JP2011088402A - ポリカーボネート樹脂積層体、携帯用表示体および支持基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的とするところは、優れた表面硬度、耐衝撃性および耐環境性を有するポリカーボネート樹脂積層体を提供することである。
【解決手段】ポリカーボネート樹脂層の一方およびまたは両方の面に、紫外線硬化樹脂からなるハードコート層を積層したポリカーボネート樹脂積層体であって、前記ポリカーボネート樹脂層が、硬度の異なるポリカーボネート樹脂層から構成されているポリカーボネート樹脂積層体および該ポリカーボネート樹脂積層体を用いて作製した携帯用表示体。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリカーボネート樹脂積層体、携帯用表示体および支持基板に関するものである。
ポリカーボネート樹脂は透明性に優れ、耐熱性、耐衝撃性が高いことから、ガラスの代用として、自動車や建材の窓部やディスプレイ部などに利用されている。しかし、ポリカーボネート樹脂は表面硬度が低く、傷付きやすいという欠点があり、その用途は制限されている。
この欠点を改良するために、紫外線硬化樹脂などで表面をコーティングする方法やアクリル樹脂とポリカーボネート樹脂を共押出した基材にハードコートを施す方法が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
しかし、紫外線硬化樹脂でのハードコーティングでは、ポリカーボネート樹脂由来の柔軟性から、ディスプレイ用途などで要求される鉛筆硬度の要求を満たすことができず、鉛筆硬度の要求される用途には使用できなかった。
また、アクリル樹脂を表層に形成する方法では、異なる材料の2層構成となり吸湿時に反りが発生するため、環境変化の起こる用途では不具合が発生する。アクリル樹脂は、耐熱性が低くタッチパネル基板などに使用した場合には、ITO(酸化インジウムスズ)などをスパッタリング成膜する際に、耐熱性不足により基板の変形が発生し、成膜できない不具合などが発生する。
特開2006−103169号公報
本発明の目的とするところは、優れた表面硬度、耐衝撃性、および耐環境性を有するポリカーボネート樹脂積層体を提供することである。
このような課題は、下記(1)〜(8)の本発明により達成される。
(1) ポリカーボネート樹脂層の一方およびまたは両方の面に、紫外線硬化樹脂からなるハードコート層を積層したポリカーボネート樹脂積層体であって、
前記ポリカーボネート樹脂層が、硬度の異なるポリカーボネート樹脂層から構成されているポリカーボネート樹脂積層体。
(2) 前記硬度の異なるポリカーボネート樹脂層が、鉛筆硬度3B以上B以下であるポリカーボネート樹脂層(A)と鉛筆硬度HB以上であるポリカーボネート樹脂層(B)とを含む前記(1)項に記載のポリカーボネート樹脂積層体。
(3) 前記ポリカーボネート樹脂層(A)が、ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂である前記(1)または(2)項に記載のポリカーボネート樹脂積層体。
(4) 前記ポリカーボネート樹脂層(A)と前記ポリカーボネート樹脂層(B)の厚さの比率[(A)/(B)]が、2以上100以下である前記(1)〜(3)項のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂積層体。
(5) 前記ポリカーボネート樹脂層(B)の厚さが、50μm以上0.5mm以下である前記(1)〜(4)項のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂積層体。
(6) 前記ポリカーボネート樹脂層(A)の両面に前記ポリカーボネート樹脂層(B)
を設けた前記(1)〜(5)項のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂積層体
(7) 前記(1)〜(6)項のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂積層体を用いて作製した携帯用表示体。
(8) 前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂積層体を用いて作製した抵抗膜式タッチパネルの下部電極用の支持基板。
本発明によれば、硬度の異なるポリカーボネート樹脂積層体に紫外線硬化樹脂からなるハードコート層積層することで、携帯用表示体に最適な表面硬度、耐衝撃性、および耐環境性を有するポリカーボネート樹脂積層体を作製することができる。
本発明は、ポリカーボネート樹脂層の一方およびまたは両方の面に、紫外線硬化樹脂からなるハードコート層を積層したポリカーボネート樹脂積層体で、前記ポリカーボネート樹脂層が、硬度の異なるポリカーボネート樹脂層から構成されているポリカーボネート樹脂積層体であって、硬度の異なるポリカーボネート樹脂積層体に紫外線硬化樹脂からなるハードコート層を積層することで、携帯用表示体に最適な表面硬度、耐衝撃性、および耐候性を有するポリカーボネート樹脂積層体を作製することができる。
