JP2012206305A - 樹脂積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温高湿下でも、加工時に悪影響が発生せず、耐衝撃性、鉛筆硬度、透明性、耐候性に優れる樹脂積層体の提供。
【解決手段】ポリカーボネート系樹脂シートの片面に、厚み40〜120μmのアクリル樹脂が積層された樹脂積層シートにおいて、アクリル樹脂層上、または、アクリル樹脂層上およびポリカーボネート系樹脂層上に厚み1〜20μmのハードコート層が積層された総厚みが0.5〜2.0mmの樹脂積層体であって、アクリル樹脂100重量部に対して下記式(A−1)で表されるリン系化合物0.005〜0.5重量部、および下記式(B−1)で表されるフェノール系化合物0.005〜0.5重量部を含有。
Figure 2012206305

Figure 2012206305

【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂積層体に関する。更に詳しくは、ポリカーボネート系樹脂シートの片面にアクリル樹脂層およびハードコート層が積層した耐湿熱性、耐衝撃性、鉛筆硬度、透明性、耐候性に優れる樹脂積層体に関する。
ポリカーボネート樹脂シートは透明性、耐熱性、機械的強度に優れているため、OA・電子機器のディスプレイやタッチパネル等に用いられている。但し、ポリカーボネート樹脂シートは表面が軟らかく傷つきやすいため、通常、ポリカーボネート樹脂シート表面を被覆することで耐擦傷性等の表面特性を向上させている。その方法として、一般的にハードコート処理を行うことが知られているが、ポリカーボネート樹脂シート自身が極めて傷つきやすいので、ハードコート処理によって得られる耐擦傷性は、鉛筆硬度でF程度に過ぎず、一旦生じた傷がよく目立つという問題がある。
そこで上記表面特性を改良するために、ポリカーボネート樹脂シートにアクリル樹脂層を積層し、該アクリル樹脂層上に、ハードコート処理する方法が知られている(例えば、特許文献1〜3)。これは耐擦傷性、鉛筆硬度に優れるものであるが、高温高湿下では、アクリル樹脂層面側が凹になるという反りが発生し、加工工程にて悪影響を与えるという問題がある。また、アクリル層の吸湿を抑制するために疎水性の樹脂を共重合させる方法が知られているが(例えば特許文献4)、鉛筆硬度が要求される用途には適さないものであった。
特開2006−103169号公報 特開2007−237700号公報 特開2008−049623号公報 特開2009−196125号公報
そこで、本発明の目的は、高温高湿下に曝されても、加工時に悪影響が発生せず、且つ耐衝撃性、鉛筆硬度、透明性、耐候性に優れる樹脂積層体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリカーボネート樹脂を主成分とする樹脂材料からなるポリカーボネート系樹脂シートの片面に、厚み40〜120μmのアクリル樹脂が積層され、さらにアクリル樹脂層上、または、アクリル樹脂層上およびポリカーボネート樹脂層上にハードコート層を積層させた樹脂積層体において、アクリル樹脂層に特定の化合物を特定量添加することで、高温高湿下でのアクリルモノマー揮発による樹脂積層板の変形を防ぎ、且つ、優れた耐衝撃性、鉛筆硬度、透明性が得られるという新たな事実を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、
1.ポリカーボネート樹脂を主成分とする樹脂材料からなるポリカーボネート系樹脂シートの片面に、厚み40〜120μmのアクリル樹脂が積層された樹脂積層シートにおいて、アクリル樹脂層上、または、アクリル樹脂層上およびポリカーボネート系樹脂層上に厚み1〜20μmのハードコート層が積層された総厚みが0.5〜2.0mmの樹脂積層体であって、アクリル樹脂100重量部に対して下記式(A−1)で表されるリン系化合物0.005〜0.5重量部、および下記式(B−1)で表されるフェノール系化合物0.005〜0.5重量部を含有することを特徴とする樹脂積層体。
Figure 2012206305
Figure 2012206305
2.アクリル樹脂100重量部に対して、下記式(C−1)で表される紫外線吸収剤を0.1〜3重量部含有する前項1に記載の樹脂積層体。
Figure 2012206305
3.アクリル樹脂100重量部に対して、式(A−1)で表されるリン系化合物と式(B−1)で表されるフェノール系化合物との合計含有量が0.01〜0.6重量部である前項1〜2のいずれか1項に記載の樹脂積層体。
4.樹脂積層体(70mm×50mm)を、温度85℃、湿度85%RH環境下に24hr放置し、次いで温度23℃、湿度50%RH環境下に1hr放置した後、樹脂積層体をアクリル樹脂層面側が上になるよう平置きし、四隅の浮き量を測定し、最大の浮き量が0.1mm以下である前項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂積層体。
