上記特許文献1によると、乗員の腕を支持するアームレスト可動部106をモータ及びギヤ機構によって構成された駆動機構部によって前後及び上下に移動することで、乗員の体格や体勢等に応じてある程度は柔軟に対応することができる。しかし、駆動機構によってアーム可動部106を前後及び上下に移動させる構成は複雑で製造コストの増大を招くことが懸念される。更に、乗員の腕を支持するアームレスト可動部106の有効幅が十分でなく、特にアームレストの両側に乗員が着座した際には、一方の乗員がアームレスト可動部106を使用すると、他方の乗員の使用が制限される。この対策として、アームレスト可動部106の有効幅を大きくすると、その操作性に影響を及ぼすと共に、非使用時、即ち格納時にシートバック101に対するアームレストの占有スペース及び収納するための凹部122が大きくなり、乗員の着座性等の乗り心地の低下を招く要因となる。
特許文献2によると、アームレスト115としての使用状態でヘッドレスト117を前方に移動させることでヘッドレスト117の裏面部に載置物を収容可能な収容部118が形成され、アームレスト115の利便性が向上する。しかし、特許文献1と同様にアームレスト115の有効幅が十分でなく、特にアームレストの両側に乗員が着座した際には、一方の乗員がアームレストを使用する他方の乗員の使用が制限される。
また、特許文献3においては、アームレスト本体126にプレート状のテーブル127a、127bを回動可に組み付けることによって、テーブル127a、127bを回動することでテーブルとしての使用が可能になる。しかし、テーブルの使用にあたり、アームレスト125を使用状態にした状態で、テーブル127a、127bを使用状態に回動させ、かつ収納にあたりテーブル127a、127bをアーム本体126上に回動してから収納位置にアームレスト125を格納位置に回動することからその操作が厄介になる。また、仮にテーブル127a、127bをアームレストとして使用する際には、そのテーブル127a、127bとして設定位置及び長さ等の寸法形状がアームレストとして適切でなく、またアームレストとして使用時にかかり得る負荷に耐える支持強度を有する構造とすることが困難であることが懸念される。
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、格納スペースのコンパクトが得られると共に簡単な構成で十分なアームレストとしての有効幅が確保できるアームレスト装置を提供することにある。
上記目的を達成する請求項1に記載のアームレスト装置の発明は、シートバックの幅方向中央部に設けられる格納凹部内に格納される格納位置とシートクッション上へ前倒しする使用位置との間で回転可能なアームレストにおいて、基部がアームレスト回転軸を介してシートバックに回転自在に支持されるアームレスト本体と、該アームレスト本体に幅方向に移動可能に支持されて互いに接近する狭幅位置と互いに離反する拡幅位置との間で移動可能に支持される一対のアームレスト部と、上記アームレスト本体の格納位置から使用位置への回転に連動して上記左右のアームレスト部を挟幅位置から拡幅位置へ移動せしめ、かつ上記アームレスト本体の使用位置から格納位置への回転に連動して上記左右のアームレスト部を拡幅位置から挟幅位置へ移動せしめるアームレスト部移動機構と、を備えたことを特徴とする。
これによると、格納凹部内に格納されたアームレスト本体を前方に引き出し、シートクッション側の使用位置に倒す簡単な操作でアームレスト部移動機構により左右のアームレスト部が互いに離間する拡幅位置に移動し、左右のアームレスト部によるアームレストとしての有効幅が確保される。これにより、アームレストの両側に着座した乗員のアームレストの使用が容易になる。一方、使用位置にあるアームレスト本体を格納位置に起立する簡単な操作で、左右のアームレスト部が互いに狭幅位置に移動して格納凹部に格納され、格納位置におけるアームレストの占有スペース及び収納するための格納凹部のコンパクトが得られ、乗員の着座性等の乗り心地の向上が得られる。
請求項2に記載の発明は、請求項1のアームレスト装置において、上記アームレスト本体は、基部がシートバックに回転自在に支持されると共に使用位置において上方となる上部、該上部と対向する背部、該上部と背部を連結する両側部及び頂部を有する中空矩形断面形状であり、上記各アームレスト部は、上記アームレスト本体の各側部にそれぞれ対向する側面部及び該側面部の各側縁に沿って折曲して上記上部及び背部に対向して延在する上面部及び背面部を有し、上記狭幅位置において互いのアームレスト部の背面部が当接することを特徴とする。
