、FV変換に係る時定数は、RC回路の抵抗値およびコンデンサ容量により決まる。本発明では、目標回転数電圧信号生成手段および実回転数電圧信号生成手段をRC回路により構成しているので、用いる抵抗の抵抗値やコンデンサ容量を変更することにより、所望の時定数とすることができる。
なお、第1のRC回路部および第2のRC回路部は、複数のRC回路により構成してもよい。
本発明では、上記モータ駆動装置をモータの駆動によりバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置に適用しているので、モータの回転数が過敏に変動することに伴う位相調整手段における異音や摩耗の発生を抑制することができる。
これにより、特に、モータの回転数が過敏に変動することで、連結部材と遊星キャリアとが衝突することで生じる異音の発生を抑制することができる。
(一実施形態)
本発明の一実施形態によるモータ駆動装置は、バルブタイミング調整装置に適用される。まず、バルブタイミング調整装置を図1および図2に基づいて説明する。
バルブタイミング調整装置1は、車両に搭載され、図示しない内燃機関の図示しないクランク軸からカム軸2へトルクを伝達する伝達系に設けられる。カム軸2は、内燃機関の吸気弁を開閉するものであり、バルブタイミング調整装置1は、動弁としての吸気弁を開閉するタイミングを調整するものである。
電動ユニット5は、モータ10、および、回路部17を有する。モータ10は、後述するモータ駆動装置100(図3参照)により駆動が制御される。モータ10は、例えばブラシレスモータ等の電動モータであり、モータハウジング11、ステータ12、ロータ13、モータ軸15等を有する。
蓋部材115は、略円板状に形成され、ケース111の反位相調整機構8側を塞ぐように設けられる。蓋部材115には、モータ軸15の他方の端部152側を回転可能に支持する軸受118が軸受114と同軸に設けられる。これにより、モータ軸15は、軸受114、118によりモータハウジング11に正逆回転可能に支持される。
また、モータ10には、モータの回転を検出するホール素子69(図3参照)が設けられる。
駆動側回転体20は略筒状に形成され、内部に従動側回転体30、偏芯シャフト40、および遊星回転体50等を収容する。駆動側回転体20は、カバー部材21、歯車部材23、および、スプロケット25を有する。カバー部材21、歯車部材23、および、スプロケット25は、電動ユニット5側からこの順で配置され、位置決めピン27により同軸となるように位置決めされて、ボルト28により固定される。
歯車部材23の周壁部の径方向内側には、遊星回転体50の駆動側外歯車部52と噛み合う駆動側内歯車部24が形成される。
スプロケット25には、周壁部から径方向外側へ突出する歯26を回転方向に複数有している。この歯26とクランク軸の複数の歯との間に図示しないタイミングチェーンが掛け渡される。これにより、クランク軸の回転により出力される機関トルクがタイミングチェーンを経由してスプロケット25に入力されると、駆動側回転体20は、クランク軸と連動して回転する。
偏心部47は、入力部41と偏心して形成される。したがって、偏心部47は、駆動側回転体20および従動側回転体30とも偏心して形成されている。
なお、図2は、図1のII−II線断面図であるが、偏芯シャフト40よりも径方向外側の部材については省略している。
モータ駆動装置100は、制御回路60および駆動回路65等から構成される。
制御回路60は、点火装置および燃料噴射装置の駆動等のエンジンの作動を制御するものであって、エンジンECUに設けられる。制御回路60は、マイコンおよびドライバ等により構成され、駆動回路65と電気的に接続されている。また、制御回路60は、クランク軸の回転数を検出するセンサと接続されており、クランク軸の回転数を取得可能に構成されている。さらにまた、制御回路60は、カム軸2の回転数を検出するセンサと接続されており、カム軸2の回転数を取得可能に構成されている。
図4に示すように、第1のRC回路部72は、1段目RC回路73および2段目RC回路76を有する。1段目RC回路73は、抵抗値R1の抵抗74およびコンデンサ容量C1のコンデンサ75から構成される。2段目RC回路76は、抵抗値R2の抵抗77およびコンデンサ容量C2のコンデンサ78から構成される。制御回路60から伝送された目標回転数周波数信号は、第1のRC回路部72にてFV変換されることにより、電圧信号である目標回転数電圧信号が生成される。ここで、FV変換後のB1点の電圧を「FV電圧Vb1」という。生成された目標回転数電圧信号は、フィードバック制御部91へ伝送される。なお、抵抗74、77が「第1の抵抗」に対応し、コンデンサ75、78が「第1のコンデンサ」に対応する。