5.前項1〜4のいずれかに記載の樹脂積層体からなるモバイル機器のディスプレイカバーパネル。
が提供される。
本発明の樹脂積層体は、優れた耐湿熱性、耐衝撃性、鉛筆硬度、透明性、且つ耐候性を有するため、携帯電話やスマートフォン等のモバイル機器のディスプレイカバーパネル用途として特に有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
<ポリカーボネート樹脂>
本発明のポリカーボネート系樹脂シートに用いられるポリカーボネート樹脂は、通常二価フェノールとカーボネート前駆体を溶液法又は溶融法で反応させて製造される芳香族ポリカーボネート樹脂であり、二価フェノールの代表的な例として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等があげられる。好ましい二価フェノールはビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン系であり、特にビスフェノールAが好ましい。
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カーボネートエステル、ハロホルメート等があげられ、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネート、二価フェノールのジハロホルメート等があげられる。
ポリカーボネート樹脂を製造するに当り、上記二価フェノールを単独で又は二種以上併用することができ、また必要に応じて分子量調節剤、分岐剤、触媒等を用いることができる。
ポリカーボネート樹脂の分子量は粘度平均分子量で表して好ましくは1.0×10〜10.0×10、より好ましくは1.5×10〜4.5×10である。本発明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−40.83
c=0.7
また、ポリカーボネート樹脂には必要に応じて添加剤、例えば亜燐酸エステル、燐酸エステル、ホスホン酸エステル等の熱安定剤(0.001〜0.1重量%)、トリアゾール系、アセトフェノン系、サリチル酸エステル系等の紫外線吸収剤(0.1〜0.7重量%)、テトラブロムビスフェノールA、テトラブロムビスフェノールAの低分子量ポリカーボネート、デカブロモジフェニルエーテル等の難燃剤(3〜15重量%)、着色剤、蛍光増白剤等を配合してもよい。
ポリカーボネート樹脂を主成分とする樹脂材料とは、樹脂材料中ポリカーボネート樹脂が50重量%以上であり、好ましくは70重量%以上であり、より好ましくは80重量%以上であり、さらに好ましくは90重量%以上であり、特に好ましくは実質的にポリカーボネート樹脂からなる。
<アクリル樹脂>
表面層を構成する一方の樹脂であるアクリル樹脂は、メタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルの重合体を主体とするものである。具体的には、メチルメタクリレートと、メチルアクリレート又はエチルアクリレート等のアクリレートとの共重合体が好ましく、共重合組成及び分子量は共押出条件により適宜選択すればよいが、共重合組成比としてはメチルメタクリレート80〜99.5%、メチル又はエチルアクリレート等のアクリレート0.5〜20%が好ましい。また、押出成形が可能で透明性を損なわない範囲で架橋成分を含有するアクリル樹脂を使用することができる。分子量は、重量平均分子量で3〜30万が好ましいが、これらだけに制限されるものではない。アクリル樹脂の荷重撓み温度は高いほど、ガラス転移温度も高くなり、ロール転写温度もポリカーボネート樹脂のロール転写温度と近くなり、ロール転写性に優れ、外観の優れた積層体が得られる。従って、アクリル樹脂の荷重撓み温度は90℃以上が良く、好ましくは95℃以上が、更に好ましくは100℃以上である。高い鉛筆硬度を確保するためにはアクリル樹脂にゴム成分を実質的に含有しないことが好ましい。
ポリカーボネート系樹脂シート表面にアクリル脂層を積層するには任意の方法を用いればよく、特に熱圧着法または共押出法で行うことが好ましい。
熱圧着法としては任意の方法が採用されるが、例えばアクリル樹脂フィルムとポリカーボネート系樹脂シートをラミネート機やプレス機で熱圧着する方法、押出し直後のポリカーボネート系樹脂シートにアクリル樹脂フィルムを熱圧着する方法が好ましく、特に押出し直後のポリカーボネート系樹脂シートに連続して熱圧着する方法が工業的に有利である。この場合の熱圧着条件は、ポリカーボネート系樹脂シートやアクリル樹脂フィルムの厚み、圧着面の状態等により異なり、一概に特定できないが、アクリル樹脂フィルムのガラス転移点近傍又はそれ以上の温度、通常アクリル樹脂フィルムのガラス転移点−10℃〜ガラス転移点+150℃、好ましくはガラス転移点−5℃〜ガラス転移点+100℃で0.05kg/cm以上、好ましくは1〜10kg/cm程度の線圧を加えることにより熱圧着できる。
