JP4697901B1 - 炭素繊維製不織布、炭素繊維、及びその製造方法、電極、電池、及びフィルタ - Google Patents

炭素繊維製不織布、炭素繊維、及びその製造方法、電極、電池、及びフィルタ Download PDF

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Abstract

本発明が解決しようとする課題は、表面積が大きく、黒鉛化度が高く、繊維径が小さく、かつ、バラツキが少ない炭素繊維(又は前記炭素繊維からなる不織布)を提供することである。
本発明の炭素繊維製の不織布の製造方法は、樹脂およびピッチを含む分散液が作製される分散液作製工程と、前記分散液から、静電紡糸により、炭素繊維前駆体からなる不織布が作製される静電紡糸工程と、前記静電紡糸工程で得られた不織布の炭素繊維前駆体が炭素繊維に変性する変性工程とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は炭素繊維に関する。
蓄電池(例えば、リチウムイオン電池、電気2重層キャパシタ)や、燃料電池の分野において、炭素繊維が注目されている。特に、前記電池の電極材として、炭素繊維製の不織布は注目されている。前記不織布は、繊維径が10μm程度の炭素繊維で構成されている。
近年、表面積の増大の観点から、繊維径が10μm以下(例えば、1μm程度)の炭素繊維で構成された不織布が要望された。
細い繊維径の炭素繊維として、気相法またはアーク放電法で作製されたカーボンナノチューブが知られている。しかし、カーボンナノチューブの繊維長は短い。例えば、10μm以下である。更に、カーボンナノチューブは高価である。従って、電極材への応用には問題が有る。
このようなことから、メルトブロー法や静電紡糸法で作製された炭素繊維が提案されている。
例えば、炭素源(例えば、ピッチ等)含有熱可塑性樹脂をメルトブロー法により紡糸した後、前記熱可塑性樹脂を熱分解し、炭化、黒鉛化する方法が提案されている(特許文献1、非特許文献1)。この方法によれば、細い繊維径の炭素繊維が得られる。しかしながら、繊維径の制御が、メルトブロー法では、困難である。メルトブロー法で得られた炭素繊維は繊維径のバラツキが大きい。
炭素源(例えば、ポリアクリロニトリル等のポリマー)が溶解した溶液を、静電紡糸した後、炭化、黒鉛化する方法(静電紡糸法:エレクトロスピニング法)が提案されている(特許文献2〜5、非特許文献2)。この方法で得られた炭素繊維の繊維径はバラツキが小さい。しかしながら、上記特許文献2〜5に記載の方法にあっては、炭素源が溶媒中に溶解する必要が有る。ところで、硬ピッチやメソフェーズピッチは黒鉛化度が高い。従って、硬ピッチやメソフェーズピッチが炭素源として用いられることは好ましい。しかしながら、硬ピッチやメソフェーズピッチは溶媒に溶けない。従って、上記特許文献において、硬ピッチやメソフェーズピッチは炭素源として用いられない。特許文献5では、静電紡糸後にマイクロ波加熱による炭化、黒鉛化が行われている。ここではカーボンブラックが必須である。カーボンブラックを炭素源として用いることは出来る。しかしながら、カーボンブラックは、ポリアクリロニトリルと同様に、黒鉛化度が低い。この為、黒鉛化度の低い炭素繊維しか得られない。
ピッチを溶融して静電紡糸が行われた後、炭化、黒鉛化が行われる技術が提案されている(特許文献6)。
この方法で得られた炭素繊維は、繊維径のバラツキが小さい。かつ、黒鉛化度も高い。しかしながら、上記技術と異なり、炭化率の高い炭素源のみが用いられている。この為、炭化、黒鉛化時の収縮が少ない。従って、繊維径が1μm以下の炭素繊維は得られ難い。更に、特許文献6の技術では、融点が300℃以下の軟ピッチしか用いられない。すなわち、融点が300℃以上の硬ピッチやメソフェーズピッチの使用は不可能であった。この方法では原理的に表面の平坦な炭素繊維しか得られない。すなわち、本発明の特徴を有する炭素繊維は得られない。
H.Ono,A.Oya/Carbon 44(2006)682−686 Chan Kim, KapSeung Yang,Masahito Kojima, Kazuto Yoshida, YongJung Kim,Yoong AhmKim, andMorinobu Endo/Adv.Funct.Mater 16(2006)2393−2397 白井壮士 /炭素 240(2009)250−252
特開2009−079346 特表2009−505931 特開2008−270807 特開2007−207654 再表2006/054636 特開2009−203565
本発明が解決しようとする課題は、表面積が大きく、黒鉛化度が高く、繊維径が小さく、かつ、バラツキが少ない炭素繊維(又は前記炭素繊維からなる不織布)を提供することである。
前記課題は、
炭素繊維製の不織布の製造方法であって、
樹脂およびピッチを含む分散液が作製される分散液作製工程と、
前記分散液から、静電紡糸により、炭素繊維前駆体からなる不織布が作製される静電紡糸工程と、
前記静電紡糸工程で得られた不織布の炭素繊維前駆体が炭素繊維に変性する変性工程
とを有することを特徴とする炭素繊維製不織布製造方法によって解決される。
好ましくは、前記炭素繊維製不織布製造方法であって、前記変性工程は、前記静電紡糸工程で得られた不織布が50〜4000℃に加熱される工程を有することを特徴とする炭素繊維製不織布製造方法によって解決される。
好ましくは、前記炭素繊維製不織布製造方法であって、前記変性工程は、前記静電紡糸工程で得られた不織布に含まれる樹脂が除去される樹脂除去工程を有することを特徴とする炭素繊維製不織布製造方法によって解決される。
好ましくは、前記炭素繊維製不織布製造方法であって、前記樹脂除去工程は、酸化性ガス雰囲気下において、前記静電紡糸工程で得られた不織布が加熱される加熱工程であることを特徴とする炭素繊維製不織布製造方法によって解決される。
好ましくは、前記炭素繊維製不織布製造方法であって、前記変性工程は、前記樹脂除去工程後の不織布が炭化処理される炭化工程を有することを特徴とする炭素繊維製不織布製造方法によって解決される。
好ましくは、前記炭素繊維製不織布製造方法であって、前記変性工程は、前記炭化工程後の不織布が黒鉛化処理される黒鉛化工程を有することを特徴とする炭素繊維製不織布製造方法によって解決される。
好ましくは、前記炭素繊維製不織布製造方法であって、前記黒鉛化工程は、不活性雰囲気下において、前記不織布が加熱される加熱工程であることを特徴とする炭素繊維製不織布製造方法によって解決される。
好ましくは、前記炭素繊維製不織布製造方法であって、前記加熱は、前記不織布への通電による発熱(加熱)であることを特徴とする炭素繊維製不織布製造方法によって解決される。
好ましくは、前記炭素繊維製不織布製造方法であって、前記樹脂が水溶性樹脂であることを特徴とする炭素繊維製不織布製造方法によって解決される。
好ましくは、前記炭素繊維製不織布製造方法であって、前記樹脂が熱分解性樹脂であることを特徴とする炭素繊維製不織布製造方法によって解決される。
好ましくは、前記炭素繊維製不織布製造方法であって、前記樹脂がポリビニルアルコールであることを特徴とする炭素繊維製不織布製造方法によって解決される。
好ましくは、前記炭素繊維製不織布製造方法であって、前記ピッチがメソフェーズピッチであることを特徴とする炭素繊維製不織布製造方法によって解決される。
好ましくは、前記炭素繊維製不織布製造方法であって、前記ピッチは粒径が1nm〜10μmであることを特徴とする炭素繊維製不織布製造方法によって解決される。
好ましくは、前記炭素繊維製不織布製造方法であって、前記ピッチは粒径が100nm〜1μmであることを特徴とする炭素繊維製不織布製造方法によって解決される。
好ましくは、前記炭素繊維製不織布製造方法であって、前記樹脂100質量部に対して前記ピッチが20〜200質量部であることを特徴とする炭素繊維製不織布製造方法によって解決される。
好ましくは、前記炭素繊維製不織布製造方法であって、前記樹脂100質量部に対して前記ピッチが70〜150質量部であることを特徴とする炭素繊維製不織布製造方法によって解決される。
前記課題は、
炭素繊維の製造方法であって、
前記炭素繊維製不織布製造方法で得られた炭素繊維製の不織布が解かれることにより炭素繊維が得られる解布工程を有する
ことを特徴とする炭素繊維製造方法によって解決される。
好ましくは、前記炭素繊維製造方法であって、前記解布工程は、前記不織布が粉砕される工程であることを特徴とする炭素繊維製造方法によって解決される。
前記課題は、
前記炭素繊維の製造方法によって得られてなる炭素繊維によって解決される。
前記課題は、
炭素繊維であって、
前記炭素繊維は、大径部と小径部とを有し、
前記大径部は、その直径が20nm〜2μmであり、
前記小径部は、その直径が10nm〜1μmであり、
(前記大径部における直径)>(前記小径部における直径)である
ことを特徴とする炭素繊維によって解決される。
好ましくは、前記炭素繊維であって、{(前記大径部における直径の最大値)/(前記小径部における直径の最小値)}が1.1〜100であることを特徴とする炭素繊維によって解決される。
好ましくは、前記炭素繊維であって、前記小径部の長さは前記大径部における直径の最小値よりも長いことを特徴とする炭素繊維によって解決される。
好ましくは、前記炭素繊維であって、前記小径部の長さは前記大径部における直径の最大値よりも短いことを特徴とする炭素繊維によって解決される。
好ましくは、前記炭素繊維であって、前記小径部の長さは10nm〜10μmであることを特徴とする炭素繊維によって解決される。
好ましくは、前記炭素繊維であって、前記大径部の長さは50nm〜10μmであることを特徴とする炭素繊維によって解決される。
好ましくは、前記炭素繊維であって、前記炭素繊維は、前記大径部を複数個有し、かつ、前記小径部を複数個有してなり、前記炭素繊維の長さが0.1μm〜1000μmであることを特徴とする炭素繊維によって解決される。
好ましくは、前記炭素繊維であって、前記炭素繊維は、その比表面積が1〜100m/gであることを特徴とする炭素繊維によって解決される。
好ましくは、前記炭素繊維であって、前記炭素繊維は、そのX線回折測定において、黒鉛構造(002)由来のピークが25°〜30°(2θ)の範囲に有り、前記ピークの半値幅が0.1°〜2°(2θ)であることを特徴とする炭素繊維によって解決される。
