JP2012211344A - ワックスの水素化分解方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】未分解ワックスをボトムリサイクル方式により水素化分解する際に、水素化分解の目的物である中間留分の収率の向上と中間留分中のノルマルパラフィンの含有量の低減とを同時に達成することが可能なワックスの水素化分解方法を提供すること。
【解決手段】原料ワックスの水素化分解を行うと共に、水素化分解後に生じる未分解ワックス留分を再び水素化分解に供する水素化分解方法であって、原料ワックスのみを用いた水素化分解を、沸点360℃以上のワックス留分からの沸点360℃未満の軽質留分への転換率が50〜85質量%となるように行った後、水素化分解触媒の存在下、原料ワックスと未分解ワックス留分との合計量を基準として未分解ワックス留分の含有量が15〜50質量%である原料ワックスと未分解ワックス留分との混合物を、上記転換率が50〜85質量%となるように水素化分解する。
【選択図】図1

Description

本発明はワックスの水素化分解方法に関する。
ガソリンや軽油のような液体燃料に対する環境規制が近年急速に厳しくなってきており、硫黄分や芳香族炭化水素の含有量が低い環境にやさしいクリーンな液体燃料への期待が高まってきている。このようなクリーン燃料製造法の一つとして、アスファルトや石炭のガス化または天然ガスの改質から得られる水素と一酸化炭素とを原料としたフィッシャー・トロプシュ(FT)合成法が挙げられる。FT合成法によれば、パラフィン含有量に富み、かつ硫黄分を含まない液体燃料基材を製造することができると共に、ワックス(FTワックス)も同時に製造することができる。そして、FTワックスは水素化分解により中間留分(灯油や軽油などの燃料基材)へと変換することができる。
ワックスを水素化分解して燃料基材を製造する技術はこれまでにも検討されている。例えば下記特許文献1〜3には、FTワックスを原料とした水素化分解方法が記載されている。
国際公開第2004/028688号パンフレット 特開2004−255241号公報 特開2004−255242号公報
ところで、ワックスの水素化分解においては、通常、未分解のワックス留分が残存し得る。中間留分の収率を最大限に高めるためには、未分解ワックス留分を再び水素化分解に供することが望ましい。なお、以下では、水素化分解において未分解ワックス留分などの未分解物を原料として再利用することを便宜的に「ボトムリサイクル」という。
その一方で、ワックスの水素化分解から製造される中間留分を燃料基材として使用する場合、ノルマルパラフィン含有量が少なく、逆にイソパラフィン含有量が高い方が望ましい。例えば自動車用ガソリンの場合、ノルマルパラフィン含有量が多くなるとオクタン価が不十分となる。また、軽油の場合、ノルマルパラフィン含有量が多くなると低温流動性が悪化し、商品としての使用が制限されることがある。
しかし、上記従来のワックスの水素化分解方法においては、未分解ワックスをボトムリサイクル方式により水素化分解する際に、イソパラフィンに富んだ中間留分を収率良く製造するプロセスについて十分な検討がなされていない。
なお、石油精製の分野における中間留分製造としては減圧軽油の水素化分解が代表的であり、この場合には芳香族は含まれるものの低硫黄軽油を製造することができる。このプロセスにおいては、分解率を一定としたときの未分解減圧軽油(ボトム残渣)のリサイクル法は既に確立されており、実際商業装置が数多く稼動している。
それに対して、先に述べたようにFTワックスのようなノルマルパラフィンを主成分とする水素化分解のボトムリサイクルに関する報告はほとんど無く、未分解ワックスのボトムリサイクルに関する記述も見られない。この原因として、未分解ワックス留分の反応特性が原料ワックスと大きく異なることが考えられる。
例えば、中間留分の収率を高めるためには、マイルドな反応条件で水素化分解を行い、生成した中間留分の軽質化を抑制することが好ましいが、このような反応条件下では得られた中間留分中のノルマルパラフィンの含有量が増大する傾向にある。一方、得られる中間留分中のノルマルパラフィンの含有量を低減するために水素化分解の反応条件を厳しくすると、生成した中間留分の過分解が進行しやすくなり、結果として中間留分の収率が減少してしまう。