JP2012207897A - 吸収式冷凍機 - Google Patents

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Abstract

【課題】稀吸収液分配弁がロックする故障を早期に発見するとともに、故障時であっても運転を継続できる吸収式冷凍機を提供する。
【解決手段】高温再生器5、低温再生器6、凝縮器7、蒸発器1及び吸収器2を備え、この吸収器2内の稀吸収液を高温再生器5と低温再生器6とにそれぞれ分岐して流す吸収式冷凍機100において、弁開度を調整して高温再生器5と低温再生器6とに流れる稀吸収液の比率を制御する稀吸収液分配弁40と、この稀吸収液分配弁40をバイパスするダンパ62と、運転状態を示す指標に基づいて、稀吸収液分配弁40がロックする傾向にあるか否かを判別する判別手段としての制御装置50と、稀吸収液分配弁40がロックする傾向にある場合に、ダンパ62の開放を促す旨を報知するブザー65とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、吸収器からの稀吸収液を高温再生器と低温再生器とに分岐する吸収式冷凍機に関する。
従来、高温再生器、低温再生器、凝縮器、蒸発器、及び吸収器を備え、これらを配管接続して吸収液及び冷媒の循環経路をそれぞれ形成した吸収式冷凍機が知られている(例えば、特許文献1参照)。この吸収式冷凍機では、冷媒が吸収液に吸収された稀釈吸収液(以下、稀吸収液と言う。)が吸収器から高温再生器と低温再生器とに分岐されており、高温再生器へとつながる配管に、例えばオリフィス板等の抵抗を設けることにより、高温再生器及び低温再生器に流れる稀吸収液の比率が設定される。
特開2000−283668号公報
しかしながら、上記従来の構成では、抵抗が固定のオリフィス板を用いているため、冷房高負荷時と冷房低負荷時では、高温再生器と低温再生器とに分配される稀吸収液の割合がずれて、冷房低負荷時のCOP(Coefficient of Performance)が低下するおそれがある。そこで、吸収液の分配を冷房負荷に見合った割合に調整するために、高温再生器へとつながる配管、低温再生器へとつながる配管の一方に、弁開度を電気的に制御する稀吸収液分配弁(分配弁)を設けることが考えられる。
ところで、吸収式冷凍機において、吸収液は、長期使用、或いは、真空開放工事等によって鉄分等の異物を多く含む場合がある。この鉄分等の異物が稀吸収液分配弁に侵入した場合、弁体のロックを誘発する故障の原因となるため、この故障の早期発見及び対処を行うことで性能を維持することが求められている。さらに、稀吸収液分配弁が故障した場合、交換期間中は吸収式冷凍機の運転ができなくなるため、故障したとしても当該冷凍機を応急的に継続運転することが求められている。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、稀吸収液分配弁がロックする故障を早期に発見するとともに、故障時であっても運転を継続できる吸収式冷凍機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、高温再生器、低温再生器、凝縮器、蒸発器、及び吸収器を備え、この吸収器内の稀吸収液を前記高温再生器と前記低温再生器とにそれぞれ分岐して流す吸収式冷凍機において、弁開度を調整して前記高温再生器と前記低温再生器とに流れる稀吸収液の比率を制御する分配弁と、この分配弁をバイパスするバイパス弁と、運転状態を示す指標に基づいて、前記分配弁がロックする傾向にあるか否かを判別する判別手段と、前記分配弁がロックする傾向にある場合に、前記バイパス弁の開放を促す旨を報知する報知手段とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、運転状態を示す指標に基づいて分配弁がロックする傾向にあるか否か判別し、分配弁がロックする傾向にある場合に、バイパス弁の開放を促す旨が報知されるため、分配弁の故障を早期に発見することができ、故障への迅速な対応が可能となる。さらに、分配弁をバイパスするバイパス弁を開放することにより、分配弁が故障した状態にあったとしても吸収式冷凍機の運転を継続することができる。
この構成において、前記指標として運転時の成績係数を取得し、前記判別手段は、成績係数と設計値との偏差が所定値よりも大きくなった場合に、前記分配弁がロックする傾向にあると判別しても良い。
また、前記高温再生器内の吸収液濃度、または、前記低温再生器内の吸収液濃度を前記指標として取得し、前記判別手段は、前記吸収液濃度と設計値との偏差が所定値よりも大きくなった場合に、前記分配弁がロックする傾向にあると判別しても良い。また、前記高温再生器内の吸収液温度を前記指標として取得し、前記判別手段は、前記吸収液温度と設計値との偏差が所定値よりも大きくなった場合に、前記分配弁がロックする傾向にあると判別しても良い。
