JP2012206941A - セラミック材料の製造装置およびセラミック材料の製造方法 - Google Patents

セラミック材料の製造装置およびセラミック材料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】混合粉体が異形と粒子径のバラツキが大きいことから出来上がる成形体は粗密化となり、成形体を焼結させるが、ボイド数の発生が多くなり、寸法精度が悪かった。
【解決手段】セラミック原料とバインダとの混合物Mが供給される供給口4bを設け、外周部に混合物Mを磨砕するための磨砕面を有する第1粉砕部材4と、該第1粉砕部材4の下方に配置され、外周部に第1粉砕部材4の磨砕面と間隙をあけて対向する磨砕面を有する第2粉砕部材5と、を備え、第1粉砕部材4および第2粉砕部材5の少なくとも一方は、対向する磨砕面に対して回転可能に構成されており、第1粉砕部材4および第2粉砕部材5の少なくとも一方の回転動作により、第1粉砕部材4の磨砕面と第2砕部材5の磨砕面との間隙に混合物Mを移動させ、磨砕面間で混合物Mを粉砕および造粒する。
【選択図】図1

Description

本発明は、主としてプレス成形に用いられるセラミック材料の製造装置およびセラミック材料の製造方法、ならびに、該セラミック材料によるセラミック成形体の製造方法およびセラミック焼結体の製造方法に関する。
セラミックス焼結体は、機械的、化学的、熱的性質に優れていることから、各種の分野で用途開発が活発になされている。また、セラミック焼結体において、上述した特性を向上させるには、均質且つ高密度の成形体を作製し、次いで、同成形体を焼成することによって、均質、緻密且つ微細な結晶構造を有する焼結体としなければならない。そのため、セラミック材料としては、均一な形状を有する微粉末としたセラミック原料とバインダとが均一になるように混合する必要があった。
セラミック材料の製法としては、以下の2つの方法があった。第1の製法では、セラミック原料にスプレードライ工程を施してバインダを噴霧した後に、乾燥させてセラミック材料を製造していた(たとえば特許文献1参照)。また、第2の製法では、セラミック原料とバインダとを混合させてなる混練体をボールミルで粉砕して微粉末とした後、その微粉末を造粒工程にて造粒させてセラミック材料を製造していた(たとえば特許文献2参照)。
特開平2−26705号公報 特開平11−327429号公報
しかしながら、第1の製法では、セラミック原料にバインダを噴霧するため、セラミック原料の比表面積でバインダの添加量が決定されることから、バインダの添加量が少なくなるとともにバインダの添加量の調整が困難であった。したがって、第1の製法で作製されたセラミック材料は、焼成工程において、セラミック材料が流動しにくくなることから、セラミック成形体の内部に粗密化が生じ、セラミック焼結体にボイドが生じる場合があった。
また、第2の製法では、混練体をボールミルで粉砕すると、粉末の粒径を制御しにくく、粒径の大きさにバラツキが生じていた。そのため、第2の製法で作製されたセラミック材料を焼成すると、セラミック材料の粒子間に空隙が生じ、焼結体にボイドが生じる場合があった。
上記課題に鑑み、本発明は、セラミック原料とバインダとの混合物が供給される供給口を有するとともに、外周側の表面に前記混合物を磨砕するための磨砕面を有する第1粉砕部材と、該第1粉砕部材の下方に配置され、外周側の表面に前記第1粉砕部材の磨砕面と間隙をあけて対向する磨砕面を有し、前記第1粉砕部材に対向する表面の中央部に凹部を有する第2粉砕部材と、を備え、前記第1粉砕部材および前記第2粉砕部材の少なくとも一方は、対向する前記磨砕面に直交する方向を軸として回転可能に構成されており、前記第1粉砕部材および前記第2粉砕部材の少なくとも一方の回転動作により、前記第1粉砕部材の磨砕面と前記第2粉砕部材の磨砕面との間隙に前記混合物を移動させ、前記磨砕面間で前記混合物を粉砕および造粒するセラミック材料の製造装置であって、前記第1粉砕部材および前記第2粉砕部材の少なくとも一方の磨砕面に、内周側から外周側に延びる複
