JP2012202754A - リン酸エステルを含む放射性廃液の処理方法 - Google Patents

リン酸エステルを含む放射性廃液の処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リン酸エステルを含む放射性廃液を穏和な条件で効率よく分解できる処理方法を提供すること。
【解決手段】本発明のリン酸エステルを含む放射性廃液の処理方法は、前記放射性廃液に、銅粉末と、銅イオンを生成し得る銅塩または銅塩から生成した銅イオンを含む銅イオン含有溶液と、過酸化水素とを添加し、前記銅粉末から生成した銅イオンおよび前記銅塩から生成した銅イオンの存在下、前記リン酸エステルを酸化分解する酸化分解処理工程を含み、前記酸化分解処理工程において、前記放射性廃液に、前記リン酸エステル1molに対して前記銅粉末が0.001〜1molの量となるように、かつ前記銅粉末および前記銅塩の合計100mol%に対して、前記銅粉末が20〜60mol%、前記銅塩が80〜40mol%の量となるように、前記銅粉末および前記銅塩または前記銅イオン含有溶液を添加することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、リン酸エステルを含む放射性廃液の処理方法に関する。
我が国では、原子力発電が地球温暖化とエネルギー安定供給に貢献しており、これを基幹電源と位置づけて着実に推進していくことを国策とし、使用済み燃料を再処理して回収されるプルトニウム、ウラン等を有効利用することを基本方針としている。国内の再処理工場では、使用済燃料を硝酸に溶解し、リン酸トリブチル(TBP)をn−ドデカン(n−D)で希釈した有機溶媒と接触させることによりウランとプルトニウムを抽出・回収する、いわゆるピューレックス法を採用している。有機溶媒は、使用しているうちに放射線分解または酸による加水分解等により劣化し、リン酸ジブチル(DBP)、リン酸モノブチル(MBP)およびリン酸のような劣化生成物を含有するようになる。これらの劣化生成物は、ウラン、プルトニウムおよび核分裂生成物と錯体を形成し、除染係数の低下、ウラン、プルトニウムの損失、界面沈殿物(クラッド)の形成等、抽出、逆抽出に悪い影響を及ぼす。特にDBPは、ウラン、プルトニウム、ジルコニウム等と安定な錯体を作り、有機溶媒中に残存し、抽出性能を著しく低下させるため十分に除去しなければならない。
このようなことから、有機溶媒の性能を回復し、有機溶媒をリサイクルして使用することを目的に、溶媒洗浄工程が設けられている。ここで、溶媒洗浄工程とは、水酸化ナトリウムと炭酸ナトリウムのアルカリ溶液と硝酸を用いて劣化生成物を除去する工程である。当該工程ではDBP等の劣化生成物と放射能を含有する廃液(アルカリ廃液)が発生する。アルカリ廃液は、濃縮した後に高レベル濃縮廃液と混合され、高レベルガラス固化設備においてガラス固化される(固化工程)。当該工程においては、DBPが金属類と不溶解性の錯体を形成して貯槽内に堆積することや、溶融炉の温度管理に影響するなどの問題が懸念されている。
特公平7−23920号公報
有機物を含有する廃液の処理技術の中で、湿式酸化法は他の方法に比べ穏和な条件で廃液を処理でき、かつ、処理プロセスを簡略化できる点で有望である。しかしながら、湿式酸化法で最も一般的な鉄イオン触媒を用いると、DBPとの間でFe(DBP)3等の不溶性錯体を形成して沈殿することが懸念されるため(W.Davis,Jr. and D.O.Rester,J.Inorg.Nucl.Chem.,1968,30,3317−3324)、鉄イオン触媒の使用は困難であると考えられる。また、類似の処理技術として特許文献1では、鉄イオンの代わりに金属銅粉末触媒を用いる方法が提案されている。しかしながら、この場合は、反応槽に添加した金属銅粉末等が沈殿物として残留するため、別途沈殿物の処理が必要になる。更に、特許文献1ではDBPによる不溶性錯体の生成に着眼した処理方法は開示されていない。
前記のような実情から、DBPやMBP等の劣化生成物を含む放射性廃液を穏和な条件で効率良く分解し、かつ、沈殿物の分離を必要としない処理方法の開発が望まれる。
