JP2012204121A - 蓄電デバイス用電極 - Google Patents

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Abstract

【課題】高いエネルギー密度を有するとともに、繰り返し充放電に対して性能の低下が小さい蓄電デバイスを与え得る蓄電デバイス用電極を提供すること。
【解決手段】例えば、ポリアクリロニトリル系樹脂のような電界紡糸可能な高分子物質と、この高分子物質とは異なる、フェノール系樹脂のような有機化合物と、遷移金属とを含む組成物を電界紡糸して得られた不織布を炭素化して得られる炭素繊維不織布を用いた蓄電デバイス用電極。
【選択図】なし

Description

本発明は、蓄電デバイス用電極に関し、さらに詳述すると、炭素繊維不織布を用いた蓄電デバイス用電極に関する。
リチウムイオン電池や電解二重層キャパシタなどの蓄電デバイスの電極材としては、一般的に、バインダーを使って炭素粉末を金属箔上で薄層化させたものや、炭素粉末にバインダーを加えて成形し、これを焼結させたものなどが使われている。
近年、二次電池のさらなる高容量化が求められるようになり、さらにSiやSnといったリチウム吸蔵合金や、その化合物を組み合わせて用いた電極材料が検討されている。
しかし、これらの材料を用いた電極は脆弱であるため、充放電の繰り返しに伴うリチウムに起因する膨張収縮により、容易に炭素粉末の微粉化が発生し、顕著な性能の低下をもたらす。
これらの問題に対して、Siを含む合金粒子と黒鉛質粒子を焼結したリチウム吸蔵粒子と炭素とを複合化した電極材(特許文献1)や、特定の結晶構造を有する黒鉛粒子を用いた電極材(特許文献2)などが報告されている。
しかし、これらの電極においても上述した性能低下の問題は少なからず生じる。
一方、炭素粉末の代わりに炭素繊維を電極として用いる技術がある。例えば、特許文献3には、気相法炭素繊維を解砕して長さを10〜100μmに調整した、特殊な結晶構造を持つ炭素繊維をリチウムイオン二次電池に用いることが記載されている。
しかし、この炭素繊維は、ホウ素含有化合物を添加した焼成処理が必要であるなど、その製造工程が煩雑である上に、これを用いた電極材は、従来の炭素粉末を用いる場合と同様にバインダーで結着したものであるため、上述した脆弱性の問題を依然として抱えている。
さらに、デバイス構造の設計の自由度を高める等の観点から、フレキシブルな電極も望まれている。
しかし、バインダー樹脂と炭素粉末と混合して焼結した電極では、柔軟性を確保することは難しい。また、たとえ柔軟な電極が作製できたとしても、粉末を用いているため電極変形時に導電経路が分断される可能性が高い。
一方、特許文献3の電極では、炭素繊維を用いているため、粉末を用いた場合に比べると変形時の導電経路分断の可能性を低減し得るが、短繊維長の炭素繊維をバインダーで結着している以上、分断される可能性は少なからず存在するのみならず、気相法炭素繊維は剛直であるので、柔軟な電極材料を得ることは難しい。
特開2001−210323号公報 特開2004−362789号公報 国際公開第2000/058536号パンフレット
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、高いエネルギー密度を有するとともに、繰り返し充放電に対しての性能低下が小さい蓄電デバイスを与え得る蓄電デバイス用電極を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、炭素繊維不織布、特に、電界紡糸法で作製した不織布を炭素化してなる炭素繊維不織布を蓄電デバイス用の電極材料として用いることで、高いエネルギー密度を有するとともに、繰り返しの充放電に対しての性能の低下が小さい蓄電デバイスが得られること、および炭素繊維不織布として、所定の組成物を電界紡糸後に炭素化したものを用いることで、2つ折りにしても破断しない程の柔軟性を備えた電極材料が得られ、構造の設計の自由度が高い蓄電デバイスが得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
1. 炭素繊維不織布を含むことを特徴とする蓄電デバイス用電極、
2. 前記炭素繊維不織布が、電界紡糸可能な高分子物質を含む組成物を電界紡糸して得られた不織布を炭素化してなる1の蓄電デバイス用電極、
3. 前記組成物が、さらに前記高分子物質とは異なる有機化合物と、遷移金属とを含む2の蓄電デバイス用電極、
4. 前記高分子物質が、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、およびポリアミドイミド系樹脂から選ばれる1種または2種以上である2または3の蓄電デバイス用電極、