数の溝部を設けるとともに、該溝部は、その幅が前記外周側に向かって、漸次、小さくなっていることを特徴とする。
本発明のセラミック材料の製造装置によれば、セラミック原料とバインダとの混合物を第1粉砕部材および第2粉砕部材の少なくとも一方の回転動作により、第1粉砕部材の磨砕面と第2砕部材の磨砕面との間隙に混合物を移動させ、第1粉砕部材の磨砕面と第2粉砕部材の磨砕面との間で混合物を粉砕および造粒を行うため、セラミック原料とバインダとの混合物の粉砕と造粒を同時に行うことができるとともに、粉砕された混合物の粒径を均一にすることができる。また、第1粉砕部材および第2粉砕部材の少なくとも一方の磨砕面に、内周側から外周側に延びる複数の溝部を設けるとともに、溝部は、その幅が前記外周側に向かって、漸次、小さくなっていることにより、混合物のバインダ成分が急激に蒸発することを抑制できる。そのため、混合物の形状を安定させることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は本発明の参考例のセラミック材料の製造装置1を示す断面図である。セラミック材料の製造装置1は、図1に示すように、セラミック原料とバインダとの混合物(以下、混練体とする)Mを供給するホッパー式の供給部2と、供給部2の下端部付近に設けられた供給開閉部3、混練体Mを粉砕する第1粉砕部材4および第2粉砕部材5と、第1粉砕部材を回転可能にさせるとともに、混練体Mの供給に応じてスライド可能な蓋6aを有する第1軸部材6と、第2粉砕部材を回転可能にさせる第2軸部材7と、第1粉砕部材および第2粉砕部材の内部にそれぞれ設けられた冷却媒体が流動する流路8と、第1粉砕部材4、第2粉砕部材5、第1軸部材6、および第2軸部材7が収納され、混練体Mが粉砕および造粒された粉体M’が排出される排出口9aを有するボックス9と、ボックス9の外部から流路8に冷却媒体を注入する管状体10と、から構成されている。
供給部2は、混練体Mを外部からボックス9内に収納された第1粉砕部材4および第2粉砕部材5との間に設けられた原料収納部Xに導くものであり、たとえば下部に向かって断面積が小さくなる円錐台形状を成している。また、供給部2を構成する材質としては、たとえば超鋼、アルミ、SUS(ステンレス)等が挙げられる。そして、この供給部2の下端部付近には、混練体Mの供給に応じて開閉可能な供給開閉部3が取り付けられている。この供給開閉部3は、たとえば円盤状の超鋼やSUSで構成され、供給部2に混練体Mが供給されると、略中央部から平面方向に分割されるようにスライドし、原料収納部Xに混練体Mを導く。
第1粉砕部材4および第2粉砕部材5は、混練体Mを微細に粉砕するとともに、粉砕された粉を略均一な粒径を有する球状体になるように造粒する機能を有し、環状で構成されており、外形が円形であることが好ましい。第1粉砕部材4および第2粉砕部材5は、第1粉砕部材4が外周側の表面に磨砕面4aを有し、第2粉砕部材5が外周側の表面に磨砕面5aを有しており、この磨砕面4aと磨砕面5aとの間に混練体Mが入り込む間隙が設けられるように配置されている。具体的に、図1において、第2粉砕部材5は、第1粉砕部材4の下方に磨砕面同士が離間して配置されている。そして、第1粉砕部材4および第2粉砕部材5は、少なくとも一方が対向する摩砕面に直交する方向を軸として回転することにより、磨砕面の間に入り込む混練体Mを粉砕および造粒して、粉体M’を作製する。そのため、第1粉砕部材4の摩砕面4aと第2粉砕部材5の摩砕面5aとの離間距離は、作製する粉体M’の粒子径と同等に設定されている。また、第1粉砕部材4と第2粉砕部材5は、原料収納部Xを構成するように、互いに対向する表面の略中央部に凹部を有している。さらに、第1粉砕部材4は、前記凹部に連通するように混練体Mが原料収納部Xに