図5に示すように、第2のRC回路部82は、1段目RC回路83および2段目RC回路86を有する。1段目RC回路83は、抵抗値R3の抵抗84およびコンデンサ容量C3のコンデンサ85から構成される。2段目RC回路86は、抵抗値R4の抵抗87およびコンデンサ容量C4のコンデンサ88から構成される。生成された実回転数周波数信号は、第2のRC回路部82にてFV変換されることにより、電圧信号である実回転数電圧信号が生成される。ここで、FV変換後のB2点の電圧を「FV電圧Vb2」という。生成された実回転数電圧信号は、フィードバック制御部91へ伝送される。なお、抵抗84、87が「第2の抵抗」に対応し、コンデンサ85、88が「第2のコンデンサ」に対応する。
第1のRC回路部72は、1段目RC回路73および2段目RC回路76から構成されているので、第1のRC回路部72におけるFV変換後の電圧であるFV電圧Vb1は、以下の式(1)により算出される。なお、式中のVa1は、A1点における目標回転数周波数信号のパルス波電圧である。
Vb1=(1−exp(−1))[V]
となる時間tに等しい。なお、図6においては、1段目RC回路73におけるFV変換後のFV電圧を実線L1で示し、2段目RC回路76におけるFV変換後のFV電圧、すなわちFV電圧FVb1をL2で示すと、時定数τ1は、図6に示す如くとなる。
Vb2=(1−exp(−1))[V]
となる時間tに等しい。なお、時定数τ2も、図6にて説明したのと同様である。
図8(a)に示すように、図7にて説明したのと同様、偏芯シャフト40の位相の微小変動により、矢印X1で示すように、偏芯シャフト40が遅角すると、図8(b)に矢印X2で示すように、遅角した位相を補正すべく、算出される目標回転数が大きくなる。本実施形態では、VTP時定数τ1がVTS時定数τ2よりも大きくなるように第1のRC回路部72および第2のRC回路部82が構成されているので、目標回転数周波数信号から目標回転数電圧信号へのFV変換に要する時間が長くなる。したがって、図8(c)に矢印X3で示すように、モータ10は、短時間の指示に対しては緩慢な反応となり、モータ10の回転数の変化が小さく抑えられる。ハードの応答遅れにより、モータ10の回転数が大きくなるタイミングにおいて、矢印X4で示すように、偏芯シャフト40の位相が再び遅角してくるタイミングであったとしても、モータ10の回転数の変化が小さく抑えられているので、VTP時定数τ1をVTS時定数τ2と同じに設定した図7の例と比較して、モータジョイント44と偏芯シャフト40との間の速度差は小さい。したがって、図8(d)に示すように、モータジョイント44と偏芯シャフト40との衝突により発生する異音を抑制することができる。また、各部の摩耗等を抑制することができる。
時間T1において目標回転数がN1からN2となるように変更されると、目標回転数の変化に伴ってモータ10の回転数も変化する。モータ10の回転数は、上述の通りホール素子69により検出され、実回転数算出部80にて実回転数周波数信号が生成され、実回転数電圧信号生成部81にて実回転数電圧信号に変換されて、フィードバック制御部91に伝送される。フィードバック制御部91では、実回転数電圧信号に基づき、モータ10の回転数を認識し、モータ10の回転数が目標回転数と一致するように制御する。ここで、モータ10の実際の回転数を単に「回転数」といい、フィードバック制御部91にて認識されるモータ10の回転数を「認識回転数」という。図9中においては、モータ10の回転数を実線で示し、目標回転数を破線で示し、認識回転数を2点鎖線で示した。
フィードバック制御部91にて認識される認識回転数の変化は、モータ10の回転数の変化よりも遅れる。そのため、期間P1では、モータ10の回転数が目標回転数より大きいにも関わらず、認識回転数が目標回転数より小さいため、モータ10の回転数を大きくする方向への制御が継続される。
図9(b)に示す例では、図9(a)にて説明した例と同様、フィードバック制御部91にて認識される認識回転数の変化は、モータ10の回転数の変化よりも遅れる。図9(a)に示す例よりは振幅は小さいが、オーバーシュートおよびアンダーシュートが生じるので、モータ10の回転数が目標回転数に収束するのに時間がかかる。
本実施形態では、目標回転数電圧信号生成部71および実回転数電圧信号生成部81をRC回路により構成しているので、用いる抵抗74、77、84、87の抵抗値、および、コンデンサ75、78、85、88のコンデンサ容量を変更することにより、所望の時定数とすることができる。
