JP2012198950A - サスペンション用フレキシャー基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、およびハードディスクドライブ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 インターリーブ配線構造を有するサスペンション用フレキシャー基板において、インターリーブ配線構造が形成された領域の下にある金属支持基板の部位を除去し、金属支持基板よりも高い導電性を有する導体膜を、絶縁層を介してインターリーブ配線と平面視上重複するように形成して、少なくとも、金属支持基板/第1絶縁層/インターリーブ配線/第2絶縁層/導体膜、または、金属支持基板/第1絶縁層/導体膜/第2絶縁層/インターリーブ配線の積層構成とすることにより、上記課題を解決する。
【選択図】 図3
Description
図13に示すように、インターリーブ配線構造においては、ジャンパー線53で電気的に接続されて環状に閉じた線路になっている一対の配線51、52が、相互に略U字状の部分で挟み合うように配置されており、配線51、52が並走する部分においては、2本の配線51と2本の配線52の計4本の配線が、交互に配列された構成となっている。
このような構成とすることにより、インターリーブ配線構造においては、通常の差動配線のような一対の配線2本を配置した構成に比べ、差動インピーダンスを低減することができる。
上記のようなインターリーブ配線構造で、差動インピーダンスを低減させるためには、例えば、配線の線幅をより大きくするか、配線間の距離をより小さくすることが必要になる。しかしながら、配線の線幅を大きくすることは配線の高密度化の観点から好ましくなく、また、配線間の距離を小さくすることは、配線間のショート防止のために高い加工精度が要求され、コストアップ等を招くことになるため好ましくない。
また、本発明によれば、伝送線路との間に誘導もしくは容量性結合を形成する導電膜は、側壁等のない略平坦な絶縁層の上に形成できるため、例えば、前記導電膜を、金属支持基板に設けられた開口内に形成する場合よりも、容易に形成することができ、信頼性の高いサスペンション用フレキシャー基板を得ることができる。
まず、本発明のサスペンション用フレキシャー基板について説明する。
図1は、本発明のサスペンション用フレキシャー基板の一例を示す概略平面図である。
図1に示されるサスペンション用フレキシャー基板1は、先端部分に磁気ヘッドスライダを実装するためのジンバル部2を有し、末端部分に読取回路または書込回路と接続するための接続端子部3を有し、ジンバル部2と接続端子部3との間に、前記磁気ヘッドと書込回路とを電気的に接続するための書込配線4と、前記磁気ヘッドと読取回路とを電気的に接続する読取配線5を有するものである。
図2は、本発明に係るサスペンション用フレキシャー基板の第1の実施形態の配線構成例を説明する概略平面図である。ここで、図2に示す配線は、書込配線であっても良く、読取配線であっても良いが、中でも書込配線であることが好ましい。書込配線では、特に低インピーダンス化が求められているからである。
図3(a)に示すように、本実施形態のサスペンション用フレキシャー基板1は、金属支持基板21の上に第1絶縁層23を有し、第1絶縁層23の上に、伝送線路(11A、11B、12A、12B)が交互配列されており、前記交互配列された伝送線路の上に、第2の絶縁層24が形成されており、第2の絶縁層24の上に、前記導体膜19が形成されている。
また、導電膜19は、金属支持基板21よりも導電性が高いため、電気信号が導体膜19を伝送しても、その伝送ロスを小さくすることができる。
それゆえ、本発明のサスペンション用フレキシャー基板は、特に高周波信号を用いるサスペンション用フレキシャー基板として有用である。
例えば、図2に示すように、導電膜19は、交互配列された領域の4つの伝送線路(11A、11B、12A、12B)の全てと、平面視上重複するように形成されていることが好ましい。
図13に示すように、インターリーブ配線構造においては、隣接する逆位相の伝送線路を跨いで同位相の伝送線路間を電気的に接続するためにジャンパー線を必要とする。
図5(a)に示すように、伝送線路12Aと伝送線路12Bは、接続ビア16A、16B、および接続線路14で構成されるジャンパー線により、伝送線路11Bを跨いで、電気的に接続されている。接続線路14は、導体膜19が形成されている第2絶縁層24の上に形成されている。