このように、中間留分の収率の向上とノルマルパラフィンの含有量の低減とがトレードオフの関係にある中で、未分解ワックスの炭素数分布や分子構造が原料ワックスと異なることから、ボトムリサイクルを行ってノルマルパラフィンの少ない中間留分を収率良く製造するには最適な反応条件の選定が必要となる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、未分解ワックスをボトムリサイクル方式により水素化分解する際に、水素化分解の目的物である中間留分の収率の向上と中間留分中のノルマルパラフィンの含有量の低減とを同時に達成することが可能なワックスの水素化分解方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ワックスの水素化分解において未分解ワックスをボトムリサイクルする際に、水素化分解の転換率が特定条件を満たすように水素化分解を行うことで上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のワックスの水素化分解方法は、原料ワックスの水素化分解を行うと共に、水素化分解後に生じる未分解ワックス留分を再び水素化分解に供する水素化分解方法であって、水素化分解触媒の存在下、沸点360℃以上のワックス留分からの沸点360℃未満の軽質留分への転換率が50〜85質量%となるように、原料ワックス及び未分解ワックス留分について水素化分解を行うことを特徴とする。
ここで、沸点360℃以上のワックス留分からの沸点360℃未満の軽質留分への転換率とは、下記式(1)で定義される転換率を意味する。下記式(1)中、「沸点360℃以上のワックス留分の質量」とは、原料ワックス及び未分解ワックス留分に含まれる沸点360℃以上のワックス留分の合計の質量であり、また、「沸点360℃未満の留分の質量」とは、水素化分解により得られる分解生成物に含まれる沸点360℃未満の留分の質量である。
Figure 2012211344
本発明においては、水素化分解触媒が、USYゼオライトと、シリカアルミナ、アルミナボリア及びシリカジルコニアから選ばれる1種以上の固体酸とを含有することが好ましい。
また、USYゼオライトの平均粒子径は1.0μm以下であることが好ましい。
また、USYゼオライトの含有量は、水素化分解触媒の全量を基準として、6質量%以下であることが好ましい。
また、原料ワックス及び未分解ワックス留分について水素化分解を行う際の反応温度は370℃以下であることが好ましい。
以上の通り、本発明のワックスの水素化分解方法によれば、未分解ワックスのボトムリサイクルを行う際に、水素化分解の目的物である中間留分の収率の向上と中間留分中のノルマルパラフィンの含有量の低減とを同時に達成することが可能となる。
本発明で用いられる固定床反応装置の一例を示す説明図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は本発明において好ましく用いられる固定床反応装置の一例を示す説明図である。
図1に示した固定床反応装置において、反応塔1内には水素化分解触媒層2が設けられている。また、反応塔1の頂部には、反応塔1内に水素を供給するためのラインL1が連結されており、ラインL1の反応塔1との連結部よりも上流側には原料ワックスを供給するためのラインL2が連結されている。一方、反応塔1の底部には、水素化分解後の分解生成油を反応塔1から抜き出すためのラインL3が連結されており、ラインL3の他端は蒸留装置3に連結されている。蒸留装置3は水素化分解により生成した沸点360℃未満の軽質留分と沸点360℃以上の未反応ワックス留分とを分留可能なもので、分留された未反応ワックス留分はラインL4に、軽質留分はラインL5にそれぞれ移送される。ラインL4の他端はラインL1の反応塔1との連結部よりも上流側に連結されており、未反応ワックス留分は反応塔1の頂部から反応塔1内に導入され、再び水素化分解に供される(ボトムリサイクル)。
原料ワックスとしては、炭素数が16以上、好ましくは炭素数が20以上のノルマルパラフィンを70質量%以上含んだ石油系または合成系ワックスが好ましく用いられる。このようなワックスとしては、例えば、石油系ではスラックワックス、マイクロワックスなどが、合成系ではFT合成で製造されるいわゆるFTワックスが挙げられる。
水素化分解触媒層2を構成する水素化分解触媒としては特に制限されないが、水素化分解触媒は、担体として、USYゼオライト、シリカアルミナ、シリカジルコニア、アルミナボリア、並びにシリコアルミノフォスフェート(SAPO−11など)から選ばれる1種類以上を含有することが好ましく、USYゼオライトとシリカアルミナ、アルミナボリア及びシリカジルコニアから選ばれる1種以上のアモルファス固体酸とを含有することがより好ましく、USYゼオライトとアルミナボリアとを含有することが特に好ましい。
また、水素化分解触媒がUSYゼオライトを含有する場合、その平均粒子径は1.0μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることがより好ましい。USYゼオライトの平均粒子径が1.0μmを超えると、水素化分解の目的物である中間留分の軽質化が進行してその収率が低下する傾向にある。