また、前記分配弁は、弁本体に固定される円筒状の弁駆動部内に配置される磁性を有するロータをステータで回転させることにより、前記ロータに連結される弁体を弁座に対して接離させて弁開度を調節する構成を有し、前記ステータに代えて前記弁駆動部に取り付け可能に形成され、磁力によって前記ロータを手動で回転させて前記分配弁がロックしているかを確認するための確認用治具を備えても良い。
また、本発明は、高温再生器、低温再生器、凝縮器、蒸発器、及び吸収器を備え、この吸収器内の稀吸収液を前記高温再生器と前記低温再生器とにそれぞれ分岐して流す吸収式冷凍機において、弁開度を調整して前記高温再生器と前記低温再生器とに流れる稀吸収液の比率を制御する第1分配弁と、この第1分配弁と同一構成を有し、当該第1分配弁をバイパスする第2分配弁と、運転状態を示す指標に基づいて、前記第1分配弁がロックする傾向にあるか否かを判別する判別手段と、前記第1分配弁がロックする傾向にある場合に、前記第2分配弁の弁開度を制御する弁開度調整手段とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、運転状態を示す指標に基づいて第1分配弁がロックする傾向にあるか否か判別し、第1分配弁がロックする傾向にある場合には、第2分配弁の弁開度が制御されるため、第1分配弁の故障を早期に発見することができるとともに、当該第1分配弁が故障した状態にあったとしても吸収式冷凍機の運転を継続することができる。
本発明によれば、運転状態を示す指標に基づいて分配弁がロックする傾向にあるか否かを判別し、分配弁がロックする傾向にある場合に、バイパス弁の開放を促す旨が報知されるため、分配弁の故障を早期に発見することができ、故障への迅速な対応が可能となる。さらに、分配弁をバイパスするバイパス弁を開放することにより、分配弁が故障した状態にあったとしても吸収式冷凍機の運転を継続することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る吸収式冷凍機の概略構成図である。 稀吸収液分配弁を示す断面図である。 冷房負荷に対する成績係数の設計値の変化を示すグラフである。 確認用治具の取り付け及び操作を説明するための図である。 冷房負荷に対する高温再生器内の吸収液の設計濃度及び低温再生器内の吸収液の設計濃度の変化を示すグラフである。 冷房負荷に対する高温再生器内の吸収液の設計温度(設計値)の変化を示すグラフである。 第4の実施の形態に係る吸収式冷凍機の概略構成図である。 バイパス分配弁の開度制御動作を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る吸収式冷凍機の概略構成図である。
吸収式冷凍機100は、冷媒に水を、吸収液に臭化リチウム(LiBr)水溶液を使用した二重効用型の吸収式冷凍機である。
吸収式冷凍機100は、図1に示すように、蒸発器1と、この蒸発器1に並設された吸収器2と、これら蒸発器1及び吸収器2を収納した蒸発器吸収器胴(下胴)3と、ガスバーナ4を備えた高温再生器5と、低温再生器6と、この低温再生器6に並設された凝縮器7と、これら低温再生器6及び凝縮器7を収納した低温再生器凝縮器胴(上胴)8と、低温熱交換器12と、高温熱交換器13と、冷媒ドレン熱回収器16と、稀吸収液ポンプP1と、濃吸収液ポンプP2と、冷媒ポンプP3とを備え、これらの各機器が吸収液管21〜25及び冷媒管31〜35などを介して配管接続されている。
また、符号14は、蒸発器1内で冷媒と熱交換したブラインを、図示しない熱負荷(例えば空気調和装置)に循環供給するための冷/温水管であり、この冷/温水管14の一部に形成された伝熱管14Aが蒸発器1内に配置されている。冷/温水管14の伝熱管14Aの上流側及び下流側には、それぞれ当該冷/温水管14内を流通するブラインの入口温度及び出口温度を計測する温度センサ51,56が設けられている。また、冷/温水管14の伝熱管14Aの上流側には、当該冷/温水管14内を流通するブラインの流量を計測する流量計57が設けられている。符号15は、吸収器2及び凝縮器7に順次冷却水を流通させるための冷却水管であり、この冷却水管15の一部に形成された各伝熱管15A、15Bがそれぞれ吸収器2及び凝縮器7内に配置されている。符号50は、吸収式冷凍機100全体の制御を司る制御装置であり、この制御装置50には、各種異常発生時に異常を報音するブザー(報知手段)65が接続されている。なお、ブザー65の替わりに、もしくはブザー65に加えてランプを点灯させたり、操作盤に設けられた画面上に表示して異常を報知する構成としても良い。
吸収器2は、蒸発器1で蒸発した冷媒蒸気を吸収液に吸収させ、蒸発器吸収器胴3内の圧力を高真空状態に保つ機能を有する。この吸収器2の下部には、冷媒蒸気を吸収して稀釈された稀吸収液が溜る稀吸収液溜り2Aが形成され、この稀吸収液溜り2Aには、インバータ52により周波数可変に制御される稀吸収液ポンプP1が設けられた稀吸収液管21の一端が接続されている。稀吸収液管21は、稀吸収液ポンプP1の下流側で第1稀吸収液管21Aと第2稀吸収液管21Bとに分岐され、第1稀吸収液管21Aは冷媒ドレン熱回収器16を経由し、第2稀吸収液管21Bは低温熱交換器12を経由した後に再び合流する。そして、稀吸収液管21の他端は、第3稀吸収液管21Cと第4稀吸収液管21Dとに分岐され、第3稀吸収液管21Cは高温熱交換器13を経由した後、高温再生器5内に形成された熱交換部5Aの上方に位置する気層部5Bに開口し、第4稀吸収液管21Dは低温再生器6内の上部に形成された気層部6Aに開口している。