なお、TBPおよびその劣化生成物以外を含む放射性廃液の処理、いいかえるとその他のリン酸エステルを含む放射性廃液の処理においても、上述したように穏和な条件で効率よく行える処理方法の開発が望まれている。
したがって、本発明の目的は、リン酸エステルを含む放射性廃液を穏和な条件で効率よく分解できる処理方法を提供することにある。
本発明は、たとえば、リン酸エステルを含む放射性廃液の処理方法であって、上記放射性廃液に、銅粉末と、銅イオンを生成し得る銅塩または銅塩から生成した銅イオンを含む銅イオン含有溶液と、過酸化水素とを添加し、上記銅粉末から生成した銅イオンおよび上記銅塩から生成した銅イオンの存在下、上記リン酸エステルを酸化分解する酸化分解処理工程を含み、上記酸化分解処理工程において、上記放射性廃液に、上記リン酸エステル1molに対して上記銅粉末が0.001〜1molの量となるように、かつ上記銅粉末および上記銅塩の合計100mol%に対して、上記銅粉末が20〜60mol%、上記銅塩が80〜40mol%の量となるように、上記銅粉末および上記銅塩または上記銅イオン含有溶液を添加することを特徴とする放射性廃液の処理方法に関する。
本発明の処理方法によれば、リン酸エステルを含む放射性廃液を穏和な条件で安全に効率よく分解できる。
図1は、本発明のリン酸エステルを含む放射性廃液の処理方法を説明するための図である。 図2は、実施例1等について、廃液のTOC濃度と分解試験時間の関係を示した図である。
本発明は、リン酸エステルを含む放射性廃液の処理方法に関する。
本発明で処理される放射性廃液は、溶媒洗浄工程から発生する。
ピューレックス法による上記ウランおよびプルトニウムの抽出過程においては、一般的に、まず、使用済燃料を硝酸に溶解し、この硝酸溶液と、リン酸トリブチル(TBP)および希釈剤としてn−ドデカンを含む有機溶媒とを接触させて、ウランおよびプルトニウムを有機溶媒側に抽出する。次いで、この有機溶媒と希硝酸水とを接触させ、ウランおよびプルトニウムを希硝酸水側に抽出する。この抽出過程で使用された有機溶媒には、TBPのほか、放射線分解や酸による加水分解等によりTBPが劣化したリン酸ジブチル(DBP)、リン酸モノブチル(MBP)、リン酸などの劣化生成物が含まれてくる。溶媒洗浄工程では、水酸化ナトリウムと炭酸ナトリウムのアルカリ溶液と硝酸を用いて劣化生成物の除去を行い、有機溶媒を再生してリサイクルしている。そのため、当該工程からはDBP等の劣化生成物と放射能を含有するアルカリ廃液が発生する。本発明では、放射性廃液としてアルカリ廃液を処理することができる。
このため、本発明にて処理する放射性廃液中のリン酸エステルとしては、通常リン酸トリブチル、リン酸ジブチルおよびリン酸モノブチルからなる群の少なくとも一種が含まれる。
本発明で処理される放射性廃液には、リン酸エステルは通常1〜1000mmol/Lの濃度で含まれている。
本発明は、上記放射性廃液に、銅粉末と、銅イオンを生成し得る銅塩または銅塩から生成した銅イオンを含む銅イオン含有溶液(銅イオン含有溶液)と、過酸化水素とを添加し、触媒となる上記銅粉末から生成した銅イオンおよび上記銅塩から生成した銅イオンの存在下、上記リン酸エステルを酸化分解(湿式酸化分解)する酸化分解処理工程を含む。具体的には、酸化分解処理工程において、上記放射性廃液に、銅粉末と、銅イオンを生成し得る銅塩または銅塩から生成した銅イオンを含む溶液とを添加し、次いで過酸化水素とを添加して、上記リン酸エステルを酸化分解(湿式酸化分解)する(態様(A))。
放射性廃液に、銅粉末と銅塩または銅イオン含有溶液と過酸化水素とを添加すると、得られた反応液中では、下記式(1)および(2)に示される反応により、上記銅粉末から生成した銅イオンおよび上記銅塩から生成した銅イオンまたは上記銅イオン含有溶液に含まれる銅イオンと、過酸化水素水とが反応して、ヒドロキシラジカルが発生する(たとえばA.C.Mello−Filho and R.Meneghini,Mutation Res.,1991,251,109−113参照)。このヒドロキシラジカルは、リン酸エステルが炭酸ガス(CO2)となるまで分解できる。このように、酸化分解処理工程では、上記銅粉末および上記銅塩から生成した銅イオンの存在下、上記リン酸エステルが酸化分解される。
Cu2+ + H22 → Cu+ + O2 - + 2H+ (1)
