JP2010265876A - 内燃機関の油路構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関本体の油路構造の複雑化を抑制することが可能な内燃機関の油路構造を提供する。
【解決手段】内燃機関の油路構造は、クランクシャフト33の回転を後側カムシャフト54に伝達する後側用タイミングチェーン62と、後側用タイミングチェーン62に張力を付与する前側用チェーンテンショナ装置7と、エンジン1の側面に間隔を隔てて設置されるチェーンケース6と、エンジン1にオイルを供給するオイルポンプ91と、オイルポンプ91を収容し、チェーンケース6に沿ってオイル通路を形成するオイルポンプケース9と、を備え、前側用チェーンテンショナ装置7は、オイルポンプケース9のオイル通路とシリンダブロック3のメインギャラリ35との間に配置され、前側用チェーンテンショナ装置7に、オイルポンプケース9のオイル通路とメインギャラリ35とを連結する連結油路824が形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の油路構造に関する。
特許文献1には、車両用エンジンにおいて、オイルの圧力で作動してカムチェーンの挙動を一定に保つカムチェーンテンショナをシリンダブロックの側面に取り付けるとともに、シリンダヘッドのカム軸にオイルを供給するためのオイル通路を、シリンダブロック及びシリンダヘッドに形成し、このオイル通路のシリンダヘッドよりも上流側に絞り部を設け、この絞り部よりも上流側のオイル通路から分岐して前記カムチェーンテンショナへ油圧を供給する分岐オイル通路をシリンダブロックに形成することが記載されている。
特開2005−61274号公報
しかしながら、特許文献1に記載の車両用エンジンでは、シリンダヘッドのカム軸にオイルを供給するためのオイル通路と、このオイル通路から分岐して前記カムチェーンテンショナへ油圧を供給する分岐オイル通路とを、シリンダブロックに形成しなければならず、シリンダブロックの油路構造が複雑になり、内燃機関の大型化や製造コストの増大を招いていた。
本発明は、これらの点に鑑みて成されたものであり、内燃機関本体の油路構造の複雑化を抑制することが可能な内燃機関の油路構造を提供することを第1の課題とする。
本発明に係る内燃機関の油路構造は、オイル通路となるメインギャラリを有するとともに、例えばクランク軸からなる駆動軸と従動軸とを回転可能に支持する内燃機関本体と、前記内燃機関本体の側面に設置され、前記駆動軸の回転を前記従動軸に伝達する駆動力伝達部材と、前記内燃機関本体の側面に設置され、前記駆動力伝達部材に張力を付与する張力付与手段と、前記内燃機関本体の側面に間隔を隔てて設置され、前記駆動力伝達部材と張力付与手段とを収容するケース部材と、前記クランク軸と同軸に設置され、前記内燃機関本体の摺動部に向けて例えばオイルパンに貯留されたオイルを供給するオイルポンプと、前記オイルポンプを収容し、前記オイルポンプから吐出されたオイルを前記メインギャラリに供給するオイル通路を形成するオイルポンプケースと、を備え、前記張力付与手段は、前記オイルポンプケースのオイル通路と前記メインギャラリとの間に配置され、前記張力付与手段に、前記オイルポンプケースのオイル通路と前記メインギャラリとを連結する連結油路が形成されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、オイルポンプケースによって、オイルポンプから吐出されたオイルをメインギャラリに供給するためのオイル通路が形成されているとともに、張力付与手段に形成された連結油路を介して、オイルポンプケースのオイル通路と内燃機関本体のメインギャラリとが連結されているので、内燃機関本体に形成するオイル通路を少なくすることができる。そのため、内燃機関本体の油路構造の複雑化を抑制することができる。
また、前記張力付与手段は、油圧テンショナを含んで構成され、前記油圧テンショナは、テンショナ本体と、前記テンショナ本体から出没して駆動力伝達手段を押圧するプランジャと、を備え、前記テンショナ本体には、前記連結油路と、前記プランジャに圧力を付与するプランジャ収容部と、前記連結油路から分岐して前記プランジャ収容部にオイルを供給する分岐オイル通路と、が形成されているのが好ましい。