入るように供給口4bが設けられている。
この第1粉砕部材4および第2粉砕部材5は、たとえば超鋼、アルミ、SUS(ステンレス)、セラミックス等で構成されるが、粉砕および造粒する物質がセラミック材料であり、耐摩耗性を向上させるという観点から、セラミックスで構成するのが好ましい。さらに、第1粉砕部材4および第2粉砕部材5は、少なくとも磨砕面が粉砕および造粒する混練体Mが含有するセラミック原料と同材質で構成すれば、第1粉砕部材4および第2粉砕部材5の磨耗粉が混練体Mに混入してもセラミック材料特性の変化を小さくすることができる。
ここで、第1粉砕部材4および第2粉砕部材5の少なくとも一方の内部に、たとえば空気や水のような冷却媒体が流動する流路8を設けることが好ましい。このような流路8を設ければ、冷却媒体で第1粉砕部材4、第2粉砕部材5を冷却しながらセラミック原料とバインダの混合物を粉砕および造粒できるため、粉砕部材とセラミック原料との摩擦によって生じる熱によるバインダの蒸発を低減することができる。また、流路8は、たとえば予め流路が形成可能な鋳型を用いて粉砕部材を作製すれば形成可能である。この流路8は、ボックス9を貫通する管状体10と連通している。管状体10は、図1中の矢印で示すように、流路8に冷却媒体を注入するとともに、流路8を循環した冷却媒体を外部に排出するものであり、1つの粉砕部材に対して少なくとも冷却媒体注入用と冷却媒体排出用の2つが設けられている。この管状体10は、第1粉砕部材4および第2粉砕部材5の動作(回転)に追随して動くものである。また、この管状体10のボックス9より露出している端部には、循環式液体冷却装置やスポットクーラー式の温度調節装置(図示なし)が取り付けられており、随時、管状体10内に冷却媒体を供給可能となっている。
第1軸部材6は、第1粉砕部材4を摩砕面4aの面方向に回転させる機能を有し、第1粉砕部材4の供給口4bを塞ぐ蓋6aを備えている。この蓋6aは、混練体Mを原料収納部Xに供給する際に、たとえば横方向にスライドする機能を有している。第2軸部材7は、混練体Mが載せられる台座部7aを有している。この第2軸部材7は、第2粉砕部材5を摩砕面5aの面方向に回転させる機能を有するものである。具体的に、第2軸部材7は、第2粉砕部材5を回転させて、第2粉砕部材5の略中央部にある台座部7aに載置される混練体Mを、遠心力を利用して第2粉砕部材5の摩砕面5aまで移動される機能を有している。なお、第1軸部材6および第2軸部材7は、たとえば超鋼、アルミ、SUS(ステンレス)等で構成されている。
ボックス9は、第1粉砕部材4、第2粉砕部材5、第1軸部材6、および第2軸部材7を収納するものであり、両側の下端部に粉体M’が外部に排出される排出口9aが設けられている。この排出口9aは開閉可能な構造であり、必要に応じて、粉体M’を外部に排出することができる。
次に、セラミック材料の製造装置の動作について図2を参照しつつ説明する。
図2は、セラミック材料の製造装置の動作を示す断面図である。まず、セラミック原料とバインダとを混ぜ合わせて混練体Mを作製する。次に、図2(a)に示すように、混練体Mを供給口3から投入する。この混練体Mが供給口3から投入されると、供給開閉部3が開くとともに、蓋6aが横方向にスライドし、第1粉砕部材4が開口して、混練体Mが第1粉砕部材4と第2粉砕部材5との空間で構成される原料収納部Xに導かれる。このとき、第1粉砕部材4および第2粉砕部材の内部に設けた流路8に、管状体10を介して水や空気等の冷却媒体を流すことにより、予め、第1粉砕部材4および第2粉砕部材を冷却することができる。