好ましくは、前記炭素繊維であって、前記炭素繊維は、ID/IG(IDは、前記炭素繊維のラマン分光スペクトルにおいて、1300〜1400cm−1の範囲にあるピーク強度。IGは、前記炭素繊維のラマン分光スペクトルにおいて、1580〜1620cm−1の範囲にあるピーク強度。)が0.2〜2であることを特徴とする炭素繊維によって解決される。
好ましくは、前記炭素繊維であって、前記炭素繊維は、L/(S)1/2(Sは、走査型電子顕微鏡で前記炭素繊維を観察して得た画像における前記炭素繊維の面積。Lは、走査型電子顕微鏡で前記炭素繊維を観察して得た画像における前記炭素繊維の外周長さ)が3.7〜300であることを特徴とする炭素繊維によって解決される。
好ましくは、前記炭素繊維であって、前記炭素繊維製造方法によって得られてなる前記炭素繊維によって解決される。
前記課題は、
炭素繊維製の不織布であって、
前記炭素繊維製不織布は、前記炭素繊維の含有割合が50〜100質量%である
ことを特徴とする炭素繊維製不織布によって解決される。
前記課題は、
炭素繊維製の不織布であって、前記炭素繊維製不織布製造方法によって得られてなる炭素繊維製不織布によって解決される。
好ましくは、前記炭素繊維製不織布であって、前記不織布は、その厚さが0.1μm〜10mmであることを特徴とする炭素繊維製不織布によって解決される。
好ましくは、前記炭素繊維製不織布であって、前記不織布は、その目付量が0.1〜10000g/mであることを特徴とする炭素繊維製不織布によって解決される。
好ましくは、前記炭素繊維製不織布であって、前記不織布は、その比表面積が1〜50m/gであることを特徴とする炭素繊維製不織布によって解決される。
前記課題は、
電気デバイスに用いられる部材であって、
前記部材は、前記炭素繊維、又は前記炭素繊維製不織布を用いて構成されてなることを特徴とする電気デバイスに用いられる部材によって解決される。
好ましくは、前記部材であって、前記部材が電池部品であることを特徴とする電気デバイスに用いられる部材によって解決される。
好ましくは、前記部材であって、前記部材が蓄電池の電極であることを特徴とする電気デバイスに用いられる部材によって解決される。
好ましくは、前記部材であって、前記部材がリチウムイオン二次電池の電極であることを特徴とする電気デバイスに用いられる部材によって解決される。
好ましくは、前記部材であって、前記部材がリチウムイオン二次電池の負極であり、前記炭素繊維および/または前記炭素繊維製不織布からなる負極活物質を含むことを特徴とする電気デバイスに用いられる部材によって解決される。
好ましくは、前記部材であって、前記部材がリチウムイオン二次電池の電極であり、前記炭素繊維および/または前記炭素繊維製不織布からなる導電助剤を含むことを特徴とする電気デバイスに用いられる部材によって解決される。
好ましくは、前記部材であって、前記部材は合金系負極活物質が用いられたリチウムイオン二次電池の負極であり、前記炭素繊維および/または前記炭素繊維製不織布上に前記合金系負極活物質が積層されてなることを特徴とする電気デバイスに用いられる部材によって解決される。
好ましくは、前記部材であって、前記部材がキャパシタの電極であることを特徴とする電気デバイスに用いられる部材によって解決される。
好ましくは、前記部材であって、前記部材がリチウムイオンキャパシタの電極であることを特徴とする電気デバイスに用いられる部材によって解決される。
好ましくは、前記部材であって、前記部材が燃料電池用多孔質炭素電極基材であることを特徴とする電気デバイスに用いられる部材によって解決される。
前記課題は、
電気デバイスであって、
前記電気素子に用いられる部材を具備してなることを特徴とする電気デバイスによって解決される。
前記課題は、
フィルタであって、
前記フィルタは、前記炭素繊維、又は前記炭素繊維製不織布を用いて構成されてなる
ことを特徴とするフィルタによって解決される。
表面積が大きく、黒鉛化度が高く、繊維径が小さく、かつ、バラツキが少ない炭素繊維が得られる。
前記特徴の炭素繊維製の不織布が簡単に得られる。この不織布の表面積は大きい。
上記特徴の炭素繊維や不織布は、例えば電極材に適している。特に、表面積が大きいことから、電解液の注入が速く、タクトタイムが短縮できる。
上記特徴の炭素繊維はアスペクト比が大きく、かつ導電性が高い。従って、導電助剤として用いることにより、電池の内部抵抗が下がる。
上記特徴の炭素繊維や不織布は、例えばフィルタに用いることが出来る。
静電紡糸装置の概略図 静電紡糸装置の概略図 リチウムイオン電池の負極の概略図 リチウムイオンキャパシタの負極の概略図 SEM写真 XRDチャート ラマン分光スペクトル L/(S)1/2の測定に用いた画像を処理した画像 SEM写真 L/(S)1/2の測定に用いた画像を処理した画像 SEM写真 SEM写真 L/(S)1/2の測定に用いた画像を処理した画像 SEM写真 SEM写真 SEM写真 充・放電特性図 充・放電特性図 SEM写真 SEM写真 充・放電特性図 充・放電特性図 燃料極用電極断面図 SEM写真 エネルギー密度−出力密度特性図
第1の発明は、炭素繊維製の不織布の製造方法である。前記製造方法は分散液作製工程を有する。この分散液作製工程は、樹脂およびピッチ(炭素粒子)を含む分散液が作製される工程である。前記製造方法は静電紡糸工程を有する。この静電紡糸工程は、前記分散液が静電紡糸される工程である。この静電紡糸工程によって、炭素繊維前駆体からなる不織布が作製される。前記製造方法は変性工程を有する。この変性工程は、前記静電紡糸工程で得られた不織布の炭素繊維前駆体が炭素繊維に変性される工程である。
前記変性工程は加熱工程を有する。この加熱工程では、前記不織布(炭素繊維前駆体製の不織布)が、例えば50〜4000℃に加熱される。
前記変性工程は、好ましくは、樹脂除去工程を有する。この樹脂除去工程は、前記静電紡糸工程で得られた不織布に含まれる樹脂が除去される工程である。前記樹脂除去工程は、例えば加熱工程である。この加熱工程は、例えば酸化性ガス雰囲気下において、不織布(前記静電紡糸工程で得られた不織布)が加熱される工程である。前記変性工程は、好ましくは、炭化工程を有する。この炭化工程は、不織布(特に、前記樹脂除去工程後の不織布)が炭化処理される工程である。前記変性工程は、好ましくは、黒鉛化工程を有する。この黒鉛化工程は、不織布(特に、前記炭化工程後の不織布)が黒鉛化処理される工程である。前記黒鉛化工程は、例えば加熱工程である。この加熱工程は、例えば不活性雰囲気下において、不織布(特に、前記炭化工程後の不織布)が加熱される工程である。前記加熱工程は、例えば不織布(特に、前記炭化工程後の不織布)への通電による発熱(加熱)工程である。
前記樹脂は、好ましくは、水溶性樹脂である。前記樹脂は、好ましくは、熱分解性樹脂である。特に、好ましくは、水溶性で、かつ、熱分解性樹脂である。最も好ましい樹脂は、ポリビニルアルコールである。前記炭素粒子はピッチである。前記ピッチは、好ましくは、硬ピッチ又はメソフェーズピッチである。特に好ましくはメソフェーズピッチである。(前記ピッチの量)/(前記樹脂の量)が、好ましくは、0.2〜2(より好ましくは、0.7〜1.5)(質量比)である。
第2の発明は、炭素繊維の製造方法である。この炭素繊維の製造方法は、解布工程を有する。この解布工程は、前記不織布(前記第1の発明(前記炭素繊維製の不織布の製造方法)で得られた炭素繊維製の不織布)が解かれる工程である。前記解布工程は、例えば不織布が粉砕される工程である。前記解布工程によって、炭素繊維が得られる。
第3の発明は、炭素繊維である。この炭素繊維は大径部と小径部とを有する。前記大径部は径が大きな部分である。前記小径部は径が小さな部分である。前記炭素繊維は、好ましくは、前記大径部を複数個有する。前記炭素繊維は、好ましくは、前記小径部を複数個有する。前記大径部は、好ましくは、その直径が20nm〜5μm(更に好ましくは20nm〜2μm(より好ましくは50nm〜1μm))である。前記小径部は、好ましくは、その直径が10nm〜3μm(更に好ましくは10nm〜1μm(より好ましくは20nm〜500nm))である。勿論、条件A[(前記大径部における直径(直径の平均値))>(前記小径部における直径(直径の平均値))]が満たされる。好ましくは、条件B[(前記大径部における直径の最大値)/(前記小径部における直径の最小値)=1.1〜100]が満たされる。更に好ましくは、条件C[(前記大径部における直径の最大値)/(前記小径部における直径の最小値)=2〜50]が満たされる。前記小径部の長さは、例えば、前記大径部における直径の最小値よりも長い。前記小径部の長さは、例えば前記大径部における直径の最大値よりも短い。前記小径部の長さは、好ましくは、10nm〜10μm(より好ましくは、50nm〜1μm)である。前記大径部の長さは、好ましくは、50nm〜10μm(より好ましくは500nm〜3μm)である。前記炭素繊維の長さ(全長)が、好ましくは、0.1μm〜1000μm(より好ましくは10μm〜500μm、粉砕して用いられる場合は0.5〜10μm)である。前記炭素繊維の比表面積は、好ましくは1〜100m/g(より好ましくは2〜50m/g)である。前記炭素繊維は、好ましくは、そのX線回折測定において、黒鉛構造(002)由来のピークが25°〜30°(2θ)の範囲に有る。前記ピークの半値幅は0.1〜2である。前記炭素繊維は、好ましくは、条件D[ID/IG=0.1〜2]を満たす。前記IDは、前記炭素繊維のラマン分光スペクトルにおいて、1300〜1400cm−1の範囲にあるピーク強度である。前記IGは、前記炭素繊維のラマン分光スペクトルにおいて、1580〜1620cm−1の範囲にあるピーク強度である。測定時の励起光源はAr+レーザーが好ましい。前記炭素繊維は、好ましくは、条件E[L/(S)1/2=2〜300、好ましくは5〜300]を満たす。前記Sは、走査型電子顕微鏡で前記炭素繊維を観察して得た画像における前記炭素繊維の面積である。前記Lは、走査型電子顕微鏡で前記炭素繊維を観察して得た画像における前記炭素繊維の外周長さである。本特徴の炭素繊維は前記炭素繊維の製造方法(好ましい炭素繊維の製造方法)によって得られる。
