JP2012207707A - 給水制御バルブ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】主弁38と、操作軸76と、操作軸76周りを水密にシールするOリング78,144と、操作軸76を駆動するモータ32と、モータ32を動作制御する制御部とを有する給水制御バルブ22において、通常の給水制御モードに加えて、モータ32の回転の速度を給水制御モードの際の速度よりも遅くして操作軸76を駆動する、Oリング78,144の固着解除モードを実行させるようにする。
【選択図】 図2
Description
例えば下記特許文献1,特許文献2にこの種の給水制御バルブが開示されている。
しかしながらこの特許文献1に開示のものは、シールリングの固着による問題の解決を図ったものであるものの、解決手段において本発明と異なった別異のものである。
しかしながらこの特許文献3に開示のものは、主弁座に対する主弁の固着の解除を目的としたもので、目的においてまた解決手段において本発明と異なる別異のものである。
即ち通常の給水制御の際の電気駆動部の駆動速度の下で操作軸を軽やかに移動させることができる。またこれに伴って弁部を軽やかに開閉及び/又は開度変化させることができる。
シールリングの固着は初期には極く微弱で、そのまま操作軸が移動停止状態に置かれると固着がより進行し、固着の程度が次第に強くなっていく。
またこれに伴って操作軸の移動に対する抵抗も増大する。
そこで上記の固着解除モードを定期的に実行すれば、固着が微弱な段階で固着解除することができ、その際に操作軸を駆動するための力が小さくて済み、効率高くシールリングの固着解除状態を維持することができる。
このように給水開始のタイミングで固着解除を行うようにすれば、先ず固着解除した上で給水できるため、給水を確実に且つ円滑に行うことができる。
例えば給水制御バルブが在庫状態で長期間放置されていたりすると、長期間の不使用によりシールリングの固着が進み、固着の程度が強くなっている可能性がある。
そこで電源投入時に固着解除モードを実行することで、給水制御バルブを設置して使用し始めたときに操作軸が動かずに給水されないといった不都合を回避し、給水を確実に行わせることができる。
このようにすれば、操作軸を移動させても給水が行われないために使用者は気づかず、使用者が給水のための操作をしていないにも拘らず給水が行われてしまうことで、使用者が不安を感じてしまうといったことを防止でき、併せて水が無駄に消費されてしまうのを防ぐことができる。
この場合において、固着解除モードでは弁部を開く方向と逆方向に操作軸を移動させるようになしておくことができる(請求項6)。
このようにすれば、操作軸をより小さな駆動力で移動させることができ、従って電気駆動部としてより小型で安価なものを用いることが可能となる。
図1において、10は水栓で、カウンタ12上に設けられた操作部14と、カウンタ12から起立する吐水管15とを有している。
吐水管15はグースネック形状をなしており、先端に吐水口16を備えている。
また操作部14には、吐水口16からの吐水と止水とを行うための吐止水操作部,吐水の流量を調節する流調操作部及び吐水の温度を調節する温調操作部等が設けられている。
給水路18上の水側の給水制御バルブ22C及び給湯路20上の湯側の給水制御バルブ22Hは、それぞれ水の流量,湯の流量を調節し、そしてそれらによって水と湯との混合比を変化させて、吐水口16からの混合水の温度を変化させる。
また給水路18上の水側の給水制御バルブ22Cからの水の流量、及び給湯路20上の湯側の給水制御バルブ22Hからの湯の流量を合せた総流量によって、吐水口16からの吐水の流量を決定する。
これら給水制御バルブ22C,22Hから流出した水と湯とは合流部24で合流して混合水となり、混合水路26を通じて吐水管15へと送られ、吐水口16から外部に吐水される。
尚28は止水栓であり、また30は水栓10に備えられた制御部である。
この制御部30にはまた、操作部14が電気的に接続され、そこから制御部30に信号入力される。
36Aは流路36における主弁38の上流側の1次側流路を、36Bは下流側の2次側流路を表している。
主弁38はダイヤフラム式の弁で、図3にも示しているように硬質の主弁本体40と、これに保持された、シール部材を兼ねたゴム製のダイヤフラム膜42とから成っている。
主弁38は主弁座44に向けて進退移動して流路36を開閉し、また開度を変化させる。
詳しくは、主弁38は主弁座44への着座によって流路36を遮断し、また主弁座44から図中上向きに離間することによって流路36を開放する。
また主弁座44からの離間量に応じて流路36の開度を大小変化させ、流路36を流れる水の流量を調節する。
