JP2012198950A - サスペンション用フレキシャー基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、およびハードディスクドライブ - Google Patents

サスペンション用フレキシャー基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、およびハードディスクドライブ Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、電気信号の伝送ロスが小さく、差動インピーダンスを低減させたサスペンション用フレキシャー基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、およびハードディスクドライブを提供することを目的とするものである。
【解決手段】 インターリーブ配線構造を有するサスペンション用フレキシャー基板において、インターリーブ配線構造が形成された領域の下にある金属支持基板の部位を除去し、金属支持基板よりも高い導電性を有する導体膜を、絶縁層を介してインターリーブ配線と平面視上重複するように形成して、少なくとも、金属支持基板/第1絶縁層/インターリーブ配線/第2絶縁層/導体膜、または、金属支持基板/第1絶縁層/導体膜/第2絶縁層/インターリーブ配線の積層構成とすることにより、上記課題を解決する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ハードディスクドライブ(HDD)に用いられるサスペンション用フレキシャー基板に関し、より詳しくは、差動インピーダンスが低減されたサスペンション用フレキシャー基板に関するものである。
近年、インターネットの普及等によりパーソナルコンピュータの情報処理量の増大や情報処理速度の高速化が要求されてきており、それに伴って、パーソナルコンピュータに組み込まれているハードディスクドライブ(HDD)も大容量化や情報伝達速度の高速化が必要となってきている。
ハードディスクドライブは磁気記録媒体である磁気ディスク、それを高速回転させるスピンドルモータ、磁気ディスクに対して情報を読取または書込する磁気ヘッド、それを高精度に保持しつつ移動させるための各部品、これらの駆動制御回路および信号処理回路などによって構成されている。
そして、このハードディスクドライブに用いられる磁気ヘッドを支持している磁気ヘッドサスペンションと呼ばれる部品も、従来の金ワイヤ等の信号線を接続するタイプから、ステンレスのばねに直接銅配線等の信号線が形成されている、いわゆるワイヤレスサスペンションと呼ばれる配線一体型(フレキシャー)に移行している。
このようなサスペンション用フレキシャー基板における配線は、一般的には、一対の書込配線と一対の読取配線とが、金属支持基板の上に形成された絶縁層の上に、各々配設された構成をしている(特許文献1)。
そして、上述の各配線においては、例えば、差動伝送により電気信号の伝送が行われ、一対の配線間には、分布定数回路としての差動伝送路の特性インピーダンスである差動インピーダンスが存在する。この差動インピーダンスは、磁気ヘッドやプリアンプの低インピーダンス化に伴い、インピーダンスマッチングの観点から、低インピーダンス化することが要求されている。
この差動インピーダンスを低減することが可能な配線構成として、第1の電気信号を伝送する一対の配線と、前記第1の電気信号とは逆位相となる第2の電気信号を伝送する一対の配線が交互配列された配線構成(インターリーブ配線構造)が提案されている(特許文献2)。
図13は、上述のインターリーブ配線構造の基本構成の例を示す説明図である。
図13に示すように、インターリーブ配線構造においては、ジャンパー線53で電気的に接続されて環状に閉じた線路になっている一対の配線51、52が、相互に略U字状の部分で挟み合うように配置されており、配線51、52が並走する部分においては、2本の配線51と2本の配線52の計4本の配線が、交互に配列された構成となっている。
このような構成とすることにより、インターリーブ配線構造においては、通常の差動配線のような一対の配線2本を配置した構成に比べ、差動インピーダンスを低減することができる。
上述のようなインターリーブ配線構造をサスペンション用フレキシャー基板に形成する方法として、例えば、金属支持基板の上に形成されたベース絶縁層の上に一対の差動配線を交互配置し、これらの配線の上にカバー絶縁層を形成し、前記カバー絶縁層の上に形成する接続層と、前記カバー絶縁層に設けた接続ビアとでジャンパー線を構成して同位相の配線同士を電気的に接続する方法が提案されている(特許文献3)。
特開2004−133988号公報 特開平10−124837号公報 特開2010−114366号公報
ここで、従来の方法(例えば、特許文献3)では、インターリーブ配線はベース絶縁層の表面上に配設されているため、金属支持基板(通常、ステンレス鋼)との距離が近く、高周波特性に悪影響を受けやすい。より具体的に説明すると、配線と配線下の金属支持基板とは、誘導もしくは容量性結合を形成しているため、電気信号(特に高周波信号)が導電性の低い金属支持基板にも電流を発生して、伝送ロスが大きくなるという問題がある。そのため、配線下の金属支持基板には開口を設けて、上記の誘導もしくは容量性結合を低減させる方法が提案されている。
しかしながら、上述のように、金属支持基板に開口を設けて、配線下の金属支持基板を除去した場合には、配線の差動インピーダンスが高くなってしまうという問題がある。