これによると、アームレスト本体の側部、上部、背面が各アームレスト部の側面部、上面部、背面部によって被覆されてアームレストとしての機能品質が確保されて乗員の乗り心地の向上が得られる。また、格納状態において各アーム部の背面部が連続して乗員の着座性等の乗り心地の向上が得られる。
請求項3に記載の発明は、請求項2のアームレスト装置において、上記アームレスト本体の上部に載置物収容部を有し、上記各アームレスト部が拡幅位置において、該離反した各アームレスト部の上面部間に上記載置物収容部が露出することを特徴とする。
これによると、使用状態において左右のアームレスト部によるアームレストとしての有効幅が確保されてアームレストの両側に着座した乗員のアームレストの使用を可能に維持しつつ、アームレスト本体における左右のアームレスト本体間にカップホルダやトレー等の載置物収容部が確保されて、利便性の向上が得られる。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアームレスト装置において、上記アームレスト部駆動機構は、上記アームレスト本体の格納位置から使用位置への回転に連動してアームレスト本体の延在方向に直線状に駆動プレートを格納位置対応位置から使用位置対応位置に移動せしめ、かつ上記アームレスト本体の使用位置から格納位置への回転に連動してアームレスト本体の延在方向に直線状に駆動プレートを使用位置対応位置から格納位置対応位置に移動せしめる移動機構と、該格納位置対応位置から使用位置対応位置への駆動プレートの移動を上記狭幅位置から拡幅位置への移動に変換してアームレスト部を移動せしめ、かつ該使用位置対応位置から格納位対応位置への駆動プレートの移動を上記拡幅位置から狭幅位置への移動に変換してアームレスト部を移動せしめる移動方向変換機構とを備えたことを特徴とする。
請求項4は、アームレスト部駆動機構の具体的構成であって、アームレスト本体を格納位置から使用位置への回転に連動して駆動プレートを格納位置対応位置から使用位置対応位置に移動させ、かつアームレスト本体を使用位置から格納位置への回転に連動して駆動プレートを使用位置対応位置から格納位置対応位置に移動させる移動機構と、この格納位置対応位置から使用位置対応位置への駆動プレートの移動を上記狭幅位置から拡幅位置への移動に変換してアームレスト部を移動せしめ、かつ使用位置対応位置から格納位置対応位置への駆動プレートの移動を拡幅位置から狭幅位置への移動に変換してアームレスト部を移動せしめる移動方向変換機構によってアームレスト部駆動機構が構成できる。
請求項5の発明は、請求項4に記載のアームレスト装置において、上記移動機構は、上記アームレスト回転軸を中心として配置された円筒状で外周にワイヤガイド部が形成されたワイヤ保持部と、該ワイヤ保持部と離反して上記アームレスト本体に配置されたローラと、基端が上記ワイヤ保持部に固定されてワイヤガイド部に沿って延在して巻き掛けられ更に上記ローラ方向に延在してローラに巻き掛けられて折り返され、かつ中間部が上記駆動プレートに結合されて先端が上記ワイヤガイド部に沿って巻き掛けられてワイヤ保持部に固定されたワイヤとを備え、上記移動方向変換機構は、上記駆動プレートの移動方向に沿って延在する直線溝及び該直線溝の端部に屈曲部を介して拡幅方向に傾斜して延在する傾斜溝からなるガイド溝が形成された上記駆動プレートと、該ガイド溝に移動可能に嵌合するガイドピンを備え、上記アームレスト部に結合されたブラケットとを備えたことを特徴とする。
これによると、移動機構が、円筒状で外周にワイヤガイド部が形成されたワイヤ保持部と、アームレスト本体に配置されたローラと、基端がワイヤ保持部に固定されてワイヤガイド部に沿って延在して巻き掛けられ更にローラ方向に延在してローラに巻き掛けられて折り返され、かつ中間部が駆動プレートに結合されて先端がワイヤガイド部に沿って巻き掛けられてワイヤ保持部に固定されたワイヤとにより構成することで、アームレストが格納凹部に格納される格納位置においては、ワイヤ保持部とローラとの間に張設されたワイヤの中間部に結合された可動プレートが格納位置対応位置に保持される。
一方、アームレスト本体を格納位置から使用位置に回転すると、この回転に追従にてローラがアームレスト回転軸を中心に回動して移動する。このローラの移動に従ってワイヤの基端側がワイヤ保持部に巻き取られると共に先端側が繰り出され、ワイヤの中間部がローラ側に移動し、中間部に結合された可動プレートが格納対応位置側から使用位置対応位置側に移動する。また、アームレスト本体を使用位置から格納位置に回転すると、この回転に追従してローラがアームレスト回転軸を中心に回動して移動する。このローラの移動に従ってワイヤの先端側がワイヤ保持部に巻き取られると共に基端側が繰り出され、ワイヤの中間部がワイヤ保持部側に移動し、中間部に結合された可動プレートが使用位置対向位置側から格納対応位置側に移動する。