尚、主弁座44はボデー34に形成された円筒部46の上端部にて構成されている。
背圧室48は、内部の圧力を主弁38に対し図中下向きの閉弁方向の押圧力として作用させる。
図3に示しているように主弁38には、これを貫通して1次側流路36Aと背圧室48とを連通させる導入小孔50が設けられている。
導入小孔50は、1次側流路36Aからの水を背圧室48に導いて背圧室48の圧力を増大させる。
このパイロット流路52は、背圧室48内の水を2次側流路36Bに抜いて背圧室48の圧力を減少させる。
パイロット弁ケース54は中心部にパイロット弁60のためのガイド孔58を有しており、そこにパイロット弁60が摺動可能に嵌合されている。
パイロット弁60は、このガイド孔58によって図中上下方向の移動時に移動ガイドされる。
尚、パイロット弁ケース54には切欠部(図示せず)が設けられており、この切欠部によって、背圧室48と上記のガイド孔56及び58とが互いに連通状態とされている。
主弁38は、パイロット弁ケース54とガイド孔56とによるガイド作用によって、図中上下方向に移動案内される。
上記パイロット弁60は、操作軸76の、くびれ部140よりも図中上側の先端側の一部にて構成されている。
ここでパイロット弁60には、図4に示しているようにくびれ部140側の図中下側の端部に全周に亘って傾斜面146が形成されている。
操作軸76の、くびれ部140より図中下側且つくびれ部140側の端部においても同様に傾斜面146が全周に亘り形成されている。
またOリング78は、Oリング押え80によって図中下側から上向きに押えられ、支持されている。
このOリング押え80は中心部に挿通孔を有しており、操作軸76はこの挿通孔を挿通して、下端側がボデー34の凹所82内に突き出している。
この例において、主弁38には中心の貫通孔の内周面に沿って軸心周りに環状をなすパイロット弁座142が設けられている。
このパイロット弁座142は、シール部としてのOリング(シールリング)144を保持している。
そしてこのパイロット弁60の上下方向の移動に伴って、主弁38がこれに追従して同方向に移動する。
図4(I)は止水状態を表しており、このときパイロット弁60はパイロット弁座142のOリング144に全周に亘り弾性嵌合しており、パイロット流路52は閉鎖された状態にある。
この状態から、操作軸76の図中上向きの移動に伴ってパイロット弁60がこれと一体に上向きに移動すると、図4(II)に示すようにパイロット弁60がパイロット弁座142のOリング144から図中上向きに離間する。即ちパイロット弁60における傾斜面146と、Oリング144との間に隙間を生ぜしめる。
ここにおいてパイロット流路52が開いて、背圧室48内の水がパイロット流路52を通じて2次側流路36Bに抜け、背圧室48の圧力が低下する。
そして最終的にパイロット弁60がパイロット弁座142のOリング144に水密に弾性嵌合して閉弁し、また主弁38が主弁座44に着座して閉弁状態となる。
またボデー34の内部の収容室84には、雌ねじ部材86,雄ねじ部材88が収容されている。
この収容室84にはまた、雌ねじ部材86の回転角度位置を検出するセンサ92、及び小径のギヤ96が併せて収容されている。
尚、センサ92は保持部材94にて保持されており、その保持部材94が小径のギヤ96の回転により回転させられることで、回転方向位置が調節される。
雌ねじ部材86の円筒状の筒壁100には、内周面に雌ねじ部が設けられている。
一方雄ねじ部材88には円形の外周面に雄ねじ部が設けられ、この雄ねじ部が雌ねじ部に螺合されている。
この雄ねじ部材88は、中心部に挿込孔106を有しており、そこに操作軸76の図中下端部が圧入状態に差し込まれ、雄ねじ部材88に結合されている。
そして操作軸76が図中上下方向に進退移動することで、パイロット弁60が一体に移動し、これによって主弁38が開閉方向に動作せしめられる。
スプリング110は、この雄ねじ部材88と上記のOリング押え80との間に介在して、軸方向の各端を雄ねじ部材88の溝108の底面と、Oリング押え80の下面とに当接させ、それらを互いに逆方向に弾発している。
そこでこの実施形態では、図1の制御部30が通常の給水制御モードに加えて、Oリング78,144の固着解除モードを実行する。
この固着解除モードでは、モータ32の回転速度を通常の給水制御モードの際の回転速度よりも遅くして、操作軸76を駆動する。
このようにモータ32の回転を遅くすると、モータ32のトルクが大となり、操作軸76を駆動する力が大きくなる。
図中横軸はモータの回転の速度(駆動速度)を、縦軸はトルクを表している。
図に示しているようにモータの回転の速度を遅くするとトルクは大きくなる。