図6は、本発明に係るサスペンション用フレキシャー基板の第2の実施形態の配線構成例を説明する概略平面図である。また、図7(a)および(b)は、図6に示す配線構成におけるC−C断面図である。
また、導電膜19は、金属支持基板21よりも導電性が高いため、電気信号が導体膜19を伝送しても、その伝送ロスを小さくすることができる。
それゆえ、上述の第1の実施形態と同様に、本実施形態のサスペンション用フレキシャー基板は、特に高周波信号を用いるサスペンション用フレキシャー基板として有用である。
例えば、図6に示すように、導電膜19は、交互配列された領域の4つの伝送線路(11A、11B、12A、12B)の全てと、平面視上重複するように形成されていることが好ましい。
ここで、上述の第1の実施形態においては、ジャンパー線を構成する接続線路は、第2絶縁層の上に形成されていたが、本実施形態においては、第1絶縁層と第2絶縁層の間に形成される。
図8(a)に示すように、伝送線路12Aと伝送線路12Bは、接続ビア16A、16B、および接続線路14で構成されるジャンパー線により、伝送線路11Bの下を潜るようにして、電気的に接続されている。接続線路14は、導体膜19が形成されている第1絶縁層23の上に形成されている。
伝送線路の材料としては、所望の導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば銅(Cu)等を挙げることができる。伝送線路は、その表面にニッケル(Ni)、金(Au)による保護めっき層が形成されていても良い。
次に、本発明における導体膜について説明する。本発明においては、導体膜が金属支持基板よりも高い導電性を有することを大きな特徴としている。導体膜の材料としては、例えば、金属を挙げることができ、具体的には、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)、および、これらの金属の合金等を挙げることができ、中でも銅(Cu)が好ましい。導電性が高く、安価だからである。
導体膜の厚さは、交互配列された伝送線路との間で誘導もしくは容量性結合を形成でき、差動インピーダンスの低減に寄与できる厚さであれば良く、例えば、1μm以上であることが好ましく、2μm〜10μmの範囲内であることがより好ましく、3μm〜7μmの範囲内であることがさらに好ましい。
次に、本発明における接続線路について説明する。本発明においては、ジャンパー線の一部を構成する接続線路が、導体膜と同じ材料、同じ厚さで形成されていることが好ましい。接続線路を、導体膜を形成する工程と同じ工程で形成することができるからである。
次に、本発明における金属支持基板について説明する。金属支持基板の材料としては、サスペンション用フレキシャー基板の支持体として機能し、所望のばね性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばステンレス鋼を挙げることができる。
金属支持基板の厚さは、例えば10μm〜30μmの範囲内、中でも15μm〜25μmの範囲内であることが好ましい。
次に、本発明における第1絶縁層について説明する。第1絶縁層は、金属支持基板の表面上に形成されるものであり、第1絶縁層の上に形成される伝送線路や導体膜と、金属支持基板とを電気的に絶縁するものである。第1絶縁層の材料としては、所望の絶縁性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばポリイミド等を挙げることができる。また、第1絶縁層の材料は、感光性材料であっても良く、非感光性材料であっても良い。第1絶縁層の厚さは、例えば5μm〜30μmの範囲内であることが好ましい。
次に、本発明における第2絶縁層について説明する。第2絶縁層は、第1絶縁層の上に形成されるものであり、交互配列された伝送線路と導体膜との間に誘導もしくは容量性結合を形成する誘電体として機能するものである。第2絶縁層の材料としては、例えばポリイミド等を挙げることができる。第2絶縁層の材料は、感光性材料であっても良く、非感光性材料であっても良い。第2絶縁層の厚さは、所望の誘導もしくは容量性結合を形成するものであれば良く、例えば5μm〜30μmの範囲内であることが好ましい。
次に、本発明に用いられるカバー層について説明する。腐食等による劣化を防止するため、伝送線路や導体膜、接続線路は、カバー層で覆われていることが好ましい。カバー層の材料としては、例えば、ポリイミドを挙げることができる。また、カバー層の材料は、感光性材料であっても良く、非感光性材料であっても良い。カバー層の厚さは、例えば3μm〜30μmの範囲内であることが好ましい。