また、移動方向変換機構が駆動プレートの移動方向に沿って延在する直線溝及びこの直線溝の端部に屈曲部を介して拡幅方向に傾斜して延在する傾斜溝からなるガイド溝が形成された駆動プレートと、このガイド溝に移動可能に嵌合するガイドピンを備えたアームレスト部に結合されたブラケットによって構成することで、駆動プレートの移動によりアームレスト部を挟幅位置方向及び拡幅位置方向に移動させることができる。
本発明によると、格納凹部内に格納されたアームレスト本体を前方に引き出し、シートクッション側の使用位置に倒す簡単な操作で左右のアームレスト部が互いに離間する拡幅位置に移動し、左右のアームレスト部によるアームレストとしての有効幅が確保されて、アームレストの両側に着座した乗員のアームレストの使用が容易になる。一方、使用位置にあるアームレスト本体を格納位置に起立する簡単な操作で、左右のアームレストが互いに狭幅位置に移動して格納凹部に格納され、格納位置におけるアームレストの占有スペース及び収納するための格納凹部のコンパクトが得られ、乗員の着座性等の乗り心地の向上が得られる。
以下、本発明によるアームレスト装置の一実施の形態を図1乃至図10を参照して説明する。なお、各図において矢印Fは前方方向を示す。
図1は本発明に係るアームレスト装置を備えた車両用シートを示し(a)はアームレストを格納した状態を示す斜視図であり、(b)はアームレストの使用状態を示す斜視図である。
シート1は、シートクッション2と、シートクッション2に対して起立したシートバック3によって構成される。シートバック3の幅方向中央部にアームレスト10を格納するための略方形状の格納凹部4が設けられており、格納凹部4に格納された状態から下部を回転中心としてシートクッション2側に前倒しすることが可能なアームレスト10が設けられる。このアームレスト10は、シートバック3側となる起立方向に回転させると、図1(a)に示すように格納凹部4に格納されてシートバック3の一部を形成した状態となる格納位置に移動し、この格納位置からシートクッション2側に前倒しすると図1(b)に示すようにシートクッション2上に載置された使用位置に移動してアームレストとして機能する。
このアームレスト10は、図2(a)に使用位置における概略斜視図を示し、同図(b)に格納位置における概略斜視図を示し、同図(c)に要部分解斜視図を示すようにシートバック3に回転自在に支持される矩形のアームレスト本体11及びアームレスト本体11の両側に幅方向、即ち左右方向に移動可能に支持されて乗員の腕を支持する左右のアームレスト部20A、20Bを有する。
アームレスト本体11は、シートバック3に回転自在に支持される矩形ボックス状の基部12及び基部12の上面12aから段差12bを介して延在する略矩形の上部13、基部12の背面12cから段差12dを介して上部13と対向して延在する略矩形の背部14、上部13の先端縁と背部14の先端縁との間を連結する頂部15及び側部16A、16Bを有する中空矩形断面形状に構成される。更に、上部13にその先端縁に沿って凹状のカップホルダ17a、17b及びトレー17c等の載置物収容部が形成される。また、上部13の先端縁の中央部から頂部15に亘り凹陥して背部14の先端縁に沿って突状の把持部18を形成する。
アームレスト部20A及び20Bは対称形であって、アームレスト本体11の側部16A、16Bに対向すると共にこれら側面16A、16Bを被覆可能な帯状の側面部21及び側面部21の上縁、下縁、頂縁に沿ってそれぞれ折曲してアームレスト本体11の上部13、背部14、頂部15に沿って対向して延在する上面部22、背面部23及び頂面部24を有し、上面部22及び背面部23はそれぞれアームレスト本体11の上部13及び背部14の略半分の幅に形成される。また、上面部22はその先端がカップホルダ17a、17b、トレー17c等に対応してこれらカップホルダ17a、17b及びトレー17cを露出させる切り欠き部22aが形成される。また、背面部23の先端に把持部18に対応して切り欠き部23aが形成されている。
アームレスト本体11の基部12の上面12a及び背面12c、各アームレスト部20A、20Bの側面部21、上面部22、背面部23及び頂面部24の外表面はクッション層及び表皮等によって比較的柔軟に形成される。また、カップホルダ17a、17b及びトレー17cの底面や、把持部18はシボ等によるスベリ止め処理がなされている。