上記のようなインターリーブ配線構造で、差動インピーダンスを低減させるためには、例えば、配線の線幅をより大きくするか、配線間の距離をより小さくすることが必要になる。しかしながら、配線の線幅を大きくすることは配線の高密度化の観点から好ましくなく、また、配線間の距離を小さくすることは、配線間のショート防止のために高い加工精度が要求され、コストアップ等を招くことになるため好ましくない。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、電気信号の伝送ロスが小さく、差動インピーダンスを低減させたサスペンション用フレキシャー基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、およびハードディスクドライブを提供することを目的とする。
本発明者は、種々研究した結果、インターリーブ配線構造を有するサスペンション用フレキシャー基板において、インターリーブ配線構造が形成された領域の下にある金属支持基板の部位を除去し、金属支持基板よりも高い導電性を有する導体膜を、絶縁層を介してインターリーブ配線と平面視上重複するように形成して、少なくとも、金属支持基板/第1絶縁層/インターリーブ配線/第2絶縁層/導体膜、または、金属支持基板/第1絶縁層/導体膜/第2絶縁層/インターリーブ配線の積層構成とすることで、上記課題を解決できることを見出して本発明を完成したものである。
すなわち、本発明の請求項1に係る発明は、金属支持基板上に、少なくとも、第1の絶縁層を介して、磁気ヘッドと外部回路とを電気的に接続するための配線が形成されているサスペンション用フレキシャー基板であって、前記配線は、第1の電気信号を伝送する2以上の伝送線路と、前記第1の電気信号とは逆位相となる第2の電気信号を伝送する2以上の伝送線路が、平面的に交互配列されたインターリーブ構造を有し、前記金属支持基板は、平面視上、前記伝送線路が交互配列された領域の下に開口部を有し、前記金属支持基板よりも高い導電性を有する導体膜が、前記交互配列された伝送線路の少なくとも一部と、第2の絶縁層を介して、平面視上重複するように、前記配線とは絶縁された状態で形成されていることを特徴とするサスペンション用フレキシャー基板である。
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記導体膜が、前記交互配列された全ての前記伝送線路と、平面視上重複するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用フレキシャー基板である。
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記導体膜が、前記金属支持基板の長手方向の両外縁に沿って帯状に形成されていることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板である。
また、本発明の請求項4に係る発明は、前記導体膜が、グランドに接続されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板である。
また、本発明の請求項5に係る発明は、前記金属支持基板の材料がステンレス鋼であり、前記導体膜の材料が銅であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板である。
また、本発明の請求項6に係る発明は、前記第1の絶縁層の上に、前記伝送線路が交互配列されており、前記交互配列された伝送線路の上に、前記第2の絶縁層が形成されており、前記第2の絶縁層の上に、前記導体膜が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板である。
また、本発明の請求項7に係る発明は、前記導体膜の上に、カバー層を有することを特徴とする請求項6に記載のサスペンション用フレキシャー基板である。
また、本発明の請求項8に係る発明は、前記交互配列された同位相の伝送線路間を電気的に接続するためのジャンパー線の一部を構成する接続線路が、前記第2の絶縁層の上に、前記導体膜とは絶縁された状態で、前記導体膜と同じ材料から形成されていることを特徴とする請求項6〜7のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板である。
また、本発明の請求項9に係る発明は、前記第1の絶縁層の上に、前記導体膜が形成されており、前記導体膜の上に前記第2の絶縁層が形成されており、前記第2の絶縁層の上に、前記伝送線路が交互配列されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板である。
また、本発明の請求項10に係る発明は、前記交互配列された伝送線路の上に、カバー層を有することを特徴とする請求項9に記載のサスペンション用基板である。
また、本発明の請求項11に係る発明は、前記交互配列された同位相の伝送線路間を電気的に接続するためのジャンパー線の一部を構成する接続線路が、前記第1の絶縁層と第2の絶縁層と間に、前記導体膜とは絶縁された状態で、前記導体膜と同じ材料から形成されていることを特徴とする請求項9〜10のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板である。
また、本発明の請求項12に係る発明は、請求項1〜11のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板を含むことを特徴とするサスペンションである。
また、本発明の請求項13に係る発明は、請求項12に記載のサスペンションと、前記サスペンションに実装された磁気ヘッドスライダとを有することを特徴とするヘッド付サスペンションである。
また、本発明の請求項14に係る発明は、請求項13に記載のヘッド付サスペンションを含むことを特徴とするハードディスクドライブである。
本発明によれば、電気信号の伝送ロスが小さく、差動インピーダンスを低減させたサスペンション用フレキシャー基板を得ることができる。
また、本発明によれば、伝送線路との間に誘導もしくは容量性結合を形成する導電膜は、側壁等のない略平坦な絶縁層の上に形成できるため、例えば、前記導電膜を、金属支持基板に設けられた開口内に形成する場合よりも、容易に形成することができ、信頼性の高いサスペンション用フレキシャー基板を得ることができる。