Cu+ + H22 → Cu2+ + HO- + HO・ (2)
この酸化分解処理工程は、銅粉末と銅塩または銅イオン含有溶液と過酸化水素とが添加された放射性廃液(反応液)の温度を40℃以上、好ましくは40〜60℃として行う。本発明では、銅粉末と銅塩または銅イオン含有溶液とを組み合わせて用いているため、比較的低温の温和な条件で上記リン酸エステルを酸化分解できる。
銅粉末としては、市販の銅粉末を使用することができるが、たとえば高純度化学研究所製銅粉末(純度99.9+%、ふるい目開き75μmで分級した粒径75μm以下のもの)が好適に用いられる。
銅塩としては、一価または二価の銅イオンを生成し得る銅塩、たとえば塩化銅、硫酸銅、硝酸銅、塩基性炭酸銅などの無機の銅塩が挙げられる。これらは無水物であっても水和物であってもよい。これらは単独で用いても二種以上組み合わせて用いてもよい。放射性廃液に硝酸が含まれている場合は、硝酸銅が好適に用いられる。
銅塩は、そのまま放射性廃液に添加してもよく、予め銅塩から生成した銅イオンを含む溶液(銅イオン含有溶液)として放射性廃液に添加してもよい。上記溶液としては、たとえば水に銅塩を添加して得られる水溶液が挙げられ、通常該水溶液中では銅塩は解離し、銅イオンが生成している。
過酸化水素は、処理する放射性廃液の量に応じて適宜好ましい濃度で添加すればよいが、2〜70w/v%の過酸化水素水として添加することが好ましく、30〜70w/v%の過酸化水素水として添加することがより好ましい。
分解反応を速やかに行う観点からは、過酸化水素を、リン酸エステル1molに対して上記過酸化水素が10〜500mol、より好ましくは50〜300molの割合となるように放射性廃液に添加することが好ましい。
また、上記酸化分解処理工程においては、放射性廃液に、リン酸エステル1molに対して銅粉末が0.001〜1mol、好ましくは0.01〜1molの量となるように、銅粉末を添加する。
さらに、銅粉末とともに銅塩をそのまま添加する場合は、銅粉末および銅塩の合計100mol%に対して、該銅粉末が20〜60mol%、好ましくは40〜60mol%、該銅塩が80〜40mol%、好ましくは60〜40mol%の量となるように、銅粉末および銅塩を添加する。あるいは、銅粉末とともに銅イオン含有溶液を添加する場合は、銅粉末および銅イオン含有溶液を調製するときに用いた銅塩の合計100mol%に対して、該銅粉末が20〜60mol%、好ましくは40〜60mol%、該銅塩が80〜40mol%、好ましくは60〜40mol%の量となるように、銅粉末および銅イオン含有溶液を添加する。
本発明では、上記のように銅粉末の使用量および銅粉末と銅塩との割合を特定の範囲に制御したため、穏和な温度条件においても、沈殿物が生成することなく、リン酸エステルを効率よく安全に分解できる。
これに対して、触媒として銅粉末のみを用いた場合は、リン酸エステルの分解は早く完了するが、酸化分解中に発泡するため、安全に廃液処理が行えない。また、酸化分解処理工程後の反応槽には、分解に使われず残存している銅粉末のほか、酸化分解中に生成した酸化銅や水酸化銅等の沈殿物が堆積し、これらを分離する工程が必要となる(後述する比較例参照)。
また、触媒として銅塩のみを用いた場合は、酸化分解中の発泡は抑えられ、安全に廃液処理が行える。また、酸化分解処理工程後の反応液中には、酸化銅や水酸化銅等の沈殿物は生成しない。しかしながら、穏和な温度条件では、リン酸エステルの分解完了までに長時間を必要とする(後述する参考例参照)。特に、廃液中のリン酸エステルの濃度が高い場合は長時間を必要とする。
一方、上記のように、本発明では、触媒として銅粉末および銅塩を組み合わせるとともに、銅粉末の使用量および銅粉末と銅塩との割合を特定の範囲に制御したため、分解後の反応液には沈殿物が見られない。この理由は以下のように考えられる。触媒として用いる銅粉末は、分解工程中に徐々に銅イオンに変化し、この銅イオンが分解反応に寄与する。本発明では、銅粉末の使用量をある程度に抑えているため、分解工程中に全ての銅粉末が銅イオンになり、酸化銅や水酸化銅等の不溶性の化合物に変化することもなく、分解後は銅イオンの状態で存在しているためと考えられる。なお、銅塩も、反応液中で解離した銅イオンの状態のまま存在している。これにより、酸化分解処理工程後に沈殿物の分離工程を設けずにすみ、酸化分解処理済みの放射性廃液に対してすぐに固化工程等を行うことができる。本発明では、廃液中のリン酸エステルの濃度が高い場合も、沈殿物は生成せず分解反応が進む。