高温再生器5の下部には、例えば都市ガス等の燃料に点火する点火器4Aと、燃料量を制御して熱源量を可変にする燃料制御弁4Bとを備えるガスバーナ4が収容されている。ガスバーナ4は、制御装置50が出力した燃焼信号を受信すると、ガスを燃焼させ、燃料制御弁4Bの開度は、制御装置50により、冷温水出口側の温度センサ51が計測した温度に応じて制御されている。また、燃料制御弁4Bの上流側には、供給される燃料量を計測する燃料流量計(図示略)が設けられている。高温再生器5には、ガスバーナ4の上方に当該ガスバーナ4の火炎を熱源として吸収液を加熱再生する熱交換部5Aが形成されている。
この熱交換部5Aには、ガスバーナ4で燃焼された排気ガスが流通する排気経路17が接続され、熱交換部5Aの側方には、この熱交換部5Aで加熱再生された後に当該熱交換部5Aから流出した濃吸収液が溜る濃吸収液溜り5Cが形成されている。この濃吸収液溜り5Cには、濃吸収液溜り5C(高温再生器5内)に溜った吸収液の液面レベルを検知する液面センサ53が設けられている。この液面センサ53が規定の高位液面を検知すると、この結果が制御装置50に出力され、この制御装置50は稀吸収液ポンプP1の運転を停止するように制御される。そして、液面レベルが所定値まで低下すると、再び稀吸収液ポンプP1の運転を開始する。
濃吸収液溜り5Cの下端には、濃吸収液管22の一端が接続され、この濃吸収液管22の他端は、高温熱交換器13を介して、低温再生器6から延びる中間吸収液管24と合流する。高温熱交換器13は、濃吸収液溜り5Cから流出した高温の吸収液の温熱で第3稀吸収液管21Cを流れる吸収液を加熱するものであり、高温再生器5におけるガスバーナ4の燃料消費量の低減を図っている。また、濃吸収液管22の高温熱交換器13上流側と吸収器2とは開閉弁V1が介在する吸収液管23により接続されている。
低温再生器6は、高温再生器5で分離された冷媒蒸気を熱源として、気層部6Aの下方に形成された吸収液溜り6Bに溜った吸収液を加熱再生するものであり、吸収液溜り6Bには、高温再生器5の上端部から凝縮器7の底部への延びる冷媒管31の一部に形成される伝熱管31Aが配置されている。この冷媒管31に冷媒蒸気を流通させることにより、上記伝熱管31Aを介して、冷媒蒸気の温熱が吸収液溜り6Bに溜った吸収液に伝達され、この吸収液が濃縮される。また、符号58は、低温再生器6の吸収液溜り6Bに溜った吸収液の温度(低温再生器の温度)を計測する温度センサであり、符号59は、伝熱管31Aの下流側に設けられ、低温再生器6の冷媒出口温度を計測する温度センサである。
低温再生器6の吸収液溜り6Bには、中間吸収液管24の一端が接続され、この中間吸収液管24の他端は、上記濃吸収液管22と合流して濃吸収液管25となる。この濃吸収液管25は、濃吸収液ポンプP2及び低温熱交換器12を介して、吸収器2の気層部2B上部に設けられる濃液散布器2Cに接続されている。低温熱交換器12は、高温再生器5の濃吸収液溜り5Cから流出した濃吸収液、及び、低温再生器6の吸収液溜り6Bから流出した中間吸収液の温熱で第2稀吸収液管21Bを流れる稀吸収液を加熱するものである。また、濃吸収液ポンプP2の上流側には、この濃吸収液ポンプP2及び低温熱交換器12をバイパスするバイパス管25A,25Bが設けられており、濃吸収液ポンプP2の運転が停止している場合には、高温再生器5の濃吸収液溜り5Cから流出した濃吸収液、及び、低温再生器6の吸収液溜り6Bから流出した中間吸収液は、バイパス管25A,25B通じて低温熱交換器12を経由することなく吸収器2内に供給される。
上述のように、高温再生器5の気層部5Bと凝縮器7の底部に形成された冷媒液溜り7Aとは、低温再生器6の吸収液溜り6Bに配管された伝熱管31A及び冷媒ドレン熱回収器16を経由する冷媒管31により接続され、この冷媒管31の伝熱管31A上流側と吸収器2の気層部2Bとは開閉弁V2が介在する冷媒管32により接続されている。また、凝縮器7の冷媒液溜り7Aと蒸発器1の気層部1AとはUシール部33Aが介在する冷媒管33により接続されている。この冷媒管33には、凝縮器7で液化した冷媒の温度(凝縮器出口温度)を計測する温度センサ60が設けられている。
また、蒸発器1の下方には、液化した冷媒が溜る冷媒液溜り1Bが形成され、この冷媒液溜り1Bと蒸発器1の気層部1A上部に配置される散布器1Cとは冷媒ポンプP3が介在する冷媒管34により接続されている。この冷媒管34の冷媒ポンプP3下流側と吸収器2の吸収液溜り2Aとは開閉弁V3が介在する冷媒管35により接続されている。また、冷却水管15の伝熱管15B出口側との冷/温水管14の伝熱管14Aの出口側とは、開閉弁V4が介在する連通管36により接続されている。