かかる構成によれば、テンショナ本体に、オイルポンプケースのオイル通路とメインギャラリとを連結する連結油路と、プランジャに圧力を付与するプランジャ収容部と、連結油路から分岐してプランジャ収容部にオイルを供給する分岐オイル通路と、が形成されているので、内燃機関本体に形成するオイル通路を少なくすることができる。そのため、内燃機関本体の油路構造の複雑化を抑制することができる。
また、前記張力付与手段に形成された連結油路と、前記オイルポンプケースに形成されたオイル通路とを連結する連結部材をさらに備える構成とするのが好ましい。
かかる構成によれば、ケース部材に沿って形成されたオイルポンプケースのオイル通路と、内燃機関本体の側面に設置された張力付与手段の連結油路と、の間に寸法誤差などに起因する位置ずれがある場合でも、連結部材85で寸法誤差を吸収して、両者を好適に連結することができる。
また、連結部材の長さを調節することで、オイルポンプケースとメインギャラリとの距離が異なる他の機種にも対応することが可能となる。
本発明によれば、内燃機関本体の油路構造の複雑化を抑制することができる。
本実施形態に係る内燃機関の油路構造を備える自動車のエンジンの側面図である。 図1のI−I線断面図である。 メインギャラリ付近を拡大して示した分解斜視図である。 油圧テンショナの断面図であり、(a)は(b)のII−II線断面図、(b)は(a)のIII−III線断面図である。 オイルパンの底部とオイルポンプケースの側面を斜め上方から見下ろした状態を示す斜視図である。 図5のIV−IV線断面図である。
本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。説明において、同一の要素には同一の番号を付し、重複する説明は省略する。本実施形態では、本発明を自動車のエンジンに適用した場合を例にとって説明する。説明において方向を示す場合は、図1に記載した前後上下を基準とする。
図1は、本実施形態に係る内燃機関の油路構造を備える自動車のエンジンの側面図である。
図1に示すように、内燃機関本体を構成する自動車用のエンジン1は、いわゆるV型エンジンであり、例えば、2つの気筒列が前後に配置されるように、エンジンルーム内に横置きされている。エンジン1は、下から順に、オイルパン2と、シリンダブロック3と、シリンダヘッド4と、シリンダヘッドカバー5と、を積み重ねて構成されている。
オイルパン2は、オイルを貯留する部材であり、上側オイルパン21と、この上側オイルパン21の下側に取り付けられる下側オイルパン22と、の2部材で構成されている。上側オイルパン21の底部21aには、オイルを冷却するためのオイルクーラ23が取り付けられている。
シリンダブロック3は、内部にピストンを有するシリンダやクランク軸が回転自在に収容されるクランクケースから構成されるとともに各種の運動部品を収納する部材である。シリンダブロック3は、その上部に、互いにV字状に傾斜した前側バンク31及び後側バンク32を備えている。
シリンダブロック3の下部には、クランクシャフト33が回転可能に設置されている。シリンダブロック3の側面から突出するクランクシャフト33の端部33a(図2参照)には、駆動側スプロケットホイール34が取り付けられている。駆動側スプロケットホイール34は、図2に示すように、前側用歯部34aと、後側用歯部34bを有している。
なお、図示は省略するが、クランクシャフト33には、コンロッドを介してピストンが連結されており、このピストンがシリンダ内を上下に摺動することで、クランクシャフト33が回転する。
図2に示すように、シリンダブロック3の前側バンク31と後側バンク32(図1参照)のバンク間のスペースには、オイル通路となるメインギャラリ35が形成されている。メインギャラリ35は、シリンダブロック3の側面に上流側が開口しているとともに、下流側がエンジン1の各潤滑部に連通している。例えば、シリンダブロック3のうち、クランクシャフト33のジャーナル部33bを支持するジャーナル支持部3aには、ジャーナル部用オイル通路36が形成されている。ジャーナル部用オイル通路36は、ジャーナル支持部3aとジャーナル部33bとの摺接面にメインギャラリ35からオイルを供給している。
なお、メインギャラリ35の上方には、排気ガスの一部を吸気側に還流するためのブリーザ通路37が形成されている。
