JP2006103163A - ポリカーボネート樹脂積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】
ポリカーボネート樹脂の特徴である透明性、耐衝撃強度を維持しつつ、表面硬度が高く、とくに生産効率および経済性に優れたポリカーボネート樹脂積層体を提供する。
【解決手段】
ポリカーボネート樹脂基材表面に表層部を共押出成形法により積層一体化されてなるポリカーボネート樹脂積層体であって、該表層部は、ポリカーボネート樹脂に、金属アルコキシド化合物0.1〜10重量%、および触媒を配合した組成物が溶融混練されたものである。
【選択図】なし
ポリカーボネート樹脂の特徴である透明性、耐衝撃強度を維持しつつ、表面硬度が高く、とくに生産効率および経済性に優れたポリカーボネート樹脂積層体を提供する。
【解決手段】
ポリカーボネート樹脂基材表面に表層部を共押出成形法により積層一体化されてなるポリカーボネート樹脂積層体であって、該表層部は、ポリカーボネート樹脂に、金属アルコキシド化合物0.1〜10重量%、および触媒を配合した組成物が溶融混練されたものである。
【選択図】なし
Description
本発明は、表面硬度が高く、とくに生産効率および経済性に優れたポリカーボネート樹脂積層体に関するものである。
ポリカーボネート樹脂は代表的なエンジニアリングプラスチックであり、優れた透明性、耐熱性、機械的特性をバランスよく備え、幅広い分野で工業的に利用されている。
しかし、ポリカーボネート樹脂は表面硬度が低いという欠点があり、それを補うために無機材料との複合化が盛んにおこなわれている。つまり、ポリカーボネート樹脂成形品の表面に、シリコーン系、アクリル系のコーティング剤を塗布し、熱あるいは光で硬化することによりハードコート層を形成させるものである。
上記のような成形品へのハードコート層の形成においては、成形品の運搬、洗浄、さらにコーティング剤の塗布、乾燥、硬化等多くの工程と設備を必要とするため、生産効率が低く、経済性にも劣る。
本発明は、ポリカーボネート樹脂の特徴である透明性、耐衝撃強度を維持しつつ、表面硬度が高く、とくに生産効率および経済性に優れたポリカーボネート樹脂積層体を提供することを目的とする。
本発明者は、ポリカーボネート樹脂と、金属アルコキシド化合物および触媒とを配合した組成物を溶融混練することにより表面硬度が向上した成形品が得られることを見出したものである。つまり、本発明は、ポリカーボネート樹脂基材表面に表層部が共押出成形法により積層一体化されてなるポリカーボネート樹脂積層体であって、該表層部は、ポリカーボネート樹脂に、金属アルコキシド化合物0.1〜10重量%、および触媒を配合した組成物が溶融混練されたものであることを特徴とするポリカーボネート樹脂積層体を要旨とする。
本発明は、ポリカーボネート樹脂基材の表面に、ポリカーボネート樹脂と、金属アルコキシド化合物および触媒とを配合した組成物を溶融混練して得られた層を形成することにより、表面硬度が高い成形品を得ることができる。また、この表面層は、共押出成形法によりポリカーボネート樹脂基材表面に積層一体化されるので、従来の表面硬度コーティング剤を塗布する際に必要となる多くの工程が不要であるため生産効率が高く、経済性にも優れる。
本発明のポリカーボネート樹脂基材および表面層に使用されるポリカーボネート樹脂については、公知のものが特に制限なく使用される。また、ポリカーボネート基材層には酸化防止剤、帯電防止剤、防曇剤などが配合されていてもよい。
金属アルコキシド化合物としては、下記式(1)で示されるものが用いられる。
式(1)において、X1、X2、X3は、R、OR、あるいはOHを示し、Yは、RあるいはHを示し、Rはメチル、エチルなどの炭素数1〜12のアルキル基またはフェニル基を示す。このアルキル基またはフェニル基は置換基を有しても良い。また、Mは、Si、Ti、Zr、Fe、Cu、Sn、B、Al、Ge、Ce、Ta、Wからなる群、好ましくはSi、Ti、Zrから選択される金属元素を、nは1〜15の整数を示す。
式(1)において、X1、X2、X3は、R、OR、あるいはOHを示し、Yは、RあるいはHを示し、Rはメチル、エチルなどの炭素数1〜12のアルキル基またはフェニル基を示す。このアルキル基またはフェニル基は置換基を有しても良い。また、Mは、Si、Ti、Zr、Fe、Cu、Sn、B、Al、Ge、Ce、Ta、Wからなる群、好ましくはSi、Ti、Zrから選択される金属元素を、nは1〜15の整数を示す。
また上記金属アルコキシド化合物は、単独で、もしくは2種以上を混合したものも用いることができる。また、1分子内に2個以上の繰返し単位を有するオリゴマータイプのもの、あるいは三次元構造のものであっても良い。更に、部分的に加水分解や重縮合を生じていても良い。また1分子内に2種類以上の金属元素が含まれているようなものも用いることができる。
上記式(1)において、MがSiの場合を例にとり具体的に例示すれば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、トリメトキシシラン、ジメトキシシラン、モノメトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、カルボキシメチルトリメトキシシラン、2-(4-クロロスルフォニルフェニル)エチルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシフルオロシラン、テトラメトキシシランオリゴマー、テトラエトキシシランオリゴマーなどを挙げることができる。
金属アルコキシド化合物の配合量は、ポリカーボネート樹脂に対して、0.1〜10重量%の範囲である。0.1重量%未満では表面硬度の改善が見られず、10重量%を超えると、高い表面硬度は得られるものの、透明性を損ない、耐衝撃強度が極端に低下する。とくに表層部が脆くなり、共押出成形による樹脂積層体を得られなくなる。