5. 前記有機化合物が、フェノール系樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリカルボジイミド、ピッチ、セルロース、セルロース誘導体およびリグニンから選ばれる1種または2種以上である2〜4のいずれかの蓄電デバイス用電極、
6. 前記高分子物質が、ポリアクリロニトリル系樹脂であり、前記有機化合物がフェノール系樹脂である5の蓄電デバイス用電極、
7. 前記遷移金属が、チタン、コバルト、鉄、ニッケル、銅、ジルコニアおよび白金から選ばれる1種または2種以上である3〜6のいずれかの蓄電デバイス用電極、
8. 前記組成物が、前記高分子物質を1.5〜15質量部、前記有機化合物を1.5〜15質量部、前記遷移金属を0.1〜2質量部含む3〜7のいずれかの蓄電デバイス用電極、
9. リチウムイオン二次電池用、リチウムイオンポリマー二次電池用、有機ラジカル電池用または電気二重層キャパシタ用である1〜8のいずれかの蓄電デバイス用電極
を提供する。
本発明の蓄電デバイス用電極は、炭素繊維不織布を用いているため、高いエネルギー密度を有するとともに繰り返し充放電後の性能低下が小さい蓄電デバイスを与え得る。
さらに、炭素繊維不織布が、電界紡糸で得られた不織布を炭素化したものである場合、長繊維からなるので、柔軟性および耐繰り返し曲げ性が従来に比べ向上するとともに、それを用いて得られた電極は、変形した場合においても優れた電気導電性を示す。
特に、電界紡糸の際に特定の高分子物質、有機化合物および遷移金属を含む組成物を用いて得られた炭素繊維不織布は、2つ折りにしても破断しない程のフレキシブルな材料であるため、構造の設計の自由度が高い蓄電デバイスが得られる。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明に係る蓄電デバイス用電極は、炭素繊維不織布を含むものである。
ここで、蓄電デバイスとは、電極におけるレドックス反応を利用する、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池、ニッケル・水素蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・鉄蓄電池、ニッケル・亜鉛蓄電池、有機ラジカル電池等の二次電池;電荷移動により電極近傍に生じる電気二重層を利用する電気二重層キャパシタ;レドックス反応と電気二重層との双方を利用するリチウムイオンキャパシタ等のハイブリッドキャパシタなどの充放電可能なデバイスを意味する。
本発明の蓄電デバイス用電極は、上記各デバイスに適用することができるが、特に、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池、有機ラジカル電池、電気二重層キャパシタ用の電極として好適に利用できる。
本発明で用いる炭素繊維不織布は、高分子物質を適当な溶媒に溶かした溶液(組成物)を、電界紡糸法、スパンボンド法、メルトブロー法、フラッシュ紡糸法などの各種紡糸法により紡糸し、不織布化したものを炭素化して得ることができる。
本発明においては、比較的長繊維の不織布が得られるとともに、フレキシブルな不織布を容易に得ることが可能であることから、電界紡糸可能な高分子物質を含む組成物を電界紡糸して得られた不織布を炭素化してなる炭素繊維不織布を用いることが好ましい。
電界紡糸可能な高分子物質としては、特に限定されるものではなく、電界紡糸可能な従来公知の高分子物質の中から適宜選択することができる。
その具体例としては、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、得られた炭素繊維不織布の折り曲げ強度をより高めることを考慮すると、その分子中に窒素原子を含む高分子物質が好ましく、特に、ポリアクリロニトリル系樹脂が好適である。
また、得られる炭素繊維不織布に、折り曲げても破損しない柔軟性や靱性を発現させるためには、上述した電界紡糸可能な高分子物質と、一般的に炭素前駆体として用いられるような有機化合物とを併用することが好ましい。これら2成分の併用によって、単独では電界紡糸が困難な炭素繊維前駆体有機化合物を用いた場合でも、電界紡糸可能な高分子が「つなぎ」の役目を果たすことによって、組成物全体として電界紡糸が可能になるとともに、得られる炭素繊維不織布を構成する炭素繊維におけるグラフェンシートの発達を防止して、上述した所定の剛軟度を備えた、折り曲げに強い炭素繊維を、容易に得ることができる。
このような有機化合物としては、上述した高分子物質と異なる物質であり、従来、炭素前駆体材料として用いられている種々の化合物を用いることができる。
その具体例としては、フェノール系樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリカルボジイミド、ピッチ、セルロース、セルロース誘導体、リグニン等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