また、USYゼオライトにおけるシリカ/アルミナのモル比は、好ましくは25〜80、より好ましくは28〜50である。シリカ/アルミナのモル比が25未満であると、中間留分の選択性が低下する傾向がある。他方、シリカ/アルミナのモル比が80を超える場合、中間留分の選択性に問題はないが、触媒活性が低下するため反応温度を高くする必要があり、触媒寿命が短くなる傾向にある。
また、USYゼオライトの含有量は、水素化分解触媒の全量を基準として、好ましくは6質量%以下、より好ましくは4質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下である。USYゼオライトの含有量が6質量%を超えると、中間留分の選択性が低下する傾向にある。
また、水素化分解触媒は、担体成型のためのバインダーを更に含有してもよい。バインダーは特に制限されないが、好ましいバインダーとしてはアルミナまたはシリカが挙げられ、中でもアルミナが好ましい。担体の形状は特に制限されず、粒状、円柱状(ペレット)などの形状とすることができる。
また、水素化分解触媒としては、上記の担体上に、周期律表第VIII族の金属を担持させたものが好ましい。担持金属としては、ニッケル、ロジウム、パラジウム、イリジウム及び白金が好ましく、パラジウム及び白金がより好ましい。これらの担持金属は1種を単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
水素化分解触媒層3を構成する水素化分解触媒が上記金属を含有する場合は、水素化分解の前に水素などの還元性ガス雰囲気下で金属の還元を行うことが好ましい。還元条件は特に制限されないが、還元温度としては300〜360℃、還元時間としては1〜6時間がそれぞれ好ましい。
図1に示した固定床反応装置を用いてワックスの水素化分解を行う際には、先ず、原料ワックスのみを用いて水素化分解を行う。かかる水素化分解の際には、上記式(1)で定義される転換率が50〜85質量%となるように反応条件を選定することが好ましく、また、このような水素化分解を所定時間行って上記水素化分解触媒層2の触媒活性の安定化を図ることが好ましい。
次に、原料ワックスのみを用いた水素化分解により生成した分解生成油を反応塔1から蒸留装置3に移送し、沸点360℃以上の未分解ワックス留分と沸点360℃未満の軽質留分とに分留する。そして、沸点360℃以上の未分解ワックス留分を、原料ワックスと共に反応塔1の頂部から導入し、原料ワックスと未分解ワックス留分との混合物について水素化分解を行う。
ここで、水素化分解の目的物である中間留分の収率の向上と中間留分中のノルマルパラフィンの含有量の低減とを同時に達成するためには、上記式(1)で定義される転換率が50〜85質量%、より好ましくは60〜78質量%となるように、水素化分解を行うことが必要である。転換率が50質量%未満であると、ノルマルパラフィンのイソパラフィンへの異性化が十分に進行せず、得られる中間留分中のノルマルパラフィンの含有量を十分に低減することができない。また、転換率が85質量%を超えると、過分解により中間留分の収率が低下してしまう。
また、原料ワックスと未分解ワックス留分との混合比は、上記式(1)で定義される転換率が50〜85質量%である限りにおいて特に制限されないが、原料ワックスと未分解ワックス留分との合計量を基準として、未分解ワックス留分の含有量が10〜60質量%であることが好ましく、15〜50質量%であることがより好ましい。
また、原料ワックスと未分解ワックス留分との混合物について水素化分解を行う際の反応条件は、上記式(1)で定義される転換率が50〜85質量%である限りにおいて特に制限されないが、反応温度は370℃以下であることが好ましい。反応温度が370℃を超えると芳香族化合物が生成しやすくなり、クリーンな燃料基材としては好ましくない。また、反応圧力は特に制限されないが、水素分圧は、好ましくは1〜12MPa、より好ましくは2〜6MPaである。また、原料ワックスと未反応ワックス留分との混合物の液空間速度は特に制限されないが、好ましくは0.2〜5.0h−1、より好ましくは0.5〜3.0h−1である。液空間速度が0.2h−1より小さい場合は、反応塔が大きくなりすぎ、また中間留分の選択性の低下、異性化の不十分な進行といった問題が起こる。また、液空間速度が5.0h−1より大きい場合は、活性が低いため反応温度を高くする必要があり、触媒寿命が短くなる。また、水素/油比は特に制限されないが、好ましくは200〜850NL/L、より好ましくは350〜650NL/Lである。
上記実施形態によれば、上記式(1)で定義される転換率が50〜85質量%となるように、原料ワックスと未分解ワックスとの混合物について水素化分解を行うことで、水素化分解の目的物である中間留分の収率の向上と中間留分中のノルマルパラフィンの含有量の低減とを同時に達成することが可能となる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では未分解ワックス留分と原料ワックスとを混合した後でその混合物を反応塔1内に導入しているが、未分解ワックス留分と原料ワックスとはそれぞれ別個に反応塔1内に導入してもよい。