第4の発明は、炭素繊維製の不織布である。この不織布は、好ましくは、前記炭素繊維の含有割合が50〜100質量%(より好ましくは、80質量%以上)である。前記不織布は前記第1の発明(前記炭素繊維製の不織布の製造方法)で得られた不織布である。前記不織布は、好ましくは、その厚さが0.1μm〜10mm(より好ましくは10μm〜500μm)である。前記不織布は、好ましくは、その目付量が1〜10000g/m(より好ましくは10〜1000g/m)ある。前記不織布は、好ましくは、その比表面積が1〜50m/g(より好ましくは2〜30m/g)である。
第5の発明は蓄電池の電極である。この電極は、前記炭素繊維(又は前記炭素繊維製の不織布)で構成される。前記蓄電池は、例えばリチウムイオン二次電池である。前記蓄電池は、例えばキャパシタ(電気2重層キャパシタ)である。前記キャパシタは、例えばリチウムイオンキャパシタである。
第6の発明は蓄電池である。この蓄電池は前記電極を具備している。
第7の発明はフィルタである。このフィルタは、前記炭素繊維製の不織布(又は前記炭素繊維)で構成される。
以下、更に詳しく説明する。
[分散液作製工程(工程I)]
前記分散液は、樹脂および炭素粒子を含む。
前記樹脂は、好ましくは、溶媒(静電紡糸時に揮発する溶媒)に溶解する樹脂である。具体的には、ビニル樹脂(例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)など)である。又は、ポリエチレンオキサイド(PEO)である。又は、アクリル樹脂(例えば、ポリアクリル酸(PAA)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリアクリロニトリル(PAN)など)である。又は、フッ素樹脂(例えば、ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)など)である。又は、天然物由来高分子(例えば、セルロース樹脂およびその誘導体(ポリ乳酸、キトサン、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)など)である。又は、ポリエーテルスルホン(PES)などのエンジニアリングプラスチック樹脂である。又は、ポリウレタン樹脂(PU)である。又は、ポリアミド樹脂(ナイロン)である。又は、芳香族ポリアミド樹脂(アラミド樹脂)である。又は、ポリエステル樹脂である。又は、ポリスチレン樹脂である。又は、ポリカーボネート樹脂である。又は、前記樹脂の混合物や共重合体である。
VOC(揮発性有機化合物)対策の観点から、前記樹脂は、好ましくは、水溶性樹脂である。例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリアクリル酸(PAA)、又はセルロース誘導体である。
繊維は、好ましくは、前記樹脂除去工程(熱処理工程:加熱工程)において、溶融や融着が起きない繊維である。この観点から、前記樹脂は、好ましくは、熱分解性樹脂である。熱分解性樹脂は、樹脂を加熱した場合、熱変形(溶融、融着)する前に、熱分解する樹脂である。例えば、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアクリル酸(PAA)、又は全芳香族ポリアミド樹脂(アラミド)である。
前記樹脂は、好ましくは、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、又はポリアクリル酸(PAA)である。特に好ましい樹脂は、ポリビニルアルコールである。
前記溶媒は、好ましくは、静電紡糸時に揮発する溶媒である。前記溶媒は、例えば、水である。又は、酸(酢酸、蟻酸など)である。又は、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、アミルアルコール、イソアミルアルコール、シクロヘキサノールなど)である。又は、エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)である。又は、エーテル(例えば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフランなど)である。又は、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)である。又は、非プロトン性極性溶媒(例えば、N,N’−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ジメチルアセトアミドなど)である。又は、ハロゲン化炭化水素(例えば、クロロホルム、テトラクロロメタン、ヘキサフルオロイソプロピルアルコールなど)である。又は、前記化合物の混合物である。
VOC(揮発性有機化合物)対策の観点から、好ましい溶媒は、水、アルコール、又はこれ等の混合物である。特に好ましい溶媒は水である。
炭素粒子として、例えばカーボンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブなどが知られている。本工程Iで用いられる炭素粒子はピッチである。好ましいピッチは硬ピッチ又はメソフェーズピッチである。特にメソフェーズピッチである。本発明では、ピッチ以外の炭素粒子が併用される場合もある。ピッチは、実質的に、炭素のみからなる。ピッチは前記溶媒に溶解しない。前記メソフェーズピッチは、好ましくは、その固定炭素量が50〜100%(より好ましくは70〜95%。更に好ましくは80〜90%)である。前記メソフェーズピッチは、好ましくは、その融点が250〜400℃(より好ましくは280〜350℃。更に好ましくは300〜330℃)である。前記炭素粒子は、好ましくは、その粒径(分散液における炭素粒子の粒径)が10〜1000nm(より好ましくは50nm以上。更に好ましくは100nm以上。より好ましくは500nm以下。更に好ましくは300nm以下。)である。
前記ピッチ分散液は、強度や導電性の観点から、必要に応じて、カーボンナノチューブを含有する。カーボンナノチューブは、例えばシングルウォールカーボンナノチューブ(SWNT)である。若しくは、マルチウォールカーボンナノチューブ(MWNT)である。又は、これ等の混合物である。実用性の観点から、マルチウォールカーボンナノチューブ(MWNT)が用いられる。カーボンナノチューブの含有には、カーボンナノチューブ粉体(又はカーボンナノチューブ分散液)がピッチ分散液に添加される方法が採用される。前記カーボンナノチューブ分散液と前記ピッチ分散液との混合は好ましい。前記カーボンナノチューブの量は、好ましくは、前記ピッチ100質量部に対して、0.01〜10質量部(より好ましくは0.1〜1質量部)である。
前記ピッチ(炭素粒子)分散液は、必要に応じて、黒鉛化助触媒を含有する。黒鉛化助触媒は黒鉛化度を促進させる作用を持つ触媒である。前記黒鉛化助触媒は、例えば、ホウ素類(例えば、ホウ素、ホウ酸エステル、炭化ホウ素など)やケイ素類(例えば、ケイ素、ケイ酸エステル、炭化ケイ素など)である。好ましい黒鉛化助触媒は炭化ホウ素または炭化ケイ素である。前記黒鉛化助触媒の量は、好ましくは、炭素粒子に対して、1〜10000質量ppm(より好ましくは10〜1000質量ppm)である。前記黒鉛化助触媒が液体の場合、前記黒鉛化助触媒と前記ピッチ分散液とが混合される。前記黒鉛化助触媒が粉体の場合、先ず、黒鉛化助触媒の分散液が作製される。そして、この分散液と前記ピッチ分散液とが混合される。
前記ピッチ分散液は、必要に応じて、分散剤を含有する。前記分散剤は、例えば界面活性剤または高分子である。前記分散剤の量は、好ましくは、ピッチ100質量部に対して、1〜200質量部(より好ましくは10〜100質量部)である。
前記樹脂と前記ピッチとは、好ましくは、次の割合である。前記樹脂が多すぎると、炭化後に残る炭素分が少なくなる。逆に、前記樹脂が少なすぎると、静電紡糸が困難になる。従って、好ましくは、前記樹脂100質量部に対して、前記ピッチが20〜200質量部(より好ましくは30〜150質量部)である。前記大径部と前記小径部とを有する炭素繊維を得たい場合、好ましくは、前記樹脂100質量部に対して、前記ピッチが50〜200質量部(より好ましくは70〜150質量部)である。
前記分散液における固形分(溶媒以外の成分)の濃度が高すぎると、紡糸が困難である。逆に、前記濃度が低すぎても、紡糸が困難である。従って、好ましくは、前記固形分の濃度が0.1〜50質量%(より好ましくは1〜30質量%。更に好ましくは5〜20質量%)である。
前記分散液の粘度が高すぎると、紡糸時に、延伸性が欠ける。逆に、前記粘度が低すぎると、紡糸が困難である。従って、前記分散液の粘度(紡糸時における粘度:粘度測定器は共軸二重円筒型粘度計)は、好ましくは、10〜10000mPa・S(より好ましくは50〜5000mPa・S。更に好ましくは500〜5000mPa・S)である。
前記分散液の作製には混合工程と微細化工程とを有する。前記混合工程は、前記樹脂と前記ピッチとが混合される工程である。前記微細化工程は、前記ピッチが微細化される工程である。前記微細化工程は、例えば前記ピッチにせん断力が付与される工程である。これにより、ピッチが微細化される。前記混合工程と前記微細化工程とは、どちらが先でも良い。同時に行われても良い。
前記混合工程においては、前記樹脂と前記ピッチとの双方が粉体の場合と、一方が粉体で他方が溶液(分散液)の場合と、双方が溶液(分散液)の場合とが有る。操作性の観点から、好ましくは、前記樹脂および前記ピッチが、共に、溶液(分散液)の場合である。
前記微細化工程では、例えばメディアレスビーズミルが用いられる。或いは、ビーズミルが用いられる。又は、超音波照射機が用いられる。異物の混入を防ぎたい場合、好ましくは、メディアレスビーズミルが用いられる。炭素粒子の粒径を制御したい場合、好ましくは、ビーズミルが用いられる。簡便な操作で行いたい場合、好ましくは、超音波照射機が用いられる。本発明においては、ピッチ(炭素粒子)の粒径制御が大事であるから、好ましくは、ビーズミルが用いられる。
前記分散液において、前記ピッチの粒径が大きすぎると、繊維径が大きくなり過ぎる。前記ピッチの粒径が小さすぎると、分散状態が不安定となる。従って、前記粒径は、好ましくは、1nm〜10μm(より好ましくは100nm〜1μm)である。
[静電紡糸工程(炭素繊維前駆体からなる不織布の作製工程)(工程II)]
本工程では静電紡糸装置が用いられる。