触媒は、各種の酸性触媒、塩基性触媒および金属触媒の使用が可能であるが、安定性、安全性の点から有機金属化合物の使用が好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂積層体の表層部は、ポリカーボネート樹脂に金属アルコキシド化合物および触媒を配合した組成物を溶融混練されたものよりなるが、溶融混合は、一軸あるいは二軸の押出機を用いてなされる。とくに原料組成物の溶融混練の途中から添加物をサイドフィード可能な押出機を用いるのが好ましい。すなわち、まずポリカーボネート樹脂と金属アルコキシド化合物とを溶融混合した後で触媒を添加し、さらに良く混合させる方法によりおこなうのが良好である。
このようにポリカーボネート樹脂と、金属アルコキシド化合物および触媒とが溶融混練されることにより、金属アルコキシド化合物、あるいはポリカーボネート樹脂と金属アルコキシド化合物とを反応させ、ポリカーボネート樹脂と金属酸化物、無機成分が結合し、さらにポリカーボネート樹脂中に均一に分散することによりポリカーボネート樹脂の表面硬度の向上がみられると推察される。
なお、上記触媒の配合量は、金属アルコキシド化合物、あるいは金属アルコキシド化合物とポリカーボネート樹脂との反応が円滑に進行する量であれば特に制限されるものではないが、必要以上に添加するとポリカーボネート樹脂の加水分解を促進するなどポリカーボネート樹脂への悪影響が現れ、耐衝撃強度の低下、外観の悪化を生じる恐れがある。
本発明のポリカーボネート樹脂積層体は、ポリカーボネート樹脂基材表面に表層部を共押出成形することにより得られる。この場合、表層部は、ポリカーボネート樹脂基材の片面にのみ形成されることが実際的であるが、ポリカーボネート樹脂基材の両面に形成させることもできる。
本発明を実施例で説明する。用いた原料は次の通りである。
ポリカーボネート樹脂:商品名「ユーピロン」、三菱エンジニアリングプラスチックス社製
金属アルコキシド化合物:テトラメトキシシランオリゴマー(商品名「MSi53」、コルコート社製)
触媒:有機錫触媒(商品名「SCAT32A」、三共有機合成社製)
ポリカーボネート樹脂:商品名「ユーピロン」、三菱エンジニアリングプラスチックス社製
金属アルコキシド化合物:テトラメトキシシランオリゴマー(商品名「MSi53」、コルコート社製)
触媒:有機錫触媒(商品名「SCAT32A」、三共有機合成社製)
<実施例1〜3、比較例1〜2>
ポリカーボネート樹脂、金属アルコキシド化合物を表1に示す配合量となるように秤量し、これらをヘンシェルミキサーを用いて混合し、この混合物を2軸押出機にて溶融混練し、この溶融混練物に、触媒をポリカーボネート樹脂に対し0.00001重量%添加し、さらに溶融混練した。一方、別の押出機にてポリカーボネート樹脂を溶融し、上記混合物の溶融物とともに共押出成形することにより、表層部の厚み100μm、基材の厚み3mmのポリカーボネート樹脂積層体を得た。ただ、比較例2においては、表層部に割れが生じ積層体を得ることができなかった。
ポリカーボネート樹脂、金属アルコキシド化合物を表1に示す配合量となるように秤量し、これらをヘンシェルミキサーを用いて混合し、この混合物を2軸押出機にて溶融混練し、この溶融混練物に、触媒をポリカーボネート樹脂に対し0.00001重量%添加し、さらに溶融混練した。一方、別の押出機にてポリカーボネート樹脂を溶融し、上記混合物の溶融物とともに共押出成形することにより、表層部の厚み100μm、基材の厚み3mmのポリカーボネート樹脂積層体を得た。ただ、比較例2においては、表層部に割れが生じ積層体を得ることができなかった。
得られた積層体について、JIS K7105に準じて全光線透過率およびヘーズ(曇価)を測定することにより透明性を評価、JIS K 5400に準じて鉛筆硬度を評価した。また、デュポン衝撃強度として、撃芯1/2R、荷重5kgの錘を試験片に落下し、試験片が割れない高さを測定した。これらの結果をを表1に示す。
表1からわかるように、本発明の技術範囲である実施例1〜3においては、参考例に示すポリカーボネート樹脂シートと同様の透明性、衝撃強度を維持しており、かつ表面硬度の向上がみられた。これに対し、本発明の技術範囲を超えている比較例1においては、表面硬度の向上がみられなかった。また、上記の通り、比較例2においては良好な樹脂積層体を得ることができなかった。
Claims (1)
- ポリカーボネート樹脂基材表面に表層部が共押出成形法により積層一体化されてなるポリカーボネート樹脂積層体であって、該表層部は、ポリカーボネート樹脂に、金属アルコキシド化合物0.1〜10重量%、および触媒を配合した組成物が溶融混練されたものであることを特徴とするポリカーボネート樹脂積層体
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004293236A JP2006103163A (ja) | 2004-10-06 | 2004-10-06 | ポリカーボネート樹脂積層体 |
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JP2004293236A JP2006103163A (ja) | 2004-10-06 | 2004-10-06 | ポリカーボネート樹脂積層体 |
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Family Applications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011088402A (ja) * | 2009-10-26 | 2011-05-06 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | ポリカーボネート樹脂積層体、携帯用表示体および支持基板 |
-
2004
- 2004-10-06 JP JP2004293236A patent/JP2006103163A/ja active Pending
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