これらアームレスト部20A及び20Bは、それぞれアームレスト本体11に幅方向となる両側部16A、16B側、即ち左右両側から移動可能に嵌合すると共に、互いにアームレスト部20A、20Bは互いに接近する狭幅位置及び離反する拡幅位置との間で幅方向に移動可能にアームレストト本体11に図示しないスライドレール等によって支持される。これにより、アームレスト本体11の側部16A、16B、上部13、背部14が各アームレスト部20A、20Bの側面部21、上面部22、背面部23によって被覆されてアームレストとしての機能品質が確保されて乗員の乗り心地の向上が得られる。
このように構成されたアームレスト本体11及びアームレスト部20A及び20Bは、図1(a)に示す格納位置においては互いのアームレスト部20A及び20Bが互いに近接移動する狭幅位置に保持されてアームレスト10の幅を抑制して格納凹部4に収納可能にする一方、格納凹部4に収納された格納位置から図1(b)に示す使用位置に移行する際にアームレスト部駆動機構30によって互いのアームレスト部20A及び20Bが左右に離間して拡幅位置に移動してアームレストとしての有効幅が確保され、アームレスト10の両側に着座した乗員のアームレストの使用を容易にする。また、アームレスト部20A及び20Bを拡幅位置に移動することで互いの上面部22の間からアームレスト本体11に形成されたカップホルダ17a、17b、トレー17cを露出させてカップホルダ17a、17b、トレー17c等の使用を容易にして利便性の向上を図る。
このアームレスト部駆動機構30を図3乃至図10を参照して説明する。図3乃至図7はアームレスト部駆動機構30の説明図であり、図3はアームレスト部20A及びアームレスト部20Bが互いに接近する狭幅位置に保持されて格納凹部4内に格納された格納位置、図4乃至図6は作動過程、図7はアームレスト部20A及びアームレスト部20Bが互いに離反する拡幅位置に保持されてシートクッション2上に載置された使用位置の各状態を示す。なお、一方のアームレスト部20Bは図示を省略する。
図中31は、図示しないシートクッション3のシートフレーム等に回転自在に支持されるアームレスト回転軸であって、アームレスト回転軸31にアームレスト本体11を支持するフレーム本体32が設けられる。
フレーム本体32は、基端がアームレスト回転軸31に結合されて平行に延在する一対のフレーム33A及び33Bを有し、各フレーム33A及び33Bの先端を連結部34によって連結する略コ字形に形成される。
フレーム33Aに、駆動プレート35Aがフレーム33Aの延在方向に沿って移動可能に支持される。駆動プレート35Aはフレーム33Aに移動自在に支持される基部35a及び基部35aから外方、即ち左側に突出してフレーム33Aに沿って延在する延在部35bが一体形成されたL字状の板状であって、延在部35bにフレーム33Aの延在方向、即ち駆動プレート35Aの移動方向に沿った直線状で延在する直線溝36a及び直線溝36aのアームレスト回転軸31側の端部の屈曲部36bから次第にフレーム33Aから離反するように拡幅方向となる外方に傾斜して延在する傾斜溝36cを有するスリット状のガイド溝36A及びガイド溝36Bが形成される。
同様に、フレーム33Bに駆動プレート35Bがフレーム33Bの延在方向に沿って移動自在に支持される。駆動プレート35Bは駆動プレート35Aと対称形であって、フレーム33Bに移動可能に支持される基部35a及び基部35aから外方、即ち右側に突出してフレーム33Bに沿って延在する延在部35bが一体形成されたL字状の板状であって、延在部35bに駆動プレート35Bの移動方向となるフレーム33Bの延在方向に沿った直線状で延在する直線溝36a及び直線溝36aのアームレスト回転軸31側の端部の屈曲部36bから次第にフレーム33Bから離反するように拡幅方向となる外方に傾斜して延在する傾斜溝36cを有するスリット状のガイド溝36A及びガイド溝36Bが形成される。
これら駆動プレート35Aの基部35aと駆動プレート35Bの基部35aとが、連結プレート37によって一体的に連結されて、フレーム33A及び33Bに沿って図3に示す格納位置対応位置と図7に示す使用位置対応位置との間で移動する。
一方、アームレスト部20Aの側面部21の内面に、駆動プレート35Aの各ガイド溝36A及びガイド溝36Bに移動可能に貫挿するガイドピン39a、39bを備えたブラケット38Aが設けられる。ブラケット38Aはアームレスト部20Aの側面部21に取り付けられる矩形の取付部38a及び取付部38aの側縁から内方折曲して駆動プレート35Aの延在部35bに沿って延在するピン取付部38bを有する断面L字状の板部材であって、ピン取付部38bに各ガイド溝36A及びガイド溝36Bの対応する位置に移動可能に係合するガイドピン39a、39bが設けられる。