本発明に係るサスペンション用フレキシャー基板の一例を示す概略平面図である。 本発明に係るサスペンション用フレキシャー基板の配線構成の一例を説明する概略平面図である。 図2におけるA−A断面図であり、(a)は断面構成の一例であり、(b)は他の断面構成例である。 本発明に係るサスペンション用フレキシャー基板を説明する概略断面図である。 図2に示すB−B断面図であり、(a)は断面構成の一例であり、(b)は他の断面構成例である。 本発明に係るサスペンション用フレキシャー基板の配線構成の他の例を説明する概略平面図である。 図6におけるC−C断面図であり、(a)は断面構成の一例であり、(b)は他の断面構成例である。 図6に示すD−D断面図であり、(a)は断面構成の一例であり、(b)は他の断面構成例である。 本発明に係るサスペンション用フレキシャー基板の製造方法の一例を示す模式的工程図である。 図9に続く、本発明に係るサスペンション用フレキシャー基板の製造方法の一例を示す模式的工程図である。 本発明に係るサスペンション用フレキシャー基板の製造方法の他の例を示す模式的工程図である。 図10に続く、本発明に係るサスペンション用フレキシャー基板の製造方法の一例を示す模式的工程図である。 インターリーブ配線構造の基本構成の例を示す説明図である。
以下、本発明のサスペンション用フレキシャー基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、およびハードディスクドライブについて詳細に説明する。
[サスペンション用フレキシャー基板]
まず、本発明のサスペンション用フレキシャー基板について説明する。
図1は、本発明のサスペンション用フレキシャー基板の一例を示す概略平面図である。
図1に示されるサスペンション用フレキシャー基板1は、先端部分に磁気ヘッドスライダを実装するためのジンバル部2を有し、末端部分に読取回路または書込回路と接続するための接続端子部3を有し、ジンバル部2と接続端子部3との間に、前記磁気ヘッドと書込回路とを電気的に接続するための書込配線4と、前記磁気ヘッドと読取回路とを電気的に接続する読取配線5を有するものである。
ここで、書込配線4と読取配線5は、相互の電気的な影響を極力避けるため、および、サスペンション用フレキシャー基板の力学的平衡を保つため、各々、サスペンション用フレキシャー基板の長手方向の両外縁に沿うように配設されている。
なお、図1における書込配線4と読取配線5の配置関係は、一例であって、他の配置関係であっても構わない。例えば、図1における書込配線4の位置に、読取配線5が配設され、読取配線5の位置に、書込配線4が配設されていても良い。
(第1の実施形態)
図2は、本発明に係るサスペンション用フレキシャー基板の第1の実施形態の配線構成例を説明する概略平面図である。ここで、図2に示す配線は、書込配線であっても良く、読取配線であっても良いが、中でも書込配線であることが好ましい。書込配線では、特に低インピーダンス化が求められているからである。
本発明において、前記配線は、第1の電気信号を伝送する2以上の伝送線路と、前記第1の電気信号とは逆位相となる第2の電気信号を伝送する2以上の伝送線路が、平面的に交互配列されたインターリーブ構造を有し、前記交互配列された伝送線路の少なくとも一部と、平面視上重複するように、前記金属支持基板よりも高い導電性を有する導体膜が、前記配線とは絶縁された状態で形成されている。
例えば、図2に示すように、本発明に係る配線(例えば、書込配線4)は、磁気ヘッド用の接続端子(17A、17B)と外部回路用の接続端子(18A、18B)とを電気的に接続する一対の差動配線であって、第1の電気信号を伝送する2つの伝送線路(11A、11B)と、前記第1の電気信号とは逆位相となる第2の電気信号を伝送する2つの伝送線路(12A、12B)が、平面的に交互配列されたインターリーブ構造を構成している。そして、前記配線とは絶縁された導体膜19が、前記交互配列された伝送線路(11A、11B、12A、12B)と、平面視上重複するように形成されている。
図2におけるA−A断面の構成例を、図3(a)および(b)に示す。
図3(a)に示すように、本実施形態のサスペンション用フレキシャー基板1は、金属支持基板21の上に第1絶縁層23を有し、第1絶縁層23の上に、伝送線路(11A、11B、12A、12B)が交互配列されており、前記交互配列された伝送線路の上に、第2の絶縁層24が形成されており、第2の絶縁層24の上に、前記導体膜19が形成されている。
なお、導体膜19の上には、図3(b)に示すように、カバー層25が設けられていることが好ましい。導体膜19の腐食等による劣化を防止することができるからである。
また、図示はしていないが、伝送線路(11A、11B、12A、12B)と第1絶縁層23の間には、前記伝送線路を電解めっき形成するためのシード層が、設けられていても良い。また、導体膜19と第2絶縁層24の間にも、導体膜19を電解めっき形成するためのシード層等が設けられていても良い。
本発明に係る導体膜19は、金属支持基板21よりも高い導電性を有するものであるが、例えば、金属支持基板21の材料がステンレス鋼であり、導体膜19の材料が銅(Cu)であれば、上記の条件を満たすことができる。
一方、金属支持基板21は、前記交互配列された伝送線路(11A、11B、12A、12B)と金属支持基板21との誘導もしくは容量性結合を低減させるために、平面視上、前記伝送線路が交互配列された領域の下に開口部22を有している。
ここで、図4に示すように、交互配列された伝送線路の中で、最も外側に位置する伝送線路(11A、12A)の端部と、開口部22における金属支持基板21の端部との幅を、W1およびW2とした場合、W1およびW2の値は、それぞれ5μm以上であることが好ましい。伝送線路と金属支持基板との誘導もしくは容量性結合を十分に小さくすることができるからである。また、W1およびW2の値は、それぞれ60μm以下であることが好ましい。W1およびW2の値が大き過ぎると、サスペンション用フレキシャー基板が所望の機械的強度を保てなくなる危険性があるからである。