次いで、図2(b)に示すように、第2粉砕部材5を回転させることにより、混練体Mは遠心力で第1粉砕部材4の摩砕面4aと第2粉砕部材5の摩砕面5aとの間に移動し、摩砕面間で粉砕、造粒されて粉体M’となり、摩砕面間より外側に排出される。このとき、摩砕面4aと摩砕面5aとの間には、圧縮、せん断、転がり摩擦等の負荷が混練体Mに働き、混練体Mが外側に移動するにつれて、粉砕されながら造粒されて丸みを帯びた粉体M’(セラミック材料)となる。なお、第2粉砕部材5の回転速度は、500rpm〜10000rpmで回転させることが好ましい。これは、回転速度が500rpm以下である、遠心力が十分に作用しにくく、粉砕および造粒に要する時間が長くなり、一方、10000rpm以上であると、第2粉砕部材5と混練体Mとの摩擦によって発生する熱が高くなるからである。また、本実施の形態では、第2粉砕部材5のみを回転させているが、本発明においては、このような形態に限定されるものでない。たとえば、第2粉砕部材5と異なる速度で第1粉砕部材4も同じ方向に同時に回転させれば、粉砕および造粒の工程時間を短縮できる。さらに、第1粉砕部材4と第2粉砕部材5とを互いに逆方向に回転するようにすれば、第1粉砕部材4および第2粉砕部材5と混練体M’との摩擦力を高めることができるため、より粉砕および造粒の工程時間を短縮できる。
最後に、図2(c)に示すように、第1粉砕部材4および第2粉砕部材5から排出された粉体M’(セラミック材料)は、ボックス9の下部に落ち、排出口9aから取り出される。
このように、本発明のセラミック材料の製造方法によれば、上記摩砕面間の距離でセラミック材料の粒径を制御しながら粉砕および造粒できることから、得られるセラミック材料の粒径を均一にすることができる。さらに、本発明のセラミック材料の製造方法によれば、セラミック原料とバインダとを混合させてなる混合物を粉砕および造粒しているため、成形および焼成に必要なバインダを十分に添加することができる。その結果、本発明のセラミック材料の製造方法で作製されたセラミック材料は、成形工程および焼成工程を経て作製される焼結体のボイドを低減させ、焼結体を緻密にすることが可能となる。
次に、上述した製法で作製されたセラミック材料を用いてなるセラミック成形体の製造方法およびセラミック焼結体の製造方法を説明する。
上述したセラミック材料の前駆体である混練体Mは、セラミック原料とバインダとを混合させて作製される。このとき、セラミック原料とバインダの比率は、特に限定されるものではないが、プレス成形にてセラミック成形体を作製する場合、長手方向の圧力伝導を均等にしてセラミック成形体の高密度化やセラミック焼結体のボイドを抑えるという観点から、全体量に対してバインダ量が10体積%以上60体積%以下であることが好ましい。
セラミック成形体およびセラミック焼結体を製造するためのセラミック原料としては、如何なるものが利用可能であるが、たとえばアルミナ、チタン酸バリウム、窒化珪素、ジルコニア等が挙げられる。また、バインダとしては、セラミック原料に応じて種々の変更が可能であるが、たとえばエポキシ樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、LCP(液晶ポリマー樹脂)、PBT(ポリブロモターフェニル)PET(ポリエチレンテレフタレート)等の樹脂を用いることができる。
セラミック成形体Aは、セラミック材料を金型に充填し、圧縮力をかけるプレス工程を経て成形することによって作製される。このとき、作製されるセラミック成形体Aは、従来のスプレードライ工程等を経て作製されたセラミック材料を用いて作製されたセラミック成形体よりも高密度化が図れている。これは、本発明の製法で作製されたセラミック材料がバインダを多く含んでいるとともに、粒子径のバラツキが小さいからである。そのた