なお、上記高分子物質として、窒素原子を含まないものを用いる場合、上述と同様の理由から、当該有機化合物が窒素原子を含むものであることが好ましい。
また、本発明に用いる炭素繊維不織布に、柔軟性や靱性を発現させるために遷移金属を含有させることが好ましい。
すなわち、遷移金属を含む組成物を用いることで、この組成物を電界紡糸して得られた不織布に熱を加えた場合に、焼成温度に至るまでに融解することを防止し得るとともに、炭化後の炭素繊維不織布に、折り曲げても破損しない柔軟性および靱性を付与することができるようになる。
このような遷移金属としては、特に限定されるものではないが、チタン、コバルト、鉄、ニッケル、銅、ジルコニア、白金等が挙げられ、特に、チタン、鉄、コバルトが好適である。なお、これらは単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの遷移金属は、錯体、塩、水酸化物、硫化物や有機酸化物の形態で用いることが好ましく、例えば、テトラn−ブトキシチタン等のテトラアルコキシチタン、塩化チタン(III)、塩化チタン(IV)等のハロゲン化チタン、チタンラクテートアンモニウム塩等の有機酸塩;塩化コバルト(II)、塩化コバルト(III)、臭化コバルト(II)、フッ化コバルト(II)、フッ化コバルト(III)、ヨウ化コバルト(II)、ヨウ素酸コバルト(II)等のハロゲン化コバルト、酢酸コバルト(II)、オクチル酸コバルト(II)等の有機酸コバルト、水酸化コバルト(II)、硝酸コバルト(II)、硝酸コバルト(III);塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、臭化鉄、ヨウ化鉄(II)、ヨウ素酸鉄(II)等のハロゲン化鉄、酢酸鉄(II)、酢酸鉄(III)、オクチル酸鉄(II)等の有機酸鉄、水酸化鉄(II)、水酸化鉄(III)、硝酸鉄(II)、硝酸鉄(III)、硫酸鉄(II)、硫酸鉄(III);塩化ニッケル(II)、水酸化ニッケル(II)、硫酸ニッケル(II)、ニッケルカルボニル、スルファミン酸ニッケル、ニッケル酸リチウム;塩化銅、酢酸銅、硝酸銅、水酸化銅、炭酸銅、フッ化銅、ヨウ素酸銅、硫酸銅;酸塩化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、オクチル酸ジルコニウム、ジルコニウムテトラノルマルプロポキシド、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート;塩化白金(II)、塩化白金(IV)、臭化白金(IV)、ヘキサクロロ白金酸塩等を用いることが好適である。
本発明で用いる炭素繊維不織布の製造に用いられる組成物において、上記高分子物質、有機化合物、遷移金属の配合量は、組成物が電界紡糸可能な限り特に制限はないが、高分子物質を1.0〜15質量部、特に1.5〜15質量部、有機化合物を1.0〜15質量部、特に1.5〜15質量部、遷移金属を0.1〜2質量部(金属分として)、特に0.1〜1.5質量部含むものが好適である。
上記組成物の調製法は任意であり、定法によって上記各成分を混合すればよい。その際、各成分の配合順序は任意である。
電界紡糸を用いる場合には、電界紡糸用ドープ調製用の溶媒を用いる必要がある。
この溶媒としては、使用する樹脂に応じて、これを溶解し得る溶媒を適宜選択して用いることができ、例えば、水、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、トルエン、ベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサン、四塩化炭素、塩化メチレン、クロロホルム、ピリジン、トリクロロエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、アセトニトリル等や蟻酸、乳酸、酢酸等の有機酸などを用いることができる。これらの溶媒は、単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい。
この溶媒の配合順序も任意であり、上記各成分と一緒に混合しても、上記組成物を調製後に添加してもよい。
なお、電界紡糸法は、電界中で、帯電した電界紡糸用ドープ(電界紡糸溶液)を曳糸しつつ、その電荷の反発力によりドープを破裂させ、樹脂からなる極微細な繊維状物を形成する方法である。
具体的には、ドープを噴出するノズルを一方の電極とし、コレクタを他方の電極とし、ドープに数千から数万ボルトの高電圧を印加すると、ドープがノズルから吐出され、電界中で高速ジェットおよびそれに引き続くジェットの折れ曲がりや膨張によって極細繊維になり、コレクタ表面上に極細繊維不織布として堆積する。