共押出法は、補助のエクストルージョンでアクリル樹脂をそのガラス転移点〜ガラス転移点+230℃、好ましくはガラス転移点+50℃〜ガラス転移点+200℃で溶融押出し、主のエクストルージョンでポリカーボネート系樹脂をそのガラス転移点〜ガラス転移点+230℃、好ましくはガラス転移点+50℃〜ガラス転移点+200℃で溶融押出し、マルチマニホールド方式又はフィードブロック方式等公知の方式にて押し出し積層することができる。
アクリル樹脂層の厚みは、40〜120μmの範囲であり、好ましくは50〜90μmの範囲である。薄すぎると十分な鉛筆硬度が得られない。また厚すぎると耐衝撃性が低下する。
本発明では、アクリル樹脂層から、85℃、85%RH雰囲気下においてMMA等のモノマー成分が揮発することを見出した。これを抑制するため、アクリル100重量部に対して特定のリン系化合物0.005〜0.5重量部と特定のフェノール系化合物0.005〜0.5重量部とを添加する。どちらかの化合物の添加量が0.005重量部未満の場合、押出時や高温高湿下でのアクリル樹脂分解抑制効果が不十分である。また各化合物の濃度が0.5重量部を超えて添加してもアクリル樹脂分解抑制効果の向上は期待できないばかりでなく、これら添加剤がブリードアウトを起こし、白化の原因になったり、密着性や衝撃強度の低下を招くこともある。
本発明で使用される特定のリン系化合物は、下記式(A−1)で示される構造を有するリン系化合物である。市販品としては、株式会社ADEKA製、製品名PEP−36が挙げられる。リン系化合物はアクリル樹脂100重量部に対して0.005〜0.5重量部の範囲であり、好ましくは0.006〜0.4重量部の範囲であり、より好ましくは0.007〜0.3重量部の範囲である。
Figure 2012206305
なお、リン系化合物であっても、例えば下記式(A−2)で示される構造を有するリン系化合物では十分な効果が得られない。
Figure 2012206305
本発明で使用される特定のフェノール系化合物は、下記式(B−1)で示される構造を有するフェノール系化合物である。市販品としては、BASF製、製品名IRGANOX1010が挙げられる。フェノール系化合物はアクリル100重量部に対して0.005〜0.5重量部の範囲であり、好ましくは0.006〜0.4重量部の範囲であり、より好ましくは0.007〜0.3重量部の範囲である。
Figure 2012206305
なお、フェノール系化合物であっても、例えば下記式(B−2)で示される構造を有するフェノール系化合物では、十分な効果が無いだけでなく、白化しやすいという問題がある。
Figure 2012206305
上記式(A−1)で示される構造を有するリン系化合物と上記式(B−1)で示される構造を有するフェノール系化合物との合計の配合量は、アクリル樹脂100重量部に対して、好ましくは0.01〜0.6重量部の範囲であり、より好ましくは0.02〜0.5重量部の範囲であり、さらに好ましくは0.03〜0.4重量部の範囲である。上記範囲内であると、押出時や高温高湿下でのアクリル樹脂分解抑制効果が十分であり、またこれら添加剤がブリードアウトを起こし難く、白化の原因になったり、密着性や衝撃強度の低下を招く惧れが少なく好ましい。
また、アクリル樹脂100重量部に対して紫外線吸収剤を0.1〜3重量部添加することが好ましく、0.5〜2重量部添加することがより好ましい。かかる範囲内であると、十分な耐候性が得られ、またブリードアウトを起こし難く、白化の原因、密着性や衝撃強度の低下を招く惧れが少ない。
添加する紫外線吸収剤として、下記式(C−1)で示される構造を有する紫外線吸収剤が好ましい。市販品としては、株式会社ADEKA製、商品名アデカスタブLA−51が挙げられる。
Figure 2012206305
なお、紫外線吸収剤であっても、例えば下記式(C−2)で示される構造を有する紫外線吸収剤では、押出時に紫外線吸収剤が昇華しロールが汚れるという問題がある。
Figure 2012206305
なお、アクリル樹脂またはポリカーボネート樹脂には、必要に応じて他の成分、例えば、有機系染料、無機系染料、顔料、酸化防止剤、帯電防止剤、界面活性剤などを配合してもよい。
<ハードコート層>
ハードコート層は、透明性を損なうことなく、十分な密着性を有するものであれば、材質、付与方法等において特に限定されるものでない。一般的に、熱、紫外線、電子線等によって硬化する硬化性塗料を塗布する方法、物理気相蒸着法、化学気相蒸着法等が挙げられるが、製造上の観点から紫外線硬化性塗料を塗布する方法が好ましい。