例えば、図1の静電紡糸装置が用いられる。図1中、1は、ポンプタイプの紡糸原液供給装置である。2はノズルタイプの吐出口である。3は電圧印加装置である。4は捕集体である。捕集体4はアースされている。前記分散液(紡糸原液)が、吐出口2から捕集体4に向けて飛散させられる。この飛散時に、溶媒が揮発する。吐出口2からの紡糸原液は、電界(電圧印加装置3によって印加された電界(吐出口2と捕集体4との間の電界))によって、延伸作用を受ける。紡糸原液は、その溶媒が揮散しながら、捕集体4に到達する。捕集体4に到達した時点において、紡糸原液は繊維状(溶媒が除かれた繊維状)になっている。この繊維状物が集積(堆積)して不織布となる。
紡糸原液供給装置は図1の装置に限定されない。紡糸原液供給装置1は、例えばシリンジポンプ、チューブポンプ、或はディスペンサである。紡糸原液供給装置は、パンタイプの紡糸原液供給装置(図2参照。5:パンタイプの紡糸原液供給装置、6:ドラムタイプの吐出口)であっても良い。吐出口は、ノズル状の場合、内径が0.1〜5mm(好ましくは、0.5〜2mm)である。吐出口は、金属製あるいは非金属製である。ドラムタイプの場合、胴回りは、平板状あるいはワイヤ状である。ドラムタイプの場合は、吐出口は金属製である。
前記電圧印加装置3は、例えば直流高電圧発生装置である。或いは、ヴァン・デ・グラフ起電機である。ノズルタイプ吐出口が用いられた場合、好ましい印加電圧は5〜50kV程度である。ドラムタイプ吐出口が用いられた場合、好ましい印加電圧は10〜200kV程度である。
前記電界強度は、例えば0.1〜5kV/cmである。電界強度が5kV/cmを越えると、空気の絶縁破壊が起き易い。電界強度が0.1kV/cm未満の小さな場合、紡糸原液の延伸が不十分である。この為、繊維化が困難である。
前記捕集体4は対向電極である。但し、対向電極でない場合もある。すなわち、捕集体が吐出口と対向電極との間に設置された場合、この捕集体は対向電極では無い。捕集体4が対向電極である場合、捕集体4は、好ましくは、体積抵抗が10E9Ω・m以下の導電性材料(例えば、金属)で構成される。捕集体は、例えば不織布で構成される。或いは、織物、編物、ネット、平板、ベルト等で構成される。水や有機溶媒などの液体で構成される場合も有る。枚様式で構成される場合や、ロールトゥーロールの連続式で構成される場合が有る。生産効率の観点からは、捕集体4は連続式のものが好ましい。
吐出口2と捕集体4との距離が短すぎると、溶媒が蒸発しない。前記距離が長すぎると、必要電圧が高くなる。好ましい距離は5cm〜1mである。より好ましい距離は10〜70cmである。
本工程で得られた不織布は炭素繊維前駆体で構成されている。炭素繊維前駆体は、熱処理前の樹脂と炭素粒子(ピッチ)との混合物である。取扱性から、前記不織布は適度な厚みを有する。炭化(黒鉛化)後において、好ましくは、厚みが0.1μm〜10mm(より好ましくは1μm以上。更に好ましくは10μm以上。より好ましくは1mm以下。更に好ましくは500μm以下。)である。炭化(黒鉛化)後において、好ましくは、目付量が1g/m〜1000g/m(より好ましくは10g/m〜500g/m)である。
凹凸を有する炭素繊維(大径部と小径部とを有する炭素繊維)の場合、本発明の特長が大きく奏される。炭素繊維が表面に凹凸を有する形状の場合、この炭素繊維の表面積は大きい。この結果、本発明の特長が大きく奏される。前記繊維は、好ましくは、次の大きさの繊維である。炭化(黒鉛化)後において、好ましくは、前記小径部の直径が10nm〜1μm(より好ましくは20nm以上。より好ましくは500nm以下。)であった。炭化(黒鉛化)後において、好ましくは、前記大径部の直径が20nm〜2μm(より好ましくは50nm以上。更に好ましくは100nm以上。より好ましくは1.5μm以下。更に好ましくは1μm以下。)であった。勿論、条件[(前記大径部における直径(直径の平均値))>(前記小径部における直径(直径の平均値))]が満たされる。本発明が目的とする効果が大きく奏されるのは、[(前記大径部における直径の最大値)/(前記小径部における直径の最小値)]が1.1〜100(より好ましくは2以上。より好ましくは50以下。更に好ましくは20以下)の場合であった。前記大径部が大きくなり過ぎると、前記繊維が切れ易くなった。前記大径部が小さ過ぎると、本発明が目的とする効果が小さかった。炭化(黒鉛化)後において、好ましくは、前記小径部の長さが10nm〜10μm(より好ましくは、50nm〜1μm)であった。前記小径部の長さが短すぎても、長すぎても、本発明が目的とする効果が小さかった。炭化(黒鉛化)後において、好ましくは、前記大径部の長さが50nm〜10μm(より好ましくは500nm〜3μm)であった。前記大径部は、その長さが短すぎても、長すぎても、本発明が目的とする効果が小さかった。炭化(黒鉛化)後において、好ましくは、前記炭素繊維の長さ(1本の全長)が0.1〜1000μm(より好ましくは10μm〜500μm、粉砕して用いる場合は0.5〜10μm)であった。前記繊維が短すぎた場合、本発明が目的とする効果が小さかった。
前記繊維は、炭化(黒鉛化)後において、好ましくは、比表面積(BET比表面積)が1〜100m/g(より好ましくは2〜50m/g)であった。
前記繊維は、炭化(黒鉛化)後において、好ましくは、そのX線回折測定において、黒鉛構造(002)由来のピークが25°〜30°(2θ)の範囲に有る。前記ピークの半値幅は0.1〜2(より好ましくは0.1〜1)である。前記半値幅が大きすぎる場合、黒鉛の結晶性が悪い。蓄電池として用いた場合、性能が劣っていた。
前記繊維は、炭化(黒鉛化)後において、好ましくは、条件D[ID/IG=0.1〜2]を満たす。より好ましくは、前記比が0.1〜1である。前記比が大きすぎる場合、黒鉛の結晶性が悪い。蓄電池として用いた場合、性能が劣るものであった。
前記炭素繊維は、好ましくは、条件E[L/(S)1/2=5〜300]を満たす。より好ましくは、前記比が50〜200であった。SEM観察を行う際、好ましくは、測定範囲に入る繊維の数が50本以上である。すなわち、50本以上の場合、測定誤差が小さなものであった。本演算処理を行ったプログラムは、ソフト名「imageJ」(米国立精神衛生/神経疾患・脳卒中研究所
研究支援ブランチHP http://rsb.info.nih.gov//ij/index.htmlである。
本発明の不織布を構成する炭素繊維は、好ましくは、前記特徴を有する炭素繊維である。しかしながら、前記特徴を有さない炭素繊維が含まれていても良い。例えば、(本発明の特徴を有する炭素繊維の量)/(本発明の特徴を有する炭素繊維の量+本発明の特徴を有さない炭素繊維の量)≧0.5であれば、本発明の特徴が大きく損なわれるものではなかった。好ましくは、前記比が0.6以上である。より好ましくは、前記比が0.7以上である。更に好ましくは、前記比が0.8以上である。もっと好ましくは、前記比が0.9以上である。
前記炭素繊維前駆体製の不織布が複数枚積層されても良い。積層された不織布がロールなどで圧縮されても良い。すなわち、圧縮により、膜厚や密度が、適宜、調節される。
炭素繊維前駆体からなる不織布が捕集体から剥離して取り扱われる。或は、前記不織布が捕集体に付着したままで取り扱われる。
[変性工程(工程III)]
[前記前駆体製不織布の熱処理(工程III−1)]
炭素繊維製の不織布が前記炭素繊維前駆体製の不織布から得られる。これは、前記炭素繊維前駆体が炭素繊維に変性されることで得られる。変性処理は、例えば熱処理である。特に、酸化性ガス雰囲気下での熱処理である。この熱処理により、前記炭素繊維前駆体を構成している樹脂が除去される。すなわち、炭素粒子以外の炭素源が除去される。かつ、前記炭素粒子の不融化が行われる。
本工程は、好ましくは、前記静電紡糸工程(前記工程II)の後で行われる。
本工程における酸化性ガスは、酸素原子を含有した化合物、又は電子アクセプター化合物である。前記酸化性ガスは、例えば空気、酸素、ハロゲンガス、二酸化窒素、オゾン、水蒸気、又は二酸化炭素である。これらの中でも、コストパフォーマンスと、低温での速やかな不融化の観点から、好ましくは、空気である。或いは、ハロゲンガスを含むガスである。前記ハロゲンガスは、例えばフッ素、ヨウ素、臭素などである。中でもヨウ素である。又は、前記成分の混合ガスである。
前記熱処理の温度は、好ましくは、100〜400℃(より好ましくは150〜350℃)である。前記熱処理の時間は、好ましくは、3分〜24時間(より好ましくは5分〜2時間)である。
本工程で不融化炭素繊維前駆体製不織布が得られる。この不融化炭素繊維前駆体は、好ましくは、その軟化点が400℃(より好ましくは500℃)以上である。
前記樹脂が結晶性樹脂の場合、好ましくは、本工程に先立って、前記樹脂は結晶化処理が施される。すなわち、好ましくは、前記樹脂は、ガラス転移温度以上で、融点以下の温度に、約1分〜1時間保持される。ポリビニルアルコールは、ガラス転移温度が約50〜90℃、融点が約150〜250℃である。
本工程は枚様式で行われる。或いは、ロールトゥーロールで連続的に行われる。又は、ロール状態で熱処理される。生産性の観点から、好ましくは、ロールトゥーロールでの連続的熱処理である。
[炭化処理(工程III−2)]
炭素繊維製の不織布を得る為、好ましくは、炭化処理が行われる。この炭化処理は熱処理である。好ましくは、不活性ガス雰囲気下での熱処理である。本工程を経て、前記不融化炭素繊維前駆体が炭素繊維になる。本工程は、好ましくは、前記工程III−1の後に行われる。
本工程における不活性ガスは、炭化処理中に、不融化炭素繊維前駆体と化学反応しないガスである。例えば、窒素、アルゴン、クリプトン等である。これらの中でも、コストの観点から、好ましくは、窒素ガスである。
本工程の処理温度は、好ましくは、500〜2000℃(より好ましくは600〜1500℃)である。500℃未満の低い温度では、炭化が進み難い。2000℃を越えた高い温度では、黒鉛化が起きる。但し、後述の黒鉛化処理が行われる場合、2000℃を越える昇温は差し支えない。本工程の処理時間は、好ましくは、5分〜24時間(より好ましくは30分〜2時間)である。
[黒鉛化処理(工程III−3)]
好ましくは、黒鉛化処理が行われる。黒鉛化処理は、好ましくは、不活性ガス雰囲気下で行われる。本工程は、不織布がリチウムイオン電池の負極材などに用いられる場合、大事な工程である。本工程は、好ましくは、前記工程III−2の後に行われる。
本工程において、不活性ガスは、黒鉛化処理中に、炭素繊維製前駆体と化学反応しないガスである。例えば、アルゴン、クリプトン等である。窒素ガスは、電離を起こすので、好ましくない。