吸収式冷凍機100は、制御装置50の制御により、冷/温水管14から冷水を取り出す冷房運転が実行される。冷房運転時には、冷/温水管14を介して図示しない熱負荷に循環供給されるブライン(例えば冷水)の蒸発器1出口側温度(温度センサ51にて計測される温度)が所定の設定温度、例えば7℃になるように吸収式冷凍機100に投入される熱量が制御装置50により制御される。具体的には、制御装置50は、すべてのポンプP1〜P3を起動し、且つ、ガスバーナ4においてガスを燃焼させ、温度センサ51が計測するブラインの温度が所定の7℃となるようにガスバーナ4の火力を制御する。なお、冷房運転時には、開閉弁V1〜V4は閉じられる。
吸収器2から稀吸収液管21を介して、稀吸収液ポンプP1により高温再生器5に搬送された稀吸収液は、この高温再生器5でガスバーナ4による火炎および高温の燃焼ガスにより加熱されるため、この稀吸収液中の冷媒が蒸発分離する。高温再生器5で冷媒を蒸発分離して濃度が上昇した濃吸収液は、濃吸収液管22を介して、濃吸収液管25の濃吸収液ポンプP2により高温熱交換器13を経由し、濃吸収液管25に流れる。
吸収器2から稀吸収液管21を介して、稀吸収液ポンプP1により低温再生器6に搬送された稀吸収液は、高温再生器5から冷媒管31を介して供給されて伝熱管31Aに流入する高温の冷媒蒸気により加熱され、この稀吸収液中の冷媒が蒸発分離する。低温再生器6で冷媒を蒸発分離して濃度が上昇した中間吸収液は、中間吸収液管24を流れ、濃吸収液管22を流れる濃吸収液と濃吸収液管25で合流する。合流した濃吸収液は、低温熱交換器12を経由して吸収器2へ送られ、濃液散布器2Cの上方から散布される。
一方、低温再生器6で分離生成した冷媒は凝縮器7に入って凝縮して冷媒液溜り7Aに溜る。そして、冷媒液溜り7Aに冷媒液が多く溜ると、この冷媒液は冷媒液溜り7Aから流出し、冷媒管33を経由して蒸発器1に入り、冷媒ポンプP3の運転により冷媒管34を介して揚液されて散布器1Cから冷/温水管14の伝熱管14Aの上に散布される。
伝熱管14Aの上に散布された冷媒液は、伝熱管14Aの内部を通るブラインから気化熱を奪って蒸発するので、伝熱管14Aの内部を通るブラインは冷却され、こうして温度を下げたブラインが冷/温水管14から熱負荷に供給されて冷房等の冷却運転が行われる。そして、蒸発器1で蒸発した冷媒は吸収器2へ入り、高温再生器5及び低温再生器6より供給されて上方から散布される濃吸収液に吸収されて、吸収器2の稀吸収液溜り2Aに溜り、稀吸収液ポンプP1によって高温再生器5に搬送される循環を繰り返す。なお、吸収液が冷媒を吸収する際に発生する熱は、吸収器2内に配置される冷却水管15の伝熱管15Aにより冷却される。
吸収式冷凍機100の冷房運転時に、熱負荷の負荷が下がり、高温再生器5に投入される入熱量が減少すると、低温再生器6内の圧力が大きく低下する。
したがって、高温再生器5に比べて低温再生器6に流れる稀吸収液の量が多くなり、高温再生器5と低温再生器6とに分配される稀吸収液の比率のバランスが崩れて、性能が低下してしまうおそれがある。
本実施の形態の吸収式冷凍機100は、第4稀吸収液管21Dに設けられ、高温再生器5と低温再生器6とに分岐して流れる稀吸収液の比率を可変する電動弁である稀吸収液分配弁40を備えている。
また、本実施の形態の吸収式冷凍機100は、高温再生器5に設けられて高温再生器5内の吸収液の温度(高温再生器5の温度)を検出する温度センサ54と、冷却水管15の吸収器2入口側に設けられて冷却水入口温度を検出する冷却水入口温度センサ55とを備えている。稀吸収液ポンプP1は、温度センサ54,55が検出した高温再生器5の温度及び冷却水入口温度に応じて、運転周波数が調整されるように構成されている。換言すれば、稀吸収液ポンプP1の運転周波数は、熱負荷の負荷、すなわち、低温再生器6内の圧力に応じて変化する。具体的には、低温再生器6内の圧力が低下するほど、稀吸収液ポンプP1の運転周波数は低下する。
制御装置50は、低温再生器6内の圧力、すなわち、稀吸収液ポンプP1の運転周波数に応じて、稀吸収液分配弁40の開度を制御(調整)している。
図2は、稀吸収液分配弁40を示す断面図である。
稀吸収液分配弁40は、弁本体41と、弁本体41内に配置されるシート(弁座)42と、シート42に接離して流体の通過流量を調整する弁体43と、弁体43を支持する弁軸44と、弁本体41に固定される円筒状のキャン(弁駆動部)45と、キャン45の内周部に回転自在に支持され、永久磁石等の磁性材料で形成されるロータ46と、ロータ46の回転を弁体43のシート42に対する接離動作に変換する送りねじ47と、送りねじ47をロータ46に連結するスリーブ48とを備えている。146はステータであり、このステータ146に巻き回された複数のコイル(図示略)に順次電流を流すことにより、当該ステータ146と協働してロータ46が回転すると、送りねじ47の回転により、弁軸44が上下動し、弁体43がシート42に対し接離する。弁本体41は、側面視で略L字状に形成された円管であり、弁本体41では、図2の矢印Aから矢印Bの方向に稀吸収液が流れる。この場合、弁本体41の弁軸貫通部141には小さな間隙δが存在するため、間隙δを通じて、キャン45の内側への稀吸収液の侵入が許容される。