上述のような構成を有するため、本発明においては、交互配列された伝送線路(11A、11B、12A、12B)と導電膜19との間に誘導もしくは容量性結合が形成され、差動インピーダンスを低減させたサスペンション用フレキシャー基板とすることができる。
また、導電膜19は、金属支持基板21よりも導電性が高いため、電気信号が導体膜19を伝送しても、その伝送ロスを小さくすることができる。
それゆえ、本発明のサスペンション用フレキシャー基板は、特に高周波信号を用いるサスペンション用フレキシャー基板として有用である。
また、導電膜19は、側壁等のない略平坦な絶縁層の上に形成できるため、例えば、前記導電膜を、金属支持基板に設けられた開口内に形成する場合よりも、容易に形成することができ、信頼性の高いサスペンション用フレキシャー基板を得ることができる。
また、本発明によれば、第1の絶縁層と第2の絶縁層の間、および/または第2の絶縁層の上に、各種配線を形成することができるため、単層配線構造のサスペンション用フレキシャー基板に比べ、より多くの配線を配設することができる。
また、本発明によれば、積層配線構造のため、磁気ヘッドとの接続において、絶縁層の厚さに応じた段差を利用することができ、多数の接続端子数を有する高機能磁気ヘッドとの接続も容易となる。
なお、本発明においては、前記導電膜が、前記交互配列された伝送線路の少なくとも一部と平面視上重複するように形成されていれば、その重複する伝送線路との間で誘導もしくは容量性結合が形成されるため、上記差動インピーダンス低減の効果を奏するものであるが、差動インピーダンスをより低減させるためには、前記導電膜が、交互配列された全ての伝送線路と平面視上重複するように形成されていることが、好ましい。交互配列された全ての伝送線路との間で誘導もしくは容量性結合が形成されるからである。
例えば、図2に示すように、導電膜19は、交互配列された領域の4つの伝送線路(11A、11B、12A、12B)の全てと、平面視上重複するように形成されていることが好ましい。
また、伝送線路の長手方向においても、前記導電膜が前記交互配列された伝送線路と平面視上重複する面積は、大きいほど低インピーダンス化に好ましい。上記誘導もしくは容量性結合が、より多く形成されるからである。それゆえ、前記導電膜は、構成上の制約を受けない範囲において、可能な限り、交互配列された伝送線路との重複面積が大きくなるように形成されることが好ましい。例えば、前記導電膜は、前記交互配列された伝送線路の長手方向に伴って、帯状に形成されていることが好ましい。
ここで、上述のように、書込配線と読取配線は、相互の電気的な影響を極力避けるため、および、サスペンション用フレキシャー基板の力学的平衡を保つため、各々、サスペンション用フレキシャー基板の長手方向の両外縁に沿うように配設されている。
それゆえ、本発明においては、前記導体膜が、書込配線および読取配線の配設形態と同様に、前記金属支持基板の長手方向の両外縁に沿って帯状に形成されていることが、サスペンション用フレキシャー基板の力学的平衡を保つために好ましい。
なお、前記導体膜は、低インピーダンス化を達成するために、交互配列された伝送線路と平面視上重複していれば良く、例えば、サスペンション用フレキシャー基板の力学的平衡を保つ目的で、伝送線路が交互配列されている配列幅よりも部分的に大きな幅を有していても良く、また、前記伝送線路と平面視上重複しない位置にも配設されていてもよい。
また、サスペンション用フレキシャー基板には、グランドと接続するためのグランド線が形成されている場合がある。本発明に係るサスペンション用フレキシャー基板においても、グランド線を有していることが好ましく、前記導体膜が、前記グランド線に接続されていることが好ましい。前記導体膜の電磁シールド性が向上し、さらに差動インピーダンスを低減させたサスペンション用フレキシャー基板とすることができるからである。
次に、本発明のインターリーブ構造におけるジャンパー線の構成について説明する。
図13に示すように、インターリーブ配線構造においては、隣接する逆位相の伝送線路を跨いで同位相の伝送線路間を電気的に接続するためにジャンパー線を必要とする。
本発明においては、上記のジャンパー線の一部を、前記導体膜が形成されている絶縁層の面に、前記導体膜と同じ材料で形成することが好ましい。
例えば、図2に示すように、交互配列された同位相の伝送線路11Aと伝送線路11Bは、接続ビア15A、15B、および接続線路13で構成されるジャンパー線により、逆位相の伝送線路12Bを跨いで、電気的に接続されている。同様に、伝送線路12Aと伝送線路12Bは、接続ビア16A、16B、および接続線路14で構成されるジャンパー線により、伝送線路11Bを跨いで、電気的に接続されている。そして、接続線路13、および接続線路14は、導体膜19と同じ材料で形成されている。
図5(a)および(b)は、図2に示す配線構成におけるB−B断面図である。
図5(a)に示すように、伝送線路12Aと伝送線路12Bは、接続ビア16A、16B、および接続線路14で構成されるジャンパー線により、伝送線路11Bを跨いで、電気的に接続されている。接続線路14は、導体膜19が形成されている第2絶縁層24の上に形成されている。
上述のような構成を有するため、本発明においては、ジャンパー線の一部を構成する接続線路を、導体膜と同じ材料を用いて、導体膜形成工程と同じ工程で形成することができる。それゆえ、導体膜形成工程とは別に接続線路を形成する工程を設ける必要はなく、製造コストの上昇を抑制したサスペンション用フレキシャー基板を得ることができる。
なお、図5(b)に示すように、前記接続線路の上には、カバー層が形成されていることが好ましい。接続線路の腐食を防止できるからである。
(第2の実施形態)