また、本発明のように触媒として銅粉末および銅塩を組み合わせるとともに、銅粉末の使用量および銅粉末と銅塩との割合を特定の範囲に制御すると、銅塩のみを用いた場合に比較して分解を早く完了できる。この理由は以下のように考えられる。銅塩のみを用いると、反応を開始してしばらくは分解反応が進まない期間があり、その後分解が進んでいく一方、銅粉末のみを用いると、発泡を伴うものの反応を開始してすぐに分解反応が進んでいく。これに対して、本発明のように銅粉末および銅塩を適切な量で組み合わせると、銅塩のみを用いたときの分解反応が進まない期間に、銅粉末による分解が進み、その後銅塩による分解も始まると考えられる。結果として分解にかかる時間を短縮できる。
さらに、本発明のように銅粉末の使用量および銅粉末と銅塩との割合を特定の範囲に制御すると、発泡も抑えられ、安全に廃液処理が行える。これは、安全性が最重要となる放射性廃液の処理において非常に有利である。
なお、反応液には、pH調整を行うために、硫酸等の酸や水酸化ナトリウム等のアルカリを必要に応じて添加してもよい。酸やアルカリの添加は、酸化分解処理工程を開始する前から該工程の終了後までの間、いつの時点で行ってもよい。
本発明の酸化分解処理工程において、反応液のpHは、通常1〜3となっている。また、本発明では、リン酸エステルの酸化分解処理が進むにつれてpHの変化はほとんど見られず、pHは通常1〜3である。ところで、酸化分解処理が進むpHは通常1〜5であり、また、酸化分解処理が最も効率良く進行するpHは通常1〜3である。したがって、本発明の酸化分解処理工程ではpH調整を行わなくてもすむ場合が多い。
さらに、本発明の酸化分解処理工程では、リン酸エステルの分解が穏やかに進行するため、分解反応時の泡立ちがほとんど見られず、消泡剤を添加しなくてもすむ場合が多い。これは、運転上の安全性が重要視される放射性廃液の処理において特に好ましい。ただし、本発明において消泡剤の添加を妨げるものではない。
放射性廃液中のリン酸エステルの分解が完了したか否かは、TOC(全有機炭素)の測定により確認できる。放射性廃液の処理として、TOCの分解率が70%以上、より好ましくは75%以上となった場合は、リン酸エステルの分解が完了したとみなすことができる。
リン酸エステルの分解が完了した後、処理済みの放射性廃液(リン酸エステルの分解が完了した反応液)は、通常固化工程等の次工程に送られる。次工程に送る際、必要に応じてアルカリを供給して、処理済みの放射性廃液を中和してもよい。本発明の酸化分解処理工程では水酸化銅等の沈殿物は生成しないため、処理済みの放射性廃液と沈殿物とを分離することなく、そのまま次工程を行うことができる。
より具体的には、本発明では、たとえば図1に示す処理装置が使用される。
図1の処理装置は、リン酸エステルを湿式酸化分解するための反応槽1と、反応槽1に接続されており、該反応槽1に、放射性廃液を供給するための放射性廃液の供給タンク2、過酸化水素を供給するための過酸化水素の供給タンク3、銅粉末を供給するための触媒の供給タンク4、および銅塩または銅塩から生成した銅イオンを含む溶液を供給するための触媒の供給タンク4’と、反応槽1に接続されており、該反応槽1に、酸を必要に応じて供給するための酸の供給タンク5、およびアルカリを必要に応じて供給するためのアルカリの供給タンク6とから構成される。また、反応槽1には、酸化分解中の放射性廃液を攪拌するための攪拌機Mおよび酸化分解中の放射性廃液の温度をモニターするための温度計Tが備えられている。さらに、必要に応じて、放射性廃液の分解処理に伴い発生する排ガスを分析するガス分析計Aを具備することができる。
本発明の処理方法は、たとえば銅粉末および銅塩を用いる場合では、図1の処理装置を用いて以下のように行われる。まず、反応槽1に放射性廃液の供給タンク2から放射性廃液を供給する。次いで、反応槽1に触媒の供給タンク4から銅粉末を供給し、触媒の供給タンク4’から銅塩を供給し、過酸化水素の供給タンク3から過酸化水素水を供給する。なお、放射性廃液、銅粉末および銅塩の供給順序は、上記に限定されず任意の順で供給してもよい。ここで、放射性廃液中のリン酸エステルと過酸化水素との割合、リン酸エステルと銅粉末との割合および銅粉末と銅塩との割合が上述した好ましい範囲となるように、放射性廃液、銅粉末、銅塩および過酸化水素水を供給することが望ましい。