また、上記実施形態では未分解ワックス留分の反応塔1内への導入位置(ラインL4と反応塔1との連結位置)を反応塔1の頂部としているが、未分解ワックス留分は反応塔1の側部から導入しても良い。なお、未反応ワックス留分を反応塔1の側部から導入する場合、ラインL4と反応塔1との連結位置は、水素化分解触媒層2の上流端よりも上流側であることが好ましい。
また、上記実施形態では水素化分解触媒層2を単層構造としているが、異なる種類の水素化分解触媒層を積層して多層構造としてもよい。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
平均粒子径0.82μmのUSYゼオライト(シリカ/アルミナのモル比:37)とアルミナボリア(アルミナ/ボリアの質量比:5.6)とアルミナバインダーとを用いて、φ1.5mm、長さ約3mmの円柱状の担体を成型した(USYゼオライト/アルミナボリア/アルミナバインダー=4/56/40(質量比))。この担体に塩化白金酸の水溶液を含浸し、担体に対して0.6質量%の白金を担持した。これを乾燥、焼成することで水素化分解触媒を得た。
次に、得られた水素化触媒300mlを図1に示した固定床反応装置の反応塔1に充填して水素化分解触媒層2を形成し、この反応装置を用いて以下のようにしてボトムリサイクル実験を行った。
先ず、水素化分解触媒について、水素気流下、345℃で4時間の還元処理を行った後、原料ワックスのみの水素化分解を行った。原料ワックスとしてはFTワックス(炭素数21〜80、ノルマルパラフィン95質量%)を使用した。また、水素化分解の反応条件は、水素化分解触媒の全量に対する原料ワックスの液空間速度を2.0h−1(原料ワックスの液流速:600ml/h)、水素分圧を3MPa、水素/油比を570NL/Lとし、上記式(1)で定義される転換率が55質量%となるように反応温度を設定した。このときの反応温度は292℃であった。
原料ワックスの水素化分解を開始してから触媒活性が安定したことを確認した後、上記式(1)で定義される転換率を55質量%のまま50日間保持した。この間に得られた分解生成油を蒸留装置3(精密蒸留装置)にて蒸留し、沸点360℃未満の軽質留分と沸点360℃以上の未分解ワックスとに分離した。
次に、得られた沸点360℃以上の未分解ワックス留分をラインL4にて移送し、未分解ワックス留分と原料ワックスとの合計量を基準とした未分解ワックスの含有量が45質量%となるように、未分解ワックス留分と原料ワックスと混合し、その混合物を原料として水素化分解を行った。このとき、上記式(1)で定義される転換率が55質量%となるように反応温度を設定したところ、温度は290℃であった。また、その他の反応条件は、FTワックスのみの水素化分解における反応条件と同様とした。
上記のボトムリサイクル実験を30日間行った後、得られた分解生成油のガスクロマトグラフィー分析を行い、沸点360℃未満の軽質留分に占める沸点145℃以上360℃未満の中間留分の割合(以下、「中間留分選択性」という。)、並びに中間留分中のノルマルパラフィン及び芳香族化合物の含有量を求めた。その結果を表1に示す。
(実施例2)
原料ワックスのみの水素化分解において上記式(1)で表される転換率を75質量%としたこと、並びに原料ワックス及び未分解ワックス留分の水素化分解において上記式(1)で表される転換率を75質量%とし、混合物における未分解ワックスの含有量を25質量%としたこと以外は実施例1と同様にしてボトムリサイクル実験を行った。原料ワックスと未分解ワックス留分との混合物の水素化分解における反応温度は299℃であった。分解生成油のクロマトグラフィー分析により得られた中間留分選択性並びに中間留分中のノルマルパラフィン及び芳香族化合物の含有量を表1に示す。
(実施例3)
平均粒子径0.82μmのUSYゼオライトの代わりに平均粒子径が0.42μmのUSYゼオライト(シリカ/アルミナのモル比:37)を用いたこと以外は実施例1と同様にして水素化分解触媒を調製した。次に、得られた水素化分解触媒を用いたこと以外は実施例1と同様にしてボトムリサイクル実験を行った。原料ワックス及び未分解ワックス留分の水素化分解における反応温度は296℃であった。分解生成油のクロマトグラフィー分析により得られた中間留分選択性並びに中間留分中のノルマルパラフィン及び芳香族化合物の含有量を表1に示す。
(実施例4)
USYゼオライトの含有量を4質量%から2質量%に変更したこと以外は実施例1と同様にして水素化分解触媒を調製した。次に、得られた水素化分解触媒を用いたこと以外は実施例1と同様にしてボトムリサイクル実験を行った。原料ワックス及び未分解ワックス留分の水素化分解における反応温度は318℃であった。分解生成油のクロマトグラフィー分析により得られた中間留分選択性並びに中間留分中のノルマルパラフィン及び芳香族化合物の含有量を表1に示す。