これにより駆動プレート35Aを図3に示す格納位置対応位置からフレーム33Aに沿って使用位置対応位置側に移動させた際に、図4に示すようにガイドピン39a及び39bがガイド溝36A及び36Bの各直線溝36aの範囲に維持された状態ではブラケット38Aは移動することなく狭幅位置に維持され、図5に示すようにガイドピン39a及び39bがガイド溝36A及び36Bの屈曲部36bから図7に示す各傾斜溝36cの範囲に維持された状態ではその駆動プレート35Aの移動方向に対して傾斜する傾斜溝36cによってガイドピン39a、39bが押圧付与され、ガイドピン39a及び39bが設けられたブラケット38Aに結合されたアームレスト部20Aがガイドレールに沿ってアームレスト本体11から離間する拡幅位置方向に移動する。これら駆動プレート30Aに形成されたガイド溝36A、36B及びブラケット38Aに設けられたガイドピン39a、39bによるリンク機構によって、フレーム33A、33Bに沿って移動する移動プレート35Aの移動方向をフレーム33A、33Bに対して交差する幅方向、即ち拡幅方向或いは狭幅方向のアームレスト部20Aの移動方向に変換する移動方向変換機構40Aが構成される。
同様に、アームレスト部20Bの側面部21の内面に、駆動プレート35Bの各ガイド溝36A及びガイド溝36Bに移動可能に貫挿するガイドピン39a、39bを備えたブラケット38Bが設けられる。ブラケット38Bはアームレスト部20Bの側面部21に取り付けられる矩形の取付部38a及び取付部38aの側縁から内方折曲して駆動プレート35Bの延在部35bに沿って延在するピン取付部38bを有する断面L字状の板部材であって、ピン取付部38bに各ガイド溝36A及びガイド溝36Bの対応する位置に移動可能に係合するガイドピン39a、39bが設けられる。
これにより駆動プレート35Bを図3に示す格納位置対応位置からフレーム33Bに沿って移動させた際に、図4に示すようにガイドピン39a及び39bがガイド溝36A及び36Bの各直線溝36aの範囲に維持された状態ではブラケット38Bが移動することなく、図5に示すようにガイドピン39a及び39bがガイド溝36A及び36Bの屈曲部36bから図7に示す使用位置対応位置における各傾斜溝36cの範囲に維持された状態ではその傾斜溝36cによってガイドピン39a、39bが押圧されてブラケット38Bに結合されたアームレスト部20Bがガイドレールに沿って幅方向に移動する。これら駆動プレート30Bに形成されたガイド溝36A、36B及びブラケット38Bに設けられたガイドピン39a、39bによるリンク機構によって、移動プレート35Bの移動方向をアームレスト部20Bの拡幅方向或いは狭幅方向に変換する移動方向変換機構40Bが構成される。
アームレスト本体11の回転に応じて駆動プレート35A及び35Bをフレーム33A及び33Bに沿って格納位置対応位置と使用位置対応位置との間で移動させる移動機構41を備える。この移動機構41は、図3及び移動機構41の要部を示す図3のVIII−VIII線断面図を図8に示すように、フレーム33Aとフレーム33Bとの間に配置されてアームレスト回転軸31を中心とする円筒状でアームレスト回転軸31の回転を可能に保持するワイヤ保持部42、ワーヤ保持部42と離反してアームレスト本体11或いはフレーム本体32の先端近傍においてフレーム本体32に回転自在に支持された回転可能なローラ46、及びワイヤ保持部42に両端が固定されてローラ46に巻き掛けられたワイヤ48を備える。本実施の形態ではローラ46がフレーム本体32に回転自在に支持される。
ワイヤ保持部42は、シートフレーム等に支持されたフレーム50に取り付けられた半円筒状のワイヤ保持部材43と、このワイヤ保持部材43に結合された半円筒状のワイヤ保持部材44によって円筒状に構成される。ワイヤ保持部42の外周に沿って環状の凹溝によってワイヤガイド部45が形成される。このワイヤ保持部42はフレーム50に支持されて固定される。
ワイヤ48は基端48aがワイヤ保持部42の下部後方側の固定部42aに固定され、固定部42aからワイヤ保持部42の後面側からワイヤガイド部45に沿って延在して巻き掛けられ、更にローラ46方向に延在してローラ46に巻き掛けられて折り返され、可動プレート35Aの基部35aに中間部48cが結合されると共に先端48bがワイヤ保持部42の前面側からワイヤガイド部45に沿って巻きかけてワイヤ保持部42の下部前側の固定部42bに結合される。ワイヤ48の中間部48cと可動プレート35Aとの結合は図8に示すように基部35aと連結プレート37とによって挟持することで行われる。
この構成により、アームレスト10が格納凹部4に格納される格納位置においては、図8に示すようにワイヤ保持部42とローラ46との間に張設されたワイヤ48の中間部48cに結合された可動プレート35A及び連結プレート37によって連結された可動プレート35A、35Bが格納位置対応位置に保持される。