め、本発明の製造方法で作製されたセラミック材料は、プレス工程において、セラミック材料全体に略均等に圧力が伝わり、さらにバインダ量が多いことから、セラミック原料が動きやすくなり、粒子間の間隙が小さくなるため、高密度な成形体を作製することができる。また、圧力においても、従来のスプレードライ工程で作製したセラミック材料のプレス成形に必要する圧力よりも小さくすることが可能となるため、プレス機構を小型にでき、製造コストを安価にできるという点でも優れている。
また、セラミック焼結体Bは、上記で作製されたセラミック成形体Aを任意の温度で焼結させることによって作製することができる。たとえば、セラミック原料がアルミナであれば約1600℃、チタン酸バリウムであれば約1200℃、窒化珪素であれば約1600℃、ジルコニアであれば約1400℃程度である。このようなセラミック焼結体Bは、上述したように、高密度なセラミック成形体Aを焼成することにより得たものであるため、ボイドを少なくすることができるとともに、高い寸法精度を有する焼結体とすることができる。そのため、セラミック焼結体Bは、通常、仕上げ加工を施して最終製品に仕上げるが、寸法精度が良いため、仕上げ加工を少なくすることができることから、仕上げ工程の簡素化という点で好適である。
次に、本発明の実施形態に係るセラミック材料の製造装置1’について図3を参照しつつ説明する。図3は、セラミック材料の製造装置1’を示すものであり、(a)は装置全体の断面図、(b)は第1粉砕部材4の磨砕面4aから平面視した平面図、(c)は(b)に示された磨砕面4aの一部をA−A’方向(厚み方向で切ったとき)の部分断面図である。
セラミック材料の製造装置1’は、第1の粉砕部材4の磨砕面4aに溝部11を具備している点でセラミック材料の製造装置1と相違する。溝部11は、磨砕面4aに形成されおり、磨砕面4aの内周側の一端部から外周側の他端部まで延びている。また、溝部11は、溝部の幅が磨砕面4aの外周側に向かって、漸次、小さくなるように形成されている。このように、セラミック材料の製造装置1’では、磨砕面4aに形成された溝部11の幅が、磨砕面4aの外周側に向かって、漸次、小さくなるように形成されているため、第1の粉砕部材4および第2の粉砕部材5の内周側において、磨砕面4aおよび磨砕面5aと混練体Mとの接触面積を小さくすることができる。その結果、セラミック材料の製造装置1’では、混練体Mの造粒工程において、第1の粉砕部材4および第2の粉砕部材5の内周側における混練体Mの圧縮の際に発生する熱を小さくすることができるため、混練体Mのバインダ成分が当該熱によって急激に蒸発するのを抑制することができる。したがって、セラミック材料の製造装置1’では、混練体Mのバインダ成分を徐々に蒸発させつつ造粒することができるため、形状の安定化を図ることができる。そして、セラミック材料の製造装置1’では、混練体Mのバインダの急激な蒸発を低減することによって、より小さい粉体M‘(100μm以下)のものであっても、造粒することができるようになった
さらに、セラミック材料の製造装置1’は、図3(c)に示すように、溝部11の内周面を、第1の粉砕部材4の磨砕面4aと直交する方向で断面視して、凹曲面形状とするのが好ましい。このような形態によれば、溝部11内に混練体Mの粒が残存するのを低減することができる。また、セラミック材料の製造装置1’は、図3(c)に示すように、溝部11の側面11aと磨砕面4aの境界部11bを曲面状とすれば、磨砕面4aと溝部11との境界部において、造粒物の変形を低減することができるため、造粒形状の安定化、すなわち、より丸みを帯びた形状にすることができるという観点から好適である。
なお、溝部11は、図3(b)において、互いに線対称となるように、かつ放射状に形成されているが、このような形態に限定されるものではなく、溝部11が1つであっても