上述した各種紡糸法によって得られた繊維不織布を焼成して炭素繊維不織布を得ることができる。
この際、不融化処理可能な高分子を用いて得られた繊維不織布については、従来同様、繊維表面を酸化して硬化・不融化処理を施してもよい。
その加熱温度は、不融化可能であれば特に制限はないが、通常は、室温から300℃程度まで、2〜10時間程度かけて昇温し、その後、同温度で30分〜3時間程度保持する手法が用いられる。
なお、上述した高分子物質、有機化合物および遷移金属を電界紡糸して得られた繊維不織布は、従来の不融化処理を行わなくとも、その焼成温度である800〜1,500℃程度まで徐々に加熱することで、繊維同士が融解して接合することなく、炭素繊維不織布とすることができる。
その昇温速度は任意であり、例えば、1〜10℃/分程度とすることができ、それほど厳密な温度管理は必要としない。
上述した高分子物質、有機化合物および遷移金属を電界紡糸して得られた繊維不織布は、2つ折りにしても破断しない程、折り曲げに強い、フレキシブルな炭素繊維不織布である。
また、この柔軟性は、得られた炭素繊維不織布から金属原子を取り去った後でも維持される。このことから、遷移金属は炭化の過程で折り曲げに強い構造を構築する作用があるものと考えられる。金属原子の除去は例えば酸処理により行うことができる。この酸処理は、塩酸、硝酸、硫酸などの無機酸を単独で、あるいは混合して得た混酸に、炭素繊維不織布を曝すことによって行うことができる。
金属分が悪影響を与えるような場合は、この酸処理によってその金属分を除去すればよい。
本発明で用いる炭素繊維不織布を構成する炭素繊維において、その繊維径は、0.1〜15μmが好ましく、0.1〜10μmが好ましく、0.1〜1μmがより好ましく、バブルポイント法で測定した炭素繊維の細孔径は、5μm以下が好ましく、その表面の細孔径が0.4〜50nmが好ましく、その表面のマイクロ孔(2nm以下)面積は、27〜2,700m2/gが好ましく、そのBET比表面積は、30〜3,000m2/gが好ましい。
また、本発明で用いる炭素繊維不織布において、その目付は0.3〜100g/m2が好ましく、その厚みは5〜500μmが好ましく、その嵩密度は0.06〜0.3g/cm3が好ましい。
さらに、JIS L 1096記載のB法(スライド法)で測定した剛軟度は、0.0005〜50mN・cmが好ましく、JIS L 1096 記載のA法(フラジール形法)で測定した不織布のガス透過性は、0.5〜300ml/sec/cm2が好ましい。
また、本発明で用いる炭素繊維不織布では、ラマン分光法で測定される黒鉛化度の程度を示す、1,355cm-1付近のピーク強度Idと1,580cm-1付近のピーク強度Igとの比Id/Igが、0.7〜1.3の範囲であることが好ましい。
この範囲は、グラファイトの結晶構造が乱れ、非結晶なアモルファスカーボンに近くなっているため、より柔軟性に優れた炭素繊維不織布であることを意味する。
本発明の蓄電デバイス用電極は、蓄電デバイスの正極材料として用いることも、負極材料として用いることも、1つのデバイスにおいてその両極材料として用いることもできる。
例えば、リチウムイオン二次電池用の負極として用いる場合には、本発明の炭素繊維不織布をそのまま電極として用いても、集電体上に本発明の炭素繊維不織布からなる層を形成し、その積層体を電極として用いてもよい。
一方、リチウムイオン二次電池の正極として用いる場合には、正極活物質を本発明の炭素繊維不織布に付着させて電極として用いることができる。この場合も、正極活物質が付着した炭素繊維不織布層を集電体上に積層してもよい。
正極活物質としては、リチウムイオンを吸着離脱可能なカルコゲン化合物またはリチウムイオン含有カルコゲン化合物などが用いられる。
ここで、リチウムイオンを吸着離脱可能なカルコゲン化合物としては、例えば、FeS2、TiS2、MoS2、V25、V613、MnO2等が挙げられる。
一方、リチウムイオン含有カルコゲン化合物としては、例えば、LiCoO2、LiMnO2、LiMn24、LiMo24、LiV38、LiNiO2、LixNiy1-y2(但し、Mは、Co、Mn、Ti、Cr、V、Al、Sn、Pb、Znから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素を表し、0.05≦x≦1.10、0.5≦y≦1.0)などが挙げられる。
これらの正極活物質は、単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
正極活物質を炭素繊維不織布上に付着させる手法としては、特に限定されるものではないが、正極活物質含有溶液または分散液を調製し、これらの液中に炭素繊維不織布を浸漬した後乾燥させる方法や、これらの液を炭素繊維不織布に塗布した後乾燥させる方法など用いることができる。