前記硬度の異なるポリカーボネート樹脂層とは、JIS−K5400に記載の鉛筆法による引っかき硬度にて測定した鉛筆硬度が異なるものである。ポリカーボネート樹脂層の鉛筆硬度が、3B以上B以下であるポリカーボネート樹脂層(A)と鉛筆硬度HB以上であるポリカーボネート樹脂層(B)であることが好ましい。
上記JIS−K5400の測定では、加重は1kgである。
本発明に用いられるポリカーボネート樹脂層(A)は、ポリカーボネート樹脂(A)を溶融、固化させた樹脂層である。
ポリカーボネート樹脂(A)は、ビスフェノールAとホスゲンまたは、ジフェニルカーボネートとがカーボネート結合されている芳香族系ポリカーボネート樹脂であり、一般に、界面重縮合や、エステル交換反応などで合成される。その作製法は特には限定されないが、ポリカーボネート樹脂(A)としては、例えば三菱エンジニアリングプラスチック株式会社からユーピロンなどとして市販されており、鉛筆硬度は、3B以上B以下である。
本発明に用いられるポリカーボネート樹脂層(B)は、ポリカーボネート樹脂(B)を溶融固化させた樹脂層である。
ポリカーボネート樹脂(B)は、以下に示すビスフェノールを原料に、ホスゲンやジフェニルカーボネートと界面重縮合やエステル交換反応などで合成されたポリカーボネートのホモポリマーまたはビスフェノールA型ポリカーボネートとの共重合体、およびそれらの混合物であり、その作製法は特には限定されない。
ビスフェノールとしては、例えば4,4’−(ペンタン−2,2−ジイル)ジフェノール、4,4’−(ペンタン−3,3−ジイル)ジフェノール、4,4’−(ブタン−2,2−ジイル)ジフェノール、1,1’−(シクロヘキサンジイル)ジフェノール、2−シクロヘキシル−1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、2,3−ビスシクロ
ヘキシル−1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパンなど下記式(1)に示すビスフェノールを指し、変性されたビスフェノールであり、特に上記に限定されず、ポリカーボネート樹脂層(B)の鉛筆硬度がHB以上であればよい。
Figure 2011088402
(式中、Xは、炭素数1〜18のアルキル基、芳香族基、環状脂肪族基であり、Ra、Rbは、炭素数1〜12のアルキル基である。)
ポリカーボネート樹脂(B)としては、例えば、SABICイノベーティブプラスチックスジャパン合同会社からレキサンDMXなどとして市販されており、鉛筆硬度は、HB以上である。
ポリカーボネート樹脂層(A)とポリカーボネート樹脂層(B)とを積層する方法としては、それぞれを、単独で押出し、プレスしてもよく、また、マルチマニホールド法フィードブロック法などの公知の共押出法を用いてもよい。
前記ポリカーボネート樹脂層(A)と前記ポリカーボネート樹脂層(B)の厚さの比率[(A)/(B)]が、2以上100以下であることが好ましい。
さらに前記ポリカーボネート樹脂層(B)の厚さが、50μm以上0.5mm以下であることが好ましい。上記範囲とすることで、耐衝撃性に優れるポリカーボネート樹脂積層体とすることが可能となる。
上記の方法により作製されたポリカーボネート樹脂基板に、さらに積層される紫外線硬化樹脂からなるハードコート層は、低官能モノマー、多官能アクリレートモノマーまたは多官能アクリレートオリゴマーなどを含む化合物に硬化触媒として光重合開始剤が加えられた樹脂組成物を硬化させたものである。
上記化合物は、単独または複数用いてもよい。
このような樹脂組成物は、紫外線硬化型ハードコート剤として市販されているものを使用してもよく、またこれらの樹脂組成物に、必要に応じて、有機溶剤、紫外線吸収剤、光安定剤などの各種安定剤や表面調整剤、増粘剤、帯電防止剤などを適宜添加してもよい。
上記低官能モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、イソボロニルアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化水添ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化シクロヘサンジメタノールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレートなどが挙げられる。
多官能アクリレートモノマーおよび多官能アクリレートオリゴマーとしては、例えばペンタエリスリトールトリアクリレート、ジトリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングルコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングルコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