、上述した効果を得ることが可能である。また、セラミック材料の製造装置1’では、第1の粉砕部材4の磨砕面4aに溝部11を形成しているが、第2の粉砕部材5の磨砕面5aに溝部11を形成してもよく、さらには、第1の粉砕部材4および第2の粉砕部材5の両方に形成してもよい。
次に、本発明の第2の参考例のセラミック材料の製造装置1’’について図4を参照しつつ説明する。図4はセラミック材料の製造装置1’’の装置全体を示す断面図である。セラミック材料の製造装置1’’は、第1粉砕部材4の磨砕面4aと第2粉砕部材5の磨砕面5aとの間の距離が、第1粉砕部材4および第2粉砕部材5の外周側に向かって、漸次、小さくなっている点でセラミック材料の製造装置1と相違する。すなわち、セラミック材料の製造装置1’’では、第1粉砕部材4の磨砕面4aおよび第2粉砕部材5の磨砕面5aの厚みが外周側に向かって、漸次、大きくなるように形成されている。そのため、セラミック材料の製造装置1’’では、第1の粉砕部材4および第2の粉砕部材5の内周側において、磨砕面4aおよび磨砕面5aと混練体Mとの接触面積を小さくすることができる。その結果、セラミック材料の製造装置1’’では、混練体Mのバインダ成分を徐々に蒸発させつつ造粒することができるため、形状の安定化を図ることができる。
以下に本発明の参考例のセラミック材料の製造装置1を用いて作製されたセラミック材料の製造方法について説明する。加えて、得られたセラミック材料を成形した後に、焼成することによって、セラミック焼結体を作製し、セラミック焼結体の寸法精度について検証した。
まず、出発原料にジルコニア原料を使用し、混合工程にてジルコニア原料と樹脂バインダを混合させて混練体Mを作製した。なお、混練体Mの全体量に対する樹脂バインダの添加量は30体積%とした。
次に、図2で示した手順にて、混練体Mを粉砕および造粒してセラミック材料を作製した。まず、混練体Mを供給口3から供給して、第1粉砕部材4と第2粉砕部材5との空間で構成される原料収納部Xに載置した。次に、第1粉砕部材4および第2粉砕部材5の流路8に温度が5℃の水を循環させた。次いで、第1粉砕部材4の摩砕面4aと第2粉砕部材5の摩砕面5aとの間隔が100μmになるように調整した後に、第2粉砕部材5を1000rpmで回転させて混練体Mを粉砕すると同時に造粒して粉体M’(セラミック材料)を作製した。本実施例で作製されたセラミック材料は、平均粒子径が100μm、バラツキが5μmであった。なお、第1粉砕部材4と第2粉砕部材5の材質はセラミック原料と同じジルコニアを使用した。
次いで、上記で得られたセラミック材料を筒状の金型の内孔部に充填し、上パンチでプレスすることによって、円柱状のセラミック成形体を100個作製した。なお、金型の内孔部の寸法及び精度は、内孔部の径がφ3.0mm、円筒度が1.0μm、真円度が1.0μmのものを使用し、圧力は49MPaで実施した。なお、真円度とは円形形体の幾何学的に正しい円からの狂いの大きさであり、円筒度とは直線形体の幾何学的に正しい直線からの差の大きさである。また、この円筒度および同芯度は、いずれもJIS−B0621に規定されている。最後に、セラミック成形体を500℃で48時間にて脱バインダ工程を施し、1400℃で24時間焼成して、外径2.3mm、長手方向の長さが15mmのジルコニア焼結体を100個作製した。
また、比較例としては、スプレードライ工程(バインダの添加量は5体積%)を施して作製されたセラミック材料を用いてなるジルコニア焼結体(比較例1)、およびボールミルを用いて作製されたセラミック材料を用いてなるジルコニア焼結体(比較例2)をそれ
ぞれ準備した。なお、比較例のジルコニア焼結体は、焼結体の寸法、プレス工程時の圧力条件等は同じである。そして、参考例の実施例と比較例のジルコニア焼結体について、10μm以上のボイドを有する焼結体の個数、焼結体の円筒度および真円度の平均値を比較した。