過酸化水素水、銅粉末および銅塩が添加された放射性廃液(本明細書において反応液ともいう)のpHは通常1〜3である。pHがこの範囲にあるとリン酸エステルの酸化分解は速やかに進むため、この場合は酸の供給タンク5から酸を供給する必要はない。しかしながら、上記放射性廃液のpHが3を超える場合は、pHを1〜3に調整するため、酸の供給タンク5から酸を供給することが好ましい。
また、過酸化水素水、銅粉末および銅塩が添加された放射性廃液の温度は好ましくは40℃以上、より好ましくは40〜60℃であるが、温度が該範囲にない場合はヒーターまたはクーラーにより、この反応液の温度を上記範囲に調節する。
過酸化水素水、銅粉末および銅塩が添加された放射性廃液では、上記式(1)および(2)の反応がおこり、ヒドロキシラジカルが発生し、これによりリン酸エステルの酸化分解が開始する。攪拌機Mにより上記反応液を攪拌しながらリン酸エステルの酸化分解を行うことが好ましい。前記酸化分解により生じたガスは、反応槽1から排気される。この際、ガス分析計Aにより前記排ガスをモニターし、排ガス中の炭酸ガスの濃度および発生量を測定することが好ましい。
また、リン酸エステルの酸化分解処理工程中、温度が上記範囲を保っているか温度計Tによりモニターし、上記範囲から外れている場合は加熱温度を調節する。
なお、本発明の処理方法では、リン酸エステルの酸化分解処理工程中にpHはほとんど変化しないため、通常pHを調整する必要は生じない。また、リン酸エステルの酸化分解処理工程中に発泡はほとんど見られないため、通常反応槽1に消泡剤は添加しなくてもよい。また、前記分解処理工程では、銅粉末は残存せず、また酸化銅、水酸化銅等の沈殿物は生成しないため、処理済みの反応液と沈殿物とを分離することなく、そのまま次工程を行うことができる。
リン酸エステルの分解が完了したことをTOC(全有機炭素)の測定により確認した後、必要に応じてアルカリの供給タンク6からアルカリを供給して、処理済みの反応液を中和してもよい。処理済みの反応液は、通常固化工程等の次工程に送られる。
なお、銅塩の代わりに銅イオン含有溶液を用いるときは、図1の処理装置を用いる場合は、上記説明において、反応槽1に、触媒の供給タンク4’から銅塩を供給する代わりに、銅イオン含有溶液を供給すればよい。
本発明は、上記態様(A)に制限されず、酸化分解処理工程において、上記放射性廃液に、銅粉末と、過酸化水素とを添加し、次いで銅イオンを生成し得る銅塩または銅塩から生成した銅イオンを含む溶液とを添加して、上記リン酸エステルを酸化分解する態様(B)であってもよい。
態様(B)において、たとえば銅粉末および銅塩を用いる場合は、図1の処理装置を用いて以下のように行われる。まず、反応槽1に放射性廃液の供給タンク2から放射性廃液を供給する。次いで、反応槽1に触媒の供給タンク4から銅粉末を供給し、過酸化水素の供給タンク3から過酸化水素水を供給する。ここで、銅粉末由来の銅イオンおよび過酸化水素から上記式(1)および(2)の反応がおこり、リン酸エステルの酸化分解が開始する。なお、放射性廃液および銅粉末の供給順序は、上記に限定されず任意の順で供給してもよい。次いで、たとえば1〜3日後に触媒の供給タンク4’から銅塩を供給する。これにより、銅塩由来の銅イオンおよび過酸化水素からも上記式(1)および(2)の反応が始まると、リン酸エステルの酸化分解がさらに進む。ここで、放射性廃液中のリン酸エステルと過酸化水素との割合、リン酸エステルと銅粉末との割合および銅粉末と銅塩との割合、pH、温度などの反応条件は、態様(A)と同様である。
態様(B)では、まず、初めに添加した銅粉末由来の銅イオンにより、リン酸エステルの分解が始まり、次に、後から添加した銅塩から生成した銅イオンにより、リン酸エステルの分解がさらに進む。態様(B)においても、態様(A)と同様に、穏和な条件においても、沈殿物が生成することなく、リン酸エステルを効率よく安全に分解できる。