図1に示すように、シリンダヘッド4は、前側バンク31の上端に設置される前側シリンダヘッド41と、後側バンク32の上端に設置される後側シリンダヘッド42と、を備えている。前側シリンダヘッド41及び後側シリンダヘッド42は、図示は省略するが、燃焼室と、燃焼室に空気を供給する吸気ポートと、燃焼室から排気ガスを排出する排気ポートと、吸気ポート及び排気ポートを開閉するバルブと、それらのバルブを駆動する動弁機構と、をそれぞれ有している。
シリンダヘッドカバー5は、前側シリンダヘッド41の上端に設置される前側ヘッドカバー51と、後側シリンダヘッド42の上端に設置される後側ヘッドカバー52と、を備えている。前側ヘッドカバー51及び後側ヘッドカバー52は、前側シリンダヘッド41及び後側シリンダヘッド42の上部にそれぞれ設置された前側カムシャフト53及び後側カムシャフト54を含む動弁機構を覆う部材である。
後記するチェーンケース6の内部に突出する前側カムシャフト53の端部には、前側用従動側スプロケットホイール55が取り付けられている。また、同様にチェーンケース6の内部に突出する後側カムシャフト54の端部には、後側用従動側スプロケットホイール56が取り付けられている。
図1及び図2に示すように、駆動側スプロケットホイール34の前側用歯部34aと前側用従動側スプロケットホイール55には、駆動力伝達部材たる前側用タイミングチェーン61が巻き掛けられている。また、駆動側スプロケットホイール34の後側用歯部34bと後側用従動側スプロケットホイール56には、駆動力伝達部材たる後側用タイミングチェーン62が巻き掛けられている。これにより、クランクシャフト33の回転が、前側用タイミングチェーン61及び後側用タイミングチェーン62を介して、前側カムシャフト53及び後側カムシャフト54に伝達されることとなる。
前側用タイミングチェーン61の弛み側となる部分には、前側用チェーンテンショナ装置7が設置されている。前側用チェーンテンショナ装置7は、前側用タイミングチェーン61に摺接するチェーンシュー71と、チェーンシュー71を押圧して前側用タイミングチェーン61に張力を付与する油圧テンショナ72と、を備えている。チェーンシュー71は、湾曲した棒状の長尺部材であり、チェーンシュー71の上端側は、前側シリンダヘッド41に揺動自在に固定されている。油圧テンショナ72は、シリンダブロック3の側面に固定されており、チェーンシュー71の下端側を押圧している。なお、前側用タイミングチェーン61の張り側となる部分には、チェーンガイド73が設置されており、前側用タイミングチェーン61に摺接してその振動を抑制している。
後側用タイミングチェーン62の弛み側となる部分には、張力付与手段たる後側用チェーンテンショナ装置8が設置されている。後側用チェーンテンショナ装置8は、後側用タイミングチェーン62に摺接するチェーンシュー81と、チェーンシュー81を押圧して後側用タイミングチェーン62に張力を付与する油圧テンショナ82と、を備えている。
チェーンシュー81は、湾曲した棒状の長尺部材であり、チェーンシュー81の上端側は、後側シリンダヘッド42に揺動自在に固定されている。油圧テンショナ82は、シリンダブロック3の側面のうち、前側バンク31と後側バンク32の間に固定されており、チェーンシュー81の下端側を押圧している。なお、後側用タイミングチェーン62の張り側となる部分には、チェーンガイド83が設置されており、後側用タイミングチェーン62に摺接してその振動を抑制している。
図2及び図3に示すように、エンジン1の側面には、ケース部材たるチェーンケース6が、シリンダブロック3の側面に対して間隔を隔てて(隙間を空けて)取り付けられている。このチェーンケース6とエンジン1との間に、前側用タイミングチェーン61及び後側用タイミングチェーン62、並びに、前側用チェーンテンショナ装置7(図1参照)及び後側用チェーンテンショナ装置8(図1参照)が収容されている。
また、チェーンケース6の壁面(本実施形態では内壁面)には、オイルポンプケース9が取り付けられている。オイルポンプケース9は、チェーンケース6との間に後記するオイルポンプ91を収容するとともに、チェーンケース6に沿ってオイル通路を形成するための板状部材である。
オイルポンプケース9には、例えば、オイルポンプ91から吐出されたオイルをシリンダブロック3のメインギャラリ35まで送出するオイル通路の一部となるメインギャラリ用流通部92(図5参照)を構成するための凹溝92aと、内部にオイルポンプ91を収容するオイルポンプ収容部93を構成するための凹部93aが形成されている。
