JP2012211645A - 油圧テンショナのリークオイル排出手段 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上記接触領域全体ではなく、接触領域の上流側と下流側に分け、(1)上流側隙間面積を小さくし、下流側隙間面積は上流側隙間面積より大きくすることにより、油圧調整に作用しない下流側でオイル排出性を高める。(2)油圧調整に作用しない接触領域の下流側にオイル排出溝を形成することにより、下流側のオイルの排出性を高める。
【選択図】 図4
Description
油圧テンショナ(0)のテンショナボディ(20)にプランジャ(23)が摺動可能に嵌装されて、前記テンショナボディ(20)と前記プランジャ(23)とで高圧油室(31)が構成され、前記テンショナボディ(20)の内周面と前記プランジャ(23)の外周面との間に、前記高圧油室(31)内のオイルが外部へ流出できる隙間部(40)が設けられた油圧テンショナ(0)のリークオイル排出手段において、
前記隙間部(40)のうち、上流側隙間(47)の面積より、オイルが流出する下流側隙間(48)の面積が大きいことを特徴とする油圧テンショナ(0)のリークオイル排出手段に関するものである。
上流側隙間(47)寸法が最も大きく出来上がる場合の隙間寸法より、下流側隙間(48)寸法が最も小さく出来上がる場合の隙間寸法の方が大きくなるよう、内径・外径と加工公差が設定されていることを特徴とするものである。
前記テンショナボディ(20)の下流側摺動面(42)に、オイル排出溝(51)が形成され、その上流端が前記上流側隙間(47)に到達していることを特徴とするものである。
前記プランジャ(23)は、上流側のプランジャ大径部(44)と、下流側のプランジャ小径部(45)とからなるプランジャ段差部(46)を有し、
前記テンショナボディ(20)は、前記プランジャ(23)の上流側のプランジャ大径部(44)と対応するプランジャ収納孔大径部(41)と、前記プランジャ(23)の下流側プランジャ小径部(45)に対応するプランジャ収納孔小径部(42)とからなるプランジャ収納孔段差部(43)を有し、
前記プランジャ(23)のプランジャ段差部(46)が、前記テンショナボディ(20)のプランジャ収納孔段差部(43)に係合して、前記プランジャ(23)の抜け止め構造をなし、
前記オイル排出溝(51)は、前記プランジャ収納孔小径部(42)に形成され、オイル排出溝(51)の上流端が前記プランジャ収納孔大径部(41)に至るよう形成されることを特徴とするものである。
前記オイル排出溝(51)を下流端側からプランジャ収納孔小径部(42)に機械加工により形成し、前記加工工具(50)の先端がプランジャ収納孔大径部(41)に至ることを特徴とするものである。
前記オイル排出溝(51)は無端伝動帯(13)の移動方向を避けた位置に配置されることを特徴とするものである。
油圧テンショナ(0)を車両に取付けた状態において、前記オイル排出溝(51)のオイル排出方向が水平より下向きとなるよう配置されることを特徴とするものである。
前記オイル排出溝(51)は、テンショナボディ(20)のプランジャ収納孔(20a)の中心線に対して、対向する位置に対で設けられることを特徴とするものである。
油圧調整として設定される上流側隙間(47)面積を小さくし、下流側隙間(48)面積は上流側隙間(47)面積より大きくすることにより、油圧調整に作用しない下流側では、オイル排出性を高めることにより、オイル抵抗によるプランジャ(23)の摺動抵抗を低減して、プランジャ(23)の動きを円滑にすることが可能となる。
上流側隙間(47)に比して下流側隙間(48)が確実に大きくなるよう各部の内径・外径と加工公差を設定することによって、隙間の寸法管理を確実にして、下流側のオイル排出性能を高くすることが出来る。
摺動面下流側にオイル排出溝(51)を形成することにより、下流側でのオイルの排出性を高めることができる。
プランジャ大径部(44)のプランジャ段差部(46)が係合するプランジャ収納孔小径部(42)にオイル排出溝(51)をプランジャ収納孔大径部(41)に至るよう形成したので、プランジャ収納孔小径部(42)におけるオイル排出性を向上することができる。
前記オイル排出溝(51)を下流端側からプランジャ収納孔小径部(42)に、先端がプランジャ収納孔大径部(41)に至るよう機械加工により形成するので、容易にオイル排出溝(51)を形成することが出来る。