なお、態様(B)においても、銅塩の代わりに銅イオン含有溶液を用いるときは、図1の処理装置を用いる場合は、上記説明において、反応槽1に、触媒の供給タンク4’から銅塩を供給する代わりに、銅イオン含有溶液を供給すればよい。
なお、上記ではリン酸エステルとして、TBPおよびその劣化生成物を含む放射性廃液の処理について説明したが、本発明においては、TBPおよびその劣化生成物以外のリン酸エステルを含む放射性廃液の処理についても、同様に穏和な条件で効率よく行える。また、本発明の処理方法は、リン酸エステルを含む生活排水や工業排水の処理にも適用できる。
以上より、本発明はたとえば以下の(1)〜(3)に関する。
(1)リン酸エステルを含む放射性廃液の処理方法であって、上記放射性廃液に、銅粉末と、銅イオンを生成し得る銅塩または銅塩から生成した銅イオンを含む銅イオン含有溶液と、過酸化水素とを添加し、上記銅粉末から生成した銅イオンおよび上記銅塩から生成した銅イオンの存在下、上記リン酸エステルを酸化分解する酸化分解処理工程を含み、上記酸化分解処理工程において、上記放射性廃液に、上記リン酸エステル1molに対して上記銅粉末が0.001〜1molの量となるように、かつ上記銅粉末および上記銅塩の合計100mol%に対して、上記銅粉末が20〜60mol%、上記銅塩が80〜40mol%の量となるように、上記銅粉末および上記銅塩または上記銅イオン含有溶液を添加することを特徴とする放射性廃液の処理方法。
本発明の処理方法によれば、リン酸エステルを含む放射性廃液を穏和な条件で安全に効率よく分解できる。
(2)上記リン酸エステルが、リン酸トリブチル、リン酸ジブチルおよびリン酸モノブチルからなる群の少なくとも一種を含むことを特徴とする(1)に記載の放射性廃液の処理方法。
このように、本発明の処理方法は、使用済燃料から再利用のためにウランおよびプルトニウムを抽出する過程で排出される放射性廃液の処理に好適に用いられる。
(3)上記酸化分解処理工程が、40℃以上の温度範囲で行われることを特徴とする(1)または(2)に記載の放射性廃液の処理方法。
本発明の処理方法によれば、40℃以上の穏和な条件においても放射性廃液を分解処理できる。
[実施例1]
TBPの劣化生成物として、DBP(濃度11mmol/L)と、MBP(濃度9mmol/L)とを含む硝酸性廃液に対して、図1の処理装置を用いて以下の条件で湿式酸化試験を行った。即ち、反応槽1に、放射性廃液の供給タンク2から硝酸性廃液0.4Lと、触媒の供給タンク4から銅粉末3.2mmoLと、触媒の供給タンク4’から硝酸銅三水和物塩4.8mmoLとを供給した後、過酸化水素の供給タンク3から35重量%過酸化水素水0.14Lを供給して、反応液の酸化分解処理工程を開始した。ここで反応槽1中の反応液の温度はヒーターにより40℃に保ちながら、また攪拌機Mにて攪拌しながら、リン酸エステルの酸化分解処理を行った。上記酸化分解処理工程において、反応槽1中の硝酸性廃液のpHは、pH=1〜2の間で推移した。
DBPおよびMBPの分解率を評価するため、TOCを測定した。具体的には、触媒である銅粉末および銅塩を供給した直後の硝酸性廃液(試験前)および酸化分解処理工程を開始してから8日後の硝酸性廃液(試験後)について測定を行った。
また、銅イオン触媒の沈殿を評価するため、廃液中の銅イオン濃度の変化を測定した。具体的には、触媒を供給した直後の硝酸性廃液(試験前)および酸化分解処理工程を開始してから8日後の反応液(試験後)について測定を行った。
なお、TOCは、島津製作所製全有機体炭素計TOC−VCSNにより測定した。また、銅イオン濃度は、エスアイアイナノテクノロジー社製ICP発光分光分析装置SPS5520で測定した。また、本明細書において「触媒を供給した直後」とは、反応槽1に
触媒を供給した直後であって、過酸化水素水を供給する前を意味する。
[実施例2]
TBPの劣化生成物として、DBP(濃度11mmol/L)と、MBP(濃度9mmol/L)とを含む硝酸性廃液に対して、図1の処理装置を用いて以下の条件で湿式酸化試験を行った。即ち、反応槽1に、放射性廃液の供給タンク2から硝酸性廃液0.4Lと、触媒の供給タンク4から銅粉末4.8mmoLと、触媒の供給タンク4’から硝酸銅三水和物塩3.2mmoLとを供給した後、過酸化水素の供給タンク3から35重量%過酸化水素水0.14Lを供給して、反応液の酸化分解処理工程を開始した。ここで反応槽1中の反応液の温度はヒーターにより40℃に保ちながら、また攪拌機Mにて攪拌しながら、リン酸エステルの酸化分解処理を行った。上記酸化分解処理工程において、反応槽1中の硝酸性廃液のpHは、pH=1〜2の間で推移した。