更に、図9に示すようにアームレスト10のアームレスト部20A、20Bが格納凹部4から抜け出すまでアームレスト10を前方に回転、即ち傾倒すると更にフレーム本体32の傾倒に追従してローラ46がアームレスト回転軸31を中心に前方に回動して移動する。このローラ46の移動に従ってワイヤ48の基端48a側がワイヤ保持部42に巻き取られると共に先端48b側が繰り出される。これにより、ワイヤ48の中間部48cがローラ46側に移動し、中間部48cに結合された可動プレート35A及び連結プレート37によって連結された可動プレート35Bがフレーム33A、33Bに沿ってから離反するアームレスト本体11の頂部15側の使用位置対応位置側に移動する。
更に、図10に示すアームレスト本体10がシートクッション2上に載置する使用位置に倒すと、フレーム本体32の傾倒に追従してローラ46がアームレスト回転軸31を中心に回動して移動する。このローラ46の移動に従って更にワイヤ48の基端48a側がワイヤ保持部42に巻き取られると共に先端48b側が繰り出される。これにより、ワイヤ48の中間部48cがローラ46側に移動し、ワイヤ48の中間部48cに結合された可動プレート35A及び可動プレート35Bがフレーム33A、33Bに沿って使用位置対応位置まで移動する。
一方、図10に示す使用位置から図8に示す格納位置にアームレスト本体11を起立回転すると、その起立に伴うフレーム本体32の回動に追従してローラ46がアームレスト回転軸31を中心に回動して移動し、このローラ46の移動に伴ってワイヤ48の先端48b側がワイヤ保持部42に巻き取られ、かつ基端48a側がワイヤ保持部42から繰り出される。これによりワイヤ48の中間部48cがローラ46側からワイヤ保持部42側に移動し、ワイヤ48の中間部48cに結合された可動プレート35A及び可動プレート35Bがフレーム33A、33Bに沿って使用位置対応位置から格納位置対応位置に移動する。
次ぎに、このように構成されたアームレスト装置の作用を説明する。
図1(a)に示すようにシートバック3に形成され格納凹部4に格納されたアームレスト10を図1(b)に示すようにアームレスト10をシートクッション2上の使用位置に移動する場合を例に説明する。
図1(a)に示すアームレスト10が格納凹部4に格納された状態では、アームレスト10は、アームレスト本体11を囲む左右のアームレスト部20A及びアームレスト部20Bが互いに接近移動して互いの背面部23が当接した幅が抑制されたコンパクト形状で、格納凹部4からアームレスト本体11の基部12の背面12c、アームレスト部20Aの背面部23及びアームレスト部20Bの背面部23が露出し、これらアームレスト本体11の基部12の背面12c、アームレスト部20Aの背面部23、アームレスト部20Bの背面部23によってシートバック3の一部を形成する。
アームレスト10が格納凹部4に格納される格納位置においては、図3及び図8に示すように、移動機構41のワイヤ保持部42とローラ46との間に張設されたワイヤ48の中間部48cに結合された可動プレート35A、35Bが格納位置対応位置に保持される。この格納状態においてブラケット38Aのガイドピン39a及び39bは可動プレート35Aに形成されたガイド溝36Aの直線溝36aの端部及びガイド溝36Bの直線溝36aの端部に保持される。同様に、ブラケット38Bのガイドピン39a及び39bは可動プレート35Bに形成されたガイド溝36Aの直線溝36aの端部及びガイド溝36Bの直線溝36aの端部に保持される。これにより、ブラケット38Aに結合されたアームレスト部20A及びブラケット38Bに結合されたアームレスト部20Bは互いに接近した格納凹部4に収容可能な狭幅位置に保持される。
この格納凹部4に格納されたアームレスト10を、格納位置から図2(b)に示すようにアームレスト本体11の上部に形成された把持部18を前方のシートクッション2側に引き出すと、図4に示すようにアームレスト10が前方に傾倒する。これに伴うフレーム本体32の傾倒に追従してローラ46がアームレスト回転軸31を中心に前方に回動して移動する。このローラ46の移動に従ってワイヤ48の基端48a側がワイヤ保持部42に次第に巻き取られると共に先端48b側がワイヤ保持部42から繰り出される。これによりワイヤ48の中間部48cがワイヤ保持部42側からローラ46側に移動し、中間部48cに結合された可動プレート35A及び可動プレート35Bがフレーム33A、33Bに沿って格納位置対応位置から使用位置対応位置側に移動する。