溶液調製用溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホアミドなどを用いることができる。
なお、付着の際にはバインダーポリマーを用いてもよい。
バインダーポリマーとしては、当該用途に使用できるポリマーであれば特に限定はなく、公知の種々のバインダーポリマーを使用することができ、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、カルボキシメチルセルロース、フルオロオレフィン共重合体架橋ポリマー、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリイミド、石油ピッチ、石炭ピッチ、フェノール樹脂等を用いることができる。
有機ラジカル電池用の負極として用いる場合には、本発明の炭素繊維不織布をそのまま電極として用いても、集電体上に本発明の炭素繊維不織布からなる層を形成し、その積層体を電極として用いてもよい。この際、安定ラジカル化合物を負極活物質として用いる場合には、それを炭素繊維不織布に付着させればよい。
一方、有機ラジカル電池の正極として用いる場合には、正極活物質である安定ラジカル化合物を本発明の炭素繊維不織布に付着させて電極として用いることができる。この場合も、安定ラジカル化合物が付着した炭素繊維不織布層を集電体上に積層してもよい。
特に、負極として本発明の炭素繊維不織布をそのまま用い、正極として安定ラジカル化合物を本発明の炭素繊維不織布に付着させた正極活物質担持炭素繊維不織布を集電体に積層してなるものを用いることが好ましい。
安定ラジカル化合物としては、有機ラジカル電池に利用されている公知の有機化合物から適宜選択して用いることができ、例えば、特開2010−114042号公報に開示されているような、ニトロキシラジカル含有ポリマー等の高分子ラジカル材料を用いることができる。
なお、安定ラジカル化合物を炭素繊維不織布に付着させる手法としては、上記リチウムイオン二次電池で説明した正極活物質付着法と同様の方法を用いることができる。
電気二重層キャパシタ用の電極として用いる場合には、本発明の炭素繊維不織布をそのまま一対の分極性電極材料として使用しても、集電体上に本発明の炭素繊維不織布を積層したものを分極性電極として用いてもよい。
この場合、炭素繊維不織布に導電材を付着させてもよい。導電材としては、例えば、カーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンウイスカー、炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛、酸化チタン、酸化ルテニウム、アルミニウム,ニッケル等の金属繊維などが挙げられ、これらの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、導電材を炭素繊維不織布に付着させる手法としては、上記リチウムイオン二次電池で説明した正極活物質付着法と同様の方法を用いることができる。
本発明の蓄電デバイス用電極に用いられる炭素繊維不織布の厚みは、デバイスの種類や、正負極のいずれに用いるかなどによって変わるものであるため、一概には規定できないが、炭素繊維不織布のフレキシブル性、取り扱い性当の観点から、通常500nm〜1mm程度であり、好ましくは1〜500μm、より好ましくは1〜100μmである。
また、上記炭素繊維不織布は炭化したものをそのまま用いてもよいが、さらに賦活化して用いてもよい。
賦活化法としては、薬品賦活法、ガス賦活法のいずれでもよいが、本発明においてはガス賦活法が好ましい。
賦活に用いられるガスとしては、空気、水蒸気、二酸化炭素等が挙げられる。
賦活処理温度としては、通常500〜1000℃程度である。
なお、上記各種デバイスの電極に用いられる集電体としては、デバイスに応じて公知のものから任意に選択して使用できるが、正極集電体としてアルミニウム箔または酸化アルミニウム箔を用いることが好ましく、負極集電体として銅箔、ニッケル箔または表面が銅めっき膜もしくはニッケルめっき膜にて形成された金属箔を用いることが好ましい。
また、本発明の蓄電デバイス用電極を適用する各デバイスの構造および構成材料は、特に限定されるものではなく、公知の各デバイス構造および構成材料から適宜選択して用いればよい。
以下、製造例、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、繊維径および不織布の厚みは、以下の手法により測定した。
(1)繊維径
電子顕微鏡(日本電子(株)、JSM−67010F)により観察し、任意の繊維50本の太さを測定し、平均を用いた。
(2)不織布の厚み
デジタルシックネスゲージ((株)テクロック製,SMD−565)を用いて、任意の10点を測定し、平均を用いた。
実施例における硬化・焼成(炭化)連続処理は以下の条件で行った。