次に、本発明のサスペンション用フレキシャー基板の製造方法について説明する。なお、本発明のサスペンション用フレキシャー基板の製造方法は、上述した構成を有するサスペンション用フレキシャー基板を得ることができる方法であれば特に限定されるものではない。
以下、本発明のサスペンション用フレキシャー基板の製造方法の一例について、図9〜図12を用いて説明する。
まず、図3(b)に示す本発明の第1実施形態のサスペンション用フレキシャー基板の製造方法の一例について、図9および図10を用いて説明する。
図9(a)に示すように、まず、金属支持基板21(例えばステンレス鋼)、第1絶縁層23(例えばポリイミド)、および導体層31(例えば銅)が、順次積層された積層体を用意する。第1絶縁層23と導体層31の間には、シード層があっても良い(図示せず)。
次に、図7(b)に示す本発明の第2実施形態のサスペンション用フレキシャー基板の製造方法の一例について、図11および図12を用いて説明する。
図11(a)に示すように、まず、金属支持基板21(例えばステンレス鋼)、第1絶縁層23(例えばポリイミド)、および導体層34(例えば銅)が順次積層された積層体を用意する。第1絶縁層23と導体層34の間には、シード層があっても良い(図示せず)。
次に、本発明のサスペンションについて説明する。本発明のサスペンションは、上述したサスペンション用フレキシャー基板を含むことを特徴とするものである。
次に、本発明のヘッド付サスペンションについて説明する。本発明のヘッド付サスペンションは、上述したサスペンションと、該サスペンションに実装された磁気ヘッドスライダとを有するものである。
サスペンションについては、上述した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、磁気ヘッドスライダは、一般的なヘッド付サスペンションに用いられる磁気ヘッドスライダと同様のものを用いることができる。
次に、本発明のハードディスクドライブについて説明する。本発明のハードディスクドライブは、上述したヘッド付サスペンションを含むことを特徴とするものである。
図3(b)に示す構成の本発明に係るサスペンション用フレキシャー基板における差動インピーダンスを、シミュレーションにより算出した。
ここで、金属支持基板21には厚さ20μmのステンレス鋼を用い、図3(b)に示す開口部22の幅は、305μmとした。
また、第1絶縁層23には厚さ10μm、比誘電率3.0のポリイミドを用いた。
また、伝送線路11A、11B、12A、12Bの厚さは、いずれも12μmとし、図3(b)に示す断面の線幅は、いずれも45μmとし、各伝送線路間の距離は、いずれも15μmとした。なお、図4に示すW1およびW2の値は、それぞれ40μmとなるようにした。
また、第2絶縁層24には比誘電率3.0のポリイミドを用い、第1絶縁層23からの厚さを22μmとした。
また、導電膜19には厚さ5μmの銅を用い、図3(b)に示す断面の幅は、265μmとした。
カバー層25には比誘電率3.0のポリイミドを用い、第2絶縁層24からの厚さを10μmとした。
得られた差動インピーダンスは21Ωであった。
図7(b)に示すような構成の本発明に係るサスペンション用フレキシャー基板における差動インピーダンスを、シミュレーションにより算出した。
ここで、金属支持基板21には厚さ20μmのステンレス鋼を用い、図7(b)に示す開口部22の幅は、305μmとした。
また、第1絶縁層23には厚さ10μm、比誘電率3.0のポリイミドを用いた。
また、導電膜19には厚さ5μmの銅を用い、図7(b)に示す断面の幅は、265μmとした。
また、第2絶縁層24には比誘電率3.0のポリイミドを用い、第1絶縁層23からの厚さを15μmとした。
また、伝送線路11A、11B、12A、12Bの厚さは、いずれも12μmとし、図7(b)に示す断面の線幅は、いずれも45μmとし、各伝送線路間の距離は、いずれも15μmとした。
カバー層25には比誘電率3.0のポリイミドを用い、第2絶縁層24からの厚さを17μmとした。
得られた差動インピーダンスは21Ωであった。
導電膜19を形成しないこと以外は、実施例1と同様にして、差動インピーダンスを算出した結果、得られた差動インピーダンスは30Ωであった。
導電膜19を形成しないこと以外は、実施例2と同様にして、差動インピーダンスを算出した結果、得られた差動インピーダンスは30Ωであった。