これにより可動プレート35Aに形成されたガイド溝36Aの直線溝36a及びガイド溝36Bの直線溝36aがブラケット38Aのガイドピン39a及び39bに沿って移動し、同様に可動プレート35Bに形成されたガイド溝36Aの直線溝36a及びガイド溝36Bの直線溝36aがブラケット38Bのガイドピン39a及び39bに沿って移動するものの、ブラケット35Aに結合されたアームレスト部20A及びブラケット35Bに結合されたアームレスト部20Bは拡幅方向に移動することなく、狭幅位置に維持され、アームレスト10を円滑に格納凹部3から前方に引き出される。
更に、図5及び図9に示すようにアームレスト部20A、20Bが格納凹部4から抜け出すまでアームレスト本体11を前方に傾倒すると、更にフレーム本体32の傾倒に追従してローラ46がアームレスト回転軸31を中心に前方に回動して移動する。このローラ46の移動に従ってワイヤ48の基端48a側がワイヤ保持部42に巻き取られると共に先端48b側が繰り出される。これによりワイヤ48の中間部48cがローラ46側に移動し、可動プレート35A及び可動プレート35Bがフレーム33A、33Bに沿って使用位置対応位置側に移動し、可動プレート35Aに形成されたガイド溝36Aの屈曲部36c及びガイド溝36Bの屈曲部36cがブラケット38Aのガイドピン39a及び39bに達する。これにより、アームレスト10のアームレスト部20A、20Bが格納凹部4から抜け出すまでは、ブラケット35Aに結合されたアームレスト20A及びブラケット35Bに結合されたアームレスト部20Bは拡幅方向に移動することなく、格納位置のアームレスト10の幅が維持され円滑に格納凹部4から前方に抜き出される。
格納凹部4からアームレスト部20A、20Bが脱出したアームレスト10を引き続き図6に示すように前方に傾倒されると、フレーム本体32がその傾倒に追従にてローラ46がアームレスト回転軸31を中心に回動移動し、このローラ46の移動によってワイヤ48の基端48a側がワイヤ保持部42に巻き取られると共に先端48b側がワイヤ保持部42から繰り出される。これにより、ワイヤ48の中間部48cがローラ46側に移動し、中間部48cに結合された可動プレート35A及び可動プレート35Bがフレーム33A、33Bに沿って使用位置対応位置側に移動する。この可動プレート35Aの移動に伴って可動プレート35Aに形成されガイド溝36Aの傾斜溝36b及びガイド溝36Bの傾斜溝26bによってブラケット38Aのガイドピン39a及び39bを側方に押動してブラケット38Aに結合されたアームレスト部20Aが次第に側方に移動する。同様に可動プレート35Bの移動に伴って可動プレート35Bに形成されガイド溝36Aの傾斜溝36b及びガイド溝36Bの傾斜溝26bによってブラケット38Bのガイドピン39a及び39bを側方に押動してブラケット38Bに結合されたアームレスト部20Bが次第に側方に移動する。即ちアームレスト部20A及びアームレスト部20Bが次第に離反する拡幅移動が開始される。
更に、図7及び図10に示すアームレスト本体10がシートクッション2上に載置する使用位置に傾倒すると、フレーム本体32の傾倒に追従してローラ46がアームレスト回転軸31を中心に回動して移動する。このローラ46の移動に従ってワイヤ48の基端48a側がワイヤ保持部42に巻き取られると共に先端48b側がワイヤ保持部42に繰り出される。これにより、ワイヤ48の中間部48cがローラ46側に移動し、ワイヤ48の中間部48cに結合された可動プレート35A及び可動プレート35Bがフレーム33A、33Bに沿って離反する使用位置対応位置まで移動する。この可動プレート35Aの移動に伴って可動プレート35Aに形成されガイド溝36Aの傾斜溝36b及びガイド溝36Bの傾斜溝26bによってブラケット38Aのガイドピン39a及び39bを側方に押動してブラケット38Aに結合されたアームレスト部20Aが拡幅位置まで移動し、同様に可動プレート35Bの移動に伴って可動プレート35Bに形成されガイド溝36Aの傾斜溝36b及びガイド溝36Bの傾斜溝26bによってブラケット38Bのガイドピン39a及び39bを側方に押動してブラケット38Bに結合されたアームレスト部20Bが拡幅位置まで移動し、アームレスト部20A及びアームレスト部20Bが互いに離反し、図1(b)に示すアームレスト部20A及び20Bが互いに左右に離間して拡幅される。
この使用位置においては、左右のアームレスト部20Aとアームレスト部20Bが互いに離間してアームレスト10の有効幅が確保されて、アームレスト10の両側に着座した乗員それぞれがアームレストを使用することができる。また、アームレスト本体11の上部14及び側部16A、16Bが各アームレスト部20A、20Bの側面部21、上面部22によって被覆されてアームレストとしての機能品質が確保されて乗員の乗り心地の向上が得られる。また、アームレスト部20Aと20Bの間からアームレスト本体11の上部14に形成したカップホルダ17a、17b及びとてー17cが露出して、これらカップホルダ17a、17b、トレー17c等の使用が可能になり、利便性が向上する。