(実施例5)
原料ワックスとしてFTワックスと石油系パラフィンワックスとを質量比が60:40となるように混合したワックス(ノルマルパラフィン含有量:76質量%)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてボトムリサイクル実験を行った。原料ワックス及び未分解ワックス留分の水素化分解における反応温度は326℃であった。分解生成油のクロマトグラフィー分析により得られた中間留分選択性並びに中間留分中のノルマルパラフィン及び芳香族化合物の含有量を表1に示す。
(実施例6)
未分解ワックスを原料のFTワックスと混合せずに、反応塔1とラインL4との連結位置を、反応塔1側部の水素化分解触媒層2の上流端から3L/5の位置(Lは水素化分解触媒層2の上流端から下流端までの距離を示す。)に連結したこと以外は実施例1と同様にしてボトムリサイクル実験を行なった。原料ワックス及び未分解ワックス留分の水素化分解における反応温度は292℃であった。分解生成油のクロマトグラフィー分析により得られた中間留分選択性並びに中間留分中のノルマルパラフィン及び芳香族化合物の含有量を表1に示す。
(比較例1)
原料ワックスのみの水素化分解において上記式(1)で表される転換率を40質量%としたこと、並びに原料ワックス及び未分解ワックス留分の水素化分解において上記式(1)で表される転換率を60質量%とし、混合物における未分解ワックスの含有量を40質量%としたこと以外は実施例1と同様にしてボトムリサイクル実験を行った。原料ワックスと未分解ワックス留分との混合物の水素化分解における反応温度は274℃であった。分解生成油のクロマトグラフィー分析により得られた中間留分選択性並びに中間留分中のノルマルパラフィン及び芳香族化合物の含有量を表1に示す。
(比較例2)
原料ワックスのみの水素化分解において上記式(1)で表される転換率を95質量%としたこと、並びに原料ワックス及び未分解ワックス留分の水素化分解において上記式(1)で表される転換率を95質量%とし、混合物における未分解ワックスの含有量を5質量%としたこと以外は実施例1と同様にして、ワックスの水素化分解を行った。原料ワックスと未分解ワックス留分との混合物の水素化分解における反応温度は312℃であった。分解生成油のクロマトグラフィー分析により得られた中間留分選択性並びに中間留分中のノルマルパラフィン及び芳香族化合物の含有量を表1に示す。
Figure 2012211344
表1に示すように、実施例1〜6においては、中間留分選択性が高く、また、中間留分中のノルマルパラフィンの含有量が低くなっており、中間留分の収率の向上と中間留分中のノルマルパラフィンの含有量の低減とを同時に達成できていることが確認された。さらに、実施例1〜6においては、得られる中間留分中に芳香族化合物は認められなかった。
1…反応塔、2…水素化分解触媒層、3…蒸留装置。

Claims (5)

  1. 原料ワックスの水素化分解を行うと共に、水素化分解後に生じる未分解ワックス留分を再び水素化分解に供する水素化分解方法であって、
    原料ワックスのみを用いた水素化分解を、沸点360℃以上のワックス留分からの沸点360℃未満の軽質留分への転換率が50〜85質量%となるように行った後、
    水素化分解触媒の存在下、原料ワックスと未分解ワックス留分との合計量を基準として未分解ワックス留分の含有量が15〜50質量%である原料ワックスと未分解ワックス留分との混合物を、沸点360℃以上のワックス留分からの沸点360℃未満の軽質留分への転換率が50〜85質量%となるように水素化分解することを特徴とするワックスの水素化分解方法。
  2. 前記水素化分解触媒が、USYゼオライトと、シリカアルミナ、アルミナボリア及びシリカジルコニアから選ばれる1種以上の固体酸とを含有することを特徴とする、請求項1に記載のワックスの水素化分解方法。
  3. 前記USYゼオライトの平均粒子径が1.0μm以下であることを特徴とする、請求項2に記載のワックスの水素化分解方法。
  4. 前記USYゼオライトの含有量が、前記水素化分解触媒の全量を基準として、6質量%以下であることを特徴とする、請求項2又は3に記載のワックスの水素化分解方法。
  5. 前記原料ワックスと未分解ワックス留分との混合物を水素化分解する際の反応温度が370℃以下であることを特徴とする、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載のワックスの水素化分解方法。
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