なお、チェーンケース6のオイルポンプケース9側の側面にも、凹溝92a及び凹部93aに対応する位置に、メインギャラリ用流通部92を構成するための凹溝6aと、オイルポンプ収容部93を構成するための凹部6bと、が形成されている。つまり、凹溝92aと凹溝6aとが合わさってメインギャラリ用流通部92が形成され、凹部93aと凹部6bとが合わさってオイルポンプ収容部93が形成されている。
メインギャラリ用流通部92の一端側(より詳しくは凹溝92aの一端側)には、オイルポンプケース9のシリンダブロック3側に向けて連通孔92bが貫通形成されている。メインギャラリ用流通部92の他端側は、後記するオイルフィルタ97(図5参照)に連通している。
オイルポンプ収容部93には、メインギャラリ用流通部92等を介してエンジン1にオイルを供給するオイルポンプ91が収容されている。オイルポンプ91は、例えばギア式ポンプであり、クランクシャフト33の端部33aに同軸に設置されている。
オイルポンプケース9とチェーンケース6との間に形成されるオイル通路の構造については、図5、図6を参照して後に詳しく説明する。
図2及び図3に示すように、後側用チェーンテンショナ装置8(図1参照)の油圧テンショナ82は、オイルポンプケース9のメインギャラリ用流通部92とシリンダブロック3のメインギャラリ35との間に配置されている。油圧テンショナ82は、シリンダブロック3の側面に形成された取付座にボルトで締結されている。
図4(a),(b)に示すように、油圧テンショナ82は、テンショナ本体821と、テンショナ本体821から出没してチェーンシュー81を押圧するプランジャ822と、を備えている。
テンショナ本体821の上部には、プランジャ822を出没可能に収容するプランジャ収容部823が形成されている。プランジャ収容部823は、一端側に開口部823aを有する有底円筒状の穴であり、後側用タイミングチェーン62の摺動方向に直交する方向に沿って形成されている。プランジャ収容部823の内周面には、テンショナ本体821のオイルポンプケース9側の側面に連通する連通孔823bが形成されている。連通孔823bは、エンジン1の作動時に、オイルに混入したエアを抜くためのエア抜き孔として機能するとともに、前側用タイミングチェーン61にオイルを供給できる。
また、テンショナ本体821の下部には、オイルポンプケース9のメインギャラリ用流通部92とメインギャラリ35とを連結する連結油路824が形成されている。連結油路824は、両端が開口した断面円形状の貫通孔であり、クランクシャフト33の軸方向と平行に形成されている。
また、テンショナ本体821には、連結油路824から分岐してプランジャ収容部823にオイルを供給する分岐オイル通路825が形成されている。分岐オイル通路825の上流端は、連結油路824の内周面に開口している。また、分岐オイル通路825の下流端は、プランジャ収容部823の底面に開口している。これにより、連結油路824を通流するオイルの一部が分岐オイル通路825を介してプランジャ収容部823に圧送されることとなる。
図4(b)に示すように、テンショナ本体821のオイルポンプケース9側の側面であって、連結油路824の上流側の開口部の周囲には、円筒状のフランジ821aが形成されている。
また、テンショナ本体821のシリンダブロック3側の側面であって、連結油路824の下流側の開口部の周囲には、連結油路824よりも拡径された段部821bが形成されている。また、段部821bのシリンダブロック3側の開口端部にはOリング821cが設置されている。
なお、テンショナ本体821には、テンショナ本体821をシリンダブロック3に固定するためのボルトを挿通する挿通孔hが複数(例えば3箇所)形成されている。
プランジャ822は、プランジャ収容部823の開口部823aと略同径に形成された有底円筒状の部材であり、内部に高圧油圧室829を有している。高圧油圧室829には、プランジャ822をチェーン方向に付勢する付勢部材822aが設けられている。高圧油圧室829と分岐オイル通路825との間には逆止弁826が設けられている。逆止弁826は、弁孔826aに設置されたチェックボール827と、チェックボール827を弁孔826aに向かって付勢するばね828aと、ばね828aを支持するキャップ状のリテーナ828と、を備えている。リテーナ828の側面には貫通孔828bが形成されている。