図6は、本発明に係るサスペンション用フレキシャー基板の第2の実施形態の配線構成例を説明する概略平面図である。また、図7(a)および(b)は、図6に示す配線構成におけるC−C断面図である。
上述の第1の実施形態においては、交互配列された伝送線路(11A、11B、12A、12B)の上に第2絶縁層が形成されており、前記第2絶縁層の上に導体膜19が形成されていたが、本実施形態においては、導体膜19の上に第2絶縁層が形成されており、前記第2絶縁層の上に交互配列された伝送線路(11A、11B、12A、12B)が形成されている。
例えば、図7(a)に示すように、本実施形態のサスペンション用フレキシャー基板1は、金属支持基板21上に第1の絶縁層23を有し、第1絶縁層23の上に導体膜19が形成されている。そして、導体膜19の上に第2の絶縁層24が形成されており、第2の絶縁層24の上に、伝送線路(11A、11B、12A、12B)が交互配列されている。
なお、伝送線路(11A、11B、12A、12B)の上には、図7(b)に示すように、カバー層25が設けられていることが好ましい。伝送線路(11A、11B、12A、12B)の腐食等による劣化を防止することができるからである。
一方、金属支持基板21は、前記交互配列された伝送線路(11A、11B、12A、12B)と金属支持基板21との誘導もしくは容量性結合を低減させるために、平面視上、前記伝送線路が交互配列された領域の下に開口部22を有している。
なお、図示はしていないが、導体膜19と第1絶縁層23の間には、導体膜19を電解めっき形成するためのシード層が設けられていても良く、伝送線路(11A、11B、12A、12B)と第2の絶縁層24の間には、伝送線路(11A、11B、12A、12B)を電解めっき形成するためのシード層が設けられていても良い。
上述のような構成を有するため、本実施形態においても上述の第1の実施形態と同様に、交互配列された伝送線路(11A、11B、12A、12B)と導電膜19との間に誘導もしくは容量性結合が形成され、差動インピーダンスを低減させたサスペンション用フレキシャー基板とすることができる。
また、導電膜19は、金属支持基板21よりも導電性が高いため、電気信号が導体膜19を伝送しても、その伝送ロスを小さくすることができる。
それゆえ、上述の第1の実施形態と同様に、本実施形態のサスペンション用フレキシャー基板は、特に高周波信号を用いるサスペンション用フレキシャー基板として有用である。
なお、本実施形態においても上述の第1の実施形態と同様に、前記導電膜は、前記交互配列された伝送線路の少なくとも一部と平面視上重複するように形成されていれば効果を奏するものであるが、差動インピーダンスをより低減させるためには、前記導電膜が、交互配列された領域の全ての伝送線路と平面視上重複するように形成されていることが、好ましい。
例えば、図6に示すように、導電膜19は、交互配列された領域の4つの伝送線路(11A、11B、12A、12B)の全てと、平面視上重複するように形成されていることが好ましい。
また、本実施形態においても上述の第1の実施形態と同様に、前記導電膜が前記交互配列された伝送線路と平面視上重複する面積は、大きいほど低インピーダンス化に好ましい。例えば、前記導電膜は、前記交互配列された伝送線路の長手方向に伴って、帯状に形成されていることが好ましい。
また、本実施形態においても上述の第1の実施形態と同様に、前記導体膜が、書込配線および読取配線の配設形態と同様に、前記金属支持基板の長手方向の両外縁に沿って帯状に形成されていることが、サスペンション用フレキシャー基板の力学的平衡を保つために好ましい。
また、本実施形態においても上述の第1の実施形態と同様に、前記導体膜が、グランド線に接続されていることが好ましい。
また、本実施形態においても上述の第1の実施形態と同様に、上記のジャンパー線の一部を、前記導体膜が形成されている絶縁層の面に、前記導体膜と同じ材料で形成することが好ましい。
ここで、上述の第1の実施形態においては、ジャンパー線を構成する接続線路は、第2絶縁層の上に形成されていたが、本実施形態においては、第1絶縁層と第2絶縁層の間に形成される。
例えば、図6に示すように、交互配列された同位相の伝送線路11Aと伝送線路11Bは、接続ビア15A、15B、および接続線路13で構成されるジャンパー線により、逆位相の伝送線路12Bの下を潜るようにして、電気的に接続されている。同様に、伝送線路12Aと伝送線路12Bは、接続ビア16A、16B、および接続線路14で構成されるジャンパー線により、伝送線路11Bの下を潜るようにして、電気的に接続されている。そして、接続線路13、および接続線路14は、導体膜19と同じ材料で形成されている。
図8(a)および(b)は、図6に示す配線構成におけるD−D断面図である。
図8(a)に示すように、伝送線路12Aと伝送線路12Bは、接続ビア16A、16B、および接続線路14で構成されるジャンパー線により、伝送線路11Bの下を潜るようにして、電気的に接続されている。接続線路14は、導体膜19が形成されている第1絶縁層23の上に形成されている。
上述のような構成を有するため、本実施形態においても上述の第1の実施形態と同様に、ジャンパー線の一部を構成する接続線路を、導体膜と同じ材料を用いて、導体膜形成工程と同じ工程で形成することができる。それゆえ、導体膜形成工程とは別に接続線路を形成する工程を設ける必要はなく、製造コストの上昇を抑制したサスペンション用フレキシャー基板を得ることができる。
以下、本発明のサスペンション用フレキシャー基板を構成する部材について説明する。
[伝送線路]
伝送線路の材料としては、所望の導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば銅(Cu)等を挙げることができる。伝送線路は、その表面にニッケル(Ni)、金(Au)による保護めっき層が形成されていても良い。