上記光重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始させるために樹脂組成物に添
加されるものである。
例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインまたはベンゾインアルキルエーテル類、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸などの芳香族ケトン類、ベンジルなどのアルファージカルボニル類、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタールなどのベンジルケタール類、アセトフェノン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル-プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ
プロパノン−1などのアセトフェノン類、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノンなどのアントラキノン類、2,4−ジメチルチ
オキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサント
ンなどのチオキサントン類、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどのフォスフィンオキサイド類、1−フェニル−1,2−プロパンジオ
ン−2−[o−エトキシカルボニル]オキシムなどのアルファーアシルオキシム類、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルなどのアミン類などを使用することができる。
光重合開始剤は、表面硬化性に優れるものと内部硬化性に優れるもの、2種以上を併用することが好ましい。
上記希釈溶剤は、樹脂組成物を透明樹脂基板に塗工しやすくするために必要に応じて樹脂組成物に添加されるものである。
このような希釈溶剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、イソホロンなどのケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシプロピルなどのエステル、エチルセロソルブなどのセロソルブ系溶剤、メトキシプロパノール、エトキシプロパノール、メトキシブタノールなどのグリコール系溶剤を単独または混合して使用できる。
上記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系やヒドロキシフェニルトリアジン系の化合物などが挙げられる。その含有量は、樹脂組成物100重量部に対して10重量部以下、好ましくは2重量部以上、4重量部以下である。
上記光安定剤としては、ヒンダードアミン系化合物などが挙げられる。その含有量は、樹脂組成物100重量部に対して2重量部以下、好ましくは1重量部以下である。
上記表面調整剤は、塗膜の基材に対する濡れ性や均一性、塗膜表面の平滑性や滑り性などを付与するものであり、シリコーン系やアクリル共重合物系のものが代表的であるが、特にシリコーン系のものが好ましい。このシリコーン系表面調整剤としては、ポリジメチルシロキサンや、ポリジメチルシロキサンを変性した変性シリコーンなどが挙げられる。
上記変性シリコーンとしては、例えば、ポリエーテル変性体、アルキル変性体、ポリエステル変性体などが挙げられ、これらの中でもポリエーテル変性体が最も好適である。
上記増粘剤としては、塗料を塗工に最適な粘度に調整するために、加えられるものであり、セルロース系や合成クレイ系、などが代表的である。増粘効果から、セルロール系が好ましく、セルロースアセテートやニトロセルロースなどが挙げられる。これらの中でもセルロースアセテートが最も好適である。
上記帯電防止剤としては、紫外線硬化樹脂からなるハードコート層に適度な導電性を与え、例えば埃の付着防止などの効果を得るために加えられるもので、界面活性剤、金属酸
化物、導電性ポリマーなどが挙げられる。
帯電防止効果から、金属酸化物、導電性ポリマーが好ましい。金属酸化物としては、酸化亜鉛や酸化スズ、導電性ポリマーとしてポリエチレンジオキシチオフェンやポリアニリンなどが挙げられる。
紫外線硬化樹脂からなるハードコート層を積層する方法は、ロールコート、フローコート、バーコートなどの公知の方法を用いることができる。ポリカーボネート樹脂積層体の厚みや、紫外線硬化樹脂からなるハードコート層の厚みなどに応じて適当なものを選択すればよい。