紫外線硬化性塗料は、紫外線硬化性樹脂および光重合開始剤を含有する組成物であれば、特に限定されるものではない。紫外線硬化性樹脂としては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエステルアクリレート、グリシジル化合物、脂環状エポキシ化合物、オキセタン化合物等が挙げられる。光重合開始剤としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−〔(4−メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4‘−メチルフェニルサルファイド、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。またこの組成物に希釈溶剤、消泡剤、レベリング剤、帯電防止剤等を添加してもよい。
紫外線硬化性塗料を使用してハードコート層を形成する塗装手段としては、例えばマイクログラビアコート法、スピンコート法、キャスト転写法、噴霧コート法、フローコート法、ディッピング法、ロールコート法、バーコート法等の任意の方法を用いればよく、塗料性状の観点から、マイクログラビアコート法、ロールコート法、バーコート法がより好ましい。また、両面にコートする際は両面共に同じ方法でコートしても良いし、別々の方法でコートしても良い。
得られるハードコート層の厚みは1〜20μmの範囲であり、2〜10μmの範囲が好ましい。ハードコート層の厚みが1μmより薄くなると十分な耐擦傷性、耐摩耗性が得られず、また20μmより厚くなると、反りが大きくなり、モバイル機器のディスプレイカバーパネルやタッチパネル等の用途に適さない。
<樹脂積層体>
本発明において、樹脂積層体の総厚みは0.5〜2.0mmの範囲であり、0.5〜1.5mmの範囲が好ましい。モバイル機器のディスプレイやタッチパネル等に用いるときは、0.8〜1.5mmの範囲がより好ましい。総厚みが0.5mm未満の場合、高温高湿下での樹脂板の変形を防ぐことができない。また、総厚みが2.0mmを超えると生産性が低下し、且つ経済的にも不利なため好ましくない。なお総厚みとはポリカーボネート樹脂層、アクリル樹脂層およびハードコート層の合計の厚みを意味する。
本発明で得られた樹脂積層体は、耐湿熱性及び耐衝撃性、鉛筆硬度、透明性、耐候性に優れた積層体である。本発明で得られた樹脂積層体の全光線透過率値は好ましくは85%以上であり、より好ましくは90%以上である。また、ヘーズ値は好ましくは1.0%以下であり、より好ましくは0.5%以下である。
以下、実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、何らこれに限定されるものではない。
(耐湿熱性の評価方法)
実施例で得られた樹脂積層体を縦70mm×横50mmの大きさに切り出し、温度85℃、湿度85%RH環境下に24hr放置し、次いで温度23℃、湿度50%RH環境下に1hr放置した後、樹脂積層体をアクリル樹脂層面側が上になるよう平置きし、四隅の浮き量を測定し、最大の浮き量が0.1mm以下の場合を合格とした。
(耐衝撃性の評価方法)
実施例で得られた樹脂積層体の衝撃に対するの強さを示す落球衝撃試験はJIS K7211に基づいて行った。樹脂積層体から100mm×100mmの試験片を切り出し、試験片のアクリル樹脂を積層させている面を落球が衝突する面として重さ45.7gの鋼球を20cmの高さから落下させて、クラック発生の有無を顕微鏡で確認した。クラック発生無きものを合格とした。
(鉛筆硬度の評価方法)
実施例で得られた樹脂積層体を、JIS K 5600に準拠し、アクリル樹脂を積層させている面に対して750g加重で鉛筆硬度の測定を行った。積層体の鉛筆硬度は実用上問題ない4H以上を合格とした。
(透明性の評価方法)
実施例で得られた樹脂積層体を、JIS K 7361−1、JIS K 7136に準拠して、全光線透過率値(Tt)、ヘーズ値(Haze)を評価し、全光線透過率85%以上、ヘーズ値1.0%以下を合格とした。
(耐侯性の評価方法)
試験片の一面を紫外線照射面として、スガ試験機製(株)スーパーキセノンウェザーメーターSX−75を用いて、UV照射強度180W/m、ブラックパネル温度63℃、120分中18分降雨条件下で200時間暴露試験し、試験片を取出して、試験後の外観を色差計(日本電色SE−2000)によりC光源反射法にてYI値を測定した。初期の試験片のYI値から耐候試験後の試験品片のYI値の差をΔYIとし、1.0以下を合格とした。
<実施例1〜13>