DBPおよびMBPの分解率を評価するため、TOCを測定した。具体的には、触媒である銅粉末および銅塩を供給した直後の硝酸性廃液(試験前)および酸化分解処理工程を開始してから8日後の硝酸性廃液(試験後)について測定を行った。
また、銅イオン触媒の沈殿を評価するため、廃液中の銅イオン濃度の変化を測定した。具体的には、触媒を供給した直後の硝酸性廃液(試験前)および酸化分解処理工程を開始してから8日後の反応液(試験後)について測定を行った。
なお、TOCは、島津製作所製全有機体炭素計TOC−VCSNにより測定した。また、銅イオン濃度は、エスアイアイナノテクノロジー社製ICP発光分光分析装置SPS5520で測定した。
[参考例1]
TBPの劣化生成物として、DBP(濃度11mmol/L)と、MBP(濃度9mmol/L)とを含む硝酸性廃液に対して、図1の処理装置を用いて以下の条件で湿式酸化試験を行った。即ち、反応槽1に、放射性廃液の供給タンク2から硝酸性廃液0.4Lと、触媒の供給タンク4’から硝酸銅三水和物塩8mmoLとを供給した後、過酸化水素の供給タンク3から35重量%過酸化水素水0.14Lを供給して、反応液の酸化分解処理工程を開始した。ここで反応槽1中の反応液の温度はヒーターにより40℃に保ちながら、また攪拌機Mにて攪拌しながら、リン酸エステルの酸化分解処理を行った。上記酸化分解処理工程において、反応槽1中の硝酸性廃液のpHは、pH=1〜2の間で推移した。
DBPおよびMBPの分解率を評価するため、TOCを測定した。具体的には、触媒である銅塩を供給した直後の硝酸性廃液(試験前)および酸化分解処理工程を開始してから14日後の硝酸性廃液(試験後)について測定を行った。
また、銅イオン触媒の沈殿を評価するため、廃液中の銅イオン濃度の変化を測定した。具体的には、触媒を供給した直後の硝酸性廃液(試験前)および酸化分解処理工程を開始してから14日後の反応液(試験後)について測定を行った。
なお、TOCは、島津製作所製全有機体炭素計TOC−VCSNにより測定した。また、銅イオン濃度は、エスアイアイナノテクノロジー社製ICP発光分光分析装置SPS5520で測定した。
[比較例1]
TBPの劣化生成物として、DBP(濃度11mmol/L)と、MBP(濃度9mmol/L)とを含む硝酸性廃液に対して、図1の処理装置を用いて以下の条件で湿式酸化試験を行った。即ち、反応槽1に、放射性廃液の供給タンク2から硝酸性廃液0.4Lと、触媒の供給タンク4から銅粉末8mmoLとを供給した後、過酸化水素の供給タンク3から35重量%過酸化水素水0.14Lを供給して、反応液の酸化分解処理工程を開始した。ここで反応槽1中の硝酸性廃液の温度はヒーターにより40℃に保ちながら、また攪拌機Mにて攪拌しながら、リン酸エステルの酸化分解処理を行った。上記酸化分解処理工程において、反応槽1中の反応液のpHは、pH=1.5〜3の間で推移した。
DBPおよびMBPの分解率を評価するため、TOCを測定した。具体的には、触媒を供給した直後の硝酸性廃液(試験前)および酸化分解処理工程を開始してから5日後の反応液(試験後)について測定を行った。
また、銅粉末触媒の残存量を評価するため、廃液中の銅イオン濃度の変化を測定した。具体的には、触媒を供給した直後の硝酸性廃液(試験前)および酸化分解処理工程を開始してから5日後の反応液(試験後)について測定を行った。
さらに、廃液中に生じた沈殿物を調査するため、酸化分解処理後の廃液をろ過し、ろ液を水洗・乾燥処理した後、粉末X線回折により分析した。
なお、TOCは、島津製作所製全有機体炭素計TOC−VCSNにより測定した。また、銅イオン濃度は、エスアイアイナノテクノロジー社製ICP発光分光分析装置SPS5520で測定した。また、粉末X線回折は、Rigaku製粉末X線回折装置RINT−2000を用いて実施した。
以上のようにして得られた実施例1、実施例2、参考例1および比較例1における廃液のTOC濃度と銅イオン濃度の測定結果を表1に示す。また、酸化分解工程中の廃液の発泡についての観察結果も表1に示す。さらに、廃液のTOC濃度と分解試験時間の関係を図2に示す。