以上のようにして得られたポリカーボネート樹脂積層体は、ポリカーボネート樹脂由来の耐熱性と耐衝撃性を損なうことなく、従来の欠点であった傷付き易さが改善されているため、携帯電話、PDA(パーソナルデジタルアシスタント)、携帯型ゲーム機、携帯型DVD(デジタルビデオディスク)プレイヤーなどの携帯型表示体の保護窓として、また、抵抗膜式タッチパネルの下部電極用の支持基板として最適な材料である。
以下に、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
[実施例1]
マルチマニホールドダイに、押出機(A)と、押出機(B)を接続し、押出機(A)より、ポリカーボネート樹脂(A)(三菱エンジニアリングプラスチック製、ユーピロンE−2000)を温度260℃、回転数100rpmで押出、押出機(B)より、ポリカーボネート樹脂(B)(SABICイノベーティブプラスチックスジャパン合同会社製、レキサンDMX2415)を温度270℃で押出することで、ポリカーボネート樹脂基板を得た。
ポリカーボネート樹脂(A)層の厚みは、470μm、ポリカーボネート樹脂(B)層の厚みは、30μmであった。
上記により得られたポリカーボネート樹脂基板に積層する紫外線硬化樹脂からなるハードコート層として、アクリル樹脂として、下記式(2)で示される化合物を70重量部、2官能ウレタンアクリレート(商品名:EB8402、ダイセルサイテック社製)20重量部、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート10重量部を配合し、この紫外線硬化樹脂層の濃度が30重量%となるようプロピレングリコールモノメチルエーテルで希釈した。
ここへ、重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを5重量部、表面調整剤(商品名:グラノール450、共栄社化学社製)を紫外線硬化樹脂に対して重量比で0.05重量部添加し、ハードコート層に用いる樹脂組成物を作製した。作製した樹脂組成物は充分に撹拌した後、密閉容器に保存した。

3CCH2(OCH2CR2CH2nOCOCH=CH2 (2)

(式中、nは2〜4の整数を示す。R:−CH2OCOCH=CH2
上記ポリカーボネート樹脂基板上に、金属製のバーコーターを用いて、ウェット膜厚が7μmになるように上記樹脂組成物を両面に塗布した。
塗布した樹脂組成物を60℃の熱風循環型オーブンに入れ、10分間乾燥した後、80W/cmメタルハライドランプ(ウシオ電機社製)を用い、照射距離100mm、コンベア搬送速度10m/minの条件で紫外線を照射して塗膜を硬化させ、ドライ膜厚2μmのハードコート層を有するポリカーボネート樹脂積層体を得た。
上記作製したポリカーボネート樹脂積層体を、以下の方法により評価した。
[層厚測定]
上記作製したポリカーボネート樹脂基板をポリカーボネート樹脂層(B)面を上面に平置きし、剃刀で裁断した。裁断した面をキーエンス製レーザー顕微鏡VK−9700にて観察し、ポリカーボネート樹脂層の層厚を測定した。
[鉛筆硬度測定]
上記作製したポリカーボネート樹脂基板、およびポリカーボネート樹脂積層体を用いて、JIS−K5400に記載の鉛筆法による引っかき硬度を測定した。ポリカーボネート樹脂基板の鉛筆硬度は、HB、H、2Hなどで記載した。ポリカーボネート樹脂積層体の評価はポリカーボネート樹脂層(B)側を評価し、以下の基準により判定した。
◎:表面硬度が非常に優れている(鉛筆硬度3H以上)
○:表面硬度が優れている(鉛筆硬度H以上3H未満)
△:表面硬度が実用上不十分(鉛筆硬度H未満)
[耐環境性]
上記作製したポリカーボネート樹脂積層体を用いて、40℃95%の恒温恒湿槽で24時間処理した前後の反り変化量を測定した。
試験片として200mm×200mmのサイズに切断し、下に凸になるよう、平板上に試験片を置き、平板からの浮き分を各角の4点を鋼尺によって測定し、処理前に対する処理後の変化量として表し、各試験片の4点の最大値をそのサンプルの反り変化量とした。
評価は以下の基準により判定した。
◎:耐環境性が非常に優れている(湿熱処理後の反り変化量が0.5mm未満)
○:耐環境性が優れている(湿熱処理後の反り変化量が0.5mm以上1mm未満)
△:耐環境性が実用上不十分(湿熱処理後の反り変化量が1mm以上)
[耐衝撃性]
上記作製したポリカーボネート樹脂積層体を用いて、落球衝撃試験により耐衝撃性を測定した。
試験片として50mm×80mmのサイズに切断し、試験片の4辺に幅5mmに裁断した両面テープを貼りつけ、40mm×70mmのサイズに穴開け加工された鉄板の穴部に試験片を貼り付けた。所定の高さより、重さ60gの鉄球を試験片の中央に落下させ、目視にて、割れが発生を観察した。評価は以下の基準により判定した。
◎:耐衝撃性が非常に優れている(微小な割れも発生しない)。
○:耐環境性が優れている(わずかに割れるが実用上問題ない)。