本実施形態では、モータ32の回転の速度を落すことで、微弱な固着はもとより、強固な固着も固着解除することができる。
このうちB-1はモータ32を正転させて弁部を開く方向に操作軸76を移動させるときの時間と操作軸76の移動距離との関係を、B-2はモータ32を逆転させて、弁部を開く方向とは逆方向に操作軸76を移動させるときの時間と操作軸の移動距離との関係を示している。
尚図6中B-1,B-2に続く破線で示したAは、固着解除モードに続いて給水制御モードを実行したときの時間と操作軸76の移動距離との関係を示している。
尚図7において横軸は時間軸である。
図7中(イ)は、使用者の操作により行われる通常の給水制御モードの実行のタイミングを示しており、これに対して(ロ),(ハ),(ニ)は固着解除モードの実行のタイミングを示している。
これらのうち(ロ)は、定期的に固着解除モードを実行する例である。
具体的にはここでは一定時間間隔で定期的に固着解除モードを実行する。
またこれに伴って操作軸76の移動に対する抵抗も増大する。
そこで上記の固着解除モードを定期的に実行すれば、固着が微弱な段階で固着解除することができ、その際に操作軸76を移動させるための駆動力が小さくて済み、効率高くOリング78,144の固着を解除して固着解除状態を維持することができる。
このときには、先ずモータ32の回転初期にモータ32の回転の速度が遅くされて、操作軸76が図6のB-1で示す関係で弁部を開く方向に、つまり図2中上方向に移動し、その後にモータ32の回転速度が正常速度に切り替えられて、操作軸76が図6中Aで示す関係で移動せしめられる。
或いはまた、B-2で示す関係で操作軸76が移動し、その後にAで示す関係で操作軸76が移動せしめられる。
その後にモータ32が正転且つ正常な速度に切り替えられて、操作軸76が図中上向きに押し上げられ、これに伴って弁部即ちパイロット弁60と主弁38とが開弁せしめられる(図8(III)参照)。
このようにすれば、固着が生じ始める適正な時点で固着解除の動作を行うことができる。
例えば給水制御バルブ22が在庫状態で長期間放置されていたりすると、長期間の不使用によりOリング78,144の固着が進み、固着の程度が強くなっている可能性がある。
そこで電源投入時に固着解除モードを実行することで、給水制御バルブ22を設置して使用し始めたときに操作軸76が動かずに給水されないといった不都合を回避し、給水を確実に行わせることができる。
更に固着解除モードの実行時に電気駆動部の駆動速度を低下させる場合において、その低下の程度は、シールリングの固着の際の操作軸の抵抗の大小に応じて適宜に定め得るなど、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
30 制御部
32 モータ(電気駆動部)
36 流路
38 主弁
60 パイロット弁
76 操作軸
78,144 Oリング(シールリング)
Claims (7)
- (a)流路に設けた弁部と、(b)該弁部を操作する操作軸と、(c)該操作軸に弾性嵌合して該操作軸周りを水密にシールするシールリングと、(d)該操作軸を駆動する電気駆動部と、(e)該電気駆動部を動作制御する制御部と、を有し、該電気駆動部による駆動にて前記操作軸を移動させ、前記弁部を開閉及び/又は開度変化させて給水制御する給水制御バルブであって
前記制御部は、通常の給水制御モードに加えて、前記電気駆動部の駆動速度を該給水制御モードの際の駆動速度よりも遅くして前記操作軸を駆動する、前記シールリングの固着解除モードを実行するものとなしてあることを特徴とする給水制御バルブ。 - 請求項1において、前記固着解除モードを定期的に実行することを特徴とする給水制御バルブ。
- 請求項1において、毎回の給水開始時に又は設定期間経過した後の給水開始時に、前記固着解除モードを実行することを特徴とする給水制御バルブ。
- 請求項1において、電源投入時に前記固着解除モードを実行することを特徴とする給水制御バルブ。
- 請求項1〜4の何れかにおいて、前記固着解除モードでは、給水しない範囲で前記操作軸を移動させることを特徴とする給水制御バルブ。
- 請求項5において、前記固着解除モードでは、前記弁部を開く方向と逆方向に前記操作軸を移動させることを特徴とする給水制御バルブ。
- 請求項1〜6の何れかにおいて、前記弁部が、パイロット弁の進退移動に追従して主弁を該パイロット弁と同方向に進退移動させるパイロット式弁部と成してあり、前記操作軸が該パイロット弁を操作するものとなしてあることを特徴とする給水制御バルブ。
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