分岐オイル通路825から逆止弁826に流入したオイルは、ばね282aの付勢力に抗してチェックボール827を押し上げて高圧油圧室829に流入し、高圧油圧室829を油圧で満たしている。プランジャ822の先端が後側用タイミングチェーン62から圧力を受けた際には、逆止弁826が閉じ、高圧油圧室829内のオイルが逆流するのを防止してチェーン押圧力を維持し、後側用タイミングチェーン62に掛かる張力を維持するように作用している。
なお、例えばエンジン1が停止した状態ではオイルポンプ91が停止するため、高圧油圧室829のオイルが抜けて、油圧によるプランジャ822の付勢力が低下することがあるが、プランジャ822は、付勢部材822aによってチェーン方向に付勢されているので、後側用タイミングチェーン62に常時一定の圧力を掛けることができる。さらに、コイルばねからなる付勢部材822aと油圧とによって後側用タイミングチェーン62の振動を抑制することができる。
図2及び図3に示すように、連結部材85は、オイルポンプケース9のメインギャラリ用流通部92と油圧テンショナ82の連結油路824とを連結する円筒状のパイプ部材である。連結部材85の上流側の端部は、連通孔92bの周囲に突設された円筒状のフランジ92cに挿入されている。また、連結部材85の下流側の端部は、油圧テンショナ82の連結油路824の上流側の開口部の周囲に形成された円筒状のフランジ821aに挿入されている。図3に示すように、連結部材85の両端部の外周面には弾性材料からなるシール部材85a,85bが設けられており、フランジ92cとフランジ821aとの間の軸ずれを吸収し、連結部材85がかじることなく連結することが可能となり、オイル漏れを防止している。なお、連結部材85の両端部には、シール部材85a,85bを設置するための環状溝が形成されている。
ノック部材86は、油圧テンショナ82の連結油路824とシリンダブロック3のメインギャラリ35とを連結する円筒状のパイプ部材である。ノック部材86の上流端は、テンショナ本体821に形成した段部821b(図4参照)に挿入されている。また、ノック部材86の端部は、メインギャラリ35の上流側の開口部に挿入されている。
なお、ノック部材86は、段部821bに予め圧入しておくことでOリング821cの抜け止めとして機能するとともに、Oリング821c用の溝を形成する。
このように、オイルポンプケース9のメインギャラリ用流通部92は、連結部材85と、油圧テンショナ82の連結油路824と、ノック部材86と、を介して、シリンダブロック3のメインギャラリ35に連結(連通)されることとなる。
ちなみに、図示は省略するが、前側用タイミングチェーン61に張力を付与する前側用チェーンテンショナ装置7の油圧テンショナ72には、シリンダブロック3に一体形成したオイル通路を介して、メインギャラリ35からオイルが供給されている。
つづいて、オイルポンプケース9に形成されるオイル通路について、図5及び図6を参照して詳細に説明する。
図5は、オイルパンの底部とチェーンケースの側面を斜め上方から見下ろした状態を示す斜視図である。図6は、図5のIV−IV線断面図である。なお、図5においては、説明の便宜のため、オイルポンプケース9の輪郭を省略して描いている。
図5及び図6に示すように、オイルポンプケース9には、クランクシャフト33の一方の端部33aを挿通するための挿通孔93eが形成されている。
そして、この挿通孔93eの周囲であって、オイルポンプケース9とチェーンケース6(図2参照)との間には、オイルポンプ91の設置空間となるオイルポンプ収容部93が形成されている。また、オイルポンプケース9とチェーンケース6(図2参照)との間には、オイルパン2の内部とオイルフィルタ97の流入口とを連通するオイルフィルタ用流通部96が形成されている。さらに、オイルポンプケース9とチェーンケース6(図2参照)との間には、オイルフィルタ97の流出口とメインギャラリ35(図2、図3参照)とを連通するメインギャラリ用流通部92が形成されている。
つまり、オイルポンプ収容部93と、オイルフィルタ用流通部96と、メインギャラリ用流通部92と、によって、チェーンケース6とオイルポンプケース9との間にオイル通路が構成されている。
なおオイルポンプケース9には、オイルポンプ収容部93の流出口93cと流入口93bとを接続するリリーフバルブ通路95が形成されており、リリーフバルブ通路95の内部には、リリーフバルブ(図示省略)が設置されている。リリーフバルブは、オイルポンプ収容部93の流出口93cから送出されるオイルの圧力が設定値よりも高圧となる場合に、流入口93b側にオイルを還流させている。