ポリカーボネート樹脂シートを構成するポリカーボネート樹脂はスクリュー径40mmの単軸押出機で、また、アクリル樹脂層を形成するアクリル樹脂はスクリュー径30mmの単軸押出機でそれぞれ溶融させ、フィードブロック法にて2層に積層させ、設定温度280℃のT型ダイスを介して押出し、得られるシートを鏡面仕上げされたロールにて冷却し、ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、商品名:パンライトL−1225)の片面に、アクリル樹脂(クラレ製、商品名:パラペットHR−L)を積層した幅500mmの樹脂積層シートを得た。
得られた樹脂積層シートに、金属製バーコーターを用いて、表1〜2(実施例1〜13)に示した膜厚になるよう紫外線硬化性塗料(新中村化学工業株式会社製 KCR−8502)を塗布後、紫外線照射装置を用いて積算光量1,200(mJ/cm)となるように硬化し、ハードコート付きの樹脂積層体を得た。なお、樹脂積層板の総厚み、アクリル樹脂層の厚み、ハードコート処理を施した面、ハードコート層の厚み、アクリル樹脂層中の(アクリル樹脂100重量部に対する)添加剤の配合量は表1〜2に示した通りである。
<比較例1>
表3(比較例1)に示すポリカーボネートシート(帝人化成株式会社製、商品名:パンライトシートPC−1151)を用いた。表3に評価結果を示した。
<比較例2>
ポリカーボネートシート(帝人化成株式会社製、商品名:パンライトシートPC−1151)に金属製バーコーターを用いて、表3(比較例2)に示した膜厚になるよう紫外線硬化性塗料(新中村化学工業株式会社製 KCR−8502)を塗布後、紫外線照射装置を用いて積算光量1,200(mJ/cm)となるように硬化し、樹脂積層体を得た。表3に評価結果を示した。
<比較例3〜14、参考例1>
実施例1〜13と同様の方法にてハードコート付きの樹脂積層体を得た。なお、樹脂積層板の総厚み、アクリル樹脂層の厚み、ハードコート処理を施した面、ハードコート層の厚み、アクリル樹脂層中の(アクリル樹脂100重量部に対する)添加剤の配合量は表3〜4に示した通りである。
なお、表1〜4の添加剤(A−1)〜(C−2)は下記の化合物を示す。
A−1 リン系化合物 株式会社ADEKA製、製品名PEP−36(式(A−1)の化合物)
A−2 リン系化合物 BASF製、製品名IRGAFOS168(式(A−2)の化合物)
B−1 フェノール系化合物 BASF製、製品名IRGANOX1010(式(B−1)の化合物)
B−2 フェノール系化合物 BASF製、製品名IRGANOX3114(式(B−2)の化合物)
C−1 紫外線吸収剤 株式会社ADEKA製、商品名アデカスタブLA−51(式(C−1)の化合物)
C−2 紫外線吸収剤 ケミプロ化成株式会社製、製品名ケミソーブ79(式(C−2)の化合物)
Figure 2012206305
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Figure 2012206305
Figure 2012206305
本発明の樹脂積層体は、モバイル機器のディスプレイカバーパネルやタッチパネルとして有用である。

Claims (5)

  1. ポリカーボネート樹脂を主成分とする樹脂材料からなるポリカーボネート系樹脂シートの片面に、厚み40〜120μmのアクリル樹脂が積層された樹脂積層シートにおいて、アクリル樹脂層上、または、アクリル樹脂層上およびポリカーボネート系樹脂層上に厚み1〜20μmのハードコート層が積層された総厚みが0.5〜2.0mmの樹脂積層体であって、アクリル樹脂100重量部に対して下記式(A−1)で表されるリン系化合物0.005〜0.5重量部、および下記式(B−1)で表されるフェノール系化合物0.005〜0.5重量部を含有することを特徴とする樹脂積層体。
    Figure 2012206305
    Figure 2012206305
  2. アクリル樹脂100重量部に対して、下記式(C−1)で表される紫外線吸収剤を0.1〜3重量部含有する請求項1に記載の樹脂積層体。
    Figure 2012206305
  3. アクリル樹脂100重量部に対して、式(A−1)で表されるリン系化合物と式(B−1)で表されるフェノール系化合物との合計含有量が0.01〜0.6重量部である請求項1〜2のいずれか1項に記載の樹脂積層体。
  4. 樹脂積層体(70mm×50mm)を、温度85℃、湿度85%RH環境下に24hr放置し、次いで温度23℃、湿度50%RH環境下に1hr放置した後、樹脂積層体をアクリル樹脂層面側が上になるよう平置きし、四隅の浮き量を測定し、最大の浮き量が0.1mm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂積層体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂積層体からなるモバイル機器のディスプレイカバーパネル。
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