本工程の処理温度は、好ましくは、2000〜3500℃(より好ましくは2300〜3200℃)である。処理時間は、好ましくは、1時間以下(より好ましくは0.1〜10分)である。
本工程は前記温度に保持することで実施される。特に、炭素繊維不織布への通電により実施される。すなわち、通電で発生するジュール熱により前記温度に保持される。マイクロ波加熱によっても、黒鉛化が可能である。製造コストの観点から、黒鉛化処理は、好ましくは、通電加熱である。特に、好ましくは、ロールトゥーロールを用いた連続処理である。
[繊維化処理(工程IV)]
本工程は、前記工程で得られた不織布から炭素繊維を得る工程である。本工程は、例えば前記工程II、前記工程III−1、若しくは前記工程III−2、又は前記工程III−3で得られた不織布が粉砕される工程である。好ましくは、前記工程III−2,III−3で得られた不織布が粉砕される工程である。不織布の粉砕によって繊維が得られる。
粉砕には、例えばカッタミル、ハンマーミル、ピンミル、ボールミル、又はジェットミルが用いられる。湿式法、乾式法の何れの方法でも採用できる。但し、非水系電解質二次電池などの用途に用いられる場合は、乾式法の採用が好ましい。
[電極]
前記炭素繊維不織布(又は前記炭素繊維)は、電気素子(電子素子も電気素子の中に含まれる)の部材に用いられる。例えば、蓄電池、キャパシタ、燃料電池などの部材に用いられる。
前記炭素繊維不織布(又は前記炭素繊維)は、蓄電池の電極に応用される。蓄電池は、例えば鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、ナトリウム硫黄電池、レドックスフロー電池などである。中でも、リチウムイオン電池である。前記電極は、好ましくは、負極である。好ましくは負極活物質である。好ましくは導電剤である。
リチウムイオン電池は正極、負極、セパレータ、電解液などの部材からなる。正極や負極は次のようにして構成される。すなわち、活物質、導電剤、結着剤などを含む混合物が、集電体(例えば、アルミ箔や銅箔など)上に積層されることで構成される。
負極活物質として、難黒鉛化性炭素、易黒鉛化性炭素、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維、又は活性炭などの炭素材料が挙げられる。リチウムと合金を形成可能な金属元素の単体、合金および化合物、並びにリチウムと合金を形成可能な半金属元素の単体、合金および化合物からなる群の中の少なくとも一種を含んでいるものが用いられる(これらを以下合金系負極活物質と称する)。
前記金属元素あるいは半金属元素としては、スズ(Sn),鉛(Pb),アルミニウム,インジウム(In),ケイ素(Si),亜鉛(Zn),アンチモン(Sb),ビスマス(Bi),カドミウム(Cd),マグネシウム(Mg),ホウ素(B),ガリウム(Ga),ゲルマニウム(Ge),ヒ素(As),銀(Ag),ジルコニウム(Zr),イットリウム(Y)またはハフニウム(Hf)が挙げられる。
具体的な化合物例としては、LiAl,AlSb,CuMgSb,SiB,SiB,MgSi,MgSn,NiSi,TiSi,MoSi,CoSi,NiSi,CaSi,CrSi,CuSi,FeSi,MnSi,NbSi,TaSi,VSi,WSi,ZnSi,SiC,Si,SiO,SiOv (0<v≦2),SnOw (0<w≦2),SnSiO,LiSiOあるいはLiSnOなどがある。
リチウムチタン複合酸化物(スピネル型、ラムステライト型等)も好ましい。
正極活物質は、リチウムイオンを吸蔵および放出できる物質であれば良い。好ましい例としては、例えばリチウム含有複合金属酸化物、オリビン型リン酸リチウムなどが挙げられる。
リチウム含有複合金属酸化物は、リチウムと遷移金属とを含む金属酸化物である。或いは、金属酸化物中の遷移金属の一部が異種元素によって置換された金属酸化物である。遷移金属元素として、コバルト、ニッケル、マンガン、鉄の群の中の少なくとも一種以上を含有するものがより好ましい。
リチウム含有複合金属酸化物の具体例としては、例えばLiCoO,LiNiO,LiMnO,LiCoNi1−m,LiCo1−m,LiNi1−m,LiMn,LiMn2−mMnO(Mは、Na,Mg,Sc,Y,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Al,Cr,Pb,Sb,Bの群の中から選ばれる少なくとも一つの元素である。k=0〜1.2,m=0〜0.9,n=2.0〜2.3)などが挙げられる。
オリビン型結晶構造を有し、一般式LiFe1−yPO(Mは、Co,Ni,Cu,Zn,Al,Sn,B,Ga,Cr,V,Ti,Mg,Ca,Srの群の中から選ばれる少なくとも一つの元素である。0.9<x<1.2,0≦y<0.3)で表される化合物(リチウム鉄リン酸化物)を用いることも出来る。このようなリチウム鉄リン酸化物としては、例えばLiFePOが好適である。
リチウムチオレートとしては、ヨーロッパ特許第415856号公報に述べられている一般式X−S−R−S−(S−R−S)n−S−R−S−X′で表される化合物が用いられる。

セパレータは、合成樹脂(例えばポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン,ポリプロピレンあるいはポリエチレン等)製の多孔質膜、又はセラミック製の多孔質膜により構成される。2種以上の多孔質膜が積層されたものでも良い。
電解液は非水溶媒と電解質塩とを含有する。非水溶媒は、例えば環状炭酸エステル(炭酸プロピレン、炭酸エチレン等)、鎖状エステル(炭酸ジエチル、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル等)、エーテル類(γ−ブチロラクトン、スルホラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等)である。これらは単独でも、複数種の混合物でも良い。炭酸エステルは、酸化安定性の観点から、好ましい。
電解質塩は、例えばLiBF,LiClO,LiPF,LiSbF,LiAsF,LiAlCl,LiCFSO,LiCFCO,LiSCN、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiBCl,LiB10Cl10、ハロゲン化リチウム(LiCl,LiBr,LiI等)、ホウ酸塩類(ビス(1,2−ベンゼンジオレート(2−)−O,O’)ホウ酸リチウム、ビス(2,3−ナフタレンジオレート(2−)−O,O’)ホウ酸リチウム、ビス(2,2’−ビフェニルジオレート(2−)−O,O’)ホウ酸リチウム、ビス(5−フルオロ−2−オレート−1−ベンゼンスルホン酸−O,O’)ホウ酸リチウム等)、イミド塩類(LiN(CFSO,LiN(CFSO)(CSO)等)である。LiPF,LiBFなどのリチウム塩は好ましい。LiPFは特に好ましい。
電解液として、高分子化合物に電解液が保持されたゲル状の電解質が用いられても良い。前記高分子化合物は、例えばポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデンとポリヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、ポリスチレン、ポリカーボネート等である。電気化学的安定性の観点から、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンオキサイドの構造を持つ高分子化合物が好ましい。
導電剤は、例えばグラファイト(天然黒鉛、人造黒鉛など)、カーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等)、導電性繊維(炭素繊維、金属繊維)、金属(Al等)粉末、導電性ウィスカー(酸化亜鉛、チタン酸カリウムなど)、導電性金属酸化物(酸化チタン等)、有機導電性材料(フェニレン誘導体など)、フッ化カーボン等である。
結着剤は、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ヘキシル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ヘキシル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリエーテル、ポリエーテルサルホン、ヘキサフルオロポリプロピレン、スチレンブタジエンゴム、変性アクリルゴム、カルボキシメチルセルロース等である。
リチウムイオン電池の負極は、一般的には、負極活物質(例えば、黒鉛材)7が集電極板(例えば、銅箔)8上に積層されたものである(図3参照)。本発明の材料は、負極活物質と集電極との両方に用いることが出来る。本発明の材料は、負極活物質のみに用いることが出来る。本発明による材料を活物質に用いる場合、不織布のままで用いることが出来る。或いは、粉砕して粉末状にして用いることも出来る。粉末状にして用いる場合、前記炭素繊維のみで構成することが出来る。尚、従来の活物質と併用しても良い。併用の場合、全負極活物質の量に対する前記炭素繊維の量が0.1〜50質量%であることが好ましい。1〜30質量%の場合が更に好ましい。1〜10質量%の場合が特に好ましい。
前記炭素繊維不織布(又は前記炭素繊維)は導電助剤としても用いられる。リチウムイオン電池の正極にはコバルト酸リチウムなど導電性のない材料が使われている。前記炭素繊維不織布(又は前記炭素繊維)が用いられた場合、内部抵抗が低減される。リチウムイオン電池において、導電性の低い合金系の負極材が用いられた場合、負極の導電助剤として前記炭素繊維不織布(又は前記炭素繊維)が利用できる。導電助剤の量は、電極に用いる全活物質量に対して、0.1〜20質量%である。より好ましくは、0.5〜10質量%である。特に好ましくは0.5〜3質量%である。