電界紡糸後の極細繊維不織布の炭化処理条件は下記のとおりである。
昇温速度:10℃/min
保持温度:1,500℃
保持時間:60min
窒素流量:5L/min
また、賦活化処理を行う場合は、焼成処理を行ったカーボンナノファイバーシートを、二酸化炭素雰囲気中、880℃で10分処理することにより実施した。
[1]炭素繊維不織布の製造
[実施例1]
ポリアクリロニトリル(三井化学(株)製,バレックス)(以下PAN):5.7
フェノール樹脂(群栄化学工業(株)製,PSK−2320)(以下Ph):2.0
チタン(IV)ブトキシド(アルドリッチ社製):2.5
ジメチルホルムアミド(和光純薬工業(株)製,特級):90.8
の質量割合で混合溶解し、溶液を作製した。
得られた溶液を電界紡糸装置 ESP−2300((株)フューエンス製)を用いて電界紡糸し、さらに焼成・賦活化処理することにより、繊維径約500nmの長繊維が積層された、厚み20μmの極細炭素繊維不織布を得た。
[実施例2]
(1)ポリアクリロニトリル−ポリメタクリル酸共重合体の合成
アクリロニトリル(和光純薬工業(株)製)30.93g、メタクリル酸(和光純薬工業(株)製)4.07g、および純水300mLをフラスコに仕込み、窒素ガスをバブリングすることにより脱空気(酸素)を行った後、70℃に加熱し、ペルオキソ二硫酸カリウム(和光純薬工業(株)製)100mgを純水50mLに溶解した溶液を撹拌しながら投入した。4時間撹拌を続けた後、白濁した溶液を濃縮し、最後に真空乾燥して約20gのポリアクリロニトリル−ポリメタクリル酸共重合体(以下、PAN−MAA)を得た。
(2)極細炭素繊維不織布の作製
上記で得られたPAN−MAA:1.5
Ph:1.5
四塩化チタン(IV)(アルドリッチ社製):0.4
ジメチルホルムアミド(和光純薬工業(株)製、特級):96.6
の質量割合で混合溶解し、溶液を作製した。
得られた溶液を、実施例1と同様に電界紡糸した後、焼成し、繊維径約100nmの長繊維が積層された、厚み20μmの極細炭素繊維不織布を得た。
[実施例3]
PAN:12.0
Ph:12.0
四塩化チタン(IV)(アルドリッチ社製):3.0
ジメチルホルムアミド(和光純薬工業(株)製、特級):73.0
の質量割合で混合溶解し、電界紡糸溶液を作製した。
得られた溶液を実施例1と同様に電界紡糸した後、焼成・賦活化し、繊維径約800nmの長繊維が積層された、厚み20μmの極細炭素繊維不織布を得た。
[実施例4]
四塩化チタン(IV)の代わりに、塩化コバルト(II)(アルドリッチ社製)を用いた以外は、実施例2と同様にして溶液作成後電界紡糸した後、焼成・賦活化し、繊維径約400nmの長繊維が積層された、厚み20μmの極細炭素繊維不織布を得た。
[実施例5]
四塩化チタン(IV)の代わりに、塩化鉄(III)(アルドリッチ社製)を用いた以外は、実施例2と同様にして溶液作製および電界紡糸した後、焼成・賦活化し、繊維径約400nmの長繊維が積層された、厚み20μmの極細炭素繊維不織布を得た。
[実施例6]
実施例2で調製したPAN−MAA:1.5
Ph:1.5
四塩化チタン(IV)(アルドリッチ社製):2.7
ジメチルホルムアミド(和光純薬工業(株)製、特級):94.3
の質量割合で混合溶解し、電界紡糸溶液を作製した。
得られた溶液を実施例1と同様に電界紡糸した後、焼成し、繊維径約200nmの長繊維が積層された、厚み約20μmの極細炭素繊維不織布を得た。
[実施例7]
焼成後の不織布の厚みを約5μmとした以外は、実施例6と同様にして極細炭素繊維不織布を作製した。
[実施例8]
焼成後の不織布の厚みを約100μmとした以外は、実施例6と同様にして極細炭素繊維不織布を作製した。
[実施例9]
焼成後の不織布の厚みを約100μmとした以外は、実施例6と同様に電界紡糸および焼成を行い、その後賦活化し、極細炭素繊維不織布を作製した。
上記実施例1〜9で得られた極細炭素繊維不織布について、折り曲げ検査、比表面積測定を実施した結果を表1に示す。なお、折り曲げ検査、比表面積測定の方法は下記のとおりである。
(1)折り曲げ検査
各極細炭素繊維不織布(試料の大きさ:10cm×10cm)を二つ折りにし、二枚のステンレス板で挟み、98kPa(1kgf/cm2)の加重をかけることで、不織布が破断するか否かを観察した。
(2)比表面積測定
実施例1〜9で得られた極細炭素繊維不織布を破砕し、比表面積測定装置(ベル社製,Belsorp Max)を用いて、77Kの窒素吸着測定からBET法にて比表面積を求めた。
Figure 2012204121
[2]二次電池
[実施例10]
最初に、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2)とN−メチル−2−ピロリドン(NMP)とを混合して調製したスラリーを、実施例1で得られたシート(極細炭素繊維不織布)2枚を重ねて40μm厚みとしたカーボンナノファイバーシートに含侵させた後、乾燥し、さらにロールプレス機によって圧縮成形して正極活物質層を形成した。