伝送線路の厚さとしては、例えば4μm〜18μmの範囲内、中でも5μm〜15μmの範囲内であることが好ましい。伝送線路の厚さが小さすぎると、充分な低インピーダンス化を図ることができない可能性があり、伝送線路の厚さが大きすぎると、サスペンション用フレキシャー基板の剛性が高くなり過ぎる可能性があるからである。
伝送線路の線幅としては、例えば10μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。配線の線幅が小さすぎると、所望の導電性を得ることができない可能性があり、配線の線幅が大きすぎると、サスペンション用フレキシャー基板の充分な高密度化を図ることができない可能性があるからである。
また伝送線路間の距離は、例えば10μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。この距離が小さすぎると、高い加工精度を要求し、コストアップ等を招くことになるため好ましくなく、一方、この距離が大きすぎると、サスペンション用フレキシャー基板の充分な高密度化を図ることができない可能性があるからである。
[導体膜]
次に、本発明における導体膜について説明する。本発明においては、導体膜が金属支持基板よりも高い導電性を有することを大きな特徴としている。導体膜の材料としては、例えば、金属を挙げることができ、具体的には、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)、および、これらの金属の合金等を挙げることができ、中でも銅(Cu)が好ましい。導電性が高く、安価だからである。
導体膜の厚さは、交互配列された伝送線路との間で誘導もしくは容量性結合を形成でき、差動インピーダンスの低減に寄与できる厚さであれば良く、例えば、1μm以上であることが好ましく、2μm〜10μmの範囲内であることがより好ましく、3μm〜7μmの範囲内であることがさらに好ましい。
[接続線路]
次に、本発明における接続線路について説明する。本発明においては、ジャンパー線の一部を構成する接続線路が、導体膜と同じ材料、同じ厚さで形成されていることが好ましい。接続線路を、導体膜を形成する工程と同じ工程で形成することができるからである。
[金属支持基板]
次に、本発明における金属支持基板について説明する。金属支持基板の材料としては、サスペンション用フレキシャー基板の支持体として機能し、所望のばね性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばステンレス鋼を挙げることができる。
金属支持基板の厚さは、例えば10μm〜30μmの範囲内、中でも15μm〜25μmの範囲内であることが好ましい。
[第1絶縁層]
次に、本発明における第1絶縁層について説明する。第1絶縁層は、金属支持基板の表面上に形成されるものであり、第1絶縁層の上に形成される伝送線路や導体膜と、金属支持基板とを電気的に絶縁するものである。第1絶縁層の材料としては、所望の絶縁性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばポリイミド等を挙げることができる。また、第1絶縁層の材料は、感光性材料であっても良く、非感光性材料であっても良い。第1絶縁層の厚さは、例えば5μm〜30μmの範囲内であることが好ましい。
[第2絶縁層]
次に、本発明における第2絶縁層について説明する。第2絶縁層は、第1絶縁層の上に形成されるものであり、交互配列された伝送線路と導体膜との間に誘導もしくは容量性結合を形成する誘電体として機能するものである。第2絶縁層の材料としては、例えばポリイミド等を挙げることができる。第2絶縁層の材料は、感光性材料であっても良く、非感光性材料であっても良い。第2絶縁層の厚さは、所望の誘導もしくは容量性結合を形成するものであれば良く、例えば5μm〜30μmの範囲内であることが好ましい。
[カバー層]
次に、本発明に用いられるカバー層について説明する。腐食等による劣化を防止するため、伝送線路や導体膜、接続線路は、カバー層で覆われていることが好ましい。カバー層の材料としては、例えば、ポリイミドを挙げることができる。また、カバー層の材料は、感光性材料であっても良く、非感光性材料であっても良い。カバー層の厚さは、例えば3μm〜30μmの範囲内であることが好ましい。
[サスペンション用基板の製造方法]
次に、本発明のサスペンション用フレキシャー基板の製造方法について説明する。なお、本発明のサスペンション用フレキシャー基板の製造方法は、上述した構成を有するサスペンション用フレキシャー基板を得ることができる方法であれば特に限定されるものではない。
以下、本発明のサスペンション用フレキシャー基板の製造方法の一例について、図9〜図12を用いて説明する。
(第1の実施形態)
まず、図3(b)に示す本発明の第1実施形態のサスペンション用フレキシャー基板の製造方法の一例について、図9および図10を用いて説明する。
図9(a)に示すように、まず、金属支持基板21(例えばステンレス鋼)、第1絶縁層23(例えばポリイミド)、および導体層31(例えば銅)が、順次積層された積層体を用意する。第1絶縁層23と導体層31の間には、シード層があっても良い(図示せず)。
次に、ドライフィルムレジストを用いたフォト製版、およびエッチングにより、導体層31を加工して、伝送線路11A、11B、12A、12Bを形成する(図9(b))。
次に、伝送線路11A、11B、12A、12Bの上に、第2絶縁層24(例えばポリイミド)を形成し(図9(c))、その上にスパッタリング法を用いてシード層32を形成する(図9(d))。
次に、シード層32の上にドライフィルムレジストをラミネートし、フォト製版により、伝送線路11A、11B、12A、12Bが交互配列された領域の上が開口されたレジストパターン33を形成し(図9(e))、前記開口から露出するシード層32の上に、電解めっき法により、導体膜19(例えば銅)を形成する(図10(f))。