一方、この図1(b)に示す使用位置から把持部18を持ってアームレスト本体11を後方に起立すると、そのアームレスト本体11の回転に伴うフレーム本体32の回動に追従して移動機構41のローラ46がアームレスト回転軸31を中心に上方に回動移動し、このローラ46の移動に伴ってワイヤ48の先端48b側がワイヤ保持部42に巻き取られ、かつ基端48a側がワイヤ保持部42から繰り出される。これによりワイヤ48の中間部48cがローラ46側からワイヤ保持部42側に移動し、ワイヤ48の中間部48cに結合された可動プレート35A及び可動プレート35Bがフレーム33A、33Bに沿って使用位置対応位置側に次第に移動し、この可動プレート35Aの移動に伴って可動プレート35Aに形成されガイド溝36Aの傾斜溝36b及びガイド溝36Bの傾斜溝36bによってブラケット38Aのガイドピン39a及び39bが内方に押動してブラケット38Aに結合されたアームレスト部20Aが狭幅位置まで移動し、同様に可動プレート35Bの移動に伴って可動プレート35Bに形成されたガイド溝36Aの傾斜溝36b及びガイド溝36Bの傾斜溝36bによってブラケット38Bのガイドピン39a及び39bを内方に押動してブラケット38Bに結合されたアームレスト部20Bが狭幅位置まで移動し、アームレスト部20A及びアームレスト部20Bが互いに接近移動して格納凹部4に挿入可能に狭幅される。
この格納凹部4に挿入可能にアームレスト部20A及び20Bが狭幅されたアームレスト10のアームレスト本体11を更に後方に傾倒すると、ローラ46がアームレスト回転軸31を中心に後に回動移動し、このローラ46の移動に伴ってワイヤ48の基端48a側がワイヤ保持部42に巻き取られ、かつ先端48b側がワイヤ保持部42から繰り出される。これにより、可動プレート35Aに形成されたガイド溝36Aの直線溝36a及びガイド溝36Bの直線溝36aがブラケット38Aのガイドピン39a及び39bに沿って移動し、同様に可動プレート35Bに形成されたガイド溝36Aの直線溝36a及びガイド溝36Bの直線溝36aがブラケット38Bのガイドピン39a及び39bに沿って移動し、アームレスト部20A及びブラケット部35Bに結合されたアームレスト部20Bは狭幅位置に維持され、円滑に格納凹部4内の格納位置に配置される。
従って、本実施の形態によると、格納凹部4内に保持されたアームレスト10のアームレスト本体11の把持部18を前方に引き出し、シートクッション2側の使用位置に倒す簡単な操作で、アームレスト本体11の両側に配置された左右のアームレスト部20A及びアームレスト部20Bが互いに離間してアームレスト10の有効幅が確保されて、アームレスト10の両側に着座したそれぞれの乗員のアームレストの使用が容易になる。また、アームレスト本体11の上部14に形成されたカップホルダ17a、17b及びトレー17cの使用が可能になり、利便性が向上する。
一方、使用位置にあるアームレスト本体11を格納位置に起立する簡単な操作で、アームレスト本体11の両側に配置された左右のアームレスト20A及びアームレスト20Bが互いに接近移動した狭幅状態で、格納凹部4に格納され、格納位置におけるアームレスト10の占有スペース及び収納するための凹部4のコンパクトが得られ、乗員の着座性等の乗り心地の向上が得られる。また、格納状態において各アーム部20A、20Bの背面部23が連続状態に当接してシートバック3の一部として機能し、乗員の着座性等の乗り心地の向上が得られる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば上記実施の形態では、アームレスト本体11の傾倒及び起立回転に連動して可動プレート35A,35Bを格納位置対応位置と使用位置対応位置との間で移動せしめる移動機構41を、ワイヤ保持部42、ローラ46、ワイヤ保持部42とローラ46との間に巻回するワイヤ48等により構成したが、他のリンク機構やカム機構により構成することができる。また、可動プレート35A、35Bの移動方向を、その移動方向に対して交差する幅方向のアームレスト部20Aの移動方向に変換する移動方向変換機構40Aを、可動プレート35A、35Bに形成したガイド溝36A、36B及びガイド溝36A、36Bに係合するガイドピン39a、39b等によるリンク機構により構成したが、他のリンク機構やカム機構等によって構成することもできる。更に、可動プレート35Aと可動プレート35Bを連結プレート37を介して連結したが、可動プレート35Aと可動プレート35Bを一体形成することもできる。