Figure 2012202754
(過酸化水素水添加に伴う廃液の希釈を考慮し、試験前後のTOCおよびイオン濃度の変化を対等に評価するため、試験後の廃液中のTOCおよびイオン濃度の計算には次式を用いた。
TOC(試験後)[mg/L]=TOC(測定値)×(廃液量[L]/過酸化水素水添加前廃液量[L])
銅イオン濃度(試験後)[mg/L]=銅イオン濃度(測定値)×(廃液量[L]/過酸化水素水添加前廃液量[L])
参考例1のように、銅塩のみを触媒とした場合は、40℃程度の低温条件ではリン酸エステルの分解に長時間を要する。一方、比較例1のように、銅粉末のみを触媒とした場合は、リン酸エステルを速やかに分解できるが、試験後の廃液を調査すると、淡青色の粉末が生じていることが確認できた。粉末X線回折によれば、前記粉末は、銅、酸化銅および水酸化銅を主成分とする化合物であった。これは、比較例1では、銅粉末触媒が未反応のまま残留し得ることに加え、不溶性の酸化銅および水酸化銅が生じることを示唆している。したがって、未反応の銅触媒および分解処理工程において生じる酸化銅、水酸化銅等の不溶性銅化合物が反応槽に残留するため、処理後にこれらの沈殿物を除去する工程が必要となる。
実施例1および実施例2では、銅塩と銅粉末触媒の比率を適切に制御することにより、廃液の分解処理後に生じ得る不溶性化合物の発生を効果的に抑制できた。実際に、実施例1および実施例2では、ICP発光分光分析による銅イオン濃度の分析結果から、リン酸エステルの分解試験後に不溶性銅化合物が生じていないことを確認した。また、参考例1に比べ、リン酸エステル廃液を効率良く、かつ、安定的に分解可能であることを確認した。
実施例の結果より明らかなように、本発明は、40℃程度の低温条件においても、DBPやMBPを含む硝酸性廃液などの放射性廃液を効率良く酸化分解することができる。とりわけ、廃液の発泡がほとんど起こらない穏和な条件で酸化分解できる点は、安全性が最重要となる放射性廃液の処理にとって非常に有利である。
また、本発明は、廃液の湿式酸化を行った後でも沈殿物が生成せず、従来の湿式酸化法の課題であった沈殿物の発生およびその処理に係る負荷を劇的に低減できる。この点は、本発明の処理方法を、有機リン酸エステルを含む放射性廃液の処理のみならず、一般の生活排水や工業排水の処理に適用する際にも有利である。
以上のように、本発明は、放射性廃液の安全な処理に大きく貢献し、ひいては、我が国の重要な課題である使用済燃料の再処理システムの確立にも貢献することができる。
1: 反応槽
2: 廃液のタンク
3: 過酸化水素の供給タンク
4: 触媒の供給タンク
4’: 触媒の供給タンク
5: 酸の供給タンク
6: アルカリの供給タンク
M: 攪拌機
T: 温度計
A: ガス分析計

Claims (3)

  1. リン酸エステルを含む放射性廃液の処理方法であって、
    前記放射性廃液に、銅粉末と、銅イオンを生成し得る銅塩または銅塩から生成した銅イオンを含む銅イオン含有溶液と、過酸化水素とを添加し、
    前記銅粉末から生成した銅イオンおよび前記銅塩から生成した銅イオンの存在下、前記リン酸エステルを酸化分解する酸化分解処理工程を含み、
    前記酸化分解処理工程において、前記放射性廃液に、前記リン酸エステル1molに対して前記銅粉末が0.001〜1molの量となるように、かつ前記銅粉末および前記銅塩の合計100mol%に対して、前記銅粉末が20〜60mol%、前記銅塩が80〜40mol%の量となるように、前記銅粉末および前記銅塩または前記銅イオン含有溶液を添加することを特徴とする放射性廃液の処理方法。
  2. 前記リン酸エステルが、リン酸トリブチル、リン酸ジブチルおよびリン酸モノブチルからなる群の少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1に記載の放射性廃液の処理方法。
  3. 前記酸化分解処理工程が、40℃以上の温度範囲で行われることを特徴とする請求項1または2に記載の放射性廃液の処理方法。
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