オイル排出溝(51)を、無端伝動帯(13)の移動方向を避けて配置することにより、テンショナボディ(20)が無端伝動帯(13)の移動に伴って振動する際に、オイル排出溝(51)の縁によってプランジャ小径部(45)が傷付くことが防がれる。
油圧テンショナ(0)を、水平下向きに車両に取付けるということであって、車両に取付けた状態において、オイルの自重による排出もあるので、オイルを良好に排出することが出来る。
オイル排出溝(51)を近接した位置ではなく、対向配置に離すことによって、テンショナボディ(20)の強度低下を抑えながら、オイルを良好に排出することができる。
図9は、図4の隙間部40の部分拡大図である。テンショナボディ20とプランジャ23の間の隙間はプランジャ23が摺動可能な隙間であるが、ガタが生じない程度に微小である。プランジャ23の摺動に伴って、高圧油室31のオイルはこの隙間に入って、段差部43,46に挟まれた大きい隙間の部分49に入る。プランジャ23が前進すると、大きい隙間の部分49のオイルは圧縮される。前部の小径部隙間48からの漏れが少ないと、プランジャ23は前進が阻害される。したがって、下流側の小径部隙間48の面積を上流側の大径部隙間47の面積より大きくして、オイルの流出を阻害しないようにしてある。本実施形態においては、プランジャ収納孔20a、プランジャ23は共に、流出オイルの流れにおいて、上流側は大径部、下流側は小径部となっている。
A=「プランジャ収納孔大径部41の内径の許容最大値」―「プランジャ大径部44の外径の許容最小値」
B=「プランジャ収納孔小径部42の内径の許容最小値」―「プランジャ小径部45の外径の許容最大値」
として、A<B の関係が成立するよう基準寸法(各内径、外径)と加工公差(許容最大値、許容最小値)が設定される。
図10はテンショナボディ20の前面図である。図11は図10のXI−XI断面図である。テンショナボディ20の前面から、プランジャ収納孔20aの小径部42に加工工具50を当ててオイル排出溝51を形成し、加工工具50の先端がプランジャ収納孔20aの大径部41に達するまで溝50を形成する。これによって、オイルの排出性を高めることができる。
(1)プランジャ収納孔20aとプランジャ23との隙間のうち、上流側の大径部隙間47の面積より、オイルを流出させる下流側の小径部隙間48の面積を大きくしてある。油圧調整として設定される上流側の隙間面積を小さくし、下流側ではこの隙間より大きくすることにより、油圧調整に作用しない下流側では、オイル排出性を高めることにより、オイル抵抗によるプランジャ23の摺動抵抗を低減して、プランジャ23の動きを円滑にすることができる。
(2)上流側の大径部隙間47の寸法が最も大きく出来上がる場合の隙間寸法より、下流側の小径部隙間48の寸法が最も小さく出来上がる場合の隙間寸法の方が大きくなるよう、プランジャ収納孔20aとプランジャ23との基準寸法と加工公差を設定して加工を行なう。これによって、隙間の寸法管理を確実にして、下流側のオイル排出性能を高めることができる。
(3)前記テンショナボディ20のプランジャ収納孔小径部42の摺動面にオイル排出溝51を形成し、その上流端が前記プランジャ収納孔大径部41に到達させてある。これにより、下流側でのオイルの排出性を高めることができる。
(4)プランジャ23は、上流側のプランジャ大径部44と、下流側のプランジャ小径部45とからなるプランジャ段差部46を有し、テンショナボディ20のプランジャ収納孔20aは、上記プランジャ23の上流側のプランジャ大径部44と対応するプランジャ収納孔大径部41と、上記プランジャの下流側のプランジャ小径部45に対応するプランジャ収納孔小径部42とからなるプランジャ収納孔段差部43を有しており、このプランジャ段差部46が、前記プランジャ収納孔段差部43に係合して、プランジャ23の抜け止め構造をなしている(図9)。前記オイル排出溝51は、前記プランジャ収納孔小径部42に形成され、オイル排出溝51の上流端が前記プランジャ収納孔大径部41に至るよう形成されている。したがって、プランジャ23が前進するときのオイル排出性を向上することができる。
(5)前記オイル排出溝51を下流端側からプランジャ収納孔小径部42に機械加工により形成し、加工工具50の先端がプランジャ収納孔大径部41に至るように加工する(図11)。したがって、容易にオイル排出溝51を形成することが出来る。