ところで、吸収式冷凍機100では、吸収液は、長期使用、或いは、真空開放工事等によって、磁性材料に付着する鉄分等の異物(以下、単に異物と言う。)を多く含む場合があり、この異物が吸収液とともに間隙δを通じて、キャン45の内側へ侵入した場合、稀吸収液分配弁40のロックを誘発する故障の原因となる。稀吸収液分配弁40がロックすると、高温再生器5と低温再生器6とに分配される稀吸収液の比率のバランスが崩れて性能が低下してしまう。このため、稀吸収液分配弁40の故障を早期に発見して対処を行うことで性能を維持することが求められている。さらに、稀吸収液分配弁40が故障した場合、交換期間中は吸収式冷凍機100の運転ができなくなるため、故障したとしても当該冷凍機を応急的に継続運転することが求められている。
そこで、本実施の形態では、第4稀吸収液管21Dに稀吸収液分配弁40をバイパスするバイパス管61を設けるとともに、このバイパス管61にダンパ(バイパス弁)62を設けている。このダンパ62は、手動によって開度調整が可能な弁装置であり、通常運転時には当該ダンパ62は閉塞されてバイパス管61には吸収液が流通しないようになっている。これによれば、仮に、稀吸収液分配弁40がロックしてしまったとしても、ダンパ62の弁開度を手動で適宜調整することにより、高温再生器5と低温再生器6とに分配される稀吸収液の比率を調整することができ、性能を大幅に低下させることなく吸収式冷凍機100の運転を応急的に継続することができる。そして、この吸収式冷凍機100の運転が停止される夜間、もしくは、休日に稀吸収液分配弁40の修理を行うことでユーザの快適性が損なわれることはない。
また、本構成では、制御装置50は、吸収式冷凍機100の運転中に、運転状態を示す指標に基づいて稀吸収液分配弁40がロックする傾向にあるか否かを判別する判別手段として機能し、稀吸収液分配弁40の故障の前兆を事前に認識することで当該故障の早期発見及び故障への迅速な対処を可能としている。
具体的には、制御装置50は、運転時の成績係数(COP)を取得し、この取得した成績係数に基づいて稀吸収液分配弁40がロックする傾向にあるか否かを判別する。そもそも、稀吸収液分配弁40は、吸収式冷凍機100が成績係数の設計値に近づくように、高温再生器5と低温再生器6とに分配される稀吸収液の比率のバランスを調整している。このため、運転時の成績係数に着目し、この成績係数と設計値との偏差が大きくなった場合には、稀吸収液分配弁40がロックする傾向にあると判別される。
図3は、冷房負荷に対する成績係数の設計値の変化を示すグラフであり、この設計値のデータは制御装置50の記憶部に記憶されている。
成績係数は、温度センサ51,56が計測するブラインの入口温度及び出口温度、流量計57が計測するブライン流量、及び、燃料流量計(図示略)が計測する燃料流量に基づき算出される。これらブライン温度、ブライン流量及び燃料流量と成績係数との関係を示す情報は、予め実験等によって取得されており、制御装置50は、この情報に基づいて、運転時の負荷(冷房負荷)における成績係数を取得する。
そして、制御装置50は、取得した成績係数と設計値との偏差が所定値(本実施形態では10%)以上であるか否かを判別し、10%以上の場合には、稀吸収液分配弁40がロックする傾向にあると判断してブザー65を報音する。このブザー65は、稀吸収液分配弁40がロックする傾向にあり、ダンパ62の開放を促す旨を報知するものであり、予め決められた音を発しても良いし、「ダンパを開放してください」と報音しても良い。
これにより、このブザー音を聞いた作業員が直接、もしくはメンテナンス業者に連絡してダンパ62を所定の開度に開放することにより、性能を大幅に低下させることなく吸収式冷凍機100の運転を応急的に継続することができる。
上述のように、稀吸収液分配弁40は、キャン45内に配置されるロータ46をステータ146で回転させることにより、弁体43をシート42に対して接離させて開度を調節している。このため、本構成では、稀吸収液分配弁40がロックしているか否かを確認する確認用治具70を備えている。この確認用治具70は、図4Aに示すように、ステータ146を取り外したキャン45の外周部に嵌るドーナツ形状に形成され、内部にはキャン45に嵌る開口70Aを挟んでS極とN極とを対向させた永久磁石(図示略)が設けられている。このため、例えば運転を停止した際に、図4Bに示すように、稀吸収液分配弁40からステータ146を取り外し、図4Aに示すように、このステータ146の替わりに確認用治具70を取り付ける。そして、稀吸収液分配弁40がロックしていなければ、確認用治具70を図中A方向に回転することにより、キャン45内のロータ46も回転して弁体43にシート42に当接して閉じられる。この場合、弁体43がシート42に当接した際にこれらが擦れて音が発するので、この音がするか否かで稀吸収液分配弁40がロックしているか否かを簡単に確認できる。