次に、負極としてのカーボンナノファイバーシートに、セパレータとして20μm厚の微多孔性ポリプロピレンフィルムをかぶせたものを用意した。
先の正極と合わせ、それぞれにリードを接合した後、3層構造のアルミラミネートフィルムに挟み込み、1辺を除き熱融着させて袋状にした。
その中へ、6フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を、プロピレンカーボネートに溶解させて調製した電解液を注入し、真空雰囲気中で袋状のアルミラミネートフィルム開口部を封じ、2次電池を完成させた。
なお、負極の厚みは、金属リチウムが析出しないよう正極の充放電量を超えるように調整して使用した。
[実施例11〜18]
実施例2〜9で得られたカーボンナノファイバーシートをそれぞれ用いるとともに、後述する点を除いては、実施例10と同様にして二次電池を作製した。
実施例16ではシート(極細炭素繊維不織布)を8枚重ねて用い、実施例17および18ではシート(極細炭素繊維不織布)を単独(1枚)で用いた。
[比較例1]
正極活物質としてリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2)91質量部と、導電剤としてグラファイト6質量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン3質量部とを混合して正極合剤とした。得られた正極合剤を、N−メチル−2−ピロリドンに分散させてペースト状の正極合剤スラリーとした。続いて、バーコータによって帯状のアルミニウム箔(厚さ=12μm)からなる正極集電体の両面に正極合剤スラリーを均一に塗布して乾燥させた後、ロールプレス機によって圧縮成形して正極活物質層を形成した。
上記実施例10〜18および比較例1で作製した二次電池について、20℃で充放電サイクル試験を行った。充放電試験の電圧範囲は0〜2.5Vとした。
サイクル特性を調べる際には、23℃の雰囲気中において2サイクル充放電させて放電容量を測定し、引き続き同雰囲気中においてサイクル数の合計が100サイクルとなるまで充放電させて放電容量を測定した。これらの放電容量から、放電容量維持率(%)=(100サイクル目の放電容量/2サイクル目の放電容量)×100を算出した。この際、1サイクルの充放電条件としては、1mA/cm2の定電流密度で電池電圧が4.2Vに達するまで充電し、さらに4.2Vの定電圧で電流密度が0.02mA/cm2に達するまで充電した。その後、1mA/cm2の定電流密度で電池電圧が2.5Vに達するまで放電した。
初回の充放電効率と100回充放電を繰り返した後の充放電効率の比率C100/C1を求めた結果を、表2に示す。
Figure 2012204121
表2に示されるように、本発明の電極を用いて得られた二次電池は、サイクル性能に優れていることがわかる。
[3]キャパシタ
(1)電極群の作製
[製造例1]
実施例1で得られたシート(極細炭素繊維不織布)を縦50mm、幅20mmに切り出した。50枚重ねた上で厚みを600μmに圧縮調整し、密度を高めて正極用集電体とした。そこに幅3mm、厚み0.08mmのアルミリードを接合して正極とした。
次いで、実施例1で得られたシート(極細炭素繊維不織布)を、縦40.0mm、幅20.0mmに切り出し、50枚重ねて厚みを1mmに調整し、0.82mmに圧縮調整し負極集電体とした。その端部に縦50mm、幅3mm、厚み0.05mmのニッケルテープを接合して負極とした。
上記で得られた正極2枚と負極3枚を、縦54.0mm、幅21.0mm、厚み50 μmのセルロース系シートを挟んで交互に積層し、キャパシタ用電極群を作製した。
[製造例2〜8]
実施例2〜8で得られたシート(極細炭素繊維不織布)をそれぞれ用い、製造例2〜6では製造例1と同じく50枚、製造例7では200枚、製造例8では10枚積層して使用した以外は、製造例1と同様にして電気二重層キャパシタ用電極群を作製した。
[製造例9]
焼成後の不織布の厚みを約300μmとした以外は、実施例6と同様にして極細炭素繊維不織布を作製した。
得られたシート(極細炭素繊維不織布)を用いて、3枚積層して使用した以外は、製造例1と同様にして電気二重層キャパシタ用電極群を作製した。
[製造例10]
焼成後の不織布の厚みを約450μmとした以外は、実施例6と同様にして極細炭素繊維不織布を作製した。
得られたシート(極細炭素繊維不織布)を圧縮調整して300μmとしたものを用いた。上記シートを3枚積層して使用した以外は、製造例1と同様にして電気二重層キャパシタ用電極群を作製した。
[製造例11]
実施例6で得られた極細炭素繊維不織布を賦活化することにより厚み100μmの極細炭素繊維不織布を作製した。