次に、レジストパターン33を除去し、次いで、露出する不要なシード層32を除去し(図10(g)、その後、導体膜19を被覆するようにカバー層25(例えばポリイミド)を形成する(図10(h))。
最後に、ドライフィルムレジストを用いたフォト製版、およびエッチングにより、金属支持基板21を加工して、伝送線路11A、11B、12A、12Bが交互配列された領域の下に開口部22を形成し、本発明に係るサスペンション用フレキシャー基板1を得る(図10(i))。
上述の製造方法おいては、種々のエッチングを行っているが、エッチングに用いられるエッチング液は、各材料の特性を考慮して、適宜選択されることが好ましい。例えば、金属支持基板21にステンレス鋼を用いている場合、ならびに、導体層31に銅を用いている場合には、エッチング液として、例えば、塩化鉄系エッチング液を用いることができる。また、第1絶縁層23、第2絶縁層24、およびカバー層25にポリイミドを用いている場合は、エッチング液として、例えば、アルカリ系エッチング液を用いることができる。
(第2の実施形態)
次に、図7(b)に示す本発明の第2実施形態のサスペンション用フレキシャー基板の製造方法の一例について、図11および図12を用いて説明する。
図11(a)に示すように、まず、金属支持基板21(例えばステンレス鋼)、第1絶縁層23(例えばポリイミド)、および導体層34(例えば銅)が順次積層された積層体を用意する。第1絶縁層23と導体層34の間には、シード層があっても良い(図示せず)。
次に、ドライフィルムレジストを用いたフォト製版、およびエッチングにより、導体層34を加工して、導体膜19を形成する(図11(b))。
次に、導体膜19の上に、第2絶縁層24(例えばポリイミド)を形成し(図11(c))、その上にスパッタリング法を用いてシード層35を形成する(図11(d))。
次に、シード層35の上にドライフィルムレジストをラミネートし、フォト製版により、導体膜19が形成された領域の上に複数の開口が形成されたレジストパターン36を形成し(図11(e))、前記開口から露出するシード層35の上に、電解めっき法により、伝送線路11A、11B、12A、12Bを形成する(図12(f))。
次に、レジストパターン36を除去し、次いで、露出する不要なシード層35を除去し(図12(g))、その後、伝送線路11A、11B、12A、12Bを被覆するようにカバー層25(例えばポリイミド)を形成する(図12(h))。
最後に、ドライフィルムレジストを用いたフォト製版、およびエッチングにより、金属支持基板21を加工して、伝送線路11A、11B、12A、12Bが交互配列された領域の下に開口部22を形成し、本発明に係るサスペンション用フレキシャー基板1を得る(図12(i))。
[サスペンション]
次に、本発明のサスペンションについて説明する。本発明のサスペンションは、上述したサスペンション用フレキシャー基板を含むことを特徴とするものである。
本発明のサスペンションは、上述したサスペンション用フレキシャー基板1と、ジンバル部2が形成されている表面とは反対側のサスペンション用フレキシャー基板1の表面に備え付けられたロードビームとを有するものである。ロードビームは、一般的なサスペンションに用いられるロードビームと同様のものを用いることができる。
本発明によれば、上述したサスペンション用フレキシャー基板を用いることで、より低インピーダンス化を達成したサスペンションとすることができる。
[ヘッド付サスペンション]
次に、本発明のヘッド付サスペンションについて説明する。本発明のヘッド付サスペンションは、上述したサスペンションと、該サスペンションに実装された磁気ヘッドスライダとを有するものである。
サスペンションについては、上述した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、磁気ヘッドスライダは、一般的なヘッド付サスペンションに用いられる磁気ヘッドスライダと同様のものを用いることができる。
本発明によれば、上述したサスペンションを用いることで、より低インピーダンス化を達成したヘッド付サスペンションとすることができる。
[ハードディスクドライブ]
次に、本発明のハードディスクドライブについて説明する。本発明のハードディスクドライブは、上述したヘッド付サスペンションを含むことを特徴とするものである。
本発明のハードディスクドライブは、少なくともヘッド付サスペンションを有し、通常は、さらにディスク、スピンドルモータ、アームおよびボイスコイルモータを有する。ヘッド付サスペンションについては、上述した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、その他の部材についても、一般的なハードディスクドライブに用いられる部材と同様のものを用いることができる。
本発明によれば、上述したヘッド付サスペンションを用いることで、より高機能化されたハードディスクドライブとすることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
図3(b)に示す構成の本発明に係るサスペンション用フレキシャー基板における差動インピーダンスを、シミュレーションにより算出した。
ここで、金属支持基板21には厚さ20μmのステンレス鋼を用い、図3(b)に示す開口部22の幅は、305μmとした。
また、第1絶縁層23には厚さ10μm、比誘電率3.0のポリイミドを用いた。
また、伝送線路11A、11B、12A、12Bの厚さは、いずれも12μmとし、図3(b)に示す断面の線幅は、いずれも45μmとし、各伝送線路間の距離は、いずれも15μmとした。なお、図4に示すW1およびW2の値は、それぞれ40μmとなるようにした。
また、第2絶縁層24には比誘電率3.0のポリイミドを用い、第1絶縁層23からの厚さを22μmとした。
また、導電膜19には厚さ5μmの銅を用い、図3(b)に示す断面の幅は、265μmとした。