これにより、制御装置50が、稀吸収液分配弁40がロックする傾向にあると判断した場合に、この傾向が初期段階であるのか、実際にロックしてしまっているのかを簡単に確認できるため、故障に対する最善の対処策を講じることができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、高温再生器5、低温再生器6、凝縮器7、蒸発器1及び吸収器2を備え、この吸収器2内の稀吸収液を高温再生器5と低温再生器6とにそれぞれ分岐して流す吸収式冷凍機100において、弁開度を調整して高温再生器5と低温再生器6とに流れる稀吸収液の比率を制御する稀吸収液分配弁40と、この稀吸収液分配弁40をバイパスするダンパ62と、運転状態を示す指標に基づいて、稀吸収液分配弁40がロックする傾向にあるか否かを判別する判別手段としての制御装置50と、稀吸収液分配弁40がロックする傾向にある場合に、ダンパ62の開放を促す旨を報知するブザー65とを備えるため、稀吸収液分配弁40の故障を早期に発見することができ、故障への迅速な対応が可能となる。さらに、稀吸収液分配弁40をバイパスするダンパ62を開放することにより、稀吸収液分配弁40が故障した状態にあったとしても吸収式冷凍機100の運転を継続することができる。
また、本実施の形態によれば、運転状態を示す指標として運転時の成績係数を取得し、制御装置50は、成績係数と設計値との偏差が10%よりも大きくなった場合に、稀吸収液分配弁40がロックする傾向にあると判別するため、簡単な構成で稀吸収液分配弁40が故障する前兆を事前に認識することができる。
なお、この第1の実施の形態では、運転状態を示す指標として、温度センサ51,56が計測するブラインの入口温度及び出口温度、流量計57が計測するブライン流量、及び、燃料流量計(図示略)が計測する燃料流量に基づき算出される成績係数を用いる構成としたが、温度センサ51,56が計測するブラインの入口温度及び出口温度、流量計57が計測するブライン流量から吸収式冷凍機100の性能(運転能力)を取得しても良い。
また、本実施形態によれば、稀吸収液分配弁40は、弁本体41に固定される円筒状のキャン45内に配置される磁性を有するロータ46を、キャン45の外側に配置されるステータ146で回転させることにより、ロータ46に連結される弁体43をシート42に対して接離させて弁開度を調節する構成を有し、ステータ146に代えてキャン45に取り付け可能に形成され、磁力によってロータ46を手動で回転させて稀吸収液分配弁40がロックしているかを確認するための確認用治具70を備えるため、稀吸収液分配弁40が本当にロックしているか否かを当該稀吸収液分配弁40を取り外すことなく簡単に確認できる。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。
この第2の実施の形態では、運転状態を示す指標として成績係数の代わりに高温再生器5内の吸収液濃度または低温再生器6内の吸収液濃度を取得する構成としている。吸収式冷凍機100の構成は、上記した第1の実施の形態のものと同一であるため説明を省略する。
図5は、冷房負荷に対する高温再生器5内の吸収液の設計濃度(設計値)及び低温再生器6内の吸収液の設計濃度(設計値)の変化を示すグラフであり、これら設計値のデータは制御装置50の記憶部に記憶されている。
稀吸収液分配弁40の分配比率のバランスが崩れると、高温再生器5内の吸収液濃度及び低温再生器6内の吸収液濃度の一方が高くなり他方が低くなる。
このため、吸収液濃度に着目することによっても稀吸収液分配弁40がロックする傾向にあるか否かを判別できる。
高温再生器5内の吸収液濃度は、温度センサ54が計測する高温再生器5内の吸収液温度、及び、温度センサ59が計測する低温再生器6の冷媒出口温度に基づき算出される。また低温再生器6内の吸収液温度は、温度センサ58が計測する低温再生器6内の吸収液温度、及び、温度センサ60が計測する凝縮器7出口の冷媒温度に基づき算出される。これら温度と濃度との関係を示す情報は、予め実験等によって取得されており、制御装置50は、この情報に基づいて、運転時の負荷(冷房負荷)における吸収液濃度を取得する。
そして、制御装置50は、取得した吸収液濃度と設計値との偏差が所定値(本実施形態では2%)以上であるか否かを判別し、2%以上の場合には、稀吸収液分配弁40がロックする傾向にあると判断する。判断した後の動作は、上記した第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
なお、この実施形態では、計測した温度から吸収液濃度を取得する構成としているが、高温再生器5及び低温再生器6にそれぞれ濃度計を設け、当該吸収液濃度を直接取得してもよい。
本実施の形態によれば、高温再生器5内の吸収液濃度、または、低温再生器6内の吸収液濃度を指標として取得し、制御装置50は、吸収液濃度と設計値との偏差が2%よりも大きくなった場合に、稀吸収液分配弁40がロックする傾向にあると判別するため、簡単な構成で稀吸収液分配弁40が故障する前兆を事前に認識することができる。
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。