前記炭素繊維不織布(又は前記炭素繊維)は、リチウムイオン電池において、合金系の負極活物質の母材として用いられる。ケイ素やスズと炭素材料との合金が負極活物質として用いられた場合、充・放電容量が大きい。ところが、この場合、充・放電による活物質の体積変化が大きい問題が有る。ところで、前記炭素繊維不織布(又は前記炭素繊維)には空隙が存在する。従って、前記炭素繊維不織布(又は前記炭素繊維)上に前記合金(負極活物質)が積層された場合、即ち、前記炭素繊維不織布(又は前記炭素繊維)が負極活物質の母材として用いられた場合、充・放電時における活物質の体積変化の緩和が図られる。よって、サイクル特性の高いリチウムイオン電池が得られる。前記炭素繊維不織布(又は前記炭素繊維)と合金系負極活物質とは次のような割合が好ましい。前記炭素繊維不織布(又は前記炭素繊維)に対し合金系負極活物質が0.01〜1000質量%である。更には、0.1〜100質量%である。特に、0.1〜30質量%である。
前記炭素繊維不織布(又は前記炭素繊維)に合金系負極活物質を付与する為には、前記炭素繊維不織布(又は前記炭素繊維)を負極活物質含有溶液中に浸す方法が用いられる。或いは、負極活物質含有溶液塗布方法が用いられる。又は、物理的堆積法あるいは化学的堆積法が用いられても良い。例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、又はレーザーアブレーション法が用いられても良い。CVD(Chemical Vapor Deposition ;化学気相成長)法が用いられても良い。熱CVD法やプラズマCVD法が用いられても良い。上記乾式メッキ法の代わりに湿式メッキ法が用いられても良い。例えば、電気メッキ法、或いは無電解メッキ法が用いられても良い。その他にも、焼結法が用いられても良い。例えば、雰囲気焼結法,反応焼結法、又はホットプレス焼結法が用いられても良い。
前記炭素繊維不織布(又は前記炭素繊維)は、キャパシタの電極に応用される。前記キャパシタは電気二重層キャパシタである。前記キャパシタはリチウムイオンキャパシタである。前記電極は、好ましくは、負極である。リチウムイオンキャパシタの負極は、一般的には、負極活物質(例えば、黒鉛材)9が集電極板(例えば、銅箔)10上に積層されている(図4参照)。本発明による材料は、負極活物質と集電極との両方に用いられる。本発明による材料は、負極活物質のみに用いられる。本発明による材料が活物質のみに用いられる場合、不織布のまま用いることが出来る。或いは、粉砕して粉末状にして用いても良い。
前記炭素繊維不織布(又は前記炭素繊維)は、燃料電池の多孔質炭素電極基材に応用される。前記燃料電池は固体高分子型燃料電池である。前記電極は、好ましくは、燃料極である。固体高分子型燃料電池の燃料極は、一般的には、多孔質炭素電極基材11上に、白金担持カーボンと高分子電解質からなる触媒層12が積層されたものである(図23)。
[フィルタ]
前記炭素繊維不織布(又は前記炭素繊維)は、粒子の捕集あるいは分級に用いられる。すなわち、フィルタとして用いられる。
以下、具体的な実施例を挙げて説明する。しかし、本発明は、以下の実施例に限定されない。
[実施例]
[実施例1]
100gのポリビニルアルコール(商品名:ポバール117:株式会社クラレ製)と、120gのメソフェーズピッチ(商品名:AR:三菱ガス化学株式会社社製)と、800gの水とが、ビーズミルで、混合された。これにより、ポリビニルアルコールが溶解したメソフェーズピッチ分散液が作製された。この分散液中の炭素粒子の粒径は200nm(測定装置:LA−950:株式会社堀場製作所製)であった。分散液の粘度は4500mPa・S(測定装置:BH型粘度計:TOKIMEC製)であった。
静電紡糸装置(図1参照 ノズル径;1.0mm 捕集体(集電極);アルミ箔 ノズルと捕集体との距離;10cm 電圧;10kV)が用いられた。すなわち、上記分散液を用いて静電紡糸が行われた。炭素繊維前駆体製の不織布が捕集体上に作製された。
上記不織布が積層された。この積層不織布に対して、空気中において、150℃で、10分間の加熱が行われた。この後、300℃にて、1時間の加熱が行われた。
この後、アルゴンガス雰囲気下で、900℃までの加熱が行われた。
次いで、黒鉛化炉にて、2800℃までの加熱が行われた。
上記のようにして本発明になる黒鉛化炭素繊維不織布が得られた。
本実施例で得られた黒鉛化炭素繊維不織布のSEM写真(SEM装置:装置名:VE−8800 株式会社KEYENCE製)が図5に示される。これによれば、不織布を構成する繊維は、凹凸を有するものであった。すなわち、前記繊維は、大径部(直径:約500〜1000nm)と、小径部(直径:約100〜200nm)とを有するものであった。前記大径部の長さは約500〜1000nmであった。前記小径部の長さ(前記大径部と前記大径部との間の距離)は約500〜1000nmであった。
前記不織布の厚みは125μmであり、目付量は210g/mであった。BET表面積(測定装置:株式会社島津製作所製)は10.8m/gであった。
本実施例で得られた黒鉛化炭素繊維不織布のXRD測定結果(XRD装置:株式会社リガク製)が図6に示される。この最大ピークにおける半値幅は0.95であった。
本実施例で得られた黒鉛化炭素繊維不織布のラマン測定結果(ラマン測定装置:株式会社島津製作所製)が図7に示される。これによれば、ID/IGは0.87であった。
上記SEM写真を用いてS/Lの測定が行われた。すなわち、imageJ(米国立精神衛生/神経疾患・脳卒中研究所
研究支援ブランチHPhttp://rsb.info.nih.gov/ij/index.html)が用いられた。炭素繊維と炭素繊維以外の部分とが分けられ、炭素繊維部分の面積と周囲の長さとが測定された。処理後の画像が、図8に示される。この結果、L/(S)1/2=140であった。同様の画像を用いて測定した処、(大径部における直径の最大値)/(小径部における直径の最小値)=10であった。
[実施例2]
実施例1において、メソフェーズピッチ量が100gである以外は、同様に行われた。その結果が、表1に示される。本例の黒鉛化炭素繊維不織布のSEM写真(SEM装置:VE−8800 株式会社KEYENCE製)が図9に示される。又、SEM写真の画像解析に用いられた画像が、図10に示される。
[実施例3]
100gのポリエチレンオキサイド(商品名:ポリエチレングリコール2,000,000:和光純薬工業株式会社製)と、200gのメソフェーズピッチ(商品名:AR)と、700gの水とが、ビーズミルで、混合された。これにより、ポリエチレンオキサイドが溶解したメソフェーズピッチ分散液が作製された。この分散液中の炭素粒子の粒径は150nm(測定装置:LA−950)であった。分散液の粘度は100mPa・S(測定装置:BH型粘度計)であった。
この分散液を用いて、実施例1と同様にして、静電紡糸が行われた。すなわち、炭素繊維前駆体製の不織布が捕集体上に作製された。
上記不織布が積層された。この積層不織布に対して、空気中において、100℃で、1時間の加熱が行われた。この後、200℃にて、1時間の加熱が行われた。
この後、アルゴンガス雰囲気下で、900℃までの加熱が行われた。
次いで、黒鉛化炉にて、2400℃までの加熱が行われた。
上記のようにして本発明になる黒鉛化炭素繊維不織布が得られた。
本例の不織布の特性が表1に示される。
[実施例4]
20gのポリアクリル酸(商品名:アクアリックAS58:株式会社日本触媒製)と、30gのメソフェーズピッチ(商品名:AR)と、950gの水とが、ビーズミルで、混合された。これにより、ポリアクリル酸が溶解したメソフェーズピッチ分散液が作製された。この分散液中の炭素粒子の粒径は400nm(測定装置:LA−950)であった。分散液の粘度は120mPa・S(測定装置:BH型粘度計)であった。
この分散液を用いて、実施例1と同様にして、静電紡糸が行われた。すなわち、炭素繊維前駆体製の不織布が捕集体上に作製された。
上記不織布が積層された。この積層不織布に対して、空気中において、150℃で、1時間の加熱が行われた。この後、300℃にて、1時間の加熱が行われた。
この後、アルゴンガス雰囲気下で、900℃までの加熱が行われた。
次いで、黒鉛化炉にて、2800℃までの加熱が行われた。
上記のようにして本発明になる黒鉛化炭素繊維不織布が得られた。
本例の不織布の特性が表1に示される。
[実施例5]
100gのポリビニルブチラール(商品名:Mowital:株式会社クラレ製)と、100gのメソフェーズピッチ(商品名:AR)と、800gのイソプロピルアルコールとが、ビーズミルで、混合された。これにより、ポリビニルブチラールが溶解したメソフェーズピッチ分散液が作製された。この分散液中の炭素粒子の粒径は350nm(測定装置:LA−950)であった。分散液の粘度は320mPa・S(測定装置:BH型粘度計)であった。
この分散液を用いて、実施例1と同様にして、静電紡糸が行われた。すなわち、炭素繊維前駆体製の不織布が捕集体上に作製された。
得られた不織布に対して、空気中において、150℃で、2時間の加熱が行われた。この後、300℃にて、1時間の加熱が行われた。
この後、アルゴンガス雰囲気下で、900℃までの加熱が行われた。
次いで、黒鉛化炉にて、2800℃までの加熱が行われた。
上記のようにして本発明になる黒鉛化炭素繊維不織布が得られた。
本例の不織布の特性が表1に示される。
[実施例6]
実施例1において、メソフェーズピッチ量が190gである以外は、同様に行われた。その結果が、表1に示される。
[実施例7]
実施例1において、メソフェーズピッチ量が150gである以外は、同様に行われた。その結果が、表1に示される。
[実施例8]
実施例1において、メソフェーズピッチ量が70gである以外は、同様に行われた。その結果が、表1に示される。
[実施例9]
実施例1において、メソフェーズピッチ量が50gである以外は、同様に行われた。その結果が、表1に示される。
[実施例10]
実施例1において、メソフェーズピッチ量が30gである以外は、同様に行われた。その結果が、表2に示される。
[実施例11]
実施例1において、メソフェーズピッチ量が220gである以外は、同様に行われた。その結果が、表2に示される。
[実施例12]
実施例1において、メソフェーズピッチ量が10gである以外は、同様に行われた。その結果が、表2に示される。
[実施例13]
実施例1において、ポリビニルアルコール量が60g、メソフェーズピッチ量が70g、水が870gである以外は、同様に行われた。その結果が、表2に示される。
本例の黒鉛化炭素繊維不織布のSEM写真(SEM装置:VE−8800 株式会社KEYENCE製)が図11に示される。
[実施例14]