得られたシート(極細炭素繊維不織布)を用いて、10枚積層して使用した以外は、製造例1と同様にして電気二重層キャパシタ用電極群を作製した。
[製造例12]比較例用キャパシタ用電極群の作製
分極性活物質として活性炭100質量部(マックスソーブMSP20N)、導電材としてカーボンブラック11.1質量部(デンカブラックHS−100)、バインダとしてPVdF7.1質量部(KFポリマー、(株)クレハ製)、PVdf1.8質量部(カイナー、東京材料(株)製)、および溶剤としてNMP250質量部を混合・混錬して正極充填物用スラリーを調製した。
厚み0.030mm、縦50.0mm、幅20.0mmの、開口のないアルミニウムシート30CB(日本蓄電器工業(株)製)の両面に、長辺端部から長さ40.0mmにわたって、上記正極充填物用スラリーを塗布、乾燥した後、圧延して、厚み0.19mmに調整し、未塗布部分に実施例1と同様のアルミリードを溶接したものを正極とした。
負極充填物用スラリーは、カーボンブラック8.2質量部、KFポリマー7.5質量部、カイナー1.9質量部とした以外は、正極充填物用スラリーと同様にして調製した。この負極充填物用スラリーを用い、厚みを0.33mmに調整した以外は、上記正極と同様にして負極を作製した。
上記で得られた正極5枚と負極6枚を、実施例1で用いたセパレータを介して交互に積層し、キャパシタ用電極群を作製した。
(2)電気二重層キャパシタセルの作製
[実施例19]
製造例1で作製したキャパシタ用電極群をアルミラミネート容器に挿入し、次いで電解液として2−メトキシエチルジエチルメチルアンモニウム四フッ化ホウ酸塩10質量%のプロピレンカーボネート溶液を容器内に注液し、減圧下で電極群に含浸させ、電解液に電極群が浸漬した状態で容器を密閉して電気二重層キャパシタセルを得た。
なお、この実施例19の電気二重層キャパシタセルは、負極間に積層される2枚の正極からなる正極群を2組にしたもので、最外電極は負極である。
[実施例20〜29および比較例2]
製造例2〜12で作製したキャパシタ用電極群を使用した以外は、実施例19と同様にして電気二重層キャパシタセルを得た。
上記実施例19〜29および比較例2で作製したキャパシタセルについて、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比を、正負極それぞれの活性炭の理論静電容量と総質量とから算出し、エネルギー密度を定格3Vとし、理論静電容量から算出した。結果を表3に示す。
また、電気二重層キャパシタを連続充電(70℃、充電3V、放電1.0C、1.0Vカット)した際の放電エネルギー密度が当初より80%となる時間を寿命性能として合わせて測定し示した。
Figure 2012204121
表3に示されるように、本発明の電極を用いて得られたキャパシタは、エネルギー密度が高く、また寿命性能に優れていることがわかる。

Claims (9)

  1. 炭素繊維不織布を含むことを特徴とする蓄電デバイス用電極。
  2. 前記炭素繊維不織布が、電界紡糸可能な高分子物質を含む組成物を電界紡糸して得られた不織布を炭素化してなる請求項1記載の蓄電デバイス用電極。
  3. 前記組成物が、さらに前記高分子物質とは異なる有機化合物と、遷移金属とを含む請求項2記載の蓄電デバイス用電極。
  4. 前記高分子物質が、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、およびポリアミドイミド系樹脂から選ばれる1種または2種以上である請求項2または3記載の蓄電デバイス用電極。
  5. 前記有機化合物が、フェノール系樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリカルボジイミド、ピッチ、セルロース、セルロース誘導体およびリグニンから選ばれる1種または2種以上である請求項2〜4のいずれか1項記載の蓄電デバイス用電極。
  6. 前記高分子物質が、ポリアクリロニトリル系樹脂であり、前記有機化合物がフェノール系樹脂である請求項5記載の蓄電デバイス用電極。
  7. 前記遷移金属が、チタン、コバルト、鉄、ニッケル、銅、ジルコニアおよび白金から選ばれる1種または2種以上である請求項3〜6のいずれか1項記載の蓄電デバイス用電極。
  8. 前記組成物が、前記高分子物質を1.5〜15質量部、前記有機化合物を1.5〜15質量部、前記遷移金属を0.1〜2質量部含む請求項3〜7のいずれか1項記載の蓄電デバイス用電極。
  9. リチウムイオン二次電池用、リチウムイオンポリマー二次電池用、有機ラジカル電池用または電気二重層キャパシタ用である請求項1〜8のいずれか1項記載の蓄電デバイス用電極。
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