JP4783448B2 - 内燃機関の油路構造 - Google Patents
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Description
また、連結部材の長さを調節することで、オイルポンプケースとメインギャラリとの距離が異なる他の機種にも対応することが可能となる。
図1に示すように、内燃機関本体を構成する自動車用のエンジン1は、いわゆるV型エンジンであり、例えば、2つの気筒列が前後に配置されるように、エンジンルーム内に横置きされている。エンジン1は、下から順に、オイルパン2と、シリンダブロック3と、シリンダヘッド4と、シリンダヘッドカバー5と、を積み重ねて構成されている。
なお、図示は省略するが、クランクシャフト33には、コンロッドを介してピストンが連結されており、このピストンがシリンダ内を上下に摺動することで、クランクシャフト33が回転する。
なお、メインギャラリ35の上方には、排気ガスの一部を吸気側に還流するためのブリーザ通路37が形成されている。
後記するチェーンケース6の内部に突出する前側カムシャフト53の端部には、前側用従動側スプロケットホイール55が取り付けられている。また、同様にチェーンケース6の内部に突出する後側カムシャフト54の端部には、後側用従動側スプロケットホイール56が取り付けられている。
チェーンシュー81は、湾曲した棒状の長尺部材であり、チェーンシュー81の上端側は、後側シリンダヘッド42に揺動自在に固定されている。油圧テンショナ82は、シリンダブロック3の側面のうち、前側バンク31と後側バンク32の間に固定されており、チェーンシュー81の下端側を押圧している。なお、後側用タイミングチェーン62の張り側となる部分には、チェーンガイド83が設置されており、後側用タイミングチェーン62に摺接してその振動を抑制している。
オイルポンプケース9には、例えば、オイルポンプ91から吐出されたオイルをシリンダブロック3のメインギャラリ35まで送出するオイル通路の一部となるメインギャラリ用流通部92(図5参照)を構成するための凹溝92aと、内部にオイルポンプ91を収容するオイルポンプ収容部93を構成するための凹部93aが形成されている。
なお、チェーンケース6のオイルポンプケース9側の側面にも、凹溝92a及び凹部93aに対応する位置に、メインギャラリ用流通部92を構成するための凹溝6aと、オイルポンプ収容部93を構成するための凹部6bと、が形成されている。つまり、凹溝92aと凹溝6aとが合わさってメインギャラリ用流通部92が形成され、凹部93aと凹部6bとが合わさってオイルポンプ収容部93が形成されている。
オイルポンプ収容部93には、メインギャラリ用流通部92等を介してエンジン1にオイルを供給するオイルポンプ91が収容されている。オイルポンプ91は、例えばギア式ポンプであり、クランクシャフト33の端部33aに同軸に設置されている。
オイルポンプケース9とチェーンケース6との間に形成されるオイル通路の構造については、図5、図6を参照して後に詳しく説明する。
図4(a),(b)に示すように、油圧テンショナ82は、テンショナ本体821と、テンショナ本体821から出没してチェーンシュー81を押圧するプランジャ822と、を備えている。
また、テンショナ本体821のシリンダブロック3側の側面であって、連結油路824の下流側の開口部の周囲には、連結油路824よりも拡径された段部821bが形成されている。また、段部821bのシリンダブロック3側の開口端部にはOリング821cが設置されている。
なお、テンショナ本体821には、テンショナ本体821をシリンダブロック3に固定するためのボルトを挿通する挿通孔hが複数(例えば3箇所)形成されている。
なお、ノック部材86は、段部821bに予め圧入しておくことでOリング821cの抜け止めとして機能するとともに、Oリング821c用の溝を形成する。
ちなみに、図示は省略するが、前側用タイミングチェーン61に張力を付与する前側用チェーンテンショナ装置7の油圧テンショナ72には、シリンダブロック3に一体形成したオイル通路を介して、メインギャラリ35からオイルが供給されている。
図5は、オイルパンの底部とチェーンケースの側面を斜め上方から見下ろした状態を示す斜視図である。図6は、図5のIV−IV線断面図である。なお、図5においては、説明の便宜のため、オイルポンプケース9の輪郭を省略して描いている。