(6)前記オイル排出溝51は無端タイミングチェーン13の移動方向とプランジャ23の軸線とを含む平面(図10のC−C面)を避けた位置に配置してある。これは、プランジャ23は無端タイミングチェーン13の移動方向に振動するので、オイル排出溝51が上記無端タイミングチェーン13の移動方向とプランジャ23とを含む平面内に設けられると、振動によって、オイル排出溝51の縁がプランジャ23を傷つける恐れがあるので、これを避けるためである。
(7)油圧テンショナ0を車両に取付けた状態において、オイル排出溝51のオイル排出方向が水平より下向きとなるよう取り付けられる(図1)。これによって、オイルの自重による排出も可能となるので、オイルを良好に排出することが出来る。
(8)前記オイル排出溝51は、テンショナボディ20のプランジャ収納孔20aの中心線に対して、対向する位置に対で設けられている(図10)。オイル排出溝を近接した位置ではなく、対向配置して離すことによって、テンショナボディ20の強度低下を抑えながら、オイルを良好に排出することを可能にするためである。
Claims (8)
- 油圧テンショナリフタ(0)のテンショナボディ(20)にプランジャ(23)が摺動可能に嵌装されて、前記テンショナボディ(20)と前記プランジャ(23)とで高圧油室(31)が構成され、前記テンショナボディ(20)の内周面と前記プランジャ(23)の外周面との間に、前記高圧油室(31)内のオイルが外部へ流出できる隙間部(40)が設けられた油圧テンショナリフタ(0)のリークオイル排出手段において、
前記隙間部(40)のうち、上流側隙間(47)の面積より、オイルが流出する下流側隙間(48)の面積が大きいことを特徴とする油圧テンショナリフタ(0)のリークオイル排出手段。 - 上流側隙間(47)寸法が最も大きく出来上がる場合の隙間寸法より、下流側隙間(48)寸法が最も小さく出来上がる場合の隙間寸法の方が大きくなるよう、内径・外径と加工公差が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の油圧テンショナリフタ(0)のリークオイル排出手段。
- 前記テンショナボディ(20)の下流側摺動面(42)に、オイル排出溝(51)が形成され、その上流端が前記上流側隙間(47)に到達していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の油圧テンショナリフタ(0)のリークオイル排出手段。
- 前記プランジャ(23)は、上流側のプランジャ大径部(44)と、下流側のプランジャ小径部(45)とからなるプランジャ段差部(46)を有し、
前記テンショナボディ(20)は、前記プランジャ(23)の上流側のプランジャ大径部(44)と対応するプランジャ収納孔大径部(41)と、前記前記プランジャ(23)の下流側プランジャ小径部(45)に対応するプランジャ収納孔小径部(42)とからなるプランジャ収納孔段差部(43)を有し、
前記プランジャ(23)のプランジャ段差部(46)が、前記テンショナボディ(20)のプランジャ収納孔段差部(43)に係合して、前記プランジャ(23)の抜け止め構造をなし、
前記オイル排出溝(51)は、前記プランジャ収納孔小径部(42)に形成され、オイル排出溝(51)の上流端が前記プランジャ収納孔大径部(41)に至るよう形成されることを特徴とする請求項3に記載の油圧テンショナリフタ(0)のリークオイル排出手段。 - 前記オイル排出溝(51)を下流端側からプランジャ収納孔小径部(42)に機械加工により形成し、前記加工工具(50)の先端がプランジャ収納孔大径部(41)に至ることを特徴とする請求項4に記載の油圧テンショナリフタ(0)のリークオイル排出手段。
- 前記オイル排出溝(51)は無端伝動帯(13)の移動方向を避けた位置に配置されることを特徴とする請求項3乃至請求項5の何れかに記載の油圧テンショナリフタ(0)のリークオイル排出手段。
- 油圧テンショナリフタ(0)を車両に取付けた状態において、前記オイル排出溝(51)のオイル排出方向が水平より下向きとなるよう配置されることを特徴とする請求項3乃至請求項6の何れかに記載の油圧テンショナリフタ(0)のリークオイル排出手段。
- 前記オイル排出溝(51)は、テンショナボディ(20)のプランジャ収納孔(20a)の中心線に対して、対向する位置に対で設けられることを特徴とする請求項3乃至請求項7の何れかに記載の油圧テンショナリフタ(0)のリークオイル排出手段。
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