この第3の実施の形態では、運転状態を示す指標として成績係数の代わりに高温再生器5内の吸収液温度を取得する構成としている。吸収式冷凍機100の構成は、上記した第1の実施の形態のものと同一であるため説明を省略する。
図6は、冷房負荷に対する高温再生器5内の吸収液の設計温度(設計値)の変化を示すグラフであり、これら設計値のデータは制御装置50の記憶部に記憶されている。
稀吸収液分配弁40の分配比率のバランスが崩れると、高温再生器5内の吸収液量が変動するため、吸収液量が増えれば加熱が緩慢になり吸収液温度が低下し、吸収液量が減れば加熱が過剰となり吸収液温度が上昇する。このため、高温再生器5内の吸収液温度に着目することによっても稀吸収液分配弁40がロックする傾向にあるか否かを判別できる。
制御装置50は、計測した高温再生器5内の吸収液温度と設計値との偏差が所定値(本実施形態では5℃)以上であるか否かを判別し、5℃以上の場合には、稀吸収液分配弁40がロックする傾向にあると判断する。判断した後の動作は、上記した第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
本実施の形態によれば、高温再生器5内の吸収液温度を指標として取得し、制御装置50は、吸収液温度と設計値との偏差が5℃よりも大きくなった場合に、稀吸収液分配弁40がロックする傾向にあると判別するため、簡単な構成で稀吸収液分配弁40が故障する前兆を事前に認識することができる。
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態について説明する。
図7は、第4の実施の形態に係る吸収式冷凍機200の概略構成図である。吸収式冷凍機200は、ダンパ62に代えて、稀吸収液分配弁(第1分配弁)40と、同一構成のバイパス分配弁(第2分配弁)140を備える以外、第1の実施形態に係る吸収式冷凍機100と同一に構成されるため、図7では、図1に示す吸収式冷凍機100と同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。また、運転状態を示す指標として、上記第2及び第3の実施の形態で説明したものを組み合わせることができる。
バイパス分配弁140は、上述のように、稀吸収液分配弁40と同一の構成を備えているが、通常運転時には、バイパス分配弁140は制御装置(弁開度調整手段)弁開度を50%に保持した状態に制御される。
この状態で、制御装置50が稀吸収液分配弁40がロックする傾向にあると判別した場合、この制御装置50はバイパス分配弁140の開度制御を実行する。
図8は、バイパス分配弁140の開度制御動作を示すフローチャートである。
まず、制御装置50は、稀吸収液分配弁40がロックする傾向にあるとの信号を受けると、高温再生器5内の吸収液濃度を取得する(ステップS1)。この高温再生器5内の吸収液濃度は、上述のように、高温再生器5内の吸収液温度及び低温再生器6の冷媒出口温度から算出されるものであるため、ここでは説明を省略する。
続いて、制御装置50は、取得した吸収液濃度と設計濃度(設計値)との偏差を所定の閾値(本実施形態では2%)と比較し(ステップS2)、偏差が±(プラスマイナス)2%の範囲内の場合には、適正な運転を行っている開度に調整されているため処理を終了する。
また、上記した偏差が−(マイナス)2%よりも大きい場合には、制御装置50は、バイパス分配弁140の開度を開く方向にαだけ開いて(ステップS3)処理をステップS1に戻す。これにより、低温再生器6に流れる稀吸収液の流量が増える分、相対的に高温再生器5内の吸収液量が低下し、当該吸収液濃度が高まる。また、上記した偏差が+(プラス)2%よりも大きい場合には、制御装置50は、バイパス分配弁140の開度を閉じる方向にαだけ閉じて(ステップS4)処理をステップS1に戻す。これにより、低温再生器6に流れる稀吸収液の流量が減る分、相対的に高温再生器5内の吸収液量が増加し、当該吸収液濃度が低下する。これらのステップS1〜S4の制御を繰り返し実行することにより、高温再生器5と低温再生器6とに流れる稀吸収液の分配比を適正に保持することができる。
この実施形態によれば、高温再生器5、低温再生器6、及び吸収器2を備え、この吸収器2内の稀吸収液を高温再生器5と低温再生器6とにそれぞれ分岐して流す吸収式冷凍機200において、弁開度を調整して高温再生器5と低温再生器6とに流れる稀吸収液の比率を制御する稀吸収液分配弁40と、この稀吸収液分配弁40と同一構成を有し、当該稀吸収液分配弁40をバイパスするバイパス分配弁140と、運転状態を示す指標に基づいて、稀吸収液分配弁40がロックする傾向にあるか否かを判別する判別手段としての制御装置50と、稀吸収液分配弁40がロックする傾向にある場合に、バイパス分配弁140の弁開度を制御する弁開度調整手段としての制御装置50とを備えるため、稀吸収液分配弁40の故障を早期に発見することができるとともに、当該稀吸収液分配弁40が故障した状態にあったとしても吸収式冷凍機200の運転を適正に継続することができる。