△:耐環境性が実用上不十分(割れが発生する)。
[実施例2]
実施例1と同様の方法で、押出機(B)のスクリュー回転数を変更することで、ポリカーボネート樹脂層(B)の厚みを50μmにしたポリカーボネート樹脂基板を得た。
得られたポリカーボネート樹脂基板に実施例1と同様の方法で、紫外線硬化樹脂からなるハードコート層を積層しポリカーボネート樹脂積層体を作製した。作製したポリカーボネート樹脂積層体を用いて実施例1と同様に評価した。
[実施例3]
実施例1と同様の方法で、押出機(B)のスクリュー回転数を変更することで、ポリカーボネート樹脂層(B)の厚みを70μmにしたポリカーボネート樹脂基板を得た。
得られたポリカーボネート樹脂基板に実施例1と同様の方法で、紫外線硬化樹脂からなるハードコート層を積層しポリカーボネート樹脂積層体を作製した。作製したポリカーボネート樹脂積層体を用いて実施例1と同様に評価した。
[実施例4]
実施例1と同様の方法で、押出機(B)のスクリュー回転数を変更することで、ポリカーボネート樹脂層(B)の厚みを120μmにしたポリカーボネート樹脂基板を得た。
得られたポリカーボネート樹脂基板に実施例1と同様の方法で、紫外線硬化樹脂からなるハードコート層を積層しポリカーボネート樹脂積層体を作製した。作製したポリカーボネート樹脂積層体を用いて実施例1と同様に評価した。
[比較例1]
Tダイに、押出機(A)を接続し、押出機(A)より、ポリカーボネート樹脂(A)(三菱エンジニアリングプラスチック製、ユーピロンE−2000)を温度260℃、回転数1000rpmで押出し、ポリカーボネート樹脂基板を得た。(A)層をポリカーボネート樹脂(A)とし、単一層であるため(B)層は、なしとした。
得られたポリカーボネート樹脂基板を用いて実施例1と同様の方法で、紫外線硬化樹脂からなるハードコート層を積層しポリカーボネート樹脂積層体を作製した。作製したポリカーボネート樹脂積層体を用いて実施例1と同様に評価した。
[比較例2]
マルチマニホールドダイに、押出機(A)と、押出機(B)を接続し、押出機(A)より、ポリカーボネート樹脂(A)(三菱エンジニアリングプラスチック製、ユーピロンE−2000)を温度260℃、回転数100rpmで押出、押出機(B)より、アクリル樹脂(クラレ(株)製、商品名:パラペットHR−1000L)を温度270℃、回転数40rpmで押出することで、アクリル樹脂/ポリカーボネート樹脂基板を得た。(A)層をポリカーボネート樹脂(A)、(B)層をアクリル樹脂とした。
得られたアクリル樹脂/ポリカーボネート樹脂基板を用いて実施例1と同様の方法で、紫外線硬化樹脂からなるハードコート層を積層しアクリル樹脂/ポリカーボネート樹脂積層体を作製した。作製したアクリル樹脂/ポリカーボネート樹脂積層体を用いて、実施例1と同様に評価した。
Figure 2011088402

Claims (8)

  1. ポリカーボネート樹脂層の一方およびまたは両方の面に、紫外線硬化樹脂からなるハードコート層を積層したポリカーボネート樹脂積層体であって、前記ポリカーボネート樹脂層が、硬度の異なるポリカーボネート樹脂層から構成されているポリカーボネート樹脂積層体。
  2. 前記硬度の異なるポリカーボネート樹脂層が、鉛筆硬度3B以上B以下であるポリカーボネート樹脂層(A)と鉛筆硬度HB以上であるポリカーボネート樹脂層(B)を含む請求項1記載のポリカーボネート樹脂積層体。
  3. 前記ポリカーボネート樹脂層(A)が、ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂である請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂積層体。
  4. 前記ポリカーボネート樹脂層(A)と前記ポリカーボネート樹脂層(B)の厚さの比率[(A)/(B)]が、2以上100以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂積層体。
  5. 前記ポリカーボネート樹脂層(B)の厚さが、50μm以上0.5mm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂積層体。
  6. 前記ポリカーボネート樹脂層(A)の両面に前記ポリカーボネート樹脂層(B)を設けた請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂積層体
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂積層体を用いて作製した携帯用表示体。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂積層体を用いて作製した抵抗膜式タッチパネルの下部電極用の支持基板。
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