2・・・ジンバル部
3・・・接続端子部
4・・・書込配線
5・・・読取配線
11A、11B、12A、12B・・・伝送線路
13、14・・・接続線路
15A、15B、16A、16B・・・接続ビア
17A、17B、18A、18B・・・接続端子
19・・・導体膜
21・・・金属支持基板
22・・・開口部
23・・・第1絶縁層
24・・・第2絶縁層
25・・・カバー層
31、34・・・導体層
32、35・・・シード層
33、36・・・レジストパターン
50・・・インターリーブ配線
51、52・・・配線
53・・・ジャンパー線
54・・・接続端子
Claims (14)
- 金属支持基板上に、少なくとも、第1の絶縁層を介して、磁気ヘッドと外部回路とを電気的に接続するための配線が形成されているサスペンション用フレキシャー基板であって、
前記配線は、第1の電気信号を伝送する2以上の伝送線路と、前記第1の電気信号とは逆位相となる第2の電気信号を伝送する2以上の伝送線路が、平面的に交互配列されたインターリーブ構造を有し、
前記金属支持基板は、平面視上、前記伝送線路が交互配列された領域の下に開口部を有し、
前記金属支持基板よりも高い導電性を有する導体膜が、前記交互配列された伝送線路の少なくとも一部と、第2の絶縁層を介して、平面視上重複するように、前記配線とは絶縁された状態で形成されていることを特徴とするサスペンション用フレキシャー基板。 - 前記導体膜が、前記交互配列された全ての前記伝送線路と、平面視上重複するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用フレキシャー基板。
- 前記導体膜が、前記金属支持基板の長手方向の両外縁に沿って帯状に形成されていることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板。
- 前記導体膜が、グランドに接続されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板。
- 前記金属支持基板の材料がステンレス鋼であり、前記導体膜の材料が銅であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板。
- 前記第1の絶縁層の上に、前記伝送線路が交互配列されており、前記交互配列された伝送線路の上に、前記第2の絶縁層が形成されており、前記第2の絶縁層の上に、前記導体膜が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板。
- 前記導体膜の上に、カバー層を有することを特徴とする請求項6に記載のサスペンション用フレキシャー基板。
- 前記交互配列された同位相の伝送線路間を電気的に接続するためのジャンパー線の一部を構成する接続線路が、前記第2の絶縁層の上に、前記導体膜とは絶縁された状態で、前記導体膜と同じ材料から形成されていることを特徴とする請求項6〜7のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板。
- 前記第1の絶縁層の上に、前記導体膜が形成されており、前記導体膜の上に前記第2の絶縁層が形成されており、前記第2の絶縁層の上に、前記伝送線路が交互配列されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板。
- 前記交互配列された伝送線路の上に、カバー層を有することを特徴とする請求項9に記載のサスペンション用基板。
- 前記交互配列された同位相の伝送線路間を電気的に接続するためのジャンパー線の一部を構成する接続線路が、前記第1の絶縁層と第2の絶縁層と間に、前記導体膜とは絶縁された状態で、前記導体膜と同じ材料から形成されていることを特徴とする請求項9〜10のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板。
- 請求項1〜11のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板を含むことを特徴とするサスペンション。
- 請求項12に記載のサスペンションと、前記サスペンションに実装された磁気ヘッドスライダとを有することを特徴とするヘッド付サスペンション。
- 請求項13に記載のヘッド付サスペンションを含むことを特徴とするハードディスクドライブ。
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