この実施形態では、バイパス分配弁140の開度を調整する際に、高温再生器5の吸収液濃度を取得して行っているが、これに限るものではなく、低温再生器6の吸収液濃度、高温再生器5の吸収液温度、吸収式冷凍機100の性能、成績係数を取得して行っても良い。この場合、稀吸収液分配弁40がロックする傾向にあるか否かを判別する際に取得される指標と同一のものを用いると構成の簡素化を図ることができる。
但し、上記実施の形態は本発明の一態様であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能であるのは勿論である。
例えば、上記実施の形態では、運転状態を示す指標として、吸収式冷凍機100の性能、成績係数、高温再生器5の吸収液濃度、低温再生器6の吸収液濃度、高温再生器5の吸収液温を取得するものを説明したが、これに限るものではなく、例えば、高温再生器5の液面センサ53が吸収液の高水位を検知して稀吸収液ポンプP1が運転停止した回数が所定時間内に所定回数(例えば10回)以上となった場合には、これに基づいて稀吸収液分配弁40がロックする傾向にあると判別することもできる。
また、上記実施形態では、稀吸収液分配弁40、ダンパ62及びバイパス分配弁140は、低温再生器6へとつながる第4稀吸収液管21Dに設けられていたが、これらを高温再生器5へとつながる第3稀吸収液管21Cに設けてもよい。
また、上記実施の形態では、高温再生器5にて吸収液を加熱する加熱手段として燃料ガスを燃焼させて加熱を行うガスバーナ4を備える構成について説明したが、これに限るものではなく、灯油やA重油を燃焼させるバーナを備える構成や、蒸気や排気ガス等の温熱を用いて加熱する構成としてもよい。
また、上記実施の形態では、吸収式冷温水機は二重効用型であるが、一重効用型を始め、一重二重効用型及び三重効用型の吸収式冷温水機及び吸収式ヒートポンプ装置に本発明を適用可能なことは勿論である。
1 蒸発器
2 吸収器
5 高温再生器
6 低温再生器
7 凝縮器
21D 第4稀吸収液管
40 稀吸収液分配弁(分配弁、第1分配弁)
41 弁本体
42 シート(弁座)
43 弁体
45 キャン(弁駆動部)
46 ロータ
50 制御装置(判別手段、弁開度調整手段)
61 バイパス管
62 ダンパ(バイパス弁)
65 ブザー(報知手段)
70 確認用治具
100、200 吸収式冷凍機
140 バイパス分配弁(第2分配弁)

Claims (6)

  1. 高温再生器、低温再生器、凝縮器、蒸発器、及び吸収器を備え、この吸収器内の稀吸収液を前記高温再生器と前記低温再生器とにそれぞれ分岐して流す吸収式冷凍機において、
    弁開度を調整して前記高温再生器と前記低温再生器とに流れる稀吸収液の比率を制御する分配弁と、この分配弁をバイパスするバイパス弁と、運転状態を示す指標に基づいて、前記分配弁がロックする傾向にあるか否かを判別する判別手段と、前記分配弁がロックする傾向にある場合に、前記バイパス弁の開放を促す旨を報知する報知手段とを備えることを特徴とする吸収式冷凍機。
  2. 前記指標として運転時の成績係数を取得し、前記判別手段は、成績係数と設計値との偏差が所定値よりも大きくなった場合に、前記分配弁がロックする傾向にあると判別することを特徴とする請求項1に記載の吸収式冷凍機。
  3. 前記高温再生器内の吸収液濃度、または、前記低温再生器内の吸収液濃度を前記指標として取得し、前記判別手段は、前記吸収液濃度と設計値との偏差が所定値よりも大きくなった場合に、前記分配弁がロックする傾向にあると判別することを特徴とする請求項1に記載の吸収式冷凍機。
  4. 前記高温再生器内の吸収液温度を前記指標として取得し、前記判別手段は、前記吸収液温度と設計値との偏差が所定値よりも大きくなった場合に、前記分配弁がロックする傾向にあると判別することを特徴とする請求項1に記載の吸収式冷凍機。
  5. 前記分配弁は、弁本体に固定される円筒状の弁駆動部内に配置される磁性を有するロータをステータで回転させることにより、前記ロータに連結される弁体を弁座に対して接離させて弁開度を調節する構成を有し、前記ステータに代えて前記弁駆動部に取り付け可能に形成され、磁力によって前記ロータを手動で回転させて前記分配弁がロックしているかを確認するための確認用治具を備えることを特徴とする請求項1乃至4に記載の吸収式冷凍機。
  6. 高温再生器、低温再生器、凝縮器、蒸発器、及び吸収器を備え、この吸収器内の稀吸収液を前記高温再生器と前記低温再生器とにそれぞれ分岐して流す吸収式冷凍機において、
    弁開度を調整して前記高温再生器と前記低温再生器とに流れる稀吸収液の比率を制御する第1分配弁と、この第1分配弁と同一構成を有し、当該第1分配弁をバイパスする第2分配弁と、運転状態を示す指標に基づいて、前記第1分配弁がロックする傾向にあるか否かを判別する判別手段と、前記第1分配弁がロックする傾向にある場合に、前記第2分配弁の弁開度を制御する弁開度調整手段とを備えることを特徴とする吸収式冷凍機。
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