カバー層25には比誘電率3.0のポリイミドを用い、第2絶縁層24からの厚さを10μmとした。
得られた差動インピーダンスは21Ωであった。
(実施例2)
図7(b)に示すような構成の本発明に係るサスペンション用フレキシャー基板における差動インピーダンスを、シミュレーションにより算出した。
ここで、金属支持基板21には厚さ20μmのステンレス鋼を用い、図7(b)に示す開口部22の幅は、305μmとした。
また、第1絶縁層23には厚さ10μm、比誘電率3.0のポリイミドを用いた。
また、導電膜19には厚さ5μmの銅を用い、図7(b)に示す断面の幅は、265μmとした。
また、第2絶縁層24には比誘電率3.0のポリイミドを用い、第1絶縁層23からの厚さを15μmとした。
また、伝送線路11A、11B、12A、12Bの厚さは、いずれも12μmとし、図7(b)に示す断面の線幅は、いずれも45μmとし、各伝送線路間の距離は、いずれも15μmとした。
カバー層25には比誘電率3.0のポリイミドを用い、第2絶縁層24からの厚さを17μmとした。
得られた差動インピーダンスは21Ωであった。
(比較例1)
導電膜19を形成しないこと以外は、実施例1と同様にして、差動インピーダンスを算出した結果、得られた差動インピーダンスは30Ωであった。
(比較例2)
導電膜19を形成しないこと以外は、実施例2と同様にして、差動インピーダンスを算出した結果、得られた差動インピーダンスは30Ωであった。
1・・・サスペンション用フレキシャー基板
2・・・ジンバル部
3・・・接続端子部
4・・・書込配線
5・・・読取配線
11A、11B、12A、12B・・・伝送線路
13、14・・・接続線路
15A、15B、16A、16B・・・接続ビア
17A、17B、18A、18B・・・接続端子
19・・・導体膜
21・・・金属支持基板
22・・・開口部
23・・・第1絶縁層
24・・・第2絶縁層
25・・・カバー層
31、34・・・導体層
32、35・・・シード層
33、36・・・レジストパターン
50・・・インターリーブ配線
51、52・・・配線
53・・・ジャンパー線
54・・・接続端子

Claims (14)

  1. 金属支持基板上に、少なくとも、第1の絶縁層を介して、磁気ヘッドと外部回路とを電気的に接続するための配線が形成されているサスペンション用フレキシャー基板であって、
    前記配線は、第1の電気信号を伝送する2以上の伝送線路と、前記第1の電気信号とは逆位相となる第2の電気信号を伝送する2以上の伝送線路が、平面的に交互配列されたインターリーブ構造を有し、
    前記金属支持基板は、平面視上、前記伝送線路が交互配列された領域の下に開口部を有し、
    前記金属支持基板よりも高い導電性を有する導体膜が、前記交互配列された伝送線路の少なくとも一部と、第2の絶縁層を介して、平面視上重複するように、前記配線とは絶縁された状態で形成されていることを特徴とするサスペンション用フレキシャー基板。
  2. 前記導体膜が、前記交互配列された全ての前記伝送線路と、平面視上重複するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用フレキシャー基板。
  3. 前記導体膜が、前記金属支持基板の長手方向の両外縁に沿って帯状に形成されていることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板。
  4. 前記導体膜が、グランドに接続されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板。
  5. 前記金属支持基板の材料がステンレス鋼であり、前記導体膜の材料が銅であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板。
  6. 前記第1の絶縁層の上に、前記伝送線路が交互配列されており、前記交互配列された伝送線路の上に、前記第2の絶縁層が形成されており、前記第2の絶縁層の上に、前記導体膜が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板。
  7. 前記導体膜の上に、カバー層を有することを特徴とする請求項6に記載のサスペンション用フレキシャー基板。
  8. 前記交互配列された同位相の伝送線路間を電気的に接続するためのジャンパー線の一部を構成する接続線路が、前記第2の絶縁層の上に、前記導体膜とは絶縁された状態で、前記導体膜と同じ材料から形成されていることを特徴とする請求項6〜7のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板。
  9. 前記第1の絶縁層の上に、前記導体膜が形成されており、前記導体膜の上に前記第2の絶縁層が形成されており、前記第2の絶縁層の上に、前記伝送線路が交互配列されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板。
  10. 前記交互配列された伝送線路の上に、カバー層を有することを特徴とする請求項9に記載のサスペンション用基板。
  11. 前記交互配列された同位相の伝送線路間を電気的に接続するためのジャンパー線の一部を構成する接続線路が、前記第1の絶縁層と第2の絶縁層と間に、前記導体膜とは絶縁された状態で、前記導体膜と同じ材料から形成されていることを特徴とする請求項9〜10のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板を含むことを特徴とするサスペンション。
  13. 請求項12に記載のサスペンションと、前記サスペンションに実装された磁気ヘッドスライダとを有することを特徴とするヘッド付サスペンション。
  14. 請求項13に記載のヘッド付サスペンションを含むことを特徴とするハードディスクドライブ。
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