そして、この挿通孔93eの周囲であって、オイルポンプケース9とチェーンケース6(図2参照)との間には、オイルポンプ91の設置空間となるオイルポンプ収容部93が形成されている。また、オイルポンプケース9とチェーンケース6(図2参照)との間には、オイルパン2の内部とオイルフィルタ97の流入口とを連通するオイルフィルタ用流通部96が形成されている。さらに、オイルポンプケース9とチェーンケース6(図2参照)との間には、オイルフィルタ97の流出口とメインギャラリ35(図2、図3参照)とを連通するメインギャラリ用流通部92が形成されている。
つまり、オイルポンプ収容部93と、オイルフィルタ用流通部96と、メインギャラリ用流通部92と、によって、チェーンケース6とオイルポンプケース9との間にオイル通路が構成されている。
また、上側オイルパン21の底部21aの下面には、オイルクーラ23が取り付けられている。
ベースプレート231には、コア部232の内部にオイルを導入するためのオイル用連通口231aが形成されている。また、ベースプレート231には、コア部232の内部に冷却水を導入するための冷却水用連通口231bが形成されている。
また、第1のオイルパン一体型オイル通路部211及び第2のオイルパン一体型オイル通路部212は、例えば、上側オイルパン21を鋳造成形する際に、中空部となる部分に中子を配置することで、上側オイルパン21と一体形成されている。
そして、図2及び図3に示すように、オイルポンプ91によって圧送されてメインギャラリ用流通部92に達したオイルは、連結部材85と、油圧テンショナ82の連結油路824と、ノック部材86と、を介してシリンダブロック3のメインギャラリ35に流入する。
また、連結油路824に達したオイルの一部は、分岐オイル通路825を介してプランジャ収容部823に流入することとなる。
また、連結部材85の両端部にはシール部材85a,85bが設けられているので、位置ずれに起因するオイル漏れを抑制することができる。
また、連結部材85の長さを調節することで、オイルポンプケース9とメインギャラリ35との距離が異なる他の機種にも対応することが可能となる。そのため、部品(例えば油圧テンショナ82)の共通化を図ることができ、製造コストを削減することができる。
2 オイルパン
3 シリンダブロック
35 メインギャラリ
4 シリンダヘッド
5 シリンダヘッドカバー
6 チェーンケース(ケース部材)
61 前側用タイミングチェーン
62 後側用タイミングチェーン(駆動力伝達部材)
7 前側用チェーンテンショナ装置
8 後側用チェーンテンショナ装置(張力付与手段)
81 チェーンシュー
82 油圧テンショナ
824 連結油路
825 連結部材
9 オイルポンプケース
91 オイルポンプ
92 メインギャラリ用流通部(オイル通路)
Claims (3)
- オイル通路となるメインギャラリを有するとともに、駆動軸と従動軸とを回転可能に支持する内燃機関本体と、
前記内燃機関本体の側面に設置され、前記駆動軸の回転を前記従動軸に伝達する駆動力伝達部材と、
前記内燃機関本体の側面に設置され、前記駆動力伝達部材に張力を付与する張力付与手段と、
前記内燃機関本体の側面に間隔を隔てて設置され、前記駆動力伝達部材と張力付与手段とを収容するケース部材と、
前記クランク軸と同軸に設置され、前記内燃機関本体にオイルを供給するオイルポンプと、
前記オイルポンプを収容し、前記オイルポンプから吐出されたオイルを前記メインギャラリに供給するオイル通路を形成するオイルポンプケースと、を備え、
前記張力付与手段は、前記オイルポンプケースのオイル通路と前記メインギャラリとの間に配置され、
前記張力付与手段に、前記オイルポンプケースのオイル通路と前記メインギャラリとを連結する連結油路が形成されていることを特徴とする内燃機関の油路構造。 - 前記張力付与手段は、油圧テンショナを含んで構成され、
前記油圧テンショナは、テンショナ本体と、前記テンショナ本体から出没して駆動力伝達手段を押圧するプランジャと、を備え、
前記テンショナ本体には、前記連結油路と、前記プランジャに圧力を付与するプランジャ収容部と、前記連結油路から分岐して前記プランジャ収容部にオイルを供給する分岐オイル通路と、が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の油路構造。 - 前記張力付与手段に形成された前記連結油路と、前記オイルポンプケースに形成されたオイル通路とを連結する連結部材をさらに備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の油路構造。
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