50gのカルボキシメチルセルロースアミン塩(商品名:アンモニウムCMC DN−400H:ダイセル化学工業株式会社製)と、50gのメソフェーズピッチ(商品名:AR)と、900gの水とが、ビーズミルで、混合された。これにより、カルボキシメチルセルロースアミン塩が溶解したメソフェーズピッチ分散液が作製された。この分散液中の炭素粒子の粒径は230nm(測定装置:LA−950)であった。分散液の粘度は8300mPa・S(測定装置:BH型粘度計)であった。
この分散液を用いて、実施例1と同様にして、静電紡糸が行われた。すなわち、炭素繊維前駆体製の不織布が捕集体上に作製された。
得られた不織布に対して、空気中において、300℃で、1時間の加熱が行われた。
この後、アルゴンガス雰囲気下で、900℃までの加熱が行われた。
次いで、黒鉛化炉にて、2800℃までの加熱が行われた。
上記のようにして本発明になる黒鉛化炭素繊維不織布が得られた。
本例の不織布の特性が表2に示される。
[実施例15]
100gのポリビニルアルコール(商品名:ポバール117)と、20gのメソフェーズピッチ(商品名:AR)と、800gの水とが、ビーズミルで、混合された。これにより、ポリビニルアルコールが溶解したメソフェーズピッチ分散液が作製された。この分散液中の炭素粒子の粒径は200nm(測定装置:LA−950)であった。分散液の粘度は4300mPa・S(測定装置 BH型粘度計)であった。
この分散液を用いて、実施例1と同様にして、静電紡糸が行われた。すなわち、炭素繊維前駆体製の不織布が捕集体上に作製された。
上記不織布が積層された。この積層不織布に対して、空気中において、150℃で、10分間の加熱が行われた。この後、300℃にて、1時間の加熱が行われた。
この後、アルゴンガス雰囲気下で、900℃までの加熱が行われた。
次いで、黒鉛化炉にて、2400℃までの加熱が行われた。
上記のようにして本発明になる黒鉛化炭素繊維不織布が得られた。
本例の不織布の特性が表2に示される。
[比較例1]
実施例1の分散液を用いてメルトフロー法による不織布の作製が試みられた。
しかしながら、不織布は得られなかった。
[比較例2]
実施例1の分散液(ポリビニルアルコールが溶解したメソフェーズピッチ分散液)の代わりに、ポリビニルアルコール水溶液(ポリビニルアルコール(商品名:ポバール117)100g。水900g。カーボンブラックやピッチは含まれない。)が用いられた以外は、同様に行われた。
本比較例2で得られた不織布の繊維の径は均一(50nm)であった。すなわち、1本1本における繊維は大径部と小径部とを持つものではなかった。
[実施例16]
乳鉢が用いられて、実施例1で得られた炭素繊維不織布が粉砕された。
粉砕によって炭素繊維が得られた。
この炭素繊維について、実施例1と同様な調査が行われた。その結果が表2に示される。本例の黒鉛化炭素繊維不織布のSEM写真(SEM装置:VE−8800 株式会社KEYENCE製)が図12に示される。又、SEM写真の画像解析に用いられた処理後の画像が、図13に示される。
[実施例17]
実施例16において実施例13で得られた炭素繊維不織布を用いた以外は同様に行われた。
この炭素繊維について、実施例1と同様な調査が行われた。その結果が表2に示される。本例の黒鉛化炭素繊維不織布のSEM写真(SEM装置:VE−8800 株式会社KEYENCE製)が図14に示される。
[比較例3]
非特許文献1に記載の例である。70gの熱可塑性樹脂(ポリ−4−メチルペンテン−1:TPX:グレードRT−18 三井化学株式会社製)と、30gのメソフェーズピッチ(商品名:AR)とが、ボールミル(P−7:Fritsch社製)により、混合された。この混合物が、240℃で、ニーダー(装置名:Laboratory Mixing Extruder Model CS−194AV:Atlas Electric Devices社製)により混練された。この混練物を用いてメルトブロー法による紡糸が行われた。紡糸条件は次の通りである。ノズルは0.5mmφの単孔ノズル(日本ノズル株式会社製)である。紡糸温度は380℃である。樹脂加圧は0.4MPaである。ブロー圧は3.5MPaである。得られた繊維は、酸素雰囲気下において、160℃で、24時間熱処理された。この後、窒素雰囲気下において、900℃で1時間、3000℃で30分間熱処理された。
このようにして得られた繊維のSEM写真が図15に示される。繊維径は100nm〜5μmであった。繊維径は、各繊維間において、大きなバラツキが認められた。但し、1本1本における繊維径は均一であった。すなわち、大径部と小径部とを持つものではなかった。
[比較例4]
非特許文献2に記載の例である。5gのポリアクリロニトリル(分子量86220:アルドリッチ社製)が45mlのDMFに溶解された。そして、静電紡糸(電圧:25kV 捕集板:アルミ箔 ノズル:0.5mmφ)が行われた。得られた不織布は、空気中において、280℃で1時間熱処理された。この後、アルゴン中において、2800℃で熱処理された。
得られた繊維のSEM写真が図16に示される。繊維径は均一(100nm)であった。すなわち、1本1本における繊維は大径部と小径部とを持つものではなかった。
[実施例18]
電極が作製された。この電極の負極活物質は実施例15の繊維である。
対極にリチウムが用いられ、充・放電測定が行われた。この結果が図17に示される。充放電容量は200mAh/gであった。
従って、実施例13の炭素繊維はリチウムイオン二次電池負極材に好適である。
[実施例19]
電極が作製された。この電極の負極活物質は実施例1の不織布である。
対極にリチウムが用いられ、充・放電測定が行われた。この結果が図18に示される。
従って、実施例1の不織布はリチウムイオン二次電池負極材に好適である。
[実施例20]
電極が作製された。この電極の負極活物質は実施例6の不織布である。
対極にリチウムが用いられ、充・放電測定が行われた。この結果、充・放電容量は210mAh/gであった。
従って、実施例6の不織布はリチウムイオン二次電池負極材に好適である。
[実施例21]
電極が作製された。この電極の負極活物質は実施例10の不織布である。
対極にリチウムが用いられ、充・放電測定が行われた。この結果、充・放電容量は150mAh/gであった。
従って、実施例10の不織布はリチウムイオン二次電池負極材に好適である。
[実施例22]
電極が作製された。この電極の負極活物質は実施例11の不織布である。
対極にリチウムが用いられ、充・放電測定が行われた。この結果、充・放電容量は220mAh/gであった。
従って、実施例11の不織布はリチウムイオン二次電池負極材に用いることが出来る。但し、不織布の取り扱いが実施例1の不織布に比べ困難であった。
[実施例23]
電極が作製された。この電極の負極活物質は実施例12の不織布である。
対極にリチウムが用いられ、充・放電測定が行われた。この結果、充・放電容量は100mAh/gであった。
従って、実施例12の不織布はリチウムイオン二次電池負極材に用いることが出来る。但し、実施例1に比べ充・放電容量は低下した。
[比較例5]
電極が作製された。この電極の負極活物質は比較例2の不織布である。
対極にリチウムが用いられ、充・放電測定が行われた。この結果、充・放電容量は0mAh/gであり、全く負極材として機能しなかった。
[比較例6]
コバルト酸リチウム(宝泉株式会社製)96g、ポリビニリデンジフルオリド(アルドリッチ社製)2g、アセチレンブラック(電気化学工業社製)2gが混合された。これにN−メチルピロリドンが加えられてペースト状になった。このペースト状物が、銅箔上に、乾燥後膜厚が20μmになるよう、バーコータでコートされた。この後、乾燥が行われ、リチウムイオン二次電池用正極が作製された。SEM写真が図19に示される。
この正極の表面電気抵抗が、4端子法(三菱化学アナリテック社製)により、測定された。その結果は、0.4Ω/□であった。
[実施例24]
比較例6において、アセチレンブラックの代わりに実施例17で得られた炭素繊維2gが用いられた以外は同様に行われた。そして、リチウムイオン二次電池用正極が作製された。SEM写真が図20に示される。
この正極の表面電気抵抗が、4端子法(三菱化学アナリテック社製)により、測定された。その結果は、0.2Ω/□であった。
[比較例7]
蒸着(蒸着装置:アルバック社製のUEP−4000)により、銅箔上にSi膜(膜厚:500nm)が設けられた。そして、負極が作製された。対極にリチウムが用いられた。
充・放電測定が行われた。この結果が図21に示される。初期サイクルの充・放電容量は580mAh/gであった。充・放電サイクルを繰り返す中に、容量が低下した。
[実施例25]
比較例7において、銅箔の代わりに実施例13で得られた炭素繊維不織布が用いられた以外は同様に行われた。炭素繊維不織布に対するSiは17質量%であった。対極にリチウムが用いられた。
充・放電測定が行われた。この結果が図22に示される。充・放電容量は667mAh/gであった。充・放電サイクルを繰り返しても容量の低下は少なかった。母材に銅箔を用いた比較例7と比較すると、サイクル特性が向上したことが判る。
[実施例26]
白金担持カーボンと高分子電解質との混合ペースト(株式会社ケミックス製)が、実施例8の不織布上に、コートされた。コート後、100℃で、10分間、乾燥が行われた。そして、固体高分子型燃料電池用燃料極用電極が作製された。この断面模式図が図23に、得られたサンプルのSEM写真が図24に示される。
得られた燃料極用電極と、空気極用電極、固体高分子電解質膜、カーボンセパレータ(いずれも株式会社ケミックス製)とが用いられ、固体高分子型燃料電池が作製された。
燃料極から水素を導入し、開回路電圧を測定した処、0.98Vであった。
[実施例27]
実施例17と同様な方法によって、実施例8の不織布に、最大容量の半分までリチウムが挿入され、負極が作製された。正極は活性炭で作製された。電解液は、6フッ化燐酸リチウム含有エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとが用いられて作製された。
4vまでの充電が行われた後、3vまで一定出力で放電が行われた。エネルギー密度と出力密度との相関関係が測定された。この結果が図25に示される。
比較例7と比べてハイレートでの容量が大きいことが判る。
[比較例8]
非特許文献3に記載の例である。負極に直径10μmの黒鉛粒子が用いられた以外は実施例27と同様な測定が行われた。この結果が図25に示される。
[実施例28]