オイルパン2の内部には、下側オイルパン22に貯留されたオイルを吸い上げるための吸入管22aが設置されている。吸入管22aの一端側は、図示しないオイルストレーナに接続されており、吸入管22aの他端側は、オイルポンプ収容部93の流入口93bに接続されている。
また、上側オイルパン21の底部21aの下面には、オイルクーラ23が取り付けられている。
オイルクーラ23は、図6に示すように、ベースプレート231と、オイルと冷却水との間で熱交換を行うコア部232と、を備えている。ベースプレート231の周縁部はコア部232から張り出しており、フランジ部233を構成している。
ベースプレート231には、コア部232の内部にオイルを導入するためのオイル用連通口231aが形成されている。また、ベースプレート231には、コア部232の内部に冷却水を導入するための冷却水用連通口231bが形成されている。
図5及び図6に示すように、上側オイルパン21の底部21aの上面には、オイルポンプ収容部93の流出口93cとオイルクーラ23の導入側のオイル用連通口231aとを連結する第1のオイルパン一体型オイル通路部211が、上側オイルパン21と一体に形成されている。オイルパン一体型オイル通路部211は、上側オイルパン21の底部21aの上面を肉厚にして蒲鉾状に盛り上げたような外形を呈しており、内部は中空に形成されている。
また、上側オイルパン21の底部21aの上面には、オイルクーラ23の導出側のオイル用連通口(図示省略)とオイルフィルタ用流通部96の流入口96aとを連結する第2のオイルパン一体型オイル通路部212が、上側オイルパン21と一体に形成されている。なお、第2のオイルパン一体型オイル通路部212は、第1のオイルパン一体型オイル通路部211と略同様の構造を呈しているので、詳細な説明を省略する。
ちなみに、第1のオイルパン一体型オイル通路部211及び第2のオイルパン一体型オイル通路部212は、例えばクランクシャフト33の軸方向と平行に形成されている。
また、第1のオイルパン一体型オイル通路部211及び第2のオイルパン一体型オイル通路部212は、例えば、上側オイルパン21を鋳造成形する際に、中空部となる部分に中子を配置することで、上側オイルパン21と一体形成されている。
これにより、図5に示すように、吸入管22aと、オイルポンプ収容部93と、第1のオイルパン一体型オイル通路部211と、オイルクーラ23と、第2のオイルパン一体型オイル通路部212と、オイルフィルタ用流通部96と、オイルフィルタ97と、メインギャラリ用流通部92と、がこの順番に連通してオイル通路が構成されることとなる。
そして、図2及び図3に示すように、オイルポンプ91によって圧送されてメインギャラリ用流通部92に達したオイルは、連結部材85と、油圧テンショナ82の連結油路824と、ノック部材86と、を介してシリンダブロック3のメインギャラリ35に流入する。
また、連結油路824に達したオイルの一部は、分岐オイル通路825を介してプランジャ収容部823に流入することとなる。
本実施形態に係る内燃機関の油路構造は、基本的に以上のように構成されるが、引き続き、図1乃至図6を参照して本実施形態に係る内燃機関の油路構造の作用効果について説明する。
本実施形態に係る内燃機関の油路構造によれば、オイルポンプケース9によって、オイル通路がチェーンケース6に沿って形成されているとともに、張力付与手段たる後側用チェーンテンショナ装置8の油圧テンショナ82に形成された連結油路824を介して、オイルポンプケース9のメインギャラリ用流通部92とシリンダブロック3のメインギャラリ35とが連結(連通)されているので、シリンダブロック3に形成するオイル通路を少なくすることができる。そのため、シリンダブロック3のコンパクト化が可能となる。
特に、連結油路824からプランジャ収容部823にオイルを供給する分岐オイル通路825がテンショナ本体821に形成されているので、シリンダブロック3に分岐オイル通路を形成する必要がない。そのため、シリンダブロック3に形成するオイル通路を少なくして、シリンダブロック3の油路構造の複雑化を抑制することができる。