Figure 2012206941
表1に示されるように、比較例1では大きさ10μm以上のボイドを有する焼結体の個数が80個、円筒度15.0μm、真円度7.0μmであり、比較例2では大きさ10μm以上のボイドを有する焼結体の個数が60個、円筒度10.0μm、真円度5.0μmであった。
これに対し、参考例の実施例では、焼結体においても大きさ10μm以上のボイドを有する焼結体の個数を抑えることができ、かつ円筒度および真円度の寸法精度を向上させることができた。
本発明の参考例のセラミック材料の製造装置を示す断面図である。 本発明の製造装置を用いたセラミック材料の製造方法を説明する断面図である。 本発明の実施形態に係るセラミック材料の製造装置を示すものであり、(a)は装置全体の断面図、(b)は第1の粉砕部材の平面図、(c)は(b)におけるA−A’面における部分拡大断面図である。 本発明の第2の参考例のセラミック材料の製造装置を示す断面図である。
1、1’、1’’:セラミック材料の製造装置
2:供給部
3:供給開閉部
4:第1粉砕部材
4a:磨砕面
4b:供給口
5:第2粉砕部材
5a:磨砕面
6:第1軸部材
6a:蓋
7:第2軸部材
8:流路
9:ボックス
9a:排出口
10:管状体
11:溝部
11a:側面
11b:境界部
A:セラミック成形体
B:セラミック焼結体
M:混練体(セラミック原料とバインダとの混合物)
M’:粉体(セラミック材料)

Claims (5)

  1. セラミック原料とバインダとの混合物が供給される供給口を有するとともに、外周側の表面に前記混合物を磨砕する磨砕面を有する環状の第1粉砕部材と、
    該第1粉砕部材の下方に配置され、外周側の表面に前記第1粉砕部材の磨砕面と間隙をあけて対向する磨砕面を有し、前記第1粉砕部材に対向する表面の中央部に凹部を有する環状の第2粉砕部材と、を備え、
    前記第1粉砕部材および前記第2粉砕部材の少なくとも一方は、対向する前記摩砕面に直交する方向を軸として回転可能に構成されており、
    前記第1粉砕部材および前記第2粉砕部材の少なくとも一方の回転動作により、前記第1粉砕部材の磨砕面と前記第2粉砕部材の磨砕面との間隙に前記混合物を移動させ、前記磨砕面間で前記混合物を粉砕および造粒するセラミック材料の製造装置であって、
    前記第1粉砕部材および前記第2粉砕部材の少なくとも一方の磨砕面に、内周側から外周側に延びる複数の溝部を設けるとともに、該溝部は、その幅が前記外周側に向かって、漸次、小さくなっていることを特徴するセラミック材料の製造装置。
  2. 前記溝部の内周面は、前記磨砕面と直交する方向で断面視して、凹曲面形状を成していることを特徴とする請求項1に記載のセラミック材料の製造装置。
  3. 前記溝部の側面と前記磨砕面との境界部が曲面形状を成していることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のセラミック材料の製造装置。
  4. 前記複数の溝部が内周側から外周側に直線状に伸びていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセラミック材料の製造装置。
  5. セラミック原料とバインダとの混合物を準備する工程と、
    前記混合物を請求項1〜4のいずれか1つに記載のセラミック材料の製造装置の前記供給口に投入する工程と、
    前記第1粉砕部材および前記第2粉砕部材の少なくとも一方を回転させて前記摩砕面間で前記混合物を粉砕および造粒する工程とを含むセラミック材料の製造方法。
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