直径400nmの炭素粒子分散液と直径10nmの酸化ケイ素分散液との混合溶液が用意された。この混合溶液の濾過が、実施例13の不織布(フィルタ)により、行われた。その結果、直径10nmの酸化ケイ素のみがろ過(通過)された。
[特性]
表1
Figure 0004697901
表2
Figure 0004697901
*SEM観察(*):(大径部における直径の最大値)/(小径部における直径の最小値)
この出願は、2010年1月21日に出願された日本出願特願2010−11457を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
1,5 紡糸原液供給装置
2,6 吐出口
3 電圧印加装置
4 捕集体
7,9 負極活物質
8,10 集電極板
11 多孔質炭素電極基材
12 触媒層

Claims (48)

  1. 炭素繊維製の不織布の製造方法であって、
    樹脂およびピッチを含む分散液が作製される分散液作製工程と、
    前記分散液から、静電紡糸により、炭素繊維前駆体からなる不織布が作製される静電紡糸工程と、
    前記静電紡糸工程で得られた不織布の炭素繊維前駆体が炭素繊維に変性する変性工程
    とを有することを特徴とする炭素繊維製不織布製造方法。
  2. 前記変性工程は、前記静電紡糸工程で得られた不織布が50〜4000℃に加熱される工程を有する
    ことを特徴とする請求項1の炭素繊維製不織布製造方法。
  3. 前記変性工程は、前記静電紡糸工程で得られた不織布に含まれる樹脂が除去される樹脂除去工程を有する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2の炭素繊維製不織布製造方法。
  4. 前記樹脂除去工程は、酸化性ガス雰囲気下において、前記静電紡糸工程で得られた不織布が加熱される加熱工程である
    ことを特徴とする請求項3の炭素繊維製不織布製造方法。
  5. 前記変性工程は、前記樹脂除去工程後の不織布が炭化処理される炭化工程を有する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかの炭素繊維製不織布製造方法。
  6. 前記変性工程は、前記炭化工程後の不織布が黒鉛化処理される黒鉛化工程を有する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3、請求項5いずれかの炭素繊維製不織布製造方法。
  7. 前記黒鉛化工程は、不活性雰囲気下において、前記不織布が加熱される加熱工程である
    ことを特徴とする請求項6の炭素繊維製不織布製造方法。
  8. 前記加熱は、前記不織布への通電による発熱である
    ことを特徴とする請求項7の炭素繊維製不織布製造方法。
  9. 前記樹脂が水溶性樹脂である
    ことを特徴とする請求項1の炭素繊維製不織布製造方法。
  10. 前記樹脂が熱分解性樹脂である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項9の炭素繊維製不織布製造方法。
  11. 前記樹脂がポリビニルアルコールである
    ことを特徴とする請求項1の炭素繊維製不織布製造方法。
  12. 前記ピッチがメソフェーズピッチである
    ことを特徴とする請求項1の炭素繊維製不織布製造方法。
  13. 前記ピッチは粒径が1nm〜10μmである
    ことを特徴とする請求項1又は請求項12の炭素繊維製不織布製造方法。
  14. 前記ピッチは粒径が100nm〜1μmである
    ことを特徴とする請求項1、請求項12、請求項13いずれかの炭素繊維製不織布製造方法。
  15. 前記樹脂100質量部に対して前記ピッチが20〜200質量部である
    ことを特徴とする請求項1の炭素繊維製不織布製造方法。
  16. 前記樹脂100質量部に対して前記ピッチが70〜150質量部である
    ことを特徴とする請求項1の炭素繊維製不織布製造方法。
  17. 炭素繊維の製造方法であって、
    前記請求項1〜請求項16いずれかの炭素繊維製不織布製造方法で得られた炭素繊維製の不織布が解かれることにより炭素繊維が得られる解布工程を有する
    ことを特徴とする炭素繊維製造方法。
  18. 前記解布工程は、前記不織布が粉砕される工程である
    ことを特徴とする請求項17の炭素繊維製造方法。
  19. 前記請求項17又は請求項18の炭素繊維の製造方法によって得られてなる炭素繊維。
  20. 炭素繊維であって、
    前記炭素繊維は、大径部と小径部とを有し、
    前記大径部は、その直径が20nm〜2μmであり、
    前記小径部は、その直径が10nm〜1μmであり、
    (前記大径部における直径)>(前記小径部における直径)である
    ことを特徴とする炭素繊維。
  21. {(前記大径部における直径の最大値)/(前記小径部における直径の最小値)}が1.1〜100である
    ことを特徴とする請求項20の炭素繊維。
  22. 前記小径部の長さは前記大径部における直径の最小値よりも長い
    ことを特徴とする請求項20又は請求項21の炭素繊維。
  23. 前記小径部の長さは前記大径部における直径の最大値よりも短い
    ことを特徴とする請求項20〜請求項22いずれかの炭素繊維。
  24. 前記小径部の長さは10nm〜10μmである
    ことを特徴とする請求項20〜請求項23いずれかの炭素繊維。
  25. 前記大径部の長さは50nm〜10μmである
    ことを特徴とする請求項20〜請求項24いずれかの炭素繊維。
  26. 前記炭素繊維は、前記大径部を複数個有し、かつ、前記小径部を複数個有してなり、
    前記炭素繊維の長さが0.1μm〜1000μmである
    ことを特徴とする請求項20〜請求項25いずれかの炭素繊維。
  27. 前記炭素繊維は、その比表面積が1〜100m/gである
    ことを特徴とする請求項20〜請求項26いずれかの炭素繊維。
  28. 前記炭素繊維は、
    そのX線回折測定において、
    黒鉛構造(002)由来のピークが25°〜30°(2θ)の範囲に有り、
    前記ピークの半値幅が0.1°〜2°(2θ)である
    ことを特徴とする請求項20〜請求項27いずれかの炭素繊維。
  29. 前記炭素繊維は、
    ID/IG(IDは、前記炭素繊維のラマン分光スペクトルにおいて、1300〜1400cm−1の範囲にあるピーク強度。IGは、前記炭素繊維のラマン分光スペクトルにおいて、1580〜1620cm−1の範囲にあるピーク強度。)が0.2〜2である
    ことを特徴とする請求項20〜請求項28いずれかの炭素繊維。
  30. 前記炭素繊維は、
    L/(S)1/2(Sは、走査型電子顕微鏡で前記炭素繊維を観察して得た画像における前記炭素繊維の面積。Lは、走査型電子顕微鏡で前記炭素繊維を観察して得た画像における前記炭素繊維の外周長さ)が3.7〜300である
    ことを特徴とする請求項20〜請求項29いずれかの炭素繊維。
  31. 前記請求項17又は請求項18の炭素繊維製造方法によって得られてなる前記請求項20〜請求項30いずれかの炭素繊維。
  32. 炭素繊維製の不織布であって、
    前記炭素繊維製不織布は、前記請求項19〜請求項31いずれかの炭素繊維の含有割合が50〜100質量%である
    ことを特徴とする炭素繊維製不織布。
  33. 炭素繊維製の不織布であって、
    前記請求項1〜請求項16いずれかの炭素繊維製不織布製造方法によって得られてなる炭素繊維製不織布。
  34. 前記不織布は、その厚さが0.1μm〜10mmである
    ことを特徴とする請求項32又は請求項33の炭素繊維製不織布。
  35. 前記不織布は、その目付量が0.1〜10000g/mである
    ことを特徴とする請求項32〜請求項34いずれかの炭素繊維製不織布。
  36. 前記不織布は、その比表面積が1〜50m/gである
    ことを特徴とする請求項32〜請求項35いずれかの炭素繊維製不織布。
  37. 電気デバイスに用いられる部材であって、
    前記部材は、前記請求項19〜31いずれかの炭素繊維、又は前記請求項32〜36いずれかの炭素繊維製不織布を用いて構成されてなる
    ことを特徴とする電気デバイスに用いられる部材。
  38. 前記部材が電池部品である
    ことを特徴とする請求項37の電気デバイスに用いられる部材。
  39. 前記部材が蓄電池の電極である
    ことを特徴とする請求項37の電気デバイスに用いられる部材。
  40. 前記部材がリチウムイオン二次電池の電極である
    ことを特徴とする請求項37の電気デバイスに用いられる部材。
  41. 前記部材がリチウムイオン二次電池の負極であり、前記炭素繊維および/または前記炭素繊維製不織布からなる負極活物質を含む
    ことを特徴とする請求項37の電気デバイスに用いられる部材。
  42. 前記部材がリチウムイオン二次電池の電極であり、前記炭素繊維および/または前記炭素繊維製不織布からなる導電助剤を含む
    ことを特徴とする請求項37の電気デバイスに用いられる部材。
  43. 前記部材は合金系負極活物質が用いられたリチウムイオン二次電池の負極であり、前記炭素繊維および/または前記炭素繊維製不織布上に前記合金系負極活物質が積層されてなる
    ことを特徴とする請求項37の電気デバイスに用いられる部材。
  44. 前記部材がキャパシタの電極である
    ことを特徴とする請求項37の電気デバイスに用いられる部材。
  45. 前記部材がリチウムイオンキャパシタの電極である
    ことを特徴とする請求項37の電気デバイスに用いられる部材。
  46. 前記部材が燃料電池用多孔質炭素電極基材である
    ことを特徴とする請求項37の電気デバイスに用いられる部材。
  47. 電気デバイスであって、
    前記請求項37〜前記請求項46いずれかの電気素子に用いられる部材を具備してなる
    ことを特徴とする電気デバイス。
  48. フィルタであって、
    前記フィルタは、前記請求項19〜31いずれかの炭素繊維、又は前記請求項32〜36いずれかの炭素繊維製不織布を用いて構成されてなる
    ことを特徴とするフィルタ。
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