また、本実施形態に係る内燃機関の油路構造は、油圧テンショナ82に形成された連結油路824と、オイルポンプケース9に形成されたメインギャラリ用流通部92とを連結する連結部材85を備えているので、寸法誤差などにより、メインギャラリ用流通部92の連通孔92bの軸芯と、油圧テンショナ82の連結油路824の軸心とがずれている場合でも、連結部材85で寸法誤差を吸収することができる。そのため、製造時の作業性が向上する。
また、連結部材85の両端部にはシール部材85a,85bが設けられているので、位置ずれに起因するオイル漏れを抑制することができる。
また、連結部材85の長さを調節することで、オイルポンプケース9とメインギャラリ35との距離が異なる他の機種にも対応することが可能となる。そのため、部品(例えば油圧テンショナ82)の共通化を図ることができ、製造コストを削減することができる。
また、本実施形態では、デッドスペースになりがちな前側バンク31と後側バンク32の間の側面に油圧テンショナ82を固定しているので、スペースの有効利用によってエンジン1のコンパクト化を図ることができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本実施形態では、内燃機関の油路構造をV型エンジンに適用したが、これに限定されるものではなく、例えば、直列形式のエンジンに適用してもよい。
また、本実施形態では、チェーンケース6とオイルポンプケース9との間にオイルポンプ91を収容するとともに、オイル通路を形成したが、オイルポンプケース9単独で、オイルポンプ91を収容するとともに、オイル通路を形成するようにしてもよい。また、チェーンケース6がオイルポンプケース9を兼ねる構成としてもよい。
また、本実施形態では、自動車用のエンジン1を例にとって説明したが、本発明に係る内燃機関の油路構造は、自動車以外の内燃機関に適用可能であるのは勿論である。
1 エンジン
2 オイルパン
3 シリンダブロック
35 メインギャラリ
4 シリンダヘッド
5 シリンダヘッドカバー
6 チェーンケース(ケース部材)
61 前側用タイミングチェーン
62 後側用タイミングチェーン(駆動力伝達部材)
7 前側用チェーンテンショナ装置
8 後側用チェーンテンショナ装置(張力付与手段)
81 チェーンシュー
82 油圧テンショナ
824 連結油路
825 連結部材
9 オイルポンプケース
91 オイルポンプ
92 メインギャラリ用流通部(オイル通路)

Claims (3)

  1. オイル通路となるメインギャラリを有するとともに、駆動軸と従動軸とを回転可能に支持する内燃機関本体と、
    前記内燃機関本体の側面に設置され、前記駆動軸の回転を前記従動軸に伝達する駆動力伝達部材と、
    前記内燃機関本体の側面に設置され、前記駆動力伝達部材に張力を付与する張力付与手段と、
    前記内燃機関本体の側面に間隔を隔てて設置され、前記駆動力伝達部材と張力付与手段とを収容するケース部材と、
    前記クランク軸と同軸に設置され、前記内燃機関本体にオイルを供給するオイルポンプと、
    前記オイルポンプを収容し、前記オイルポンプから吐出されたオイルを前記メインギャラリに供給するオイル通路を形成するオイルポンプケースと、を備え、
    前記張力付与手段は、前記オイルポンプケースのオイル通路と前記メインギャラリとの間に配置され、
    前記張力付与手段に、前記オイルポンプケースのオイル通路と前記メインギャラリとを連結する連結油路が形成されていることを特徴とする内燃機関の油路構造。
  2. 前記張力付与手段は、油圧テンショナを含んで構成され、
    前記油圧テンショナは、テンショナ本体と、前記テンショナ本体から出没して駆動力伝達手段を押圧するプランジャと、を備え、
    前記テンショナ本体には、前記連結油路と、前記プランジャに圧力を付与するプランジャ収容部と、前記連結油路から分岐して前記プランジャ収容部にオイルを供給する分岐オイル通路と、が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の油路構造。
  3. 前記張力付与手段に形成された前記連結油路と、前記オイルポンプケースに形成されたオイル通路とを連結する連結部材をさらに備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の油路構造。
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