本実施形態では、モータ駆動装置100をモータ10の駆動によりバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置1に適用しているので、モータ10の回転数が過敏に変動することに伴う位相調整機構8における異音や摩耗の発生を抑制することができる。
これにより、特に、モータ10の回転数が過敏に変動することで、モータジョイント44と偏芯シャフト40とが衝突することで生じる異音の発生を抑制することができる。
上記実施形態では、モータ駆動装置が電動バルブタイミング調整装置に適用されていたが、電動バルブタイミング調整装置以外の装置に適用してもよい。
上記実施形態では、バルブタイミング調整装置は、吸気弁のバルブタイミングを調整するものであったが、他の実施形態では、排気弁のバルブタイミングを調整するものとしてもよい。
また、上記実施形態では、位相調整機構は、遊星機構によりクランク軸とカム軸との位相を調整していたが、クランク軸とカム軸との位相を調整する手段は、遊星機構でなくてもよい。また、遊星キャリアである偏芯シャフトは、駆動側回転体および従動側回転体に対して偏心して設けられていたが、偏心していなくてもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
2・・・カム軸
5・・・電動ユニット
8・・・位相調整機構(位相調整手段)
10・・・モータ
20・・・駆動側回転体
30・・・従動側回転体
40・・・偏芯シャフト(遊星キャリア)
44・・・モータジョイント(連結部材)
45・・・ジョイントピン(連結部材)
50・・・遊星回転体
60・・・制御回路(目標回転数算出手段)
65・・・駆動回路
71・・・目標回転数電圧信号生成部(目標回転数電圧信号生成手段)
72・・・第1のRC回路部
74、77・・・抵抗(第1の抵抗)
75、85・・・コンデンサ(第1のコンデンサ)
80・・・実回転数算出部(実回転数算出手段)
81・・・実回転数電圧信号生成部(実回転数電圧信号生成手段)
82・・・第2のRC回路部
84、87・・・抵抗(第2の抵抗)
85、88・・・コンデンサ(第2のコンデンサ)
91・・・フィードバック制御部(フィードバック制御手段)
100・・・モータ駆動装置
Claims (4)
- モータの駆動を制御するモータ駆動装置であって、
前記モータの目標回転数を算出する目標回転数算出手段と、
前記モータの実回転数を算出する実回転数算出手段と、
前記目標回転数に係る目標回転数周波数信号を電圧に変換した目標回転数電圧信号を生成する目標回転数電圧信号生成手段と、
前記実回転数に係る実回転数周波数信号を電圧に変換した実回転数電圧信号を生成する実回転数電圧信号生成手段と、
前記目標回転数電圧信号および前記実回転数電圧信号に基づき、前記実回転数が前記目標回転数と一致するように前記モータへの通電を制御するフィードバック制御手段と、
を備え、
前記目標回転数電圧信号の生成に係る時定数は、前記実回転数電圧信号の生成に係る時定数よりも大きいことを特徴とするモータ駆動装置。 - 前記目標回転数電圧信号生成手段は、第1の抵抗および第1のコンデンサを有する第1のRC回路部により構成され、
前記実回転数電圧信号生成手段は、第2の抵抗および第2のコンデンサを有する第2のRC回路部により構成されることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。 - 内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、
モータと、
請求項1または2に記載のモータ駆動装置と、
前記モータの回転を前記カム軸に伝達するとともに、前記モータの回転数の変化に応じて前記クランク軸と前記カム軸との位相を調整する位相調整手段と、
を備えることを特徴とするバルブタイミング調整装置。 - 前記位相調整手段は、
前記クランク軸と連動して回転する駆動側回転体と、
前記カム軸と連動して回転する従動側回転体と、
遊星運動することにより前記駆動側回転体と前記従動側回転体との間の相対位相を調整する遊星回転体と、
前記モータのモータ軸と一体となって回転し、前記遊星回転体を遊星運動可能に支持する遊星キャリアと、
前記モータ軸と前記遊星キャリアとを連結する連結部材と、
を有することを特徴とする請求項3に記載のバルブタイミング調整装置。
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